JP2018101031A - プロジェクター - Google Patents
プロジェクター Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018101031A JP2018101031A JP2016246278A JP2016246278A JP2018101031A JP 2018101031 A JP2018101031 A JP 2018101031A JP 2016246278 A JP2016246278 A JP 2016246278A JP 2016246278 A JP2016246278 A JP 2016246278A JP 2018101031 A JP2018101031 A JP 2018101031A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical
- projector
- optical component
- cooling mechanism
- airflow
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Transforming Electric Information Into Light Information (AREA)
- Projection Apparatus (AREA)
Abstract
【課題】光学部品への塵埃の付着を低減させて投写画像の画像品質を長時間維持するプロジェクターを提供する。【解決手段】プロジェクターは、光変調装置を含む光学部品を気流により冷却する冷却機構を備え、冷却機構は、光学部品の表面に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で気流を発生させる吐出部を備えている。【選択図】図6
Description
本発明は、プロジェクターに関する。
従来、光源から射出される光を画像情報に応じて光変調装置(液晶表示素子やDMDデバイス等)で変調し、投写光学装置で画像を拡大投写するプロジェクターが知られている。また、プロジェクターでは、光学系を構成する各種光学部品や光学装置の冷却が必要となる。プロジェクターは、光学系の冷却方式として、一般的に、外気を取り込んで冷却する、いわゆる空冷方式が採用されている。なお、空冷方式を用いる際には、外気に含まれる塵埃の光学部品への付着を防止し、投写画像の画像品質の低下を抑制している。
特許文献1の投射型表示装置(プロジェクター等)は、空冷用空間部の下部に2箇所の冷却風吹出口から上向きに吹き出された冷却風を、その空冷用空間部内のクロスプリズムの互いに直交する側面に対応してほぼL型に配置された2組のライトバルブユニットの表面に沿って上昇されるように誘導する主送風ガイドが、2組のライトバルブユニットの互いに隣接する側面に沿ってほぼL型に配置され、かつ、この主送風ガイドがこの空冷用空間部のコーナー部分において底部から上方へ起立されてライトバルブユニットの側面を空冷用空間部の底部から覆うように設けているので、2箇所の冷却風吹出口から上向きに吹き出された冷却風を、2組のライトバルブユニットの表面に沿ってスムーズに上昇させることができ、この空冷用空間部のコーナー部分に冷却風の多量の渦を伴う乱流が発生することを防止することが開示されている。
また、冷却する気流として、層流ではなく、乱流を発生させて、発熱する光学部品の表面に冷却風を送ることで、冷却効率を向上させるプロジェクター等もある。
特許文献1における構成は、新たな機構を設置する必要があるため、コストアップや製品サイズが大型化する等の課題がある。
また、乱流を発生させて光学部品を冷却する場合、冷却風に含まれる人皮や綿埃等を含む数百μm〜数十μmの比較的大きな塵埃は、吹き飛ばすことができる。しかし、サブμmの小さな塵埃は、徐々にではあるが、光学部品に付着していく。付着した場合には以後離脱し難くなる。そのため、プロジェクターの使用時間が、1000時間、2000時間ではあまり問題とはならないが、10000時間を超える等、長期で使用する場合には、投写画像の画質、特に色むら等の問題が発生しやすくなる。
従って、光学部品への塵埃の付着を低減させて投写画像の画像品質を長時間維持するプロジェクターが要望されていた。
また、乱流を発生させて光学部品を冷却する場合、冷却風に含まれる人皮や綿埃等を含む数百μm〜数十μmの比較的大きな塵埃は、吹き飛ばすことができる。しかし、サブμmの小さな塵埃は、徐々にではあるが、光学部品に付着していく。付着した場合には以後離脱し難くなる。そのため、プロジェクターの使用時間が、1000時間、2000時間ではあまり問題とはならないが、10000時間を超える等、長期で使用する場合には、投写画像の画質、特に色むら等の問題が発生しやすくなる。
従って、光学部品への塵埃の付着を低減させて投写画像の画像品質を長時間維持するプロジェクターが要望されていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、光源から射出される光を画像情報に応じて光変調装置で変調し、投写光学装置で画像を拡大投写するプロジェクターであって、光変調装置を含む光学部品を気流により冷却する冷却機構を備え、冷却機構は、光学部品の表面に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で気流を発生させる吐出部を備えていることを特徴とする。
本適用例のプロジェクターによれば、冷却機構は、光学部品の表面に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で気流を発生させる吐出部を備えることにより、光学部品へ吹き付ける気流を層流とすることができる。なお、光学部品の面上を流動する気流が乱流の場合、光学部品の面上で速度差を有する領域が発生しやすく、速度の遅い領域などへ塵埃が滞留しやすくなる。しかし、光学部品への気流を層流とすることで、速度差の発生を抑制することができ、光学部品への塵埃の滞留を少なくすることで、光学部品への塵埃の付着を低減することができる。特に、サブμmの塵埃(微粒子)の付着防止に効果がある。これにより、投写画像の画像品質を長時間維持することができる。
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、光学部品の表面を流動する気流を遮る構造部を備える場合、構造部は、光学部品の表面に対して垂直方向となる距離が0.5mm以内であることが好ましい。
上記適用例のプロジェクターによれば、光学部品の表面を流動する気流を遮る構造部(例えば、光学部品を保持固定する枠など)を備える場合、光学部品の表面に対して垂直方向となる距離が0.5mm以内であれば、構造部の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができる。従って、光学部品への塵埃の付着を低減することができる。
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、光学部品の表面を流動する気流を遮る構造部を備える場合、構造部は、気流の上流側および下流側にテーパー部を備えていることが好ましい。
上記適用例のプロジェクターによれば、気流を遮る構造部を備える場合、気流の上流側および下流側にテーパー部を備えている。この構成にすることにより、構造部に吹き付けた気流はテーパー部により滑らかに流動することができる。これにより、構造部の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができる。従って、光学部品への塵埃の付着を低減することができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明を行う。
〔第1実施形態〕
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の光学系(光学ユニット3)の概略構成を模式的に示す図である。なお、図1を含め、以降の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせている。
図1は、第1実施形態に係るプロジェクター1の光学系(光学ユニット3)の概略構成を模式的に示す図である。なお、図1を含め、以降の図面においては、図面を見やすくするため、各構成要素の寸法や比率などを適宜異ならせている。
本実施形態のプロジェクター1は、光源301(光源装置30)から射出される光(光束)を画像情報に応じて変調してスクリーン(図示省略)等の投写面に拡大投写する装置である。また、プロジェクター1は、光学ユニット3(光学系)、制御部(図示省略)、制御部等に電力を供給する電源部4(図4参照)、及びプロジェクター1内部を冷却する冷却機構5(図4参照)等を備え、これら各装置が外装筐体2内部に収容されている。なお、冷却機構5に関しては後述する。
図1に示すように、光学ユニット3は、制御部による制御に基づき、光源装置30から射出された光束を変調して投写するユニットである。光学ユニット3は、光源装置30、照明光学装置31、色分離光学装置32、リレー光学装置33、電気光学装置34、およびこれら光学装置30〜34を内部に収容すると共に、投写レンズ35を所定位置で支持固定する光学部品用筐体36を備えて構成されている。
光源装置30は、光源301およびリフレクター302を備える。光源装置30は、光源301から射出された光束をリフレクター302によって反射させて射出方向を揃え、照明光軸OAに対して平行化して照明光学装置31に向けて射出する。照明光軸OAは、光源装置30から被照明領域側に射出される光束の中心軸である。本実施形態の光源装置30は、超高圧水銀ランプを採用している。
照明光学装置31は、第1レンズアレイ311、第2レンズアレイ312、偏光変換素子313、重畳レンズ314、及び平行化レンズ315を備えている。第1レンズアレイ311は、光源装置30から射出された光束を部分光束に分割し、照明光軸OAに沿った方向に射出する。第2レンズアレイ312は、第1レンズアレイ311から射出された部分光束をそれぞれ重畳レンズ314に向けて射出する。
偏光変換素子313は、第2レンズアレイ312から射出されたランダム偏光光となる各部分光束を液晶パネル341で利用可能な略1種類の偏光光に揃える機能を有する。なお、第2レンズアレイ312から射出され、偏光変換素子313によって略1種類の偏光光に変換された各部分光束は、重畳レンズ314によって、液晶パネル341の表面に略重畳される。なお、重畳レンズ314から射出された光束は、平行化レンズ315により平行化されて液晶パネル341に重畳される。平行化レンズ315は、詳細には、後述する3色の色光毎に設けられている。
色分離光学装置32は、第1ダイクロイックミラー321、第2ダイクロイックミラー322、及び反射ミラー323を備えている。色分離光学装置32は、照明光学装置31から射出された光束を、赤色(R)光、緑色(G)光、青色(B)光の3色の色光に分離する。
リレー光学装置33は、入射側レンズ331、リレーレンズ333、及び反射ミラー332,334を備えている。リレー光学装置33は、色分離光学装置32で分離されたR光をR光用の液晶パネル341Rまで導く。なお、本実施形態では、リレー光学装置33がR光を導く構成としているが、これに限定されず、例えば、B光を導く構成としてもよい。
電気光学装置34は、各色光に対応して、入射側偏光板342、光変調装置としての液晶パネル341、光学補償素子343、及び射出側偏光板344を備えている。また、電気光学装置34は、各色光を合成するクロスダイクロイックプリズム345を備えている。なお、各色光に対応する液晶パネル341として、R光用の液晶パネルを341R、G光用の液晶パネルを341G、B光用の液晶パネルを341Bとする。
液晶パネル341(341R,341G,341B)は、色分離光学装置32で色光毎に分離された光束を画像情報に応じて変調する。クロスダイクロイックプリズム345は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状を有し、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、2つの誘電体多層膜が形成されている。クロスダイクロイックプリズム345は、液晶パネル341R,341G,341Bで変調された各色光を合成し、投写レンズ35に射出する。
なお、光学補償素子343は、本実施形態では、液晶パネル341の後段に2枚設置されて構成されている(図中では1枚図示している)。光学補償素子343は、液晶分子の屈折率が方向によって異なることに起因する液晶パネル341の視野角特性を補正している。液晶パネル341の後段に配置される光学補償素子343は、液晶パネル341から射出された変調光に対して、液晶パネル341の上下方向の視野角特性を補正し、次の光学補償素子343は、左右方向の視野角特性を補正することで、投写画像のコントラストを向上させている。
投写光学装置としての投写レンズ35は、複数のレンズを組み合わせた組レンズで構成され、電気光学装置34で変調されて合成された光束をスクリーン等の投写面上に拡大投写する。
発明者は、プロジェクターの冷却に空冷方式を用いた場合、従来、メカニカルフィルターを通過して光学部品等に付着することで投写時の色むらの原因となる塵埃に対して、鋭意解析・検討を行った。その結果を以下に説明する。
図2は、走査電子顕微鏡による光学部品に付着した物質の画像(SEM画像)である。図3は、付着物質のサイズ別個数を示す図である。なお、図3は、図2に示すSEM画像を基に画像処理を行った結果であり、横軸Xが付着物質の換算直径(単位:μm)を示し、縦軸Yが付着物質の個数(単位:個)を示している。
光学部品に付着して色むらの原因となる付着物質は、図2に示す画像のように微粒子Aであり、微粒子Aを解析した結果、主な微粒子Aは、硫酸アンモニウムの微粒子Aであることがわかった。また、微粒子Aの粒径は、図3に示す図(データ)を基に解析した結果、平均粒径が0.6μmであることがわかった。これにより、問題となる微粒子Aは、大気汚染物質の原因となっている微小粒子状物質(いわゆるPM2.5)となる微粒子の一成分であることがわかった。
図4は、プロジェクター1の光学系及び冷却機構5の概略構成を模式的に示す図である。
図4に示すように、プロジェクター1内部には、冷却機構5が備えられている。本実施形態の冷却機構5は、外気を取り込んで冷却する、いわゆる空冷方式を採用している。冷却機構5は、プロジェクター1外部の外気を吸気して、発熱する光学部品等に吹き付ける。そして、冷却機構5は、発熱した部品を冷却して温まった外気をプロジェクター1外部に排気する。冷却機構5の一連の動作により、発熱する光学部品(光源装置30、偏光変換素子313、電気光学装置34等)及び発熱する回路素子(図示省略)や電源部4等が冷却される。
本実施形態の冷却機構5は、吸気側冷却機構(第1吸気側冷却機構51、第2吸気側冷却機構52)と、排気側冷却機構53とで構成されている。本実施形態では、第1吸気側冷却機構51と第2吸気側冷却機構52とは略同様に構成されるため、第1吸気側冷却機構51を取り上げて吸気側冷却機構を説明する。
第1吸気側冷却機構51は、吸気フレーム511、メカニカルフィルター512、吐出部としての吸気ファン514、及びダクト(図示省略)等を備えている。吸気フレーム511は、外装筐体2の側面に形成される開口部21に設置される。吸気フレーム511は、メカニカルフィルター512を支持固定している。
吸気ファン514は、メカニカルフィルター512の後段に設置されている。吸気ファン514は、メカニカルフィルター512を通過した外気を、冷却する光学部品に導くダクトと一体となるように設置されている。そして、吸気ファン514が駆動することにより、吸気フレーム511を介して外気をメカニカルフィルター512内に吸気し、メカニカルフィルター512を通過した外気をダクト内に流動させる。なお、ダクト内を流動した外気は、ダクトの終端部(図示省略)から、冷却する光学部品に向けて吹き付ける。
本実施形態の吸気ファン514は、いわゆるシロッコファンを用いている。シロッコファンは、回転軸方向から吸気した空気(外気)を、回転による遠心力方向に吐出するファンである。
第1吸気側冷却機構51において、メカニカルフィルター512は、従来と同様に、スポンジ等で構成されており、外気に含まれる人皮や綿埃等の比較的大きな塵埃を除去する。なお、本実施形態では、吸気ファン514は、メカニカルフィルター512を通過した微粒子Aを含む外気に対して、層流の気流として吐出することで、微粒子Aが光学部品に付着することを抑制している。詳細は後述する。
なお、第1吸気側冷却機構51のダクトは、本実施形態では、吸気ファン514の下流側で2つに分岐されている。分岐された一方のダクトは、光学部品となる電気光学装置34(液晶パネル341、入射側偏光板342、光学補償素子343、射出側偏光板344)に相対する下部に延びている。また、分岐された一方のダクトは、終端部近くで色光毎に更に3つに分岐している。なお、吸気ファン514の下流側で分岐された他方のダクトは、偏光変換素子313に相対する光学部品用筐体36の側面まで延びている。
第1吸気側冷却機構51は、一方のダクトにより、このダクトの分岐した3つの終端部から、電気光学装置34(液晶パネル341、入射側偏光板342、光学補償素子343、射出側偏光板344)に対して色光毎に下方から外気を吹き付ける。これにより、発熱する液晶パネル341、入射側偏光板342、光学補償素子343、射出側偏光板344の熱を奪い温度を低下させる。また、熱を奪って温まった外気は、液晶パネル341、入射側偏光板342、光学補償素子343、射出側偏光板344の上方向(光学部品用筐体36の上方向)に流動する。
また、第1吸気側冷却機構51は、他方のダクトにより、このダクトの終端部から、光学部品用筐体36に形成された開口部(図示省略)を介して、横方向から、発熱する偏光変換素子313に外気を吹き付ける。これにより、発熱する偏光変換素子313の熱を奪い温度を低下させる。また、熱を奪って温まった外気は、偏光変換素子313に相対する光学部品用筐体36の側面に形成された開口部(図示省略)から光学部品用筐体36の外に流動する。
第2吸気側冷却機構52は、外装筐体2の側面に形成される開口部22に設置される。第2吸気側冷却機構52は、第1吸気側冷却機構51と同様に構成されている。第2吸気側冷却機構52は、第1吸気側冷却機構51の吸気フレーム511、メカニカルフィルター512、吸気ファン514、及びダクト(図示省略)に対応して、吸気フレーム521、メカニカルフィルター522、吸気ファン524、及びダクト(図示省略)で構成されている。部品の外径や、吸気ファン524の仕様等、異なる部分もあるが、基本的に同様に構成されている。従って、第2吸気側冷却機構52の構成の説明は省略する。
第2吸気側冷却機構52が第1吸気側冷却機構51と異なるのは、冷却対象とする光学部品が異なっているところである。第2吸気側冷却機構52は、光学部品として光源装置30を冷却している。また、第2吸気側冷却機構52は、併せて電源部4も冷却している。なお、電源部4は、各種の直流電力をプロジェクター1の各部に供給している。また、電源部4は、光源装置30を点灯させるためのパルス電圧を生成するバラストも含んでいる。
第2吸気側冷却機構52のダクトは、終端部が光源装置30の筐体側面まで延びている。吸気ファン524が駆動することにより、このダクトの終端部から、光源装置30の筐体側面に形成された開口部(図示省略)を介して、横方向から、発熱する光源301及びリフレクター302(特に内側面となる反射面側)に外気を吹き付ける。これにより、発熱する光源301の熱を奪い温度を低下させる。なお、熱を奪って温まった外気は、光源装置30の筐体側面に形成された開口部(図示省略)から光源装置30の筐体の外に流動する。なお、筐体の外に流動した外気は、更に新たなダクト(図示省略)を介して電源部4内を流動し、電源部4の熱を奪って電源部4の外に流動する。
排気側冷却機構53は、排気ファン531を備えて構成されている。本実施形態の排気ファン531は、軸流ファンを用いている。軸流ファンは、ファン回転軸方向から吸入した冷却風を、ファン回転軸方向に吐出するファンである。そして、排気側冷却機構53は、第1吸気側冷却機構51と第2吸気側冷却機構52との冷却動作により温められた外気をプロジェクター1の外部に排気する。
詳細には、排気側冷却機構53(排気ファン531)は、第1吸気側冷却機構51により電気光学装置34(液晶パネル341、入射側偏光板342、光学補償素子343、射出側偏光板344)及び偏光変換素子313を冷却して温まった外気と、第2吸気側冷却機構52により、光源装置30および電源部4を冷却して温まった外気とを、外装筐体2の側面に形成される開口部23を介して排気する。
以降に示す表1は、発明者がレイノルズ数に着目し、レイノルズ数を異ならせた気流に対する塵埃の着塵状態を評価した表である。
プロジェクターは、セイコーエプソン(株)製のEB-G5650Wを使用した。塵埃試験機は、スガ試験機(株)製のDT-2を使用した。使用塵埃は、JIS-15種とし、所定量を秤量して使用した。測定条件は、プロジェクターに対するコマンド操作でランプ非点灯状態とし、吸気ファン及び排気ファンのコントロールを行う。そして、10時間毎に100時間迄測定を行った。
測定項目は、段階的に変化させたレイノルズ数に対する輝度低下率及び透過率としている。具体的には、輝度低下率は、輝度の初期値を100とした場合に何%低下したのかを測定した。透過率は、初期値を100とした場合に何%透過したのかを測定した。
なお、輝度低下率及び透過率の結果により、着塵状態が許容可能な場合は「○」、許容不可の場合は「×」で評価した。プロジェクターの製品仕様として、輝度低下率が30%より大きくなる場合には着塵状態として許容不可(着塵量が多すぎる)としている。
なお、輝度低下率及び透過率の結果により、着塵状態が許容可能な場合は「○」、許容不可の場合は「×」で評価した。プロジェクターの製品仕様として、輝度低下率が30%より大きくなる場合には着塵状態として許容不可(着塵量が多すぎる)としている。
評価の結果、輝度低下率が30%以下となるためには、レイノルズ数は60以下であることが必要であることがわかった。また、この状態では気流は層流となっていることがわかった。
図5Aは、光学補償素子343を表側(変調光が入射する側)から見た斜視図である。また、図5Bは、光学補償素子343を裏側(視野角補正後の変調光が射出する側)から見た斜視図。光学補償素子343を例に、本実施形態を説明する。
光学補償素子343は、上述したように、矩形で透明なガラス基板343aの表側の面S1に光学変換膜(図示省略)が蒸着されて構成されている。なお、光学補償素子343は、ガラス基板343aの面S1に光学変換フィルムを貼着したものでもよい。
光学補償素子343は保持枠60に保持されて固定されている。なお、保持枠60は、クロスダイクロイックプリズム345の側面に、液晶パネル341や射出側偏光板344と共に固定される構成となっている。
保持枠60は、金属の平板部材を加工して形成されている。そして保持枠60の中央には矩形の開口部61が形成されており、光学補償素子343で視野角特性を補正された変調光が開口部61を介して後段に射出される。開口部61の下側の辺には、光学補償素子343を受ける受部62が2か所、前方向に曲折されて形成されている。また、開口部61の上側の辺には、光学補償素子343を受ける受部63が1か所、前方向に曲折されて形成されている。
光学補償素子343は、保持枠60の表面側に設置され、裏側の面S2を保持枠60の開口部61の外周部に図示省略する両面テープ等で貼着されて固定される。
視野角を補正する場合には、保持枠60に形成される調整部(図示省略)を照明光軸OAに対して回動させることで、光学補償素子343の角度を変化させて補正する。
視野角を補正する場合には、保持枠60に形成される調整部(図示省略)を照明光軸OAに対して回動させることで、光学補償素子343の角度を変化させて補正する。
図6は、光学補償素子343を保持した保持枠60の受部62を通る気流W方向での断面図である。
第1吸気側冷却機構51の一方のダクトは、上述したように、色光毎に分岐して、電気光学装置34の下方から上方に向けて気流Wを吐出する。図6に示すように、光学補償素子343にも下方向から上方向に向かって気流Wが吐出される。なお、吐出部(吸気ファン514)からの気流Wは、レイノルズ数が60の気流となるように設定されている。気流Wは、具体的には、気流(空気)の温度を40℃とし、風速を10m/secとして設定している。
第1吸気側冷却機構51の一方のダクトは、上述したように、色光毎に分岐して、電気光学装置34の下方から上方に向けて気流Wを吐出する。図6に示すように、光学補償素子343にも下方向から上方向に向かって気流Wが吐出される。なお、吐出部(吸気ファン514)からの気流Wは、レイノルズ数が60の気流となるように設定されている。気流Wは、具体的には、気流(空気)の温度を40℃とし、風速を10m/secとして設定している。
気流Wは、光学補償素子343に吹き付ける際、保持枠60の受部62にも吹き付けることになる。なお、図6において、気流Wの上流側は図面の下方向となり、下流側は図面の上方向となる。
受部62は、言い換えると、光学部品(光学補償素子343)の表面(面S1)を流動する気流Wに対し、この気流Wを遮る構造部となる。また、本実施形態では、受部62の先端は、光学補償素子343の面S1に対して垂直方向となる距離Hが0.5mmで設定されている。
この場合、上流側から受部62に気流Wが吹き付けた場合、レイノルズ数が60の気流Wを維持することができるため、受部62の下流側(上方向)において、カルマン渦や乱流の発生を抑制することができる。従って、受部62の下流側となる光学補償素子343の面S1には、層流となる気流Wが流動する。これにより、光学補償素子343の面S1を流動する気流Wは層流を維持することができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、冷却機構5(第1吸気側冷却機構51)は、光学部品(光学補償素子343)の面S1に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で気流Wを発生させる吐出部としての吸気ファン514を備えることにより、光学補償素子343への気流Wを層流とすることができる。なお、光学補償素子343の面S1上を流動する気流Wが乱流の場合、光学補償素子343の面S1上で速度差を有する領域が発生しやすく、速度の遅い領域などへ塵埃が滞留しやすくなる。しかし、光学補償素子343への気流Wを層流とすることで、速度差の発生を抑制することができ、光学補償素子343への塵埃の滞留を少なくすることで、光学補償素子343への塵埃の付着を低減することができる。特に、サブμmの塵埃(微粒子A)の付着防止に効果がある。これにより、投写画像の色むら等を抑制することで、画像品質を長時間維持することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、冷却機構5(第1吸気側冷却機構51)は、光学部品(光学補償素子343)の面S1に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で気流Wを発生させる吐出部としての吸気ファン514を備えることにより、光学補償素子343への気流Wを層流とすることができる。なお、光学補償素子343の面S1上を流動する気流Wが乱流の場合、光学補償素子343の面S1上で速度差を有する領域が発生しやすく、速度の遅い領域などへ塵埃が滞留しやすくなる。しかし、光学補償素子343への気流Wを層流とすることで、速度差の発生を抑制することができ、光学補償素子343への塵埃の滞留を少なくすることで、光学補償素子343への塵埃の付着を低減することができる。特に、サブμmの塵埃(微粒子A)の付着防止に効果がある。これにより、投写画像の色むら等を抑制することで、画像品質を長時間維持することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、光学補償素子343の面S1を流動する気流Wに対し、この気流Wを遮る構造部(保持枠60の受部62)を備えており、光学補償素子343の面S1に対して垂直方向となる距離Hが0.5mmに設定されている。この場合、受部62の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができる。従って、光学補償素子343への塵埃の付着を低減することができる。
〔第2実施形態〕
図7Aは、第2実施形態に係る光学部品の表面を流動する気流Wを遮る構造部を備える場合の構造部の形状を示す断面図である。図7Bは、図7Aに示す構造部の平面図である。なお、図7A、図7Bは、構造部として円柱状の突起を例としている。また、図7A、図7Bでは、図面右側が上流側、図面左側が下流側としている。
図7Aは、第2実施形態に係る光学部品の表面を流動する気流Wを遮る構造部を備える場合の構造部の形状を示す断面図である。図7Bは、図7Aに示す構造部の平面図である。なお、図7A、図7Bは、構造部として円柱状の突起を例としている。また、図7A、図7Bでは、図面右側が上流側、図面左側が下流側としている。
本実施形態は、例えば、偏光変換素子313を、光学部品を収容する光学部品用筐体36の所定の位置に設置した場合などに、設置した偏光変換素子313の表面を流動する気流Wを遮るように、光学部品用筐体36の内面に例えば、円柱状の突起が構造部として構成されている場合を想定したものである。
図7A、図7Bに示すように、気流Wの上流側および下流側には、円柱状の突起70に対して、テーパー部T1,T2を備えた構造としている。これにより、気流Wは、突起70に吹き付ける場合、テーパー部T1,T2により滑らかに流動することができるため、突起70の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができる。そのため、気流Wのレイノルズ数を60以下程度の層流状態に維持することができる。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、気流Wを遮る構造部(突起70)を備える場合、気流Wの上流側および下流側にテーパー部T1,T2を備えている。このような構成とすることにより、突起70の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができ、気流Wのレイノルズ数を60以下程度の層流状態に維持できる。従って、光学部品への塵埃の付着を低減することができ、投写画像の画像品質を長時間維持することができる。
本実施形態のプロジェクター1によれば、気流Wを遮る構造部(突起70)を備える場合、気流Wの上流側および下流側にテーパー部T1,T2を備えている。このような構成とすることにより、突起70の下流側でのカルマン渦や乱流の発生を抑制することができ、気流Wのレイノルズ数を60以下程度の層流状態に維持できる。従って、光学部品への塵埃の付着を低減することができ、投写画像の画像品質を長時間維持することができる。
なお、上述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲において種々の変更や改良等を加えて実施することが可能である。変形例を以下に述べる。
上記第1実施形態のプロジェクター1は、光学部品としての光学補償素子343を保持する保持枠60の受部62(気流Wを遮る構造部)に対し、光学補償素子343の面S1に対して垂直方向となる距離Hが0.5mmに設定されている。しかし、光学補償素子343以外の光学部品での保持枠に適用してもよい。
上記第2実施形態のプロジェクター1は、構造部としての突起70に対してテーパー部T1,T2を備えている。しかし、テーパーとして突起を中心に円錐状となるようなテーパー形状としてもよい。
上記第1実施形態のプロジェクター1において、光学部品としての光学補償素子343を保持する保持枠60は、気流Wを遮る構造部としての受部62を備えている。しかし、このような構造部を備える場合、構造部は、気流に直交する方向における光学部品が機能する有効幅の中心軸を基準とし、有効幅に対して1.2倍以上離間した領域に設置されることでもよい。有効幅として、例えば、図5Bにおいては、保持枠60の開口部61の左右方向の幅となる。この構成にした場合、気流が構造部により遮られた場合にも、また、気流が中心軸方向に対して若干傾いた方向に流動した場合にも、光学部品を流動する気流を層流として維持させることができる。
1…プロジェクター、2…外装筐体、3…光学ユニット、5…冷却機構、60…保持枠、61…開口部、62…構造部としての受部、70…構造部としての突起、301…光源、514,524…吐出部としての吸気ファン、A…微粒子、H…距離、T1,T2…テーパー部、W…気流。
Claims (3)
- 光源から射出される光を画像情報に応じて光変調装置で変調し、投写光学装置で画像を拡大投写するプロジェクターであって、
前記光変調装置を含む光学部品を気流により冷却する冷却機構を備え、
前記冷却機構は、前記光学部品の表面に沿ってレイノルズ数が60以下となる流速で前記気流を発生させる吐出部を備えていることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記光学部品の表面を流動する前記気流を遮る構造部を備える場合、
前記構造部は、前記光学部品の表面に対して垂直方向となる距離が0.5mm以内であることを特徴とするプロジェクター。 - 請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記光学部品の表面を流動する前記気流を遮る構造部を備える場合、
前記構造部は、前記気流の上流側および下流側にテーパー部を備えていることを特徴とするプロジェクター。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016246278A JP2018101031A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | プロジェクター |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016246278A JP2018101031A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | プロジェクター |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018101031A true JP2018101031A (ja) | 2018-06-28 |
Family
ID=62715352
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016246278A Pending JP2018101031A (ja) | 2016-12-20 | 2016-12-20 | プロジェクター |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018101031A (ja) |
-
2016
- 2016-12-20 JP JP2016246278A patent/JP2018101031A/ja active Pending
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US8523365B2 (en) | Light source device and projector | |
US8641202B2 (en) | Projection display device | |
JP2013235188A (ja) | 映像表示装置および冷却用ダクト | |
JP5898526B2 (ja) | 液晶プロジェクタ | |
JP2005004071A (ja) | 光学部品用筐体、プロジェクタ | |
JP2012198401A (ja) | プロジェクター | |
US10018898B2 (en) | Projector having an electro-optical device encased in a heat dissipating mounting case | |
JP2018101031A (ja) | プロジェクター | |
US20120194786A1 (en) | Image projection apparatus | |
JP2000047328A (ja) | 画像投影装置 | |
JP2003241315A (ja) | 投射型表示装置 | |
JP2013145259A (ja) | プロジェクター | |
JP2011075763A (ja) | 投写型映像表示装置 | |
JP2012247486A (ja) | 投射型液晶映像装置 | |
JP2016180838A (ja) | プロジェクター | |
JP3757879B2 (ja) | 投射型表示装置 | |
JP2005196230A (ja) | 投射型表示装置 | |
JP5205329B2 (ja) | 投写型映像表示装置 | |
JP5900008B2 (ja) | プロジェクター | |
JP2011028089A (ja) | 液晶表示装置および投射型表示装置 | |
JPH06265855A (ja) | 投射型表示装置及びそのための表示パネルユニット | |
JP5938929B2 (ja) | プロジェクター | |
JP2005326891A (ja) | 投射型表示装置 | |
JP2018017961A (ja) | プロジェクター | |
WO2012108019A1 (ja) | 液晶プロジェクタ |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
RD05 | Notification of revocation of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7425 Effective date: 20180907 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20181120 |