JP2018100794A - スターリング冷凍機 - Google Patents

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中野 恭介
Kyosuke Nakano
恭介 中野
善勝 平塚
Yoshikatsu Hiratsuka
善勝 平塚
健太 湯本
Kenta Yumoto
健太 湯本
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Abstract

【課題】スターリング冷凍機への振動の影響を抑制する。【解決手段】スターリング冷凍機100は、作動ガスの圧力振動が与えられる圧力振動室108と、軸方向往復動が圧力振動室108での圧力振動によって駆動されるディスプレーサ110と、圧力検知部116を備え、圧力振動室108に対し気密に区画された圧力検知室112と、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさ以下であるとき遮断され、所定の大きさを超えるとき圧力振動室108での圧力振動が圧力検知室112に伝達されるよう両室を連絡する圧力伝達通路114と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、スターリング冷凍機に関する。
従来から、スターリング冷凍機それ自身の運転によってスターリング冷凍機に生じる振動を抑制するために、弾性体、質量物および減衰体を備える振動抑制装置をスターリング冷凍機に設けることが知られている。スターリング冷凍機は、ディスプレーサなどの可動部がフリーピストンとして構成されることがある。
特開2006−46419号公報
上述のようにスターリング冷凍機は冷却運転中に振動しうる。また、スターリング冷凍機は静粛な環境でのみ使用されるわけではなく、外部からの振動にさらされる場所に設置されることもありうる。これらの振動は、フリーピストン、例えばディスプレーサの挙動に影響しうる。たとえば、外部からの振動がディスプレーサの往復動方向にディスプレーサを加振する場合には、ディスプレーサの動きが過剰に増幅されるかもしれない。そうすると、隣接する静止部材にディスプレーサが衝突して異音が生じたり、あるいはスターリング冷凍機の耐久性が低下しうる。
本発明のある態様の例示的な目的のひとつは、スターリング冷凍機への振動の影響を抑制することにある。
本発明のある態様によると、スターリング冷凍機は、作動ガスの圧力振動が与えられる圧力振動室と、軸方向往復動が前記圧力振動室での圧力振動によって駆動されるディスプレーサと、圧力検知部を備え、前記圧力振動室に対し気密に区画された圧力検知室と、前記ディスプレーサのストロークが所定の大きさ以下であるとき遮断され、前記所定の大きさを超えるとき前記圧力振動室での圧力振動が前記圧力検知室に伝達されるよう両室を連絡する圧力伝達通路と、を備える。
本発明のある態様によると、スターリング冷凍機は、作動ガスの圧力振動が与えられる圧力振動室と、軸方向往復動が前記圧力振動室での圧力振動によって駆動されるディスプレーサと、前記圧力振動室に対し気密に区画されたガス室と、前記ディスプレーサの軸方向往復動に抗する軸方向ガスばね力を前記ディスプレーサに作用させるよう前記ディスプレーサに隣接するガスばね室と、を備える。前記ガスばね室は、前記ディスプレーサのストロークが所定の大きさ以下であるとき前記ガス室に連絡され、前記所定の大きさを超えるとき前記ガス室から遮断される。
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
本発明によれば、スターリング冷凍機への振動の影響を抑制することができる。
第1実施形態に係るスターリング冷凍機を示す概略図である。 第1実施形態に係るスターリング冷凍機の衝突防止機構の動作を説明するための概略図である。 第2実施形態に係るスターリング冷凍機を示す概略図である。 第2実施形態に係るスターリング冷凍機の衝突防止機構の動作を説明するための概略図である。 第2実施形態に係るスターリング冷凍機の他の一例を示す概略図である。 第2実施形態に係るスターリング冷凍機の他の一例を示す概略図である。 第3実施形態に係るスターリング冷凍機を示す概略図である。 第4実施形態に係るスターリング冷凍機を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。なお、説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を適宜省略する。また、以下に述べる構成は例示であり、本発明の範囲を何ら限定するものではない。また、以下の説明において参照する図面において、各構成部材の大きさや厚みは説明の便宜上のものであり、必ずしも実際の寸法や比率を示すものではない。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係るスターリング冷凍機100を示す概略図である。スターリング冷凍機100は、圧縮機102、膨張機104、および圧力容器106を備える。スターリング冷凍機100は、いわゆる一体型のスターリング冷凍機である。圧力容器106は、高圧の作動ガスを気密に保持するよう構成されており、圧縮機102および膨張機104はともに圧力容器106に収容されている。作動ガスは例えばヘリウムガスである。
知られているように、圧縮機102は作動ガスの圧力振動を生成する。作動ガスの圧力振動は膨張機104に伝達される。膨張機104には圧縮機102の圧力振動と同一の周波数で当該振動と位相差を有する圧力振動が生じる。圧縮機102と膨張機104との間に逆スターリングサイクルが形成され、膨張機104は寒冷を発生させる。こうして、スターリング冷凍機100は、被冷却物を冷却することができる。
詳細は後述するが、スターリング冷凍機100は、圧力振動室108、ディスプレーサ110、圧力検知室112、および圧力伝達通路114を備える。圧力振動室108には、作動ガスの圧力振動が与えられる。ディスプレーサ110の軸方向往復動が圧力振動室108での圧力振動によって駆動される。スターリング冷凍機100の軸方向(図において上下方向)が矢印Cにより示され、これはディスプレーサ110の軸方向と一致する。圧力検知室112は、圧力検知部116を備える。圧力検知室112は、圧力振動室108に対し気密に区画されている。圧力伝達通路114は、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさ以下であるとき遮断される。圧力伝達通路114は、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさを超えるとき圧力振動室108での圧力振動が圧力検知室112に伝達されるよう両室を連絡する。
「所定の大きさ」は、例えば、予め定められたストロークしきい値である。ストロークしきい値は、設計者の経験的知見または設計者による実験やシミュレーション等に基づき適宜設定することが可能である。
ここで、ディスプレーサ110のストロークとは、ディスプレーサ110の振幅、より詳しくは、ディスプレーサ110の軸方向往復動における上死点から下死点までの距離をいう。ディスプレーサ110のストロークは、圧力振動室108における作動ガスの圧力振動に応じて変化する。
また、スターリング冷凍機100は、圧力振動室108から圧力検知室112を封止するとともに、ディスプレーサ110の軸方向往復動を案内するシール部118をさらに備える。圧力検知室112は、ディスプレーサ110の内部に形成されている。圧力伝達通路114は、ディスプレーサ110の外表面に形成された第1開口部114aを備える。第1開口部114aは、ディスプレーサ110のストロークが上記の所定の大きさ以下であるときシール部118によって閉鎖される。第1開口部114aは、ディスプレーサ110のストロークが上記の所定の大きさを超えるときシール部118から圧力振動室108に露出して両室を連絡するように、軸方向に位置決めされている。
図1には、スターリング冷凍機100の内部構造を概略的に示す。図示されるように、圧縮機102は、圧縮機ピストン120、圧縮機ピストン支持部122、および圧縮機ピストン駆動部124を備える。
圧縮機ピストン120は、圧力容器106の中に配置され、圧力容器106に対して軸方向往復動を可能とするよう構成されている。図1においては圧縮機ピストン120の軸方向往復動が圧力容器106の内壁面によって案内されるよう概略的に示されているが、圧縮機ピストン120の軸方向往復動は、圧力容器106に固定された圧縮機シリンダ(図示せず)によって案内されてもよい。圧縮機ピストン支持部122は例えば板ばね等の弾性部材を備え、圧縮機ピストン120は圧縮機ピストン支持部122を介して圧力容器106に支持される。
圧力容器106の中には、圧縮機ピストン120の一面(図において上面)に隣接して圧縮室126が形成され、圧縮機ピストン120の反対側の面(図において下面)に隣接して背圧室128が形成されている。圧縮室126は、圧力振動室108の一部であるとみなすこともできる。圧縮機ピストン支持部122および圧縮機ピストン駆動部124は、背圧室128に収容されている。
圧縮室126は、圧縮機ピストン120によって背圧室128から仕切られ、背圧室128に対して気密に形成されている。圧縮室126と背圧室128とのガス流通はない。背圧室128には圧縮室126と同種のガス(すなわち作動ガスであり、例えばヘリウムガス)が封入されている。背圧室128の圧力は、圧縮室126の平均圧力、すなわち圧縮機ピストン120の一周期の移動によって生じる圧縮室126の最高圧と最低圧の平均に一致し、またはほぼ等しい。
圧縮機ピストン駆動部124は、圧縮機ピストン120の軸方向往復動を駆動する往復駆動源、例えばリニアモータを備える。このように電磁気的作用によって圧縮機ピストン120が駆動される場合には、圧縮機ピストン120をフリーピストンとみなすこともできる。圧縮機ピストン120は、ある振幅及び周波数で圧力容器106に対し軸方向に振動する。こうして圧縮機102は作動ガスの圧力振動を圧縮室126に生成することができる。
膨張機104は、上述のディスプレーサ110に加えて、放熱器130、蓄冷器132、低温熱交換器134、および冷却ステージ136を備える。ディスプレーサ110、放熱器130、蓄冷器132、および低温熱交換器134は、圧力容器106に収容されている。
ディスプレーサ110は、ディスプレーサピストン110aおよびディスプレーサロッド110bを備える。ディスプレーサピストン110aは、軸方向に往復動可能なフリーピストンである。ディスプレーサピストン110aは、ディスプレーサロッド110bに対して軸方向往復動を可能とするようにディスプレーサロッド110bに取り付けられている。
また、膨張機104は、ディスプレーサロッド110bを圧力容器106に固定するディスプレーサ固定部138を備える。ディスプレーサ固定部138は、圧力容器106に収容されている。ディスプレーサ固定部138は、ディスプレーサロッド110bを圧力容器106に剛に接続しており、ディスプレーサロッド110bは圧力容器106に対し移動しない。ディスプレーサ固定部138には、軸方向に貫通するガス流通口140が形成されている。
圧力容器106の中には、ディスプレーサ110(より具体的にはディスプレーサピストン110a)の先端面110cに隣接して膨張室142が形成されている。膨張室142は、ディスプレーサ110に対し圧力振動室108と反対側に位置する。冷却ステージ136は、膨張室142を挟んでディスプレーサ110の先端面110cと対向する圧力容器106の部分に固着されている。冷却ステージ136は、スターリング冷凍機100による被冷却物が取り付けられ又は熱的に連結される部位である。冷却ステージ136は、コールドヘッドと呼ばれることもある。
圧力振動室108と膨張室142とを接続する作動ガス流路が放熱器130、蓄冷器132、および低温熱交換器134によって形成されている。この作動ガス流路を通じて圧力振動室108から膨張室142へと(また、膨張室142から圧力振動室108へと)作動ガスが流れる。
圧力振動室108は、ディスプレーサ固定部138によって圧縮室126から仕切られている。ディスプレーサ固定部138は、放熱器130との間に圧力振動室108を形成するよう放熱器130から軸方向に離れて配置されている。上述のようにディスプレーサ固定部138にはガス流通口140が設けられている。よって、圧縮室126は圧力振動室108にガス流通口140を通じて連絡され、圧縮室126と圧力振動室108とのガス流通が可能である。圧縮室126にて生成された圧力振動は圧力振動室108に伝達される。
膨張機104は、いわゆるアニュラー型に構成されている。蓄冷器132はディスプレーサ110の中心軸と同軸に配設されディスプレーサ110を囲むよう環状またはドーナツ状に形成されている。蓄冷器132は、蓄冷材容器と、蓄冷材容器に収容された蓄冷材(例えば金網の積層構造)とを備える。放熱器130および低温熱交換器134も蓄冷器38と同様に環状またはドーナツ状に形成されている。
ディスプレーサ110の軸方向往復動を案内するディスプレーサシリンダの少なくとも一部が蓄冷器132によって形成されている。蓄冷器132とともに、放熱器130及び/または低温熱交換器134も、ディスプレーサシリンダの一部を形成してもよい。なおディスプレーサ110とディスプレーサシリンダの間にはわずかなクリアランスがあってもよい。このクリアランスを通じた圧力振動室108と膨張室142とのガス流通を妨げるシール部がディスプレーサ110とディスプレーサシリンダの間に設けられていてもよい。
放熱器130は、軸方向において蓄冷器132と圧力振動室108の間で蓄冷器132に隣接して設けられている。放熱器130は例えば水冷式熱交換器である。放熱器130は、圧縮機102から供給された作動ガスを冷却し、その熱を膨張機104の外部へ放出するための熱交換を実現する。圧縮機102から圧力振動室108に供給される作動ガスは一般に室温より高い温度を有するので、放熱器130は、この高温ガスを室温程度に冷却する。
低温熱交換器134は、軸方向において蓄冷器132と冷却ステージ136との間で蓄冷器132に隣接して設けられている。低温熱交換器134は、冷却ステージ136から吸熱し、その熱を膨張室142での膨張により冷却された作動ガスに与えるための熱交換を実現する。
スターリング冷凍機100の使用に際して、スターリング冷凍機100のうち低温部は通例、図示しない真空容器に収容される。低温部には、冷却ステージ136、低温熱交換器134、および蓄冷器132が含まれる。それ以外の部分は常温部である。圧力容器106にはフランジ146が設けられている。フランジ146は、スターリング冷凍機100の低温部と常温部との境界に位置する。スターリング冷凍機100はフランジ146を介して真空容器に装着され、フランジ146は真空容器内部の真空層と真空容器外部の大気層とを分離する。
スターリング冷凍機100のディスプレーサ構造についてさらに説明する。ディスプレーサピストン110aはその先端面110cが半球面状またはその他の凸曲面状に形成された概ね円筒状の部材である。ディスプレーサロッド110bは、ディスプレーサピストン110aの内部からディスプレーサ固定部138へと延びている。ディスプレーサロッド110bは、ディスプレーサピストン110aより細い円筒状の軸部であり、ディスプレーサピストン110aと同軸に設けられている。
ディスプレーサロッド110bの下端がディスプレーサ固定部138に取り付けられているのに対し、ディスプレーサロッド110bの上端はディスプレーサ支持部144を介してディスプレーサピストン110aに取り付けられている。ディスプレーサ支持部144は例えば板ばね等の弾性部材を備える。ディスプレーサ支持部144が弾性変形することによって、ディスプレーサロッド110bに対するディスプレーサピストン110aの軸方向往復動が可能となる。
ディスプレーサピストン110aの底面110dには、ディスプレーサロッド110bを受け入れる中心開口が形成されている。中心開口は円形状である。この中心開口の外周に沿ってシール部118、例えばロッドシールが設けられている。シール部118は、ディスプレーサピストン110aの一部を形成しており、ディスプレーサロッド110bに対するディスプレーサピストン110aの軸方向往復動を案内するよう構成されている。
このようにして、ディスプレーサピストン110aとディスプレーサ支持部144とからなる振動系が構成されている。この振動系は、圧縮機ピストン120の振動と同一の周波数で当該振動と位相差を有してディスプレーサピストン110aが振動するよう構成されている。ディスプレーサピストン110aは、圧縮機ピストン120の振動によって圧力振動室108に生じる作動ガス圧力の脈動によって駆動される。このようなディスプレーサ110及び圧縮機ピストン120それぞれの往復動によって膨張室142と圧力振動室108との間に逆スターリングサイクルが形成される。こうして、冷却ステージ136が冷却され、スターリング冷凍機10は、冷却ステージ136に熱的に連結された対象物を冷却することができる。
上述のように、スターリング冷凍機100は、ディスプレーサロッド110bによって支持され圧力振動によって動作するディスプレーサピストン110aを有する。このようなフリーピストン型のスターリング冷凍機においては、ディスプレーサピストン110aが共振によって運動するため効率が良い。その一方、ディスプレーサピストン110aはフリーピストンであるので、ディスプレーサピストン110aの変位量を制限する強制力は働かない。
そのため、スターリング冷凍機100の外部から振動などの外乱力が作用した場合、ディスプレーサピストン110aの振幅が過剰に増幅され、上死点及び/または下死点でディスプレーサピストン110aは隣接する構成部材に接触または衝突するかもしれない。衝突が起きた場合、部品の破損や冷凍能力の低下等の問題が発生しうる。冷凍機の修理が必要となるかもしれない。
そこで、スターリング冷凍機100には、以下に説明するように、ディスプレーサ110の内部または背面に「圧力」を利用した衝突防止機構が組み込まれている。これにより、ディスプレーサ110の衝突を未然に防ぐ等、スターリング冷凍機100への振動の影響が抑制される。また、スターリング冷凍機100の信頼性を高めることができる。
スターリング冷凍機100の衝突防止機構を説明する。ディスプレーサ110の内部は空洞となっている。ディスプレーサピストン110aの内部空間とディスプレーサロッド110bの内部空間は互いにつながっていて、ガスの流通が可能である。ディスプレーサロッド110bの内部空間が上述の圧力検知室112として使用される。さらに、圧力検知室112は、ガス通路148を通じて背圧室128へとつながっている。ガス通路148は圧力検知室112からディスプレーサ固定部138および圧力容器106の壁部を通じて背圧室128に至る。シール部118によって、ディスプレーサピストン110aとディスプレーサロッド110bとの径方向隙間は封止されている。
こうして、背圧室128と同様に、圧力検知室112には作動ガスが封入され、圧縮室126の平均圧力に維持されている。圧力伝達通路114が閉じられている限りは、圧力振動室108における作動ガスの圧力変動は、圧力検知室112にまったく伝わらないか、またはほとんど伝わらない。
圧力伝達通路114の第1開口部114aは、ディスプレーサロッド110bの外表面に形成されている。また、圧力伝達通路114の第2開口部114bが、ディスプレーサロッド110bの内表面に形成されている。圧力伝達通路114は、第1開口部114aから第2開口部114bへとディスプレーサロッド110bを径方向に貫通している。圧力伝達通路114は、ディスプレーサロッド110bの外へと圧力検知室112を連絡することができる。
スターリング冷凍機100が正常に冷却運転されているとき、図1に示すように、ディスプレーサピストン110aは規定のストロークSで振動する。この場合、圧力伝達通路114の第1開口部114aの可動範囲がすべてシール部118によって覆われている。第1開口部114aはシール部118によって閉鎖され、圧力伝達通路114は遮断されている。よって、圧力振動室108から圧力検知室112へのガス流れは無く、圧力振動室108における圧力振動は圧力検知室112に伝わらない。
図2は、第1実施形態に係るスターリング冷凍機100の衝突防止機構の動作を説明するための概略図である。なお理解を容易にするために、図2においては蓄冷器132など一部の要素の図示を省略している。
図2には、ディスプレーサピストン110aが規定のストロークSより大きいストロークS’で振動する場合を示す。矢印Dにより示すようにディスプレーサロッド110bに対してディスプレーサピストン110aが大きく上方に変位している。ただし、このストロークS’は、ディスプレーサピストン110aが隣接する構成要素(例えば、冷却ステージ136、またはディスプレーサ固定部138)と衝突することになる衝突ストロークより小さい。よって、図2においてディスプレーサピストン110aは衝突していない。
図2に示されるように、圧力伝達通路114の第1開口部114aはシール部118からディスプレーサピストン110aの底面110dを通過して圧力振動室108へと達している。第1開口部114aは圧力振動室108に露出している。よって、矢印Bにより図示されるように、圧力振動室108が圧力伝達通路114を通じて圧力検知室112に連絡され、圧力振動室108での圧力振動が圧力検知室112に伝達される。
圧力検知部116は、圧力振動を表す圧力振動検知信号150を出力可能である。圧力検知部116は、一般に入手可能な圧力センサであってもよい。圧力検知部116は、例えば、差圧を受けて変形するダイアフラムのような膜部材と、膜部材の変形を電気信号に変換する歪みゲージのような検知素子の組み合わせであってもよい。
スターリング冷凍機100は、圧力振動室108に圧力振動を生成する圧力振動生成部、例えば圧縮機102と、圧力振動検知信号150に応答して圧力振動生成部を制御する制御部152と、を備える。制御部152は、圧力振動検知信号150を入力として圧縮機制御信号151を出力する。
制御部152は、圧力振動検知信号150が入力されていないときは、ディスプレーサ110の振動が継続されるように圧力振動生成部を制御するよう構成されている。つまり、制御部152は、ディスプレーサ110の振動状態に変化を与えない。圧力振動検知信号150が入力されない場合、圧力検知室112は圧力振動室108から隔離されていることになる。ディスプレーサ110が規定のストロークSで振動しており、スターリング冷凍機100は正常な冷却運転をしていると判断できる。
一方、制御部152は、圧力振動検知信号150が入力されたとき、ディスプレーサ110の振動が抑制されるように圧力振動生成部を制御するよう構成されている。そうした圧力振動生成部の制御には、公知の方法を適宜用いることができる。ディスプレーサ110の振動が抑制されるので、ディスプレーサ110の衝突を抑制することができる。
説明したように、第1実施形態に係るスターリング冷凍機100によると、圧力伝達通路114は、ディスプレーサ110のストロークがあるストロークしきい値以下であるとき遮断される。圧力伝達通路114は、ディスプレーサ110のストロークがこのストロークしきい値を超えるとき圧力振動室108での圧力振動が圧力検知室112に伝達されるよう両室を連絡する。圧力伝達通路114の第1開口部114aは、ディスプレーサ110のストロークがストロークしきい値以下であるときシール部118によって閉鎖され、ストロークしきい値を超えるときシール部118から圧力振動室108に露出して両室を連絡するように、ディスプレーサロッド110b上で軸方向に位置決めされている。
したがって、圧力検知部116の圧力振動検知信号150を監視することにより、ディスプレーサ110の振動が過剰であるか否かを判断することができる。また、圧力振動生成部を適切に制御することによって、ディスプレーサ110の衝突を抑制することができる。スターリング冷凍機100への振動の影響を抑制し、スターリング冷凍機100の信頼性を高めることができる。
圧力伝達通路114の第1開口部114aの軸方向位置は、例えば、次のように決められる。ディスプレーサピストン110aが中立位置にあるときの底面110dから第1開口部114aまでの軸方向距離G1は、ディスプレーサ110の規定のストロークSの半分より大きくてもよい。このようにすれば、スターリング冷凍機100の正常な冷却運転中は圧力伝達通路114が遮断され圧力検知室112が圧力振動室108から隔離されることが保証される。
また、ディスプレーサピストン110aが中立位置にあるときの底面110dから第1開口部114aまでの軸方向距離G1は、ディスプレーサピストン110aと軸方向に隣接する構成要素(例えば、冷却ステージ136、またはディスプレーサ固定部138)とディスプレーサピストン110aとの軸方向距離Hより小さくてもよい。軸方向距離G1は、軸方向距離Hの3/4または1/2より小さくてもよい。このようにすれば、ディスプレーサピストン110aが隣接構成要素と衝突する前に圧力伝達通路114を開き圧力振動室108を圧力検知室112に連絡することができる。
(第2実施形態)
図3は、第2実施形態に係るスターリング冷凍機100を示す概略図である。第2実施形態に係るスターリング冷凍機100は、衝突防止機構としてのガスばね機構が追加されていることを除いて、第1実施形態に係るスターリング冷凍機100と同様である。
スターリング冷凍機100は、圧力振動室108に対し気密に区画されたガス室、例えばディスプレーサピストン室154と、ガスばね室156と、をさらに備える。ディスプレーサピストン室154は、ディスプレーサピストン110aの内部空間である。ガスばね室156は、ディスプレーサ110の軸方向往復動に抗する軸方向ガスばね力をディスプレーサ110に作用させるようディスプレーサ110に隣接する。ガスばね室156は、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさ以下であるときガス室に連絡され、所定の大きさを超えるときガス室から遮断される。ここで、「所定の大きさ」は、第1実施形態のそれと等しくてもよい。
また、スターリング冷凍機100は、ディスプレーサ110の軸方向往復動を案内するガイド部158と、第1連絡路160と、を備える。第1連絡路160は、ガイド部158に形成され、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさ以下であるときガスばね室156をガス室に連絡する。第1連絡路160は、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさを超えるときディスプレーサ110によって閉鎖される。
より具体的には、図3に示されるように、ガスばね室156は、ディスプレーサピストン110aに形成された凹部である。この凹部の外周にガイド部158が形成され、凹部にディスプレーサロッド110bの先端部が挿入されている。ガイド部158は、ディスプレーサピストン110aの一部を形成しており、ディスプレーサロッド110bに対するディスプレーサピストン110aの軸方向往復動を案内するよう構成されている。ガイド部158は、例えばガイドブッシュであってもよいし、あるいは第2のシール部、例えばロッドシールであってもよい。こうして、ガスばね室156は、ディスプレーサピストン110aとディスプレーサロッド110bとの間に区画されている。
第1連絡路160は、ガイド部158に形成され、ディスプレーサピストン110aを径方向に貫通している。第1連絡路160は、ディスプレーサピストン110aのストロークが所定の大きさ以下であるときガスばね室156をディスプレーサピストン室154に連絡する。スターリング冷凍機100が正常に運転され、ディスプレーサピストン110aが規定のストロークSで振動する場合、ガスばね室156は第1連絡路160を通じてディスプレーサピストン室154に連絡されている。ディスプレーサピストン110aが移動するときガスばね室156とディスプレーサピストン室154との間でガスの流出入が可能であるため、ガスばね室156からディスプレーサピストン110aにガスばね力はまったく作用しないか、または少なくとも顕著には作用しない。よって、ガスばね室156は、ディスプレーサピストン110aの動きを妨げない。
図4は、第2実施形態に係るスターリング冷凍機100の衝突防止機構の動作を説明するための概略図である。なお理解を容易にするために、図4においては蓄冷器132など一部の要素の図示を省略している。
図4には、ディスプレーサピストン110aが規定のストロークSより大きいストロークで振動する場合を示す。矢印Eにより示すようにディスプレーサロッド110bに対してディスプレーサピストン110aが大きく下方に変位している。ただし、このストロークは、ディスプレーサピストン110aが隣接する構成要素(たとえばディスプレーサ固定部138、図4には図示せず)と衝突することになる衝突ストロークより小さい。よって、図4においてディスプレーサピストン110aは衝突していない。
第1連絡路160は、ディスプレーサピストン110aのストロークが所定の大きさを超えるときディスプレーサロッド110bによって閉鎖される。こうして、ガスばね室156が密閉される。ガスばね室156に貯留されたガスは、ディスプレーサピストン110aが下動するときに圧縮され、圧力が高まる。ガスばね力は矢印Fで示すように上向きに働き、ディスプレーサピストン110aの移動と逆向きである。よって、ガスばね室156は、ディスプレーサピストン110aを制動して過剰なストロークを抑制することができる。
第2実施形態に係るスターリング冷凍機100によると、ガスばね室156を設けることによって、ディスプレーサ110の衝突を抑制することができる。スターリング冷凍機100への振動の影響を抑制し、スターリング冷凍機100の信頼性を高めることができる。
第2実施形態に係るスターリング冷凍機100は、第1実施形態と同様の圧力検知部116とガスばね室156の両方を備えるが、これは必須ではない。第2実施形態に係るスターリング冷凍機100は、圧力検知部116を備えなくてもよい。
図5に示されるように、第1連絡路160に加えて、第2連絡路162が設けられていてもよい。第2連絡路162は、ディスプレーサロッド110bの先端部に形成されている。第1連絡路160は、ディスプレーサピストン110aのストロークが所定の大きさ以下であるとき第2連絡路162を通じてガスばね室156をディスプレーサピストン室154に連絡する。第1連絡路160は、ディスプレーサピストン110aのストロークが所定の大きさを超えるときディスプレーサロッド110bによって閉鎖される。
このようにすれば、ディスプレーサピストン110aが過剰に下動するとき、第1連絡路160は第2連絡路162に対し軸方向下方に位置がずれる。2つの連絡路間のガス流通が不能となり、ガスばね室156が密閉される。ガスばね室156に貯留されたガスは、ディスプレーサピストン110aが下動するときに圧縮され、上向きのガスばね力が生じる。一方、ディスプレーサピストン110aが過剰に上動するとき、第1連絡路160は第2連絡路162に対し軸方向上方に位置がずれる。ガスばね室156に貯留されたガスは、ディスプレーサピストン110aが上動するときに膨張され、下向きのガスばね力が生じる。よって、ディスプレーサピストン110aの上動および下動の両方についてガスばね力によってディスプレーサピストン110aを制動することができる。
また、図6に示されるように、スターリング冷凍機100は、ディスプレーサ110のストロークが所定の大きさ以下であるときガスばね室156をガス室(例えばディスプレーサロッド室164)に連絡し、所定の大きさを超えるときガスばね室156をガス室から遮断する制御弁166を備えてもよい。制御弁166は、例えば電磁弁であってもよい。
ディスプレーサロッド110bの先端部には第3連絡路168が軸方向に貫通しており、第3連絡路168は、ガスばね室156をディスプレーサロッド室164に連絡する。ディスプレーサロッド室164は、第1実施形態における圧力検知室112であってもよく、背圧室128(図1参照)に連通している。制御弁166は、第3連絡路168を開閉するために設けられている。
スターリング冷凍機100は、圧力容器106に取り付けられた例えば加速度センサなどの振動センサ170を備えてもよい。振動センサ170は、スターリング冷凍機100の振動レベルを表す振動検知信号172を出力可能である。検知されるスターリング冷凍機100の振動レベルは、ディスプレーサ110のストロークの大きさと相関すると考えられる。よって、制御部152は、振動検知信号172に応答して制御弁166を制御してもよい。制御部152は、振動検知信号172を入力として弁制御信号173を出力する。すなわち、制御部152は、振動レベルが所定の大きさ以下であるとき制御弁166を開き、所定の大きさを超えるとき制御弁166を閉じてもよい。振動レベルのしきい値は、ストロークしきい値に対応する値が使用される。振動レベルのしきい値は、設計者の経験的知見または設計者による実験やシミュレーション等に基づき適宜設定することが可能である。
このようにしても、ガスばね室156は、ディスプレーサピストン110aを制動して過剰なストロークを抑制することができる。
(第3実施形態)
図7は、第3実施形態に係るスターリング冷凍機200を示す概略図である。第3実施形態に係るスターリング冷凍機200は、いわゆるスプリット式のスターリング冷凍機である点で、第1実施形態と異なる。上述の圧力検知式の衝突防止構造は、スプリット式のスターリング冷凍機にも適用可能である。
スターリング冷凍機200は、圧縮機202、接続管203、及び膨張機204を備える。圧縮機202は膨張機204から離れて配置されている。接続管203は、圧縮機202の作動ガス室を膨張機204の作動ガス室に接続する。接続管203は、圧縮機202と膨張機204との間で作動ガスを流通させるガス流路を提供する。作動ガスは例えばヘリウムガスである。
圧縮機202は作動ガスの圧力振動を生成する。これが接続管203を通じて膨張機204に伝達される。膨張機204には圧縮機202の圧力振動と同一の周波数で当該振動と位相差を有する圧力振動が生じる。圧縮機202と膨張機204との間に逆スターリングサイクルが形成される。このようにして、膨張機204は寒冷を発生させる。
第1実施形態と同様に、膨張機204は、圧力振動室208、ディスプレーサ210、圧力検知室212、および圧力伝達通路214を備える。圧力振動室208には、作動ガスの圧力振動が与えられる。ディスプレーサ210の軸方向往復動が圧力振動室208での圧力振動によって駆動される。ディスプレーサ210の軸方向(図において上下方向)が矢印Cにより示される。圧力検知室212は、圧力検知部216を備え、圧力振動室208に対し気密に区画されている。圧力伝達通路214は、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさ以下であるとき遮断され、所定の大きさを超えるとき圧力振動室208での圧力振動が圧力検知室212に伝達されるよう両室を連絡する。
また、膨張機204は、圧力振動室208から圧力検知室212を封止するとともに、ディスプレーサ210の軸方向往復動を案内するシール部218をさらに備える。圧力検知室212は、ディスプレーサ210の内部に形成されている。圧力伝達通路214は、ディスプレーサ210の外表面に形成された第1開口部214aを備える。第1開口部214aは、ディスプレーサ210のストロークが上記の所定の大きさ以下であるときシール部218によって閉鎖され、所定の大きさを超えるときシール部218から圧力振動室208に露出して両室を連絡するように、軸方向に位置決めされている。
ディスプレーサ210は、ディスプレーサピストン210aおよびディスプレーサロッド210bを備える。ディスプレーサピストン210aの底面210dにはディスプレーサロッド210bの一端部が固定されている。ディスプレーサロッド210bはシール部218を貫通して背圧室228へと軸方向に延びている。シール部218は圧力容器206に固定されている。ディスプレーサロッド210bの他端部は、背圧室228において弾性部材を含むディスプレーサ支持部244によって支持されている。このようにして、ディスプレーサピストン210aはディスプレーサロッド210bとともに、軸方向に往復動可能に構成されている。
膨張機204は、第1実施形態と同様にアニュラー型に構成されており、放熱器230、蓄冷器232、低温熱交換器234、冷却ステージ236、膨張室242を備える。
圧力振動室208には接続管203が接続されている。よって、圧縮機202によって生成された圧力振動が接続管203を通じて圧力振動室208に伝達される。圧力振動室208は、シール部218によって背圧室228から気密に区画されている。シール部218は、圧力容器206に固定されている。
圧力伝達通路214の第1開口部214aは、ディスプレーサロッド210bの外表面に形成されている。また、圧力伝達通路214の第2開口部214bが、ディスプレーサロッド210bの内表面に形成されている。圧力伝達通路214は、第1開口部214aから第2開口部214bへとディスプレーサロッド210bを径方向に貫通している。圧力伝達通路214は、ディスプレーサロッド210bの外へと圧力検知室212を連絡することができる。
圧力検知室212は、ガス通路248を通じて背圧室228へとつながっている。ガス通路248は圧力検知室112からディスプレーサロッド210bを径方向に貫通して背圧室228に至る。背圧室228と同様に、圧力検知室212には作動ガスが封入され、圧力振動室208の平均圧力に維持されている。圧力伝達通路214が閉じられている限りは、圧力振動室208における作動ガスの圧力変動は、圧力検知室212にまったく伝わらないか、またはほとんど伝わらない。
スターリング冷凍機200が正常に冷却運転される場合、ディスプレーサ210は規定のストロークSで振動する。この場合、圧力伝達通路214の第1開口部214aの可動範囲がすべてシール部218によって覆われている。第1開口部214aはシール部218によって閉鎖され、圧力伝達通路214は遮断されている。よって、圧力振動室208から圧力検知室212へのガス流れは無く、圧力振動室208における圧力振動は圧力検知室212に伝わらない。
ディスプレーサ210が規定のストロークSより大きいストロークで振動する場合には、圧力伝達通路214の第1開口部214aはシール部218から上方に離れ、圧力振動室108に露出しうる(図7において破線で示す)。よって、圧力振動室208が圧力伝達通路214を通じて圧力検知室212に連絡され、圧力振動室208での圧力振動が圧力検知室212に伝達される。
圧力伝達通路214の第1開口部214aの軸方向位置は、例えば、次のように決められる。ディスプレーサ210が中立位置にあるときのシール部218の上端から第1開口部214aまでの軸方向距離G2は、ディスプレーサ210の規定のストロークSの半分より大きくてもよい。このようにすれば、スターリング冷凍機200の正常な冷却運転中は圧力伝達通路214が遮断され圧力検知室212が圧力振動室208から隔離されることが保証される。
また、ディスプレーサ210が中立位置にあるときのシール部218の上端から第1開口部214aまでの軸方向距離G2は、ディスプレーサ210と軸方向に隣接する構成要素(例えば、冷却ステージ236、またはシール部218)とディスプレーサ210との軸方向距離Hより小さくてもよい。軸方向距離G2は、軸方向距離Hの3/4または1/2より小さくてもよい。このようにすれば、ディスプレーサ210が隣接構成要素と衝突する前に圧力伝達通路214を開き圧力振動室208を圧力検知室212に連絡することができる。
第3実施形態においては上述のように、ディスプレーサ210の内部が圧力検知室212として利用され、圧力検知部216がディスプレーサロッド210bの内部空洞に配置されている。このような構成によれば、圧力伝達通路214の近くに圧力検知部216を配置することができる。よって、第3実施形態は、圧力変動の検知感度を高める観点から好ましい。
ある実施形態においては、背圧室228が圧力検知室212として利用されてもよい。この場合、圧力検知部216は、背圧室228に配置されてもよい。このようにしても、圧力振動室208における圧力変動は、圧力伝達通路214、ディスプレーサロッド210bの内部空洞およびガス通路248を通じて背圧室228に伝達され、圧力検知部216によって検出可能である。このような構成は、作りやすさの観点から好ましい。
第3実施形態においても第1実施形態と同様に、制御部252は、圧力検知部216からの圧力振動検知信号250に応答して圧縮機202を制御するよう圧縮機制御信号251を出力するよう構成されていてもよい。
したがって、圧力検知部216の圧力振動検知信号250を監視することにより、ディスプレーサ210の振動が過剰であるか否かを判断することができる。また、圧縮機202を適切に制御することによって、ディスプレーサ210の衝突を抑制することができる。スターリング冷凍機200への振動の影響を抑制し、スターリング冷凍機200の信頼性を高めることができる。
(第4実施形態)
図8は、第4実施形態に係るスターリング冷凍機200を示す概略図である。第4実施形態に係るスターリング冷凍機200は、いわゆるスプリット式のスターリング冷凍機である点で、第2実施形態と異なる。上述のガスばね式の衝突防止構造は、スプリット式のスターリング冷凍機にも適用可能である。
スターリング冷凍機200は、圧力振動室208に対し気密に区画されたガス室、例えば背圧室228と、ガスばね室256と、をさらに備える。ガスばね室256は、ディスプレーサ210の軸方向往復動に抗する軸方向ガスばね力をディスプレーサ210に作用させるようディスプレーサ210に隣接する。ガスばね室256は、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさ以下であるときガス室に連絡され、所定の大きさを超えるときガス室から遮断される。ここで、「所定の大きさ」は、第3実施形態のそれと等しくてもよい。
また、スターリング冷凍機200は、ディスプレーサ210の軸方向往復動を案内するガイド部258と、第1連絡路260と、を備える。第1連絡路260は、ガイド部258に形成され、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさ以下であるときガスばね室256をガス室に連絡する。第1連絡路260は、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさを超えるときディスプレーサ210によって閉鎖される。
より具体的には、図8に示されるように、ガスばね室256は、ガイド部258によって圧力容器206に形成された凹部である。この凹部には、ディスプレーサピストン210aとは反対側のディスプレーサロッド210bの端部274が挿入されている。ガイド部258は、背圧室228において圧力容器206に固定され、ディスプレーサロッド210bの軸方向往復動を案内するよう構成されている。ガイド部258は、例えばガイドブッシュであってもよいし、あるいは第2のシール部、例えばロッドシールであってもよい。こうして、ガスばね室256は、ディスプレーサロッド210bとガイド部258との間に区画されている。
第1連絡路260は、ガイド部258を径方向に貫通している。図8に示されるように、第1連絡路260に加えて、第2連絡路262が設けられていてもよい。第2連絡路262は、ディスプレーサピストン210aとは反対側のディスプレーサロッド210bの端部274に形成されている。第1連絡路260は、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさ以下であるとき第2連絡路262を通じてガスばね室256を背圧室228に連絡する。第1連絡路260は、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさを超えるときディスプレーサロッド210bによって閉鎖される。
このようにして、第4実施形態においても第2実施形態と同様に、ディスプレーサ210の上動および下動の両方についてガスばね力によってディスプレーサ210を制動することができる。第4実施形態に係るスターリング冷凍機200によると、ガスばね室256を設けることによって、ディスプレーサ210の衝突を抑制することができる。スターリング冷凍機200への振動の影響を抑制し、スターリング冷凍機200の信頼性を高めることができる。
第4実施形態に係るスターリング冷凍機100は、第3実施形態と同様の圧力検知部216および制御部252を備えてもよい。
また、第4実施形態に係るスターリング冷凍機100は、図6に示される実施形態と同様に、ディスプレーサ210のストロークが所定の大きさ以下であるときガスばね室256をガス室(例えば背圧室228)に連絡し、所定の大きさを超えるときガスばね室256をガス室から遮断する制御弁を備えてもよい。
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
本書においてはスターリング冷凍機の構成要素どうしの相対的な位置関係を説明するために「上」「下」といった用語を使用しているが、これは現場でのスターリング冷凍機の設置の向きを限定する意図ではないものと理解されたい。スターリング冷凍機は、ディスプレーサの上死点および下死点をそれぞれ上方および下方に向けて設置されてもよいことはもちろんである。これとは逆に、スターリング冷凍機は、ディスプレーサの上死点を下方に向けて設置されてもよい。あるいは、スターリング冷凍機は、その軸方向を水平方向または斜め方向に向けるようにして設置されてもよい。
100 スターリング冷凍機、 102 圧縮機、 104 膨張機、 108 圧力振動室、 110 ディスプレーサ、 110a ディスプレーサピストン、 110b ディスプレーサロッド、 112 圧力検知室、 114 圧力伝達通路、 114a 第1開口部、 116 圧力検知部、 118 シール部、 128 背圧室、 152 制御部、 156 ガスばね室、 158 ガイド部、 160 第1連絡路、 166 制御弁。

Claims (7)

  1. 作動ガスの圧力振動が与えられる圧力振動室と、
    軸方向往復動が前記圧力振動室での圧力振動によって駆動されるディスプレーサと、
    圧力検知部を備え、前記圧力振動室に対し気密に区画された圧力検知室と、
    前記ディスプレーサのストロークが所定の大きさ以下であるとき遮断され、前記所定の大きさを超えるとき前記圧力振動室での圧力振動が前記圧力検知室に伝達されるよう両室を連絡する圧力伝達通路と、を備えることを特徴とするスターリング冷凍機。
  2. 前記圧力振動室から前記圧力検知室を封止するとともに、前記ディスプレーサの軸方向往復動を案内するシール部をさらに備え、
    前記圧力検知室は、前記ディスプレーサの内部に形成され、
    前記圧力伝達通路は、前記ディスプレーサの外表面に形成された開口部を備え、前記開口部は、前記ディスプレーサのストロークが前記所定の大きさ以下であるとき前記シール部によって閉鎖され、前記所定の大きさを超えるとき前記シール部から前記圧力振動室に露出して両室を連絡するように、軸方向に位置決めされていることを特徴とする請求項1に記載のスターリング冷凍機。
  3. 前記圧力検知部は、前記圧力振動を表す検知信号を出力可能であり、
    前記スターリング冷凍機は、前記圧力振動室に圧力振動を生成する圧力振動生成部と、前記検知信号に応答して前記圧力振動生成部を制御する制御部と、をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載のスターリング冷凍機。
  4. 前記圧力振動室に対し気密に区画されたガス室と、
    前記ディスプレーサの軸方向往復動に抗する軸方向ガスばね力を前記ディスプレーサに作用させるよう前記ディスプレーサに隣接するガスばね室と、をさらに備え、
    前記ガスばね室は、前記ディスプレーサのストロークが前記所定の大きさ以下であるとき前記ガス室に連絡され、前記所定の大きさを超えるとき前記ガス室から遮断されることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のスターリング冷凍機。
  5. 作動ガスの圧力振動が与えられる圧力振動室と、
    軸方向往復動が前記圧力振動室での圧力振動によって駆動されるディスプレーサと、
    前記圧力振動室に対し気密に区画されたガス室と、
    前記ディスプレーサの軸方向往復動に抗する軸方向ガスばね力を前記ディスプレーサに作用させるよう前記ディスプレーサに隣接するガスばね室と、を備え、
    前記ガスばね室は、前記ディスプレーサのストロークが所定の大きさ以下であるとき前記ガス室に連絡され、前記所定の大きさを超えるとき前記ガス室から遮断されることを特徴とするスターリング冷凍機。
  6. 前記ディスプレーサの軸方向往復動を案内するガイド部と、
    前記ガイド部に形成され、前記ディスプレーサのストロークが前記所定の大きさ以下であるとき前記ガスばね室を前記ガス室に連絡する連絡路であって、前記ディスプレーサのストロークが前記所定の大きさを超えるとき前記ディスプレーサによって閉鎖される連絡路と、をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載のスターリング冷凍機。
  7. 前記ディスプレーサのストロークが前記所定の大きさ以下であるとき前記ガスばね室を前記ガス室に連絡し、前記所定の大きさを超えるとき前記ガスばね室を前記ガス室から遮断する制御弁をさらに備えることを特徴とする請求項4または5に記載のスターリング冷凍機。
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