JP2018099729A - 缶の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保でき、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる缶の製造方法を提供すること。【解決手段】缶胴と缶底とを備えた有底筒状の缶の缶底のうち、缶軸方向に沿う缶胴の開口端部から缶底側へ向けて突出する環状凸部における内周壁及び外周壁の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程S09と、缶胴の開口端部にトリミング加工を施すトリミング工程S12と、を備え、ボトムリフォーム工程S09よりも後にトリミング工程S12を行うことを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、缶の製造方法に関する。
従来、アルミニウム合金材料等からなるワークの缶(中間成形体の缶)に加工を施して、ボトル缶を製造するボトル缶製造装置が知られている。ボトル缶は有底筒状をなしており、缶胴(缶の胴部)と、缶底(缶の底部)とを備えている。缶胴の開口端部及びその近傍には、段階的にダイ加工(ネッキング加工)が施されることによりネック部が成形される。ネック部は、缶胴の最外径部分から、缶軸方向の開口端部側へ向かうに従い徐々に縮径するテーパ状をなす。ボトル缶製造装置で製造されたボトル缶には、その後工程において飲料等の内容物が充填され、缶胴の開口端部にはキャップが螺着されて、缶が密封状態とされる。
ところで近年、CO排出量削減等環境保護の観点から、使用する原材料の削減による、アルミニウム缶の軽量化の要請が強くなっている。具体的には、0.1g以上(約1%以上)の缶重量削減を目指し、耐圧強度の低下や生産性を阻害せず、さらに流通ピンホールに強い軽量缶の開発が必要になっている。一缶あたり、0.1gの削減でも、アルミニウム缶市場年間180億缶に適用できれば、大きな環境負荷低減が達成できる。
缶の軽量化を進める上では、板材(成形前の缶の板状素材、以下ブランクということがある)の元板厚を薄くせざるを得ないが、薄いブランクを使用すると、元板厚が維持される缶底の耐圧強度が低くなる。
耐圧強度が低くなると、内容物が封入された缶の内圧の作用(上昇)により、缶底のうち、缶軸方向に沿う開口端部から缶底側へ向けて突出する環状凸部が変形する、いわゆるボトムグロースが発生する。
ボトムグロースが発生すると、缶の高さ(缶軸方向の全長)が安定せず製造、出荷の不具合の原因になるなどして、好ましくない。また、缶の内圧が耐圧強度を超えると、缶底のうち、缶軸方向に沿う缶底から開口端部側へ向けて窪むドーム部が反転する、いわゆるバックリングが生じる。
このようなボトムグロースやバックリングを抑制する手法として、例えば下記特許文献1〜5には、缶底の環状凸部の内周壁(インナーウォール)又は外周壁(アウターウォール)に凹部を形成して缶底の強度を高める、ボトムリフォーム加工について記載されている。
米国特許第5704241号明細書 特開2016−47541号公報 特開2016−47542号公報 特開平11−244972号公報 特開2000−197937号公報
しかしながら、ボトル缶に対してボトムリフォーム加工を施す場合には、下記の問題が生じる。
すなわち、ボトル缶ではキャップにより内容物を密封するが、ボトムリフォーム加工によって缶胴の開口端部の高さが変化して、密封状態が不安定になるおそれがあった。またボトル缶に限らず、例えばボトル缶以外のDI缶等においても、ボトムリフォーム加工により缶胴の開口端部の高さが変化すると、この開口端部に缶蓋等を取り付けたときに、缶の密封状態が不安定になるおそれがあった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる缶の製造方法を提供することを目的としている。
本発明の一態様に係る缶の製造方法は、缶胴と缶底とを備えた有底筒状の缶の前記缶底のうち、缶軸方向に沿う前記缶胴の開口端部から前記缶底側へ向けて突出する環状凸部における内周壁及び外周壁の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程と、前記開口端部にトリミング加工を施すトリミング工程と、を備え、前記ボトムリフォーム工程よりも後に前記トリミング工程を行うことを特徴とする。
本発明では、缶胴の開口端部にトリミング加工を施すトリミング工程が、缶底の環状凸部にボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程よりも後に行われる。すなわち、ボトムリフォーム工程では、缶底へのボトムリフォーム加工が行われることにより、缶の缶軸方向の高さ(缶の全高)が変化する可能性が考えられるが、本発明のように、ボトムリフォーム加工の後にトリミング加工が行われると、トリミング加工後の缶の開口端部の缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。これにより、缶を製缶した後工程において、例えば缶蓋等を開口端部に取り付けたときの缶の密封状態が安定する。
従って本発明によれば、缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる。
また、本発明の一態様に係る缶の製造方法は、円板状のブランクを絞り加工して、カップ状体に成形するカッピング工程と、前記カップ状体に絞りしごき加工を施して、缶胴と缶底とを備えた中間成形体の缶を成形するDI工程と、前記缶胴の開口端部をトリミング加工するトリミング工程と、前記缶胴のうち前記開口端部を含む領域に段階的にダイ加工を施して、缶軸方向に沿う前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い徐々に縮径するテーパ状のネック部と、該ネック部の前記開口端部側に連なる口金部と、を成形するネッキング工程と、前記口金部にねじ成形加工を施すねじ成形工程と、前記口金部に最終トリミング加工を施す最終トリミング工程と、前記缶底のうち、缶軸方向に沿う前記開口端部から前記缶底側へ向けて突出する環状凸部における内周壁及び外周壁の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程と、を備え、前記ボトムリフォーム工程を、前記最終トリミング工程よりも前に行うことを特徴とする。
本発明では、缶底の環状凸部にボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程が、缶胴の口金部(の開口端部)に最終トリミング加工を施す最終トリミング工程よりも前に行われる。すなわち、ボトムリフォーム工程では、缶底へのボトムリフォーム加工が行われることにより、缶の缶軸方向の高さが変化する可能性が考えられるが、本発明のように、ボトムリフォーム加工が最終トリミング加工よりも前工程で行われると、最終トリミング加工後の缶の開口端部の缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。これにより、缶(ボトル缶)を製缶した後工程において、キャップによる該缶の密封を確実かつ安定して行うことが可能になる。
従って本発明によれば、缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる。
また、上記缶の製造方法において、前記ボトムリフォーム工程を、前記ねじ成形工程よりも前に行うことが好ましい。
この場合、ボトムリフォーム加工がねじ成形加工よりも前工程で行われるので、ねじ成形加工後の缶の口金部の雄ねじ部における缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。つまり、ねじ成形加工後の缶における缶底から口金部の雄ねじ部までの缶軸方向の高さの精度が確保される。また、ねじ成形加工後の缶の口金部の雄ねじ部から開口端部までの缶軸方向の長さ(キャップが螺着する雄ねじ部の高さ)の精度が安定して確保される。従って、缶の口金部へのキャップの装着状態が良好に維持される。
また、上記缶の製造方法において、前記ボトムリフォーム工程を、前記ねじ成形工程よりも後に行うこととしてもよい。
また、上記缶の製造方法において、前記ボトムリフォーム工程を、前記ネッキング工程よりも後に行うこととしてもよい。
また、上記缶の製造方法において、前記ボトムリフォーム工程を、前記ネッキング工程と同時に行うこととしてもよい。
この場合、缶製造装置(ボトル缶製造装置)の内部においてボトムリフォーム加工が行われることになる。つまり、缶製造装置の前工程にボトムリフォーム装置を別途設置することなく、缶製造装置において缶の缶底にボトムリフォーム加工を行うことが可能である。従って、缶の軽量化及び密封状態の安定化を図りつつ、設備費用や設置スペースの増大を抑えられる。
また、ボトムリフォーム工程を、ネッキング工程と同時に行う(これらの工程を同じタイミングで行う。つまりボトムリフォーム工程とネッキング工程とを同期させる)場合には、さらに下記の作用効果が得られる。
すなわちこの場合、缶の缶底にボトムリフォーム加工を施すときに、この缶を保持する保持テーブルのチャックに加工テーブル側から対向するダイ加工ツールによって、該缶の缶胴に対してダイ加工が施される。これにより、ダイ加工ツールとチャックとの間に缶が挟持され、該チャックに保持される缶の姿勢が安定して(特にチャックの中心軸(缶軸)方向への缶の移動が規制されて)、ボトムリフォーム加工によるチャックからの缶の浮き上がり等が確実に防止される。従って、ボトムリフォーム加工の精度が安定して高められる。
しかもこの場合、ボトムリフォーム加工を施す際に従来必要とされていた、缶胴の開口端部を押さえるための押さえ部材等を用意する必要はなく、装置の構造が簡素化される。また、ボトムリフォーム加工とダイ加工とが同時に行われるため、缶の製缶時間を従来通りに維持したまま(つまり加工時間を増大させることなく)、缶に対してボトムリフォーム加工を施すことができる。
本発明の缶の製造方法によれば、缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる。
本発明の第1実施形態に係るボトル缶の製造方法を示すフローチャートである。 ボトル缶の製造工程ごとの缶の形状の変化を説明する模式図である。 ボトル缶の缶底の要部を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係るボトル缶製造装置の概略構成を示す側面図である。 図4のボトル缶製造装置のA−A断面を示す正面図である。 ボトル缶製造装置に設けられたボトムリフォーム機構を示す側面図である。 ボトムリフォーム機構の第1移動手段近傍を示す平面図である。 ボトムリフォーム機構の第1移動手段近傍を示す正面図である。 ボトムリフォーム機構の動作を説明する図である。 図9のチャック、缶底及び押圧部近傍を示す拡大図である。 ボトムリフォーム機構の動作を説明する図である。 図11のチャック、缶底及び押圧部近傍を示す拡大図である。 ボトムリフォーム機構の動作を説明するタイミングチャートである。 ボトル缶製造装置の缶排出機構を示す側面図である。 缶排出機構を示す平面図である。 缶排出機構の動作を説明するタイミングチャートである。 本発明の第2実施形態に係るボトル缶の製造方法を示すフローチャートである。 本発明の第3実施形態に係るボトル缶の製造方法を示すフローチャートである。 ボトル缶製造装置の前工程に設けられたボトムリフォーム装置のボトムリフォーム機構及び缶(DI缶)を示す縦断面図であり、(a)ボトムリフォーム機構のトップ支持部材が缶の開口端部を支持する前の状態、(b)トップ支持部材が缶の開口端部を支持した状態を表している。 図19のボトムリフォーム機構の変形例であり、(a)トップ支持部材が缶の開口端部を支持する前の状態、(b)トップ支持部材が缶の開口端部を支持した状態を表している。
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るボトル缶(缶)Bの製造方法及びボトル缶製造装置(缶製造装置)1について、図1〜図16を参照して説明する。なお、本発明の実施形態の説明に用いる図面は、本発明の特徴をわかりやすくするために、要部となる部分を拡大したり抜粋したりして示している場合があり、各構成要素の寸法比率などが実際のものと同じであるとは限らない。
まず、ボトル缶Bの製造方法について説明する。
図1及び図2に示されるように、ボトル缶Bは、板材打ち抜き工程S01、カッピング工程(絞り工程)S02、DI工程(絞りしごき工程)S03、トリミング工程S04、印刷・塗装(缶外面)工程S05、塗装(缶内面)工程S06、ネッキング工程S07、トリミング工程S08、ボトムリフォーム工程S09、ねじ成形工程S10、最終ネッキング工程S11、最終トリミング工程(トリミング工程)S12、カール工程S13及びスロットル工程S14を経て、製缶される。
板材打ち抜き工程S01では、例えば、アルミニウム合金材料等からなる圧延材(板材)を打ち抜き加工して、図2(a)に示されるような、円板状のブランクW0を成形する。
カッピング工程(絞り工程)S02では、ブランクW0をカッピングプレスによって絞り加工(カッピング加工)して、図2(b)に示されるようなカップ状体W1に成形する。
DI工程(絞りしごき工程)S03では、DI加工装置によってカップ状体W1に絞りしごき加工(再絞りしごき加工)を施して、図2(c)に示されるように、缶胴(缶の胴部)51と缶底(缶の底部)52とを備えた有底筒状の缶(中間成形体の缶)W2を成形する。なお、DIとは「Drawing&Ironing」の略である。具体的に、缶W2は、円筒状をなす周壁である缶胴51と、概ね円板状をなす底壁である缶底52と、を備えている。缶W2の缶胴51の中心軸及び缶底52の中心軸は、互いに同軸に配置されており、本実施形態ではこれらの共通軸を缶軸という。
またDI工程において、缶底52には、缶軸方向に沿う缶底52から開口端部51a側へ向けて窪むドーム部55と、ドーム部55の外周縁部に連なり、缶軸方向に沿う開口端部51aから缶底52側へ向けて突出するとともに缶軸回りに延びる環状凸部(リム)56と、が成形される(図3を参照)。環状凸部56は、缶底52において缶軸方向に最も突出するノーズ部(接地部)59と、ノーズ部59の缶径方向の内側に位置する内周壁(インナーウォール)57と、ノーズ部59の缶径方向の外側に位置する外周壁(アウターウォール)58と、を備える。なお、図3において一点鎖線で示される直線が、缶軸を表している。
以下の説明では、缶胴51と缶底52とを備えた中間成形体の缶W2〜W5が登場するが、これらの中間成形体の缶(ボトル缶Bに成形される前の缶)を、本実施形態では単に缶Wという場合がある。
図1及び図2において、DI工程S03を経た缶W2は、缶胴51の開口端部51aに耳が形成されていて高さが不均一であるので、トリミング工程S04において、トリミング装置を用いて開口端部51aのトリミング加工を行い、図2(d)に示されるように、缶胴51の開口端部51aの高さが全周にわたって均等に揃えられた缶(DI缶)W3を成形する。
次いで、缶W3を洗浄して油分等を除去した後に、表面処理を施して乾燥し、缶W3の外面の印刷及び塗装を行い(印刷・塗装(缶外面)工程S05)、缶W3の内面の塗装を行う(塗装(缶内面)工程S06)ことにより、図2(e)に示されるような缶(DI缶)W4とする。
上記缶W4を、ボトル缶製造装置1に移送する。以下に説明するステップS07〜S14はすべて、ボトル缶製造装置1における製造工程である。
ボトル缶製造装置1では、複数種類のダイ加工ツール(ネッキング成形金型)を用いて、缶胴51のうち開口端部51aを含む領域(開口端部51a及びその近傍)に段階的にダイ加工(ネッキング加工)を施すことにより、口金部53及びネック部54を成形する(ネッキング工程S07)。ネック部54は、缶胴51の最外径部分から、缶軸方向に沿う缶底52から開口端部51a側へ向かうに従い徐々に縮径するテーパ状に成形される。口金部53は、缶胴51の開口端部51aに配置されてネック部54に連なり、該缶胴51において最も小径の筒状に成形される。つまり口金部53は、ネック部54に対して、缶軸方向に沿う缶底52から開口端部51a側に連なって配置される。
また必要に応じて、複数種類のダイ加工同士の間において、回転加工ツールのトリミング加工ツールを用いて、高さが不揃いとなった開口端部51aのトリミング加工を行う(トリミング工程S08)。
これにより、図2(f)に示されるように、缶胴51に口金部53及びネック部54を備えた缶(ボトル缶)W5が成形される。
そして、缶底52の環状凸部56の内周壁57及び外周壁58の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施す(ボトムリフォーム工程S09)。本実施形態の例では、図3、図10及び図12に示されるように、環状凸部56の内周壁57に対して、ボトムリフォーム加工を施す。
本実施形態の例では、ボトムリフォーム工程S09を、ネッキング工程S07と同時に行う。具体的には、ボトムリフォーム工程S09におけるボトムリフォーム加工が、ネッキング工程S07における複数のダイ加工のうち所定のダイ加工(例えばステップS07における最後のダイ加工)と同じタイミングで行われる。つまり、缶Wの缶胴51の開口端部51a近傍に対して所定のダイ加工を施すと同時に、缶Wの缶底52に対してボトムリフォーム加工を施す。
次いで、缶胴51の口金部53に、回転加工ツールのねじ成形加工ツールを用いて、ねじ成形加工を施す(ねじ成形工程S10)。
また、口金部53に、複数種類のダイ加工ツールを用いて最終ネッキング加工を施し(最終ネッキング工程S11)、回転加工ツールのトリミング加工ツールを用いて最終トリミング加工を施す(最終トリミング工程S12)。つまり、複数のトリミング工程S04、S08及びS12のうち、最後のトリミング工程S12において、缶胴51の開口端部51aにトリミング加工を施す。
次いで、缶胴51の口金部53(開口端部51a)に、回転加工ツールのカール加工ツールを用いてカール加工を施し(カール工程S13)、回転加工ツールのスロットル加工ツール(カール潰し加工ツール)を用いてスロットル加工(スロットル工程S14)を施す。
これにより、図2(g)に示されるようなボトル缶Bが製缶される。ボトル缶Bには、スロットル工程S14よりも後工程において飲料等の内容物が充填され、口金部53にキャップが螺着される。
このように本実施形態では、ボトムリフォーム工程S09を、最終トリミング工程S12よりも前に行う。つまり、ボトムリフォーム工程S09よりも後に、(最終の)トリミング工程S12を行う。また、ボトムリフォーム工程S09を、ねじ成形工程S10よりも前に行う。
次に、ボトル缶Bの製造に用いられるボトル缶製造装置1について説明する。
図4及び図5において、本実施形態のボトル缶製造装置1は、ワークである有底筒状の缶(中間成形体の缶)Wに対して、ダイ加工及び回転加工を含む種々の成形加工を施すことにより所期する形状のボトル缶Bを製造する、いわゆるボトルネッカーである。
ボトル缶製造装置1は、装置本体4と、装置本体4に支持され、缶Wを保持可能な筒状のチャック7が複数設けられた保持テーブル3と、保持テーブル3をテーブル軸TA方向に貫通する軸部5を介して装置本体4に支持されるとともに、保持テーブル3にテーブル軸TA方向から対向配置され、缶Wの缶胴51に対して加工を施す加工ツール6が複数設けられた加工テーブル2と、を備えている。加工テーブル2及び保持テーブル3は、それぞれの中心軸(テーブル軸TA)が水平方向に延びており、これらの中心軸同士は、互いに同軸に配置されている。
またボトル缶製造装置1は、保持テーブル3に対して加工テーブル2をテーブル軸TA方向に往復移動させるクランク機構(往復移動機構)8と、加工テーブル2に対して保持テーブル3をテーブル軸TA回りに間欠的に回転移動させるテーブルインデックス機構9と、を備えている。つまり、加工テーブル2は、テーブル軸TA方向に往復移動する。加工テーブル2は、保持テーブル3及び装置本体4に対して、テーブル軸TA方向に往復移動する。また保持テーブル3は、テーブル軸TA回りに間欠的に回転移動する。保持テーブル3は、加工テーブル2及び装置本体4に対して、テーブル軸TA回りに間欠的に回転移動する。
またボトル缶製造装置1は、保持テーブル3に缶Wを供給する供給ホイール10と、保持テーブル3から加工後の缶(製缶したボトル缶)Bを排出する排出ホイール11と、保持テーブル3のテーブル軸TA回りの間欠回転に同期して、供給ホイール10及び排出ホイール11を各ホイール軸SA、DA回りに間欠的に回転させるホイールインデックス機構12と、を備えている。つまり、供給ホイール10は、保持テーブル3のテーブル軸TA回りの間欠回転に同期して、ホイール軸SA回りに間欠的に回転する。排出ホイール11は、保持テーブル3のテーブル軸TA回りの間欠回転に同期して、ホイール軸DA回りに間欠的に回転する。
またボトル缶製造装置1は、クランク機構8、テーブルインデックス機構9及びホイールインデックス機構12を駆動する駆動モータ(不図示)と、装置本体4に設けられ、チャック7に保持された缶Wの缶底52に、テーブル軸TA方向に沿う加工テーブル2とは反対側から対向配置されるボトムリフォーム機構13と、装置本体4のうちボトムリフォーム機構13とはテーブル軸TA回りの異なる位置(具体的には、ボトムリフォーム機構13よりも保持テーブル回転方向R1に離間した位置)に設けられ、チャック7に保持された缶Wの缶底52に、テーブル軸方向TAに沿う加工テーブル2とは反対側から対向配置される缶排出機構14と、を備えている。
またボトル缶製造装置1は、装置本体4に設けられ、後述するクランク角度を検出可能なクランク角度検出手段(不図示)と、クランク角度検出手段が検出したクランク角度に基づいて、ボトムリフォーム機構13及び缶排出機構14を動作させる制御部(不図示)と、を備えている。
本実施形態で用いる向き(方向)の定義は、下記の通りである。
テーブル軸TAに沿う方向(テーブル軸TAが延在する方向)をテーブル軸TA方向という。
また、テーブル軸TAに直交する方向をテーブル径方向という。テーブル径方向のうち、テーブル軸TAから離間する方向をテーブル径方向の外側といい、テーブル軸TAに接近する方向をテーブル径方向の内側という。
また、テーブル軸TA回りに周回する方向をテーブル周方向という。テーブル周方向のうち、加工テーブル2に対して保持テーブル3が間欠回転させられる向きを、保持テーブル回転方向R1といい、これとは反対の回転方向を、保持テーブル回転方向R1とは反対側という。
なお、保持テーブル回転方向R1は、加工テーブル2において後述する複数の加工ツール6が、缶Wへの加工の順番にテーブル周方向に配列する向きと同一の方向である。このため、保持テーブル回転方向R1は、缶Wへの加工順の下流側(加工順方向)ということができ、保持テーブル回転方向R1とは反対側は、缶Wへの加工順の上流側ということができる。
また、後述するチャック7の中心軸Oに沿う方向(チャック7の中心軸Oが延在する方向)を、中心軸O方向という。本実施形態の例では、テーブル軸TAとチャック7の中心軸Oとが、互いに平行である。また、チャック7に保持された缶Wの缶軸は、該チャック7の中心軸Oと略一致する。つまりチャック7の中心軸Oと、該チャック7に保持された缶Wの缶軸とは、互いに同軸である。
また、チャック7の中心軸Oに直交する方向をチャック径方向という。チャック径方向のうち、中心軸Oから離間する方向をチャック径方向の外側といい、中心軸Oに接近する方向をチャック径方向の内側という。チャック径方向は、チャック7に保持された缶Wの缶軸に直交する方向である缶径方向と、同一の方向である。
また、チャック7の中心軸O回りに周回する方向をチャック周方向という。チャック周方向は、チャック7に保持された缶Wの缶軸回りに周回する方向である缶周方向と、同一の方向である。
図4及び図5において、保持テーブル3と加工テーブル2とは、クランク機構8により、テーブル軸TA方向に互いに接近移動と離間移動とを繰り返し、テーブルインデックス機構9により、テーブル周方向に間欠的に相対回転させられる。具体的には、保持テーブル3に対して加工テーブル2が、テーブル軸TA方向に接近移動及び離間移動し、この接近離間の1ストローク(往復移動)の間に、加工テーブル2に対して保持テーブル3が、テーブル周方向に所定量だけ回転移動(間欠回転)する。
そして、加工テーブル2と保持テーブル3とが接近離間する1ストローク毎に、保持テーブル3のチャック7が保持する缶Wの缶胴51に対して、加工テーブル2に設けられた加工ツール6による加工が施され、保持テーブル3は缶Wを次の(別の)加工ツール6による加工位置まで加工順の下流側(保持テーブル回転方向R1)へ向けて移動させる。
この動作が繰り返されることにより、保持テーブル3が保持する缶Wに対して、加工テーブル2に設けられた複数の加工ツール6によって順次加工が施されていき、一連の加工が終了した時点で、所期する形状を有するボトル缶Bが製造されるようになっている。
保持テーブル3は、一般にターンテーブルやインデックステーブルと呼ばれるものである。保持テーブル3は、円板状又は円形リング状をなしている。保持テーブル3において加工テーブル2側を向く面の外周部には、テーブル周方向に沿って複数のチャック7が配列している。これらのチャック7には、それぞれ缶Wが保持され、保持された缶Wの開口端部51aは、加工テーブル2に向けて開口する。つまり保持テーブル3は、複数の缶Wを保持する。
図10において、チャック7は、周壁と底壁とを有している。チャック7の周壁内には、缶Wの缶胴51が嵌合する。チャック7の周壁には、エア圧により弾性変形して缶Wの缶胴51を着脱可能に保持する伸縮リング17が設けられている。チャック7の底壁には、缶Wの缶底52のうち、外周壁58の一部及びノーズ部59が当接させられる。チャック7の底壁のうち、缶底52のドーム部55に対応する部分には、この底壁をチャック7の中心軸O方向に貫通し、後述するボトムリフォーム機構13の押圧部20が挿通される挿通孔19が形成されている。
図6及び図10において、保持テーブル3のうちチャック7に対応する部分には、テーブル軸TA方向に貫通する貫通孔18が形成されている。貫通孔18は、中心軸O方向(テーブル軸TA方向)から見て、チャック7と重なる位置に配置される。本実施形態の例では、貫通孔18が円孔状をなしており、チャック7の中心軸Oと同軸に配置される。貫通孔18には、ボトムリフォーム機構13が挿通される。本実施形態の例では、貫通孔18内に、ボトムリフォーム機構13の押圧部20及び筒体29が挿通される。
図4及び図5において、加工テーブル2は、一般にダイテーブルと呼ばれるものである。加工テーブル2は、円板状又は円形リング状をなしている。加工テーブル2には、保持テーブル3が保持する缶Wに対して加工を施す加工ツール6が、テーブル周方向に沿って複数配設される。これらの加工ツール6は、加工テーブル2において保持テーブル3側を向く面の外周部にテーブル周方向に沿って配列しており、保持テーブル3の複数のチャック7及びこれらのチャック7が保持する各缶Wに対して、テーブル軸TA方向からそれぞれ対向配置される。
また、加工テーブル2の加工ツール6の加工ツール軸(中心軸)と、保持テーブル3において前記加工ツール6に対向するチャック7の中心軸O及び該チャック7が保持する缶Wの缶軸とは、互いに同軸に配置される。そして、缶Wの缶軸と加工ツール軸とが略一致した状態で、缶Wに対して加工ツール6による加工が施される。
加工テーブル2には、テーブル軸TA方向に貫通する取付孔がテーブル周方向に配列して複数形成されている。複数の加工ツール6は、缶Wへの加工順にこれらの取付孔に取り付けられている。
複数の加工ツール6には、ダイ加工ツールと、回転加工ツールと、が含まれている。本実施形態では、加工テーブル2の複数の取付孔に、複数のダイ加工ツールと、複数の回転加工ツールとが、缶Wへの加工順に着脱可能に配設されている。なお、複数の取付孔のうち、いくつかは加工ツール6が取り付けられない空きスペースとされていてもよい。また、複数の取付孔のうちいくつかには、油付けツールが配設される。
ダイ加工ツールは、缶Wに対して缶軸方向(テーブル軸TAに平行な方向)に移動し、缶Wの周壁(缶胴51)を縮径する絞り加工や該周壁を拡径する拡径加工等のダイ加工を施すものである。すなわち、複数種類のダイ加工ツールには、絞り(縮径)加工ツール及び拡径加工ツールが含まれる。1つのダイ加工ツールによって、1種類のダイ加工が缶Wに対して施される。
回転加工ツールは、缶Wに対して缶軸回りに移動し、該缶軸回りの回転動作により缶Wの周壁(缶胴51)に、トリミング加工、ねじ成形加工、カール加工、スロットル(カール潰し)加工等の回転加工を施すものである。すなわち、複数種類の回転加工ツールには、トリミング加工ツール、ねじ成形加工ツール、カール加工ツール、スロットル(カール潰し)加工ツール等が含まれる。1つの回転加工ツールによって、1種類の回転加工が缶Wに対して施される。
軸部5は、加工テーブル2に一体に設けられてテーブル軸TA上を延び、保持テーブル3をテーブル軸TA方向に貫通しているとともに、該保持テーブル3に対してテーブル軸TA方向に移動可能である。軸部5は、装置本体4にテーブル軸TA方向に摺動自在に支持されており、テーブル軸TA方向に沿う加工テーブル2とは反対側の端部が、クランク機構8の図示しないコネクティングロッドに連結されている。
クランク機構8は、特に図示していないが、駆動モータからの回転駆動力が入力される駆動軸と、駆動軸に連結され、駆動軸の回転にともなって該駆動軸の中心軸回りに回転させられるクランク軸と、クランク軸と軸部5とを連結するコネクティングロッドと、を有している。クランク軸は、駆動軸の中心軸回りを一定の角速度で回転する。
クランク機構8は、駆動モータから駆動軸に入力された該駆動軸の中心軸回りの回転運動を、テーブル軸TA方向の直線運動に変換して軸部5に出力する。
また、クランク角度検出手段は、駆動軸の中心軸回りに沿うクランク軸の周方向位置であるクランク角度を検出する。クランク角度とは、クランク軸が駆動軸の中心軸を中心に一回転(360°回転)する間の中心軸回りの角度位置を表すものである。本実施形態の例では、クランク角度検出手段が、例えばロータリエンコーダやレゾルバ等の角度位置検出センサ(回転角センサ)である。
テーブルインデックス機構9は、カム構造(不図示)を有している。テーブルインデックス機構9は、カム構造により、加工テーブル2の往復移動の1ストローク毎に、保持テーブル3をテーブル軸TA回りに回転及び回転停止させる(間欠回転させる)。
クランク角度について、説明する。
駆動軸の中心軸回りのクランク角度全体(0〜360°)の中には、停留角(dwell period)の範囲と、割付角(index period)の範囲と、が含まれる。停留角の範囲における中心角の大きさと、割付角の範囲における中心角の大きさとの和は、360°である。
停留角とは、テーブルインデックス機構9により、加工テーブル2に対して保持テーブル3がテーブル軸TA回りに回転させられることのない角度範囲(保持テーブル3の回転が停止されるクランク角度の角度範囲)である。停留角には、加工テーブル2の下死点(クランク角度180°)が含まれる。この停留角の範囲内において、保持テーブル3に対して加工テーブル2がテーブル軸TA方向に接近移動し、ワークである缶Wに各種加工が施される。
また、割付角(インデックス角)とは、テーブルインデックス機構9により、加工テーブル2に対して保持テーブル3がテーブル軸TA回りに回転移動させられる角度範囲である。割付角には、加工テーブル2の上死点(クランク角度0°)が含まれる。この割付角の範囲内では、保持テーブル3に対して加工テーブル2がテーブル軸TA方向に十分に離間されており、缶Wが次の加工を施す加工ツール6に対向する位置まで保持テーブル回転方向R1に移送される。
具体的に、図13及び図16において、クランク角度が割付角である場合には、保持テーブル3が回転し、クランク角度が停留角である場合には、保持テーブル3が停止する。
図5において、供給ホイール10は、インフィードホイールと呼ばれ、略円柱状をなしている。供給ホイール10は、ボトル缶製造装置1の外部(前工程)からシューター15に供給される缶Wを受け取り、該缶Wを保持テーブル3へと受け渡す。
排出ホイール11は、ディスチャージホイールと呼ばれ、略円柱状をなしている。排出ホイール11は、ボトル缶製造装置1により加工が施された缶W(ボトル缶B)を保持テーブル3から受け取り、搬送手段16に受け渡す(排出する)。搬送手段16は、ボトル缶Bをボトル缶製造装置1の外部(後工程)へ向けて搬送する。
供給ホイール10は、その中心軸(ホイール軸)SAをテーブル軸TAと平行に配置して装置本体4に支持されている。供給ホイール10は、ホイール軸SA回りのうちホイール回転方向R2に回転させられる。
排出ホイール11は、その中心軸(ホイール軸)DAをテーブル軸TAと平行に配置して装置本体4に支持されている。排出ホイール11は、ホイール軸DA回りのうちホイール回転方向R3に回転させられる。
供給ホイール10及び排出ホイール11の各外周面には、特に図示していないが、缶Wの缶胴51を保持可能な凹状のポケットが周方向に互いに間隔をあけて複数形成されている。
ホイールインデックス機構12は、カム構造(不図示)を有している。ホイールインデックス機構12は、カム構造により、加工テーブル2の往復移動の1ストローク毎に、供給ホイール10をホイール軸SA回りに回転及び回転停止させ(間欠回転させ)、排出ホイール11をホイール軸DA回りに回転及び回転停止させる(間欠回転させる)。
供給ホイール10及び排出ホイール11は、ホイールインデックス機構12により、保持テーブル3のテーブル軸TA回りの間欠回転に同期して、かつ、保持テーブル3の回転方向R1とは逆回転となるホイール回転方向R2、R3に、それぞれ間欠的に回転させられる。
供給ホイール10と排出ホイール11とは、不図示のギヤ等により機械的に連結されており、互いに同期して各ホイール軸SA、DA回りに間欠回転する。
詳しくは、図5において、供給ホイール10が間欠回転し、該供給ホイール10のポケットに保持された缶Wが、保持テーブル3のチャック7に対応する位置(チャック7の直上)に配置されたときに、加工テーブル2に設けられた押し込み部が、この缶Wを保持テーブル3側へ向けて押し込むとともに、該缶Wがポケットからチャック7へと受け渡され、チャック7に保持される。
また、保持テーブル3のチャック7に保持された缶Wが、加工テーブル2のストローク毎に保持テーブル回転方向R1に移送されていき、すべての加工を終えて排出ホイール11のポケットに対応する位置(ポケットの直下)に配置されたときに、後述する缶排出機構14が、この缶W(すべての加工が施された製品のボトル缶B)を排出ホイール11側へ向けて押し出すとともに、該ボトル缶Bがチャック7からポケットへと受け渡され、ポケットに保持される。
ポケットに保持されたボトル缶Bは、排出ホイール11の間欠回転にともなってホイール軸DA回りに移送されていき、該ポケットから解放された後、搬送手段16により搬送され、ボトル缶製造装置1の外部へと移送される。
そして、図6に示されるように、ボトムリフォーム機構13は、テーブル軸TA方向に沿う保持テーブル3と装置本体4との間に配置されて、装置本体4に支持されている。
図5に示されるようにテーブル軸TA方向から見て、ボトムリフォーム機構13は、加工テーブル2に設けられた複数の加工ツール6のうち、所定のダイ加工ツールに対向するチャック7Aに対応する位置に配置されている。すなわち、テーブル軸TA方向から見て、ボトムリフォーム機構13は、ダイ加工ツールに対向するチャック7Aと重なる位置に配置される。また、ボトムリフォーム機構13の後述する中心軸C2と、チャック7Aの中心軸Oとが、互いに略一致している(これらの中心軸C2、Oが同軸に配置されている)。
具体的に、チャック7Aは、加工テーブル2に設けられた複数の加工ツール6のうち、缶Wに最終のトリミング加工を施すトリミング加工ツール(最終トリミング加工ツール)に対向するチャック7Bよりも、保持テーブル回転方向R1とは反対側(つまり缶Wへの加工順の上流側)に位置している。また、チャック7Aは、加工テーブル2に設けられた複数の加工ツール6のうち、缶Wにねじ成形加工を施すねじ成形加工ツールに対向するチャック7Cよりも、保持テーブル回転方向R1とは反対側に位置している。
つまり、ボトル缶製造装置1をテーブル軸TA方向から見て、装置本体4に設けられたボトムリフォーム機構13は、加工テーブル2にテーブル周方向に沿って配列する複数の加工ツール6のうち、最終トリミング加工ツール及びねじ成形加工ツールよりも保持テーブル回転方向R1とは反対側(缶Wへの加工順の上流側)に配置されている。
図6〜図12に示されるように、ボトムリフォーム機構13は、チャック7に保持された缶Wの缶底52に当接可能な押圧部20と、押圧部20をチャック7の中心軸O方向に移動させる第1移動手段21と、押圧部20をチャック径方向に移動させる第2移動手段22と、押圧部20をチャック周方向に移動させる第3移動手段23と、を備えている。
またボトムリフォーム機構13は、装置本体4に固定された支持フレーム24と、支持フレーム24に設けられた昇降用モータ25と、昇降用モータ25のモータ軸回りの回転運動をチャック7の中心軸O方向(テーブル軸TA方向)への往復直線運動に変換する昇降用カム26と、昇降用カム26に連結された本体フレーム27と、本体フレーム27を支持フレーム24に対してチャック7の中心軸O方向にスライド移動自在に連結する昇降用ガイド28と、を備えている。
またボトムリフォーム機構13は、本体フレーム27においてチャック7の中心軸Oと同軸に配置される筒体29と、筒体29の開口端部からチャック7へ向けて突出する押圧部20と、筒体29内に設けられ、該筒体29に対して中心軸O回り(チャック周方向)に回転しかつ中心軸O方向に移動する回転昇降軸30と、筒体29内に設けられ、回転昇降軸30の回転運動を押圧部20に伝達し、かつ回転昇降軸30の中心軸O方向への往復直線運動を押圧部20の中心軸Oに直交する径方向(チャック径方向)へのスライド移動に変換するリンク部31と、本体フレーム27に対して回転昇降軸30を中心軸O回りに回転自在にかつ中心軸O方向にスライド移動自在に連結するロータリーボールスプライン32と、本体フレーム27に設けられ、タイミングベルト34を介して回転昇降軸30を中心軸O回りに回転させる回転用モータ33と、本体フレーム27に設けられた押圧用モータ35と、押圧用モータ35のモータ軸回りの回転運動をチャック7の中心軸O方向への往復直線運動に変換して回転昇降軸30に伝達する押圧用カム36と、を備えている。
なお、筒体29、回転昇降軸30及びロータリーボールスプライン32の各中心軸は、互いに一致しており、この共通軸を図中に符号C2で示す。この中心軸C2は、チャック7の中心軸Oと同軸である。また、昇降用モータ25、回転用モータ33及び押圧用モータ35は、例えば、サーボモータやステッピングモータ等である。
本実施形態の押圧部20は、成形ローラである。押圧部20は、円板状、円筒状又は円柱状をなす成形用金型であり、その中心軸C1がチャック7の中心軸Oと平行に延びている。押圧部20は、中心軸C1回りに回転自在にかつ中心軸C1に直交する径方向にスライド移動自在に、筒体29に取り付けられている。
図9及び図10においては、押圧部20の中心軸C1が、チャック7の中心軸Oと同軸に配置されている。これに対し図11及び図12においては、押圧部20が、回転昇降軸30及びリンク部31等の作用によりチャック径方向に移動させられており、押圧部20の中心軸C1が、チャック7の中心軸Oから離間させられている。そして押圧部20は、チャック7に保持された缶Wの缶底52のうち、環状凸部56の内周壁57に当接可能である。
具体的に、押圧部20の外周縁部には鍔部が形成されており、この鍔部の中心軸C1方向の長さ(厚さ)が、環状凸部56の内周壁57の缶軸方向の長さよりも小さく設定されている。そして、押圧部20の鍔部が、環状凸部56の内周壁57に当接し、この内周壁57をチャック径方向の外側へ向けて押圧することにより、該内周壁57には凹部60が形成される(図3を参照)。なお、本実施形態の例では、第3移動手段23によって押圧部20が、チャック7の中心軸O回りに回転移動させられるため、環状凸部56の内周壁57には、缶周方向に沿って延びるリング状の凹部60が形成される。
第1移動手段21は、押圧部20が取り付けられた筒体29を有する本体フレーム27と、支持フレーム24に対して本体フレーム27をチャック7の中心軸O方向に往復運動(往復直線運動)させる昇降用モータ25、昇降用カム26及び昇降用ガイド28と、を備えている。
第1移動手段21により、押圧部20は、保持テーブル3の貫通孔18内及びチャック7の挿通孔19内を通して、該チャック7が保持する缶Wの缶底52に対して中心軸O方向に接近移動及び離間移動可能である。
第2移動手段22は、押圧部20が取り付けられた筒体29を有する本体フレーム27と、筒体29に対して押圧部20をチャック7の中心軸Oに直交する径方向(チャック径方向)に往復運動させる押圧用モータ35、押圧用カム36、回転昇降軸30、ロータリーボールスプライン32及びリンク部31と、を備えている。
第2移動手段22により、押圧部20は、チャック7が保持する缶Wの缶底52に対して、チャック径方向に接近移動及び離間移動可能である。
第3移動手段23は、押圧部20が取り付けられた筒体29を有する本体フレーム27と、筒体29に対して押圧部20をチャック7の中心軸O回り(チャック周方向)に回転移動させる回転用モータ33、タイミングベルト34、ロータリーボールスプライン32、回転昇降軸30及びリンク部31と、を備えている。
第3移動手段23により、押圧部20は、チャック7が保持する缶Wの缶底52に対して、チャック周方向に回転移動可能である。
そして、制御部は、クランク角度検出手段が検出したクランク角度に基づいて、第1移動手段21の昇降用モータ25、第2移動手段22の押圧用モータ35及び第3移動手段23の回転用モータ33を動作させる。
次に、図13に示されるタイミングチャートを参照して、ボトムリフォーム機構13による缶Wの缶底52へのボトムリフォーム加工について説明する。
図13において、クランク角度が停留角の範囲となったときに、保持テーブル3のテーブル周方向への回転動作が停止する。保持テーブル3が停留した状態において、まず、第1移動手段21により、チャック7が保持する缶Wの缶底52へ向けて押圧部20が中心軸O方向に接近移動される。
具体的には、図6に示されるボトムリフォーム機構13によるボトムリフォーム加工の初期状態から、制御部によって昇降用モータ25が動作しそのモータ軸が回転して、昇降用カム26及び昇降用ガイド28の作用により、本体フレーム27とともに押圧部20が中心軸O方向に沿ってチャック7側へ向けて前進移動(上昇)する。
図9及び図10に示されるように、押圧部20が中心軸O方向の上昇端に達すると制御部は昇降用モータ25のモータ軸の回転を停止し、押圧部20は缶Wの缶底52に接近配置された状態に維持される。
次いで、図13において、第2移動手段22により、チャック7が保持する缶Wの缶底52へ向けて押圧部20がチャック径方向に接近移動される。
具体的には、図9及び図10に示されるように、押圧部20の中心軸C1がチャック7の中心軸Oと同軸に配置された状態から、制御部によって押圧用モータ35が動作しそのモータ軸が回転して、該モータ軸に対して偏心したカムローラを有する押圧用カム36、押圧用カム36により中心軸O方向に往復移動させられる回転昇降軸30、及びリンク部31の作用により、押圧部20がチャック径方向の外側へ向けて移動する。これにより缶底52の環状凸部56の内周壁57が、押圧部20の外周縁部(鍔部)に押圧されて、該内周壁57には缶径方向の外側へ向けて窪む凹部60が成形される(図3を参照)。
図11及び図12に示されるように、押圧部20がチャック径方向の外端に達すると制御部は押圧用モータ35のモータ軸の回転を停止し、押圧部20は缶底52の環状凸部56に押圧された状態のまま維持される。
次いで、図13において、第3移動手段23により、チャック7が保持する缶Wの缶底52に対して、押圧部20がチャック周方向に回転移動される。
具体的には、図11及び図12に示されるように、押圧部20が環状凸部56の内周壁57に押圧された状態のまま、制御部によって回転用モータ33が動作しそのモータ軸が回転して、該モータ軸にプーリ及びタイミングベルト34を介して連結されるロータリーボールスプライン32、ロータリーボールスプライン32に対して中心軸O回りの回転が規制された回転昇降軸30、及び回転昇降軸30に対して中心軸O回りの回転が規制されたリンク部31の作用により、押圧部20がチャック周方向に回転移動する。これにより缶底52の環状凸部56の内周壁57が、この内周壁57上を転動する押圧部20の外周縁部(鍔部)に押圧されて、該内周壁57には缶周方向の全周にわたって延びるリング状の凹部60が成形される。このようにして、缶Wの缶底52にボトムリフォーム加工が施される。
押圧部20が環状凸部56の内周壁57上を缶周方向の全周にわたって転動した後、制御部は回転用モータ33のモータ軸の回転を停止し、押圧部20のチャック周方向への回転移動が停止される。
次いで、図13において、上述とは逆の手順で、第2移動手段22により、缶Wの缶底52の環状凸部56から押圧部20がチャック径方向の内側(径方向中央)へ向けて離間移動する。また、第1移動手段21により、缶Wの缶底52から押圧部20が中心軸O方向に沿って後退移動(下降)する。
上述したボトムリフォーム機構13の動作はすべて、保持テーブル3が停留している間に行われる。
図14に示されるように、缶排出機構14は、テーブル軸TA方向に沿う保持テーブル3と装置本体4との間に配置されて、装置本体4に支持されている。
図5に示されるようにテーブル軸TA方向から見て、缶排出機構14は、排出ホイール11のポケットに対向するチャック7に対応する位置に配置されている。すなわち、テーブル軸TA方向から見て、缶排出機構14は、排出ホイール11のポケットに対向するチャック7と重なる位置に配置される。また、缶排出機構14の後述する中心軸C3と、チャック7の中心軸Oとが、互いに略一致している(これらの中心軸C3、Oが同軸に配置されている)。
図14及び図15に示されるように、缶排出機構14は、チャック7に保持された缶Wの缶底52に当接可能な押出し部40と、押出し部40をチャック7の中心軸O方向に移動させる排出手段43と、を備えている。
また、排出手段43は、押出し部40をチャック7の中心軸O方向に移動させる第1昇降部41と、第1昇降部41よりも遅い速度で押出し部40をチャック7の中心軸O方向に移動させる第2昇降部42と、を備えている。つまり、第1昇降部41が押出し部40を中心軸O方向に移動させる単位時間あたりの移動量(中心軸O方向に押出し部40を移動させる速度)は、第2昇降部42が押出し部40を中心軸O方向に移動させる単位時間あたりの移動量よりも大きく設定されている。言い換えると、第1昇降部41が押出し部40を中心軸O方向に移動させる単位時間あたりの移動量に対して、第2昇降部42が押出し部40を中心軸O方向に移動させる単位時間あたりの移動量が、小さく設定されている。
また缶排出機構14は、装置本体4に固定された支持フレーム44と、支持フレーム44に設けられた昇降用シリンダ45と、昇降用シリンダ45のピストンロッド46に連結された本体フレーム47と、本体フレーム47においてチャック7の中心軸Oと同軸に配置される筒体48と、本体フレーム47に設けられた排出用シリンダ49と、排出用シリンダ49のピストンロッド50を筒体48内において中心軸O方向にスライド移動自在に支持するボールスプライン61と、ピストンロッド50のジョイント62と、を備えている。
なお、押出し部40、筒体48、ボールスプライン61及びピストンロッド50の各中心軸は、互いに一致しており、この共通軸を図中に符号C3で示す。この中心軸C3は、チャック7の中心軸Oと同軸である。また、昇降用シリンダ45及び排出用シリンダ49は、例えば、エアシリンダ等である。
本実施形態の押出し部40は、円筒状又は円柱状をなしている。図示の例では、押出し部40が、筒体48よりも中心軸O方向に沿うチャック7側に配置されている。押出し部40は、排出用シリンダ49のピストンロッド50の先端に取り付けられている。押出し部40において中心軸O方向のチャック7側を向く先端面は、チャック7が保持する缶Wの缶底52のドーム部55の凹曲面形状に対応する(係合する)凸曲面形状をなしている。つまり、図14に示される中心軸O、C3に沿う断面視(中心軸O、C3を含む断面視)において、缶Wのドーム部55の凹曲面部がなす曲率半径と、押出し部40の先端面の凸曲面部がなす曲率半径とが、互いに略同一である。
第1昇降部41は、押出し部40が取り付けられた排出用シリンダ49を支持する本体フレーム47と、支持フレーム44に対して本体フレーム47を中心軸O方向に往復運動(往復直線運動)させる昇降用シリンダ45及びピストンロッド46と、を備えている。
第1昇降部41により、押出し部40は、保持テーブル3の貫通孔18内及びチャック7の挿通孔19内を通して、該チャック7が保持する缶Wの缶底52に対して中心軸O方向に接近移動及び離間移動可能である。
また、図14において符号S1で示されるものは、第1昇降部41による押出し部40の中心軸O方向のストロークである。第1昇降部41により押出し部40が上昇させられた上昇端において、押出し部40の先端面は、缶Wの缶底52のドーム部55に接近配置又は当接される。
第2昇降部42は、本体フレーム47に対して押出し部40を中心軸O方向に往復運動させる排出用シリンダ49及びピストンロッド50を備えている。
第2昇降部42により、押出し部40は、チャック7が保持する缶Wの缶底52を中心軸O方向の開口端部51a側へ向けて押し出し可能であり、またこの押し出し方向とは反対側へ向けて後退可能である。押出し部40が缶底52を押し出すことで、チャック7に保持された缶Wが該チャック7から離脱させられるとともに、排出ホイール11のポケットに受け渡される。
また、図14において符号S2で示されるものは、第2昇降部42による押出し部40の中心軸O方向のストロークである。第2昇降部42のストロークS2は、第1昇降部41のストロークS1よりも小さく設定されている。
そして、制御部は、クランク角度検出手段が検出したクランク角度に基づいて、第1昇降部41の昇降用シリンダ45及び第2昇降部42の排出用シリンダ49を動作させる。
次に、図16に示されるタイミングチャートを参照して、缶排出機構14によるチャック7からの缶W(ボトル缶B)の排出動作について説明する。
図16において、クランク角度が停留角の範囲となったときに、保持テーブル3のテーブル周方向への回転動作が停止する。保持テーブル3が停留した状態において、まず、第1昇降部41により、チャック7が保持する缶Wの缶底52へ向けて押出し部40が中心軸O方向に接近移動される。
具体的には、図14に示される缶排出機構14による缶排出動作の初期状態から、制御部によって昇降用シリンダ45が動作しそのピストンロッド46が中心軸O方向のチャック7側へ向けて前進移動(上昇)し、これにともなって、本体フレーム47とともに押出し部40が中心軸O方向のチャック7側へ向けて前進移動する。
第1昇降部41のストロークS1に応じて、押出し部40が中心軸O方向の上昇端に達すると、制御部は昇降用シリンダ45のピストンロッド46をその上昇端位置に維持する。
次いで、図16において、第2昇降部42により、押出し部40が中心軸O方向に前進移動(上昇)されるとともに、チャック7が保持する缶Wの缶底52を押し出して、該チャック7から缶Wが離脱(缶排出)される。
具体的には、図14に2点鎖線で示されるように、第1昇降部41によって押出し部40が缶底52に接近配置又は当接された状態から、制御部によって排出用シリンダ49が動作しそのピストンロッド50が中心軸O方向に沿って缶Wの開口端部51a側(つまり加工テーブル2側)へ向けて前進移動(上昇)し、これにともなって、押出し部40が中心軸O方向の開口端部51a側へ向けて前進移動する。
第2昇降部42のストロークS2に応じて、押出し部40が中心軸O方向の上昇端に達し、チャック7から缶Wが排出された後は、上述とは逆の手順で、第2昇降部42により、押出し部40が中心軸O方向に後退移動(下降)する。また、第1昇降部41により、押出し部40が中心軸O方向に後退移動する。
上述した缶排出機構14の動作はすべて、保持テーブル3が停留している間に行われる。
以上説明した本実施形態のボトル缶Bの製造方法では、缶底52の環状凸部56にボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程S09が、缶胴51の口金部53(の開口端部51a)に最終トリミング加工を施す最終トリミング工程S12よりも前に行われる。すなわち、ボトムリフォーム工程S09では、缶底52へのボトムリフォーム加工が行われることにより、缶Wの缶軸方向の高さが変化する可能性が考えられるが、本実施形態のように、ボトムリフォーム加工が最終トリミング加工よりも前工程で行われると、最終トリミング加工後の缶Wの開口端部51aの缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。これにより、ボトル缶Bを製缶した後工程において、キャップによる該ボトル缶Bの密封を確実かつ安定して行うことが可能になる。
従って本実施形態によれば、缶底52にボトムリフォーム加工を施しつつも、ボトル缶Bの缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶Bの軽量化と密封状態の安定化とを両立できる。
具体的に、ボトムリフォーム加工が施されて製造されたボトル缶Bは、缶底52の強度が高められて耐圧強度が向上するため、缶底52(つまりブランクW0の元板厚)を薄肉化して缶Bの軽量化を実現しつつも、ボトムグロースやバックリングを確実に防止することができる。
また本実施形態では、ボトムリフォーム工程S09を、ねじ成形工程S10よりも前に行うので、下記の作用効果を奏する。
すなわちこの場合、ボトムリフォーム加工がねじ成形加工よりも前工程で行われるので、ねじ成形加工後の缶Wの口金部53の雄ねじ部における缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。つまり、ねじ成形加工後の缶Wにおける缶底52から口金部53の雄ねじ部までの缶軸方向の高さの精度が確保される。また、ねじ成形加工後の缶Wの口金部53の雄ねじ部から開口端部51aまでの缶軸方向の長さ(キャップが螺着する雄ねじ部の高さ)の精度が安定して確保される。従って、ボトル缶Bの口金部53へのキャップの装着状態が良好に維持される。
また本実施形態では、ボトル缶製造装置1の内部においてボトムリフォーム加工が行われる。つまり、ボトル缶製造装置1の前工程にボトムリフォーム装置を別途設置することなく、ボトル缶製造装置1において缶Wの缶底52にボトムリフォーム加工を行うことが可能である。従って、ボトル缶Bの軽量化及び密封状態の安定化を図りつつ、設備費用や設置スペースの増大を抑えられる。
また本実施形態のように、ボトムリフォーム工程S09を、ネッキング工程S07と同時に行う(これらの工程を同じタイミングで行う。つまりボトムリフォーム工程S09とネッキング工程S07とを同期させる)場合には、さらに下記の作用効果が得られる。
すなわちこの場合、缶Wの缶底52にボトムリフォーム加工を施すときに、この缶Wを保持する保持テーブル3のチャック7Aに加工テーブル2側から対向するダイ加工ツールによって、該缶Wの缶胴51に対してダイ加工が施される。これにより、ダイ加工ツールとチャック7Aとの間に缶Wが挟持され、該チャック7Aに保持される缶Wの姿勢が安定して(特にチャック7Aの中心軸O(缶軸)方向への缶の移動が規制されて)、ボトムリフォーム加工によるチャック7Aからの缶Wの浮き上がり等が確実に防止される。従って、ボトムリフォーム加工の精度が安定して高められる。
しかもこの場合、ボトムリフォーム加工を施す際に従来必要とされていた、缶胴51の開口端部51aを押さえるための押さえ部材等を用意する必要はなく、装置の構造が簡素化される。また、ボトムリフォーム加工とダイ加工とが同時に行われるため、ボトル缶Bの製缶時間を従来通りに維持したまま(つまり加工時間を増大させることなく)、缶Wに対してボトムリフォーム加工を施すことができる。
また本実施形態では、ボトムリフォーム工程S09において、ボトムリフォーム機構13の押圧部20が、チャック7に保持された缶Wの缶底52のうち、環状凸部56の内周壁57に対してボトムリフォーム加工を施す。つまり押圧部20は、缶底52の環状凸部56の内周壁57に対して、チャック径方向の内側(中央側)から外側へ向けて移動し凹部60を形成するので、この缶Wの缶底52及び缶胴51を簡単な構造のチャック7により安定して支持することができ、その結果、缶底52に対してボトムリフォーム加工を精度よく施しやすくなる。またこの場合、缶Wの缶底52の外観を良好に維持しやすい。
また本実施形態では、ボトムリフォーム機構13の押圧部20が成形ローラであり、缶Wの缶底52を押圧する押圧部20を、該缶底52(の環状凸部56)上で転動させている。これにより、押圧部20によって缶底52に凹部60を成形する際の摩擦抵抗を低減して缶底52表面の傷付き等を防止できるとともに、缶底52に対する凹部60の形成領域を容易に広く確保することができる。従って、缶底52の強度がより確実にかつ安定して高められる。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係るボトル缶(缶)Bの製造方法について、図17を参照して説明する。
なお、前述の実施形態と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ、下記に説明する。
図17に示されるように、本実施形態のボトル缶Bの製造方法は、板材打ち抜き工程S01、カッピング工程(絞り工程)S02、DI工程(絞りしごき工程)S03、トリミング工程S04、印刷・塗装(缶外面)工程S05、塗装(缶内面)工程S06、ネッキング工程S17、トリミング工程S18、ねじ成形工程S19、最終ネッキング工程S20、ボトムリフォーム工程S21、最終トリミング工程(トリミング工程)S22、カール工程S23及びスロットル工程S24を備えている。
本実施形態のボトル缶Bの製造方法においても、ボトムリフォーム工程S21を、最終トリミング工程S22より前に行う。つまり、ボトムリフォーム工程S21よりも後に、(最終の)トリミング工程S22を行う。また本実施形態では、前述の実施形態とは異なり、ボトムリフォーム工程S21を、ねじ成形工程S19よりも後に行う。
つまり本実施形態では、ボトル缶製造装置1をテーブル軸TA方向から見て(図5を参照)、装置本体4に設けられたボトムリフォーム機構13は、加工テーブル2にテーブル周方向に沿って配列する複数の加工ツール6のうち、最終トリミング加工ツール(チャック7Bに対向する位置)よりも保持テーブル回転方向R1とは反対側(缶Wへの加工順の上流側)に配置され、かつ、ねじ成形加工ツール(チャック7Cに対向する位置)よりは保持テーブル回転方向R1(缶Wへの加工順の下流側)に配置される。
また本実施形態では、ボトムリフォーム工程S21を、ネッキング工程S17よりも後に行う。
なお、本実施形態において、ボトムリフォーム工程S21を、最終ネッキング工程S20と同時に行うこととしてもよい。具体的には、ボトムリフォーム工程S21におけるボトムリフォーム加工が、最終ネッキング工程S20における複数のダイ加工のうち所定のダイ加工(例えばステップS20における最後のダイ加工)と同じタイミングで行われることとしてもよい。
以上説明した本実施形態のボトル缶Bの製造方法においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態に係るボトル缶(缶)Bの製造方法について、図18〜図20を参照して説明する。
なお、前述の実施形態と同じ構成要素については詳細な説明を省略し、主として異なる点についてのみ、下記に説明する。
図18に示されるように、本実施形態のボトル缶Bの製造方法は、板材打ち抜き工程S01、カッピング工程(絞り工程)S02、DI工程(絞りしごき工程)S03、トリミング工程S04、印刷・塗装(缶外面)工程S05、塗装(缶内面)工程S06、ボトムリフォーム工程S27、ネッキング工程S28、トリミング工程S29、ねじ成形工程S30、最終ネッキング工程S31、最終トリミング工程(トリミング工程)S32、カール工程S33及びスロットル工程S34を備えている。
本実施形態のボトル缶Bの製造方法においても、ボトムリフォーム工程S27を、最終トリミング工程S32よりも前に行う。つまり、ボトムリフォーム工程S27よりも後に、(最終の)トリミング工程S32を行う。そして本実施形態では、前述の実施形態とは異なり、ボトムリフォーム工程S27を、ボトル缶製造装置1の前工程に設けられたボトムリフォーム装置において行う。
次に、ボトムリフォーム装置及びこれに用いられるボトムリフォーム機構74について説明する。なお、ボトムリフォーム装置のうち、本実施形態で説明するボトムリフォーム機構74以外の構造については、例えば上述の特許文献1(米国特許第5704241号明細書)に記載の缶底再成形装置と同様の構造を用いることができる。従って本実施形態では、ボトムリフォーム装置のうち周知の構造についてはその説明を省略する。
ボトムリフォーム機構74は、ボトムリフォーム装置に供給されるワークの缶(DI缶)Wの缶底52における環状凸部56の内周壁57に、径方向の外側へ向けて凹む凹部60を成形する(図3を参照)。
図19(a)、(b)に示されるように、ボトムリフォーム機構74は、缶底52に対して缶軸方向に接近離間するとともに、缶底52に当接可能なボトム支持部材78と、缶胴51の開口端部51aに対して缶軸方向に接近離間するとともに、開口端部51aに当接可能なトップ支持部材76と、缶底52の環状凸部56に対して缶軸に直交する缶径方向に接近離間するとともに、内周壁57に当接可能な押圧部80と、を備えている。
なお、ボトム支持部材78及びトップ支持部材76の各中心軸は、ボトムリフォーム加工する缶Wの缶軸に同軸に配置されている。また、缶Wの缶軸は後述するスピンドル軸Cと同軸に配置されている。
ボトム支持部材78は、缶胴51における缶底52側の端部(缶胴51の下端部)と、缶底52のうち環状凸部56の缶軸方向の外側の端縁(つまり環状凸部56の下端縁。ノーズ部59)と、缶底52のうち環状凸部56の外周壁58と、を支持可能に構成されている。
トップ支持部材76は、缶Wの開口端部51a内に挿入される内嵌部90と、開口端部51aに対して缶軸方向から当接する端縁押さえ部91と、を備えている。
内嵌部90は、円柱状をなしており、缶Wの開口端部51aの内径と同等又はそれよりも小さな外径を有している。内嵌部90は、案内部92と、嵌合部93と、を備える。案内部92は、内嵌部90のうちトップ支持部材76の中心軸方向に沿うボトム支持部材78側の端部に配置され、ボトム支持部材78側へ向かうに従い徐々に外径が小さくなるテーパ状をなしている。図19(a)において、案内部92(の延長線)と、トップ支持部材76の中心軸(スピンドル軸Cに相当)とが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度は、例えば15°程度である。嵌合部93は、案内部92と端縁押さえ部91との間に配置され、前記中心軸方向に沿って外径が一定とされている。
端縁押さえ部91は、円板状をなしており、内嵌部90及び缶Wの開口端部51aの外径よりも大きな外径を有している。端縁押さえ部91のうちトップ支持部材76の中心軸方向に沿うボトム支持部材78側を向く端面は、リング形の平面状をなしている。
トップ支持部材76が缶Wに対して缶軸方向に接近移動させられ、内嵌部90が缶胴51の開口端部51a内に挿入される際には、まず、案内部92が開口端部51a内に挿入されていき、該案内部92にガイドされるように嵌合部93が開口端部51a内に挿入(嵌合)される。そして図19(b)に示されるように、端縁押さえ部91の前記端面が、缶Wの開口端部51aに当接する。
本実施形態の押圧部80は、成形ローラである。押圧部80は、円板状、円筒状又は円柱状をなす成形用金型であり、その中心軸C1がトップ支持部材76及びボトム支持部材78の各中心軸(スピンドル軸C)と平行に延びている。押圧部80は、その中心軸C1回りに回転自在にかつ中心軸C1に直交する径方向にスライド移動自在に、ボトムスピンドル77に設けられている。
次に、ボトムリフォーム装置の概略構成と、これに用いられるボトムリフォーム機構74の作用について説明する。
特に図示していないが、ボトムリフォーム装置は、装置の基体となる装置フレームと、該装置フレームに支持されて回転駆動される回転軸と、該回転軸に支持され、外周に缶Wを保持するポケットが複数形成されたスターホイール(ターレット)と、前記回転軸に支持され、スターホイールの各ポケットに対応して設けられた複数のボトムリフォーム機構74と、を備えている。
スターホイールの各ポケットには、缶Wの缶胴51がエア吸着等により保持される。装置フレームに対して回転軸がその中心軸回りに回転させられることにより、この回転軸に一体に設けられたスターホイール及びボトムリフォーム機構74が、回転軸の中心軸回りに回転させられる。
ボトムリフォーム機構74は、缶Wの開口端部51aに缶軸方向から当接して該開口端部51aを支持する上記トップ支持部材76を有するトップスピンドル75と、缶Wの缶底52を支持する上記ボトム支持部材78を有するボトムスピンドル77と、を備えている。トップスピンドル75とボトムスピンドル77とは、スターホイールのポケットを間に挟んで、互いの共通軸であるスピンドル軸C方向(スピンドル軸Cが延在する方向)に離間して対向配置される。
トップスピンドル75のスピンドル軸C及びトップ支持部材76の中心軸、並びに、ボトムスピンドル77のスピンドル軸C及びボトム支持部材78の中心軸は、スターホイールの各ポケットに保持される缶Wの缶軸に対して、同軸に配置される。
ボトムスピンドル77は、ボトム用カムフォロアを備えている。ボトム用カムフォロアは、装置フレームに一体に設けられて回転軸の径方向外側に配置され、該回転軸の中心軸回りに延びる円筒カムに係合している。
この円筒カムは、回転軸の中心軸回りへ向かうに従い該中心軸方向に沿う位置が変化する所定の軌道を形成している。この軌道に沿ってボトム用カムフォロアが案内されることにより、該ボトム用カムフォロアはスピンドル軸C方向に沿って所定のストロークL1の範囲で往復移動する。また、ボトム用カムフォロアに連結されたボトム支持部材78も、スピンドル軸C方向に沿って所定のストロークL1の範囲で往復移動する。
ボトムスピンドル77は、ボトム支持部材78に保持された缶Wの缶底52に当接可能な上記押圧部80を備えている。押圧部80は、ボトムスピンドル77の押圧用カムフォロアに連結されている。押圧用カムフォロアは、装置フレームに一体に設けられて回転軸の径方向外側に配置され、該回転軸の中心軸回りに延びる円筒カムに係合している。
この円筒カムは、回転軸の中心軸回りへ向かうに従い該中心軸方向に沿う位置が変化する所定の軌道を形成している。この軌道に沿って押圧用カムフォロアが案内されることにより、該押圧用カムフォロアはスピンドル軸C方向に沿って上記ストロークL1よりも大きな所定のストロークL2の範囲で往復移動する。そして押圧部80は、スピンドル軸C方向に沿って所定のストロークL1の範囲で往復移動し、かつ、ボトムスピンドル77に設けられたリンク部82の作用により、ストロークL2とストロークL1との差分(L2−L1)に応じてスピンドル軸C方向への直線運動がスピンドル軸Cに直交するスピンドル径方向へのスライド移動に変換されたストロークの範囲で、スピンドル径方向にも往復移動する。
これにより押圧部80は、ボトム支持部材78に保持された缶Wの缶底52の環状凸部56の内周壁57を押圧可能である。
また、装置フレームには、回転軸に同軸とされ、該回転軸に対して中心軸回りに回転自在な駆動ギヤが設けられている。また、ボトムスピンドル77には、駆動ギヤに噛み合う従動ギヤが設けられている。駆動ギヤによって従動ギヤがスピンドル軸C回りに回転させられることにより、従動ギヤに連結された押圧部80が、ボトム支持部材78に対してスピンドル軸C回りに回転する。
トップスピンドル75は、トップ用カムフォロアを備えている。トップ用カムフォロアは、装置フレームに一体に設けられて回転軸の径方向外側に配置され、該回転軸の中心軸回りに延びる円筒カムに係合している。
この円筒カムは、回転軸の中心軸回りへ向かうに従い該中心軸方向に沿う位置が変化する所定の軌道を形成している。この軌道に沿ってトップ用カムフォロアが案内されることにより、トップスピンドル75は、スピンドル軸C方向に沿って所定のストロークL3の範囲で往復移動する。ただし、トップスピンドル75のうちトップ支持部材76については、ストロークL3の途中で缶Wの開口端部51aに当接され、この当接後は弾性部材の作用によりそれ以上の缶Wへ向けた前進移動が停止される。このため、トップ支持部材76のストロークL4は、上記ストロークL3よりも小さく設定される。
次に、ボトムリフォーム装置の動作の一例について説明する。
駆動モータから入力された回転駆動力により、回転軸がその中心軸回りに回転させられる。これに応じて、装置フレームの円筒カム、これに係合するボトム用カムフォロア及び押圧用カムフォロアの作用により、ボトムスピンドル77及びそのボトム支持部材78が、スターホイールのポケットに保持された缶Wへ向けてスピンドル軸C方向に前進移動する。つまり、ボトムスピンドル77が、スピンドル軸C方向に沿ってトップスピンドル75側へ向けてストロークL1だけ移動する。
これにより、ボトム支持部材78の底壁が、缶Wの缶底52のノーズ部59及び外周壁58に対してスピンドル軸C方向から当接し、また缶胴51のうち缶底52側の端部近傍が、ボトム支持部材78の周壁内に嵌合する。また、押圧部80が、缶Wの缶底52に接近配置された状態となる。具体的には、押圧部80の外周縁部(鍔部)が、缶底52の環状凸部56の内周壁57に、スピンドル径方向の内側から対向配置される。
また、装置フレームの円筒カム及びこれに係合するトップ用カムフォロアの作用により、トップスピンドル75及びそのトップ支持部材76が、スターホイールのポケットに保持された缶Wへ向けてスピンドル軸C方向に前進移動する。つまり、トップスピンドル75が、スピンドル軸C方向に沿ってボトムスピンドル77側へ向けてストロークL3だけ移動する。
このストロークL3の途中で、トップ支持部材76の内嵌部90が、缶Wの缶胴51の開口端部51a内に嵌合し、また端縁押さえ部91が、缶Wの開口端部51aにスピンドル軸C方向から当接する。このようにトップ支持部材76の端縁押さえ部91が缶Wの開口端部51aに当接してからは、それ以降のトップスピンドル75の前進移動量に応じて弾性部材が弾性変形することにより、トップ支持部材76のそれ以上のスピンドル軸C方向に沿うボトムスピンドル77側(スターホイールが保持する缶W側)へ向けた前進移動が停止させられる。この結果、トップ支持部材76は、スピンドル軸C方向に沿ってボトムスピンドル77側へ向けて、上記ストロークL3よりも小さいストロークL4だけ移動する。
これにより缶Wが、ボトム支持部材78とトップ支持部材76とによってスピンドル軸C方向の両側から挟持される。なおこのとき、弾性部材の復元変形力によって、缶Wは、缶軸方向(スピンドル軸C方向)に加圧された状態で両支持部材78、76により支持される。
次いで、押圧用カムフォロアがストロークL2とストロークL1との差分(L2−L1)に応じて、スピンドル軸C方向に沿うトップスピンドル75側へ向けて前進移動する。このとき、押圧用カムフォロアに連結されたリンク部82が、該押圧用カムフォロアのスピンドル軸C方向へ向けた直線運動を、スピンドル径方向へ向けたスライド移動に変換する。これにより、リンク部82に連結された押圧部80が、スピンドル径方向の外側へ向けて移動させられ、該押圧部80の外周縁部(鍔部)が缶底52の環状凸部56の内周壁57に押圧されて、該内周壁57には、缶径方向の外側へ向けて窪む凹部60が成形される(図3を参照)。
また、駆動ギヤが従動ギヤをスピンドル軸C回りに回転させることにより、該従動ギヤに連結されたリンク部82及び押圧部80が、スピンドル軸C回りに回転する。これにより、押圧部80が環状凸部56の内周壁57上を転動して、該内周壁57には缶周方向に沿って延びるリング状の凹部60が成形される。
これ以降は上述とは逆の手順で、まず押圧部80が、内周壁57からスピンドル径方向の内側へ向けて後退する。また、トップスピンドル75及びボトムスピンドル77が、缶Wに対してスピンドル軸C方向にそれぞれ後退移動して、トップ支持部材76及びボトム支持部材78による缶Wの支持状態が解除される。
このようにして、ボトムリフォーム装置によって缶底52にボトムリフォーム加工が施された缶Wは、該ボトムリフォーム装置の後工程に設置されたボトル缶製造装置1(ただしボトムリフォーム機構13を有していないもの)に移送され、各種の成形加工が施されることにより、ボトル缶Bに製缶される。
以上説明した本実施形態のボトル缶Bの製造方法においても、前述した実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
また本実施形態では、トップ支持部材76が、内嵌部90及び端縁押さえ部91を有しているので、下記の作用効果を奏する。
すなわち、端縁押さえ部91が、缶Wの開口端部51a(缶Wの上端開口縁)に缶軸方向から当接するので、トップ支持部材76のストロークL4を小さく抑えることが可能になり、その分生産性を高めることができる。また、内嵌部90が缶Wの開口端部51a内に挿入(嵌合)されるので、缶Wのセンタリング性を高めて、成形精度を向上できる。
また、内嵌部90がテーパ状の案内部92を有しているので、まず案内部92を開口端部51a内に確実に挿入し、該案内部92によって缶Wの缶軸とトップ支持部材76の中心軸とを芯合わせした状態から、開口端部51a内に嵌合部93をスムーズに嵌合させることができる。このため、トップ支持部材76による缶Wの開口端部51aの支持状態が安定する。また、嵌合部93が開口端部51a内に嵌合するので、成形中における缶Wの内圧の低下を抑えて、内圧を高く維持し続けることができる。
図20(a)、(b)は、本実施形態で説明したトップ支持部材76の変形例を表している。この変形例では、トップ支持部材76が、内嵌部90と、端縁押さえ部91と、端縁押さえ部91(の外周縁)からトップ支持部材76の中心軸方向に沿ってボトム支持部材78側へ向けて突設され、内嵌部90を径方向外側から覆うように形成されるとともに、該内嵌部90との間に缶Wの開口端部51aの板厚以上の隙間をあけて配置された筒状の外嵌部94と、を備えている。
外嵌部94は、缶Wの開口端部51aの外径と同等又はそれよりも大きな内径を有している。外嵌部94は、案内部95と、嵌合部96と、を備える。案内部95は、外嵌部94のうちトップ支持部材76の中心軸方向に沿うボトム支持部材78側の端部に配置され、ボトム支持部材78側へ向かうに従い徐々に内径が大きくなるテーパ状をなしている。図20(a)において、案内部95(の延長線)と、トップ支持部材76の中心軸(スピンドル軸Cに相当)とが交差して形成される鋭角及び鈍角のうち、鋭角の角度は、例えば15°程度である。嵌合部96は、案内部95と端縁押さえ部91との間に配置され、前記中心軸方向に沿って内径が一定とされている。
この変形例によれば、上述した作用効果のほか、下記の作用効果が得られる。すなわち、外嵌部94がテーパ状の案内部95を有しているので、まず案内部95を開口端部51aに確実に外挿し、該案内部95によって缶Wの缶軸とトップ支持部材76の中心軸とを芯合わせした状態から、開口端部51aに嵌合部96をスムーズに外嵌させることができる。このため、トップ支持部材76による缶Wの開口端部51aの支持状態が安定する。また、嵌合部96が開口端部51aに外嵌するので、成形中における缶Wの内圧の低下を抑えて、内圧を高く維持し続けることができる。
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、下記に説明するように、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
前述の第1〜第3実施形態では、ボトムリフォーム工程において、ボトムリフォーム機構13、74の押圧部20、80が、缶Wの缶底52の環状凸部56のうち内周壁57を押圧して凹部60を成形し、ボトムリフォーム加工を行うこととしたが、これに限定されるものではない。
例えば、押圧部20、80が、缶Wの缶底52の環状凸部56のうち外周壁58を押圧し、外周壁58に凹部60を成形してボトムリフォーム加工を行ってもよい。
或いは、押圧部20、80が、缶底52の環状凸部56の内周壁57及び外周壁58の両方に対しそれぞれ押圧されて、内周壁57及び外周壁58にそれぞれ凹部60を成形してもよい。
また、押圧部20、80が成形ローラであるとしたが、これに限定されるものではない。すなわち、押圧部20、80は、例えば上述した特許文献4(特開平11−244972号公報)及び特許文献5(特開2000−197937号公報)に示されるような、ポンチ爪であってもよい。
この場合、押圧部20、80がポンチ爪であるので、押圧部20、80を缶Wに対して缶軸方向及び缶径方向に移動させるための構造を簡素化でき、かつ、簡単な動作によって缶底52に凹部60を迅速に形成することができる。従って、缶底52へのボトムリフォーム加工の加工スピードが高められる。
また、第1〜第3実施形態では、ボトル缶Bの製造フローにおいて、ねじ成形工程と最終トリミング工程との間に最終ネッキング工程が設けられているが、最終ネッキング工程は設けられていなくてもよい。
また、ねじ成形工程は設けられなくてもよい。つまりボトル缶Bは、ねじ無しのボトル缶であってもよい。この場合、ボトル缶Bの口金部53に対してキャップが、巻き締めによる嵌合等によって、取り外し可能に装着されてもよい。
また、第1実施形態では、ボトル缶製造装置1に設けられたボトムリフォーム機構13が、加工テーブル2に設けられた複数の加工ツール6のうち、ダイ加工ツールに対向するチャック7Aに対応する位置に配置されているとしたが、これに限定されるものではない。
すなわち、第1実施形態では、ボトムリフォーム機構13により缶Wの缶底52へボトムリフォーム加工を施すときに、缶Wの缶胴51の開口端部51aをダイ加工ツールによって成形加工しながら押さえているが、この代わりに、缶Wの開口端部51aを回転加工ツールによって成形加工しながら押さえてもよい。或いは、例えば加工テーブル2に設けられた押さえ部材によって、缶Wの開口端部51aを成形加工することなく押さえてもよい。さらに、上記押さえ部材が設けられなくてもよい。つまり、ボトル缶製造装置1においては、チャック7にエア圧で弾性変形可能な伸縮リング17が設けられており、該伸縮リング17によって缶Wの保持力が十分に確保されているため、缶Wの開口端部51aを押さえることなくボトムリフォーム加工を施すことも可能である。
また、第1実施形態では、ボトル缶製造装置1に設けられた排出手段43が、押出し部40をチャック7の中心軸O方向に往復移動させる第1昇降部41と、第1昇降部41よりも遅い速度で押出し部40をチャック7の中心軸O方向に往復移動させる第2昇降部42と、を備えた(つまり2つの昇降部を備えた)構成を一例に挙げて説明したが、これに限定されるものではない。
すなわち、排出手段43は、例えば1つの昇降部によって押出し部40をチャック7の中心軸O方向に往復移動させることとしてもよく、或いは、押出し部40を中心軸O方向に移動させる速度が互いに異なる3つ以上の昇降部によって、押出し部40をチャック7の中心軸O方向に往復移動させることとしてもよい。
また、第1実施形態では、クランク機構8により、保持テーブル3に対して加工テーブル2をテーブル軸TA方向に往復移動させる構成を一例に挙げて説明したが、クランク機構8以外の、例えばリニアモータ機構等の往復移動機構を用いてもよい。
また、第1〜第3実施形態では、ボトル缶Bの製造方法について説明したが、本発明の缶の製造方法は、ボトル缶以外の例えばDI缶の製造方法であってもよい。DI缶の製造方法の場合、図1において缶の製造方法は、ステップS01〜S06を備えるとともに、DI工程S03とトリミング工程S04との間に、ボトムリフォーム工程を備える。つまり、ボトムリフォーム工程を、トリミング工程S04よりも前に行う。言い換えると、ボトムリフォーム工程よりも後にトリミング工程S04を行う。これにより、DI缶の製造方法においても、前述の実施形態と同様の作用効果が得られる。
具体的には、図1及び図2(c)、(d)において、缶Wの缶胴51の開口端部51aにトリミング加工を施すトリミング工程S04が、缶底52の環状凸部56にボトムリフォーム加工を施す図示しないボトムリフォーム工程よりも後に行われる。すなわち、ボトムリフォーム工程では、缶底52へのボトムリフォーム加工が行われることにより、缶Wの缶軸方向の高さ(缶Wの全高)が変化する可能性が考えられるが、本発明のように、ボトムリフォーム加工の後にトリミング加工が行われると、トリミング加工後の缶Wの開口端部51aの缶軸方向の高さ精度が安定して確保される。これにより、DI缶の製造時においても、缶Wを製缶した後工程において、缶胴51の開口端部51aに缶蓋を取り付けたときの缶の密封状態が安定する。
また、本発明の缶の製造方法は、缶胴と缶底とを備えた有底筒状の缶であれば、前述したボトル缶及びDI缶以外の缶にも適用可能である。
その他、本発明の趣旨から逸脱しない範囲において、前述の実施形態、変形例及びなお書き等で説明した各構成(構成要素)を組み合わせてもよく、また、構成の付加、省略、置換、その他の変更が可能である。また本発明は、前述した実施形態によって限定されることはなく、特許請求の範囲によってのみ限定される。
本発明の缶の製造方法によれば、缶底にボトムリフォーム加工を施しつつも、缶の缶軸方向の高さ精度を安定して確保することができ、これにより缶の軽量化と密封状態の安定化とを両立できる。従って、産業上の利用可能性を有する。
51 缶胴
51a 開口端部
52 缶底
53 口金部
54 ネック部
56 環状凸部
57 内周壁
58 外周壁
60 ボトムリフォーム加工により成形された凹部
B ボトル缶(缶)
S02 カッピング工程(絞り工程)
S03 DI工程(絞りしごき工程)
S04 トリミング工程
S07、S17、S28 ネッキング工程
S09、S21、S27 ボトムリフォーム工程
S10、S19、S30 ねじ成形工程
S12、S22、S32 最終トリミング工程(トリミング工程)
W0 ブランク
W1 カップ状体
W2〜W5(W) 缶(中間成形体の缶。ワーク)

Claims (6)

  1. 缶胴と缶底とを備えた有底筒状の缶の前記缶底のうち、缶軸方向に沿う前記缶胴の開口端部から前記缶底側へ向けて突出する環状凸部における内周壁及び外周壁の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程と、
    前記開口端部にトリミング加工を施すトリミング工程と、を備え、
    前記ボトムリフォーム工程よりも後に前記トリミング工程を行うことを特徴とする缶の製造方法。
  2. 円板状のブランクを絞り加工して、カップ状体に成形するカッピング工程と、
    前記カップ状体に絞りしごき加工を施して、缶胴と缶底とを備えた中間成形体の缶を成形するDI工程と、
    前記缶胴の開口端部をトリミング加工するトリミング工程と、
    前記缶胴のうち前記開口端部を含む領域に段階的にダイ加工を施して、缶軸方向に沿う前記缶底から前記開口端部側へ向かうに従い徐々に縮径するテーパ状のネック部と、該ネック部の前記開口端部側に連なる口金部と、を成形するネッキング工程と、
    前記口金部にねじ成形加工を施すねじ成形工程と、
    前記口金部に最終トリミング加工を施す最終トリミング工程と、
    前記缶底のうち、缶軸方向に沿う前記開口端部から前記缶底側へ向けて突出する環状凸部における内周壁及び外周壁の少なくともいずれかに、ボトムリフォーム加工を施すボトムリフォーム工程と、を備え、
    前記ボトムリフォーム工程を、前記最終トリミング工程よりも前に行うことを特徴とする缶の製造方法。
  3. 請求項2に記載の缶の製造方法であって、
    前記ボトムリフォーム工程を、前記ねじ成形工程よりも前に行うことを特徴とする缶の製造方法。
  4. 請求項2に記載の缶の製造方法であって、
    前記ボトムリフォーム工程を、前記ねじ成形工程よりも後に行うことを特徴とする缶の製造方法。
  5. 請求項2又は3に記載の缶の製造方法であって、
    前記ボトムリフォーム工程を、前記ネッキング工程よりも後に行うことを特徴とする缶の製造方法。
  6. 請求項2又は3に記載の缶の製造方法であって、
    前記ボトムリフォーム工程を、前記ネッキング工程と同時に行うことを特徴とする缶の製造方法。
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