JPH10166083A - Di缶体の製造方法 - Google Patents

Di缶体の製造方法

Info

Publication number
JPH10166083A
JPH10166083A JP35198996A JP35198996A JPH10166083A JP H10166083 A JPH10166083 A JP H10166083A JP 35198996 A JP35198996 A JP 35198996A JP 35198996 A JP35198996 A JP 35198996A JP H10166083 A JPH10166083 A JP H10166083A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
degreasing
ironing
manufacturing
solution
cleaning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP35198996A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3603975B2 (ja
Inventor
Kenichi Inoue
賢一 井上
Yasushi Enoki
泰史 榎木
Shuichi Yoshioka
秀一 吉岡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daiwa Can Co Ltd
Original Assignee
Daiwa Can Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daiwa Can Co Ltd filed Critical Daiwa Can Co Ltd
Priority to JP35198996A priority Critical patent/JP3603975B2/ja
Publication of JPH10166083A publication Critical patent/JPH10166083A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3603975B2 publication Critical patent/JP3603975B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 DI缶体の製造方法において、缶体の脱脂・
洗浄工程で、倒立させた缶体の上端(缶底部)に処理液
が溜まり難く、缶底部から処理液を簡単に除去できるよ
うにして、処理液の使用量を節減すると共に、脱脂・洗
浄工程後の乾燥に要する熱エネルギーの消費量を節減
し、更に、処理液の残留による缶底部の白化現象や塗膜
との密着性の低下を防止し、また、ブローオフによる缶
体の転倒を防止する。 【解決手段】 絞りしごき成形の後で、更に、缶体を脱
脂・洗浄するための工程を含む複数の工程を経て製造さ
れるDI缶体の製造方法において、平坦な缶底部をドー
ム状に成形するボトム成形を、しごき成形の直後に行う
ことなく、缶体の脱脂・洗浄よりも後の工程として行
う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミやスチール
の金属材料を絞りしごき成形することで缶底部と缶胴部
を一体的に成形した、所謂2ピース缶といわれるDI缶
体(絞りしごき缶体)の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】アルミやスチールの2ピース缶として飲
料用に広く使用されている、缶体の底部と胴部が一体的
に成形されたDI缶体(絞りしごき缶体)の製造につい
ては、従来は、図3および図4に示すように、まず、カ
ップメーカーにより、アルミやスチールの金属板材料を
プレス成形による打ち抜き絞りによりカップ状に成形し
てから、ボディメーカーにより、再絞りとしごきを連続
的に行う絞りしごき成形(D1成形)によって缶底部か
ら一体的に缶胴部を引き延ばして成形すると共に、該絞
りしごき成形に連続して、缶底部を、略全体が上方に膨
出し、周辺部がリング状の脚部となるようなドーム状に
成形(ドーミング成形)している。
【0003】すなわち、従来のボディメーカーによるボ
ディ成形では、図5(A)〜(H)に示すように、送給
されてきたカップを、パンチの押圧により、一つのリド
ローダイと複数個のアイアニングダイを有するツールパ
ック内で、該リドローダイとアイアニングダイを通して
カップの側壁を連続的に再絞りとしごきをすることで、
缶胴部を徐々に引き延ばして所定の高さにすると共に、
そのような再絞りとしごき成形のボトム成形段階(G)
において、再絞りとしごきのためのパンチの押圧力を利
用して、ドーミングステーションの受部の形状に応じ
て、缶底部をドーミング成形している。
【0004】なお、再絞り成形としごき成形とを別々に
行い、しごき成形のためのパンチの押圧力を利用してド
ーミング成形をするという方法も一部で実施されてい
る。
【0005】次いで、成形された缶体は、トリマーによ
り、成形品の上端部をトリミングして缶体を所定の高さ
に揃えてから、続く缶体の脱脂・洗浄工程において、ウ
ォッシャーにより、缶底部が上となるようにネットコン
ベアー上に倒立させた状態の缶体を集団的に搬送しなが
ら、上方と下方からスプレーで缶体に処理液を噴霧する
ことにより行う、予備水洗い処理−脱脂処理−水洗い処
理−化成処理−水洗い処理−純水リンス処理等の処理
を、各処理の最後に上方から缶底部に向けて空気を吹き
付けることで、缶体の上端凹部(ドーム部)に溜まった
処理液を除去(ブローオフ)しつつ、順次行って、絞り
しごき成形時にオイル等が付着した缶体の内外面を脱脂
・洗浄してから乾燥させている。(各処理液を噴霧する
領域のネットコンベアーの下方には、各処理液をそれぞ
れ貯留する貯留槽が設けられており、各処理液はそれぞ
れの貯留槽からポンプで汲み上げられて噴霧される。)
【0006】次いで、デコレーターにより、スチール缶
で、金属の地肌に影響されずに各インキの色が鮮明に現
れるような印刷状態に仕上げたいような場合には、ま
ず、缶胴部の表面を隠蔽するような白色の塗料を塗布
(ホワイトコート)してから、また、アルミ缶で、金属
の地肌の光沢を利用して簡単に金色や銀色を鮮明に現し
たいような場合には、そのようなホワイトコートを施す
ことなく直接的に、何れも、缶胴部の表面に対して装飾
や表示のための印刷を行ってから、その外面を保護する
ための透明塗料の塗装(トップコート)を行っている。
【0007】次いで、アルミ缶では滑性を目的とし、ま
た、スチール缶では滑性と共に防錆を目的として、ボト
ムコーター(ローラー)により缶底部の接地面に透明塗
料を塗装(ボトムコート)してから、次いで、缶体の内
面の保護を目的として、インサイドコーター(スプレ
ー)により缶体の内面全体に内面塗料を塗装すると共
に、スチール缶については、それと同時に、缶底部の防
錆を目的として、ボトムコーター(ローラー)では塗装
できなかった缶底部およびその近傍に対して、更に、ス
プレーにより透明塗料を塗装している。
【0008】そして、次の工程でネッカーおよびフラン
ジャーにより、ネックとフランジの成形加工を行うこと
により、DI缶体の製造は一応終了するが、スチール缶
については、缶内容液が金属露出部と接触するのを完全
に防止するために、該ネックとフランジの成形後、更
に、インサイドコーター(スプレー)により缶体の内面
全体を再塗装している。
【0009】なお、上記の製造工程において、印刷や塗
装の工程の後には、次の工程に至るまでの間に、オーブ
ン内を通過させて焼付や乾燥を行うような工程が設けら
れている。
【0010】一方、ビール用や炭酸飲料用のような内圧
の高い飲料容器においてDI缶体が多く使用されている
反面、金属材料を節約するためにDI缶体の薄肉化が進
められていることと関連して、DI缶体の底部を、内圧
によりドーム形状の反転を招くようなものとしないため
に、上記のようなDI缶体の製造方法において、絞りし
ごき成形に連続してドーム状に成形した缶底部の形状
を、更に、その後の工程において、耐内圧強度の高いも
のに再成形するということも従来公知となっている。
(特開平4−41031号公報)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な従来のDI缶体の製造方法においては、何れにして
も、カップメーカーにより所定の内径に成形したカップ
を、ボディメーカーにより再絞り成形としごき成形する
段階で、図5(G)に示すように、しごき成形に連続し
て、ドーミングステーションで缶底部(ボトム)の形状
も一緒にドーミング成形しているため、当該工程におけ
る騒音,振動,機械の摩耗などがより大きなものとなっ
ている。
【0012】また、その後に行われる缶体の脱脂・洗浄
工程では、缶底部がドーム状に成形された缶体につい
て、ネットコンベアー上に該缶体を倒立させた状態で搬
送しながら脱脂・洗浄における各処理を施すため、缶体
上端(缶底部)の凹部(ドーム部)内に処理液が溜まる
こととなり、それに対して、各処理の最後に、この凹部
に上方から空気を吹き付けることで溜まった処理液を吹
き飛ばして除去する(ブローオフ)ということを行って
いる。
【0013】しかしながら、ブローオフするときの空気
の圧力が弱いと、凹部内(缶底部の外面)に処理液が残
留して、次の処理液噴霧工程にまでその処理液を持ち越
すこととなり、次の工程の処理液を薄めたり、汚染した
りするし、また、余分な化成液が付着したままだとそれ
が乾燥して白いシミとなる(白化現象)ために、外見上
見苦しいものになるだけでなく、後工程で塗装される塗
膜との密着性も悪くなる。
【0014】一方、ブローオフするときに空気の圧力が
強すぎると、缶体の転倒を招くこととなって、製造ライ
ンを流れる缶体のスムーズな運行が阻害されたり、缶体
の洗浄不良や化成処理不良が発生するというような問題
を生じる。(洗浄不良缶および化成処理不良缶は、塗料
や印刷インキとの密着性が悪く、施された塗膜やインキ
が剥離し易い。)
【0015】また、上記のような従来の製造方法により
製造されたDI缶体では、特に、アルミ缶において、そ
の地肌の金属光沢を利用した金色や銀色を文字や図柄に
使用したいようなときには、缶胴部の表面にホワイトコ
ートを施すことなく、直接に装飾のための印刷を行って
いる。
【0016】そのようなアルミ缶においては、脱脂・洗
浄工程およびその後の乾燥工程で缶体同士が接触し、押
し合いながら搬送されるため、その際に擦られた跡が、
缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、印刷された色が
薄汚れたような色調(アブレージョン)として現れて、
外観を損なうというような問題を生じる。
【0017】すなわち、絞りしごき成形により底部と胴
部を一体的に成形した缶体では、しごき成形用のパンチ
の先端部に付与された先細り状のエントリーアングルの
ため、底部付近の胴部壁は厚く、胴部中央の壁は薄く加
工される。このため、缶体がパンチから取り外される
と、大きな加工歪みが残っている胴部中央付近では他の
部分よりもバックリングが大きくなるので、この部分の
直径は底部付近の直径よりも小さくなるという現象が起
こる。
【0018】その後、缶体の脱脂・洗浄工程で集団的に
缶体が搬送されるときに、缶胴部で直径が僅かに大きい
下端部付近同士が互いに接触して擦れ、それによって、
缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、非常に細かな擦
り傷が無数に発生するが、そのような擦り傷は、金属の
地肌そのままでは殆ど目立たないものの、その上に直接
印刷で着色を施したときに、上記のような薄汚れたよう
な色調(アブレージョン)として現れることとなる。
【0019】また、上記のような従来のDI缶体の製造
方法では、周辺部が脚部となるようにドーム状に成形さ
れた状態の缶底部の外面に対して、ボトムコーター(塗
装ローラー)により外面塗料を塗装(ボトムコート)す
ることとなるため、ドーム部の周辺で接地面となるリン
グ状脚部の先端(下端)付近にしか塗料を塗装すること
ができない。
【0020】そのため、接地面の滑性を良くするために
外面塗料を塗装するアルミ缶の場合はともかく、缶底部
全体の防錆をも目的として外面塗料を塗装するスチール
缶の場合には、さらに、インサイドコーターによる缶体
の内面塗装工程で、同時に、別途のスプレーにより缶底
部の外面全体に渡る塗装を再度行わなければならないと
いう問題がある。
【0021】さらに、上記のような従来のDI缶体の製
造方法では、缶体の内面に対してインサイドコーター
(スプレー)により内面塗料を塗装(インナーコート)
する工程において、缶底部内面の周辺部が脚部となるよ
うなドーム状の複雑な凹凸を有する形状となっているた
め、インサイドコーター(スプレー)による内面塗料の
塗装(インナーコート)を、該缶底部の内面全体に渡っ
て均一に行うということが困難なものとなっている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記のような
課題を解決するために、上記の請求項1に記載したよう
に、絞りしごき成形の後で、更に、缶体を脱脂・洗浄す
るための工程を含む複数の工程を経て製造されるDI缶
体の製造方法において、平坦な缶底部をドーム状に成形
するボトム成形を、しごき成形の直後に行うことなく、
缶体の脱脂・洗浄よりも後の工程として行うことを特徴
とするものである。
【0023】また、上記の請求項1に記載したDI缶体
の製造方法において、上記の請求項2に記載したよう
に、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後
に、缶胴部に装飾や表示のための印刷を施す工程を含む
ものであり、上記のボトム成形を、該缶胴部の印刷工程
よりも後の工程として行うことを特徴とするものであ
る。
【0024】また、上記の請求項1に記載したDI缶体
の製造方法において、上記の請求項3に記載したよう
に、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後
に、缶底部に塗料を塗装する工程を含むものであり、上
記のボトム成形を、該缶底部の塗装工程よりも後の工程
として行うことを特徴とするものである。
【0025】また、上記の請求項1に記載したDI缶体
の製造方法において、上記の請求項4に記載したよう
に、DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗浄よりも後
で、ネックやフランジの成形よりも前に、缶体の内面に
塗料を塗装するための工程を含むものであり、上記のボ
トム成形を、該缶体内面の塗装工程よりも後の工程とし
て行うことを特徴とするものである。
【0026】さらに、上記の請求項4に記載したDI缶
体の製造方法において、上記の請求項5に記載したよう
に、DI缶体の製造方法が、まず、絞りしごき成形に続
いて、ネックやフランジを成形する前の缶体の所定の高
さよりも、少なくとも、ボトム成形のときに缶胴部が下
方に引かれる分より以上高くなるように、缶体の上端部
をプレトリミングすると共に、上記のボトム成形の後
に、缶体を所定の高さにトリミングすることを特徴とす
るものである。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明のDI缶体の製造方
法の一実施形態について、図面に基づいて詳細に説明す
る。
【0028】図1および図2は、本発明の一実施形態に
係るDI缶体の製造工程を示すもので、本実施形態で
は、まず、カップメーカーにより、アルミやスチールの
金属板材料をプレス成形によって打ち抜き絞りでカップ
に成形してから、ボディメーカーにより、再絞りとしご
きを連続的に行う絞りしごき成形(D1成形)を行っ
て、カップの側壁を薄く所定の高さに引き延ばし、缶底
部と缶胴部が一体的に形成されたボディ(缶体)に成形
する。
【0029】なお、本実施形態では、一つの装置である
ボディメーカーにより、再絞り成形としごき成形の両方
を行っているが、再絞り成形としごき成形は別々の装置
で行っても良い。
【0030】何れにしても、成形された缶体(ボディ)
では、缶底部(ボトム)は平坦な形状のままであって、
従来のように、再絞りしごき成形(又はしごき成形)の
際に缶底部がドーミング成形されるようなことはない。
【0031】このボディメーカーによる再絞りしごき成
形に続いて、本実施形態では、プレトリマーにより、最
終的にネックやフランジ成形される前の缶体の所定の高
さよりも、少なくとも、後の工程で行われるボトム成形
(ドーミング成形)のときに缶胴部が下方に引かれる分
より以上高くなるように、絞りしごき成形品の上端部が
プレトリミングされて、各缶体の高さが揃えられる。
【0032】なお、ボトム成形を行っても、缶底部から
開口上端部までの高さが缶胴部の円周方向で異なること
がないような缶材料の場合には、このプレトリミングを
行うだけで、後述するようなポストトリミングを行う必
要はない。(ボトム成形時の引き込み量を勘案してトリ
ミング位置を決めれば良く、ボトム成形後のトリミング
は必要ない。)
【0033】次いで、缶体の脱脂・洗浄工程において、
ウォッシャーにより、缶底部が上となるようネットコン
ベアー上に倒立させた状態の缶体を、該ネットコンベア
ーにより集団的に搬送しながら、上方と下方からスプレ
ーで缶体に処理液を噴霧することによって、予備水洗い
処理−脱脂処理−水洗い処理−化成処理−水洗い処理−
純水リンス処理等の各処理を、ブローオフをすることな
く、順次行って、缶体の内外面を脱脂・洗浄してから乾
燥させる。
【0034】なお、本実施形態では、ブローオフを省略
しているが、処理液の使用量節減の観点からは、缶底部
が平坦であっても処理液は付着しているので、弱い空気
圧のブローオフを行うことが望ましい。
【0035】次いで、デコレーターにより、本実施形態
では、スチール缶については、缶胴部の表面を隠蔽する
ような白色塗料を塗装(ホワイトコート)してから、ま
た、アルミ缶については、そのようなホワイトコートを
施すことなく直接的に、何れも、缶胴部の表面に装飾や
表示のための印刷を行ってから、その外面を保護するた
めの塗装(トップコート)を行う。
【0036】次いで、缶底部の塗装(ボトムコート)工
程において、ボトムコーター(ローラー)により、平坦
な形状の缶底部の外面に対して全面的に外面塗料を塗装
してから、さらに、缶体内面の塗装(インナーコート)
工程において、インサイドコーター(スプレー)によ
り、缶体の内面全体に対して内面塗料を塗装すると共
に、それと同時に、スチール缶については、缶底部の外
面の防錆を完全なものとするために、必要に応じて、缶
胴部と缶底部の境目付近の外面に対して、更にスプレー
により外面塗料を塗装する。
【0037】次いで、缶底部を成形(ボトム成形)する
工程において、ドーマーにより、平坦な缶底部を、プレ
ス成形で、ドーム部の周辺をリング状の脚部としたドー
ム状にドーミング成形(ボトム成形)してから、本実施
形態では、次の工程で、ポストトリマーにより、既にプ
レトリミングされている缶体に対して、更に、ネックや
フランジを成形する前の缶体の所定の高さにポストトリ
ミングする。(なお、ドーミング成形後の缶底部から開
口上端部までの高さが缶胴部の円周方向で異なることが
ないような缶材料の場合に、このポストトリミングを省
略することができるのは、前述した通りである。)
【0038】そして、最後に、ネッカーおよびフランジ
ャーにより、ネックとフランジの成形を行って、DI缶
体の製造工程を終了する。
【0039】なお、上記の製造工程において、印刷や塗
装の工程の後には、次の工程に至るまでの間に、オーブ
ン内を通過させて焼付や乾燥を行うような工程が設けら
れており、また、スチール缶については、ネックとフラ
ンジの成形後、必要に応じて、缶体内面の塗膜を更に強
化して防錆効果を向上させるために、更に、インサイド
コーター(スプレー)により缶体の内面全体を再塗装す
る工程を設けることがある。
【0040】以上に述べたような製造工程による本実施
形態のDI缶体の製造方法によれば、しごき成形直後の
段階では、缶底部はドーム状に成形(ドーミング成形)
されず、その後に行われる缶体の脱脂・洗浄工程では、
缶底部は平坦な形状のままであって、倒立させた缶体の
上端(缶底部)に処理液が溜まり難いため、ブローオフ
を弱くしても、あるいは、ブローオフを全く行わなくて
も、平坦な缶底部から処理液を簡単に除去することがで
きる。
【0041】したがって、脱脂処理での脱脂液を缶体に
付着させたまま水洗い処理用の水を噴霧することによっ
て起きる貯留槽中の水洗い用の水の汚染や、水を付着さ
せたままの缶体に化成処理用の化成液を噴霧することに
よって起きる缶体表面に付着した化成液の希釈および貯
留槽中の化成液の希釈などが軽減され、その結果、処理
液の使用量を節減することができる。また、乾燥工程に
送られてくる缶体は、水の付着量が少ないので、乾燥に
要する熱エネルギーが少なくて済む。
【0042】さらに、化成液が缶底部に残留して白化現
象を起こすことにより缶底部が外見上見苦しいものにな
るというようなことがないと共に、ブローオフを弱くす
ることができ、あるいは、ブローオフを全く不要とする
ことができて、ブローオフによる缶体の転倒により、製
造ラインのスムーズな運行が阻害されたり、洗浄不良缶
や化成処理不良缶が発生するというようなこともない。
【0043】また、ボディメーカーで再絞りしごき成形
(又はしごき成形)によりボディ成形する段階で、しご
き成形の直後に、連続してドーミングステーションで缶
底部のドーミング成形(ボトム成形)を行わないため、
その分だけボディメーカーにおける騒音,振動を軽減す
ることができると共に、ボディメーカーにおける部品の
損傷も軽減することができる。
【0044】また、特に、アルミ缶において、その地肌
の金属光沢を生かして金色や銀色等の金属色の装飾模様
を印刷するために、缶胴部の表面にホワイトコートを施
すことなく、直接に装飾のための印刷を行うような場合
に、従来のDI缶体の製造方法では、既に述べたような
理由により、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って、印
刷された色が若干薄汚れたような色調(アブレージョ
ン)として現れる。
【0045】しかしながら、本実施形態の製造方法によ
れば、上記の印刷工程の後で、缶底部の成形(ボトム成
形)工程において、ドーマーによりプレス成形で平坦な
缶底部がドーミング成形される際に、缶胴部全体が下方
に引かれて、上記のアブレージョンの部分が、缶底部の
方に移動するため、当該部分が外見上目立たないような
ものとなる。
【0046】また、本実施形態の製造方法では、缶底部
の塗装(ボトムコート)工程において、缶底部はドーム
状に成形されておらず、平坦な形状のままであるため、
ボトムコーター(ローラー)により、缶底部の外面全体
に外面塗料を簡単且つ均一に塗装することができて、ス
チール缶の場合についても、その後の工程で、周辺部を
除く缶底部の外面全体に対する別途スプレーによる塗装
を不要なものとすることができる。
【0047】また、本実施形態の製造方法では、缶体内
面の塗装(インナーコート)が行われる工程において
も、缶底部はドーム状に成形されておらず、平坦な形状
のままであるため、そのような平坦な缶底部の内面に対
して、インサイドコーター(スプレー)による内面塗料
の塗装を容易にムラなく均一に行うことができる。
【0048】しかも、本実施形態の製造方法では、缶底
部外面と缶体内面全体にそれぞれ塗料が均一に塗装(ボ
トムコートとインナーコート)された後で、ドーマーに
よるプレス成形で、缶体の平坦な底部をドーミング成形
(ボトム成形)することから、再絞りしごき成形又はし
ごき成形の直後の段階で缶底部をドーミング成形(ボト
ム成形)する場合と比べて、缶体の内面と外面に塗布さ
れている塗膜が、潤滑材となり補強材となって、所謂ボ
トム割れの発生を減少させることができる。
【0049】また、本実施形態の製造方法では、再絞り
しごき成形によるボディ成形に続いて、まず、ネックや
フランジを成形する前の缶体の所定の高さよりも、少な
くとも、ドーミング成形(ボトム成形)の際に缶胴部が
下方に引かれる分より以上に高くなるように、缶体の上
端部をプレトリミングしてから、缶底部のドーミング成
形(ボトム成形)の後で、缶体を所定の高さにポストト
リミングしている。
【0050】そのため、缶体の内面に対してインサイド
コーター(スプレー)により内面塗料を塗装(インナー
コート)する工程において、余分な塗料が機外に激しく
飛び散るようなオーバースプレー状態で缶体の上端近傍
を完全に塗装しなくても、該インサイドコーターによる
缶体の内面塗装の後で、缶体の上端近傍をトリミングし
てしまうため、結果的には、該ポストトリミング後の缶
体の上端近傍は、均一厚の塗膜に仕上がった状態とな
る。
【0051】以上、本発明のDI缶体の製造方法の一実
施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態
に示したような具体的な製造工程にのみ限定されるもの
でなく、例えば、ドーミング成形によるボトム成形工程
を、缶体の脱脂・洗浄よりも後でさえあれば、缶底部の
塗装工程よりも前としたり、缶体内面の塗装工程よりも
前として実施することも可能であり、また、缶底部の塗
装工程と缶体内面の塗装工程の順序を変更して実施する
ことも可能である等、特許請求の範囲の請求項1に記載
された限りにおいて、適宜設計変更可能なものであるこ
とはいうまでもない。
【0052】
【発明の効果】以上説明したような本発明のDI缶体の
製造方法によれば、缶体の脱脂・洗浄工程で、倒立させ
た缶体の上端(缶底部)に処理液が溜まり難く、また缶
底部から処理液を簡単に除去することができるため、処
理液の使用量を節減することができると共に、脱脂・洗
浄工程後の乾燥に要する熱エネルギーの消費量を節減す
ることができ、更に、化成液が缶底部に残留して白化現
象を起こすことや、缶体と塗膜との密着性が低下して塗
膜が剥離し易くなることなどを防止することができる。
【0053】また、処理液を除去するためのブローオフ
を弱くすることができ、あるいは、ブローオフを全く不
要とすることができて、ブローオフに起因する缶体の転
倒を招くようなこともなく、製造ラインの缶体をスムー
ズに運行させることができ、缶体の転倒に起因する洗浄
不良缶や化成処理不良缶の発生を防止することができ
る。
【0054】さらに、再絞りとしごき成形によりボディ
成形する段階で、しごき成形の直後に、連続して缶底部
のドーミング成形(ボトム成形)を行わないため、その
分だけ当該工程での騒音,振動を軽減することができる
と共に、当該工程における部品の損傷も軽減することが
できる。
【0055】なお、上記の請求項2に記載した製造方法
によれば、アルミ缶において、缶胴部の表面にホワイト
コートを施すことなく、直接に装飾のための印刷を行う
ような場合に、缶胴部の下端近傍で円周方向に沿って現
れるアブレージョン(薄汚れたような色調の部分)を、
缶底部の方に移動させて、当該部分を外見上目立たない
ようにすることができる。
【0056】また、上記の請求項3に記載した製造方法
によれば、ボトムコーターにより缶底部の外面全体に塗
料を簡単に均一厚に塗装することができて、スチール缶
の場合についても、その後の工程で、周辺部を除く缶底
部の外面に対して別途スプレーにより塗装するようなこ
とが不要となる。
【0057】また、上記の請求項4に記載した製造方法
によれば、缶体の底部内面に対して、インサイドコータ
ーによる塗装を容易にムラなく均一厚に行うことができ
ると共に、缶底部の内面に塗料が均一厚に塗装された後
で、ボトム成形が行われることから、該塗膜が潤滑材と
なり補強材となって、所謂ボトム割れの発生を減少させ
ることができる。
【0058】さらに、上記の請求項5に記載した製造方
法によれば、缶体の内面に対してインサイドコーターに
より塗料を塗装する際に、余分な塗料が機外に激しく飛
び散るようなオーバースプレー状態で缶体の上端近傍を
完全に塗装しなくても、結果的には、ポストトリミング
した後の缶体の上端近傍の塗膜が、均一厚な塗装状態に
仕上がったものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のDI缶体の製造方法の一実施形態に係
る缶体製造工程の概略を示す説明図。
【図2】図1に示した缶体製造工程による本実施形態の
DI缶体の製造方法を示すフローチャート。
【図3】従来のDI缶体の製造方法に係る缶体製造工程
の概略を示す説明図。
【図4】図3に示した缶体製造工程による従来のDI缶
体の製造方法を示すフローチャート。
【図5】図3に示した缶体製造工程における従来の再絞
りしごき成形によるボディ成形工程を示す説明図。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絞りしごき成形の後で、更に、缶体を脱
    脂・洗浄するための工程を含む複数の工程を経て製造さ
    れるDI缶体の製造方法において、平坦な缶底部をドー
    ム状に成形するボトム成形を、しごき成形の直後に行う
    ことなく、缶体の脱脂・洗浄よりも後の工程として行う
    ことを特徴とするDI缶体の製造方法。
  2. 【請求項2】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗
    浄よりも後に、缶胴部に装飾や表示のための印刷を施す
    工程を含むものであり、上記のボトム成形を、該缶胴部
    の印刷工程よりも後の工程として行うことを特徴とする
    請求項1に記載のDI缶体の製造方法。
  3. 【請求項3】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗
    浄よりも後に、缶底部に塗料を塗装する工程を含むもの
    であり、上記のボトム成形を、該缶底部の塗装工程より
    も後の工程として行うことを特徴とする請求項1に記載
    のDI缶体の製造方法。
  4. 【請求項4】 DI缶体の製造方法が、缶体の脱脂・洗
    浄よりも後で、ネックやフランジの成形よりも前に、缶
    体の内面に塗料を塗装するための工程を含むものであ
    り、上記のボトム成形を、該缶体内面の塗装工程よりも
    後の工程として行うことを特徴とする請求項1に記載の
    DI缶体の製造方法。
  5. 【請求項5】 DI缶体の製造方法が、まず、絞りしご
    き成形に続いて、ネックやフランジを成形する前の缶体
    の所定の高さよりも、少なくとも、ボトム成形のときに
    缶胴部が下方に引かれる分より以上高くなるように、缶
    体の上端部をプレトリミングすると共に、上記のボトム
    成形の後に、缶体を所定の高さにポストトリミングする
    ことを特徴とする請求項4に記載のDI缶体の製造方
    法。
JP35198996A 1996-12-11 1996-12-11 Di缶体の製造方法 Expired - Fee Related JP3603975B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35198996A JP3603975B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 Di缶体の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP35198996A JP3603975B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 Di缶体の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10166083A true JPH10166083A (ja) 1998-06-23
JP3603975B2 JP3603975B2 (ja) 2004-12-22

Family

ID=18421018

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP35198996A Expired - Fee Related JP3603975B2 (ja) 1996-12-11 1996-12-11 Di缶体の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3603975B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084081A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Universal Seikan Kk ボトル缶の製造方法
JP2007296565A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Daiwa Can Co Ltd 樹脂被覆シームレス缶製造方法、及びその装置
JP2010241037A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd 樹脂被覆金属板及びこれから成るシームレス缶
JP2018099729A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 ユニバーサル製缶株式会社 缶の製造方法
JP2019108138A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 昭和アルミニウム缶株式会社 飲料用缶、飲料缶、および、飲料用缶の製造方法

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7013161B2 (ja) * 2017-07-31 2022-01-31 昭和アルミニウム缶株式会社 飲料用缶の製造方法

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007084081A (ja) * 2005-09-20 2007-04-05 Universal Seikan Kk ボトル缶の製造方法
JP2007296565A (ja) * 2006-05-01 2007-11-15 Daiwa Can Co Ltd 樹脂被覆シームレス缶製造方法、及びその装置
JP2010241037A (ja) * 2009-04-08 2010-10-28 Toyo Seikan Kaisha Ltd 樹脂被覆金属板及びこれから成るシームレス缶
JP2018099729A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 ユニバーサル製缶株式会社 缶の製造方法
JP2019108138A (ja) * 2017-12-15 2019-07-04 昭和アルミニウム缶株式会社 飲料用缶、飲料缶、および、飲料用缶の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3603975B2 (ja) 2004-12-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2352747C (en) Manufacturing method for bottle-shaped can
US7354234B2 (en) Method for manufacturing can body printed to shoulder portion
JP3603975B2 (ja) Di缶体の製造方法
JP2005280768A (ja) ボトル型缶およびその製造方法
JP4218001B2 (ja) 金属容器及び金属容器の製造方法
US6495003B1 (en) Apparatus for producing decorative beverage can bodies
US6802197B2 (en) Process for manufacturing a high strength container, particularly an aerosol container, and the container obtained through such process
JP2004141943A (ja) 金属製ボトル缶及びその製造方法
JP2008238180A (ja) ボトル缶の製造方法
US4376024A (en) Method for the manufacture of containers
JP2002102969A (ja) ボトル型缶の製造方法
JP2001114245A (ja) 印刷済みボトル型缶の製造方法
JP3916957B2 (ja) 金属製ボトル缶及びその製造方法
JP4229650B2 (ja) ボトル型缶
JP2003095231A (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
JP2640057B2 (ja) Di缶用片面塗装鋼板
US20230201908A1 (en) Preform of a can and method of manufacturing the same
AU2002214816A1 (en) Process for can manufacture
JP4047138B2 (ja) 金属製ボトル缶及びその製造方法
JP3272055B2 (ja) 有底薄肉缶体の成形方法
JP4557275B2 (ja) 印刷済みフィルム貼着缶体の製造方法
JP2021020702A (ja) ボトル缶及びその製造方法
JPH0356176A (ja) 2ピース缶胴外面仕上げ塗装方法及び外面仕上げ塗装2ピース缶
JPH07267237A (ja) スチール製絞りしごき缶
JP2006272424A (ja) ボトル缶の製造方法及び該方法により製造されたボトル缶

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Effective date: 20040119

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

A131 Notification of reasons for refusal

Effective date: 20040122

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040304

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040922

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040922

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees