JP2018099714A - パネルベンダー - Google Patents

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Abstract

【課題】パネルベンダー1によってワークから製品幅の短くかつ曲げフランジの高さの高い曲げ製品を製作すること。
【解決手段】可動フレーム25の下部の先端側に下部クランプ部材35が鉛直な軸心周りに回転可能に設けられ、可動フレーム25の上部の先端側に昇降体45が昇降可能に設けられている。昇降体45の下部にサポート部材51が上下方向へ変位可能に設けられている。上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力CRによって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に上方向へ変位して、昇降体45に対する固定状態が解除される。上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、複数の皿バネ73の付勢力によって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に下方向へ変位して、昇降体45に対して回転不能に固定される。
【選択図】 図8

Description

本発明は、ワークに対して曲げ加工を行うパネルベンダー、特に、ボトムダイに対してワークをパネルベンダーの奥行方向に位置決めするためのパネルベンダー用位置決め装置に関する。
パネルベンダーの概略及び一般的なパネルベンダー用位置決め装置の構成の概略等について図1(a)(b)及び図2(a)(b)を参照して説明する。
ここで、図1(a)は、一般的なパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図であ。図1(b)は、第1のタイプの上部クランプ部材における上部クランプパッドの底面図である。図2(a)は、一般的なパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図である。図2(b)は、第2のタイプの上部クランプ部材における上部クランプパッドの底面図である。図1(a)及び図2(a)において、ワーク及び曲げ製品は端面図によって表している。なお、図面中、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向をそれぞれ指している。
図1(a)及び図2(a)に示すように、パネルベンダー101は、トップダイ103とボトムダイ105との協働により板状のワーク(板金)Pを挟持(クランプ)した状態で、ワークPにおけるボトムダイ105(トップダイ103)から突出した曲げフランジに相当する部分Pfに対して正曲げ等の曲げ加工を行う加工機である。パネルベンダー101は、ワークPから曲げ製品(パネル製品)Mを製作する際に用いられる。また、パネルベンダー101は、ボトムダイ105に対してワークPを奥行方向(前後方向)に位置決めするための位置決め装置(マニピュレータ)107を具備している。そして、一般的な位置決め装置(パネルベンダー用位置決め装置)107の構成の概略は、次の通りである。
位置決め装置107は、ボトムダイ105の背面側(後方)に奥行方向へ移動可能に設けられた可動フレーム(図示省略)を具備している。また、可動フレームは、その下部に、上下方向へ延びた下部クランプ部材109を鉛直な軸心周りに回転可能に備えており、下部クランプ部材109は、その上端側に、円形の下部クランプパッド111を有している。更に、可動フレームは、その下部の適宜位置に、下部クランプ部材109を回転させる回転アクチュエータ(図示省略)を備えている。
可動フレームは、その上部に、昇降体(昇降ブロック)113を昇降可能(上下方向へ移動可能)に備えている。また、可動フレームは、昇降体113の上側に、昇降体113を昇降させる昇降アクチュエータ(図示省略)を備えている。そして、昇降体113は、その下部に、上下方向へ延びた上部クランプ部材115(115A又は115B)を備えており、上部クランプ部材115(115A又は115B)は、通常、次の2つのタイプに分かれている。
図1(a)(b)に示すように、第1のタイプの上部クランプ部材115Aは、昇降体113の下部に一体的に設けられかつ上下方向へ延びた上部シャフト117を有している。また、上部クランプ部材115Aは、上部シャフト117の下端に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられかつ下部クランプパッド111と協働してワークPをクランプする円形の上部クランプパッド119とを有している。そして、円形の上部クランプパッド119は、ワークPをクランプした状態の下で、下部クランプ部材109(下部クランプパッド111)の回転に追従して一体的に回転するように構成されている。
図2(a)(b)に示すように、第2のタイプの上部クランプ部材115Bは、昇降体113の下部に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられかつ上下方向へ延びた上部回転シャフト121を有している。また、上部クランプ部材115Bは、上部回転シャフト121の上端に一体的に設けられかつ下部クランプパッド111と協働してワークPをクランプする方向性のある矩形状の上部クランプパッド123とを有している。上部クランプパッド123は、方向性のある矩形状に形成されており、その回転位置(角度位置)の変更によって奥行方向の長さを可変可能になっている。そして、上部クランプ部材115B(上部クランプパッド123)は、ワークPをクランプした状態の下で、下部クランプ部材109(下部クランプパッド111)の回転に追従して一体的に回転するように構成されている。
上部クランプ部材115として上部クランプ部材115Bを用いた場合には、上部クランプパッド123の回転位置の保持及び保持状態の解除ができるように構成されている。具体的には、昇降体113は、上部クランプ部材115Bの上端側の近傍に、上部クランプ部材115Bを回転不能に固定するロックシリンダ125を備えており、ロックシリンダ125は、伸縮可能な作動ロッド127を有している。作動ロッド127の先端部は、上部回転シャフト121の上端側に軸心周りに等間隔(例えば90度間隔)に形成した複数の平坦面121fのうちのいずれかの平坦面121fを押圧可能になっている。そして、作動ロッド127の先端部による上部回転シャフト121の平坦面121fの押圧及び押圧状態によって、上部クランプパッド123の回転位置の保持及び保持状態の解除が行われるようになっている。
なお、本発明に関連する先行技術として特許文献1から特許文献4に示すものがある。
特開2013−141673号公報 特開2000−176553号公報 特開2007−289985号公報 特開平11−342425号公報
ところで、上部クランプパッド123は方向性を有しているため、上部クランプパッド123とワークPとの接触面積(上部クランプパッド123のクランプ面積)を十分に確保しつつ、上部クランプパッド123の回転位置の変更によって上部クランプパッド123の奥行方向の長さを上部クランプパッド119の外径よりも短くすることができる。そのため、位置決め装置107に上部クランプ部材115Bを用いた場合には、上部クランプ部材115Aを用いた場合に比べて、製品幅(底面部Mbの短辺方向の長さ)wの短い曲げ製品Mを製作することができる。
一方、前述のように、上部クランプパッド123の回転位置の保持及び保持状態の解除を行うには、上部クランプ部材115Bの上端側の近傍にロックシリンダ125を備える必要がある。そのため、位置決め装置107に上部クランプ部材115Bを用いた場合には、上部クランプ部材115Aを用いた場合に比べて、上部クランプ部材115の上端側付近の空間が狭くなり、曲げフランジMfの高さの高い曲げ製品Mを製作することが困難になる。
つまり、パネルベンダー101によってワークPから製品幅wの短くかつ曲げフランジMfの高さの高い曲げ製品Mを製作することは困難であるという問題がある。
そこで、本発明は、前述の問題を解決することができる、新規な構成からなるパネルベンダーを提供することを目的とする。
本発明の態様は、ボトムダイ(下部テーブル)の背面側(後方)に奥行方向へ移動可能に設けられた可動フレームと、前記可動フレームの下部に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられ、上端側に下部クランプパッドを有した下部クランプ部材(下部アーム部材)と、前記下部クランプ部材を回転させる回転アクチュエータと、前記可動フレームの上部に昇降可能(上下方向へ移動可能)に設けられた昇降体(昇降ブロック)と、前記昇降体を昇降させる昇降アクチュエータと、前記昇降体に上下方向へ変位可能(微動可能)に設けられたサポート部材と、前記サポート部材に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられ、下端側に前記下部クランプパッドとの協働によりワークをクランプする方向性のある上部クランプパッドを有した上部クランプ部材(上部アーム部材)と、前記サポート部材を下方向へ付勢する付勢部材と、を具備し、前記上部クランプ部材は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記付勢部材の付勢力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に下方向へ変位して、前記昇降体に対して回転不能に固定されると共に、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に上方向へ変位して、前記昇降体に対する固定状態(ロック状態)が解除されるように構成されていることである。
本発明の態様によると、前述のように、前記上部クランプパッドは方向性を有している。そのため、前記上部クランプパッドとワークとの接触面積(上部クランプパッドのクランプ面積)を十分に確保しつつ、前記上部クランプパッドの回転位置(角度位置)の変更によって前記上部クランプパッドの奥行方向の長さを短くすることができる。
また、前述のように、前記上部クランプ部材は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記付勢部材の付勢力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に下方向へ変位して、前記昇降体に対して回転不能に固定されるように構成されている。前記上部クランプ部材は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に上方向へ変位して、前記昇降体に対する固定状態が解除されるように構成されている。そのため、前記上部クランプ部材を回転不能に固定するロックシリンダ等のロックアクチュエータを用いなくても、前記昇降体に対する前記上部クランプ部材の固定及び固定状態の解除を瞬時に行うことができる。換言すれば、前記ロックアクチュエータを用いなくても、前記上部クランプパッドの回転位置(角度位置)の保持及び保持状態の解除を行うことができる。
本発明によれば、前記上部クランプパッドの回転位置の変更によって前記上部クランプパッドの奥行方向の長さを短くすることができるため、ワークから製品幅の短い曲げ製品を製作することができる。また、前述のように、前記ロックアクチュエータを用いなくても、前記上部クランプパッドの回転位置の保持及び保持状態の解除を行うことができるため、前記上部クランプ部材の上端側付近の空間を十分に確保して、ワークから曲げフランジの高さの高い曲げ製品Mを製作することができる。つまり、本発明によれば、前記パネルベンダーによってワークから製品幅の短くかつ曲げフランジの高さの高い曲げ製品を製作することができる。
図1(a)は、一般的なパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図であり、図1(a)において、ワーク及び曲げ製品は端面図によって表している。図1(b)は、第1のタイプの上部クランプ部材における上部クランプパッドの底面図である。 図2(a)は、一般的なパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図であり、図2(a)において、ワーク及び曲げ製品は端面図によって表している。図2(b)は、第2のタイプの上部クランプ部材における上部クランプパッドの底面図である。 図3は、本発明の実施形態のパネルベンダーの部分側面図である。 図4は、図3におけるIV部の拡大図である。 図5は、図6(a)におけるV-V線に沿った拡大断面図であり、本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置の部分断面図である。 図6(a)は、本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図であり、図6(a)において、ワーク及び曲げ製品は端面図によって表している。図6(b)は、本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置における矩形状の上部クランプパッドの底面図である。 図7(a)は、本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置によって位置決めしたワークに対して最終の曲げ加工を行う様子を示す側面図であり、図7(a)において、ワーク及び曲げ製品は端面図によって表している。図7(b)は、本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置における円形の上部クランプパッドの底面図である。 図8(a)は、アンクランプ状態における上部クランプ部材の周辺の断面図である。図8(b)は、クランプ状態における上部クランプ部材の周辺の断面図である。 図9は、メンテナンス時における本発明の実施形態に係るパネルベンダー用位置決め装置の部分断面図である。 図10(a)は、本発明の実施形態の変形例を説明する図であり、アンクランプ状態における上部クランプ部材の周辺の断面図である。図10(b)は、本発明の実施形態の変形例を説明する図であり、クランプ状態における上部クランプ部材の周辺の断面図である。
本発明の実施形態について図1から図9を参照して説明する。
なお、本願の明細書及び特許請求の範囲において、「設けられる」とは、直接的に設けられることの他に、別部材を介して間接的に設けられることを含む意であって、「備えられる」と同義である。「備える」とは、直接的に備えることの他に、別部材を介して間接的に備えることを含む意であって、「設ける」と同義である。「奥行方向」とは、パネルベンダーの奥行方向、換言すれば、前後方向のことをいう。また、図面中、「FF」は、前方向、「FR」は、後方向、「L」は、左方向、「R」は、右方向をそれぞれ指している。
図3及び図4に示すように、本発明の実施形態に係るパネルベンダー1は、板状のワーク(板金)Pに対して正曲げ加工及び逆曲げ加工等の曲げ加工を行う加工機である。そして、本発明の実施形態に係るパネルベンダー1の全体的な構成は、次の通りである。
パネルベンダー1は、ベースフレーム3(一部のみ図示)を具備している。また、ベースフレーム3は、その下部に、左右方向へ延びた下部テーブル5を備えている。下部テーブル5は、その上側に、左右方向へ延びたボトムダイ(下部押え金型)7を備えている。更に、ベースフレーム3は、その上部に、左右方向へ延びた上部テーブル9を上下方向へ揺動可能(移動可能)に備えている。上部テーブル9は、その下側に、ボトムダイ7と協働してワークPを押さえるトップダイ(上部押え金型)11を備えており、トップダイ11は、左右方向に沿って分割して構成されている。
なお、図示は省略するが、ベースフレーム3は、下部テーブル5の前方に、左右方向へ延びたベンドビームを上下方向へ揺動可能(移動可能)に備えている。また、ベンドビームは、その下側に、正曲げ加工を行うための正曲げ用ベンド金型を有している。ベンドビームは、その上側に、逆曲げ加工を行うための逆曲げ用ベンド金型を有している。
パネルベンダー1は、下部テーブル5の後方に配置されかつワークPを支持する一対(1つのみ図示)のテーブル装置13を具備している。一対のテーブル装置13は、左右方向に隣接しており、一対のテーブル装置13の間には、奥行方向(前後方向)へ延びた間隙Gが形成されている。また、各テーブル装置13は、その下側に、複数の支柱15を有している。各テーブル装置13は、その上側に、ワークPを支持するための多数のブラシ17を有している。なお、図示は省略するが、各テーブル装置13は、ワークPを左右方向へ搬送するコンベア機構を有している。
パネルベンダー1は、ボトムダイ7に対してワークPを奥行方向(前後方向)に位置決めするための位置決め装置(マニピュレータ)19を具備している。そして、本発明の実施形態に係る位置決め装置(パネルベンダー用位置決め装置)19の具体的な構成は、以下の通りである。
位置決め装置19は、下部テーブル5(ボトムダイ7)の背面側(後方)に配設(敷設)されかつ奥行方向(前後方向)へ延びた支持フレーム21を具備している。支持フレーム21は、その上面に、奥行方向へ延びたガイドレール23を備えている。また、ガイドレール23は、その上側に、C字形状の可動フレーム25を奥行方向へ移動可能に備えており、可動フレーム25は、間隙Gに位置している。換言すれば、ボトムダイ7の一方側には、可動フレーム25が支持フレーム21及びガイドレール23を介して奥行方向へ移動可能に設けられており、間隙Gは、可動フレーム25の移動領域になっている。
支持フレーム21は、その後端側に、可動フレーム25を奥行方向(前後方向)へ移動させる移動アクチュエータとして移動モータ27を備えている。また、支持フレーム21は、その適宜位置に、奥行方向へ延びたボールネジ29をその軸心周りに回転可能に備えており、移動モータ27の出力軸(図示省略)は、ボールネジ29の基端部(後端部)に連動連結している。更に、可動フレーム25は、その下側に、ナット部材31を備えており、ナット部材31は、ボールネジ29に螺合している。
可動フレーム25は、その下部の先端側(前端側)に、支持ブロック33を備えており、支持ブロック33は、その中央部に、下部クランプ部材35を鉛直な軸心(下部クランプ部材35の軸心)周りに回転可能に備えている。換言すれば、可動フレーム25の下部の先端側には、下部クランプ部材35が支持ブロック33を介して鉛直な軸心周りに回転可能に設けられている。下部クランプ部材35は、支持ブロック33に回転可能に設けられかつ上下方向(鉛直方向)へ延びた下部回転シャフト37と、下部回転シャフト37の上端に一体的に設けられかつワークPを下方向から支持する円形の下部クランプパッド39を有している。
可動フレーム25は、その下部における支持ブロック33の下側に、下部クランプ部材35をその軸心周りに回転させる回転アクチュエータとして回転モータ41を備えている。また、回転モータ41の出力軸(図示省略)は、下部回転シャフト37(下部クランプ部材35)の下端部に減速機構(図示省略)を介して連動連結している。
可動フレーム25は、その上部の先端側(前端側)に、上下方向へ延びた一対(1つのみ図示)の昇降ガイド43を備えており、一対の昇降ガイド43は、それらの間に亘って、昇降体(昇降ブロック)45を昇降可能に備えている。換言すれば、可動フレーム25の上部の先端側には、昇降体45が一対の昇降ガイド43を介して昇降可能に設けられている。また、可動フレーム25は、その前部における昇降体45の上側に、昇降体45を昇降させる昇降アクチュエータとしての油圧式の昇降シリンダ47を備えている。昇降シリンダ47は、上下方向へ伸縮可能な作動ロッド49を有しており、作動ロッド49の先端部(下端部)は、昇降体45の適宜位置に連結されている。
図5及び図6(a)(b)に示すように、昇降体45は、その下部に、サポート部材51をブッシュ53によって上下方向へ変位可能(微動可能)に備えており、サポート部材51は、大径部51aと小径部51bを上下に有している。また、昇降体45は、その上部に、昇降体45からのサポート部材51の離脱を防止するためのショルダーボルト(段付きボルト)55を上下方向へ変位可能に備えている。ショルダーボルト55の先端部(下端部)は、サポート部材51の上面の中央部に螺合しており、サポート部材51(大径部51a)の上面とショルダーボルト55の頭部との間の上下方向の間隔に一定に保たれている。
サポート部材51は、その大径部51aの下側に、上部クランプ部材57をスラストコロ軸受59及び複数の針状コロ軸受61によって鉛直な軸心(上部クランプ部材57の軸心)周りに回転可能に備えている。上部クランプ部材57は、サポート部材51の大径部51aの下側に回転可能に設けられた回転スリーブ63と、回転スリーブ63の下端に一体的に設けられた上部回転シャフト65とを有している。上部クランプ部材57は、上部回転シャフト65の下端に着脱可能に設けられかつ下部クランプパッド39との協働によりワークPをクランプする上部クランプパッド67を有している。上部クランプパッド67は、方向性のある矩形状に形成されており、その回転位置(角度位置)の変更によって奥行方向の長さを可変可能になっている。そして、上部クランプ部材57は、ワークPをクランプした状態の下で、下部クランプ部材35の回転に追従して一体的に回転するように構成されている。回転スリーブ63の外周側には、下方向に向かって縮径した外テーパ部63tが形成されている。
図7(a)(b)に示すように、上部回転シャフト65の下端には、方向性のある上部クランプパッド67(図6(a)(b)参照)に代えて、円形の他の上部クランプパッド69を装着できるようになっている。
図5及び図6(a)(b)に示すように、サポート部材51は、その小径部51bの先端側(下端側)に、サポート部材51からの上部クランプ部材57の離脱を防止するための円形のストッパ71を備えている。また、昇降体45は、ショルダーボルト55の外周側に、サポート部材51を下方向へ付勢する付勢部材としての複数の皿バネ73を備えている。換言すれば、ショルダーボルト55の外周側に、サポート部材51を介して上部クランプ部材57を下方向へ付勢する複数の皿バネ73を備えている。更に、昇降体45は、その下側に、回転スリーブ63(上部クランプ部材57)を昇降体45に対して固定するための環状の固定部材(ロック部材)75を一体的に備えており、固定部材75は、回転スリーブ63の上端側を囲んでいる。固定部材75の内周側には、下方向に向かって縮径した内テーパ部75tが形成されている。
図8(a)(b)に示すように、上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、複数の皿バネ73の付勢力によって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に下方向へ変位して、外テーパ部63tが固定部材75の内テーパ部75tに圧接(圧力を加えて接触)するように構成されている。換言すれば、上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、昇降体45に対して回転不能に固定(ロック)されるように構成されている。また、上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力CRによって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に上方向へ変位して、外テーパ部63tと固定部材75の内テーパ部75tの圧接状態(圧力を加えて接触した状態)が解除されるように構成されている。換言すれば、上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、昇降体45に対する固定状態(ロック状態)が解除されるように構成されている。
図9に示すように、昇降体45の上面には、メンテナンス時に上部クランプ部材57の固定状態を解除する解除ボルト77を貫通させるための複数の貫通穴79が形成されている。また、サポート部材51の上面における各貫通穴79に整合可能な位置には、解除ボルト77を螺合させるためのネジ穴81が形成されている。
続いて、本発明の実施形態の作用及び効果について説明する。
テーブル装置13にワークPを搬入した後に、コンベア機構によってワークPを左右方向へ搬送して、下部クランプパッド39の上側に位置させる。そして、昇降シリンダ47の駆動により昇降体45を下降させて、上部クランプ部材57を昇降体45と一体的に下降させる。これにより、上部クランプパッド67と下部クランプパッド39との協働によりワークPをクランプすることができ、上部クランプ部材57がアンクランプ状態からクランプ状態に切り替わる。すると、上部クランプ部材57がクランプ力の反力CRによって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に上方向へ変位して、外テーパ部63tと固定部材75の内テーパ部75tの圧接状態が解除される。換言すれば、昇降体45に対する上部クランプ部材57の固定状態が解除され、上部クランプパッド67の回転位置(角度位置)の保持状態が解除される。
ワークPをクランプした後、ワークPにおける曲げフランジに相当する部分Pfの曲げ部をボトムダイ7に平行に保持した状態で、移動モータ27の駆動により可動フレーム25の奥行方向の一方側(前方向)へ移動させる。これにより、曲げフランジに相当する部分Pfの曲げ部をボトムダイ7の奥行方向の一方側の端縁(前端縁)に位置するように、ワークPをボトムダイ7に対して奥行方向に位置決めすることができる。なお、ワークPをボトムダイ7に対して位置決めした後に、ベンドビームを上方向へ揺動(移動)させることにより、正曲げ金型によってワークPにおける曲げフランジに相当する部分Pfに対して正曲げ加工を行う。
ワークPにおける曲げフランジに相当する部分Pfに対して曲げ加工を行った後に、移動モータ27の駆動により可動フレーム25を奥行方向の他方側(後方向)へ移動させて、ワークPをボトムダイ7に対して一旦離反させる。そして、回転モータ41の駆動により下部クランプ部材35を回転させることにより、上部クランプ部材57を下部クランプ部材35の回転に追従して一体的に回転させる。これにより、ワークPの回転位置(向き)を変えて、ワークPにおける次の曲げフランジに相当する部分の曲げ部をボトムダイ7に対して平行にすることができる。
ワークPにおける次の曲げフランジに相当する部分Pfの曲げ部をボトムダイ7に対して平行にした後に、移動モータ27の駆動により可動フレーム25の奥行方向の一方側(前方向)へ移動させる。これにより、次の曲げフランジに相当する部分Pfの曲げ部をボトムダイ7の奥行方向の一方側の端縁に位置するように、ワークPをボトムダイ7に対して奥行方向に位置決めすることができる。なお、ワークPをボトムダイ7に対して位置決めした後に、ベンドビームを上方向へ揺動させることにより、正曲げ金型によってワークPにおける次の曲げフランジに相当する部分Pfに対して正曲げ加工を行う。
前述の動作を繰り返すことにより、ワークPの回転位置(向き)を変えながら、ワークPをボトムダイ7に対して奥行方向に複数回位置決めして、ワークPにおける全ての曲げフランジに相当する部分Pfに対して曲げ加工を行うことができる。これにより、ワークPから曲げ製品Mを製作することができる。
曲げ製品Mの製作後又は曲げ製品Mの製作の途中に、移動モータ27の駆動により可動フレーム25を奥行方向の他方側(後方向)へ移動させて、曲げ製品Mをボトムダイ7に対して離反させる。そして、昇降シリンダ47の駆動により昇降体45を上昇させて、上部クランプ部材57を昇降体45と一体的に上昇させる。これにより、上部クランプパッド67が曲げ製品M又はワークPから離れて、上部クランプ部材57がクランプ状態からアンクランプ状態に切り替わる。すると、上部クランプ部材57が複数の皿バネ73の付勢力によって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に下方向へ変位して、昇降体45に対して回転不能に固定(ロック)される。換言すれば、アンクランプ状態における上部クランプパッド67の回転位置(角度位置)が保持される。
そして、前述のように、上部クランプパッド67は方向性を有している。そのため、上部クランプパッド67とワークPとの接触面積(上部クランプパッド67のクランプ面積)を十分に確保しつつ、上部クランプパッド67の回転位置の変更によって上部クランプパッド67の奥行方向の長さを短くすることができる。
前述のように、上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、複数の皿バネ73の付勢力によって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に下方向へ変位して、昇降体45に対して回転不能に固定されるように構成されている。また、上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力CRによって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に上方向へ変位して、昇降体45に対する固定状態が解除されるように構成されている。そのため、上部クランプ部材57を回転不能に固定するロックシリンダ等のロックアクチュエータを用いなくても、昇降体45に対する上部クランプ部材57の固定及び固定状態の解除を瞬時に行うことができる。換言すれば、ロックアクチュエータを用いなくても、上部クランプパッド67の回転位置の保持及び保持状態の解除を瞬時に行うことができる。
以上の如き、本発明の実施形態によれば、上部クランプパッド67の回転位置の変更によって上部クランプパッド67の奥行方向の長さを短くできるため、ワークPから製品幅wの短い曲げ製品を製作することができる。また、本発明の実施形態によれば、ロックアクチュエータを用いなくても、上部クランプパッド67の回転位置の保持及び保持状態の解除を行うことができるため、パネルベンダー1の製造コストの低下を図りつつ、上部クランプ部材57の上端側付近の空間を十分に確保して、ワークPから曲げフランジMfの高さhの高い曲げ製品Mを製作することができる。つまり、本発明の実施形態によれば、パネルベンダー1の製造コストの低下を図りつつ、パネルベンダー1によってワークから製品幅の短くかつ曲げフランジの高さの高い曲げ製品を製作することができる。
本発明の実施形態によれば、上部クランプパッド67の回転位置の保持及び保持状態の解除を瞬時に行うことができるため、パネルベンダー1によるワークPの曲げ加工の作業時間を短縮化することができる。
本発明の実施形態によれば、前述のように、昇降体45の上面に解除ボルト77を貫通させるための複数の貫通穴79が形成され、サポート部材51の上面における各貫通穴79に整合可能な位置に解除ボルト77を螺合させるためのネジ穴81が形成されている。そのため、本発明の実施形態によれば、解除ボルト77の螺合作用によって昇降体45に対する上部クランプ部材57の固定状態を解除することができ、位置決め装置19のメンテナンスが簡単になる。
本発明の実施形態によれば、前述のように、上部回転シャフト65の下端に方向性のある上部クランプパッド67に代えて円形の他の上部クランプパッド69を装着できるようになっているため、位置決め装置19の汎用性を高めることができる。
(本発明の実施形態の変形例)
本発明の実施形態の変形例について図10(a)(b)を参照して説明する。
図10(a)(b)に示すように、本発明の実施形態の変形例においては、サポート部材51を下方向へ付勢する付勢部材としての複数の皿バネ73(図5参照)の代わりに、コイルバネ83を用いている。また、位置決め装置19の構成から固定部材75(図5参照)を省略し、回転スリーブ63の構成から外テーパ部63t(図5参照)を省略している。そして、回転スリーブ63の外周面には、環状の外フランジ85が形成されており、外フランジ85の下面には、複数(例えば4つ)の係合部としての複数の係合突起87が等間隔に形成されている。また、昇降体45は、その下側に、回転スリーブ63を昇降体45に対して固定するための環状の固定部材(ロック部材)89を一体的に備えており、固定部材89は、回転スリーブ63の上端側を囲んでいる。固定部材89の内周面には、環状の内フランジ91が形成されており、内フランジ91の上面には、複数の係合突起87を係合させるための複数(例えば4つ)の被係合部としての複数の被係合凹部93が等間隔に形成されている。
上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力CRによって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に上方向へ変位して、各係合突起87と対応する被係合凹部93との係合状態が解除されるように構成されている。換言すれば、上部クランプ部材57は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、昇降体45に対する固定状態(ロック状態)が解除されるように構成されている。また、上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、コイルバネ83の付勢力によって昇降体45に対してサポート部材51と一体的に下方向へ変位して、各係合突起87が対応する被係合凹部93に係合するように構成されている。換言すれば、上部クランプ部材57は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、昇降体45に対して回転不能に固定(ロック)されるように構成されている。
そして、本発明の実施形態の変形例においても、本発明の実施形態と同様の作用及び効果を奏するものである。
なお、本発明は、前述の実施形態の説明に限られるものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他、種々の態様で実施可能である。そして、本発明に包含される権利範囲は、前述の実施形態に限定されないものである。
1 パネルベンダー
5 下部テーブル
7 ボトムダイ
9 上部テーブル
11 トップダイ
13 テーブル装置
19 位置決め装置(パネルベンダー用位置決め装置)
21 支持フレーム
25 可動フレーム
27 移動モータ(移動アクチュエータ)
29 ボールネジ
31 ナット部材
33 支持ブロック
35 下部クランプ部材
37 下部回転シャフト
39 下部クランプパッド
41 回転モータ(回転アクチュエータ)
45 昇降体(昇降ブロック)
47 昇降シリンダ(昇降アクチュエータ)
49 作動ロッド
51 サポート部材
51a 大径部
51b 小径部
53 ブッシュ
55 ショルダーボルト
57 上部クランプ部材
59 スラストコロ軸受
61 針状コロ軸受
63 回転スリーブ
63t 外テーパ部
65 上部回転シャフト
67 上部クランプパッド
69 他の上部クランプパッド
71 ストッパ
73 皿バネ(付勢部材)
75 固定部材
75t 内テーパ部
77 解除ボルト
79 貫通穴
81 ネジ穴
83 コイルバネ(付勢部材)
85 外フランジ
87 係合突起(係合部)
89 固定部材
91 内フランジ
93 被係合凹部(被係合部)
101 パネルベンダー
103 トップダイ
105 ボトムダイ
107 位置決め装置
109 下部クランプ部材
111 下部クランプパッド
113 昇降体
115 上部クランプ部材
115A 第1のタイプの上部クランプ部材
115B 第2のタイプの上部クランプ部材
117 上部シャフト
119 上部クランプパッド
121 上部回転シャフト
121f 平坦面
123 上部クランプパッド
125 ロックシリンダ
127 作動ロッド
G 間隙
P ワーク(板金)
Pf フランジに相当する部分
M 曲げ製品(パネル製品)
Mb 底面部
Mf 曲げフランジ

Claims (7)

  1. ボトムダイの背面側に奥行方向へ移動可能に設けられた可動フレームと、
    前記可動フレームの下部に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられ、上端側に下部クランプパッドを有した下部クランプ部材と、
    前記下部クランプ部材を回転させる回転アクチュエータと、
    前記可動フレームの上部に昇降可能に設けられた昇降体と、
    前記昇降体を昇降させる昇降アクチュエータと、
    前記昇降体に上下方向へ変位可能に設けられたサポート部材と、
    前記サポート部材に鉛直な軸心周りに回転可能に設けられ、下端側に前記下部クランプパッドとの協働によりワークをクランプする方向性のある上部クランプパッドを有した上部クランプ部材と、
    前記サポート部材を下方向へ付勢する付勢部材と、を具備し、
    前記上部クランプ部材は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記付勢部材の付勢力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に下方向へ変位して、前記昇降体に対して回転不能に固定されると共に、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、クランプ力の反力によって前記昇降体に対して前記サポート部材と一体的に上方向へ変位して、前記昇降体に対する固定状態が解除されるように構成されていることを特徴とするパネルベンダー。
  2. 前記上部クランプ部材は、ワークをクランプした状態の下で、前記下部クランプ部材の回転に追従して回転するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のパネルベンダー。
  3. 前記昇降体に設けられ、前記上部クランプ部材を前記昇降体に対して固定する固定部材を具備し、
    前記上部クランプ部材は、アンクランプ状態からクランプ状態に切り替わると、前記固定部材との圧接状態又は係合状態が解除されると共に、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記固定部材に圧接又は係合するように構成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のパネルベンダー。
  4. 前記上部クランプ部材の外周側に下方向に向かって縮径した外テーパ部が形成され、前記固定部材は前記上部テーブルを囲むように環状に形成され、前記固定部材の内周側に下方向に向かって縮径した内テーパ部が形成され、
    前記上部クランプ部材は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記外テーパ部が前記固定部材の前記内テーパ部に圧接するように構成されているように構成されている請求項3に記載のパネルベンダー。
  5. 前記上部クランプ部材の外周側に係合部が形成され、前記固定部材に前記係合部を係合させるための被係合部が形成され、前記係合部及び前記被係合部のうち少なくともいずれかが周方向に間隔を置いて配置され、
    前記上部クランプ部材は、クランプ状態からアンクランプ状態に切り替わると、前記係合部が前記固定部材の前記被係合部に係合するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載のパネルベンダー。
  6. 前記上部クランプ部材は、前記サポート部材に回転可能に設けられた回転スリーブと、前記回転スリーブの下端に設けられた回転シャフトと、前記回転シャフトの下端に着脱可能に設けられた前記上部クランプパッドとを有し、
    前記回転シャフトの下端に方向性のある前記上部クランプパッドに代えて円形の他の上部クランプパッドに装着できるようになっていることを特徴とする請求項1から請求項5のうちのいずれか1項に記載のパネルベンダー。
  7. 前記昇降体に、前記上部クランプ部材の固定状態を解除する解除ボルトを貫通させるための貫通穴が形成され、前記サポート部材における前記貫通穴に整合可能な位置に、前記解除ボルトを螺合させるためのネジ穴が形成されていることを特徴とする請求項1から請求項6のうちのいずれか1項に記載のパネルベンダー。
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