JP2018098855A - Dc/dcコンバータ及びその制御方法並びに電力変換装置 - Google Patents

Dc/dcコンバータ及びその制御方法並びに電力変換装置 Download PDF

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Toshihiro Torii
俊宏 鳥井
綾井 直樹
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俊明 奥村
Toshiaki Okumura
俊明 奥村
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Abstract

【課題】DC/DCコンバータの制御に関して、常に、フィードバック制御によって起こる発振を防止し、かつ、目標値への優れた追従性を得る。【解決手段】リアクトルを含むDC/DCコンバータは、リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子と、リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、電流センサが検出する電流値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべくスイッチング素子のスイッチング制御を行い、リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる制御部と、を備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、DC/DCコンバータ及びその制御方法並びに電力変換装置に関する。
DC/DCコンバータの役割は、入力された直流電圧を、別の直流電圧に変換して出力することである。変換は、MOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)等のスイッチング素子を高周波でオン/オフすることにより行われる。また、変換時に、DC/DCコンバータの制御部は、リアクトルに流れる電流を検出し、検出結果に基づいて、スイッチング素子のデューティを調節するフィードバック制御を行う(例えば、特許文献1参照。)。
DC/DCコンバータは、例えば、太陽光発電パネルに接続されるパワーコンディショナに搭載されている。かかるDC/DCコンバータは、気象条件や時刻によって絶えず変化する太陽光発電パネルから、その時点での最大電力を引き出すべく、MPPT(Maximum Power Point Tracking)を行っている(例えば、特許文献2参照。)。パワーコンディショナとして高い電力変換効率を維持するためには、最大電力点に対して、滑らかに、かつ、素早く追従するMPPT制御が望まれる。そのため、DC/DCコンバータは、電流のフィードバック制御を行い、より多くの電流を引き出せるように動作している。
特開2016−63717号公報 特開2014−50156号公報
しかしながら、電流によるフィードバック制御は一般的なフィードバック制御と同様、ゲインを大きくすると目標値への追従が迅速になるが、発振する等の不安定動作に陥りやすい。一方、ゲインが小さいと発振が起こりにくく安定するが、目標値への追従は緩慢になる。例えば、MPPT制御の場合、追従性の低下及び発振は共に、発電電力の低下につながる。
係る課題に鑑み、本発明は、DC/DCコンバータの制御に関して、常に、フィードバック制御によって起こる発振を防止し、かつ、目標値への優れた追従性を得ることを目的とする。
本発明の一表現に係る、リアクトルを含むDC/DCコンバータは、前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子と、前記リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記電流センサが検出する電流値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記スイッチング素子のスイッチング制御を行い、前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる制御部と、を備えている。
また、本発明の一表現に係る、リアクトルを含むDC/DCコンバータの制御方法は、前記リアクトルに流れる電流を検出し、電流検出値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子のスイッチング制御を行い、前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる、DC/DCコンバータの制御方法である。
本発明によれば、DC/DCコンバータの制御に関して、常に、フィードバック制御によって起こる発振を防止し、かつ、目標値への優れた追従性を得ることができる。
DC/DCコンバータを含む電力変換装置(パワーコンディショナ)の接続図の一例を示す図である。 図1より詳しく電力変換装置の回路構成の一例を示す回路図である。 DC/DCコンバータのフィードバック制御に関する制御ブロック図である。 直流リアクトルの直流重畳特性の一例を示すグラフである。 フィードバック制御に、直流重畳特性を考慮した比例ゲインを用いた場合の、DC/DCコンバータへの入力電流及び入力電圧を、共通の時間軸(横軸)上に並べた一例を示す図である。 MPPT制御を行っているDC/DCコンバータにおいて、比較のために、低日射・低ゲインの条件でフィードバック制御を行った場合の入力電流の変化の一例を示す図である。 MPPT制御を行っているDC/DCコンバータにおいて、低日射・高ゲインの条件でフィードバック制御を行った場合の入力電流の変化の一例を示す図である。 DC/DCコンバータへの入力電流及び入力電圧を、共通の時間軸(横軸)上に並べた一例を示す図である。
[実施形態の要旨]
本発明の実施形態の要旨としては、少なくとも以下のものが含まれる。
(1)これは、リアクトルを含むDC/DCコンバータであって、前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子と、前記リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、前記電流センサが検出する電流値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記スイッチング素子のスイッチング制御を行い、前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる制御部と、を備えているDC/DCコンバータである。
上記のように構成されたDC/DCコンバータは、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させることにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
(2)また、(1)のDC/DCコンバータにおいて、前記ゲイン特性は、前記リアクトルにおける電流対インダクタンスの直流重畳特性に対応したものであることが好ましい。
この場合、リアクトル固有の直流重畳特性を反映したゲイン特性とすることができる。すなわち、相対的に、リアクトルのインダクタンスが電流の増大により低下するとゲインも低下して、安定した制御を行うことができ、逆に、リアクトルのインダクタンスが電流の減少により上昇するとゲインも上昇して、フィードバック制御の追従性を高めることができる。
(3)また、(1)又は(2)のDC/DCコンバータにおいて、前記リアクトルの電流とは、前記制御部における演算上の電流目標値であってもよい。
この場合、ゲインも目標値となるので、演算上、常に先行した迅速な制御を行うことができる。
(4)また、(1)又は(2)のDC/DCコンバータにおいて、前記リアクトルの電流とは、前記電流センサによる電流検出値であってもよい。
この場合、実際の電流検出値に対応した確実な制御を行うことができる。
(5)また、(1)〜(4)のいずれかのDC/DCコンバータにおいて、例えば、前記ゲイン特性におけるゲインは、比例ゲイン及び積分ゲインのうち少なくとも比例ゲインである。
比例ゲインを操作すると制御の応答が早い利点がある。但し、ゲインが過大になると制御が不安定になる傾向にあるので、積分ゲインを併用すれば、制御の不安定を防止することができる。
(6)また、これは、(1)に記載のDC/DCコンバータを搭載した電力変換装置でもある。
このような電力変換装置が太陽光発電パネルに接続され、DC/DCコンバータがMPPT制御を行う場合、低日射で発電量の少ない時にはフィードバック制御の追従性を高め、高日射で発電量の多い時にはフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
(7)一方、制御方法の観点からは、リアクトルを含むDC/DCコンバータの制御方法であって、前記リアクトルに流れる電流を検出し、電流検出値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子のスイッチング制御を行い、前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる、DC/DCコンバータの制御方法である。
上記のようなDC/DCコンバータの制御方法によれば、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させることにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
[実施形態の詳細]
以下、本発明の一実施形態に係るDC/DCコンバータ及びその制御方法について、図面を参照して説明する。
《課題の検討》
そもそも、DC/DCコンバータのリアクトルに流れる電流を目標値に制御するためのフィードバック制御における理想ゲインは、以下の式で決まる。
理想ゲイン=(リアクトルのインダクタンス)×(制御周波数) ・・・(1)
ここで、制御周波数は、例えば20kHzであり、定数である。また、インダクタンスも定数、と考えたいところではあるが、厳密には、定数ではない。リアクトルには直流重畳特性というものがあり、リアクトルを流れる電流が大きいほどインダクタンスが小さくなる性質がある。電流に対するインダクタンスの変化率が小さいリアクトルを使用すればインダクタンスは概ね定数とも言えるが、そのようなリアクトルは高価でありコスト面から現実的に採用することは難しい。実用的なコストのリアクトルを採用すると、電流によってインダクタンスが変動するため、常に理想ゲインで使用することはできない。
このようなリアクトルを含むDC/DCコンバータが例えば太陽光発電パネルに接続されている場合、高日射時に発振を抑制するために低いゲインに設定すると、低日射時には追従性(追従の速さ)が低下するためMPPT制御ができなくなる。逆に、低日射時にも十分な追従性を確保するために高いゲインを使用すると、高日射時には入力電流の発振が起きる。
図8は、DC/DCコンバータへの入力電流及び入力電圧を、共通の時間軸(横軸)上に並べた一例を示す図である。これは、DC/DCコンバータが例えば太陽光発電パネルに接続されていて、高日射・高ゲインで使用する場合の様子を示している。
まず、図の上半分に注目すると、上側(黒く太く見える方)が入力電流、下側が入力電圧である。ある時刻において発振が起きており、2本の縦線で囲む時間帯の時間軸を拡大したものが、下半分の図である。下半分の図から明らかなように、入力電流の発振が起きている。
本実施形態のDC/DCコンバータは、制御の工夫によって、このような発振を防止し、かつ、追従性を確保しようとするものである。
《DC/DCコンバータを含む電力変換装置》
図1は、DC/DCコンバータを含む電力変換装置(パワーコンディショナ)の接続図の一例を示す図である。図において、電力変換装置1には、太陽光発電パネル2から発電電力が入力される。電力変換装置1は直流から交流への変換を行い、交流電路3に所定の交流電圧を供給する。交流電路3には需要家内の負荷4Lが接続されている。また、電力変換装置1の交流出力は、商用電力系統4Pとの系統連系により、逆潮流が可能である。
電力変換装置1は、その主要な構成要素として、DC/DCコンバータ6と、インバータ10とを備えている。DC/DCコンバータ6とインバータ10とは、DCバス8を介し互いに接続されている。DC/DCコンバータ6は、太陽光発電パネル2から入力された直流電圧を所定の電圧に変換して出力する。また、DC/DCコンバータ6は、MPPT制御を行う。インバータ10は、DC/DCコンバータ6から出力される電圧・電流を、系統連系可能な交流の電圧・電流に変換する。インバータ10の出力電力は負荷4Lで消費され、余剰分は商用電力系統4Pに売電される。
《電力変換装置の回路構成例》
図2は、図1より詳しく電力変換装置の回路構成の一例を示す回路図である。
図において、電力変換装置1は、主回路構成要素として、直流側コンデンサ5、DC/DCコンバータ6、中間コンデンサ9、インバータ10、及び、フィルタ回路11を備えている。DC/DCコンバータ6は、直流リアクトル7と、ハイサイドのスイッチング素子Q1と、ローサイドのスイッチング素子Q2とを備え、直流チョッパ回路を構成している。スイッチング素子Q1,Q2としては例えば、MOSFETを使用することができる。MOSFETのスイッチング素子Q1,Q2はそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d1,d2を有している。各スイッチング素子Q1,Q2は、制御部14により制御される。
DC/DCコンバータ6の高圧側は、DCバス8に接続されている。DCバス8の2線間に接続されている中間コンデンサ9は、DC/DCコンバータ6の出力電圧に対して平滑作用を発揮する。
DCバス8に接続されたインバータ10は、フルブリッジ回路を構成するスイッチング素子Q3〜Q6を備えている。これらスイッチング素子Q3〜Q6は、例えば、MOSFETである。MOSFETの場合は、スイッチング素子Q3〜Q6がそれぞれ、ダイオード(ボディダイオード)d3〜d6を有している。各スイッチング素子Q3〜Q6は、制御部14により制御される。
インバータ10と交流電路3との間には、フィルタ回路11が設けられている。フィルタ回路11は、交流リアクトル12と、交流リアクトル12より負荷4L側(図の右側)に設けられた交流側コンデンサ13とを備えている。フィルタ回路11は、インバータ10で発生する高周波ノイズが交流電路3側へ漏れ出ないように、通過を阻止している。
計測用の回路要素としては、DC/DCコンバータ6の低圧側(図の左側)に、電圧センサ15及び電流センサ16が設けられている。電圧センサ15は太陽光発電パネル2と並列接続され、太陽光発電パネル2の両端電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。電流センサ16は、DC/DCコンバータ6に流れる電流を検出する。検出された電流の情報は、制御部14に提供される。ここでは、電流センサ16はDC/DCコンバータ6の一要素にもなっている。中間コンデンサ9には電圧センサ17が並列接続されている。電圧センサ17は、中間コンデンサ9の両端電圧すなわち、DCバス8の電圧を検出する。検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
一方、交流側には、交流リアクトル12に流れる電流を検出する電流センサ18が設けられている。電流センサ18によって検出された電流の情報は、制御部14に提供される。また、交流側コンデンサ13と並列に、電圧センサ19が設けられている。電圧センサ19によって検出された電圧の情報は、制御部14に提供される。
制御部14は例えば、コンピュータを含み、ソフトウェア(コンピュータプログラム)をコンピュータが実行することで、必要な制御機能を実現する。ソフトウェアは、制御部14の記憶装置(図示せず。)に格納される。
《DC/DCコンバータのフィードバック制御》
図2において、DC/DCコンバータ6及びインバータ10は共に、電流に関して、目標値と検出値とが互いに一致するようにフィードバック制御されている。
本実施形態では、以下、DC/DCコンバータ6のフィードバック制御に注目して説明する。なお、以下、DC/DCコンバータ6と言えば、制御部14による制御機能及び、電流センサ16も含めたものとして説明する。
図3は、DC/DCコンバータ6のフィードバック制御に関する制御ブロック図である。この制御は、制御部14によって行われる。制御部14が時刻tにおいて直流リアクトル7に流そうとする電流目標値I (t)と、電流センサ16が実際に検出する電流検出値I(t)とは、加算部(比較部)14aにおいて互いに比較される。そして、その差が、電流制御部14bの比例制御を経て操作量u(t)となる。すなわち、電流制御部14bの比例ゲイン(可変量)をKvpとすると、
u(t)=Kvp(I (t)−I(t)) ・・・(2)
である。この操作量u(t)に基づいて電流参照波が決まり、DC/DCコンバータ6のスイッチングのデューティが決まる。
図4は、直流リアクトル7の直流重畳特性の一例を示すグラフである。横軸は電流[A]、縦軸はインダクタンス[H]である。インダクタンスは、電流0[A]のとき最大で、L[H]であるが、電流の増大に伴って低下する直流重畳特性を有している。横軸のImax[A]は、電力変換装置1の運用に必要な最大入力電流である。電流0からImaxまでの変化に対するインダクタンスの低下は、概ね直線的である。
ここで、例えば、直流リアクトル7の電流をI(t)とすると、I(t)が0からImaxまで変化すると、インダクタンスは、Lから減少してLになる。この特性を例えば直線近似すると、切片はL、勾配は、{−(L−L)/Imax}である。従って、0からImaxまでの範囲内の任意の電流I(t)に対応するインダクタンスL(t)は、以下の式(3)で表される。
L(t)=L−{(L−L)/Imax}・I(t) ・・・(3)
低日射時の理想ゲインをKとすると、電流がImaxのときの比例ゲインが、KにL/Lを乗じたものになると考えることができる。また、電流が、0からImaxまでの範囲内の任意の電流I(t)のときの比例ゲインは、KにL(t)/Lを乗じたものになるので、この関係に式(3)を代入すると、比例ゲインKvpは、以下の式(4)で表される。
vp=K{L(t)/L
=K[L−{(L−L)/Imax}・I(t)]/L
=K[1−{(L−L)/(L・Imax)}・I(t)] ・・・(4)
上記式(4)で得られる比例ゲインKvpを式(2)に適用すれば、直流リアクトル7の直流重畳特性を考慮した形で、DC/DCコンバータ6のスイッチングのデューティを決めることができる。
このようなDC/DCコンバータは、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させることにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
なお、式(3)、(4)における直流リアクトル7の電流I(t)としては、電流目標値I (t)又は電流検出値I(t)を用いることができる。電流目標値を用いる場合は、比例ゲインも目標値となるので、演算上、常に先行した迅速な制御を行うことができる。電流検出値を用いる場合は、実際の電流検出値に対応した確実な制御を行うことができる。
《検証》
図5は、フィードバック制御に、直流重畳特性を考慮した比例ゲインKvpを用いた場合の、DC/DCコンバータ6への入力電流及び入力電圧を、共通の時間軸(横軸)上に並べた一例を示す図であり、図8と同じ目盛及び同じ表現要領の図である。これは、DC/DCコンバータ6が例えば太陽光発電パネルに接続されていて、高日射時に、上記比例ゲインKVPを低く設定して使用する場合(すなわち高日射・低ゲインの場合)の様子を示している。図の上半分に注目すると、上側(黒く太く見える方)が入力電流、下側が入力電圧である。縦の2本線で囲んだ時間帯の時間軸を拡大したものが、下半分の図である。図8との比較により明らかなように、入力電流の発振は抑制されている。
次に、フィードバック制御に、直流重畳特性を考慮した比例ゲインKvpを用いた場合の、目標値への追従性(追従の速さ)への効果を検証する。
図6は、MPPT制御を行っているDC/DCコンバータ6において、比較のために、低日射・低ゲインの条件でフィードバック制御を行った場合の入力電流の変化の一例を示す図である。横軸は時間、縦軸は入力電流を表している。時刻t0においてMPPT制御を開始すると、最大電力点に到達するまでの所要時間はΔt1である。
図7は、MPPT制御を行っているDC/DCコンバータ6において、低日射・高ゲイン(可変比例ゲインの結果としての高ゲイン)の条件でフィードバック制御を行った場合の入力電流の変化の一例を示す図である。横軸は時間、縦軸は入力電流を表している。この場合、時刻t0においてMPPT制御を開始すると、所要時間Δt2で、最大電力点に到達する。図6のΔt1と比べると、Δt2は極めて短時間であり、明らかに追従が速くなっていることがわかる。
《積分ゲイン》
なお、上記実施形態では、比例ゲインについてのみ説明したが、積分ゲインを併用することもできる。例えば、上記式(2)における右辺の(I (t)−I(t))をe(t)として表すと、比例ゲインのみの場合の操作量は、
u(t)=Kvp e(t)
であるが、積分ゲインも考慮すると操作量は以下の式(5)のように表される。
・・・(5)
式(5)において、Kviは積分ゲインである。積分ゲインKviは、例えば積分期間をTとすると、Kvi=Kvp/Tである。
比例ゲインを操作すると制御の応答が早い利点がある。但し、ゲインが過大になると制御が不安定になる傾向にあるので、積分ゲインを併用すれば、制御の不安定を防止することができる。
《まとめ》
以上のように、DC/DCコンバータ(の制御部)は、リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させることにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
例えば太陽光発電パネルに接続されてMPPT制御を行うDC/DCコンバータであれば、低日射で発電量の少ない時にはフィードバック制御の追従性を高め、高日射で発電量の多い時にはフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。
また、ゲイン特性は、リアクトルにおける電流対インダクタンスの直流重畳特性に対応したものであることによって、リアクトル固有の直流重畳特性を反映したゲイン特性とすることができる。すなわち、相対的に、リアクトルのインダクタンスが電流の増大により低下するとゲインも低下して、安定した制御を行うことができ、リアクトルのインダクタンスが電流の減少により上昇するとゲインも上昇して、フィードバック制御の追従性を高めることができる。
なお、上記の式(4)は一例である。リアクトル固有の直流重畳特性に合わせて、直線近似の他、多項式での近似や、データテーブルでの対応も可能である。
《その他》
なお、上記実施形態では、図1における太陽光発電パネル2とDCバス8との間に設けられるDC/DCコンバータ6について説明したが、太陽光発電パネル2に代えて蓄電池や燃料電池等、その他の直流電源が接続されている場合にも、同様なフィードバックゲインの変化を適用することにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。また、蓄電池の場合には、電力変換装置1により、逆方向すなわち、交流から直流への変換を行うことができる。DC/DCコンバータには、逆方向(充電)への動作時にも、同様なフィードバックゲインの変化を適用することにより、小電流値ではフィードバック制御の追従性を高め、大電流値ではフィードバック制御の安定性を確保し、発振を防止することができる。充電時の発振は、蓄電池の内部損失を増大させるので、発振防止は内部損失の低下に寄与する。
《補記》
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
1 電力変換装置
2 太陽光発電パネル
3 交流電路
4L 負荷
4P 商用電力系統
5 直流側コンデンサ
6 DC/DCコンバータ
7 直流リアクトル
8 DCバス
9 中間コンデンサ
10 インバータ
11 フィルタ回路
12 交流リアクトル
13 交流側コンデンサ
14 制御部
14a 加算部
14b 電流制御部
15 電圧センサ
16 電流センサ
17 電圧センサ
18 電流センサ
19 電圧センサ
d1〜d6 ダイオード
Q1〜Q6 スイッチング素子

Claims (7)

  1. リアクトルを含むDC/DCコンバータであって、
    前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子と、
    前記リアクトルに流れる電流を検出する電流センサと、
    前記電流センサが検出する電流値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記スイッチング素子のスイッチング制御を行い、前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる制御部と、
    を備えているDC/DCコンバータ。
  2. 前記ゲイン特性は、前記リアクトルにおける電流対インダクタンスの直流重畳特性に対応したものである請求項1に記載のDC/DCコンバータ。
  3. 前記リアクトルの電流とは、前記制御部における演算上の電流目標値である請求項1又は請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  4. 前記リアクトルの電流とは、前記電流センサによる電流検出値である請求項1又は請求項2に記載のDC/DCコンバータ。
  5. 前記ゲイン特性におけるゲインは、比例ゲイン及び積分ゲインのうち少なくとも比例ゲインである請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のDC/DCコンバータ。
  6. 請求項1に記載のDC/DCコンバータを搭載した電力変換装置。
  7. リアクトルを含むDC/DCコンバータの制御方法であって、
    前記リアクトルに流れる電流を検出し、
    電流検出値に基づいて電流のフィードバック制御を行うべく前記リアクトルの一端に接続されたスイッチング素子のスイッチング制御を行い、
    前記リアクトルの電流の瞬時値に対するゲイン特性が、相対的に、小電流値に対して高ゲイン、大電流値に対して低ゲインの関係となるようにフィードバックゲインを変化させる、DC/DCコンバータの制御方法。
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