以下、本発明に関する好ましい実施形態を、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態において互いに共通する部材には同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
図1は、本発明の一実施形態である情報処理システム1の構成例を示す図である。この情報処理システム1は、MFP(Multi Functional Peripherals)などで構成される第1画像処理装置3(第1の情報処理装置。以下同じ。)と、同じくMFP(Multi Functional Peripherals)などで構成される第2画像処理装置5(第2の情報処理装置。以下同じ。)と、第1画像処理装置3及び第2画像処理装置と通信可能な位置管理サーバー7とを備える。また、位置管理サーバー7と第1画像処理装置3及び第2画像処理装置5とを通信可能に接続するLAN(Local Area Network)などで構成されるネットワーク9を備える。なお、第1画像処理装置3及び第2画像処理装置5は、ネットワーク9において設けられるアクセスポイント11と無線通信を行い、アクセスポイント11を経由してネットワーク9に接続される。
第1画像処理装置3及び第2画像処理装置5は、いずれもオフィス内の同じフロアに設置され、オフィス内のフロアを移動可能なように構成される。例えば、第1画像処理装置3はオフィス内の第1の場所(初期位置)に設置され、その第1の場所から移動可能である。また第2画像処理装置5は第1の場所とは異なる第2の場所(基準位置)に設置され、その第2の場所から移動可能である。そして第1画像処理装置3は後述する各部を動作させるために二次電池を備えており、第1の場所に位置しているときに二次電池を充電し、第1の場所から移動しているときにはその二次電池からの給電により各部を動作させる。また第2画像処理装置5も同様に、二次電池を備えており、第2の場所に位置しているときに二次電池を充電し、第2の場所から移動しているときにはその二次電池からの給電により各部を動作させる。
第1画像処理装置3は、図4に示すように、ネットワーク9を経由して受信するジョブの実行を制御するジョブ実行部52を備える。第1画像処理装置3は、印刷出力可能なプリンタ部26と、ファクシミリの送受信を実行可能なFAX部28と、スキャン機能を備えるスキャナ部30とを備える。ジョブ実行部52は、受信するジョブに応じて、プリンタ部26,FAX部28,及びスキャナ部30のいずれかに処理を実行させる。また、第1画像処理装置3は、タッチパネルと操作ボタンにより構成される操作部13を備える。ユーザーが操作部13に対する操作を行うことによりジョブが生成されると、ジョブ実行部52は生成されたジョブの実行を制御する。
第1画像処理装置3は、周辺の音量、照度、気温及び湿度などの環境情報を検知可能なセンサー部12を備える。センサー部12は、これら環境情報を好適に検知可能な位置に設けられる。第1画像処理装置3は、駆動することにより移動可能な駆動機構32を備える。第1画像処理装置3は、駆動機構32の駆動を制御する第1移動制御部46を備える。第1画像処理装置3は、センサー部12により環境情報を取得し、取得された環境情報に基づいて移動方向を決定する。第1移動制御部46は決定された移動方向に基づき駆動機構32を駆動させて第1画像処理装置3の移動を制御する。駆動機構32は回転可能な車輪部14を含んでおり、移動方向に応じて車輪部14が回転することにより、第1画像処理装置3は移動方向に移動可能である。
第1画像処理装置3は、いずれのユーザーによっても使用可能な通常状態とは異なり、限定されたユーザーによってのみ使用可能な会議モードを設定可能である。第1画像処理装置3は、ユーザーにより会議モードをオンにする操作入力を検知することにより会議モードを設定する。会議モードが設定されると、第1画像処理装置3は、例えばユーザー登録により登録されたユーザーから受信するジョブを実行可能であり、他方、登録されていないユーザーから受信するジョブの実行を制限する。これにより、例えば限られたユーザーにより会議が行われ、会議中に必要な資料等を印刷するため第1画像処理装置3が用いられる場合に、会議中に会議メンバー以外のユーザーから受信したジョブが実行され、会議の進行が妨げられることを防止することができる。
第1画像処理装置3は、会議モードが設定されると、センサー部12により第1画像処理装置3周辺の環境情報を取得する。そして、例えば取得された第1画像処理装置3周辺の音量が所定値以上である場合に、第1画像処理装置3は音源とは異なる方向を移動方向として決定し、移動する。第1画像処理装置3は、移動中もセンサー部12により継続的に又は断続的に環境情報を取得する。そして、取得された環境情報が所定条件を充たしたとき、第1画像処理装置3は停止する。所定条件は予めユーザーにより設定可能であり、設定された条件情報76(図3参照)が第1画像処理装置3の記憶部22に記憶されている。条件情報76については後ほど説明する。
第1画像処理装置3では、移動可能なフロア内などにおける物品の配置状況を示す地図情報72が予め記憶部22に格納されている。図2は地図情報72の一例を示す図である。図例における地図情報72には、フロア内に配置されている机といすの位置を示すデスク領域情報100が含まれる。地図情報72には、各物品の位置を特定するXY座標平面における座標情報106が含まれる。また、第1画像処理装置3は自機の位置を検知する位置情報取得部64を備える。位置情報取得部64は、例えば駆動機構32の駆動量に基づいてXY座標平面における第1画像処理装置3の移動量を算出することにより、第1画像処理装置3の現在位置を検知する。ただし、これに限られるものではなく、例えば、第1画像処理装置3は、フロア内における少なくとも異なる2点に設置される図示しない位置センサーに基づき、自機の位置を検知するようにしても良い。
第1画像処理装置3は、デスク領域情報100により示される机といすが配置されている領域を通行不能な領域として認識する。第1画像処理装置3は、会議モードに設定されると地図情報72を参照する。そして、上記のとおり環境情報に基づき決定された移動方向に移動する際に、デスク領域情報100により示される領域を避けた移動経路を通行する。
地図情報72には、デスク領域情報100において示される机といすのうち、会議用テーブルといすであることを示す会議領域情報102がさらに含まれる。第1画像処理装置3は、会議領域情報102により示される会議用テーブルといすの近傍領域を会議スペースとして認識し、その会議スペースを通過する移動経路を設定してもよい。これにより、第1画像処理装置3は会議用テーブルの近傍を移動する。そして、会議用テーブル近傍を移動中に取得された環境情報が所定条件を充たす場合、会議用テーブル近傍において第1画像処理装置3が停止し、ユーザーは会議用テーブルを使用して会議を行うことが可能となる。
図1に戻り、第1画像処理装置3は、会議モードに設定されている間に、登録されたユーザー以外のユーザーからジョブを受信した場合、第2画像処理装置5に当該ジョブを転送する。第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3から受信したジョブを実行する。これにより、登録されたユーザー以外のユーザーから第1画像処理装置3に送信されたジョブは第2画像処理装置において実行されるため、ジョブの滞留を防止することができる。
第2画像処理装置5は、受け付けたジョブの実行を制御する第2ジョブ実行部126を備える。第2画像処理装置5は、印刷出力を実行可能なプリンタ部80と、ファクシミリの送信及び受信を実行可能なFAX部82と、スキャン機能を有するスキャナ部30とを備える。第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3から受信したジョブが受け付けられると、このジョブを実行する。
第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3と同じく駆動機構86を備える。駆動機構86は回転可能な車輪部17を含む。第1画像処理装置3において会議モードが設定され、第1画像処理装置3が移動すると、位置管理サーバー7の指示に基づいて第1画像処理装置3が移動前に設置されていた初期位置に移動する。車輪部17は、初期位置への移動方向に応じて回転し、これにより第2画像処理装置5は初期位置に向かって移動する。
第1画像処理装置3は、会議モードに設定されて移動を開始し、環境情報が所定条件を充たすことにより停止すると、停止した位置を検知して位置管理サーバー7に送信する。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から停止した位置の情報を取得すると、第2画像処理装置5に対して第1画像処理装置3の初期位置(第1の場所)へ移動するよう移動指示を送信する。なお、位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5の現在の位置と第1の画像処理装置の初期位置との間に第1画像処理装置3が存在する場合、第2画像処理装置5に対する移動指示の送信を待機し、第1画像処理装置3が第2画像処理装置5の現在の位置と第1の画像処理装置の初期位置との間の経路上から離れたタイミングで移動指示を送信するようにしても良い。
第1画像処理装置3は、ユーザーにより会議モードをオフにする操作入力が行われると、会議モードから通常状態に状態を移行させる。通常状態になると、第1画像処理装置3は位置管理サーバー7に会議モードがオフであることを通知する。位置管理サーバー7は、会議モードがオフである旨の通知を第1画像処理装置3から受信すると、第2画像処理装置5に対して、第1画像処理装置3の初期位置に移動する前の位置(第2の場所)(以下、「基準位置」という)に戻る復帰指示を送信する。復帰指示を受信すると、第2画像処理装置5は第1の場所から基準位置である第2の場所に戻る。
位置管理サーバー7は、ネットワーク9に接続され、ネットワーク9を経由して第1画像処理装置3及び第2画像処理装置5と通信可能である。位置管理サーバー7には、第1画像処理装置3と同様に地図情報72が記憶部144に予め記憶されている。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から初期位置を示す初期位置情報74を取得すると共に、第2画像処理装置5から基準位置を示す基準位置情報134を取得する。
位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5のIPアドレスなどの識別情報を含む装置情報135を備える。そして、第2画像処理装置5が同一フロア内に複数設置されている場合、位置管理サーバー7は、初期位置情報74と基準位置情報134に基づき、初期位置に最も近い第2画像処理装置5を検出する。そして、検出された第2画像処理装置5のIPアドレスなどの識別情報を第1画像処理装置3に送信すると共に、当該識別情報に対応する第2画像処理装置5に対してジョブを転送するよう第1画像処理装置3に指示する。会議モードに設定されている第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7から受信した識別情報に対応する第2画像処理装置5に対してジョブを転送する。これにより、第1画像処理装置3の初期位置に近い第2画像処理装置5によりジョブが実行されるため、例えば印刷ジョブを第1画像処理装置3に送信したユーザーは、第1画像処理装置3の近くの第2画像処理装置5から印刷出力された印刷用紙等を受け取ることが可能となる。
また位置管理サーバー7は、検出された第2画像処理装置5に対して初期位置に移動する移動指示を送信する。移動指示を受信した第2画像処理装置5は、初期位置に移動する。これにより、第2画像処理装置5の移動距離が長くなることを防止できる。
次に、情報処理システム1を構成する第1画像処理装置3,第2画像処理装置5,及び位置管理サーバー7の各々の構成を説明する。図4は、第1画像処理装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。第1画像処理装置3は、制御部20と、各種情報を記憶する記憶部22と、センサー部12と、操作部13と、ネットワーク9を経由して位置管理サーバー7などの外部デバイスとの通信におけるインタフェースとなる通信インタフェース24と、プリンタ部26と、FAX部28と、スキャナ部30と、駆動機構32とを備える。センサー部12は、周囲の音量を測定する音量センサー12aと、照明の明るさを測定する照度センサー12bと、温度を測定する温度センサー12cと、湿度を測定する湿度センサー12dとを備えている。尚、音量センサー12aは、音源方向を検知するためには少なくとも2つのマイクを有し、それぞれ異なる方向の音圧レベルを測定することが可能なセンサーである。
第1画像処理装置3では、CPU(図示せず)により制御プログラム(図示せず)が実行されることにより制御部20として機能する。制御プログラムは記憶部22に予め記憶されている。なお、制御プログラムは例えばネットワーク9に接続するクラウドサーバー等に記憶されており、ネットワーク9を経由して第1画像処理装置3にダウンロードされ、実行されてもよい。
制御部20は、会議モードに設定可能な状態設定部40と、センサー部12により検知される環境情報を取得する環境情報取得部42と、初期位置から移動する移動経路を決定する方向決定部44と、駆動機構32を駆動させて移動を制御する第1移動制御部46と、環境情報が所定条件を充たすか否かを判定する判定部48と、ジョブを受け付けるジョブ受付部50と、ジョブ受付部50により受け付けられたジョブを実行するジョブ実行部52と、ジョブ受付部50により受け付けられたジョブを第2画像処理装置5に転送するジョブ転送部54とを備える。状態設定部40は、ユーザー登録情報70に登録されたユーザーにより排他使用される会議モードと、通常状態のいずれかの状態に設定する処理部である。状態設定部40は、ユーザーにより会議モードをオンに設定する操作入力を検知すると、会議モードに設定する。ユーザー登録情報70への登録については後述する。
環境情報取得部42は、環境情報を取得する処理部である。本実施形態において環境情報取得部42は、センサー部12により検知される第1画像処理装置3周辺の音量、照度、温度及び湿度を環境情報として取得する。環境情報取得部42は、状態設定部40により会議モードに設定されると環境情報を取得する。なお、これとは異なり、環境情報取得部42は、例えば第1画像処理装置3が移動可能なフロア内における所定の位置に設置されるセンサー(図示せず)により検知される音量、照度、温度及び湿度を環境情報として取得してもよい。
方向決定部44は、環境情報取得部42により取得された環境情報に基づいて、第1画像処理装置3の移動経路を決定する処理部である。環境情報取得部42により環境情報が取得されると、方向決定部44が機能し、取得された環境情報が記憶部22に予め記憶されている条件情報76における所定条件を充たすか否かを判定する。環境情報が所定条件を充たす場合、方向決定部44は移動しないことを決定する。すなわち、第1画像処理装置3周辺の音量、照度、温度及び湿度が条件を充たす場合には、現在第1画像処理装置3が設置されている初期位置が会議を行うのに快適な環境であるため、移動する必要がないからである。
これに対して、環境情報が所定条件を充たさない場合、方向決定部44は地図情報72を参照して移動経路を決定する。例えば音量センサー12a(12)により検知された音源方向とは異なる方向に移動すると共に、地図情報72における通行可能領域を移動する移動経路を生成してもよい。或いは、予め記憶部22に複数の移動経路のパターンを記憶しており、これらのパターンのうち1つのパターンを選択して移動経路として決定してもよい。
なお、環境情報取得部42により第1画像処理装置3が移動可能なフロア内における所定の位置に設置されたセンサーにより環境情報を取得する場合において、取得された環境情報が条件情報76に基づく所定条件を充たすとき、方向決定部44は、センサーが設置された位置又はセンサーが設置された位置の近傍まで移動する移動経路を決定してもよい。
第1移動制御部46は、駆動機構32を駆動させることにより移動を制御する処理部である。方向決定部44により移動経路が決定されると、第1移動制御部46は、決定された移動経路に基づいて駆動機構32を駆動させることにより、第1画像処理装置3を移動させる。このとき、第1移動制御部46は、例えば図示を省略する地磁気センサーなどによって第1画像処理装置3が地図情報72に定められたXY座標平面においてどの方向を向いているかを検知し、方向決定部44によって定められた移動経路に向かって第1画像処理装置3を移動させる。このような第1移動制御部46は、移動経路が曲がっていればその曲がった移動経路に沿って第1画像処理装置3を移動させていくことができる。
判定部48は、第1移動制御部46により移動している間に、環境情報に基づいて所定条件が成立するか否かを判定する処理部である。第1移動制御部46が駆動機構32を駆動させることにより第1画像処理装置3が移動している間に、環境情報取得部42は、継続的又は断続的に環境情報を取得する。環境情報取得部42は、第1画像処理装置3が移動している間、継続して環境情報を取得してもよいし、一定時間毎に環境情報を取得してもよい。環境情報取得部42により環境情報が取得されると、判定部48が機能して、記憶部22に記憶されている条件情報76を参照する。
条件情報76は、図3に示すように取得された各環境情報の最小値と最大値が定められた情報である。最小値及び最大値は各々ユーザーにより設定可能である。判定部48は、取得された各環境情報が条件情報76における最小値と最大値との間の値であるか否かを判定する。そして判定部48は、例えば全ての環境情報が最小値と最大値との間の値である場合に、条件が成立したと判定し、他方、いずれかの環境情報が最小値と最大値との間の値でない場合、条件が成立しないと判定する。これとは異なり、条件情報76における環境情報において優先度を設け、いずれか環境情報が最小値と最大値との間の値ではない場合に、優先度の高い環境情報において最小値と最大値との間の値であるときに、判定部48は条件が成立すると判定してもよい。例えば、優先度の高い順に所定数の環境情報において最小値と最大値との間の値である場合に、判定部48は条件が成立すると判定してもよい。また判定部48は、地図情報72において会議領域情報102が含まれる会議スペースのうちから条件情報76に定められた条件を充たす会議スペースを探し出すようにしても良い。
判定部48により条件が成立したと判定されると、第1移動制御部46は駆動機構32を停止させる。すなわち第1画像処理装置3は、移動経路を移動しながら条件が成立するか否かを判定し、条件が成立する場所で停止する。これにより、第1画像処理装置3は移動経路を移動しながら会議に好適な環境の位置を検出することができる。
ジョブ受付部50は、ユーザーにより操作部13が操作されることにより生成されるジョブや、ネットワーク9を経由して受信するジョブを受け付ける処理部である。会議モードが設定されていない通常状態においてジョブ受付部50によりジョブが受け付けられると、ジョブ実行部52が機能して受け付けられたジョブを実行する。状態設定部40により会議モードが設定されている状態においてジョブが受け付けられると、ジョブ受付部50は、記憶部22に格納されているユーザー登録情報70を参照する。ジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されているユーザーである場合、ジョブ受付部50はジョブ実行部52にジョブを実行させる。これに対して、ジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されていないユーザーである場合、ジョブ転送部54が機能して第2画像処理装置5にジョブを転送する。
図5は、ユーザー登録が行われる場合の一例を示す図である。図5(a)に示すように、第1画像処理装置3において会議モードが設定されている状態で、会議に参加するユーザーは、情報処理端末300を操作して第1画像処理装置3との間で無線通信を行い、ユーザーが使用する情報処理端末300のIPアドレスを第1画像処理装置3に送信する。第1画像処理装置3は情報処理端末300からIPアドレスを受信すると、図5(b)に示すように、ユーザー名とIPアドレスとを対応付けて登録する。
会議モードが設定されている状態でジョブが受け付けられると、ジョブ受付部50は受け付けられたジョブから送信元のIPアドレスを読み取る。ジョブ受付部50は、ユーザー登録情報70を参照し、ジョブから読み取られたIPアドレスに対応するユーザーが検出された場合、ジョブ実行部52にジョブを実行させる。他方、ジョブから読み取られたIPアドレスに対応するユーザーが検出されない場合、ジョブ実行部52は当該ジョブの実行を保留する。そして、状態設定部40により会議モードから通常状態に状態が移行されると、ジョブ実行部52は保留されている当該ジョブを実行する。これにより、会議に参加するユーザー以外のユーザーから受信したジョブは、会議モード設定中に第1画像処理装置3により実行されず、会議の進行が妨げられるのを防止できる。
これとは異なり、ジョブから読み取られたIPアドレスに対応するユーザーが検出されない場合、ジョブ転送部54が機能してもよい。ジョブ転送部54は、ジョブ受付部50によりユーザー登録情報70に登録されているユーザーとは異なるユーザーから受信したジョブが受け付けられると、受け付けられたジョブを第2画像処理装置5に送信する処理部である。本実施形態においてジョブ転送部54は、位置管理サーバー7に対して、ユーザー登録情報70に登録されているユーザーとは異なるユーザーからジョブを受信した旨を通知する。そして、位置管理サーバー7から第2画像処理装置5のIPアドレスを受信すると、IPアドレスに対応する第2画像処理装置5に対して当該ジョブを送信する。これにより、会議モードが設定されている状態でユーザー登録情報70に登録されていないユーザーからジョブを受信した場合、会議の進行を妨げられるのを回避できると共に、当該ユーザーから受信されたジョブは第2画像処理装置5により実行されるため、第1画像処理装置3にジョブが滞留するのを防止することができる。
本実施形態において、第2画像処理装置5によりジョブが実行されると、後述するように第2画像処理装置5から第1画像処理装置3に対して完了通知が送信される。第2画像処理装置5から完了通知を受信すると、実行通知部56が機能する。実行通知部56は、ジョブの送信元であるユーザーに対して第2画像処理装置5によりジョブが実行されたことを知らせる実行通知を行う処理部である。実行通知部56は、第2画像処理装置5から完了通知を受信すると、第2画像処理装置5によりジョブが実行されたことを知らせる実行通知を生成する。そして、実行通知部56は、生成された実行通知をジョブの送信元であるユーザーに対して送信する。これにより、ユーザーはジョブが第2画像処理装置5により実行されたことを認識でき、例えば印刷ジョブが実行されて出力された印刷出力された印刷用紙等を第2画像処理装置5から受け取ることが可能となる。
登録部60は、第1画像処理装置3において会議モードが設定されている状態において使用可能なユーザーを登録する処理部である。図5(a)に示したように、本実施形態において登録部60は、会議モードが設定されている状態においてユーザーが操作する情報処理端末300のIPアドレスなどの識別情報を受信すると、識別情報とユーザー名とを対応付けてユーザー登録情報70に登録する。そして、会議モードが設定されている状態においてジョブ受付部50がジョブを受け付けると、ジョブ受付部50はユーザー登録情報70を参照することにより、会議モードにおいて第1画像処理装置3を使用可能なユーザー、すなわち会議に参加するユーザーを確認することができる。
第1画像処理装置3は、初期位置情報を取得する位置情報取得部64と、会議モードが設定されたことを位置管理サーバー7に通知する状態通知部66と、初期位置へ復帰する復帰経路を決定する第1経路決定部68をさらに備える。位置情報取得部64は、状態設定部40により会議モードに設定されたときの位置情報を、初期位置情報として取得する処理部である。位置情報取得部64は、例えば移動可能なフロア内に少なくとも異なる2点に設置される位置センサーとの距離を検出して、地図情報72により当該フロア内における位置を検出する。そして、検出された位置に対応する座標の値を初期位置情報74として記憶部22に格納する。
状態設定部40により会議モードに設定されると、状態通知部66が機能する。状態通知部66は、状態設定部40により会議モードに設定されると、会議モードが設定されたことを位置管理サーバー7に対して通知する処理部である。また本実施形態において、状態通知部66は、位置情報取得部64により取得された初期位置情報74を当該通知と共に位置管理サーバー7に送信する。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から受信した初期位置情報74に基づき、第2画像処理装置5に対して初期位置へ移動する移動指示を送信する。これにより第2画像処理装置5が初期位置へ移動して、第1画像処理装置3から転送されるジョブを実行することになる。そのため、当該ジョブの送信元であるユーザーにとって、第1画像処理装置3によりジョブが実行されたのと略同じであり、ジョブ実行における利便性が高まる。
状態通知部66は、会議モードが終了して通常状態に移行した場合に、位置管理サーバー7に対して通知を行う。ユーザーにより会議モードを終了させる入力が行われた場合に、状態設定部40は会議モードを終了させる。会議モードが終了すると、状態通知部66は位置管理サーバー7に対して会議モードが終了した旨を通知する。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から当該通知を受信すると、第2画像処理装置5に対して基準位置へ復帰する復帰指示を送信し、第2画像処理装置5を基準位置へ復帰させる。
第1経路決定部68は、初期位置への復帰経路を決定する処理部である。第1経路決定部68は、状態設定部40により会議モードから通常状態に設定されると、位置情報取得部64により取得された初期位置情報74に基づいて初期位置への復帰経路を決定する。一例として、第1経路決定部68は、地図情報72を参照して、停止位置から初期位置へ復帰する通行可能な最短経路を復帰経路として決定する。これにより、第1画像処理装置3は早期に初期位置へ復帰可能となる。或いはこれとは異なり、会議モードに設定された際に初期位置から停止位置までの移動経路を記憶部22に記憶しており、停止位置から初期位置まで当該移動経路を逆行する復帰経路を決定してもよい。第1経路決定部68により復帰経路が決定されると、決定された復帰経路に基づいて第1移動制御部46は停止位置から初期位置へ移動する。
図6は、第2画像処理装置5のハードウェア構成及び機能構成の一例を示すブロック図である。第2画像処理装置5は、ユーザーにより操作可能な操作部15と、ネットワーク9を経由して外部デバイスと通信を行うインタフェースとなる通信インタフェース112と、制御部110と、記憶部114と、プリンタ部80と、FAX部82と、スキャナ部84と、駆動機構86とを備える。CPUにて制御プログラムが実行されることにより制御部110として機能する。制御部110は、位置管理サーバー7から指示を受け付ける指示受付部120と、基準位置情報134を位置管理サーバー7に送信する基準位置送信部122と、ジョブを受け付ける第2ジョブ受付部124と、ジョブを実行する第2ジョブ実行部126と、ジョブ実行終了後に完了通知を第1画像処理装置3に対して送信する完了通知部128とを備える。
第2ジョブ受付部124は、操作部15に対する操作により生成されたジョブを受け付け、また、ネットワーク9を経由して外部デバイスから受信するジョブを受け付ける処理部である。第1画像処理装置3から送信されたジョブを第2画像処理装置5が受信すると、第2ジョブ受付部124は受信されたジョブを受け付ける。第2ジョブ受付部124によりジョブが受け付けられると、第2ジョブ実行部126が機能してジョブを実行する。
完了通知部128は、第1画像処理装置3から受信したジョブが第2ジョブ実行部126により実行されると、第1画像処理装置3に対してジョブの実行が終了した旨を通知する完了通知を送信する処理部である。第2ジョブ実行部126により実行されたジョブが第1画像処理装置3から受信したジョブである場合、完了通知部128が機能する。第2ジョブ実行部126により当該ジョブの実行が終了すると、完了通知部128はジョブの実行が終了した旨を通知する完了通知を生成し、第1画像処理装置3に対して送信する。第1画像処理装置3が完了通知を受信すると、第1画像処理装置3からジョブの送信元であるユーザーに対して実行通知が送信される。これにより、ユーザーは第2画像処理装置5によりジョブが実行されたことを認識できる。
指示受付部120は、位置管理サーバー7から受信する指示等を受け付ける処理部である。位置管理サーバー7から基準位置情報134の要求を受信すると、指示受付部120はこの要求を受け付ける。指示受付部120により基準位置情報134の要求が受け付けられると、基準位置送信部122が機能する。基準位置送信部122は、第2画像処理装置5の位置情報を基準位置情報134として取得する。例えば、基準位置送信部122は、第2画像処理装置5が移動可能なフロア内における少なくとも2つの異なる位置に設置される位置センサー(図示せず)に基づいて現在の位置の座標情報を検出する。基準位置送信部122は、検出された座標情報を基準位置情報134として取得すると共に、位置管理サーバー7に送信する。
制御部110は、移動経路を決定する第2経路決定部130と、移動経路に基づき移動を制御する第2移動制御部132とをさらに備える。第2経路決定部130は、位置管理サーバー7からの指示を受信すると、移動経路を決定する処理部である。位置管理サーバー7から受信した移動指示が指示受付部120に受け付けられると、第2経路決定部130が機能する。指示受付部120は位置管理サーバー7から移動指示と共に受信した初期位置情報74を受け付ける。第2経路決定部130は、指示受付部120により移動指示が受け付けられると、移動指示と共に受け付けられている初期位置情報74を取得して、基準位置から第1画像処理装置3の初期位置への移動経路を決定する。
具体的には、第2経路決定部130は地図情報72を参照して、第2画像処理装置5が通行可能な領域を通過して基準位置から初期位置へ移動する移動経路を決定する。なお、位置管理サーバー7から第1画像処理装置3の停止位置情報をさらに受信した場合、第2経路決定部130は、第1画像処理装置3の停止位置を通過することなく初期位置へ移動する移動経路を決定する。これにより、会議モードに設定されて停止している第1画像処理装置3との衝突を回避して初期位置へ移動できる。
基準位置へ復帰する復帰指示を位置管理サーバー7から受信すると、指示受付部120はこの復帰指示を受け付ける。指示受付部120により復帰指示が受け付けられると、第2経路決定部130は、初期位置から基準位置へ復帰する復帰経路を決定する。第2経路決定部130は、地図情報72を参照して、第2画像処理装置5が通行可能な領域を通過して初期位置から基準位置へ移動する復帰経路を決定する。
第2移動制御部132は、駆動機構86を駆動させて第2画像処理装置5の移動を制御する処理部である。指示受付部120により移動指示と共に初期位置情報74が受け付けられると、第2経路決定部130により初期位置情報74を参照して決定された移動経路に基づき、第2移動制御部132は初期位置への移動を制御する。第2画像処理装置5が初期位置に移動することにより、第1画像処理装置3が初期位置から移動している場合でも、ユーザーは初期位置にある第2画像処理装置5を使用可能であり、ユーザーの利便性を損なわない。
位置管理サーバー7から受信した復帰指示が指示受付部120により受け付けられると、第2経路決定部130が復帰経路を決定し、第2移動制御部132は、第2経路決定部130により決定された復帰経路に基づき基準位置への移動を制御する。
図7は、位置管理サーバー7の機能構成の一例を示すブロック図である。位置管理サーバー7は、ネットワーク9を経由して行われる第1画像処理装置3や第2画像処理装置5などの外部デバイスとの通信におけるインタフェースとなる通信インタフェース142と、制御部140と、種々の情報を記憶する記憶部144とを備える。制御部140は、第1画像処理装置3の状態の情報を取得する状態取得部150と、第1画像処理装置3又は第2画像処理装置5の位置情報を取得する位置取得部152と、複数の第2画像処理装置5のうち一の第2画像処理装置5を検出する装置検出部154と、第1画像処理装置3又は第2画像処理装置5に対して指示を送信する指示送信部156とを備える。
状態取得部150は、第1画像処理装置3における状態を取得する処理部である。第1画像処理装置3から会議モードが設定され、又は会議モードが終了する旨の通知を受信すると、状態取得部150は、これらの通知に基づいて第1画像処理装置3において会議モードが設定された状態にあること、又は、会議モードが終了して通常状態にあるのかを認識する。
位置取得部152は、さらに第1画像処理装置3から初期位置情報74を取得する第1取得部152aと、第2画像処理装置5から基準位置情報134を取得する第2取得部152bとをさらに備える。第1取得部152aは、第1画像処理装置3から会議モードに設定された旨の通知と共に初期位置情報74を受信すると、初期位置情報74を取得し、記憶部144に格納する。状態取得部150が第1画像処理装置3において会議モードが設定されたことを取得すると、第2取得部152bが機能する。第2取得部152bは、第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する。複数の第2画像処理装置5がある場合には、各々の第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する。第2取得部152bは、記憶部144に予め記憶されている第2画像処理装置5のIPアドレスなどの識別情報を含む装置情報135を参照し、全ての第2画像処理装置5に対して基準位置情報134の要求を送信する。第2画像処理装置5から基準位置情報134を受信すると、第2取得部152bは受信した基準位置情報134を取得し、記憶部144に格納する。
装置検出部154は、情報処理システム1に複数の第2画像処理装置5が備えられる場合に、一の第2画像処理装置5を検出する処理部である。装置検出部154は、初期位置情報74と基準位置情報134とに基づいて、複数の第2画像処理装置5のうち初期位置に最も近い第2画像処理装置5を検出する。装置検出部154は、初期位置情報74と基準位置情報134に基づいて初期位置と各第2画像処理装置5の基準位置との間の距離を検出する。そして、この距離が最小となる基準位置にある第2画像処理装置5を検出する。
さらに、装置検出部154は、地図情報72を参照して、フロア内における通行可能な領域を通過して基準位置から初期位置へ移動する移動経路を生成してもよい。そして、装置検出部154は、各第2画像処理装置5が初期位置へ移動する移動経路のうち、移動距離が最小となる第2画像処理装置5を検出してもよい。これにより、基準位置から初期位置へ最短時間で移動可能な第2画像処理装置5を検出できる。
指示送信部156は、第1画像処理装置3に対して第2画像処理装置5へのジョブの転送を指示する転送指示送信部160と、第2画像処理装置5に対して基準位置から初期位置への移動指示を送信する移動指示送信部162と、第2画像処理装置5に対して初期位置から基準位置へ復帰する復帰指示を送信する復帰指示送信部164とをさらに備える。
転送指示送信部160は、第2画像処理装置5にジョブを転送する転送指示を第1画像処理装置3に対して送信する処理部である。本実施形態において、会議モードに設定されている状態の第1画像処理装置3は、ユーザー登録情報70に登録されているユーザー以外のユーザーからジョブを受信した場合、ジョブの実行を留保して位置管理サーバー7にジョブを受信したことを通知する。第1画像処理装置3からこの通知を受信すると、転送指示送信部160は、第2画像処理装置5にジョブを転送する転送指示を、第1画像処理装置3に対して送信する。位置管理サーバー7から転送指示を受信すると、第1画像処理装置3は第2画像処理装置5にジョブを転送する。第1画像処理装置3からジョブを転送された第2画像処理装置5は、受信したジョブを実行する。これにより、ジョブの実行が遅滞することを回避できる。複数の第2画像処理装置5がある場合、転送指示送信部160は、装置検出部154により検出された第2画像処理装置5にジョブを転送する転送指示を、第1画像処理装置3に対して送信する。
移動指示送信部162は、第2画像処理装置5に対して、基準位置から初期位置へ移動する移動指示を送信する処理部である。第1画像処理装置3から会議モードに設定された旨の通知が状態取得部150により取得された場合に、移動指示送信部162は、装置検出部154により検出された第2画像処理装置5に対して移動指示を送信する。なお、第2画像処理装置5が1台である場合、状態取得部150により第1画像処理装置3において会議モードに設定された通知が取得されると、移動指示送信部162は、第2画像処理装置5に対して移動指示を送信してもよい。
移動指示送信部162は、移動指示と共に初期位置情報74を第2画像処理装置5に対して送信する。移動指示送信部162は、第1取得部152aにより記憶部144に格納された初期位置情報74を読み出して、移動指示と共に第2画像処理装置5に対して送信する。これにより、第2画像処理装置5は確実に初期位置に移動することが可能となる。
復帰指示送信部164は、第1画像処理装置3にて会議モードが終了すると、初期位置から基準位置に復帰する復帰指示を送信する処理部である。第1画像処理装置3において会議モードが終了して通常状態になることを状態取得部150が取得すると、復帰指示送信部164は第2画像処理装置5に対して復帰指示を送信する。
次に、第1画像処理装置3の移動の態様を説明する。図8は、第1画像処理装置3の移動態様の一例を示す図である。図例では、第1画像処理装置3が移動可能なフロアF1内における初期位置L1に、第1画像処理装置3が備えられる。フロアF1内には、地図情報72におけるデスク領域情報100に対応するデスク領域200が設けられ、執務可能な机やいす等が配置されている。また、フロアF1内には、地図情報72における会議領域情報102に対応する会議領域202が設けられ、会議用テーブルやいす等が配置される。第1画像処理装置3は、会議モードに設定されると、センサー部12から環境情報を取得し、フロアF1内における移動経路R1を決定する。例えば、センサー部12から取得された初期位置L1における環境情報が条件情報76における条件を充たさない場合、第1画像処理装置3は、予め記憶部22に記憶されている複数の移動経路のパターン(図示せず)のうち一のパターンを選択し、移動経路R1を決定する。これらのパターンにおいて、デスク領域200や会議領域202など、第1画像処理装置3が通行不可能な領域以外の通行可能領域を移動する移動経路が予め用意される。
移動経路R1が決定されると、第1画像処理装置3は決定された移動経路R1に基づいて移動を開始する。第1画像処理装置3は、フロアF1内の少なくとも異なる2つの位置に配置される位置センサーに基づいて、自機の位置を認識しながら移動する。第1画像処理装置3は移動中に継続的にセンサー部12により環境情報を取得してもよいし、一定時間毎に環境情報を取得してもよい。或いは、会議領域202近傍を通過する際に環境情報を取得してもよい。
第1画像処理装置3は、環境情報が条件情報76における条件を充たす場合に、移動を停止する。図例では、停止位置L2を通過する際に条件を充たすと判定されたことにより、第1画像処理装置3は停止位置L2にて停止する。停止位置L2にて第1画像処理装置3が停止すると、会議に参加するユーザーは、停止位置L2近傍に集合して会議を行う。
停止位置L2において会議が行われた後、ユーザーの操作に基づいて第1画像処理装置3において会議モードが終了すると、第1画像処理装置3は初期位置L1に復帰する復帰経路を決定する。第1画像処理装置3は、停止位置L2から初期位置L1まで移動経路R1を逆行する経路を、復帰経路に決定してもよい。或いは、地図情報72を参照して、フロア内の通行可能領域を移動する経路のうち、停止位置L2から初期位置L1までの移動距離が最短となる経路を検出して、復帰経路を決定してもよい。
図9は、フロアF1内に第1画像処理装置3と1台の第2画像処理装置5が備えられる場合の移動態様の一例を示す図である。第1画像処理装置3において会議モードが設定されると、第1画像処理装置3は移動経路R1を決定して移動する。会議モードに設定されている状態において、ユーザー登録情報70に登録されていないユーザーから送信されたジョブを第1画像処理装置3が受信すると、第1画像処理装置3は第2画像処理装置5にジョブを転送する。具体的には、第1画像処理装置3は、第2画像処理装置5のIPアドレスなど識別情報を予め記憶部22に記憶している。そして、ユーザー登録情報70に登録されていないユーザーからジョブを受信すると、この識別情報に基づいて第1画像処理装置3は第2画像処理装置5にジョブを転送する。或いはこれとは異なり、第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7から第2画像処理装置5の識別情報を取得して第2画像処理装置5にジョブを転送してもよい。
第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3からジョブを受信すると、受信したジョブを実行する。そしてジョブの実行が終了すると、第2画像処理装置5は完了通知を第1画像処理装置3に送信する。第1画像処理装置3は第2画像処理装置5から完了通知を受信すると、ジョブの送信元であるユーザーに対して実行済み通知を送信し、第2画像処理装置5にてジョブが実行されたことを通知する。通知を受けたユーザーは、第2画像処理装置5が設置されている基準位置L5に印刷出力された印刷用紙等を取りに行く。
さらに、第1画像処理装置3において会議モードが設定されると、第1画像処理装置3から位置管理サーバー7に対して通知が送信され、位置管理サーバー7は第2画像処理装置5に対して初期位置L1に移動する移動指示を送信する。位置管理サーバー7から移動指示を受信すると、第2画像処理装置5は基準位置L5から初期位置L1までの移動経路R3を決定する。第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3が停止位置L2において停止した後に、移動経路R3に基づいて初期位置L1まで移動する。そうすると、会議モード設定前の通常状態における第1画像処理装置3が設置されていた初期位置L1に、第2画像処理装置5が備えられることになる。また、第1画像処理装置3から転送されたジョブが第2画像処理装置5により実行される。これにより、第1画像処理装置3が移動しても、会議に参加しないユーザーに対する利便性を維持することができる。
第1画像処理装置3において会議モードが終了すると、第1画像処理装置3は復帰経路を決定し、停止位置L2から初期位置L1まで移動する。第1画像処理装置3は、会議モードが終了すると位置管理サーバー7に対して会議モードが終了した旨を通知する。第1画像処理装置3からこの通知を受信すると、位置管理サーバー7は第2画像処理装置5に対して基準位置L5に復帰する復帰指示を送信する。位置管理サーバー7から復帰指示を受信すると、第2画像処理装置5は初期位置L1から基準位置L5に復帰する復帰経路を決定し、決定された復帰経路に基づいて初期位置L1から基準位置L5に移動する。
図10は、フロアF1内に複数の第2画像処理装置5が設けられる場合における移動態様の一例を示す図である。第1画像処理装置3において会議モードが設定されると、第1画像処理装置3から位置管理サーバー7に対して会議モードが設定された旨の通知が送信される。第1画像処理装置3は環境情報を取得して移動経路R1を決定し、移動経路R1に基づいて移動する。位置管理サーバー7は、フロアF1内に設けられている第2画像処理装置5a(5)及び第2画像処理装置5b(5)に対して、各々設置されている基準位置L5a及び基準位置L5bの基準位置情報134を要求する。
第2画像処理装置5a(5)及び第2画像処理装置5b(5)は各々基準位置情報134を位置管理サーバー7に送信する。位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5a(5)及び第2画像処理装置5b(5)から取得した基準位置情報134と初期位置情報74とに基づき、初期位置L1に最も近い第2画像処理装置5b(5)を検出する。第1画像処理装置3は、ユーザー登録情報70に登録されていないユーザーからジョブを受信すると、位置管理サーバー7に通知する。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3に対して第2画像処理装置5b(5)にジョブを転送する転送指示を送信する。これにより、第1画像処理装置3は初期位置に近い第2画像処理装置5b(5)に対してジョブを実行させることができる。
第1画像処理装置3が移動経路R1を移動し、条件情報76における条件を充たす停止位置L2で停止すると、位置管理サーバー7は第2画像処理装置5b(5)に対して初期位置L1へ移動する移動指示を送信する。移動指示を受信すると、第2画像処理装置5b(5)は移動経路R5を決定し、移動経路R5に基づいて初期位置L1に移動する。第1画像処理装置3が停止位置L2で停止した後に第2画像処理装置5b(5)が移動を開始するため、移動中の第1画像処理装置3と第2画像処理装置5b(5)とが衝突する危険を回避できる。
次に、情報処理システム1における第1画像処理装置3と、第2画像処理装置5と、位置管理サーバー7の連携による処理の態様を説明する。図11及び図12は、第1画像処理装置3と、第2画像処理装置5と、位置管理サーバー7の連携による処理の一例を示すシーケンス図である。第1画像処理装置3において、ユーザーの操作入力により会議モードがオンに設定されると(プロセスP1)、第1画像処理装置3は初期位置を検出して初期位置情報74を取得する。第1画像処理装置3は、取得した初期位置情報74を位置管理サーバー7に送信する(プロセスP5)と共に、第1画像処理装置3において会議モードがオンに設定されたことを位置管理サーバー7に通知する。
第1画像処理装置3から初期位置情報74と共に会議モードがオンに設定された旨の通知を受信すると、位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する(プロセスP7)。ここで複数の第2画像処理装置5がフロア内に存在する場合には、フロア内の全ての第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する。第2画像処理装置5は、位置管理サーバー7から基準位置情報要求を受信すると、基準位置を検出して基準位置情報134を取得する(プロセスP9)。第2画像処理装置5は、取得した基準位置情報134を位置管理サーバー7に送信する(プロセスP11)。位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5から基準位置情報134を取得すると、初期位置情報74と基準位置情報134に基づいて、初期位置に最も近い第2画像処理装置5を検出する(プロセスP13)。
第1画像処理装置3は、センサー部12により環境情報を取得して移動経路を決定する(プロセスP15)。移動経路が決定されると、第1画像処理装置3は移動を開始する(プロセスP17)。第1画像処理装置3は移動中においても継続的又は断続的にセンサー部12により環境情報を取得し、所定条件を充たすか否かを判定する。そして、所定条件が成立すると(プロセスP19)、第1画像処理装置3は移動を停止する(プロセスP21)。第1画像処理装置3は移動を停止すると、停止した位置を検出して停止位置情報を取得する(プロセスP23)。第1画像処理装置3は、取得した停止位置情報を位置管理サーバー7に送信すると共に、停止したことを位置管理サーバー7に通知する(プロセスP25)。
第1画像処理装置3から停止位置情報を受信すると、位置管理サーバー7は第2画像処理装置5に対して初期位置へ移動する移動指示を送信する(プロセスP27)。位置管理サーバー7は、移動指示と共に初期位置情報74を第2画像処理装置5に対して送信する。また、位置管理サーバー7は、初期位置情報74と共に停止位置情報を第2画像処理装置5に送信してもよい。位置管理サーバー7から初期位置情報74と共に移動指示を受信すると、第2画像処理装置5は初期位置への移動経路を決定し(プロセスP29)、初期位置へ移動する(プロセスP31)。なお、位置管理サーバー7から初期位置情報74と共に停止位置情報を受信した場合、第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3の停止位置を回避した移動経路を決定してもよい。これにより、移動中の第2画像処理装置5が停止位置に停止している第1画像処理装置3に衝突するのを防止できる。
会議モードに設定されている状態において、第1画像処理装置3が印刷ジョブを受信すると(プロセスP35)、第1画像処理装置3はユーザー登録情報70を参照する(プロセスP70)。そして、印刷ジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されているユーザーである場合、第1画像処理装置3は受信した印刷ジョブを実行する。これに対して、印刷ジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されていないユーザーである場合、第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7に対して印刷ジョブを受信した旨を通知する(プロセスP37)。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から当該通知を受信すると、プロセスP13において検出した第2画像処理装置5の識別情報と共に、当該第2画像処理装置5に印刷ジョブを転送する転送指示を第1画像処理装置3に対して送信する(プロセスP39)。
位置管理サーバー7から転送指示を受信すると、第1画像処理装置3は受信した識別情報に基づいて印刷ジョブを第2画像処理装置5に対して送信する(プロセスP41)。第2画像処理装置5は、第1画像処理装置3から印刷ジョブを受信すると、受信した印刷ジョブを実行する(プロセスP43)。印刷ジョブの実行が終了すると、第2画像処理装置5は第1画像処理装置3に対して完了通知を送信する(プロセスP45)。第1画像処理装置3は第2画像処理装置5から完了通知を受信すると、当該印刷ジョブの送信元であるユーザーに対して実行済み通知を送信する(プロセスP47)。第1画像処理装置3は、実行済み通知において第2画像処理装置5によりジョブが実行されたことを通知する。これにより、ユーザーは、第2画像処理装置5から印刷出力された印刷用紙等を受け取ることができる。
ユーザーによる操作入力に基づいて第1画像処理装置3において会議モードが終了すると(プロセスP50)、第1画像処理装置3は位置管理サーバー7に対して会議モードが終了した旨を通知する(プロセスP52)。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から会議モードが終了した旨の通知を受信すると、第2画像処理装置5に対して基準位置に復帰する復帰指示を送信する(プロセスP54)。
会議モードが終了すると、第1画像処理装置3は停止位置から初期位置に復帰する復帰経路を決定して(プロセスP56)、決定された復帰経路に基づいて初期位置へ移動する(プロセスP58)。第2画像処理装置5は、位置管理サーバー7から復帰指示を受信すると、初期位置から基準位置に復帰する復帰経路を決定し(プロセスP60)、基準位置へ移動する(プロセスP62)。
次に、情報処理システム1を構成する第1画像処理装置3、第2画像処理装置及び位置管理サーバー7において行われる処理手順を説明する。図12は、第1画像処理装置3において行われる主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。まず、第1画像処理装置3は起動すると、ジョブを受信したか否かを判定する(ステップS1)。ジョブを受信した場合(ステップS1でYES)、第1画像処理装置3は受信したジョブを処理するジョブ受信処理を実行する(ステップS3)。ジョブ受信処理(ステップS3)の具体的な処理手順については後述する。第1画像処理装置3がジョブを受信していない場合(ステップS1でNO)、ジョブ受信処理(ステップS3)をスキップする。
次に、第1画像処理装置3は、第2画像処理装置5からジョブの実行が終了したとの完了通知を受信したか否かを判定する(ステップS5)。第1画像処理装置3が完了通知を受信した場合(ステップS5でYES)、第1画像処理装置3は、ジョブの送信元であるユーザーに対して、第2画像処理装置5によりジョブが実行されたことを通知する実行済み通知を送信する(ステップS7)。第1画像処理装置3が完了通知を受信していない場合(ステップS5でNO)、ステップS7をスキップする。
次に、第1画像処理装置3は、会議モードを設定する操作入力を検知したか否かを判定する(ステップS9)。会議モードを設定する操作入力を検知した場合(ステップS9でYES)、会議モードを設定する会議モード設定処理を実行する(ステップS11)。会議モード設定処理の具体的な処理手順については後述する。会議モードを設定する操作入力を検知しなかった場合(ステップS9でNO)、会議モード設定処理(ステップS11)をスキップする。
次に第1画像処理装置3は、自機が移動中であるか否かを判定する(ステップS13)。自機が移動中である場合(ステップS13でYES)、センサー部12により環境情報を取得する環境情報取得処理(ステップS15)を実行する。環境情報取得処理(ステップS15)の具体的な処理手順については後述する。自機が移動中でない場合(ステップS13でNO)、環境情報取得処理(ステップS15)をスキップする。
次に第1画像処理装置3は、ユーザー登録情報70への登録を受け付け中であるか否かを判定する(ステップS17)。ユーザー登録情報70への登録を受け付け中である場合(ステップS17でYES)、申し込みに応じてユーザー登録情報70への登録を行うユーザー登録処理(ステップS19)を実行する。ユーザー登録処理(ステップS19)の具体的な処理手順については後述する。ユーザー登録情報70への登録を受付中でない場合(ステップS17でNO)、ユーザー登録処理(ステップS19)をスキップする。
さらに第1画像処理装置3は、会議モードをオフにする操作を検知したか否かを判定する(ステップS21)。会議モードをオフにする操作を検知した場合(ステップS21でYES)、会議モードを終了させる会議モード終了処理(ステップS23)を実行する。会議モード終了処理(ステップS23)の具体的な処理手順については後述する。最後に、第1画像処理装置3は、起動状態を終了させる終了指示を検知したか否かを判定し(ステップS25)、終了指示を検知した場合(ステップS25でYES),起動状態を終了させて処理を終了する。他方、終了指示を検知しない場合(ステップS25でNO)、ステップS1に戻り、終了指示を検知するまでステップS1乃至ステップS25の処理を繰り返し実行する。
図13は、ジョブ受信処理(図12のステップS3)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。第1画像処理装置3は、会議モードが設定されている状態であるか否かを判定する(ステップS40)。そして、会議モードが設定されている場合(ステップS40でYES)、次に第1画像処理装置3はジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されているユーザーであるか否かを判定する(ステップS42)。ユーザー登録情報70に登録されているユーザーである場合(ステップS42でYES),受信したジョブを実行して(ステップS44)ジョブ受信処理を終了させる。なお、ステップS40において会議モードが設定されていない場合(ステップS40でNO)も、ステップS44を実行してジョブ受信処理を終了させる。
ジョブの送信元がユーザー登録情報70に登録されているユーザーではない場合(ステップS42でNO)、位置管理サーバー7に対してジョブを受信した旨を通知する(ステップS46)。次に、第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7から第2画像処理装置5のIPアドレスなどの識別情報を受信する(ステップS48)と、受信した識別情報に対応する第2画像処理装置5に対して当該ジョブを送信して(ステップS50)処理を終了させる。
図14は、会議モード設定処理(図12のステップS11)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議モードを設定する操作入力を検知すると(図12のステップS9)、第1画像処理装置3は位置管理サーバー7へ会議モードに設定されることを通知する(ステップS100)。また、第1画像処理装置3は、この通知と共に初期位置情報74を位置管理サーバー7に送信する。次に、第1画像処理装置3はセンサー部12により環境情報を取得して(ステップS102)、条件情報76を参照して所定条件が成立するか否かを判定する(ステップS104)。条件が成立する場合(ステップS104でYES)、第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7に現在の位置を通知して(ステップS106)会議モード設定処理を終了する。
取得された環境情報に基づいて条件が成立しない場合(ステップS104でNO)、第1画像処理装置3は地図情報72を参照して(ステップS108)移動経路を決定する(ステップS110)。移動経路が決定されると、第1画像処理装置3は移動経路に基づいて移動を開始し(ステップS112)、会議モード設定処理を終了する。
図15は、環境情報取得処理(図12のステップS15)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。第1画像処理装置3は、移動を継続しながら環境情報を取得する(ステップS120)。次に第1画像処理装置3は、取得された環境情報に基づいて、条件情報76における所定条件が成立するか否かを判定する(ステップS122)。条件が成立する場合(ステップS122でYES)、第1画像処理装置3は移動を停止する(ステップS124)。そして、停止位置の位置情報を取得して位置管理サーバー7に当該位置情報を通知して(ステップS126)環境情報取得処理を終了する。他方、ステップS122において取得された環境情報に基づいて条件が成立しないと判定した場合(ステップS122でNO)、ステップS124及びステップS126をスキップして環境情報取得処理を終了する。
図16は、ユーザー登録処理(図12のステップS19)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。第1画像処理装置3は、ユーザーからユーザー登録申込を受信したか否かを判定する(ステップS140)。ユーザー登録申込を受信した場合(ステップS140でYES)、第1画像処理装置3はIPアドレスなどのユーザーの識別情報をユーザー登録情報70に登録してユーザー登録処理を終了する。他方、ユーザー登録申込を受信しなかった場合(ステップS140でNO)、ステップS142をスキップしてユーザー登録処理を終了する。
図17は、会議モード終了処理(図12のステップS23)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。会議モードを終了させる操作入力を検知すると(図12のステップS21)、第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7に対して会議モードが終了する旨を通知する(ステップS160)。次に、第1画像処理装置3は地図情報72を参照し(ステップS162)、停止位置から初期位置までの復帰経路を決定する(ステップS164)。復帰経路が決定されると、第1画像処理装置3はこの復帰経路に基づいて停止位置から初期位置へ移動して(ステップS166)会議モード終了処理を終了する。
次に、第2画像処理装置5において行われる処理手順を説明する。図18は、第2画像処理装置5により行われる主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。第2画像処理装置5は起動すると、まずジョブを受信したか否かを判定する(ステップS200)。ジョブを受信した場合(ステップS200でYES)、ジョブを実行するジョブ実行処理を行う(ステップS202)。ジョブ実行処理の具体的な処理手順については後述する。ジョブを受信しない場合(ステップS200でNO)、ジョブ実行処理(ステップS202)をスキップする。
次に第2画像処理装置5は、位置管理サーバー7から基準位置情報134の要求を受信したか否かを判定する(ステップS204)。基準位置情報134の要求を受信した場合(ステップS204でYES)、基準位置情報134を位置管理サーバー7に送信する位置情報送信処理を実行する(ステップS206)。位置管理サーバー7から基準位置情報134の要求を受信しない場合(ステップS204でNO)、位置情報送信処理(ステップS206)をスキップする。
次に第2画像処理装置5は、位置管理サーバー7から移動指示を受信したか否かを判定する(ステップS208)。位置管理サーバー7から移動指示を受信した場合(ステップS208でYES)、第2画像処理装置5は基準位置から初期位置へ移動する移動処理(ステップS210)を実行する。位置管理サーバー7から移動指示を受信しない場合(ステップS208でNO)、移動処理(ステップS210)をスキップする。
さらに第2画像処理装置5は、位置管理サーバー7から基準位置への復帰指示を受信したか否かを判定する(ステップS212)。復帰指示を受信した場合(ステップS212でYES)、第2画像処理装置5は基準位置情報134に基づき基準位置に移動する(ステップS214)。最後に、第2画像処理装置5は、起動状態を終了させる終了指示を検知したか否かを判定する(ステップS216)。終了指示を検知した場合(ステップS216でYES)、起動状態を終了させて処理を終了する。これに対して終了指示を受信しない場合(ステップS216でNO)、ステップS200に戻り、終了指示が検知されるまで、ステップS200からステップS216までの処理を繰り返し実行する。
図19は、ジョブ実行処理(図18のステップS202)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。第2画像処理装置5は、受信したジョブを実行する(ステップS240)。次に、実行されたジョブが第1画像処理装置3から送信されたジョブであるか否かを判定する(ステップS242)。第1画像処理装置3から受信したジョブである場合(ステップS242でYES)、第2画像処理装置5は、ジョブの実行が終了した旨を通知する完了通知を第1画像処理装置3に対して送信して(ステップS244)ジョブ実行処理を終了する。他方、第1画像処理装置3から受信したジョブではない場合(ステップS242でNO)、第2画像処理装置5はステップS244をスキップしてジョブ実行処理を終了する。
図20は、位置情報送信処理(図18のステップS206)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。位置管理サーバー7から基準位置情報134の要求を受信すると(図18のステップS204)、第2画像処理装置5は基準位置情報134を取得して(ステップS260)、取得された基準位置情報134を位置管理サーバー7に対して送信し(ステップS262)、位置情報送信処理を終了する。
図21は、移動処理(図18のステップS210)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。位置管理サーバー7から移動指示を受信すると(図18のステップS208でYES)、第2画像処理装置5は初期位置情報74も位置管理サーバー7から取得する(ステップS280)。初期位置情報74を取得すると、第2画像処理装置5は地図情報72を参照して(ステップS282)、初期位置への移動経路を決定する(ステップS284)。移動経路が決定されると、第2画像処理装置5は決定された移動経路に基づいて初期位置へ移動して(ステップS286)移動処理を終了する。
最後に、位置管理サーバー7において行われる処理手順を説明する。図22は、位置管理サーバー7において行われる主要な処理手順の一例を示すフローチャートである。位置管理サーバー7は、まず第1画像処理装置3から会議モードを設定する通知を受信したか否かを判定する(ステップS300)。会議モードを設定する通知を受信した場合(ステップS300でYES)、位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5を検出する装置検出処理を実行する(ステップS302)。装置検出処理(ステップS302)の具体的な処理手順については後述する。会議モードを設定する通知を受信していない場合(ステップS300でNO)、装置検出処理(ステップS302)をスキップする。
次に、位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3からジョブ受信通知を受信したか否かを判定し(ステップS304)、ジョブ受信通知を受信した場合(ステップS304でYES)、第2画像処理装置5にジョブを転送する転送指示を第1画像処理装置3に対して送信する(ステップS306)。位置管理サーバー7は、転送指示と共に、ジョブを転送する第2画像処理装置5のIPアドレスなどの識別情報を第1画像処理装置3に送信する。第1画像処理装置3からジョブ受信通知を受信していない場合(ステップS304でNO)、ステップS306をスキップする。
次に、位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3から会議モードを終了する通知を受信したか否かを判定する(ステップS308)。会議モードを終了する通知を受信した場合(ステップS308でYES)、位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5に対して基準位置に復帰する復帰指示を送信する(ステップS310)。そして、位置管理サーバー7はステップS300に戻り、ステップS300乃至ステップS310の各処理を繰り返し実行する。
図23は、装置検出処理(図22のステップS302)の具体的な処理手順の一例を示すフローチャートである。位置管理サーバー7は、第1画像処理装置3の初期位置情報74を取得する(ステップS320)。初期位置情報74は、会議モードを設定する通知と共に第1画像処理装置3から受信される。次に、位置管理サーバー7は、第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する(ステップS322)。第2画像処理装置5が複数である場合、位置管理サーバー7は、全ての第2画像処理装置5に対して基準位置情報134を要求する。
次に、第2画像処理装置5から基準位置情報134を受信すると、位置管理サーバー7は基準位置情報134を取得する(ステップS324)。基準位置情報134を取得すると、位置管理サーバー7は基準位置情報134と初期位置情報74に基づいて、複数の第2画像処理装置5のうち、初期位置に最も近い第2画像処理装置5を検出する(ステップS326)。最後に、位置管理サーバー7は、検出された第2画像処理装置5に対して、初期位置へ移動する移動指示を送信して(ステップS328)装置検出処理を終了する。
(変形例)
以上、本発明に関する実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態において説明した内容のものに限られるのではなく、種々の変形例が適用可能である。
上記実施形態において、位置管理サーバー7は、複数の第2画像処理装置5のうち、初期位置に最も近い第2画像処理装置5を検出する場合を示した。しかし、本発明はこれに限られず、位置管理サーバー7は、予め第2画像処理装置5の仕様情報を含んだ装置情報135を備えており、第1画像処理装置3からジョブを受信した旨の通知を受信すると、装置情報135を参照して第2画像処理装置各々の仕様情報を確認し、第1画像処理装置3が受信したジョブを実行可能な第2画像処理装置5を検出してもよい。第1画像処理装置3は、位置管理サーバー7に通知と共にジョブの属性情報も送信する。例えば、カラー印刷を行う印刷ジョブである場合、第1画像処理装置3はカラー印刷ジョブであるとの属性情報も位置管理サーバー7に送信する。第1画像処理装置3からの通知を受信すると、位置管理サーバー7は装置情報135を参照してカラー印刷ジョブを実行可能な第2画像処理装置5を検出する。これにより、第1画像処理装置3から転送されるジョブを確実に実行可能な第2画像処理装置5を検出できる。
上記実施形態において、第1画像処理装置3は移動経路R1に基づいて移動しながら環境情報を取得し、所定条件を充たすときに停止する場合を示した。本発明において、第1画像処理装置3はさらに、移動経路R1を移動中に所定条件を充たすことなく所定時間が経過すると、初期位置に移動して停止してもよい。或いは、第1画像処理装置3は、移動経路R1を移動中に所定条件を充たすことなく所定時間が経過すると、会議領域202近傍の所定位置に移動して停止してもよい。これにより、第1画像処理装置3の移動時間が長期化して会議の開始が遅延するのを防止できる。
また、上記実施形態において、所定のユーザーにより排他使用される状態の一例として、ユーザー登録情報70に登録されたユーザーのみにより使用可能な会議モードを示したが、これに限らず、所定のユーザーのみ使用可能な状態を広く含む。
さらに、上記実施形態において、第1の情報処理装置及び第2の情報処理装置の一例としてMFPなどの画像処理装置を示したが、本発明はこれに限らず、例えばロボットやパーソナルコンピュータ(PC)などを情報処理装置に含むものである。