(実施形態1)
以下、実施形態1に係る点灯装置及び照明器具について、図面を用いて説明する。
本実施形態の点灯装置1は、図1に示すように、電源部10と、制御部11と、光電変換部12と、安定化回路13と、を備えている。
電源部10は、後述の照明器具8(図4参照)の光源2に電力を供給する。電源部10は、一対の入力端子101、102と、一対の出力端子103、104とを含む。一対の入力端子101、102は、交流電源4に電気的に接続されている。電源部10には、交流電源4から、一対の入力端子101、102を介して、交流電圧が入力されている。電源部10は、例えば、図示しない力率改善回路と、降圧チョッパ回路と、電源制御回路とを有している。力率改善回路は、入力端子101、102から入力される交流電圧を、交流電圧のピーク値よりも高い電圧値を有する直流電圧に変換する。降圧チョッパ回路は、力率改善回路から出力される直流電圧の電圧値を、光源2の定格電圧以下の電圧値に降圧する。降圧チョッパ回路で降圧された直流電圧は、一対の出力端子103、104から光源2に出力される。光源2は、電源部10から直流電圧が印加されることで点灯する。電源制御回路は、力率改善回路を構成する半導体スイッチング素子をスイッチング制御して力率改善回路の出力電圧を定電圧化している。また、電源制御回路は、降圧チョッパ回路を構成する半導体スイッチング素子をスイッチング制御して光源2に流す電流を定電流化している。ただし、電源部10は、力率改善回路を有していなくてもよい。
光源2は、複数(図1では3個のみを図示)のLED(Light Emitting Diode)素子20の直列回路を有している。ただし、光源2を構成するLED素子20の個数は3個に限定されず、1〜2個又は4個以上であってもよい。また、光源2は、LED素子20に代えて、有機エレクトロルミネッセンス素子又はレーザーダイオード、あるいは蛍光ランプなどの放電ランプを有していてもよい。
安定化回路13は、交流電源4から抵抗14を介して入力端子131に入力される交流電圧を、5[V]〜3.3[V]程度の直流の制御電圧Vccに変換し、出力端子132から出力している。安定化回路13は、例えば、シリーズレギュレータ又はスイッチングレギュレータで構成されている。
光電変換部12は、例えば、フォトダイオード121と、抵抗122とを有している。フォトダイオード121のカソードは、安定化回路13の出力端子132に電気的に接続されている。抵抗122の一端はフォトダイオード121のアノードに電気的に接続されており、抵抗122の他端は接地されている。フォトダイオード121と抵抗122との間には、制御部11の入力端子111が電気的に接続されている。フォトダイオード121は、入射光量が大きいほど大きい直流電流を抵抗122に流す。これにより、抵抗122の両端電圧である直流電圧(電圧Vx1)は、入射光量が大きいほど大きくなる。つまり、光電変換部12は、入射光量が大きいほど大きい電圧Vx1(電気量)を有する検出信号を、制御部11に出力するように構成されている。
制御部11は、マイクロコンピュータ(マイコン)などにより構成されている。マイコンは、タイマ機能を有している。制御部11は、入力端子111から入力された電圧Vx1をデジタル量に変換するための図示しないA/Dコンバータを有している。制御部11は、電源端子112において、安定化回路13の出力端子132から電力の供給を受けている。制御部11の出力端子113は、電源部10の制御端子105に電気的に接続されている。
制御部11は記憶部115を備えている。記憶部115は、制御部11を動作させるためのプログラム並びに、第一閾値(点灯閾値)VT1、第三閾値VT3、消灯閾値ET1、差引電圧ΔV1(差引電気量)、差分値D1(所定値)、規定の時間Δt1及び所定時間Δt2を記憶している。
第一閾値VT1及び第三閾値VT3は、一日程度の短い期間においては一定の値である。消灯閾値ET1は、第一閾値VT1よりも大きい値である。第三閾値VT3は、第一閾値VT1よりも大きい値である。
第三閾値VT3は、消灯閾値ET1の初期値である。第三閾値VT3は、消灯閾値ET1として予め決められている。つまり、第三閾値VT3は、好ましくは、光源2からの光が光電変換部12のフォトダイオード121に入射しないことを前提に、光源2を消灯させるときの電圧Vx1として適当な値に決められている。すなわち、第三閾値VT3は、光源2が点灯しても、光源2からの光量に基づく電圧(差引電圧ΔV1)が光電変換部12において生じず、光源2が点灯する前後において電圧Vx1が変動しないことを前提に決められている。
差分値D1は、第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値である。規定の時間Δt1及び所定時間Δt2は、適宜設定されている。
制御部11は、記憶部115に記憶されたプログラムをマイコンのCPU(中央処理装置)が実行することにより、電源部10を制御して、光源2を点灯及び消灯させる。より詳細には、制御部11から出力されるハイレベル信号が電源部10に入力されることにより、電源部10の電源制御回路が力率改善回路及び降圧チョッパ回路を動作させて、光源2を点灯させる。すなわち、制御部11は、光源2を点灯状態にさせるように電源部10を制御する点灯制御を行う。また、制御部11から出力されるローレベル信号が電源部10に入力されることにより、電源部10の電源制御回路が力率改善回路及び降圧チョッパ回路を停止させて、光源2を消灯させる。すなわち、制御部11は、光源2を消灯状態にさせるように電源部10を制御する消灯制御を行う。制御部11は、電源部10に対する制御を、点灯制御から消灯制御へ、また、消灯制御から点灯制御へ切り替える。
検出信号は、光電変換部12から出力されて入力端子111に入力される。制御部11は、検出信号が有する電気量としての電圧Vx1に対応して、電源部10を制御する。制御部11が電源部10を制御することによる光源2の点灯及び消灯の制御方法を、図2のフローチャートと、図3A及び図3Bのタイムチャートとを参照して説明する。図3A及び図3Bの横軸は時刻を表し、図3A及び図3Bの縦軸は電圧を表す。時刻t1は日が沈み点灯装置1の周囲が暗くなる時刻を、時刻t3は日が昇り点灯装置1の周囲が明るくなる時刻を表す。また、図3A及び図3Bにおける実線は、それぞれ、光電変換部12において入射光量に応じて取得され制御部11に入力される電圧Vx1を示す。図3A及び図3Bにおける一点鎖線は、それぞれ、消灯閾値ET1を示す。
制御部11は、動作モードとして通常モードと強制点灯モードとを有し、これら2つのモード間で動作モードが切り替わる。電源をONすると(ステップS1)、制御部11は動作モードを通常モードに設定する(ステップS2)。通常モードにおいて制御部11は、光電変換部12から制御部11に出力される電圧Vx1に応じて、電源部10に対する制御を切り替えて行う。
通常モードにおいて、制御部11は、まず、ステップS3で、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替える。続いて、制御部11は、ステップS4で、差引電圧ΔV1をリセットする。差引電圧ΔV1とは、電圧Vx1から第一閾値VT1を引いた値である。
ステップS5において、制御部11は、光電変換部12から入力された電圧Vx1と第一閾値VT1とを比較する。電圧Vx1が第一閾値VT1を下回るときは、ステップS6において、制御部11は、電源部10に対する制御を点灯制御に切り替える。一方、ステップS5において、電圧Vx1が第一閾値VT1以上であるときは、制御部11は、ステップS5を繰り返し、消灯制御を継続し光源2を消灯させ続ける。
電圧Vx1は、日が沈み、光電変換部12のフォトダイオード121への入射光量が低下するにつれて徐々に低下する(時刻t0〜t1)。そして、ステップS5において電圧Vx1が第一閾値VT1を下回ると(時刻t1)、ステップS6において、制御部11は電源部10に対する制御を点灯制御に切り替え、光源2を点灯させる。
光源2が点灯すると、光源2から放射された光が光電変換部12のフォトダイオード121に入射するので、フォトダイオード121に入射する光量が増加し、電圧Vx1が増加する(時刻t2)。制御部11は、ステップS6で電源部10に対する制御を点灯制御に切り替えてから、ステップS7で差引電圧ΔV1を取得する。すなわち、光電変換部12は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける入射光量を検出して、入射光量に対応した電圧Vx1を取得し、当該電圧Vx1を有する検出信号を制御部11に出力する。制御部11は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときに光電変換部12で取得された電圧Vx1に基づいて、差引電圧ΔV1を取得する。つまり、制御部11は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける電圧Vx1から第一閾値VT1を引いた値として、差引電圧ΔV1を取得する。
その後、ステップS8において制御部11は、差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較する。差引電圧ΔV1が差分値D1よりも小さい場合は、制御部11はステップS9の処理を行う。一方、差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合及び差引電圧ΔV1が差分値D1と等しい場合は、制御部11は、ステップS12において、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替える。以下では、まず、差引電圧ΔV1が差分値D1よりも小さく、制御部11がステップS9の処理を行う場合について、図2及び図3Aを参照して説明する。
ステップS9では、制御部11は、消灯閾値ET1を設定する。具体的には、制御部11は、消灯閾値ET1を第二閾値VT2に設定する。第二閾値VT2は、第三閾値VT3と差引電圧ΔV1との和である。上述の通り、第三閾値VT3は、第一閾値VT1よりも大きい値であり、差引電圧ΔV1は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける電圧Vx1から第一閾値VT1を引いた値である。したがって、第二閾値VT2は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける電圧Vx1よりも大きい値である。
ステップS10において、制御部11は、電圧Vx1と消灯閾値ET1とを比較する。電圧Vx1が消灯閾値ET1以下であるときは、制御部11は、ステップS10を繰り返し、点灯制御を継続して光源2を点灯させ続ける(時刻t2〜t3)。一方、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回るとき(時刻t3)は、制御部11はステップS11の処理を行う。
ステップS11において、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1(時刻t3〜t4)続くと、制御部11は、ステップS3において、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替え、光源2を消灯させる(時刻t4)。規定の時間Δt1は、例えば15秒間である。一方、ステップS11において、規定の時間Δt1の間に電圧Vx1が第一閾値VT1以下になると、制御部11の処理はステップS10に戻る。つまり、制御部11は、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回ったとき(時刻t3)でも、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1続くまで(時刻t3〜t4)、点灯制御を続ける。
ところで、光源2を構成するLED素子20の光量には、個々のLED20素子の個体差や温度特性などに起因したばらつきがある。したがって、光源2から放射されて光電変換部12のフォトダイオード121に入射する光量にも、ばらつきが生じるので、光電変換部12において入射光量に応じて生じる電圧Vx1にも、ばらつきが生じる。また、点灯装置1及び光源2の周囲の状況によっても、光電変換部12のフォトダイオード121に入射する光量にばらつきが生じる。例えば、点灯装置1及び光源2の周囲に白壁のように光反射率が大きい物がある場合は、光源2から放射された光が点灯装置1及び光源2の周囲で反射して、光電変換部12のフォトダイオード121に入射する光量が標準的な値の範囲よりも大きくなることがある。また、点灯装置1及び光源2に雪が付着している場合には、光源2から放射された光が雪により反射して、光電変換部12のフォトダイオード121に入射する光量が一時的に増加することがある。以上の通り、光源2が点灯したとき(時刻t2)、電圧Vx1は、光源2の性能及び点灯装置1と光源2との周囲環境等によってばらつきが生じる。
上記の通り、点灯装置1において制御部11は、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1続いたとき、光源2を消灯させ、電圧Vx1が第一閾値VT1を下回ったとき、光源2を点灯させる。ここで、消灯閾値が一定である場合を想定する。また、光電変換部から制御部に出力される電圧は、光源2が点灯したときに点灯前よりも増加するので、消灯閾値は、光源2が点灯したときに光電変換部から制御部に出力される電圧として想定される標準的な値の範囲を考慮して、一定の値に設定されているとする。光源2が点灯したときに、光源2の性能及び点灯装置と光源2との周囲環境等によっては、光電変換部から制御部に出力される電圧が標準的な値の範囲よりも大きくなり、当該電圧が消灯閾値を上回ることがある。当該電圧が消灯閾値を上回ると、制御部は光源2を消灯させるので、光源2から放射される光が光電変換部のフォトダイオードに入射されなくなり、光電変換部から制御部に出力される電圧は低下する。これにより、当該電圧が第一閾値を下回るので、制御部は光源2を再び点灯させる。このように、光源2が点灯したときに光電変換部から制御部に出力される電圧が標準的な値の範囲よりも大きい場合、光源2が点滅を繰り返してしまう可能性がある。
そこで、本実施形態における制御部11は、ステップS6で点灯制御を行って光源2を点灯させると(時刻t2)、ステップS9において、消灯閾値ET1を、第三閾値VT3と差引電圧ΔV1との和である第二閾値VT2に設定する。制御部11は、設定された消灯閾値ET1に基づいて、ステップS10、S11において電圧Vx1と消灯閾値ET1とを比較する(時刻t2〜t4)。電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1(時刻t3〜t4)の間続くと、ステップS3で、制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替える(時刻t4)。
上記の通り、制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御から点灯制御に切り替えて光源2が消灯状態から点灯状態になったとき、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替える前に、差引電圧ΔV1に応じて消灯閾値ET1を設定する。光源2が点灯したとき(時刻t2)の電圧Vx1が大きいと、差引電圧ΔV1も大きいので、消灯閾値ET1も大きく設定される。これにより、光源2が点灯したとき(時刻t2)の電圧Vx1が標準的な値の範囲よりも大きい場合であっても、光源2が点滅を繰り返してしまうことを抑制することができる。
また、消灯閾値が一定である場合を再び想定する。光源2が点灯したときに光電変換部から制御部に出力される電圧が標準的な値の範囲よりも小さい場合は、光源2自身の光量に起因しない点灯装置の周りからの光量が十分であるにも関わらず、当該電圧が消灯閾値よりも小さい場合がある。その場合は、光源2自身の光量に起因しない点灯装置の周りからの光量が十分であるにも関わらず、制御部は光源2を消灯させない。
これに対して、本実施形態の点灯装置1では、光源2が点灯したとき(時刻t2)の電圧Vx1が小さいと、差引電圧ΔV1も小さいので、消灯閾値ET1も小さく設定される。これにより、光源2が点灯したとき(時刻t2)の電圧Vx1が標準的な値の範囲よりも小さい場合であっても、制御部11は、光源2を消灯させる制御をより安定的に行うことができる。
次に、ステップS8において差引電圧ΔV1が差分値D1より大きく、又は、差引電圧ΔV1が差分値D1と等しく、制御部11がステップS12の処理を行い動作モードを強制点灯モードに切り替えた場合について、図2及び図3Bを参照して説明する。
強制点灯モードにおいて制御部11は、電圧Vx1の大きさに関係なく、電源部10に対する制御(点灯制御及び消灯制御)を行う。制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えてから所定時間Δt2の間は、電圧Vx1と消灯閾値ET1とを比較する処理(ステップS10、S11)を行わない。したがって、制御部11は、所定時間Δt2の間は、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続して、光源2を点灯させ続ける(ステップS13)。所定時間Δt2は、例えば1時間である。ステップS13において、制御部11は、マイコンが有するタイマ機能により所定時間Δt2が経過したことを検出すると(時刻t5)、ステップS2において、動作モードを通常モードに切り替える。ステップS3において、制御部11は、電圧Vx1と消灯閾値ET1とを比較する処理(ステップS10、S11)を行ったか否かにも、電圧Vx1の大きさにも関係なく、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替え、光源2を消灯させる。
次に、本実施形態に係る照明器具8について、図4を参照して説明する。照明器具8は、いわゆる防犯灯であり、地面に立てられる支柱50(電力柱又は鋼管ポール)又は建物の外壁などに取り付けられる。ただし、照明器具8は防犯灯に限定されず、防犯灯以外の照明器具、例えば、道路灯又は街路灯などであってもよい。
照明器具8は、器具本体80と、グローブ81と、アーム82と、点灯装置1(図1参照)と、光源2(図1参照)とを備えている。器具本体80は、合成樹脂により、前面が開口した長尺の矩形箱状に形成されている。グローブ81は、透光性を有する合成樹脂(例えば、アクリル樹脂)により、半円筒状に形成されている。グローブ81は、長手方向の一端部(図4における上端部)に一対のヒンジ部810を有している。一対のヒンジ部810は、半円筒状に形成されており、器具本体80の長手方向の一端部(図4における上端部)に設けられている一対の軸に引っ掛けられている。つまり、グローブ81は、器具本体80の前面開口を塞ぐ閉位置(図4に示す位置)と、器具本体80の前面開口を開放する開位置との間で回転可能に、器具本体80に取り付けられている。グローブ81は、グローブ81の長手方向におけるヒンジ部810側とは反対側の端部(図4における下端部)において、器具本体80にねじ止めされることにより、閉位置に固定されている。
点灯装置1(図1参照)及び光源2(図1参照)は、器具本体80内に収容されている。点灯装置1は、器具本体80内の長手方向の先端(上端)付近に配置されている。光源2は、器具本体80内の下端付近に配置され、器具本体80に支持されている。また、光電変換部12(図1参照)のフォトダイオード121は、点灯装置1の上端付近に配置されている。すなわち、フォトダイオード121と光源2との間には、点灯装置1におけるフォトダイオード121とは異なる構成(例えば、電源部10及び制御部11)が配置されており、フォトダイオード121は、光源2から離れて設けられている。光源2から放射される光は、グローブ81を透過して照明器具8の外部に取り出される。
アーム82は、固定部821を有している。固定部821は、長尺の矩形平板状に形成されている固定板8210と、固定板8210の長手方向に沿った両端縁から固定板8210の厚み方向に立ち上がる一対(図4では1つのみを図示)の側壁8211とを有している。
固定部821の固定板8210は、だるま孔からなる第一ねじ挿通孔8212と、図示しない丸孔からなる第二ねじ挿通孔と、図示しない半円状のねじ挿通溝とを有している。また、固定部821の一対の側壁8211には、矩形の挿通孔8215がそれぞれ設けられている。
アーム82の固定部821は、取付金具9を介して支柱50に固定される。取付金具9は、鋼板などの板材により形成されている。取付金具9は、矩形平板状の取付板90と、取付板90の長手方向に沿った両端縁から取付板90の厚み方向に立ち上がる一対の側板91とを有する角樋状に形成されている。取付板90には、図示しない3つのねじ孔が設けられている。また、一対の側板91には、矩形の取付孔910がそれぞれ設けられている。
続いて、照明器具8の施工手順を説明する。まず、施工作業を行う作業者は、取付金具9の各側板91の取付孔910に通した取付バンド92を支柱50に巻くことで、取付金具9を支柱50に固定する。続いて、作業者は、取付金具9に、支柱50側とは反対側からアーム82の固定部821を被せる。それから、作業者は、3本のねじ93、94、95を、固定部821の第一ねじ挿通孔8212、第二ねじ挿通孔、ねじ挿通溝に通し、さらに、取付金具9の取付板90の3つのねじ孔にねじ込む。このように、照明器具8は、取付金具9を介して支柱50に取り付けられる。ただし、作業者は、取付金具9を用いずに、アーム82の固定部821に設けられている挿通孔8215に取付バンド92を通し、固定部821を直接、支柱50に固定することにより、照明器具8を支柱50に取り付けることもできる。
上記の通り、本実施形態に係る点灯装置1は、電源部10と、制御部11と、光電変換部12と、を備える。電源部10は、光源2に電力を供給する。制御部11は、電源部10に対する制御を、点灯制御及び消灯制御に切り替えて行う。制御部11は、点灯制御において、光源2を点灯状態にさせるように電源部10を制御する。制御部11は、消灯制御において、光源2を消灯状態にさせるように電源部10を制御する。光電変換部12は、入射光量が大きいほど大きい電気量(電圧Vx1)を有する検出信号を制御部11に出力する。制御部11は、動作モードとして、通常モードと、強制点灯モードとを有する。制御部11は、通常モードにおいて、電圧Vx1に応じて制御を切り替えて行う。制御部11は、強制点灯モードにおいて、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を行う。制御部11は、動作モードが通常モードであって、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回ったとき、制御を消灯制御に切り替える。制御部11は、さらに、動作モードが通常モードであって、電圧Vx1が第一閾値VT1を下回ったとき、制御を点灯制御に切り替え、差引電気量(差引電圧ΔV1)が所定値(差分値D1)よりも小さい場合、消灯閾値ET1を第二閾値VT2に設定し、差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替える。第一閾値VT1は、消灯閾値ET1よりも小さい値である。差引電圧ΔV1は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける電圧Vx1から第一閾値VT1を引いた値である。第二閾値VT2は、光源2が消灯状態から点灯状態となったときにおける電圧Vx1よりも大きい値である。
点灯装置1において、光源2から放射されて光電変換部12へ入射する光量は、光源2からの光量の増減、又は、点灯装置1及び光源2の周囲に光反射率が高い物があること等の周囲環境等により増減する。点灯装置1において電気量(電圧Vx1)は、光源2から放射されて光電変換部12へ入射する光量と、光源2自身の光量に起因しない点灯装置1の周りから光電変換部12へ入射する光量との両方に対応する。上記の点灯装置1では、制御部11は、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回ったとき、光源2を消灯させる。
もし、消灯閾値が一定値であると、制御部は、光電変換部への入射光量に応じて光源2を消灯させる制御を、安定して行うことができない場合がある。つまり、光源2から光電変換部へ入射する光量が、標準的な値に基づく設計値よりも大きいときは、光源2自身の光量に起因しない点灯装置の周りからの光量が十分でないにも関わらず、光電変換部から制御部へ出力される電気量が消灯閾値を上回る場合がある。その場合、制御部は光源2を消灯させるという誤動作をする。あるいは、光源2から光電変換部へ入射する光量が設計値よりも小さいときは、光源2自身の光量に起因しない点灯装置の周りからの光量が十分であるにも関わらず、光電変換部から制御部へ出力される電気量が消灯閾値よりも小さい場合がある。その場合、光源2自身の光量に起因しない点灯装置の周りからの光量が十分であるにも関わらず、制御部は光源2を消灯させない。
それに対して、本実施形態の点灯装置1では、制御部11は、光源2が点灯したときにおける差引電気量(差引電圧ΔV1)が所定値(差分値D1)よりも小さい場合、消灯閾値ET1を第二閾値VT2に設定する。第二閾値VT2は、光源2が点灯したときにおける電気量(電圧Vx1)よりも大きい値である。すなわち、制御部11は、電圧Vx1の大小に応じて消灯閾値ET1を設定する。したがって、消灯閾値ET1が一定である場合に比べて、制御部11は、光電変換部12への入射光量に応じて光源2を消灯させる制御を、より安定して行うことができる。
さらに、点灯装置1において制御部11は、光源2が点灯したときにおける差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続し、光源2を点灯させ続ける。したがって、点灯装置1に雪が付着するなど、点灯装置1が異常な状況にあることによって、差引電圧ΔV1が差分値D1より大きい場合に、電圧Vx1が変動しても、光源2を点滅させることなく、より安定して点灯させ続けることができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えてから所定時間Δt2が経過すると、動作モードを通常モードに切り替える。
すなわち、点灯装置1において制御部11は、点灯装置1が異常な状況にあること等によって、動作モードを強制点灯モードに切り替えてから所定時間Δt2が経過すると、動作モードを通常モードに戻す。したがって、通常モードに戻ったときに点灯装置1の異常な状況等が解消されていた場合には、制御部11は、通常モードで、光電変換部12への入射光量に応じて光源2を消灯させることができるので、より安定した制御を行うことができる。また、通常モードに戻ったときに依然として点灯装置1が異常な状況にあって差引電気量(差引電圧ΔV1)が所定値(差分値D1)より大きい場合は、再び強制点灯モードに切り替わり、光源2を点滅させることなく、より安定して点灯させ続けることができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えてから所定時間Δt2が経過すると、電気量(電圧Vx1)の大きさに関係なく制御を消灯制御に切り替え、動作モードを通常モードに切り替える。
上記の通り、点灯装置1において制御部11は、強制点灯モードに切り替えてから所定時間Δt2が経過すると、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替えて、光源2を消灯させる。つまり、制御部11は、消灯閾値ET1が大きく設定されていたとしても、確実に光源2を消灯させる。制御部11が光源2を消灯させた時又はその後、電気量(電圧Vx1)が第一閾値VT1を下回ると、制御部11は点灯制御により光源2を点灯させ、そのときの電圧Vx1に応じて消灯閾値ET1を設定する。これにより、制御部11は、強制点灯モードから通常モードに切り替えたときに点灯制御を継続して消灯閾値ET1をそのときの電圧Vx1に応じて設定しない場合よりも、点灯制御から消灯制御への切り替えをより精度よく行うことができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、第二閾値VT2は、第三閾値VT3と、差引電気量(差引電圧ΔV1)との和である。第三閾値VT3は、第一閾値VT1よりも大きい値であって、消灯閾値ET1として予め決められている。
上記の通り、第二閾値VT2は、第三閾値VT3と、光源2が消灯状態から点灯状態になったときにおける電気量(電圧Vx1)から第一閾値VT1を引いた値(差引電圧ΔV1)との和である。第三閾値VT3は、第一閾値VT1よりも大きい値であって、消灯閾値ET1として予め決められている。このように決められた第二閾値VT2へと、消灯閾値ET1が設定される。つまり、消灯閾値ET1と、光源2が消灯状態から点灯状態になったときにおける電圧Vx1との差を、電圧Vx1の大きさに関わらず、第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値として一定に保つことができる。したがって、消灯状態であった光源2が点灯状態になってから、電圧Vx1が、第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値だけ増加するという、制御部11により消灯制御が行われるための条件を、電圧Vx1の大きさに関わらず維持することができる。つまり、制御部11は、更に安定的な消灯制御を行うことができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、所定値(差分値D1)は、第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値である。第三閾値VT3は、第一閾値VT1よりも大きい値であって消灯閾値ET1として予め決められている。
上記の通り、所定値(差分値D1)は第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値として決められるので、第一閾値VT1及び第三閾値VT3を変更した場合であっても、それに対応して、所定値(差分値D1)を直ちに1つの値に決めることができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、制御部11は、動作モードが通常モードであって、電気量(電圧Vx1)が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1続いたとき、制御を消灯制御に切り替える。
上記の通り、点灯装置1において制御部11は、通常モードにおいて、電気量(電圧Vx1)が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1続くまで、光源2を消灯させない。したがって、光電変換部12への入射光量の増加の原因が、例えば、日が昇り点灯装置1の周りが明るくなるなど継続的な原因ではなく、一時的な原因である場合に、制御部11が光源2を消灯させることを抑制することができる。
また、上記の通り、本実施形態に係る照明器具8は、点灯装置1と、光源2と、器具本体80と、を備える。器具本体80は、光源2を支持する。
上記の構成により、照明器具8の制御部11は、電気量(電圧Vx1)の大小に応じて消灯閾値ET1を設定するので、消灯閾値ET1が一定である場合に比べて、光電変換部12への入射光量に応じて光源2を消灯させる制御を、より安定して行うことができる。さらに、照明器具8において制御部11は、光源2が点灯したときにおける差引電気量(差引電圧ΔV1)が所定値(差分値D1)よりも大きい場合、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続し、光源2を点灯させ続ける。したがって、差引電圧ΔV1が差分値D1より大きい場合に、電圧Vx1が変動しても、制御部11は、光源2を点滅させることなく、より安定して点灯させ続けることができる。
なお、上記の通り、制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えると、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続して光源2を点灯させ続ける(ステップS13)。そして、規定の時間Δt1が経過すると、動作モードを通常モードに切り替え(ステップS2)、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替えて、光源2を消灯させる(ステップS3)。強制点灯モードにおいて、制御部11は、規定の時間Δt1が経過してからではなく、所定の条件が満たされたときに、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替えて光源2を消灯させるように構成されていてもよい。所定の条件とは、例えば、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回ることである。あるいは、所定の条件とは、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1続くことである。あるいは、所定の条件とは、所定の時刻になること、又は、制御部11に特定の信号が入力されること等である。つまり、制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えてから、規定の時間Δt1が経過しても、電源部10に対する制御を消灯制御に必ずしも切り替えなくてもよい。また、制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えてから、規定の時間Δt1が経過したとき、動作モードを通常モードに切り替えなくてもよい。
また、第二閾値VT2は、第三閾値VT3と、光源2が消灯状態から点灯状態になったときにおける差引電圧ΔV1との和でなくてもよい。つまり、光源2が消灯状態から点灯状態になったときにおける差引電圧ΔV1が差分値D1よりも小さい場合、第二閾値VT2は、光源2が消灯状態から点灯状態になったときにおける電圧Vx1よりも大きい値に設定されればよい。また、消灯閾値ET1は、そのような第二閾値VT2に設定されればよい。
また、本実施形態では、所定値(差分値D1)は、第三閾値VT3から第一閾値VT1を引いた値であるが、所定値は異なる方法によって求められる値であってもよいし、一定の値であってもよい。
また、制御部11は、通常モードにおいて、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回る状態が規定の時間Δt1の間続いているか否かを判定するステップS11を省略してもよい。すなわち、ステップS10において、電圧Vx1が消灯閾値ET1を上回ったとき、制御部11は直ちに電源部10に対する制御を消灯制御に切り替え、光源2を消灯してもよい。
また、光電変換部12から制御部11へ出力される電気量は、電圧Vx1に限定されない。例えば、電気量は、光電変換部12のフォトダイオード121に光が入射して生じる電流であってもよい。
また、規定の時間Δt1及び所定時間Δt2は、本実施形態とは異なる値であってもよい。
また、ステップS8において、差引電圧ΔV1が差分値D1と等しい場合は、制御部11は、通常モードで電源部10に対する制御を行ってもよいし、動作モードを強制点灯モードに切り替えてもよい。
上記の各変形例であっても、点灯装置1において制御部11は、消灯閾値ET1が一定である場合に比べて、光電変換部12への入射光量に応じて光源2を消灯させる制御を、より安定して行うことができる。さらに、差引電気量が所定値より大きい場合に、電気量が変動しても、制御部11は、光源2を点滅させることなく、より安定して点灯させ続けることができる。
(実施形態2)
次に、実施形態2に係る点灯装置について、図1、5を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
本実施形態の点灯装置1では、制御部11の動作モードが通常モードのときのステップS1〜S11における処理は、実施形態1の点灯装置1と同じである。
本実施形態の点灯装置1では、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときに、光源2を点滅させる。これにより、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを光源2に報知させる。光源2は、報知部に相当する。以下、より詳細に説明する。
ステップS8において、制御部11は、差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較する。差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合及び差引電圧ΔV1が差分値D1と等しい場合は、ステップS14〜ステップS17において、制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御と点灯制御とに交互に切り替えて、光源2を点滅させる。
ステップS14において、制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替え、光源2を消灯させる。制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替えてから一定時間(500ms)が経過すると、ステップS15において、電源部10に対する制御を点灯制御に切り替え、光源2を点灯させる。制御部11は、電源部10に対する制御を点灯制御に切り替えてから一定時間(500ms)が経過すると、ステップS16において、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替え、光源2を消灯させる。さらに、制御部11は、電源部10に対する制御を消灯制御に切り替えてから一定時間(500ms)が経過すると、ステップS17において、電源部10に対する制御を点灯制御に切り替え、光源2を点灯させる。その後、ステップS12において、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替える。制御部11の動作モードが強制点灯モードのときの処理は、実施形態1の点灯装置1におけるステップS12、S13と同じである。
このように、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを光源2に報知させる。したがって、照明器具8の施工時などに、作業者は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えの発生を容易に知ることができる。これにより、照明器具8の動作確認がより容易になる。
以上説明したように、本実施形態に係る点灯装置1において、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを報知部(光源2)に報知させる。
上記の構成によれば、使用者は、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えの発生を、より容易に知ることができる。
また、本実施形態に係る点灯装置1において、報知部は、光源2である。制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードへ切り替えるときに、光源2を点滅させることにより、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを光源2に報知させる。
上記の構成によれば、報知部は光源2なので、報知部として追加の部材の発生を抑えつつ、使用者は、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えの発生を容易に知ることができる。
なお、本実施形態の制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替える前に光源2に消灯と点灯とを2回繰り返させるが、消灯と点灯との繰り返し数は1回であってもよいし、3回以上であってもよい。また、この際に、本実施形態の制御部11は、500ms(一定時間)ごとに光源2に消灯と点灯とを繰り返させるが、500msは一例であり、制御部11が光源2を消灯又は点灯させる時間の長さは500msに限定されない。また、この際に、制御部11が光源2を点灯させる時間の長さと消灯させる時間の長さとが異なっていてもよい。また、この際に、制御部11が1回目、2回目、3回目、…に光源2を点灯(又は消灯)させる時間の長さが互いに異なっていてもよい。
また、本実施形態の制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替える前に光源2(報知部)を点滅させるが、制御部11が光源2を点滅させるタイミングはこれとは異なってもよい。制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えるタイミングと同時に光源2を点滅させてもよいし、動作モードを強制点灯モードに切り替えた後に光源2を点滅させてもよい。制御部11は、少なくとも差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較した後(ステップS8より後)に、光源2を点滅させる。これらの場合であっても、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを光源2に報知させることができる。
(実施形態3)
次に、実施形態3に係る点灯装置について、図6、7を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
光源2の複数(図6では3個)のLED素子をそれぞれLED素子20a、20b、20cとする。LED素子20a、20b、20cはそれぞれ、単位光源に相当する。LED素子20a、20b、20cは、実施形態1の3個のLED素子20(図1参照)と同一の構成である。
点灯装置1aは、LED素子20cに並列に設けられているスイッチ21を更に備えている。制御部11が点灯制御を行っているとき、スイッチ21が閉じていると、LED素子20cの両端が短絡し、LED素子20cは消灯する。制御部11が点灯制御を行っているとき、スイッチ21が開いていると、LED素子20cは点灯する。スイッチ21は例えば、半導体素子を用いた無接点リレーである。制御部11は、スイッチ制御端子114からスイッチ21へ出力する制御信号をハイレベル信号とローレベル信号とに切り替えることにより、スイッチ21を開閉する。なお、スイッチ21は、電磁リレーなどの有接点リレーであってもよい。
図7に示すように、本実施形態の点灯装置1aでは、制御部11の動作モードが通常モードのときのステップS1〜S11における処理は、実施形態2の点灯装置1の処理と同じである。
本実施形態の点灯装置1aでは、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときに、LED素子20cを消灯させる。これにより、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをLED素子20cに報知させる。LED素子20cは、報知部に相当する。以下、より詳細に説明する。
ステップS8において、制御部11は、差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較する。差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合及び差引電圧ΔV1が差分値D1と等しい場合は、ステップS18において、制御部11は、スイッチ21を閉じてLED素子20cを消灯させる。その後、ステップS12において、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替える。強制点灯モードにおいて、制御部11は、所定時間Δt2(1時間)の間は、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続して、LED素子20a、20bを点灯させ続ける(ステップS13)。ステップS12、S13の間、スイッチ21は閉じており、LED素子20cは消灯したままである。
所定時間Δt2が経過すると、ステップS19において、制御部11は、スイッチ21を開いてLED素子20cを点灯させる。その後、ステップS2において、制御部11は、動作モードを通常モードに切り替える。
以上説明したように、本実施形態に係る点灯装置1aにおいて、光源2は、複数の単位光源(LED素子20a、20b、20c)を含む。報知部は、複数の単位光源のうちの一部である少なくとも1つの単位光源(LED素子20c)である。制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードへ切り替えるときに、少なくとも1つの単位光源を消灯させることにより、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを少なくとも1つの単位光源に報知させる。
上記の構成によれば、報知部は光源2に含まれる少なくとも1つの単位光源(LED素子20c)なので、報知部として追加の部材の発生を抑えつつ、使用者は、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えの発生を容易に知ることができる。
なお、本実施形態の制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替える前にLED素子20c(報知部)を消灯させるが、制御部11がLED素子20cを消灯させるタイミングはこれとは異なっていてもよい。制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えるタイミングと同時にLED素子20cを消灯させてもよいし、動作モードを強制点灯モードに切り替えた後にLED素子20cを消灯させてもよい。制御部11は、少なくとも差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較した後(ステップS8より後)に、LED素子20cを消灯させる。これらの場合であっても、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをLED素子20cに報知させることができる。
また、制御部11は、動作モードが強制点灯モードである間を通してLED素子20cを消灯させ続けてもよい。あるいは、制御部11は、動作モードが強制点灯モードになってから、所定時間Δt2より短いあらかじめ決められた時間が経過すると、LED素子20cを点灯させてもよい。
また、LED素子20a、20bを点灯させたままLED素子20cだけを消灯させる方法は、スイッチ21を開閉することによる方法に限定されない。例えば、電源部10において、LED素子20cに電力を供給する端子が、LED素子20a、20bに電力を供給する端子とは別に設けられてもよい。このとき、制御部11は、電源部10の出力を制御して、LED素子20cだけを消灯させることができる。
また、本実施形態では光源2がLED素子20a、20b、20cの3つを含む場合について説明したが、LED素子の数は3つに限定されず、2つであってもよいし、4つ以上であってもよい。さらに、複数のLED素子のうち、制御部11が動作モードを強制点灯モードに切り替えるときに制御部11により消灯させられるLED素子の数は、1つであってもよいし、複数のLED素子の数より少なければ、2つ以上であってもよい。
また、LED素子20a、20b、20cの各々に代えて、有機エレクトロルミネッセンス素子、レーザーダイオード、又は蛍光ランプなどの放電ランプを用いてもよい。
(実施形態4)
次に、実施形態4に係る点灯装置及び照明器具について、図8〜10を参照して説明する。なお、実施形態1と同一の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図8に示すように、本実施形態の点灯装置1bは、パイロットランプ16を更に備えている。パイロットランプ16は、例えばLED素子により構成されている。パイロットランプ16は、光源2とは別個の構成である。パイロットランプ16は、制御部11の一対の出力端子116、117から直流電力の供給を受けて点灯する。制御部11は、パイロットランプ16が点灯した状態とパイロットランプ16が消灯した状態とを切り替える。つまり、制御部11は、パイロットランプ16の発光状態を切り替える。パイロットランプ16は、例えば、複数のLED素子20と共に基板に実装されている。図9に示すように、パイロットランプ16は、グローブ81bに形成された開口部に嵌め込まれており、パイロットランプ16の発光面が照明器具8bの外部に露出している。
図10に示すように、本実施形態の点灯装置1bでは、制御部11の動作モードが通常モードのときのステップS1〜S11における処理は、実施形態2の点灯装置1の処理と同じである。
本実施形態の点灯装置1bでは、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときに、パイロットランプ16の発光状態を消灯状態から点灯状態へ切り替える。これにより、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをパイロットランプ16に報知させる。パイロットランプ16は、報知部に相当する。以下、より詳細に説明する。
制御部11は、動作モードが通常モードのとき、パイロットランプ16を消灯させている。ステップS8において、制御部11は、差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較する。差引電圧ΔV1が差分値D1よりも大きい場合及び差引電圧ΔV1が差分値D1と等しい場合は、ステップS20において、制御部11は、パイロットランプ16を点灯させる。その後、ステップS12において、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替える。強制点灯モードにおいて、制御部11は、所定時間Δt2(1時間)の間は、電圧Vx1の大きさに関係なく点灯制御を継続して、光源2を点灯させ続ける(ステップS13)。
所定時間Δt2が経過すると、ステップS21において、制御部11は、パイロットランプ16を消灯させる。その後、ステップS2において、制御部11は、動作モードを通常モードに切り替える。
以上説明したように、本実施形態に係る点灯装置1bにおいて、報知部は、光源2とは別個のパイロットランプ16である。制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードへ切り替えるときに、パイロットランプ16の発光状態を切り替えることにより、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをパイロットランプ16に報知させる。
上記の構成によれば、報知部は光源2とは別個のパイロットランプ16なので、光源2の光量を変化させることなく、使用者は、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えの発生を容易に知ることができる。
なお、本実施形態の制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替える前にパイロットランプ16(報知部)を点灯させるが、制御部11がパイロットランプ16を点灯させるタイミングはこれとは異なっていてもよい。制御部11は、動作モードを強制点灯モードに切り替えるタイミングと同時にパイロットランプ16を点灯させてもよいし、動作モードを強制点灯モードに切り替えた後にパイロットランプ16を点灯させてもよい。制御部11は、少なくとも差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較した後(ステップS8より後)に、パイロットランプ16を点灯させる。これらの場合であっても、制御部11は、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをパイロットランプ16に報知させることができる。
また、制御部11は、動作モードが強制点灯モードである間を通してパイロットランプ16を点灯させてもよい。あるいは、制御部11は、動作モードが強制点灯モードになってから、所定時間Δt2より短いあらかじめ決められた時間が経過すると、パイロットランプ16を消灯させてもよい。
また、制御部11は、動作モードが通常モードのときパイロットランプ16を点灯させ、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときにパイロットランプ16を消灯させてもよい。あるいは、点灯装置1bに互いに色の異なるパイロットランプ16を複数設け、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときに、これら複数のパイロットランプ16の点灯状態と消灯状態とを切り替えてもよい。例えば、点灯装置1bは、緑色のパイロットランプ16と赤色のパイロットランプ16とを備えていてもよい。このとき、制御部11は、動作モードが通常モードのときは緑色のパイロットランプ16のみを点灯させ、動作モードを強制点灯モードに切り替えるときに赤色のパイロットランプ16のみを点灯させてもよい。あるいは、制御部11は、動作モードを通常モードから強制点灯モードに切り替えるときに、パイロットランプ16を点滅させたり、パイロットランプ16の明るさを変化させたりしてもよい。つまり、制御部11は、パイロットランプ16の発光状態を切り替えることにより、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えをパイロットランプ16に報知させればよい。
また、パイロットランプ16は、照明器具8bの構成の一部としてではなく、照明器具8bとは別に設けられていてもよい。
また、パイロットランプ16は、制御部11ではなく電源部10から電力の供給を受けてもよい。すなわち、制御部11は、電源部10によるパイロットランプ16への電力供給を制御して、電源部10にパイロットランプ16を点灯・消灯させてもよい。
また、パイロットランプ16は、LED素子により構成されていることに限定されない。例えば、パイロットランプ16として、有機エレクトロルミネッセンス素子、レーザーダイオード、又は、ネオンランプ若しくは蛍光ランプなどの放電ランプを用いてもよい。
なお、実施形態2〜4でも、実施形態1と同様の変形が可能である。
また、報知部の構成は、実施形態2〜4で示した構成に限定されない。例えば報知部は、コントローラの液晶表示部などであって、制御部11の指示により、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを視覚的に報知してもよい。あるいは報知部は、スピーカであって、制御部11の指示により、制御部11の動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを音声により報知してもよい。これらの場合に、制御部11が動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを報知部に報知させるタイミングは、動作モードを強制点灯モードに切り替える前後でもよいし、動作モードを強制点灯モードに切り替えるタイミングと同時でもよい。
また、報知部は、点灯装置1(1a、1b)の構成に含まれていてもよいし、含まれていなくてもよい。
また、制御部11は、少なくとも差引電圧ΔV1と差分値D1とを比較した後(ステップS8より後)であって、動作モードを強制点灯モードに切り替えるタイミング(ステップS12)の数秒後までの間に、動作モードの通常モードから強制点灯モードへの切替えを報知部に報知させることが好ましい。
なお、以上説明した実施形態は本発明の一例である。このため、本発明はこれらの実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変形が可能である。