JP2018098123A - 蓄電デバイス - Google Patents

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Abstract

【課題】層状構造体を負極活物質に用いた負極の抵抗をより低減する。
【解決手段】蓄電デバイス20は、正極22と、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有する負極23と、テトラフルオロホウ酸リチウムを含みリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体27とを備えたものである。
【選択図】図1

Description

本明細書で開示する発明である本開示は、蓄電デバイスに関する。
従来、リチウムイオン二次電池やリチウムイオンキャパシタなどの蓄電デバイスとしては、負極に黒鉛を用い、非水電解液に支持塩としてヘキサフルオロリン酸リチウムを溶解したものが知られている。また、このような蓄電デバイスにおいて、テトラフルオロホウ酸リチウムが支持塩として挙げられることがあるが、支持塩がヘキサフルオロリン酸リチウムからテトラフルオロホウ酸リチウムへ変更されると負極の抵抗が大きくなり、一般的にテトラフルオロホウ酸リチウムでは、高抵抗になるものと考えられていた(例えば、非特許文献1、図8参照)。図8は、支持塩としてLiPF6及びLiBF4を用いた黒鉛負極のインピーダンス挙動の説明図である。
また、リチウム二次電池用負極としては、2以上の芳香族環構造を有するジカルボン酸アニオンである芳香族化合物を含む有機骨格層と、カルボン酸アニオンに含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層と、を有する層状構造体を負極活物質に用いたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。負極活物質としての層状構造体は、導電性を有さないが、非水系電解液に溶けにくく、結晶構造を保つことにより充放電サイクル特性の安定性をより高めることができる。
特開2012−221754号公報
J.Electrochem.Soc.,2016,163,A1686-A1692
しかしながら、上述の特許文献1の蓄電デバイスでは、充放電サイクル特性の安定性をより高めることができるものの、負極抵抗が高いことがあり、この抵抗をより下げることが求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、層状構造体を負極活物質に用いた負極の抵抗をより低減することができる蓄電デバイスを提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を含む負極において、特にビフェニルジカルボン酸アニオンの有機骨格層を有する層状構造体と、テトラフルオロホウ酸リチウムの支持塩との組み合わせが、特異的に負極抵抗を大きく低減することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本明細書で開示する蓄電デバイスは、
正極と、
ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有する負極と、
テトラフルオロホウ酸リチウムを含みリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
本明細書で開示する蓄電デバイスでは、負極の抵抗をより低減することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む層状構造体と、テトラフルオロホウ酸リチウムとを蓄電デバイス内に含むものとすると、電極とイオン伝導媒体との界面での電荷移動反応が円滑に行われるため、負極抵抗が低減するものと推察される。
蓄電デバイス20の一例を示す模式図。 実験例1〜6、参考例1、2の充放電カーブ。 実験例1〜6の充放電カーブから得られた微分曲線。 実験例1の充放電微分曲線から得られる分極の説明図。 LiBF4の割合(mol%)とIV抵抗値(Ω)との関係図。 実験例1〜5の充放電サイクル特性評価結果。 実験例6の充放電サイクル特性評価結果。 支持塩としてLiPF6及びLiBF4を用いた黒鉛負極のインピーダンス挙動の説明図。
本明細書で開示する蓄電デバイスは、正極と、負極と、イオン伝導媒体とを備えている。正極は、リチウムイオンを吸蔵放出する正極活物質を含むものとしてもよい。負極は、キャリアであるリチウムイオンを吸蔵放出する層状構造体を負極活物質として含む。この負極活物質は、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体である。また、イオン伝導媒体は、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するものである。このイオン伝導媒体は、テトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を含む。この蓄電デバイスは、例えば、電気二重層キャパシタやハイブリッドキャパシタ、疑似電気二重層キャパシタ、リチウムイオン電池などとしてもよい。キャリアである金属イオンは、Liイオンである。ここでは、説明の便宜のため、充放電により層状構造体に吸蔵、放出されるのがリチウムイオンであるリチウムイオンキャパシタについて、以下主として説明する。
本開示の蓄電デバイスにおいて、正極は、キャパシタやリチウムイオンキャパシタなどに用いられている公知の正極を用いてもよい。正極は、例えば、正極活物質として炭素材料を含むものとしてもよい。炭素材料としては、特に限定されるものではないが、例えば、活性炭類、コークス類、ガラス状炭素類、黒鉛類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維類、カーボンナノチューブ類、ポリアセン類などが挙げられる。このうち、高比表面積を示す活性炭類が好ましい。炭素材料としての活性炭は、比表面積が1000m2/g以上であることが好ましく、1500m2/g以上であることがより好ましい。比表面積が1000m2/g以上では、放電容量をより高めることができる。この活性炭の比表面積は、作製の容易性から3000m2/g以下であることが好ましく、2000m2/g以下であることがより好ましい。なお、正極では、非水系電解液に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を吸着・脱離して蓄電するものと考えられるが、さらに、非水系電解液に含まれるアニオン及びカチオンの少なくとも一方を挿入・脱離して蓄電するものとしてもよい。
あるいは、正極は、一般的なリチウムイオン電池に用いられる正極としてもよい。この場合、正極活物質としては、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、基本組成式をLi(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)やLi(1-x)Mn24などとするリチウムマンガン複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)CoO2などとするリチウムコバルト複合酸化物、基本組成式をLi(1-x)NiO2などとするリチウムニッケル複合酸化物、基本組成式をLiV23などとするリチウムバナジウム複合酸化物、基本組成式をV25などとする遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。なお、「基本組成式」とは、他の元素を含んでもよい趣旨である。
正極は、例えば上述した正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。導電材は、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレンプロピレンジエンモノマー(EPDM)ゴム、スルホン化EPDMゴム、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどを用いることができる。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
この蓄電デバイスにおいて、負極は、層状構造体を負極活物質として含む。この層状構造体は、ビフェニルジカルボン酸アニオンである芳香族化合物を含む有機骨格層と、カルボン酸アニオンに含まれる酸素にアルカリ金属元素が配位して骨格を形成するアルカリ金属元素層とを有するものとしてもよい。アルカリ金属元素層に含まれるアルカリ金属は、例えば、Li,Na及びKなどのうちいずれか1以上とすることができるが、Liが好ましい。このアルカリ金属元素層に含まれるアルカリ金属元素は、層状構造体の骨格を形成することから、充放電に伴うイオン移動には関与しないもの、すなわち、充放電時に吸蔵放出されないものと推察される。
この層状構造体は、芳香族化合物のπ電子相互作用により層状に形成され、空間群P21/cに帰属される単斜晶型の結晶構造を有するものとすることが、構造的に安定であり、好ましい。この層状構造体は、次式(1)で示される芳香族化合物を含む。また、この層状構造体は、異なるジカルボン酸アニオンの酸素4つとアルカリ金属元素とが4配位を形成する式(2)の構造を備えているものとすることが、構造的に安定であり、好ましい。但し、この式(2)において、Rはビフェニルジカルボン酸の芳香族環構造を有する。また、Aはアルカリ金属元素である。エネルギー貯蔵メカニズムにおいては、層状構造体の有機骨格層はレドックス(e-)サイトとして機能する一方、アルカリ金属元素層はキャリアである金属イオンの吸蔵サイト(アルカリ金属イオン吸蔵サイト)として機能するものと考えられる。
負極は、例えば、負極活物質である層状構造体とその他の材料とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極合材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極に用いられる導電材、結着材などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。また、負極は、層状構造体と導電材とを含む負極合材を、集電体上に形成した後、不活性雰囲気中で250℃以上450℃以下の温度範囲で焼成処理されているものとしてもよい。こうすれば、結晶構造をより好適なものとすることができ、芳香族化合物のπ電子相互作用が高まり、電子の授受が容易となるなどして、充放電特性をより高めることができる。
この蓄電デバイスにおいて、イオン伝導媒体は、例えば、支持塩(支持電解質)と有機溶媒とを含む非水系電解液としてもよい。イオン伝導媒体は、支持塩としてテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を含む。このイオン伝導媒体は、支持塩全体のうちテトラフルオロホウ酸リチウムを20mol%以上100mol%以下の範囲で含むことが好ましい。この範囲では、負極の抵抗をより効果的に低減することができる。支持塩としては、LiBF4以外に、公知のリチウム塩を含むものとしてもよい。このリチウム塩としては、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,Li(CF3SO22N,LiN(C25SO22などが挙げられ、このうちLiPF6が好ましい、このとき、イオン伝導媒体は、LiPF6を0mol%以上20mol%以下の範囲で含むことが好ましい。この範囲では、負極の抵抗をより効果的に低減することができる。また、充放電サイクル時の容量維持率の低下抑制など、充放電サイクル特性の低下を抑制することができる。イオン伝導媒体は、非水系電解液を含み、LiBF4を含む支持塩を1.0mol/L以上1.5mol/L以下の範囲で含むことが好ましく、1.0mol/L以上1.2mol/L以下の範囲であることがより好ましい。有機溶媒としては、例えば、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。また、非水系電解液としては、そのほかにアセトニトリル、プロピルニトリルなどのニトリル系溶媒やイオン液体、ゲル電解質などを用いてもよい。
この蓄電デバイスは、正極と負極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、蓄電デバイスの使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されるものではないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の微多孔フィルムが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。
この蓄電デバイスの形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、上述した実施形態の蓄電デバイス20の一例を示す模式図である。この蓄電デバイス20は、カップ形状の電池ケース21と、正極活物質を有しこの電池ケース21の下部に設けられた正極22と、負極活物質を有し正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この蓄電デバイス20は、正極22と負極23との間の空間にテトラフルオロホウ酸リチウムを含むイオン伝導媒体27が満たされている。また、この負極23は、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有する。
以上詳述した蓄電デバイスでは、負極の抵抗をより低減することができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む層状構造体と、テトラフルオロホウ酸リチウムとを蓄電デバイス内に含むものとすると、電極とイオン伝導媒体との界面での電荷移動反応が円滑に行われるため、負極抵抗が低減するものと推察される。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、蓄電デバイスを具体的に実施した例を実験例として説明する。この実施例では、対極をリチウム金属とした二極式セルについて検討したが、対極を任意の正極活物質を含む正極とすれば、蓄電デバイスとして作動することができる。
[実験例1]
(4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの構造を有する層状構造体(式(3))を合成した。4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムは、出発原料として4,4’−ビフェニルジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いた。まず、水酸化リチウム1水和物にメタノールを加え、撹拌した。水酸化リチウム1水和物を溶解したのち、4,4’−ビフェニルジカルボン酸を加え1時間撹拌した。撹拌後溶媒を除去し、真空下150℃で16時間乾燥することにより白色の粉末試料を得た。
(負極の作製)
得られた粉末試料を79質量%、粒子状炭素導電材としてカーボンブラック(東海カーボン製TB5500)を14質量%、水溶性ポリマーであるポリビニルアルコール(PVA、日本合成化学製ゴウセネックスT−330)を2.8質量%、スチレンブタジエン共重合体(SBR、日本ゼオン製BM−400B)を4.2質量%混合し、分散剤として水を適量添加、分散してスラリー状合材とした。このスラリー状合材を10μm厚の銅箔集電体に単位面積当たりの4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム活物質が3mg/cm2となるように均一に塗布し、加熱乾燥させて塗布シートを作製した。その後、塗布シートを加圧プレス処理し、2cm2の面積に打ち抜いて円盤状の電極を準備した。
(二極式評価セルの作製)
エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとエチルメチルカーボネートを体積比で30:40:30の割合で混合した非水溶媒にテトラフルオロホウ酸リチウム(LiBF4)を1.10mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した。上記作製した4,4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウム負極を作用極とし、リチウム金属箔(厚み300μm)を対極として、両電極の間に上記非水電解液を含浸させたセパレータ(東レ東燃製)を挟んで実験例1の二極式評価セルを作製した。
[実験例2〜6]
非水電解液において、LiBF4を0.825mol/L及びヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)を0.275mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した以外は実験例1と同様に作製したものを実験例2の二極式評価セルとした。また、LiBF4を0.550mol/L及びLiPF6を0.550mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した以外は実験例1と同様に作製したものを実験例3の二極式評価セルとした。また、LiBF4を0.275mol/L及びLiPF6を0.825mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した以外は実験例1と同様に作製したものを実験例4の二極式評価セルとした。また、LiBF4を0.110mol/L及びLiPF6を0.990mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した以外は実験例1と同様に作製したものを実験例5の二極式評価セルとした。また、LiPF6を1.10mol/Lになるように添加して非水電解液を作製した以外は実験例1と同様に作製したものを実験例6の二極式評価セルとした。
[参考例1、2]
(2、6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムの層状構造体の合成)
2、6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムの合成には、出発原料として2、6−ナフタレンジカルボン酸および水酸化リチウム1水和物(LiOH・H2O)を用いた。水酸化リチウム1水和物(0.556g)にメタノール(100mL)を加え撹拌した。水酸化リチウム1水和物を溶解したあとに2、6−ナフタレンジカルボン酸(1.0g)を加え1時間撹拌した。撹拌後溶媒を除去し、真空下150℃で16時間乾燥することにより、白色の粉末試料の2、6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムを得た(下記式(4))。
4、4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの代わりに2、6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムを負極を用いた以外は、実験例1と同様に作製したものを参考例1の二極式評価セルとした。また、4、4’−ビフェニルジカルボン酸ジリチウムの代わりに2、6−ナフタレンジカルボン酸ジリチウムを負極を用いた以外は、実験例6と同様に作製したものを参考例2の二極式評価セルとした。
(充放電特性評価)
上記作製した二極式評価セルを20℃の温度環境下、0.1mAで0.5Vまで還元した容量を放電容量とした。また、その後0.1mAで1.5Vまで酸化した容量を充電容量とした。なお、測定セル数n=2とした。図2は、実験例1〜6、参考例1、2の充放電カーブである。また、得られた充放電カーブを用い、電位差に対して充放電カーブの微分値を算出し微分曲線を得た。図3は、実験例1〜6の充放電カーブから得られた微分曲線である。この微分曲線にある2つの異なる内部抵抗性微分カーブのピークから充放電分極を読み取り、印加電流を考慮してIV抵抗を算出した。図4は、実験例1の充放電微分曲線から得られる分極の説明図である。なお、IV抵抗は、1サイクル目の充放電カーブを用いた。また、上記作製した二極式評価セルを用い、20℃の温度環境下、上記条件で10サイクルの連続充放電試験を行い、容量維持率を検討した。この充放電操作の1回目の充電容量をQ(1st)、10回目の充電容量をQ(10th)とし、Q(10th)/Q(1st)×100を10サイクル後の容量維持率(%)とした。
(結果と考察)
上記作製した二極式評価セルの詳細と、平均IV抵抗(Ω)、容量維持率(%)を表1にまとめた。図5は、LiBF4及びLiPF6の割合(mol%)とIV抵抗(Ω)との関係図である。図6は、実験例1〜5の充放電サイクル特性評価結果であり、図7は、実験例6の充放電サイクル特性評価結果である。表1及び図5に示すように、負極活物質をビフェニルジカルボン酸アニオンを含む層状構造体としたときに、非水電解液に支持塩としてテトラフルオロホウ酸アニオンBF4 -を20〜100mol%含む実験例1〜4では、ヘキサフルオロリン酸アニオンPF6 -を100mol%含む実験例6に比してIV抵抗が50%〜60%も低減することがわかった。また、参考例1、2に示すように、負極活物質をナフタレンジカルボン酸アニオンを含む層状構造体としたときには、実験例1〜4のような大きな効果は得られないことがわかった。また、容量維持率については、表1、図6及び図7に示すように、実験例1〜6において、すべて高い値を示したため、LiBF4及びLiPF6は共に充放電の安定性が高いことがわかった。
支持塩について、非特許文献1に記載されているように、黒鉛負極では、LiPF6を用いると負極抵抗がより低く、LiBF4を用いると負極抵抗がより高くなることが知られている(図8参照)。しかしながら、この実験結果では、ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む層状構造体の負極活物質と、LiBF4の支持塩との組み合わせにより、特異的に負極抵抗の低減を図ることができるということが明らかになった。
本発明は、電池産業に利用可能である。
20 蓄電デバイス、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、27 イオン伝導媒体。

Claims (5)

  1. 正極と、
    ビフェニルジカルボン酸アニオンを含む芳香族ジカルボン酸金属塩の層状構造体を負極活物質として有する負極と、
    テトラフルオロホウ酸リチウムを含みリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えた蓄電デバイス。
  2. 前記イオン伝導媒体は、テトラフルオロホウ酸リチウムを20mol%以上100mol%以下の範囲で含む、請求項1に記載の蓄電デバイス。
  3. 前記イオン伝導媒体は、ヘキサフルオロリン酸リチウムを0mol%以上20mol%以下の範囲で含む、請求項2に記載の蓄電デバイス。
  4. 前記イオン伝導媒体は、非水系電解液を含み、前記テトラフルオロホウ酸リチウムを含む支持塩を1.0mol/L以上1.5mol/L以下の範囲で含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
  5. 前記負極は、次式(1)で示される前記層状構造体を負極活物質として有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の蓄電デバイス。
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