JP2018097023A - 電気光学装置および電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】画素シフトさせる場合に、解像度を擬似的に高めつつ、明るさの低下を抑える。
【解決手段】X方向およびY方向にわたってマトリクスに配列する複数の画素Dと、複数の画素Dの各々において光を透過させる開口部Apと、を含み、開口部Apを透過した出射光が視認される位置を、Aの位置と、当該Aの位置からY方向にシフトさせたBの位置とに画素シフト素子によって切り替え、平面視したときに、奇数列の画素Dの開口部Apの重心と、当該奇数列の画素Dに対してX方向で隣り合う偶数列の画素Aの開口部Apの重心とを、X方向に沿ってみたときに不揃いとする。
【選択図】図5

Description

本発明は、電気光学装置および電子機器に関する。
液晶パネルのような電気光学装置を用いて縮小画像を形成し、この縮小画像を光学系によってスクリーンに拡大投射するプロジェクター(電子機器)が普及している。
一方、画像表示装置では、ハイビジョン(1K)、4K、8Kなどのように高解像度化が順次進行しつつある。
プロジェクターにおいて高解像度化の要求に応えるためには、電気光学装置の画素数を増やせば良いが、単純に画素数を増やすと、電気光学装置の表示サイズが広くなるので、高コスト化を招く。このため、電気光学装置で高解像度化するためには、表示サイズが広くなるのを抑える観点から、画素ピッチを狭くする必要がある。
電気光学装置として液晶パネルを用いて、画素ピッチを狭くすると、液晶分子が基板面に沿った方向の電界の影響を受けてリバースチルトドメイン等が発生し、表示品質を低下させる、という問題がある。
そこで、近年では、スクリーンに投射される画像を、0.5画素程度シフトさせる画素シフト素子を電気光学装置とスクリーンとの間に設けて、人間に知覚される解像度を擬似的に高める技術が提案されている(特許文献1参照)。
特開2005−91519号公報
しかしながら、開口率の高い電気光学装置を用いて画素シフトさせると、画素シフトの前後で開口部に重なりが生じ、解像度を擬似的に高めることができなくなる。一方で、開口率の低い電気光学装置を用いて画素シフトさせると、明るさが低下してしまう。
そこで、本発明のいくつかの態様の目的の一つは、画素シフトさせる場合であっても解像度を擬似的に高めつつ、明るさの低下を抑えた電気光学装置および電子機器を提供することにある。
上記目的の一つを達成するために、本発明の一態様に係る電気光学装置は、第1方向および第2方向にマトリクスに配列する複数の画素と、前記複数の画素の各々において光を透過または反射させる開口部と、を含み、前記開口部を透過または反射した出射光の視認位置が、第1位置と、前記第1位置から前記第1方向にシフトした第2位置とに画素シフト素子によって切り替えられ、一の画素の開口部の重心と、前記一の画素に対して前記第2方向で隣り合う画素の開口部の重心とは、前記第2方向に沿って不揃いである構成となっている。
上記一態様に係る電気光学装置によれば、画素シフト素子を用いて、画素の開口部を第1位置と第2位置とで切り替える場合に、解像度を擬似的な高めつつ、明るさの低下を抑えることができる。
なお、第1方向および第2方向とは相対的な概念である。
上記一態様に係る電気光学装置において、前記画素の開口部の重心は、当該画素の重心に対して前記第1方向に沿ってずれている構成が好ましい。この構成によれば、画素シフトによる擬似的な高解像度化と明るさの低下の抑止とを図ることできる。
上記一態様に係る電気光学装置において、一の画素の開口部に一部と、前記一の画素に対して前記第2方向で隣り合う画素の開口部の一部とが、互いに向かい合う構成としても良い。この構成によれば、より明るい表示が可能となる。
上記一態様に係る電気光学装置において、前記画素シフト素子における前記第1位置から前記第2位置までのシフト量は、前記複数の画素の配列ピッチの半分である構成が好ましい。
また、本発明の別の態様に係る電子機器は、上記一態様に係る電気光学装置の複数と、前記複数の電気光学装置の各々に対し、異なる波長帯域の光で照明する照明部と、前記複数の電気光学装置で形成された画像を合成する合成部と、前記合成部により合成された画像をスクリーンに投射する投射部と、を有し、前記画素シフト素子は、前記合成部により合成された画像を画素シフトする構成となっている。この構成によれば、スクリーンに表示画像の解像度を擬似的な高めつつ、明るさの低下を抑えることができる。
第1実施形態に係るプロジェクターの概略構成を示す図である。 プロジェクターの構成を示すブロック図である。 プロジェクターにおける信号処理回路の構成を示すブロック図である。 入力される映像信号の画素配列を示す図である。 プロジェクターにおける液晶パネルの画素配列を示す図である。 プロジェクターにおける液晶パネルの画素配列を示す図である。 プロジェクターにおける画素シフトの説明図である。 プロジェクターの動作を説明するためのタイミングチャートである。 実施形態における液晶パネルの画素配列の別例を示す図である。 第2実施形態に係るプロジェクターの液晶パネルの画素配列を示す図である。 第2実施形態に係るプロジェクターの液晶パネルの画素配列を示す図である。 第3実施形態に係るプロジェクターの液晶パネルの画素配列を示す図である。 第3実施形態に係るプロジェクターの液晶パネルの画素配列を示す図である。 第3実施形態における液晶パネルの画素配列を示す図である。 比較例(その1)に係る画素配列を示す図である。 比較例(その2)に係る画素配列を示す図である。 比較例(その3)に係る画素配列を示す図である。 比較例(その4)に係る画素配列を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る電子機器の一例であるプロジェクター1の光学的な構成を示す図である。プロジェクター1は、電気光学装置の一例である液晶パネルで形成された画像を合成して拡大投射するものである。
この図に示されるように、プロジェクター1の内部には、ハロゲンランプ等の白色光源からなるランプユニット202が設けられている。このランプユニット202から出射された白色光(可視光)は、内部に配置された3枚のミラー206、ダイクロイックミラー208aおよび208bによってR(赤)、G(緑)およびB(青)の3原色に分離されて、各原色に対応する液晶パネル100R、100Gおよび100Bにそれぞれ導かれる。
詳細には、ダイクロイックミラー208aは、白色光のうち、Rの波長域の光を透過し、GおよびBの波長域の光を反射し、ダイクロイックミラー208bは、ダイクロイックミラー208aによって反射したGおよびBの波長域の光のうち、Bの波長域の光を透過し、G波長域の光を反射する。ここで、Bの光路長は、他のRおよびGの光路長と比較して長くなっているので、Bの光路の途中には光路長を補正するために、リレーレンズ223が設けられている。
なお、ランプユニット202、3枚のミラー206、ダイクロイックミラー208aおよび208bは、R、GおよびBの3原色を、それぞれに対応する液晶パネル100R、100Gおよび100Bに導く照明部として機能することになる。
液晶パネル100R、100Gおよび100Bは、それぞれライトバルブとして用いられる透過型の電気光学装置であり、液晶パネル100Rは、Rの原色に対応し、液晶パネル100Gは、Gの原色に対応し、液晶パネル100Bは、Bの原色に対応する。液晶パネル100R、100Gおよび100Bの各々の詳細については後述するが、本実施形態では、それぞれ横3840列×縦1080行で画素がマトリクス状に配列し、各画素の透過率がそれぞれ変化する。これにより、液晶パネル100Rからの出射光はR成分の画像となり、液晶パネル100Gからの出射光はG成分の画像となり、液晶パネル100Bからの出射光はB成分の画像となる。
液晶パネル100R、100Gおよび100Bの各々から出射した光は、ダイクロイックプリズム212に対し3方向から入射する。ダイクロイックプリズム212において、RおよびBの光は90度で屈折する一方、Gの光は直進するので、RおよびBの各原色の画像が合成される。このため、ダイクロイックプリズム212が合成部として機能することになる。
ダイクロイックプリズム212の出射側には、画素シフト素子400および投射レンズ群214が順番に配置する。ここで、画素シフト素子400は、入射光に対して出射光の光軸を所定の方向にシフトして、投射される画像をずらす(画素シフトする)ものであり、投射レンズ群214は、投射部として機能するものであり、画素シフト素子400を介した合成像をスクリーン300に拡大投射するものである。
なお、液晶パネル100R、100Gおよび100Bには、ダイクロイックミラー208a、208bによって、それぞれに対応するR、GおよびBの原色に対応する光が入射するので、直視型のようなカラーフィルターは設けられていない。
また、液晶パネル100Rおよび100Bの透過像は、ダイクロイックプリズム212により反射した後に投射されるのに対し、液晶パネル100Gの透過像は、ダイクロイックプリズム212を直進して投射されるので、液晶パネル100Rおよび100Bにより形成される画像と、液晶パネル100Gにより形成される画像とは、左右反転の関係にある。
図2は、プロジェクター1の電気的な構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、プロジェクター1は、液晶パネル100R、100Gおよび100Bと、画素シフト素子400と、走査制御回路500と、信号処理回路600と、を含む。
信号処理回路600には、図示省略された上位装置から映像信号Vid-inが供給される。この映像信号Vid-inは、1フレームの画像を、横3840列×縦2160行で配列する画素で規定するとともに、1画素の階調を、例えばRGBの各8ビット(計24ビット)で規定するデジタルデータである。
なお、映像信号Vid-inは、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号、水平走査信号およびドットクロック信号(いずれも図示省略)にしたがった走査の順番で供給される。また、ここでいう1フレームとは、1画像を表示する期間であり、同期信号Syncに含まれる垂直走査信号で規定される垂直走査期間をいう。本実施形態では、例えば横3840列×縦2160行で画素配列の1画像を視認可能に表示させる期間であり、後述のように1フレームは複数のフィールドで構成される。
映像信号Vid-inで規定される画像の解像度は、横3840列×縦2160行(4K2K)であるのに対し、液晶パネル100R、100Gおよび100Bの各々の解像度は、それぞれ縦が半分の横3840列×縦1080行(4K1K)である。
そこで、本実施形態では、1フレームの期間を複数のフィールドの期間に分割するとともに、液晶パネル100R、100Gおよび100Bによる合成像を、例えば奇数フィールドにおいて、画素シフト素子400で画素シフトさせないで投射する一方、偶数フィールドにおいて、画素シフト素子400で画素シフトさせて投射して、縦方向の解像度を擬似的に倍にする構成としている。
走査制御回路500は、上記上位装置から供給された同期信号Syncに同期して、液晶パネル100R、100Gおよび100Bと、画素シフト素子400と、信号処理回路600とをそれぞれ制御する。
特に走査制御回路500は、制御信号A/Bにより画素シフト素子400による画素シフトを制御する。具体的には、走査制御回路500は、画素シフト素子400に対し、奇数フィールドでは画素シフトをさせず、偶数フィールドでは画素シフトさせるように制御する。
信号処理回路600は、詳細については後述するが、映像信号Vid-inを処理して、奇数フィールドおよび偶数フィールド用のデータ信号V-Rを液晶パネル100Rに、データ信号V-Gを液晶パネル100Gに、データ信号V-Bを液晶パネル100Bに、それぞれ供給する。
液晶パネル100R、100Gおよび100Bは、入射する光の色が異なるだけで、その構成は互いに同一である。そこで、液晶パネル100R、100Gおよび100Bについては、液晶パネル100Rで代表して説明することにする。
液晶パネル100Rは、透光性を有する素子基板100aと対向基板100bとが一定の間隙を保って貼り合わせられるとともに、この間隙に、VA型の液晶105が挟持された構成となっている。
素子基板100aのうち、対向基板100bとの対向面には、1080行の走査線112が図においてX方向(横方向、左右方向)に沿って設けられる一方、3840列のデータ線114が、Y方向(縦方向、上下方向)に沿って、かつ、各走査線112と互いに電気的に絶縁を保つように設けられている。
なお、本実施形態では、走査線112または画素を区別するために、図において上から順に1、2、3、…、1080行目という呼び方をする場合がある。同様に、データ線114または画素を区別するために、図において左から順に1、2、3、…、3840列目という呼び方をする場合がある。
素子基板100aでは、さらに、走査線112とデータ線114との交差のそれぞれに対応して、nチャネル型のTFT(Thin Film Transistor)116と透光性を有する画素電極118との組が設けられている。TFT116のゲート電極は走査線112に接続され、ソース電極はデータ線114に接続され、ドレイン電極が画素電極118に接続されている。
一方、対向基板100bのうち、素子基板100aとの対向面には、透光性を有するコモン電極108が全面にわたって設けられる。コモン電極108には、図示省略した回路によって電圧LCcomが印加される。
なお、図2において、素子基板100aの対向面は紙面裏側であるので、当該対向面に設けられる走査線112、データ線114、TFT116および画素電極118については、破線で示すべきであるが、見難くなるので、それぞれ実線で示している。
素子基板100aには、走査線駆動回路130およびデータ線駆動回路140が形成される。このうち、走査線駆動回路130は、走査制御回路500による制御信号Yctrにしたがって、1、2、3、…、1080行目の走査線112に、走査信号Y1、Y2、Y3、…、Y1080を供給する。
詳細には、走査線駆動回路130は、走査線112を各フィールドにわたって1、2、3、…、1080行目という順番で選択するとともに、選択した走査線への走査信号を選択電圧(Hレベル)とし、それ以外の走査線への走査信号を非選択電圧(Lレベル)とする。
データ線駆動回路140は、信号処理回路600から供給されるデータ信号V-Rを、走査制御回路500による制御信号Xctrにしたがって1、2、3、…、3840列目のデータ線114に順次サンプリングして、データ信号X1、X2、X3、…、X3840として供給する。
このような構成において、ある走査線112が走査信号により選択されると、当該選択された走査線112に位置する画素電極118に、当該画素電極118に対応するデータ線114にサンプリングされたデータ信号の電圧が印加される。走査線112の選択が解除されても、印加された電圧が容量性によって保持される。このときに保持された電圧がゼロ(または近傍)であれば、液晶分子が基板面に対してほぼ垂直方向に配列し、これにより出射(透過)光は、偏光子(図示省略)によりほぼ遮断されて暗(黒)状態となる一方、保持電圧が徐々に高まるにつれて、液晶分子が基板面に対して傾斜し、これにより、偏光子を通過する出射光量が徐々に多くなり、やがて最大となる明(白)状態となる(ノーマリーブラックモード)。
液晶パネル100Rでは、画素電極118と対向電極108とにより保持される電圧が、走査信号およびデータ信号により画素毎に書き込まれ、これにより、R成分の画像が形成される。同様に、液晶パネル100G(100B)では、G(B)成分の画像が形成される。
また、ここでは液晶パネル100R(100Gまたは100B)の電気的な構成について説明したが、素子基板100aおよび対向基板100bを平面視したときに、画素の平面形状や、ブラックマトリクスを開口する開口部の平面形状については後述することにする。
図3は、信号処理回路600の構成を示すブロック図である。
この図に示されるように、信号処理回路600は、解像度変換回路601、フィールドメモリー602、603、DAC(Digital to Analog Converter)606R、606Gおよび606Bを含む。
解像度変換回路601は、4K2Kの映像信号Vid-inに対して液晶パネル100R、100Bおよび100Gの解像度に変換する処理を、画素シフト素子400による画素シフトを考慮しつつ施す。なお、解像度変換回路601における具体的な処理内容については、画素シフト素子400による画素シフトの後に説明するが、端的にいえば、映像信号Vid-inにおける1フレーム分の画像を、液晶パネル100R、100Gおよび100Bで表示すべき奇数フィールド用の画像と偶数フィールド用の画像とに分解する。
フィールドメモリー602には、解像度変換回路601で処理された奇数フィールド用の画像データが格納される。一方、フィールドメモリー602からは、走査制御回路500が液晶パネル100R、100Gおよび100Bを奇数フィールドで駆動するときに、当該奇数フィールド用の画像データが上記駆動における垂直および水平走査に同期して画素毎に読み出される。
フィールドメモリー603には、走査制御回路500の制御にしたがって、解像度変換回路601で処理された偶数フィールド用の画像データが格納される一方、フィールドメモリー603からは、走査制御回路500が液晶パネル100R、100Gおよび100Bを偶数フィールドで駆動するときに、当該偶数フィールド用の画像データが上記駆動における垂直および水平走査に同期して画素毎に読み出される。
なお、フィールドメモリー602または603から画素毎に読み出された画像データのうち、R成分はDAC606Rに、G成分はDAC606Gに、B成分はDAC606Bに、それぞれ供給される。
DAC606Rは、R成分の画像データをアナログのデータ信号V-Rに変換して、当該データ信号V-Rを液晶パネル100Rに供給する。同様に、DAC606Gは、G成分の画像データをアナログのデータ信号V-Gに変換して液晶パネル100Gに供給し、DAC606Bは、B成分の画像データをアナログのデータ信号V-bに変換して液晶パネル100Bに供給する。
なお、DAC606R、606Gおよび606Bは、画像データの各成分を、例えば奇数フィールドでは正極性で、偶数フィールドでは負極性で、それぞれアナログ信号に変換する。ここで正極性および負極性とは、液晶105に直流成分が印加されないように交流駆動する際の便宜上のものであり、具体的には、対向電極108に印加される電圧LCcomを基準として高位側を正極性として、低位側を負極性としている。
図4は、映像信号Vid-inで規定される画像の説明図である。
この図に示されるように映像信号Vid-inで規定される1フレーム分の画像では、画素が、X方向およびY方向にわたってマトリクス状に配列している。詳細には、画素は、上述のように、X方向(横)に3840列であって、Y方向(縦)に2160行で配列している。
なお、説明の便宜上、奇数行奇数列および偶数行偶数列の画素を「a」と表記し、奇数行偶数列および偶数行奇数列の画素を「b」と表記している。
解像度変換回路601は、映像信号Vid-inで規定される1フレーム分の画像のうち、画素aの配列を奇数フィールド用の画像データとしてフィールドメモリー602に格納し、画素bの配列を偶数フィールド用の画像データとしてフィールドメモリー603に格納する。
なお、画素aは、図4の実線のようにX方向に沿ってジグザグ状に配列することになる。X方向にジグザグ状に配列する画素aは、次に説明する画素配列の液晶パネル100R、100Gおよび100Bでは、同一行に存在するものとして処理される。
また、画素bについても、図4の破線のようにX方向に沿ってジグザグ状に配列することになるが、ジグザグ状に配列する画素bについても、液晶パネル100R、100Gおよび100Bでは、同一行に存在するものとして処理される。
図5は、本実施形態における液晶パネル100R、100Gおよび100Bの各々における画素配列の一部をそれぞれ平面視で示す図である。平面視の方向は、図1において、液晶パネル100R(100Gまたは100B)の光入射方向または光出射方向である。この図に示されるように、液晶パネル100R(100Gまたは100B)の画素Dは、紙面において縦のY方向が長手の矩形形状である。詳細には、画素Dは、Y方向の長さが、X方向の長さのほぼ2倍の長方形の形状となっている。
画素Dは、X方向およびY方向にわたってマトリクス状に配列している。詳細には、画素Dは、Y方向に3840列であってX方向に1080行で格子状に規則正しく配列している。
なお、図5では、縦(Y)および横(X)方向に延在する一点鎖線は、画素Dの境界を示している。また、横方向に延在する破線のAは、画素シフトする前の基準を示している。
一方、画素Dにおいて、おおよそ正方形の開口部Apが、奇数列では図において上端側に、偶数列では下端側に、それぞれ設けられている。開口部Apにおける一辺の長さは、画素Dにおける縦辺のほぼ半分である。開口部Apは、例えば、入射光を出射光として出射可能な液晶パネル100R(100Gまたは100B)の領域でありである(図1参照)。
このため、本実施形態では、画素Dに対して開口部Apの占める比率、すなわち開口率は、約50%程度となる。また、同一行で隣り合う画素Dの開口部Apでは、縦辺同士が互いに対向しないように構成される。
図5における開口部Apの配列は、図4の画素配列のうち、画素aに対応している。
図5の画素配列について同一行でみたとき、開口部Apは、上端側と下端側とに交互にジグザグ状に配列することになるが、同一の走査線112に対応することになるので、当該画素へのデータ信号を書き込みは、当該走査線112の選択で実行される。具体的には、図4において、映像信号Vid-inで規定される1フレーム分の画像のうち、X方向にジグザグ状に配列する画素aの画像データがフィールドメモリー602に同一行として格納される一方、同一行として格納された画素aの画像データが順番に読み出され、アナログのデータ信号に変換された上で、当該走査線112の選択時にデータ線114にサンプリングされて、書き込まれる。
平面視したときに開口部Ap以外は、黒色で示される遮光用のブラックマトリクスである。なお、図5においては、画素Dの境界を白背景とした黒色の一点鎖線で示すために、ブラックマトリクスの一部を省略した状態で示しているが、実際には、画素Dの境界についてもブラックマトリクスで覆われる。遮光用のブラックマトリクスは、素子基板100aまたは対向基板100bに遮光性膜を設け、開口部の膜を除去することで形成可能であるが、素子基板100aに設けられた遮光性の走査線112やデータ線114等の配線や電極の構成により形成可能である。
本実施形態の液晶パネル100R(100Gまたは100B)における画素電極118(図2参照)は、開口部Apの形状とほぼ一致するように、一対一で形成される。本実施形態では、上述したようにノーマリーブラックモードとしているので、開口部Apを透過する光量は、当該開口部Apに位置する画素電極118と対向基板108とで保持される電圧が低ければ、少なくなって暗になり、高ければ、多くなって明となる。
なお、図5に示した液晶パネル100R(100Gまたは100B)の画素Dの配列は、画素シフト素子400により画素シフトさせない状態でスクリーン300に投射される画素の配列ということもできる。画素シフトさせない状態を便宜的に「A状態」と呼ぶ場合がある。
図6は、画素シフト素子400により画素シフトさせた状態でスクリーン300に投射される画素の配列を示す図である。画素シフトさせた状態を便宜的に「B状態」と呼ぶ場合がある。
この図に示されるように、B状態でスクリーン300に投射される画素の配列は、A状態でスクリーン300に投射される画素の配列に対してY方向(下方向)に、画素シフト素子400により0.5画素分シフトされる。
B状態において開口部Apは、図4の画素配列のうち、画素bに対応している。なお、B状態における1行分の書き込みは、A状態と同様であり、図4において、映像信号Vid-inで規定される1フレーム分の画像のうち、X方向にジグザグ状に配列する画素bの画像データがフィールドメモリー603に同一行として格納される一方、同一行として格納された画素bの画像データが順番に読み出され、アナログのデータ信号に変換された上で、当該走査線112の選択時にデータ線114にサンプリングされて、書き込まれる。
切り換え周波数によっては、A状態からB状態に切り替えられても、観察者には、別々の画像としてではなく、A状態での画素aからなる画像と、B状態での画素bからなる画像との双方が視認される。このため、スクリーン300に投射されて視認される画像の画素配列は、図7に示される通りとなるので、図4で示した映像信号Vid-inで規定される画像が再現されることになる。
図8は、プロジェクター1の動作例を示すタイミングチャートであって、特に、液晶パネル100R、100Gおよび100Bに対する各行の書き込みと、画素シフト素子400による画素シフトとの関係を示す図である。
この図の例では、1フレーム(F)が4つのフィールドに分割される。詳細には、1フレーム(F)が、第1フィールド(1f)、第2フィールド(2f)、第3フィールド(3f)および第4フィールド(4f)に分割される。走査制御回路500は、このうち、奇数フィールドである第1フィールド(1f)および第3フィールド(3f)で制御信号A/BをLレベルとし、画素シフト素子400に対し画素シフトさせないで、A状態とする一方、偶数フィールドである第2フィールド(2f)および第4フィールド(4f)で制御信号A/BをHレベルとし、画素シフト素子400に対し画素シフトさせて、B状態とする。
液晶パネル100R、100Gおよび100Bでは、各フィールドにわたって1行目から1080行目までの走査線が順番に選択されて、選択された走査線に位置する画素に対し、当該画素の階調に応じたデータ信号が供給される。ここで、図8において、記号■は、走査線1行分の選択する期間を示しており、各フィールドのそれぞれにおいて、1行目から1080行目まで順番に選択されている状態を示している。
なお、この例は、1フレーム(1F)を4つのフィールドで分割して駆動するので、いわゆる4倍速駆動となる。
記号■が連続すると、右下に向かう斜め線として見える。また、あるフィールドの記号■の右側から次のフィールドの記号■までの領域は、当該あるフィールドの記号■の選択によって書き込まれたデータ信号の電圧に対応する階調で保持される期間を示す。
図15は、第1実施形態に係るプロジェクター1に対する比較例(その1)を示す図であり、ほぼ正方形の画素において開口率が比較的高い液晶パネルをY方向に画素ピッチの半分だけ画素シフトさせた例である。
図16は、比較例(その2)を示す図であり、ほぼ正方形の画素において開口率が比較的高い液晶パネルをX方向に画素ピッチの半分だけ画素シフトさせた例である。
図17は、比較例(その3)を示す図であり、ほぼ正方形の画素において開口率が比較的高い液晶パネルをX方向およびY方向にそれぞれ画素ピッチの半分だけ、すなわち、右斜め下45度の方向に画素シフトさせた例である。
いずれの比較例(その1、その2、および、その3)においても判るように、開口率が比較的高い液晶パネルでは、画素シフトしたときの前後にわたって開口部に重なりが生じてしまうので、解像度を擬似的に高めることが困難となっている。
図18は、比較例(その4)を示す図である。
画素シフト量が0.5画素である場合に、画素に対して開口部を縦半分および横半分以下として開口率を25%以下とすれば、画素シフトしたときに開口部に重なりが生じないので、解像度を擬似的に高めることはできる。しかしながら、開口率が低いので、明るい画像は得られにくくなる。
これに対して、第1実施形態に係るプロジェクター1では、開口率が約50%程度の液晶パネル100R、100Gおよび100Bを用いる場合であっても、画素シフトしたときに開口部Apに重なりが生じない(図7参照)。
詳細には、平面視したときに、ある画素Dの開口部Apと、当該画素Dに対してX方向で隣り合う画素Dの開口部Apとは、X方向に沿ってみたときに不揃いであるが、開口部Apの出射光が視認される位置をA状態の位置から、当該A状態の位置からY方向に向けて0.5画素分シフトさせたB状態の位置まで、画素シフト素子400で画素シフトさせると、比較的揃えることができる。このため、本実施形態では、解像度が擬似的に高められるとともに、明るい画像が得られることになる。また、同一行で隣り合う画素Dの開口部Apでは、縦辺同士が互いに対向しないので、リバースチルトドメインの発生も抑制される。
第1実施形態では、同一行で隣り合う画素Dの開口部Apでは、縦辺同士が互いに対向しないようにしたが、図9に示されるように、一部が対向するように構成しても良い。なお、図9において、画素Dの開口部Apにおいて、対向する部分を黒の破線で示している。
このように、同一行で隣り合う画素Dにおいて、開口部Apの一部が対向するように構成すると、開口率が高まるので、より明るい画像が得られる。
換言すれば、図9のように平面視したときに、ある画素Dの開口部Apと、当該画素Dに対してX方向で隣り合う画素Dの開口部Apとは、X方向に沿ってみたときに不揃いであるがとともに、ひとつの画素Dでみたときに、当該画素Dの開口部Apの重心(×)は、当該画素Dの重心(+)に対して画素シフト方向であるY方向に沿ってずれていれば、画素シフトにより、解像度が擬似的に高められるとともに、明るい画像は得られることになる。
なお、ここでいう重心とは、平面視したときに、対象となる形状において1次モーメントの総和がゼロになる地点をいい、矩形形状であれば対角線の交点をいう。
なお、隣り合う開口部Apの一部が対向する、ということは、画素電極118同士が接近する、ということであるので、当該部分でリバースチルトドメインが発生しやすくなる。ただし、開口部Apの全周ではなく、縦辺の一部のみであるので、表示品質の低下については無視することができる場合が多い。
次に、第2実施形態に係るプロジェクターについて説明する。第2実施形態に係るプロジェクターが第1実施形態に係るプロジェクターと異なる点は、液晶パネル100R、100Gおよび100Bにおける画素配列であり、それ以外は同一である。そこで、第2実施形態については、この画素配列を中心に説明する。
図10は、第2実施形態に係るプロジェクターにおける液晶パネルの画素配列を平面視で示す図である。
この図に示されるように、第2実施形態に係るプロジェクターでは、液晶パネルの画素Dおよび当該画素Dの開口部Apのすべては、図5に示した第1実施形態における奇数列の画素Dおよび当該画素Dの開口部Apとそれぞれ共通である。また、第2実施形態に係る液晶パネルのうち、偶数列の画素Dおよび当該画素Dの開口部Apは、奇数列の画素Dおよび当該画素Dの開口部Apを基準にして、Y方向に、画素ピッチの半分だけシフトしている。
したがって、第2実施形態については、複数の画素Dにおける開口部Apの配列についてのみ着目すれば、第1実施形態と同様である。すなわち、画素シフトさせないA状態において開口部Apは、図4の画素配列のうち、画素aに対応する配列となる。
図11は、第2実施形態において、画素シフト素子400により画素シフトさせた状態でスクリーン300に投射される画素の配列を示す図である。
第2実施形態において、画素シフトさせたB状態でスクリーン300に投射される画素配列は、第1実施形態と同様に、A状態でスクリーン300に投射される画素配列に対してY方向(下方向)に、0.5画素分シフトされる。このため、第2実施形態においても、B状態において開口部Apは、図4の画素配列のうち、画素bに対応するように配列することになる。
したがって、第2実施形態においても、A状態とB状態とで切り替えられた場合、スクリーン300に投射される画像の画素配列は、図7に示される通りとなる。
このため、第2実施形態では、第1実施形態と同様に、図4で示した映像信号Vid-inで規定される画像が再現されることになって、解像度が擬似的に高められるとともに、明るい画像は得られることになる。
なお、特に図示しないが、第2実施形態においても、図9と同様に、同一行で隣り合う画素Dにおいて、開口部Apの一部が対向するように構成しても良い。
第1実施形態および第2実施形態については、平面視したときに開口部Apの形状をほぼ正方形としたが、これに限られない。
図12は、応用・変形例に係るプロジェクターにおける画素配列を平面視で示す図である。この例では、第1実施形態における画素Dおよび開口部ApをY方向のみ1/2に圧縮した形状となっている。
具体的には、画素Dは、ほぼ正方形であり、矩形形状の開口部Apが、奇数列では図において上側に、偶数列では下側に、それぞれ設けられている。開口部Apにおける縦辺の長さは、画素Dのほぼ半分である。このため、開口率は、約50%程度となり、また、同一行で隣り合う画素Dの開口部Apでは、縦辺同士が互いに対向しないように構成される。
図13は、画素シフト素子400により画素シフトさせた状態でスクリーン300に投射される画素の配列を示す図である。この応用・変形例においても、図12に示した画素の配列に対して、Y方向(下方向)に0.5画素分、画素シフト素子400により画素シフトされる。
したがって、この応用・変形例においても、解像度を擬似的に高めつつ、かつ、明るい画像を得ることができる。
なお、この応用・変形例においても、図14に示されるように、同一行で隣り合う画素Dにおいて、開口部Apの一部が対向するように構成し、開口率を高めて、より明るい画像が得られるようにしても良い。
本発明は、上述した第1実施形態、第2実施形態および応用・変形例(以下、実施形態等という)に限定されるものではなく、例えば次に述べるような各種の応用・変形が可能である。なお、次に述べる応用・変形の態様は、任意に選択された一または複数を適宜に組み合わせることもできる。
実施形態等のように、図8のように画素シフト素子400による画素シフトを奇数フィールドでA状態とし、偶数フィールドでB状態とした場合、1行目の画素は奇数フィールドの全域にわたってA状態となるが、1080行目の画素は途中でA状態からB状態に切り替わる。このため、スクリーン300に投射される画像の上側と下側とで差が生じてしまう。
そこで、各フィールドにおいて1行目の走査線112が選択されてから最終の1080行目の走査線112が選択されるまでの期間について出射光を遮断するシャッター機構を設けて、スクリーン300に投射される画像の上側と下側との差が生じないようにしても良い。
実施形態等にあっては、画素シフトさせない状態をA状態とし、画素シフトさせた状態をB状態としたが、両状態で比較したときに相対的な画素シフト量が0.5画素分であれば良いので、例えば+0.25画素分シフトした状態をA状態とし、−0.25画素分シフトした状態をB状態としても良い。
解像度変換回路601においては、解像度変換の際に画素シフトに伴って階調を補正する処理をしても良い。
実施形態等では、画素シフト素子400による画素シフトの方向をY方向(データ線延在方向)としたが、これに限られない。
例えば図6における液晶パネル100R、100Gおよび100Bの画素配列を時計回りに90度回転させた構成として、回転後の水平方向をX方向とし、回転後の垂直方向をY方向とし、走査線延在方向のX方向に画素シフトしても良い。
すなわち、本説明において第1方向および第2方向とは、いずれかの一方をX方向とし、いずれかの他方をY方向として考えることができる相対的な概念である。
実施形態等では、液晶パネル100R、100Gおよび100Bを透過型として説明したが、反射型としても良い。反射型では、開口部Apは、光を反射可能な領域であり、画素電極118に反射膜を設けることで形成可能である。また、ブラックマトリクスは、光を反射しない領域あるいは反射量が開口部Apより小さい領域であり、光吸収膜、または液晶105のノーマリブラック領域で、形成可能である。その場合、プロジェクター1は、反射型液晶パネルに適した光学系を有し、画素シフト素子400は適切な位置に配置される。
また、実施形態等では、液晶パネル100R、100Gおよび100Bの開口部を透過(反射)した出射光の光軸を、画素シフト素子400でを用いてシフトさせて画素シフトする構成としたが、例えば、液晶パネル100R、100Gおよび100B自体をアクチュエーターによりシフトさせても良い。すなわち、画素シフト素子は、結果的にスクリーン300に投射される画像の画素をシフトさせる構成であれば良い。
1…プロジェクター、100R、100G、100B…液晶パネル、112…走査線、114…データ線、118…画素電極、400…画素シフト素子、500…走査制御回路、600…信号処理回路、D…画素、Ap…開口部。

Claims (5)

  1. 第1方向および第2方向にマトリクスに配列する複数の画素と、
    前記複数の画素の各々において光を透過または反射させる開口部と、
    を含み、
    前記開口部を透過または反射した出射光の視認位置が、第1位置と、前記第1位置から前記第1方向にシフトした第2位置とに画素シフト素子によって切り替えられ、
    一の画素の開口部の重心と、前記一の画素に対して前記第2方向で隣り合う画素の開口部の重心とは、前記第2方向に沿って不揃いである
    電気光学装置。
  2. 前記画素の開口部の重心は、当該画素の重心に対して前記第1方向に沿ってずれている
    請求項1に記載の電気光学装置。
  3. 一の画素の開口部に一部と、前記一の画素に対して前記第2方向で隣り合う画素の開口部の一部とが、互いに向かい合う
    請求項2に記載の電気光学装置。
  4. 前記画素シフト素子における前記第1位置から前記第2位置までのシフト量は、前記複数の画素の配列ピッチの半分である
    請求項1、2または3に記載の電気光学装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の電気光学装置の複数と、
    前記複数の電気光学装置の各々に対し、異なる波長帯域の光で照明する照明部と、
    前記複数の電気光学装置で形成された画像を合成する合成部と、
    前記合成部により合成された画像をスクリーンに投射する投射部と、
    を有し、
    前記画素シフト素子は、前記合成部により合成された画像を画素シフトする
    電子機器。
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