JP2018095910A - 表面処理金属板およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】表面処理液やその乾燥のためのコストを増大させることなく、優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板を製造する方法および優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板を提供する。【解決手段】直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を金属板に噴射し、次いで乾燥させることにより、皮膜の金属板表面被覆率が60〜90%となるように、金属板表面に皮膜を斑点状に形成する。【選択図】図4

Description

本発明は、表面処理金属板およびその製造方法に関するものである。特に、亜鉛めっき鋼板、溶融亜鉛めっき鋼板にクロメートフリー表面処理を施して表面処理亜鉛めっき鋼板を製造する場合に好適な表面処理金属板およびその製造方法に関するものである。
従来、鋼板などの金属材料(以下、鋼板を例に説明する)の表面に耐食性、耐熱性、耐指紋性、塗装性などの特性を付与するために、表面処理法として、クロメート処理が広く行われてきた。しかし、近年、クロメート処理は環境負荷が大きいという理由から、クロメートを用いないクロメートフリー表面処理の開発が行われている。
鋼板を表面処理する際の鋼板等への表面処理液の塗布方法としては、ロールコータ塗布、表面処理液中への鋼板の浸漬塗布、スプレー塗布、浸漬やスプレー塗布後のロールなどによる液膜絞りなどの方法が採られている。
乾燥後膜厚が同じ場合、クロメートフリー表面処理皮膜は、クロメート処理皮膜に比べて耐食性などの必要特性が低下するため、クロメートフリー表面処理では、より厚い皮膜を形成する必要がある。厚い皮膜を形成するには、(i)処理液の塗布量を多くして塗布膜厚を厚くする、(ii)処理液の固形分濃度を高くする、といった方法がある。しかし、前者の方法では、乾燥に必要な熱量が多くなるため製造コストが増大する。後者の方法では、ロールコータなどで塗布する際に皮膜欠陥の発生リスクが高くなる。
また、クロメート処理の場合、不動態膜の形成によりクロメートと亜鉛とが必要以上に反応しないが、クロメートフリー表面処理では、不動態皮膜が形成される前に亜鉛の溶解反応が進み、処理液中の亜鉛濃度が増加する。そのため、クロメートフリー処理液を鋼板に塗布すると、亜鉛を溶かし、処理液中の亜鉛濃度が高くなる。このため鋼板を浸漬塗布又はスプレー塗布後、ロールやエアノズルなどによる液膜絞りを行う場合、絞られた液膜中の亜鉛濃度が徐々に高くなり、一定の亜鉛濃度を超えると処理液の特性が劣化するため、処理液を交換する必要があり、コストの増大を招く。また、亜鉛濃度がさらに増加すると、スラッジが発生する場合もあり、この処理によるコスト増大もある。
これらの問題を解決するため、特許文献1には、気液混合スプレーを用いて処理液を粒径10〜30μmの微細な液体粒子とした状態で亜鉛めっき鋼板に吹き付けるスプレーコーティング方法が開示されている。この方法によれば、塗りムラの発生を抑制するとともに、膜厚を増大させないようにしつつ十分な耐食性を確保することができるとしている。ここで、特許文献1に具体的に示されているスプレーコーティング方法は、鋼板幅方向で間隔をおいて複数本のスプレーノズルを配置し、このスプレーノズル群を通板方向で複数段配置した装置により、亜鉛めっき鋼板に表面処理液を塗布するものである。
特開2009−293062号公報
特許文献1に記載のスプレーコーティング方法は、ロールやエアノズルで液膜の絞りを行うことによる処理液の劣化(亜鉛の溶解による液の劣化)を防止するために、微細な液滴をスプレー塗布し、塗布後の液膜絞りを行わないことを前提としている。このため、スプレー塗布したままで、膜厚のばらつきが少ない均一な皮膜が形成される必要がある。さらに、特許文献1に示される技術は、皮膜を鋼板表面の全面に対し、表面の凹凸に沿った面状で皮膜を形成する技術である。クロメートフリー処理液は亜鉛と反応し、また、処理液を微粒化すると液粒子が乾燥しやすいことから、特許文献1に記載の塗布方法で面状塗布する場合には、不揮発成分割合を下げる、複数回塗布する、といった操作が必要である。前者は、皮膜の乾燥に必要な熱量が増加し、乾燥設備の設備長を長くとる必要があり、後者は塗布設備長を長くする必要があり、投資コストおよびランニングコストが増加する。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであって、表面処理液やその乾燥のためのコストを増大させることなく、優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板を製造する方法および優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板を提供することを目的とする。
本発明者は、詳細な検討を行った結果、以下のような知見を得た。
耐食性の点から、鋼板表面に形成される皮膜について検討した。具体的には、鋼板表面に面状に皮膜を形成したサンプル1と、鋼板表面に、皮膜が面状ではなく、斑点状に形成したサンプル2とを作成し、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験により、耐食性を調査した。
結果、付着量が同程度であれば、サンプル1とサンプル2では、同程度の耐食性を有することを確認した。鋼板表面に、皮膜が斑点状に形成されている場合、皮膜が形成されていない箇所が鋼板表面に存在することになる。そのような皮膜が形成されていない箇所は耐食性が劣化する起点となると従来は考えられていた。しかしながら、斑点状の皮膜を形成しうる粒子(鋼板に塗布する表面処理液の粒子)がある程度微粒化していれば、耐食性は劣化せず、鋼板表面に面状に皮膜を形成した場合と同程度の耐食性を持つことがわかった。
したがって、付着量さえ確保できれば、面状に均一に鋼板表面に皮膜を形成させる必要はなく、斑点状に皮膜を形成すれば十分である。
また、上記サンプル1と、上記サンプル2で、外観の比較を行ったところ、耐食性同様に、斑点状の皮膜を形成しうる粒子(鋼板に塗布する表面処理液の粒子)の直径が50μm以下であれば斑点状皮膜であっても外観に問題ないことを確認した。
本発明は上記知見に基づくものであり、特徴は以下の通りである。
[1]直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を金属板に噴射し、次いで乾燥させることにより、皮膜の金属板表面被覆率が60〜90%となるように、金属板表面に皮膜を斑点状に形成することを特徴とする表面処理金属板の製造方法。
[2]斑点状の皮膜を金属板表面に有していることを特徴とする表面処理金属板。
本発明によれば、表面処理液やその乾燥のためのコストを増大させることなく、優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板を低コストで製造することができる。また、塗布後の液膜絞りを行わずに上記表面処理金属板を製造できるため、表面処理液中の亜鉛濃度の増加による特性の劣化を防ぐことができる。
本発明を溶融亜鉛めっき鋼板のクロメートフリー表面処理に適用することにより、耐食性や外観性などに優れた表面処理溶融亜鉛めっき鋼板を低コストで製造することができる。
本発明の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態を模式的に示す図である。 本発明の一実施形態で使用されるスリットノズルを示すものであり、ノズル先端部の縦断面図である。 本発明の一実施形態であり、鋼板表面の斑点状の皮膜を模式的に示す図である。
本発明の表面処理金属板は、金属板表面に皮膜が斑点状に形成されていることを特徴とする。そして、このような表面処理金属板は、直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を金属板に噴射し、鋼板表面に微粒化した表面処理液を付着させ、次いで、乾燥させることで製造することができる。この時、皮膜の金属板表面被覆率は60〜90%である。例えば、鋼板幅方向に沿ったスリット状の噴射口を有し、鋼板幅方向において鋼板幅以上の領域に表面処理液を噴射可能な1つのスリットノズルを配置し、このスリットノズルにより、直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を鋼板幅方向の全域にわたり噴射する。この時、従来法(特許文献1に記載の方法)のように、均一な面状の皮膜でなく、斑点状の皮膜を形成することが本発明において重要な要件であり、特徴である。
なお、斑点状の皮膜とは、図4に示すように、面全体に皮膜を形成している状態ではなく、直径が50μm以下の液体粒子が鋼板表面上にまばらな状態で存在し、直径が50μm以下の液体粒子が鋼板に衝突し、乾燥し、皮膜を形成している状態を指す。
以下、本発明の詳細を、表面処理の鋼板の対象が亜鉛めっき鋼板の場合を例に説明する。
直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を金属板に噴射し、鋼板表面に微粒化した表面処理液を付着させる。
微粒化するとは、金属板の表面に斑点状の皮膜が形成できる程度に、表面処理液の粒子径が小さくなっていることを示し、表面処理液の粒子径が直径50μm以下の粒子となっていることである。表面処理液の粒子径が50μm以下であれば、鋼板表面に付着し、乾燥した後、微粒子(数十μm)が鋼板表面上にまばらな状態で存在し斑点状の皮膜を形成することができる。
鋼板表面に噴射される表面処理液を微粒化する方法としては、処理液と圧縮空気をノズル内部または出口付近で混合し、ノズル出口からノズル外に噴射する方法が挙げられる。
表面処理液は、固形分濃度が10〜20%であることが好ましい。10%未満では、乾燥不良が発生しやすい。20%超えでは高粘度となり噴射が難しくなる場合がある。10%以上20%以下であれば、塗布直後にほぼ乾燥した状態になるため、乾燥炉の能力が低くても乾燥可能となる。
固形分濃度は、通常、用いられる方法により測定することができる。例えば、初期液量を約1gとし、110℃の炉で2時間保持し、保持前後の重量差から算出することができる。
表面処理液としては、特に限定はなく、通常用いられているものを用いることができる。例えば、シランカップリング剤、界面活性剤が溶媒として水中に含有されている水溶液である。
表面処理液を微粒化して金属板に噴射後、次いで乾燥させる。乾燥条件は特に限定しない。熱風加熱、誘導加熱、赤外線加熱などの方法を用いることができる。
耐食性の確保の点から、表面処理液の鋼板への乾燥後付着量は0.2〜1.0g/m2とすることが好ましい。0.2g/m2未満では、耐食性が不足する場合がある。1.0g/m2超えでは、乾燥不良となる場合がある。
以上から金属板表面に形成される皮膜の金属板表面被覆率は60〜90%である。60%未満では耐食性が低下する。一方、上限は表面処理液や表面処理液乾燥のためのコスト低減効果の点から90%以下である。なお、表面被覆率は実施例に後述する方法で求めることができる。
図1および図2は、本発明の一実施形態を模式的に示す図である。図1、図2において、1は表面処理部、2はスリットノズル、3は表面処理液(噴射液)、Sは鋼板を示す。
表面処理部1とは鋼板の表面に表面処理液を付着させる設備であり、水平状に連続通板する鋼板Sに対して上方及び下方から微粒化した表面処理液3を噴射するスリットノズル2を備えている。図1、図2では、鋼板の上方及び下方の各位置に1つ(1段)のスリットノズルが設けられている。
スリットノズル2は、鋼板幅方向において鋼板幅以上の領域に表面処理液3を噴射可能とする鋼板幅方向に沿ったスリット状の噴射口を有し、この噴射口から、圧縮気体を混合することで微粒化させた表面処理液(噴射液)3を鋼板に噴射する。
図3は、外部混合型のスリットノズルを示す図であり、ノズル先端部を通板方向に縦断面した状態で示したものである。このスリットノズルの先端には、通板方向の中央にスリット状の液体噴射口(図示せず)が、その両側にスリット状の気体噴射口(図示せず)が、それぞれスリットノズル全幅に亘って形成され、これら液体噴射口と気体噴射口が、スリットノズルの噴射口4を構成している。ノズル本体5の内部には、それぞれ液体噴射口と気体噴射口に通じる液体用流路6と気体用流路7が、スリットノズル全幅に亘って形成されている。
このようなスリットノズルでは、液体用流路6を流れて液体噴射口から噴射された表面処理液と、気体用流路7を流れて気体噴射口から噴射された圧縮空気が噴射口4の先で混合し、表面処理液が微細な液滴となる。
なお、各スリットノズルの噴射口4と鋼板Sと距離は、通常、50〜400mm程度が適当である。
スリットノズルには、表面処理液が処理液タンクからポンプにより供給されるとともに、コンプレッサ又はブロアにより圧縮空気が供給される。
スリットノズルからの噴射液が周囲に飛散しないようにするため、スリットノズルが配置された表面処理部1は、全体がカバーで覆われている。なお、表面処理部には、鋼板に付着しなかった処理液を回収し、気体と処理液に分離する装置を付設し、回収した処理液を再利用できるようにすることが望ましい。
本発明では、以上の図1、図2、図3からなる設備を用いて、表面処理部1に進入したSに対して、各スリットノズル2から微粒化した表面処理液3を鋼板幅方向の全域(全幅)にわたり噴射する。
表面処理部1では、鋼板の通板速度と表面処理皮膜の目標膜厚などの塗布条件に応じて、処理液の流量、圧縮空気の流量が決められ、微粒化した表面処理液を鋼板幅方向の全域(全幅)にわたり噴射することで鋼板表面に表面処理液が付着する。
本発明では、表面処理液の微粒化した粒子を鋼板表面に付着させることにより、斑点状の表面処理皮膜を形成することを狙いとしているため、スリットノズルから噴射する液滴の粒径が小さく、処理液の塗布量(液供給量)が少なく、濡れ膜厚及び乾燥膜厚が薄いことが好ましい。
例えば、スリットノズル2から噴射される液滴の粒径は直径が10〜50μm程度とするのが好ましい。液滴の粒径が直径で10μm未満では塗着効率が低下し、処理液コストが増大しやすい。一方、液滴の粒径が直径で50μmを超えると外観の劣化が生じる。スリットノズルから噴射される液滴の粒径は、圧縮空気の圧力と処理液の流量を調整することにより制御することができる。
本発明では、ロールやエアノズルなどによる液膜の絞りを行うことなく、微細な液滴をスプレー塗布したままで斑点状の皮膜を得ることを狙いとするものである。したがって、表面処理液の塗布後の液膜絞り(平滑化処理)は行わない。その結果、本発明では、表面処理液中の亜鉛濃度の増加による特性の劣化を防ぐことができる。
表面処理部で鋼板の表面に付着した表面処理液は、次いで、熱風加熱、誘導加熱、赤外線加熱などの方法により乾燥される。
本発明の適用対象となる金属板や表面処理の種類に制限はなく、種々の金属板と表面処理を適用対象とすることができる。合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)、溶融亜鉛めっき鋼板(GI)、電気亜鉛めっき鋼板(EG)、溶融亜鉛−5%アルミニウム合金メッキ鋼板(ガルファン)を被処理金属板とし、これらにクロメートフリー表面処理を施して表面処理亜鉛めっき鋼板を製造する場合に本発明の有用性が高い。亜鉛めっき鋼板、特に溶融亜鉛めっき鋼板に処理液を塗布した後、ロールやエアノズルなどによる液膜の絞りを行うと、亜鉛の溶解による処理液の特性の劣化が生じるが、本発明では、液膜の絞りは行わないため、特性が劣化しない。好適に用いることができる。
以下、本発明を、実施例に基いて具体的に説明する。
溶融亜鉛めっき鋼板(GI)を被処理金属板とし、これにクロメートフリー表面処理を施して表面処理金属板を製造した。
本発明例では、図1及び図2に示す、鋼板幅方向において鋼板幅以上の領域に表面処理液を噴射可能とする鋼板幅方向に沿ったスリット状の噴射口を有し、圧縮気体を混合することで微粒化させた表面処理液を噴射するスリットノズルを、鋼板パスラインの(通板方向に対して)上方及び下方の各位置に、通板方向で間隔をおいて1個配置した表面処理部で鋼板の表面処理を行った。この際、各スリットノズルにより、表1に示す条件で微粒化した表面処理液を鋼板幅方向の全域にわたり噴射した。
また、図1で示したように、表面処理部をカバーで覆い、スリットノズルから噴射後、鋼板に付着しなかった表面処理液を回収・分離する装置を用い、分離後の表面処理液は処理液タンクに戻すという操作を行った。
表面処理液が付着した鋼板は、次いで、熱風乾燥炉に装入して乾燥処理を行った。乾燥処理は100℃、5秒で行った。
比較例では、従来法(特許文献1の方法)に従い、通板方向で2段ノズルを配置し、面状の皮膜になるように、処理液の固形分濃度を低くし、表面処理部で鋼板の表面処理を行った。表面処理液の回収・分離、乾燥処理は、本発明例と同様とした。
表面処理液は、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、有機ケイ素化合物、Zrフルオロ化合物、リン酸、オキシ硫酸バナジウム、ポリエチレンオキサイドを含む薬液を所定の固形分濃度になるように純水で希釈したものを用いた。この表面処理液は、粘度10mPas、表面張力40mN/m、比重1であった。
本発明例、比較例ともに、表面処理皮膜の膜厚は表面処理液と圧縮空気の流量により調整した。本発明例のスリットノズルや比較例のスプレーノズルから噴射される液滴の粒径は、圧縮空気の圧力(1〜5kg/cm)と表面処理液の流量(1〜10L/hr)を調整することにより制御した。
液滴粒子径はSauter平均であり、シリコンオイルに液滴を捕集して測定を行う方法により計測した。すなわち、シリコンオイルを塗布したガラス板上に、各実施例と同じ条件で表面処理液の液滴を噴射後、写真を撮影し、液滴の直径と個数を測定する方法で計測した。
乾燥後付着量は、表面処理液を塗布・乾燥させた鋼板から幅方向に100mmピッチで複数箇所から板を切り出し、それぞれについて皮膜の乾燥後付着量を重量法で校正した蛍光X線分析により計測した。
鋼板表面に形成されている皮膜の状態については、鋼板表面のEPMAのマッピング画像で判定を行い、均一に皮膜が形成されているものを面状、まだらに皮膜が形成されているものを斑点状とした。また、金属板表面被覆率は、斑点が識別可能な倍率のSEM画像で斑点部分を識別し、斑点部分の面積率を求めた。
以上により得られた表面処理金属板について、乾燥状態、耐食性、耐黒変性、外観の評価を行った。
乾燥判定については、乾燥処理後の状態で、目視で観察し、乾燥しているものを合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
耐食性については、JIS Z2371に準拠した塩水噴霧試験を24時間実施し、錆発生面積が全体の10%未満の場合を合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
耐黒変性については、以下の方法にて評価した。
上記皮膜を形成した各供試板からサイズ50×150mmの試験片を切り出し、80℃、98%RHの恒温槽に24時間保持した。保持前後の試験片の色調を分光色彩計を用いてLab表色系のL値で表し、その差(ΔL)で評価した。判定基準は以下のとおりである。
判定基準:
○ :ΔL≧−3
△ :−3>ΔL≧−5
× :ΔL<−5
外観については、塗布欠陥模様が目視で確認できなければ合格(○)とし、それ以外を不合格(×)とした。
以上により得られた結果を条件と併せて表1に示す。
Figure 2018095910
比較例では乾燥不良を引き起こすか、耐食性が劣るか、外観が劣っていた。
これに対して、本発明例では、斑点状の皮膜を金属板表面に有する表面処理金属板が得られ、優れた耐食性及び外観性を有していた。面状の皮膜を形成させる必要がないため、固形分濃度が比較的高い値でも塗布可能である。面状の皮膜を形成し耐食性が良好な比較例1と付着量が同じであれば、耐食性について問題はなく、良好となった。
また、合金化溶融亜鉛めっき鋼板(GA)を被処理金属板とし、これにクロメートフリー表面処理を施して表面処理金属板を製造し、上記と同様の評価を行ったところ、本発明範囲内では、優れた耐食性及び外観性を有する表面処理金属板が得られた。
なお、使用ノズルは2流体のスリットノズルとしているが、1流体ノズルでも、複数個のノズルを幅方向に使用するノズルであっても、本発明と同様の効果を得ることが可能である。
1 表面処理部
2 スリットノズル
3 表面処理液(噴射液)
4 噴射口
5 ノズル本体
6 液体用流路
7 気体用流路
S 鋼板

Claims (2)

  1. 直径が50μm以下の液体粒子からなる表面処理液を金属板に噴射し、次いで乾燥させることにより、皮膜の金属板表面被覆率が60〜90%となるように、金属板表面に皮膜を斑点状に形成することを特徴とする表面処理金属板の製造方法。
  2. 斑点状の皮膜を金属板表面に有していることを特徴とする表面処理金属板。
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