JP2018095221A - 車両搭載機器の制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】第1信号を検出する回路と第2信号を検出する回路との間の短絡による異常を検出し得る車両搭載機器の制御装置を提供する。【解決手段】電動モータ17を制御する指令信号Ioを演算するCPU52と、モータ電流値Imを検出する電流センサ58と、CPUと電流センサの間に設けられ、電流センサによって検出されたモータ電流値のアナログ信号であるサブの電流値信号Imsの振幅を増幅させるアンプ82と、CPUに設けられ、アンプを通過したサブの電流値信号と電流センサによって検出されたモータ電流値のアナログ信号であるメインの電流値信号Immとを比較することにより装置の短絡異常の有無を判断する比較判断を実行するショート診断部69と、を備えた。【選択図】図6

Description

本発明は、車両搭載機器の駆動部を制御する制御装置に関する。
従来の車両搭載機器の制御装置としては、例えば以下の特許文献1に記載されたものが知られている。
この制御装置は、電動パワーステアリング装置の駆動部である電動モータを制御するもので、各種演算を行うCPUと、前記電動モータに流れる電流値をアナログ信号である電流値信号として検出する状態量検出部としての電流検出用抵抗と、を有している。そして、前記制御装置は、前記電流値信号が前記CPUに入力されると、該CPUによって、演算により算出される目標電流値に前記電流値が一致するように前記電動モータをフィードバック制御する。
特許第4089435号公報
ところで、近年、安全性の観点から制御装置の各構成を冗長化することが要望されており、前記従来の制御装置のような構成においても、電流検出用抵抗を介して検出される電流値信号を2重系にするといった方法が考えられている。このような場合、一方の電流値信号(第1信号)を前記CPUに伝達する回路に異常が発生した際に、該一方の電流値信号と他方の電流値信号(第2信号)とを比較することで前記異常を検出できる。
しかしながら、前述の構成では、前記第1信号の回路と第2信号の回路との間に短絡を原因とする異常が生じた場合については、該短絡により前記第1,第2信号がほぼ同一の値を示すこととなるため、前記異常を検出することができない。
本発明は、従来の実情に鑑みて案出されたもので、第1信号を検出する回路と第2信号を検出する回路との間の短絡による異常を検出し得る車両搭載機器の制御装置を提供することを目的としている。
本発明によれば、その一つの態様において、とりわけ、車両搭載機器の駆動部を制御する指令信号を演算するCPUと車両搭載機器の状態量を検出する状態量検出部との間に設けられ、前記状態量検出部によって検出された第1信号の振幅を変化させる振幅変化部と、前記CPUに設けられ、前記振幅変化部を通過した第1信号と前記状態量検出部によって検出された第2信号とを比較することにより装置の異常の有無を判断する異常判断部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、第1信号を検出する回路と第2信号を検出する回路との間の短絡による異常を検出することができる。
本発明に係る制御装置が適用されるパワーステアリング装置の概略図である。 同パワーステアリング装置の縦断面図である。 制御装置や、モータ及びセンサからなる電気系のシステム構成図である。 CPUの演算回路構成を示す制御ブロック図である。 インバータ回路や電流検出回路の詳細を示す図である。 異常判断部による第1信号の回路と第2信号の回路との間の短絡診断を示す図であって、(a)は正常時、(b)は短絡時を表したものである。 本発明の第2実施形態に係る異常判断部による第1信号の回路と第2信号の回路との間の短絡診断を示す図であって、(a)は正常時、(b)は短絡時を表したものである。 第2実施形態に係る制御装置による第1,第2信号を検出する回路間の短絡検出処理を示すフローチャートである。
以下、本発明に係る車両搭載機器の制御装置の実施形態を、図面に基づいて説明する。なお、以下では、前記制御装置を車両搭載機器としてのパワーステアリング装置に適用したものを示している。
〔第1実施形態〕
図1は本発明の第1実施形態に係るパワーステアリング装置の斜視図である。
図示のように、パワーステアリング装置は、運転者による操舵操作に基づき図外の一対の転舵輪を操舵する操舵機構1と、運転者の操舵操作をアシストする操舵アシスト機構2と、を備えている。これら操舵機構1と操舵アシスト機構2は、アルミニウム合金等の金属材料からなるハウジング3内にそれぞれ少なくとも一部が収容されている。
図2は前記パワーステアリング装置の縦断面図である。
操舵機構1は、車両の運転室内に配置された図外のステアリングホイールに接続された操舵軸4と、前記転舵輪に連係された転舵軸としてのラックバー5と、操舵軸4とラックバー5とを連係させる変換機構6と、を備えている。変換機構6は、操舵軸4(後述する出力軸8)の外周に形成された図外のピニオン歯と、ラックバー5の外周に形成された図外のラック歯とにより構成される、いわゆるラック・ピニオン機構である。
操舵軸4は、軸方向一端側が前記ステアリングホイールと一体回転可能に連結された入力軸7と、軸方向一端側が図外のトーションバーを介して入力軸7の軸方向他端側に接続された出力軸8と、を有する。
ラックバー5は、軸方向の両端部がそれぞれタイロッド9,9及び一対のナックルアームを介して前記一対の転舵輪に連係されている。これにより、ラックバー5が軸方向へ移動すると、各タイロッド9を介して前記各ナックルアームが引っ張られることで、前記一対の転舵輪の向きが変更されるようになっている。
また、ラックバー5は、ハウジング3の一部を構成するほぼ円筒状のラックハウジング10のラックバー収容部11内に、軸方向両端部が外部に露出した状態で軸方向へ移動可能に収容されている。ラックハウジング10は、鋳造により軸方向に2分割に形成されてなるもので、ラックバー5の軸方向一端側を収容する第1ハウジング12と、ラックバー5の軸方向他端側を収容する第2ハウジング13と、を図外の複数のボルトで締結することによって構成されている。なお、ラックバー収容部11は、第1ハウジング12の内部を軸方向に貫通する第1ラックバー収容部14と、第2ハウジング13の内部を軸方向に貫通する第2ラックバー収容部15と、により構成される。
また、ラックハウジング10の軸方向両端部には、それぞれ蛇腹状に形成されたブーツ16,16がタイロッド9,9に跨るようにして装着されている。これらブーツ16,16は、合成ゴム材料等の弾性材料により所定の可撓性を確保するように形成されており、ハウジング3内部への水や塵芥等の浸入を抑制するようになっている。
操舵アシスト機構2は、操舵アシスト力を生成する駆動部である電動モータ17と、電動モータ17の駆動力をラックバー5に伝達する伝達機構18と、パワーステアリング装置の各種状態量を検出する各種センサと、該各種センサが出力する信号等に基づき電動モータ17を駆動制御する制御装置19と、を備えている。
前記各種センサのうち、前記ステアリングホイールの中立位置からの回転量である舵角を検出する舵角センサ20と、操舵軸4に入力された操舵トルクを検出するトルクセンサ21は、共に操舵軸4の外周を取り囲むように形成されたハウジング3の一部であるセンサハウジング22内に収容されている。
舵角センサ20は、操舵軸4の入力軸7の外周に取り付けられ、入力軸7の回転角に基づいて前記舵角を検出する。また、舵角センサ20は、メイン,サブの舵角検出部20a,20bを有しており、その各々が舵角を検出するようになっている(図3参照)。
トルクセンサ21は、入力軸7と出力軸8との間に跨るようにして設けられ、入力軸7と出力軸8との相対回転の変位量に基づいて前記操舵トルクを検出する。また、トルクセンサ21は、メイン,サブのトルク検出部21a,21bを有しており、その各々が操舵トルクを検出するようになっている(図3参照)。
なお、舵角センサ20とトルクセンサ21は、ラックハウジング10の外周に沿って設けられる図外のハーネスを介して制御装置19と電気的に接続されている。
電動モータ17は、3相交流電力に基づき駆動されるいわゆる3相交流モータであって、ハウジング3の一部を構成するモータハウジング23と、モータハウジング23内に設けられたモータ要素と、を備えている。
モータハウジング23は、前記モータ要素を内部に収容する円筒状の筒状部23aと、それぞれ筒状部23aの開口部を閉塞する第1,第2端壁部23b,23cと、を有している。
前記モータ要素は、筒状部23aの内周面に焼き嵌め等によって固定された筒状のステータ26と、ステータ26の内周側に所定の径方向隙間を介して配置される筒状のロータ27と、ロータ27の内周側に一体回転可能に固定され、ロータ27の回転を出力するモータ軸28と、を有する。
ステータ26は、複数の薄板を積層してなる図外のステータコアにU相,V相,W相コイル26u,26v,26w(図5参照)が巻き付けられることにより構成されている。なお、本実施形態では、各コイル26u,26v,26wをいわゆるY結線(スター結線)によって接続しているが、これらをデルタ結線により接続してもよい。
モータ軸28は、その両端部28a,28bが第1,第2端壁部23b,23cのそれぞれに貫通形成された貫通孔を介してモータハウジング23から露出している。このうち、制御装置19と反対側の一端部28aについては、伝達機構18を収容する後述の伝達機構収容部31内に臨んでいる。一方、他端部28bについては、制御装置19を収容する後述の制御装置収容部43内に臨んでいる。
また、モータ軸28は、一端部28a側の外周面と第1端壁部23bの貫通孔内周面との間に設けられた第1ボールベアリング29と、他端部28b側の外周面と第2端壁部23cの貫通孔内周面との間に設けられた第2ボールベアリング30と、によって回転可能に支持されている。
伝達機構18は、ハウジング3の伝達機構収容部31内に収容されるもので、入力側プーリ32及び出力側プーリ33と、両プーリ32,33間に巻き掛けられたベルト34と、出力側プーリ33の回転を減速しながらラックバー5の軸方向運動へと変換するボールねじ機構35と、を有する。
伝達機構収容部31は、第1ラックバー収容部14の第2ハウジング13側の端部に拡径状に設けられた第1伝達機構収容部36と、第2ラックバー収容部15の第1ハウジング12側の端部に拡径状に設けられた第2伝達機構収容部37と、が接合されることにより形成されている。
入力側プーリ32は、出力側プーリ33に対して比較的小径な円筒状に形成され、内周側に貫通形成された貫通孔を介して電動モータ17のモータ軸28の一端部28aに圧入固定されている。
出力側プーリ33は、ラックバー5の外周側に配置され、ボールねじ機構35を介してラックバー5に連係されている。より詳しくは、出力側プーリ33は、入力側プーリ32に対して比較的大径な有底円筒状を呈し、ボールねじ機構35の後述するナット38の外周に固定され、ナット38と一体回転するようになっている。
ベルト34は、内部にガラス繊維や鋼線等が芯材として埋設された無端状のVベルトであり、入力側プーリ32と出力側プーリ33とを同期回転させることで、入力側プーリ32の回転力を出力側プーリ33に伝達する。
ボールねじ機構35は、ラックバー5の外周側に配置された筒状のナット38と、ナット38とラックバー5との間に形成されたボール循環溝39と、ボール循環溝39内に転動可能に設けられた複数のボール40と、各ボール40をボール循環溝39の一端側から他端側へ循環させる図外の循環機構と、を備えている。
ナット38は、第1伝達機構収容部36内に収容されたボールベアリング41を介して回転可能に支持されている。ボールベアリング41は、ナット38と一体に形成されたインナレース部41aと、第1伝達機構収容部36の内周面に固定されたアウタレース部41bと、インナレース部41aとアウタレース部41bとの間に転動可能に収容された複数のボール41cと、を有する。なお、本実施形態では、インナレース部41aをナット38と一体に形成したものを例示しているが、インナレース部41aとナット38とを別体とすることも可能である。
ボール循環溝39は、ラックバー5の外周側に設けられた螺旋状の溝形状を有する軸側ボールねじ溝39aと、ナット38の内周側に設けられた螺旋状の溝形状を有するナット側ボールねじ溝39bと、から構成される。
制御装置19は、ハウジング3の一部を構成する制御ハウジング42と、制御ハウジング42の制御装置収容部43内に収容される制御基板44と、を備えている。
制御ハウジング42は、電動モータ17側の一端部がモータハウジング23の外周に被さる筒状のボディ45と、ボディ45の他端部側の開口部を閉塞するカバー46と、を有している。
制御基板44は、ガラスエポキシ樹脂に代表されるような非導電性樹脂材料からなる基板の表裏両面にそれぞれ図外の導体パターンを形成し、該導体パターン上に多数の電子部品が搭載されることにより構成されている。
また、図2に図示はしていないが、制御基板44上には、前記各種センサの1つであって、電動モータ17のロータ27の回転角であるモータ回転角を検出するモータ回転角センサ47(図3参照)が設けられている。
このモータ回転角センサ47は、モータ軸28の他端部28bに取り付けられる図外の磁石が発する磁界の変化に基づきモータ軸28(ロータ27)の回転角を検出する。また、モータ回転角センサ47は、メイン,サブのモータ回転角検出部47a,47bを有しており、その各々がモータ軸28の回転角を検出するようになっている(図3参照)。
図3は、制御装置19や、電動モータ17及び各種センサからなる電気系のシステム構成図である。
図示のように、制御装置19の制御基板44には、制御基板44上における電源の役割を有する電源供給回路51と、各種演算処理に供するCPU52と、CPU52からパルス幅変調信号(PWM信号)が入力される集積回路であるプリドライバ53と、プリドライバ53によって駆動されるインバータ回路54と、を備えている。
電源供給回路51は、車両のイグニッションスイッチIGN−SWのオン動作に伴いバッテリBattから電力VBが供給されると、この電力VBを適宜降圧させつつCPU52や各センサ20,21,47及びプリドライバ53に供給する。
CPU52には、図外のディファレンシャルギア等に設置された車速センサ等によって検出された車速信号VsがCAN通信回路55を介して入力される。
また、CPU52は、舵角センサ20のメイン,サブの舵角検出部20a,20bと電気的に接続され、これら各検出部20a,20bからそれぞれメイン,サブの舵角信号θs(Main),θs(Sub)が入力される。
同様に、CPU52は、トルクセンサ21のメイン,サブのトルク検出部21a,21bにも電気的に接続され、これら各検出部21a,21bからそれぞれメイン,サブのトルク信号Tr(Main),Tr(Sub)が入力される。
さらに、CPU52は、モータ回転角センサ47のメイン,サブのモータ回転角検出部47a,47bにも電気的に接続され、これら各検出部47a,47bからそれぞれメイン,サブのモータ回転角信号θm(Main),θm(Sub)が入力される。
インバータ回路54は、プリドライバ53からPWM信号を受けると、該PWM信号に応じてバッテリBattからの電力VBを直流から3相交流に変換して電動モータ17へ供給する。
また、バッテリBattとインバータ回路54との間には、バッテリBattからインバータ回路54へ送られる電力VBを遮断可能に構成されたフェイルセーフリレー56が設けられている。
このフェイルセーフリレー56は、CPU52が操舵アシストの継続が困難と判断した場合や、CPU監視部57がCPU52の異常を検出した場合にCPU52またはCPU監視部57から出力される遮断信号Sbが入力された場合に、バッテリBattからインバータ回路54へ送られる電力VBを遮断する。CPU監視部57は、Q&A(Question and Answer)によりCPU52の状態を判断する。すなわち、CPU監視部57は、CPU52に対して所定の質問を送信し、その質問に対するCPU52の返答が正しくない場合においてCPU52が異常であると判断する。
また、インバータ回路54とグランドGRDとの間には、前記状態量の1つである電動モータ17に流れるモータ電流値Imを検出するための状態量検出部である電流センサ58が設けられている。
電流センサ58は、いわゆるシャント抵抗であって、該シャント抵抗の両端部の電位差に基づきモータ電流値Imを検出するようになっている。
なお、この電流センサ58によって検出されたモータ電流値Imは、CPU52と電流センサ58との間に設けられた電流検出回路59を介してアナログ信号であるメインとサブの電流値信号Imm,Imsに冗長化される。そして、これらの冗長化されたそれぞれ電流値信号Imm,Imsは、CPU52から出力される増幅指令AmpM,AmpSに基づき振幅が増幅され、CPU52に入力された後、各々CPU52の制御処理に供されるようになっている。
具体的には、メインの電流値信号Immは、基本的に等倍に増幅された状態(実質的に増幅されていない状態)でCPU52に入力された後、電動モータ17のフィードバック制御に供される。
一方、サブの電流値信号Imsは、CPU52によって振幅が適宜増幅されるようになっている。そして、増幅された場合には、モータ過電流の検出処理や、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsが通流する後述の第1,第2電流検出回路78,79間のショート診断処理に供される。一方、振幅が増幅されないままCPU52に入力された場合には、メインの電流値信号Immとの比較による冗長監視処理に供される。
なお、これらメインとサブの電流値信号Imm,Imsのうち、メインの電流値信号Immが本発明の第2信号に相当し、サブの電流値信号Imsが本発明の第1信号に相当する。
図4は、CPU52の演算回路構成を示す制御ブロック図である。
図示のように、CPU52は、電動モータ17の制御に供する指令信号Ioを演算する指令信号演算部61と、指令信号Ioに基づきプリドライバ53等を介して電動モータ17を駆動制御するモータ制御部62と、を備えている。
さらに、CPU52は、操舵アシスト機構2がフェイルセーフを必要としている状況にあるか否かを判断するフェイルセーフ判断部63と、フェイルセーフ判断部63の判断結果に基づき各種フェイルセーフ処理を行うフェイルセーフ処理部64と、を有している。
指令信号演算部61は、車速信号Vsとメインのトルク信号Tr(Main)とから予め用意されたアシストMap65に基づき基本信号Ibを算出する。また、指令信号演算部61は、これと併行してメインの舵角信号θs(Main)に基づき操舵補助制御部66で前記ステアリングホイールの中立位置への戻り性を向上させるための補正信号Icを算出しており、加算器67によって基本信号Ibに補正信号Icを加算することで指令信号Ioを演算する。
なお、前記指令信号演算部61は、指令信号Ioの上限値を可変制御するリミッタ68を有しており、このリミッタ68によって例えば電動モータ17に過熱等が生じた場合に指令信号Ioの上限値を通常時よりも低く設定するようになっている。
モータ制御部62は、後述するショート診断部69が制御装置19に異常がないと判断している場合において、メインの電流値信号Immと指令信号Ioとに基づき電動モータを駆動制御する。より詳しくは、モータ制御部62は、制御装置19の正常時において、電流検出回路59を介してフィードバックされるメインの電流値信号Immが指令信号演算部61から入力される指令信号Ioに追従するように、プリドライバ53に対してPWM指令を出力する。
フェイルセーフ判断部63は、ショート診断部69による後述する第1,第2電流検出回路78,79間のショート(短絡)診断の結果や、第1〜第4冗長監視部70〜73による各種センサが出力する信号の冗長比較結果に基づき、フェイルセーフ処理が必要であるか否かを判断する。
ショート診断部69は、本発明の異常判断部に相当するものであって、例えばイグニッションスイッチIGN−SWがオンとなって制御装置19が起動した際にイニシャルチェックの一環として診断を行う。より詳しくは、ショート診断部69は、等倍すなわち増幅されていないメインの電流値信号Immと、所定倍率で増幅されたサブの電流値信号Ims(以下、増幅後のサブの電流値信号Imsと呼ぶ)と、を比較することで後述する第1,第2電流検出回路78,79間のショート異常の有無を判断する比較判断を実行する。そして、ショートが発生したものと判断した場合には、その旨を示すショート確定信号Sscをフェイルセーフ判断部63に出力する。
なお、ショート診断部69は、モータ電流値Imが低い場合には診断精度の観点からショート診断を行わないようになっている。より詳しくは、ショート診断部69は、メインの電流値信号Immの値が電動モータ17の駆動が安定する所定値(例えば30A)以上のとき、ショート診断を実施するようになっている。また、本実施形態では、ショート診断部69によるショート診断をイニシャルチェックの一環として行うものとしているが、制御装置19の起動後に定期的あるいは常時行うようにすることも可能である。
第1冗長監視部70は、第1,第2舵角検出部20a,20bからメイン,サブの舵角信号θs(Main),θs(Sub)を取り込み、これらの差分の絶対値|θs(Main)−θs(Sub)|を算出する。そして、この絶対値|θs(Main)−θs(Sub)|が所定値以上である場合に、メイン,サブの舵角信号θs(Main),θs(Sub)のいずれか一方に異常が生じたものとして舵角異常信号Ssaをフェイルセーフ判断部63に出力する。
第2冗長監視部71は、第1,第2トルク検出部21a,21bからメイン,サブのトルク信号Tr(Main),Tr(Sub)を取り込み、これらの差分の絶対値|Tr(Main)−Tr(Sub)|を算出する。そして、この絶対値|Tr(Main)−Tr(Sub)|が所定値以上である場合に、メイン,サブのトルク信号Tr(Main),Tr(Sub)のいずれか一方に異常が生じたものとしてトルク異常信号Strをフェイルセーフ判断部63に出力する。
第3冗長監視部72は、第1,第2モータ回転角検出部47a,47bからメイン,サブのモータ回転角信号θm(Main),θm(Sub)を取り込み、これらの差分の絶対値|θm(Main)−θm(Sub)|を算出する。そして、この絶対値|θm(Main)−θm(Sub)|が所定値以上である場合に、メイン,サブのモータ回転角信号θm(Main),θm(Sub)のいずれか一方に異常が生じたものとしてモータ回転角異常信号Smaをフェイルセーフ判断部63に出力する。
第4冗長監視部73は、電流検出回路59からショート診断部69を介してメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを取り込み、これらの差分の絶対値|Imm−Ims|を算出する。そして、この絶対値|Imm−Ims|が所定値以上である場合に、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsのいずれか一方に異常が生じたものとしてモータ電流値異常信号Smcをフェイルセーフ判断部63に出力する。
また、第4冗長監視部73には、ショート診断部69がショート診断を行っている場合、すなわちサブの電流値信号Imsが増幅されている場合においては、ショート診断部69からメイン,サブの電流値信号Imm,Imsが出力されないようになっている。これにより、第4冗長監視部73が、増幅されていないメインの電流値信号Immと増幅後のサブの電流値信号Imsとの比較に基づき誤った異常判断をしてしまうのを抑制することができる。なお、本実施形態では、前述のように、イニシャルチェックの一環としてショート診断を行い、制御装置19の起動後にはショート診断を行わないようにしている。これにより、制御装置19の起動後については第4冗長監視部73による冗長監視を継続的に行うことができる。
フェイルセーフ判断部63は、これらショート確定信号Sscや、トルク異常信号Str、舵角異常信号Ssa、モータ回転角異常信号Smaおよびモータ電流値異常信号Smcが入力された場合に、フェイルセーフ処理が必要と判断する。そして、その旨を示すフェイルセーフ信号Sfsをフェイルセーフ処理部64へ出力するようになっている。
また、フェイルセーフ判断部63は、CPU監視部57がQ&Aに基づいてCPU52の異常判断を行うにあたり、CPU監視部57から所定の質問が入力されるようになっている。フェイルセーフ判断部63は、前記所定の質問が入力されると、この質問に対する回答をCPU監視部57へ出力するようになっている。
フェイルセーフ処理部64は、フェイルセーフ判断部63からフェイルセーフ信号Sfsが入力されると、状況に応じて車両の図外のインストルメントパネルに設けられた警告灯を点灯させて運転者に注意喚起したり、モータ制御部62に信号を出力して電動モータ17の出力を低減させたり、フェイルセーフリレー56へ遮断信号Sbを出力したりといったフェイルセーフ処理を適宜行う。
図5は、インバータ回路54や電流検出回路59の詳細を示す図である。
図示のように、インバータ回路54は、駆動ライン74u,74v,74wを介してu相,v相,w相コイル26u,26v,26wを個別に駆動する3組のスイッチング素子として、pチャネル型のMOS−FET75H,75L、76H,76L、77H,77Lを有している。そして、これらMOS−FET75H,75L、76H,76L、77H,77Lがプリドライバ53によりオン/オフ制御されることをもって、電動モータ17を駆動するようになっている。なお、スイッチング素子としては、前述したpチャネル型のMOS−FETのほか、nチャネル型のMOS−FETや、NPNトランジスタ、PNPトランジスタ等を適用することも可能である。
電流検出回路59は、メインの電流値信号Immが通流する第1電流検出回路78と、サブの電流値信号Imsが通流する第2電流検出回路79と、を有しており、これら両電流検出回路78,79は互いに隣接して配置されている。
第1電流検出回路78は、メインの電流値信号Immの振幅を変化させる振幅変化部である第1アンプ80と、第1アンプ80を通過したメインの電流値信号Immのノイズ等を低減するフィルタ回路81と、を備えている。
第2電流検出回路79は、サブの電流値信号Immの振幅を変化させる振幅変化部である第2アンプ82と、第2アンプ82を通過したサブの電流値信号Imsのノイズ等を低減するフィルタ回路83と、を備えている。
第1アンプ80と第2アンプ82は、共通のアンプ内蔵IC(集積回路:Integrated Circuit)84内にそれぞれ設けられている。また、両アンプ80,82は、それぞれCPU52のフェイルセーフ判断部63から増幅指令AmpM,AmpSが入力されると、それぞれメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを指令通りの倍率へと増幅させるようになっている。なお、本実施形態の両アンプ80,82については、増幅指令AmpM,AmpSに応じてメイン,サブの電流値信号Imm,Imsの振幅を等倍、2倍、4倍および8倍に増幅できるように構成されている。
図6は、ショート診断部69による第1,第2電流検出回路78,79間のショート診断の詳細を示す図であって、(a)は正常時、(b)は短絡時を表したものである。
図示のように、ショート診断にあたって、CPU52のフェイルセーフ判断部63から第1,第2アンプ80,82に出力される増幅指令AmpM,AmpSは、それぞれ等倍指令、4倍指令となっている。このため、第2アンプ82を通過したサブの電流値信号Imsは、第1アンプ80を通過したメインの電流値信号Immの約4倍の出力値を示すこととなる。
これにより、図6(a)に示すような第1,第2電流検出回路78,79間がショートしていない状態にあっては、ショート診断部69が受け取るメイン,サブの電流値信号Imm,Imsの間には、およそメインの電流値信号Immの3倍程度の差が見られることとなる。
一方、図6(b)に示すような第1,第2アンプ80,82の下流でショート異常が発生した場合には、該ショート異常に伴ってショート診断部69が受け取るメイン,サブの電流値信号Imm,Imsがほぼ同一の出力値を示すこととなる。これにより、ショート診断部69によるメイン,サブの電流値信号Imm,Imsの比較に際して、両信号Imm,Ims間に殆ど差が見られないこととなる。
これらに鑑みて、ショート診断部69は、メインの電流値信号Immの3倍未満の任意の値を所定値(判断閾値)とし、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsの差分の絶対値|Imm−Ims|が所定値以上であるか否かに基づき第1,第2電流検出回路78,79間のショートの有無を判断するように構成されている。
より詳しくは、ショート診断部69は、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsの差分の絶対値|Imm−Ims|が所定値以上である場合に、第1,第2電流検出回路78,79間にショートは発生していないものと判断する。一方、絶対値|Imm−Ims|が所定値未満である場合には、第1,第2電流検出回路78,79間にショートが発生したものと判断するようになっている。
なお、ここで設定する所定値は、モータ電流値Imが大きくなるのにつれて漸次大きくなる変動値としてもよいし、モータ電流値Imの大小によらずに常に一定の固定値としてもよい。
〔第1実施形態の作用効果〕
前記従来の制御装置は、電動モータに流れる電流値を電流検出用抵抗によって検出し、この検出した電流値のアナログ信号である電流値信号に基づきCPUによって電動モータをフィードバック制御するものである。しかしながら、前記従来の制御装置においては、前記CPUに送信される電流値信号が1系統のみであることから、例えば前記1つの電流値信号を前記CPUへ伝達する回路に異常が生じた場合であっても、その異常を検出することができない。
そこで、装置の安全性を向上させるべく、前記従来の制御装置のような構成において、前記電流検出用抵抗を介して検出される電流値を2系統(2重系)の電流値信号をもって前記CPUに伝達する方法が考えられた。これによれば、一方の電流値信号を前記CPUに伝達する回路に異常が発生した際に、該一方の電流値信号と他方の電流値信号とを比較することで前記異常を検出できる。
ところで、2重系の電流値信号を用いる構成では、前記一方の電流値信号の回路と他方の電流値信号の回路との間にショートを原因とする異常が生じた場合については、該ショートに基づき両電流値信号がほぼ同一の値を示すこととなるため、前記異常を検出することができない。すなわち、2重系の電流値信号を用いる構成には、電流値信号を2重系とすることで一方の回路に異常が生じた場合の異常検出ができる反面、回路間のショートに係る異常については検出できないという課題があった。
これに対して、本実施形態では、モータ電流値Imを2系統のアナログ信号であるメイン,サブの電流値信号Imm,ImsとしてCPU52内に取り込み可能に構成すると共に、制御装置19の起動時において、両信号Imm,Imsのうち一方の信号Imsを第2アンプ82によって増幅させた状態でCPU52内に取り込み、ショート診断部69によって比較判断するようにした。これにより、第1電流検出回路78と第2電流検出回路79との間にショートに基づく異常が発生した場合において、そのショート異常を検出することができる。
また、制御装置19の起動後には、増幅されていないメイン,サブの電流値信号Imm,ImsをCPU52内に取り込み、両信号Imm,Imsを第4冗長監視部73によって比較するようにした。これにより、第1,第2電流検出回路78,79のいずれか一方に異常が生じた場合において、その異常を検出することが可能となる。
したがって、本実施形態によれば、第1,第2電流検出回路78,79のいずれか一方の故障に基づく異常と、第1,第2電流検出回路78,79間のショートに基づく異常とを検出でき、これらの異常検出に基づき適宜フェイルセーフ処理を行うことができる。この結果、装置の安全性を向上させることができる。
なお、前述の作用効果は、本実施形態のような第1電流検出回路78と第2電流検出回路79とが隣接して配置されている構成において特に有用となる。
また、本実施形態では、ショート診断部69を、判断精度が低下するモータ電流値Imの低下時にはショート診断を行わず、モータ電流値Imが所定値以上のときショート診断を行うようにした。これにより、ショート診断にかかる判断精度を向上させることができる。
さらに、本実施形態では、第1,第2アンプ80,82を、アンプ内蔵IC84内に設けたことから、これらを外部に設ける場合に比べて簡易な構成でメイン,サブの電流値信号Imm,Imsの振幅を変化させることができる。
また、本実施形態では、ショート診断部69が制御装置19に異常がないと判断している場合において、CPU52(モータ制御部62)が電動モータ17の駆動制御に用いる電流値信号として、基本的に信号の増幅が行われないメインの電流値信号Immを用いるようにした。換言すれば、ショート診断に際しては、電動モータ17の駆動制御に用いないサブの電流値信号Imsを増幅させるようにした。これにより、増幅による電流値信号の振幅の変化がモータ制御に影響を与えることを抑制できる。
なお、本実施形態では、ショート診断の容易性を確保するために、増幅指令AmpM,AmpSをそれぞれ等倍,4倍指令としたが、ショート診断が十分に行えるのであれば、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsの増幅率は任意に変更可能である。
〔第2実施形態〕
図7に示す本発明の第2実施形態は、第2アンプ82によって増幅されたサブの電流値信号Imsを、ショート診断前にCPU52内で元に戻すようにしたものである。なお、本実施形態では、前記第1実施形態と同じ構成については同一の符号を付すことにより、具体的な説明を省略する。
すなわち、本実施形態に係るCPU52では、第1,第2電流検出回路78,79から取り込んだメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを、ショート診断部69に入力する前にそれぞれ第1,第2変換器85,86にかけるようになっている。
第1,第2変換器85,86は、それぞれ増幅指令AmpM,AmpSに基づき第1,第2アンプ80,82によって所定倍率で変化させたメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを、前記所定倍率分の1の倍率で変化させる。すなわち、図示のように、CPU52から第1アンプ80に出力される増幅指令AmpMが等倍指令である場合には、第1変換器85による倍率変化は1倍(1分の1倍)となる。また、第2アンプ82に出力される増幅指令AmpSが4倍指令である場合には、第2変換器86による倍率変化は4分の1倍となる。これにより、ショート診断部69には、いずれも振幅が増幅されていないメイン,サブの電流値信号Imm,Imsが入力されるようになっている。
そして、本実施形態のショート診断部69は、入力されたメイン,サブの電流値信号Imm,Ims間に所定値以上の差がある場合に第1,第2電流検出回路78,79間にショートが発生したものと判断するようになっている。
すなわち、図7(a)に示すような第1,第2電流検出回路78,79間がショートしていない状態にあっては、ショート診断部69が受け取るメイン,サブの電流値信号Imm,Imsが共にほぼ同一の値を示すことから、両信号Imm,Imsに殆ど差がみられないこととなる。
一方、図7(b)に示すような第1,第2アンプ80,82の下流でショート異常が発生した場合には、該ショート異常に伴って第1,第2変換器85,86に入力されるメイン,サブの電流値信号Imm,Imsがほぼ同一の出力値となる。そのうえで、サブの電流値信号Imsについては、第2変換器86によって振幅が4分の1倍されることから、ショート診断部69が受け取るメイン,サブの電流値信号Imm,Imsの間には、およそメインの電流値信号Immの4分の3倍程度の差が見られることとなる。この差に基づきショート診断部69は、第1,第2電流検出回路78,79間にショートが発生したものと判断するようになっている。
図8は、第2実施形態に係る制御装置19による第1,第2電流検出回路78,79間の短絡検出処理を示すフローチャートである。
すなわち、本フローでは、まずステップS101において短絡異常確定フラグFscがセットされているか否かを判断する。ここでYesと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じているものとして、フェイルセーフ処理部64によって制御装置19のシステムを安全状態に移行する処理を行う(ステップS125)。その後、図外のインストルメントパネル上に配置されたワーニングランプを点灯させる指令を出力し(ステップS126)、本プログラムを終了する。
一方、ステップS101においてNoと判断された場合には、続くステップS102において短絡診断完了フラグFfがセットされているか否かを判断する。ここでYesと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じていないものとして、正常カウンタCNn及び異常カウンタCNaを共にクリアする(ステップS122,S123)。そして、増幅後タイマTmrについてもクリアした後(ステップS124)、本プログラムを終了する。
ステップS102においてNoと判断された場合には、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsを第1,第2電流検出回路78,79を介してCPU52に取り込んだ後(ステップS103,S104)、続くステップS105に移行する。
このステップS105では、取り込んだメインの電流値信号Immが所定値Ix(例えば30A)以上であるか否かを判断する。ここでNoと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間の短絡診断が困難であるとして、ステップS122〜S124の処理を行った後、本プログラムを終了する。一方、ステップS105でYesと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間の短絡診断を行うものとして、CPU52から第2アンプ82にサブの電流値信号Imsの振幅を4倍に増幅する増幅指令AmpSを出力した後(ステップS106)、ステップS107に移行する。
ステップS107では、サブの電流値信号Imsの振幅を増幅してから十分に時間が経過しているか否かを判断する。すなわち、ステップS107においては、電流値信号Imsの増幅後の経過時間を示す増幅後タイマTmrが所定値Tx(例えば10ms)以上であるか否かを判断する。ここで、Noと判断された場合には、増幅後の電流値信号Imsの出力が未だ不安定な状態にあるものとして、増幅後タイマTmrをインクリメントした後(ステップS121)、本プログラムを終了する。一方、ステップS107でYesと判断された場合には、増幅後の電流値信号Imsの出力が安定したものとして、続くステップS108にて増幅後タイマをクリアする。そして、ステップS109において、第2アンプ82によって増幅させた電流値信号Imsの振幅を第2変換器86内で4分の1に変化、すなわち、元の電流値信号Imsの振幅に戻すような処理を行った後、ステップS110に移行する。
ステップS110では、メイン,サブの電流値信号Imm,Imsの差分の絶対値|Imm−Ims|が所定値Iy(例えば15A)以上であるか否かについて判断する。ここでNoと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じていない可能性が高いとして、正常カウンタCNnをインクリメントし(ステップS111)、異常カウンタCNaをデクリメントした後(ステップS112)、ステップS113に移行する。そして、ステップS113では、正常カウンタCNnが所定値CNx(例えば100ms分のカウンタ値)以上であるか否かを判断する。ここでNoと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じていない可能性が高いものの、最終判断は行わずに短絡診断を継続するものとして、本プログラムを終了する。一方、Yesと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じていないという診断結果を十分に蓄積できたとして、短絡診断完了フラグFfをセットした後(ステップS114)、本プログラムを終了する。
一方、ステップS110においてYes、すなわち絶対値|Imm−Ims|が所定値Iy以上であると判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡の疑いがあるとして続くステップS115に移行する。そして、ステップS115では、蓄積された異常カウンタCNaが所定値CNy(例えば10ms分のカウンタ値)以上であるか否かを判断する。ここでNoと判断された場合には、最終判断は行わずに診断を継続するものとして、異常カウンタCNaをインクリメントし(ステップS116)、正常カウンタCNnをデクリメントした後(ステップS117)、本プログラムを終了する。一方、ステップS115でYesと判断された場合には、第1,第2電流検出回路78,79間に短絡が生じているものと確定し、短絡異常確定フラグFscをセットする(ステップS118)。そして、フェイルセーフ処理部64によって制御装置19のシステムを安全状態に移行する処理を行い(ステップS119)、ワーニングランプを点灯させる指令を出力した後(ステップS120)、本プログラムを終了する。
かかる構成から、本実施形態の制御装置19によれば、前記第1実施形態と同様の作用効果を得られるのは勿論のこと、同じ倍率同士のメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを比較することができる。このため、異なる倍率の電流値信号Imm,Imsで比較する場合に比べて、所定値(判断閾値)Iyの設定等が容易となることから、制御性を向上させることができる。
また、この実施形態によれば、ショート診断部69に入力された段階におけるメイン,サブの電流値信号Imm,Imsが共に振幅の増幅がされていない(キャンセルされた)ものとなる。このため、ショート診断中においても、ショート診断部69に入力されたメイン,サブの電流値信号Imm,Imsを第4冗長監視部73に出力し、第4冗長監視部73による冗長監視を行うことができる。
本発明は、前記各実施形態の構成に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で構成を変更することも可能である。
例えば、前記各実施形態では、本発明をパワーステアリング装置に適用したものを例示して説明しているが、本発明は車両搭載機器全般に対して適用可能である。
また、車両搭載機器としてのパワーステアリング装置についても、前記各実施形態で示したラック・ピニオン型に限られず、いわゆるインテグラル型やコラム型のパワーステアリング装置に本発明を適用することもできる。
さらに、前記各実施形態では、車両搭載機器の状態量としてモータ電流値Imを例に説明しているが、状態量はこれに限られず、アナログ信号をもって伝達されるものであれば、例えば操舵トルクや舵角等であってもよい。
以上説明した各実施形態に基づく車両搭載機器の制御装置としては、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
車両搭載機器の制御装置は、その一つの態様において、車両搭載機器の駆動部を制御する指令信号を演算するCPUと、車両搭載機器の状態量を検出する状態量検出部と、前記CPUと前記状態量検出部の間に設けられ、前記状態量検出部によって検出された前記状態量のアナログ信号である第1信号の振幅を変化させる振幅変化部と、前記CPUに設けられ、前記振幅変化部を通過した前記第1信号と前記状態量検出部によって検出された前記状態量のアナログ信号である第2信号とを比較することにより装置の異常の有無を判断する比較判断を実行する異常判断部と、を有する。
前記車両搭載機器の制御装置の好ましい態様において、前記状態量検出部は電流値を検出する電流センサである。
別の好ましい態様では、前記車両搭載機器の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記異常判断部は、前記電流値が所定値以上のとき、前記比較判断を実施する。
さらに別の好ましい態様では、前記車両搭載機器の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記振幅変化部は、前記第1信号の振幅を所定倍率で変化させ、前記CPUは、前記振幅変化部を通過した前記第1信号を前記所定倍率分の1の倍率で変化させる。
さらに別の好ましい態様では、前記車両搭載機器の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記振幅変化部は、アンプ内蔵IC内に設けられる。
さらに別の好ましい態様では、前記車両搭載機器の制御装置の態様のいずれかにおいて、前記CPUは、前記異常判断部が装置の異常が無いと判断するとき、前記第2信号に基づき前記駆動部を制御する。
19…制御装置、52…CPU、58…電流センサ(状態量検出部)、69…ショート診断部(異常判断部)、82…第2アンプ(振幅変化部)、Im…モータ電流値(状態量)、Imm…メインの電流値信号(第2信号)、Ims…サブの電流値信号(第1信号)、Io…指令信号

Claims (6)

  1. 車両搭載機器の制御装置であって、
    車両搭載機器の駆動部を制御する指令信号を演算するCPUと、
    車両搭載機器の状態量を検出する状態量検出部と、
    前記CPUと前記状態量検出部の間に設けられ、前記状態量検出部によって検出された前記状態量のアナログ信号である第1信号の振幅を変化させる振幅変化部と、
    前記CPUに設けられ、前記振幅変化部を通過した前記第1信号と前記状態量検出部によって検出された前記状態量のアナログ信号である第2信号とを比較することにより装置の異常の有無を判断する比較判断を実行する異常判断部と、
    を有することを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両搭載機器の制御装置において、
    前記状態量検出部は電流値を検出する電流センサであることを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
  3. 請求項2に記載の車両搭載機器の制御装置において、
    前記異常判断部は、前記電流値が所定値以上のとき、前記比較判断を実施することを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
  4. 請求項1に記載の車両搭載機器の制御装置において、
    前記振幅変化部は、前記第1信号の振幅を所定倍率で変化させ、
    前記CPUは、前記振幅変化部を通過した前記第1信号を前記所定倍率分の1の倍率で変化させることを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
  5. 請求項1に記載の車両搭載機器の制御装置において、
    前記振幅変化部は、アンプ内蔵IC内に設けられることを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
  6. 請求項1に記載の車両搭載機器の制御装置において、
    前記CPUは、前記異常判断部が装置の異常が無いと判断するとき、前記第2信号に基づき前記駆動部を制御することを特徴とする車両搭載機器の制御装置。
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