JP2018095157A - 車載用表示装置 - Google Patents

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Yoshihiro Hashimoto
佳拡 橋本
酒井 重史
Shigefumi Sakai
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Abstract

【課題】同じ位置に設けられた中間画像形成部材に形成される第1中間画像と第2中間画像に基づいて、自動車のウインドシールドガラスの前方の異なる位置に鮮明な虚像を結像できるようにした車載用表示装置を提供する。【解決手段】中間画像形成部材32の第1領域(i)で形成される第1中間画像の第1表示光Sv1と、第2領域(ii)で形成される第2中間画像の第2表示光Sv2とが、車両のウインドシールドガラスの前方の異なる位置に虚像として結像する。第1表示光Sv1の光軸O1と、第2表示光Sv2の光軸O2とが互いに離れる向きに偏向させられることで、中間画像形成部材32に第1領域(i)と第2領域(ii)を互いに接近させて設定できるようになる。【選択図】図4

Description

本発明は、ウインドシールドガラスなどの被投影部の前方に結像される虚像を前記被投影部の後方から目視可能とされた車載用表示装置に係り、特に、被投影部の前方の距離の異なる位置に複数の虚像が結像される車載用表示装置に関する。
特許文献1に、ヘッドアップディスプレイとして使用される情報表示装置に関する発明が記載されている。
この情報表示装置は、1個の映像投射器の前方に2個の透過型のスクリーンが配置されており、映像投影器によってそれぞれのスクリーンに中間画像が投影される。それぞれのスクリーンからウインドシールドガラスである被投影部までの距離がそれぞれ相違している。各スクリーンに形成された中間画像はウインドシールドガラスで反射されて視認者に向けられる。その結果、視認者は、ウインドシールドガラスよりも前方に形成される虚像を目視することが可能になる。
それぞれのスクリーンとウインドシールドガラスとの距離が相違しているため、ウインドシールドガラスから離れた位置にあるスクリーンに投影された中間画像で、ウインドシールドガラスの前方の離れた位置に虚像が結像され、ウインドシールドガラスに接近した位置にあるスクリーンに投影された中間画像で、ウインドシールドガラスの前方の近い位置に虚像が結像される。
このようにして、運転者である視認者は、ウインドシールドガラスの前方において、距離の異なる位置に結像した2つの虚像を観察することができる。
特開2015−34919号公報
特許文献1に記載の情報表示装置は、中間画像を形成する2個のスクリーンが異なる位置に別々に設置されているため、部品数が多くなり、また2個のスクリーンを異なる位置で位置決めするための構造も複雑になる。
また、1個の映像投射器から、距離の相違する2個のスクリーンのそれぞれに焦点を合わせて別々に中間画像を投影することは実質的に困難である。
また、1個のスクリーンに第1領域と第2領域を区分して設定し、第1領域に形成される中間画像と第2領域に形成される中間画像を、異なる光路を用いてウインドシールドガラスに投影し、それぞれの中間画像に対応する虚像を異なる位置に結像させることも考えられる。しかし、第1領域からの第1表示光と第2領域からの第2表示光が、共に発散光であるため、いずれかの表示光と反射ミラーなどの光学部品とが干渉しやすく、または表示光どうしが干渉しやすくなる。そのため、1個のスクリーンにおいて、第1領域と第2領域を離して設定することが必要になり、第1領域と第2領域の間の広い範囲に非使用領域が形成されるため、スクリーンの領域を効率的に利用できない問題が生じる。
本発明は上記従来の課題を解決するものであり、中間画像形成部材の第1領域と第2領域を光路上の同じ位置に配置し、しかも、第1領域と第2領域を接近させて、中間画像形成部材の非使用領域を限りなく狭くすることを可能にした車載用表示装置を提供することを目的としている。
本発明は、中間画像形成部材と、前記中間画像形成部材から拡散された表示光を透視性の被投影部に投影して前記被投影部の前方に虚像を結像する光学系と、が設けられた車載用表示装置において、
前記中間画像形成部材に第1領域と第2領域とが区分して設けられ、
前記光学系によって、前記第1領域から拡散する第1表示光が前記被投影部に投影されて第1虚像が形成され、前記第2領域から拡散する第2表示光が前記被投影部に投影されて第2虚像が形成されて、前記第1虚像と前記第2虚像とが異なる位置で結像させられ、
前記第1領域から前記光学系に向かう前記第1表示光の光軸と、前記第2領域から前記光学系に向かう前記第2表示光の光軸を互いに離れる向きに偏向させる偏向光学部材が、前記中間画像形成部材と一体にまたは別体に設けられていることを特徴とするものである。
本発明の車載用表示装置は、前記第1表示光と前記第2表示光のいずれか一方の光軸が前記中間画像形成部材に垂直に向けられ、他方が前記中間画像形成部材から斜めに向けられているものである。
または、前記第1表示光と前記第2表示光の双方の光軸が前記中間画像形成部材から斜めに向けられているものである。
本発明の車載用表示装置は、前記中間画像形成部材が、中間画像が投影されるディフューザであり、前記中間画像形成部材と前記偏向光学部材とが一体化されている。
あるいは、前記中間画像形成部材は、透過型表示パネルであり、前記中間画像形成部材と前記偏向光学部材とが別体である。
本発明の車載用表示装置は、前記第1領域と前記第2領域が、同じ前記中間画像形成部材に区分されて形成されているものである。
または、前記第1領域と前記第2領域とで、前記中間画像形成部材が分離されているものである。
本発明の車載用表示装置は、前記光学系で、前記第1表示光と前記第2表示光とで異なる長さの光路長が設定される。
または、前記光学系には、前記第1表示光と前記第2表示光とで拡大倍率を変化させる光学部品が設けられている。
本発明の車載用表示装置は、中間画像形成部材の第1領域と第2領域が光路上の同じ位置に配置され、光学系によって、第1領域の中間画像に対応する第1虚像と第2領域の中間画像に対応する第2虚像が異なる位置に結像される。第1領域と第2領域を光路上の同じ位置に配置しているため、中間画像形成部材を位置決めする構造を簡単にでき、第1領域と第2領域に中間画像を投影するための焦点の設定も容易である。
しかも、第1領域からの第1表示光の光軸と第2領域からの第2表示光の光軸を互いに離れる向きに偏向させることで、共に発散光である第1表示光と第2表示光の少なくとも一方と光学部品との干渉を抑制でき、あるいは表示光どうしの干渉を抑制できるようになる。したがって、第1領域と第2領域を接近させることができ、非使用領域を可能な限り狭くすることが可能になる。
本発明の実施の形態の車載用表示装置が車両に搭載されている状態を示す説明図、 本発明の実施の形態の車載用表示装置の表示動作を示す斜視図、 本発明の第1の実施の形態の車載用表示装置の主要部品の配置を示す斜視図、 (A)は、図3に示す第1の実施の形態の車載用表示装置の部分拡大図、(B)は、第1の実施の形態に用いられている中間画像形成部材の使用領域を示す正面図、 (A)は、比較例の車載用表示装置の部分拡大図、(B)は、比較例に用いられている中間画像形成部材の使用領域を示す正面図、 (A)(B)は、中間画像形成部材を含む中間画像生成ユニットを構造別に示す説明図、 (A)(B)および(C)(D)は、中間画像形成部材を構造別に示す説明図、 中間画像形成部材の他の構造例を示す説明図、 中間画像形成部材と偏向光学部材のさらに他の構造例を示す説明図、 本発明の第2の実施の形態の車載用表示装置の主要部品の配置を示す説明図、 本発明の第3の実施の形態の車載用表示装置の主要部品の配置を示す説明図、
図1に、本発明の実施の形態の車載用表示装置10が、車両の一例である自動車1に搭載された状態で示されている。
自動車1は、ボンネット部2と天井部3との間にウインドシールドガラス4が装着されており、ウインドシールドガラス4で、車室空間5と、車両の前方の外部空間6とが仕切られている。ウインドシールドガラス4は水平面に対して傾斜し且つ湾曲しており、車室空間5にウインドシールドガラス4の凹面が向けられ、前方の外部空間6にウインドシールドガラス4の凸面が向けられている。実施の形態のウインドシールドガラス4は、凹曲面がハーフミラーの機能を発揮する透視性の被投影部である。
ただし、本発明での透視性の被投影部は、ウインドシールドガラス4に限られるものではなく、ウインドシールドガラス4よりも車室内側に、コンバイナと称されるハーフミラーが設置され、このコンバイナが透視性の被投影部として使用されてもよい。
車室空間5には運転席7が設けられ、その前方にステアリングホイール8が設けられている。車室空間5の前方にダッシュボード9が設けられており、このダッシュボード9の内部に、本発明の実施の形態の車載用表示装置10が埋め込まれて設けられている。車載用表示装置10は、いわゆるヘッドアップディスプレイ(HUD)装置である。
図2には、車載用表示装置10とウインドシールドガラス4の一部が示されている。図2に示すように、車載用表示装置10に光学ユニット30が設けられている。
図3に示すように、第1の実施の形態の車載用表示装置10に設けられる光学ユニット30は、中間画像形成ユニット31および第1反射ミラー34と第2反射ミラー35を有している。第1反射ミラー34と第2反射ミラー35は平面ミラーである。ただし、第1反射ミラー34と第2反射ミラー35の少なくとも一方が曲面ミラーであってもよい。図2と図3に示すように、光学ユニット30からの投光経路に第1投影ミラー18と第2投影ミラー19が設けられている。第1投影ミラー18と第2投影ミラー19は、非球面形状の曲面ミラーである。
図3に示され、図6(A)に拡大して示されているように、中間画像形成ユニット31は、中間画像形成部材32と中間画像投影部33を有している。図6(A)に示す中間画像投影部33には、画像形成部と光源とが内蔵されている。画像形成部は、例えばMEMSミラーである。MEMSミラーは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)構成であり、走査ミラーと、この走査ミラーを互いに直交するX方向とY方向へ向けて回動させる走査機構とを有している。
光源は、R(赤)の可視光レーザと、G(緑)とB(青)のそれぞれの可視光レーザを有している。各色のレーザを発する光源はスイッチング素子で切換えられて動作する。など、光源はLEDであってもよい。光源からの光が画像形成部である走査ミラーで反射されて中間画像形成部材32に照射される。画像形成部が制御されることで中間画像形成部材32に中間画像が形成される。車載用表示装置10に付随する制御部は、CPUとメモリなどを有しており、制御部で処理される制御データにしたがって画像形成部が駆動され、中間画像形成部材32に所定の形態の中間画像が投影される。
なお、中間画像投影部33に設けられる画像形成部として、走査ミラーとしてのDMD(Digital Mirror Device)を用いた、DLP(Digital Light Processing)(登録商標)プロジェクタが使用されてもよい。DMDでは、マトリックス状に配列した複数のマイクロミラーのそれぞれで、光源からの光が反射されて中間画像形成部材32に与えられる。
または、中間画像形成部材32としてLCOS(Liquid Crystal On Silicon)を用いることもできる。LCOSは、透過型と反射型のいずれでも使用することができる。画像形成部としてLCOSを使用した場合には、光源からの光がLCOSを透過しまたはLCOSに反射されて中間画像形成部材に与えられる。
図6(A)に示すように、中間画像投影部33から中間画像形成部材32に、中間画像を投影するための発散光Laが与えられてもよいが、図6(B)に示すように、中間画像投影部33と中間画像形成部材32の間に、凸レンズのフィールドレンズ36が設けられ、中間画像形成部材32に、中間画像を投影するためのコリメート光Lbが与えられることが好ましい。
図4(A)に、第1の実施の形態の車載用表示装置10に設けられた光学ユニット30の主要部が示され、図4(B)に、中間画像形成部材32を投影側(B矢視)から見た正面図が示されている。中間画像投影部33から中間画像形成部材32の第1領域(i)に第1中間画像21aが投影され、第2領域(ii)に第2中間画像22aが投影される。
中間画像形成部材32から被投影部であるウインドシールドガラス4(あるいはコンバイナ)までの光路には、光学系として、第1反射ミラー34と第2反射ミラー35および第1投影ミラー18と第2投影ミラー19が設けられている。図2と図3および図4(A)では、中間画像形成部材32の第1領域(i)からウインドシールドガラス4に向かう第1表示光Sv1が実線で示され、第2領域(ii)からウインドシールドガラス4に向かう第2表示光Sv2が破線で示されている。中間画像形成部材32から光学系に向かう第1表示光Sv1と第2表示光Sv2は、いずれも拡散光である。
図2に示すように、第1表示光Sv1と第2表示光Sv2は、透視性でありハーフミラーとして機能するウインドシールドガラス4(あるいはコンバイナ)で一部が反射されて、反射成分が運転席7に着座している視認者(運転者)20の眼20aに向けられる。その結果、眼20aでウインドシールドガラス4の前方の外部空間6に結像される第1虚像21と第2虚像22を目視することが可能になる。
図3に示すように、第1表示光Sv1は第1反射ミラー34で反射されて第1投影ミラー18に与えられ、第2表示光Sv2は第2反射ミラー35で反射されて第1投影ミラー18に与えられる。中間画像形成部材32から第1反射ミラー34までの距離が、中間画像形成部材32から第2反射ミラー35までの距離よりも長いため、中間画像形成部材32の第1領域(i)からウインドシールドガラス4に至る光路が、第2領域(ii)からウインドシールドガラス4に至る光路よりも長くなっている。図2に示すように、この光路長差によって、第1中間画像21aに対応する第1虚像21が、ウインドシールドガラス4から外部空間6の前方に離れた位置に結像し、第2中間画像22aに対応する第2虚像22が、ウインドシールドガラス4から外部空間6の前方の接近した位置に結像する。
車載用表示装置10では、外部空間6の前方の離れた位置に結像される第1虚像21で、例えばカーナビゲーション画像や道路標識の画像などが表示される。外部空間6の前方の近い位置に結像される第2虚像22で、自動車の速度表示やエンジンの回転数表示など各種車両情報および走行情報が表示される。
図4(A)に示すように、本発明の第1の実施の形態の光学ユニット30では、中間画像形成部材32の第1領域(i)から光学系の第1反射ミラー34に向かう第1表示光Sv1の光軸O1が、中間画像形成部材32の主平面に垂直な垂直線V1に対して角度αだけY2方向へ傾くように偏向されている。また、中間画像形成部材32の第2領域(ii)から光学系の第2反射ミラー35に向かう第2表示光Sv2の光軸O2が、中間画像形成部材32の光透過方向に延びる垂直線V2に対してY1方向へ角度βだけ傾くように偏向されている。すなわち、中間画像形成部材32から光学系に向かう第1表示光Sv1の光軸O1と第2表示光Sv2の光軸O2は、光学系に向かう方向に向けて互いに離れる方向に偏向されている。
その結果、第1領域(i)と第2領域(ii)のいずれか一方の領域から光学系に向かう表示光が他方の領域に対向する反射ミラーと干渉しにくくなる。また、表示光どうしも干渉しにくくなる。図4(A)の例では、第1領域(i)から光学系に向かう第1表示光Sv1が、第2領域(ii)に対向する第2反射ミラー35と干渉しにくくなる。すなわち、第2表示光Sv2の光軸O2が垂直線V2から図示上方(Y1方向)へ角度βを有して偏向しているため、第2反射ミラー35は、中間画像形成部材32に対してY1方向にずらして配置される。一方で、第1表示光Sv1は、垂直線V1に対し、図示下方(Y2方向)へ角度αを有して偏向している。そのため、第1領域(i)から第1反射ミラー34に向けて拡散光となる第1表示光Sv1と、第2反射ミラー35とが干渉しにくくなっている。
これにより、図4(A)(B)に示すように、中間画像形成部材32において、第1中間画像21aを形成する第1領域(i)と、第2中間画像22bを形成する第2領域(ii)とを接近させることができるようになり、両領域(i)(ii)の間の非使用領域(iii)のY方向の幅寸法δ1を短くすることが可能になる。
図5(A)に、比較例となる光学ユニット130が示されている。この光学ユニット130では、中間画像形成部材32の第1領域(i)から光学系に向かう第1表示光Svaの光軸Oaが、中間画像形成部材32の主平面と垂直な垂直線V1と平行であり、第2領域(ii)から光学系に向かう第2表示光Svbの光軸Obも、中間画像形成部材32の主平面と垂直な垂直線V2と平行である。すなわち、第1表示光Svaの光軸Oaと、第2表示光Svbの光軸Obが互いに平行である。
図5(A)に示す比較例では、第2表示光Svbの光軸Obが、中間画像形成部材32の主平面と垂直であるため、第2表示光Svbを受けるための第2反射ミラー35を図示下方(Y2方向)に移動させて、中間画像形成部材32と第2反射ミラー35との重なり面積を広く確保しなくてはならない。また、第1領域(i)から光学系に向かう拡散光である第1表示光Svaの光軸Oaが、中間画像形成部材32の主平面に垂直であるため、第1表示光Svaと第2反射ミラー35とが干渉しやすくなる。
そのため、図5(B)に示すように、第1中間画像21aを形成する第1領域(i)と、第2中間画像22aを形成する第2領域(ii)とをY方向に離すことが必要になり、両領域(i)(ii)の間の非使用領域(iii)のY方向の幅寸法δ2が大きくなる。したがって、中間画像形成部材32の面積を有効に使用することができなくなる。これに対し、図4(A)(B)に示す本発明の実施の形態での光学ユニット30では、非使用領域(iii)を可能な限り狭くできるため、中間画像形成部材32の形成領域を広い範囲で効率的に使用することができるようになる。また、実施の形態では、第1領域(i)と第2領域(ii)を広くできるため、中間画像形成部材32の面積を必要以上に大きくする必要がなくなり、光学ユニット30を小型化できるようになる。
図4(A)に示す本発明の実施の形態の光学ユニット30では、中間画像形成部材32から光学系に向かう第1表示光Sv1の光軸O1と第2表示光Sv2の光軸O2とが、光学系に向かうにしたがって互いに離れる向きに傾いている。ただし、その後に反射される第1反射ミラー34と第2反射ミラー35の相互の配置間隔やそれぞれのミラーの配置角度を適正に設計することで、図1に示す第1虚像21と第2虚像22の上下方向(Y方向)の接近距離を自由に変えることができる。
図7(A)に中間画像形成部材32が拡大して示されている。この中間画像形成部材32はディフューザであり、透光性材料(透明材料)で形成された基板の出射側の表面にマイクロレンズアレイが配列した拡散光学部材32aが形成されている。基板の入射側の表面は、プリズムが形成されて、偏向光学部材32bとなっている。中間画像形成部材32は、拡散光学部材32aと偏向光学部材32bとが一体化されている。
図7(A)に示すように、第1領域(i)と第2領域(ii)では、偏向光学部材32bを構成するプリズムの傾斜方向が相違している。なお、図7(A)では、第1領域(i)と第2領域(ii)のY方向の幅寸法がほぼ一致しており、両領域(i)(ii)を区分する区分面Ovが、中間画像形成部材32のY方向の幅寸法のほぼ中心に位置している。ただし、図4(A)(B)に示すように、第1領域(i)と第2領域(ii)の面積が相違しているときは、両領域(i)(ii)の面積比に応じて、中間画像形成部材32のY方向の中央部よりもY1側に寄った位置に区分面Ovの位置が設定される。
中間画像形成部材32では、区分面Ovが、第1領域(i)と第2領域(ii)の間の非使用領域(iii)に位置している。したがって、図7(B)に示すように、区分面Ovの部分が欠如するように、第1領域(i)と第2領域(ii)とを分離させて、中間画像形成部材32を2つの光学部品から構成してもよい。ただし、分割された2つの中間画像形成部材32の主平面は、中間画像投影部33からの光学的距離が一致していること、すなわち、分割された2つの中間画像形成部材32の主平面の位置が、光路上で一致していることが必要である。
中間画像形成部材32の第1領域(i)と第2領域(ii)を、光路上の同じ位置に配置しておくことで、単一の中間画像投影部33から第1領域(i)と第2領域(ii)の双方に、中間画像を同じ焦点距離で結像させることができるようになる。また、2つの中間画像形成部材を異なる位置に配置する従来例に比べて、第1領域(i)と第2領域(ii)を同じ位置に位置決めして固定できるため、中間画像形成部材32の位置決めと固定のための構造を簡単にできるようになる。
なお、図7(A)(B)に示す中間画像形成部材32において、拡散光学部材32aと偏向光学部材32bが、光学系に向けて、前後逆向きであってもよい。すなわち、図7(C)(D)に示すように、拡散光学部材32aが中間画像投影部33に向けられ、偏向光学部材32bが第1反射ミラー34と第2反射ミラー35に向けられていてもよい。さらに、図7(A)(B)(C)(D)のそれぞれの中間画像形成部材32において、拡散光学部材32aと偏向光学部材32bとを分離して別体に構成してもよい。
図8に、異なる構造例の中間画像形成部材132が示されている。この中間画像形成部材132は、透光性材料(透明材料)で形成された基板の一方の面が、マイクロレンズアレイが配列した拡散光学部材132aとなっており、他方の面が、微細なプリズムが多数配列した偏向光学部材132bとなっている。なお、偏向光学部材132bが回折格子で構成されていてもよい。また、拡散光学部材132aと偏向光学部材132bとが表裏逆側に設けられていてもよい。
図9に、さらに他の構造例の中間画像形成部材232が示されている。この中間画像形成部材232は、TFT−LCDパネルなどの透過型表示パネルである。この場合には、中間画像投影部33の代わりに、中間画像形成部材232に光を与える光源33aが設けられる。また、中間画像形成部材232の前方または後方に、偏向光学部材233が別体に設けられており、透過型表示パネルの第1領域(i)で形成される第1中間画像の表示光の光軸O1と、第2領域(ii)で形成される第2中間画像の表示光の光軸O2が、光学系に向かうにしたがって互いに離れる向きに偏向させられている。
図10に本発明の第2の実施の形態の車載用表示装置に設けられる光学ユニット230が示され、図11に本発明の第3の実施の形態の車載用表示装置に設けられる光学ユニット330が示されている。
図10に示す光学ユニット230では、中間画像形成部材232の第2領域(ii)から前方へ向けられる第2表示光Sv2が、反射ミラーに反射されることなく第1投影ミラー18に与えられる。中間画像形成部材232の第1領域(i)から前方に向けられる第1表示光Sv1は、第3反射ミラー234と第4反射ミラー235に反射されて、第1投影ミラー18に与えられる。したがって、第1表示光Sv1の光路が、第2表示光Sv2の光路よりも長くなり、第1領域(i)で形成される第1中間画像が、図1と図2に示す第1虚像21として遠い位置に結像し、第2領域(ii)で形成される第2中間画像が、第2虚像22として近い位置に結像する。
図10に示すように、中間画像形成部材232の第1領域(i)から第3反射ミラー234に向かう第1表示光Sv1の光軸O1は、垂直線V1に対して、第2表示光Sv2から離れる向きに斜めに向くように偏向させられている。一方で、第2表示光Sv2の光軸O2は、第2領域(ii)の主平面に対して垂直に向けられている。このように、第1表示光Sv1の光軸O1と、第2表示光Sv2の光軸O2の、一方が中間画像形成部材232の主平面から垂直に設定され、他方が中間画像形成部材232の主平面に対して傾斜する向きで延びていてもよい。
図11に示す光学ユニット330では、中間画像形成部材332の第1領域(i)から前方に向かう第1表示光Sv1が第5反射ミラー334で反射されて第1投影ミラー18に与えられ、第2領域(ii)から前方に向かう第2表示光Sv2が第6反射ミラー335で反射されて第1投影ミラー18に与えられている。第5反射ミラー334と第6反射ミラー335は曲面ミラーであり、第5反射ミラー334と第6反射ミラー335とで、反射光の拡大倍率が相違している。反射光の拡大倍率を相違させることで、中間画像形成部材332の第1領域(i)に形成される第1中間画像に基づいて第1虚像21を離れた位置に結像させ、第2領域(ii)に形成される第2中間画像に基づいて第2虚像22を接近した位置に結像させることが可能になる。
図11に示す光学ユニット330でも、第1表示光Sv1の光軸O1と第2表示光Sv2の光軸O2とが、光学系に向かうにしたがって互いに離れる向きに偏向させられている。
なお、図11に示す光学ユニット330では、第1表示光Sv1と第2表示光Sv2の拡大倍率を相違させる光学部品として、曲面ミラーである第5反射ミラー334と第6反射ミラー335が使用されているが、拡大倍率を相違させる光学部品として、第1表示光Sv1と第2表示光Sv2とが個別に通過する2つのフィールドレンズを使用してもよい。焦点距離の相違する異なるフィールドレンズを使用することによって、第1表示光Sv1と第2表示光Sv2の拡大倍率を変えることができ、第1虚像21と第2虚像22を、別々の位置に結像させることができる。
なお、前記各実施の形態において、中間画像形成部材の第1領域(i)と第2領域(ii)をさらに分割し、分割されたそれぞれの領域に形成される中間画像に基づいて虚像を結像させてもよい。
1 自動車
4 ウインドシールドガラス
5 車室空間
6 外部空間
10 車載用表示装置
18 第1投影ミラー
19 第2投影ミラー
21 第1虚像
21a 第1中間画像
22 第2虚像
22a 第2中間画像
30 光学ユニット
31 中間画像形成ユニット
32 画像形成部材
32a 拡散光学部材
32b 偏向光学部材
33 中間像投影部
34 第1反射ミラー
35 第2反射ミラー
130 光学ユニット
132 中間画像形成部材
230 光学ユニット
232 中間画像形成部材
330 光学ユニット
332 中間画像形成部材
Sv1 第1表示光
Sv2 第2表示光
O1 光軸
O2 光軸
(i) 第1領域
(ii) 第2領域

Claims (9)

  1. 中間画像形成部材と、前記中間画像形成部材から拡散された表示光を透視性の被投影部に投影して前記被投影部の前方に虚像を結像する光学系と、が設けられた車載用表示装置において、
    前記中間画像形成部材に第1領域と第2領域とが区分して設けられ、
    前記光学系によって、前記第1領域から拡散する第1表示光が前記被投影部に投影されて第1虚像が形成され、前記第2領域から拡散する第2表示光が前記被投影部に投影されて第2虚像が形成されて、前記第1虚像と前記第2虚像とが異なる位置で結像させられ、
    前記第1領域から前記光学系に向かう前記第1表示光の光軸と、前記第2領域から前記光学系に向かう前記第2表示光の光軸を互いに離れる向きに偏向させる偏向光学部材が、前記中間画像形成部材と一体にまたは別体に設けられていることを特徴とする車載用表示装置。
  2. 前記第1表示光と前記第2表示光のいずれか一方の光軸が前記中間画像形成部材に垂直に向けられ、他方が前記中間画像形成部材から斜めに向けられている請求項1記載の車載用表示装置。
  3. 前記第1表示光と前記第2表示光の双方の光軸が前記中間画像形成部材から斜めに向けられている請求項1記載の車載用表示装置。
  4. 前記中間画像形成部材は、中間画像が投影されるディフューザであり、前記中間画像形成部材と前記偏向光学部材とが一体化されている請求項1ないし3のいずれかに記載の車載用表示装置。
  5. 前記中間画像形成部材は、透過型表示パネルであり、前記中間画像形成部材と前記偏向光学部材とが別体である請求項1ないし3のいずれかに記載の車載用表示装置。
  6. 前記第1領域と前記第2領域は、同じ前記中間画像形成部材に区分されて形成されている請求項1ないし5のいずれかに記載の車載用表示装置。
  7. 前記第1領域と前記第2領域とで、前記中間画像形成部材が分離されている請求項1ないし5のいずれかに記載の車載用表示装置。
  8. 前記光学系では、前記第1表示光と前記第2表示光とで異なる長さの光路長が設定される請求項1ないし7のいずれかに記載の車載用表示装置。
  9. 前記光学系には、前記第1表示光と前記第2表示光とで拡大倍率を変化させる光学部品が設けられている請求項1ないし7のいずれかに記載の車載用表示装置。
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