JP2018094756A - 印刷装置、及び、ヘッドユニット - Google Patents

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小澤 欣也
Kinya Ozawa
欣也 小澤
谷口 誠一
Seiichi Taniguchi
誠一 谷口
臼田 秀範
Hidenori Usuda
秀範 臼田
中島 靖雅
Yasumasa Nakajima
靖雅 中島
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Abstract

【課題】帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できるようにする。
【解決手段】印刷装置は、印刷媒体に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、インク吐出用ノズル孔が露出するインク吐出面11aに向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるプラズマアクチュエーター20と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、印刷装置、及び、ヘッドユニットに関する。
従来、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の帯電した浮遊物が、静電気力によってノズル開口面に付着することで、インクの吐出不良が発生することが知られていた。
そのため、従来から、ノズル開口面やプラテン等に電界を掛け、帯電した浮遊物を、静電気力によってノズル開口面に付着させない技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。また、イオナイザーによりイオンを拡散して、帯電した浮遊物を、静電気力によってノズル開口面に付着させない技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2011−116107号公報
特開2015−182251号公報
しかしながら、上記先行技術は、いずれも大掛かりな装置を必要としており、印刷装置自体の大きさが大きくなってしまうという問題があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の印刷装置は、印刷媒体に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、前記インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備えることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより、インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるため、帯電した浮遊物がノズル開口面に付着しにくくなり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーターを備えることで、別途大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減させることができる。
また、本発明の印刷装置は、前記ノズル開口面は、前記インク吐出用ノズル孔から前記インクを吐出することにより負に帯電することを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、インクを吐出することにより負に帯電するノズル開口面に向けて、プラズマアクチュエーターにより正電荷のイオンを含む気流を発生させるため、ノズル開口面が中和され、正に帯電した浮遊物が静電気力によりノズル開口面に付着しにくくなり、正に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記ノズル開口面は、撥液処理がなされていることにより負に帯電することを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、撥液処理がなされることにより負に帯電したノズル開口面に向けて、プラズマアクチュエーターにより正電荷のイオンを含む気流を発生させるため、ノズル開口面が中和され、正に帯電した浮遊物が静電気力によりノズル開口面に付着しにくくなり、正に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、負に帯電した浮遊物を前記正電荷のイオンにより中和することを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより発生させた気流が含む正電荷のイオンにより負に帯電した浮遊物を中和するため、負に帯電した浮遊物が静電気力によりノズル開口面に付着しにくくなり、負に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記負に帯電した浮遊物は、前記印刷媒体から発生する紙粉または毛羽、もしくは、前記インクのミストであることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより発生させた気流が含む正電荷のイオンにより、印刷媒体から発生する負に帯電した紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストを中和するので、紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストが、静電気力によりノズル開口面に付着しにくくなり、紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストによるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記インク吐出用ノズル孔は、前記ノズル開口面に並ぶことによりインク吐出用ノズル列を構成し、前記印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載され、前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備えることを特徴とする。
本発明によれば、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載されるインクジェットヘッドにおいて、このインクジェットヘッドが具備するインク吐出用ノズル列が露出するノズル露出面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向の気流を発生することを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより気流を発生させることで、キャリッジの移動方向に配置されるインク吐出用ノズルが露出するノズル開口面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記インク吐出用ノズル列の長さより長いことを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターの長さが、インク吐出用ノズル列の長さより長く形成され配置されるため、発生する気流の領域を、インク吐出用ノズル列の長さより長い領域に確保できる。そのため、帯電した浮遊物がインク吐出面に付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向と交差する方向の気流を発生させることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより気流を発生させることで、キャリッジの移動方向と交差する方向に配置されるインク吐出用ノズル列が露出するノズル露出面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の幅方向に延設されることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターが印刷媒体の幅方向に延設されるため、プラズマアクチュエーターが気流を発生させる領域を、印刷媒体の幅方向に確保できるため、印刷媒体の幅方向に延びるノズル開口面に帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記ノズル開口面の前記印刷媒体の幅方向の長さより長いことを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターの長さが、ノズル開口面の印刷媒体の幅方向の長さより長く形成されるため、発生する気流の領域を、ノズル開口面の長さより長い領域に確保できる。そのため、帯電した浮遊物がインク吐出面に付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジに配置されることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターがキャリッジに搭載されるため、キャリッジの移動に伴って帯電した浮遊物がノズル開口面に付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記インク吐出用ノズル孔は、前記ノズル開口面に並ぶことによりインク吐出用ノズル列を構成し、前記印刷媒体の搬送方向に対し交差する方向に延在する前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備えることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に延在するインクジェットヘッドにおいて、このインクジェットヘッドが具備するインク吐出用ノズル列が露出するノズル開口面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向の気流を発生させることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより気流を発生させることで、印刷媒体の搬送方向に配置されるインク吐出用ノズル列が露出するノズル開口面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向と交差する方向の気流を発生させることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターにより気流を発生させることで、印刷媒体の搬送方向と交差する方向に配置されるインク吐出用ノズル列が露出するノズル開口面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の幅方向に延設されることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、プラズマアクチュエーターが印刷媒体の幅方向に延設されるため、プラズマアクチュエーターが気流を発生させる領域を、印刷媒体の幅方向に確保できるため、印刷媒体の幅方向に延びるノズル開口面に、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、本発明の印刷装置は、前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部と、前記インク吐出用ノズル孔とを有するヘッドユニットを備えることを特徴とする。
本発明の印刷装置によれば、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーターへの駆動電圧を駆動電圧生成部で生成することができる。そのため、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
また、本発明のヘッドユニットによれば、印刷媒体に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、前記インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備える。
本発明のヘッドユニットによれば、プラズマアクチュエーターにより、インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるため、帯電した浮遊物がノズル開口面に付着しにくくなり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーターを備えることで、別途大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減させることができる。
第1実施形態における印刷装置の概略を示す図。 印刷装置のヘッドユニットの概略図。 図2のインク吐出面側からみた概略図。 プラズマアクチュエーターの基本構造を示す断面図。 プラズマアクチュエーターの動作を説明するための図。 プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。 プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。 印刷装置の機能的構成を示すブロック図。 第2実施形態における印刷装置の概略を示す図。 印刷装置のヘッドユニットの概略図。 図10のインク吐出面側からみた概略図。 プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。 プラズマアクチュエーターの配置の変形例を示す図。
<第1実施形態>
図1に示すように、印刷装置1は、平板状のプラテン2を備える。プラテン2の上面には、所定の印刷媒体3が図示しない紙送り機構により搬送方向HY1に搬送される。プラテン2には、縁なし印刷時のインク打ち捨て領域が設けられていてもよい。
印刷媒体3としては、ロール状に巻かれたロール紙や、所定長さに切断されたカットシート、複数枚のシートが連接された連続シートなどが挙げられる。これらの印刷媒体は、普通紙や、複写紙、厚紙などの紙類、合成樹脂製などのシートであり、これらのシートにコーティングや浸潤などの加工を施したものを用いることもできる。また、カットシートの形態としては、例えば、PPC用紙や葉書などの定形サイズのカット紙に加え、通帳などの複数のシートを綴じた冊子形態のものや、封筒などの袋状に成形されたものが挙げられる。また、連続シートの形態としては、例えば、幅方向両端にスプロケットホールが穿設され、所定長さ毎に折り畳まれた連続紙が挙げられる。
プラテン2の上方には、印刷媒体3の搬送方向HY1に対して直交する方向TY1(交差する方向)に延在するガイドシャフト5が設けられる。ガイドシャフト5には、キャリッジ10が、図示しない駆動機構を介してガイドシャフト5に沿って往復移動自在に設けられる。すなわち、キャリッジ10は、ガイドシャフト5に沿って搬送方向HY1に対し直交する方向TY1に往復移動する。
図2は、第1実施形態における印刷装置1のヘッドユニット16を示す概略図である。また、図3は、図2のインク吐出面11a側からみた概略図である。
図2に示すように、キャリッジ10には、シリアル型のインクジェットヘッド11が搭載される。
インクジェットヘッド11のプラテン2に対向する面は、インク吐出面11aである。インク吐出面11a(ノズル開口面)には、インク吐出面11aに開口して露出し、インクを印刷媒体3に吐出するノズル孔であるインク吐出用ノズル孔を複数有する。複数のインク吐出用ノズル孔は、インク吐出面11aに並ぶことにより、インク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dを形成する。インク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dのそれぞれは、印刷媒体3の搬送方向HY1に延びて形成される。本実施形態において、インク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dのそれぞれは、2列平行に形成される。
本実施形態では、インク吐出用ノズル列14aは、シアン(C)のインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14bは、マゼンタ(M)のインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14cは、イエロー(Y)のインクを印刷媒体3に吐出する。また、インク吐出用ノズル列14dは、ブラック(K)のインクを印刷媒体3に吐出する。
なお、以下の説明において、インク吐出用ノズル列14a〜インク吐出用ノズル列14dのそれぞれを区別することなく、いずれかの1のインク吐出用ノズル列として説明する場合、インク吐出用ノズル列14と表記する。
ここで、インク吐出面11aとプラテン2との間隙(空間)、もしくは、インク吐出面11aと印刷媒体3との間隙(空間)を総称してプラテンギャップという。
インクジェットヘッド11は、インク吐出用ノズル列14a〜14dからインクを吐出するためのピエゾ素子等の駆動素子36(図8)を備える。また、キャリッジ10には、インクジェットヘッド11にインクを供給するインクカートリッジ15a〜15dが搭載される。インクカートリッジ15aは、インク吐出用ノズル列14aにシアンのインクを供給する。また、インクカートリッジ15bは、インク吐出用ノズル列14bにマゼンタのインクを供給する。インクカートリッジ15cは、インク吐出用ノズル列14cにイエローのインクを供給する。また、インクカートリッジ15dは、インク吐出用ノズル列14dにブラックのインクを供給する。
このように、ヘッドユニット16は、キャリッジ10、インクジェットヘッド11、及び、インクカートリッジ15a〜15dにより構成される。なお、インクカートリッジ15a〜15dのそれぞれは、ヘッドユニット16以外の場所に設置されてもよい。
キャリッジ10のプラテン2に対向する面であるインク吐出面11aには、キャリッジ10の移動方向(搬送方向HY1に対し直交する方向TY1)の両端に、2つのプラズマアクチュエーター20がインク吐出用ノズル列14を挟んで配置される。各プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、インク吐出用ノズル列14の長さより長く形成される。また、一般的にプラテンギャップは狭く、1mm以下の場合もある。従って、プラズマアクチュエーター20は、図2に示すように、インク吐出用ノズル列14が配置されている面より一段奥まった面に配置する)ことが好適である。なお、プラズマアクチュエーター20をインクジェットヘッド11に埋め込んで、段差をなくして配置してもよい。各プラズマアクチュエーター20の支持は、任意であり、インクジェットヘッド11にはめ込まれて支持される構成でもよく、キャリッジ10に支持される構成でもよい。
以下の説明において、インク吐出面11aのTY11方向の下流側に配置されるプラズマアクチュエーター20を示す場合、プラズマアクチュエーター20aと表記する。また、インク吐出面11aのTY11方向の上流側に配置されるプラズマアクチュエーター20を示す場合、プラズマアクチュエーター20bと表記する。
図4はプラズマアクチュエーター20の基本構造を示す断面図である。図4に示すように、プラズマアクチュエーター20は、2枚の薄膜の電極21a、21bと、その電極21a、21bの間に挟まれた誘電体層22とから構成される。2枚の電極21a,21bの間に、数kV、周波数が数kHzの交流電圧を印加することで、上側の電極21aと誘電体層22とに挟まれた部分でプラズマ放電23が生じ、これによって上側の電極21aから下側の電極21b方向に流れる気流が発生する。プラズマアクチュエーター20は、交流電圧の印加を制御することにより、気流の発生、停止、または、気流速度を簡単に制御できる。これはファンなどの気流発生装置では実現が困難な特徴である。なお、薄膜の電極21bを2個用意し、電極21aを挟むように配置してもよい。こうすることにより、2個の電極21bの片側を選択すれば気流の発生方向を正逆両方向に制御することができる。
ここで、プラズマアクチュエーター20による気流の発生、及び、この気流が正電荷のイオンを含むことについて、詳述する。
図5は、プラズマアクチュエーター20の動作を説明するための図である。
図5に示す電極21aに正電圧が印加され、また、電極21bに負電圧が印加されると、電極21aと誘電体層22とに挟まれた部分には、プラズマ放電23が発生する。プラズマ放電23の状態としては、弱電離プラズマ状態と、完全電離プラズマ状態とが挙げられる。本実施形態では、プラズマ放電23の状態は、弱電離プラズマ状態である。弱電離プラズマ状態とは、プラズマ放電23が発生した領域において、大気が含む中性粒子26(いわゆる、分子)のうち、一部の中性粒子26が電子24と正電荷のイオン25とに分離している状態である。完全電離プラズマ状態は、プラズマ放電23が発生した領域において、大気が含む中性粒子26(いわゆる、分子)の全てが、電子24と正電荷のイオン25とに分離している状態である。電子24は、負に帯電している。図5では、「−」を表記することで、負に帯電していることを示す。正電荷のイオン25は、正に帯電している。図5では、「+」を表記することで、正に帯電していることを示す。
プラズマ放電23が発生すると、電子24は、電場により力を受け、正電圧が印加された電極21a側に移動する。この電子24の移動は、衝突電離を発生させ、電子24と正電荷のイオン25が指数関数的に増加する現象である電子雪崩を発生させる。一方、正電荷のイオン25は、電場により力を受け、負電圧が印加された電極21b側に移動する。電子雪崩により発生した正電荷のイオン25も、電場により力を受け、負電圧が印加された電極21b側に移動する。
正電荷のイオン25が電場により力を受け、負電圧が印加された電極21b側に移動する際、正電荷のイオン25は、中性粒子26と衝突する。正電荷のイオン25と衝突した中性粒子26は、衝突した正電荷のイオン25から運動量が伝わり、体積力が発生する。通常、中性粒子26は、帯電していないため、電場により力を受けることがなく、いずれの方向に移動しない。しかしながら、正電荷のイオン25から運動量が伝えられた中性粒子26は、体積力が発生し、発生した体積力により移動する。
気体の流れ(いわゆる、気流)は、中性粒子26の移動に決定づけられる。そのため、中性粒子26が体積力により移動すると、中性粒子26の移動方向に気流が発生する。中性粒子26の移動方向は、正電荷のイオン25の移動方向で決定づけられ、本実施形態では、電極21b側の方向に移動する。したがって、気流は、電極21b側に向けて発生する。また、中性粒子26の移動が正電荷のイオン25の衝突により発生することから、中性粒子26は、正電荷のイオン25と共に電極21b側に移動する。そのため、発生した気流は、正電荷のイオン25を含むことになる。
プラズマ放電23が発生すると、気流が発生するが、時間経過により、気流の発生は停止する。これは、正電荷のイオン25が誘電体層22の表面に蓄積することで、電場が遮断され、正電荷のイオン25が電場から力を受けて移動しなくなるためである。
なお、電極21aに負電圧が印加され、電極21bに正電荷が印加された場合も、プラズマ放電23が発生する。この場合、電子24は、電極21b側に移動する。しかしながら、電子24は、正電荷のイオン25と比較して、移動度が高いため、電子雪崩を発生させる前に、電極21b近傍の誘電体層22の表面に蓄積してしまい、電場を遮断してしまう。したがって、電極21aに正電圧が印加され、電極21bに負電荷が印加された場合と比較して、中性粒子26の移動が少なく、この場合に発生する気流の風量は、小さい。そのため、電極21aと電極21bに所定の交流電圧を印加した場合でも、1周期における時間平均では、電極21b側に気流が発生していることと見做すことができる。
このように、プラズマアクチュエーター20は、電極21b側に向けて、正電荷のイオン25を有する気流を発生させる。
ところで、インク吐出面11aは、フッ素樹脂等により撥液処理がなされる場合がある。ここで、撥液処理とは、例えば撥水加工等のように、インク吐出面11aに、液体に対する撥液性を付与する処理を示す。撥液処理がされたインク吐出面11aは、負に帯電しやすいことが知られている。そのため、印刷媒体3から発生する紙粉もしくは毛羽等が正に帯電していると、静電気力により、インク吐出面11aに付着する可能性がある。また、インク吐出用ノズル列14から吐出されたインクのミストが正に帯電していると、静電気力により、インク吐出面11aに付着する可能性がある。インクのミストが正に帯電するのは、印刷媒体3に付着するインクが、印刷媒体3の帯電に基づいて負に静電誘導され、負に帯電したインクからミストが分離する際、分極によりミストが正に帯電するためである。
このように、インク吐出面11aは、負に帯電すると、正に帯電したインクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が静電気力によりインク吐出面11aに付着する可能性がある。このことは、インクの吐出不良の発生につながる。
なお、インク吐出面11aが負に帯電する要因としては、撥液処理の他に、例えば、インク吐出面11aに形成されるインク吐出用ノズル列14が吐出するインクが正に帯電している場合が挙げられる。つまり、インク吐出面11aは、正に帯電するインクを吐出する際、静電誘導により、負に帯電する。このような場合でも、上述したように、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着する可能性がある。
また、インク吐出面11aは、正に帯電することもある。この場合、インクのミストや、印刷媒体3から発生する紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が負に帯電していると、当該浮遊物は、静電気力により、インク吐出面11aに付着する可能性がある。この場合でも、インクの吐出不良の発生につながる。
そこで、図2及び図3に示すように、プラズマアクチュエーター20を配置し、気流を発生させる。
すなわち、プラズマアクチュエーター20により、インク吐出面11aに向けて、正電荷のイオン25を含む気流を発生させる。すなわち、図2及び図3に示すように、プラズマアクチュエーター20aは、方向TY12に気流を発生させる。また、プラズマアクチュエーター20bは、方向TY11に気流を発生させる。
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20aが方向TY12に気流を発生させることは、プラズマアクチュエーター20aがインク吐出面11aに向けて気流を発生させることに相当する。また、プラズマアクチュエーター20bが方向TY11に気流を発生させることは、プラズマアクチュエーター20bがインク吐出面11aに向けて気流を発生させることに相当する。
このように、プラズマアクチュエーター20が気流を発生させるため、インク吐出面11aが負に帯電する場合、気流が含む正電荷のイオン25により、インク吐出面11aが中和される。したがって、印刷装置1は、正に帯電した、インクのミストや、印刷媒体3から発生する紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が、インク吐出面11aに付着することを抑制でき、正に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。特に、気流が含む正電荷のイオン25の質量は、インクのミストや、印刷媒体3から発生する紙粉もしくは毛羽等の浮遊物の質量と比較して、小さい。つまり、気流の含む正電荷のイオン25の移動度は、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物の移動度と比較して高い。したがって、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物がインク吐出面11aに付着する前に、インク吐出面11aを中和できる蓋然性が高く、正に帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制できる。
前述した通り、インク吐出面11aは、正に帯電する場合もある。この場合でも、プラズマアクチュエーター20が気流を発生させることにより、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制できる。詳述すると、インク吐出面11aが正に帯電する場合、インク吐出面11aには、負に帯電した、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が付着する可能性がある。そこで、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、気流が含む正電荷のイオン25により、負に帯電した浮遊物が中和される。そのため、中和された浮遊物と、正に帯電したインク吐出面11aとの間において、静電引力が抑制される。したがって、印刷装置1は、インク吐出面11aが正に帯電する場合でも、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることにより、負に帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制でき、負に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図2、及び、図3に示すように、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10の移動方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置され、キャリッジ10の移動方向の気流を発生させる。ここで、キャリッジ10の移動方向は、インクジェットヘッド11の移動方向でもある。、すなわち、搬送方向HY1に直交する方向TY1に相当する。このようにプラズマアクチュエーター20を配置し、プラズマアクチュエーター20によりキャリッジ10の移動方向の気流を発生させることで、方向TY1に配置されるインク吐出用ノズル列14が形成されるインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図2、及び、図3に示すように、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列14の長さより長く形成され配置される。このように、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出用ノズル列14の長さより長く形成され配置されるため、発生する気流の領域を、インク吐出用ノズル列14の長さより長い領域に確保できる。つまり、印刷装置1は、プラズマアクチュエーター20が発生する気流の領域を、印刷媒体3の搬送方向HY2におけるインク吐出面11aの長さより長い領域に確保できる。そのため、印刷装置1は、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出面11aを挟んで2つ配置される。このように2つのプラズマアクチュエーター20をインク吐出面11aを挟んで配置し、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、キャリッジ10の移動方向に係らず、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。
なお、プラズマアクチュエーター20a、及び、プラズマアクチュエーター20bが気流を発生させるタイミングは、同時でなくてもよい。例えば、キャリッジ10が方向TY11に移動する際、プラズマアクチュエーター20aが気流を方向TY12に発生させ、キャリッジ10が方向TY12に移動する際、プラズマアクチュエーター20が気流を方向TY11に発生させる構成でもよい。この構成でも、印刷装置1は、キャリッジ10の移動方向に係らず、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。また、2つあるプラズマアクチュエーター20のうち1のプラズマアクチュエーター20を駆動するため、2つプラズマアクチュエーター20を駆動する場合と比較して、印刷装置1は、消費電力を抑制することができる。
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例について説明する。
図6は、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例を示す図である。図6において、図3と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図3と比較して明らかな通り、変形例において、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、インク吐出面11aより上流側に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1と直交する方向TY1において、インク吐出面11aの長さより長く形成され、配置される。また、変形例において、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1に気流を発生させる。
図6に示すように、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の搬送方向HY1に向けて、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、搬送方向HY1に配置されるインク吐出用ノズル列14が形成されるインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図6に示すように、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の搬送方向HY1と直交する直交する方向TY1において、インク吐出面11aの長さより長く形成され配置されるため、発生する気流の領域を、方向TY1におけるインク吐出面11aの長さより長い領域に確保できる。そのため、印刷装置1は、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図6に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、インク吐出面11aより上流側に配置され、印刷媒体3の搬送方向HY1の気流を発生させる。ところで、印刷媒体3が搬送されることにより、プラテンギャップには、印刷媒体3に起因して搬送方向HY1の気流が発生する場合がある。そのため、プラズマアクチュエーター20を、印刷媒体3の搬送方向HY1において、インク吐出面11aより上流側に配置し、印刷媒体3の搬送方向HY1の気流を発生させるため、搬送に起因した気流によりプラズマアクチュエーター20が発生した気流が促進される。これにより、印刷装置1は、インク吐出面11aの全域が、プラズマアクチュエーター20が発生した気流を受ける蓋然性が高まり、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することをより抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生をより低減できる。
なお、本実施形態では、図6に示すプラズマアクチュエーター20が印刷媒体3の搬送方向HY1の気流を発生させることも、インク吐出面11aに向けて気流を発生させることに相当する。
なお、図6において、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、インク吐出面11aより下流側に配置されてもよい。この場合、プラズマアクチュエーター20は、方向TY1において、インク吐出面11aの長さより長く形成されて配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、気流を印刷媒体3の搬送方向HY1と逆の方向に発生させる。このような場合でも、印刷装置1は、プラズマアクチュエーター20がインク吐出面11aに向けて気流を発生させることができるため、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例をさらに説明する。
図7は、プラズマアクチュエーター20の変形例を示す図である。図1と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図1と比較して明らかな通り、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、キャリッジ10より上流側に、印刷媒体3の幅方向(図7では、方向TY1)に延びて配置される。図7に示す通り、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10に搭載されておらず、図示せぬ支持部材により支持されて配置される。また、図7に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の幅よりも長く形成されて配置される。そして、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1に気流を発生させる。
図7に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の幅方向、すなわち、印刷媒体3の搬送方向HY1と直交する方向TY1において、印刷媒体3の幅より長く形成され配置される。このように、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の幅方向に、印刷媒体3の幅より長く形成されて配置されるため、発生する気流の領域を、印刷媒体3の幅より長い領域に確保できる。また、紙粉や毛羽は印刷媒体3の端部から多く発生することが知られているので、本実施例のプラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の端部を含む領域まで延在することが望ましい。そのため、印刷装置1は、印刷媒体3から発生する紙粉や毛羽等の浮遊物が、インク吐出面11aに付着することを、より抑制できる。したがって、印刷装置1は、印刷媒体3から発生する紙粉や毛羽等の浮遊物によるインクの吐出不良の発生を、より低減できる。
また、図7に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、キャリッジ10より上流側に配置され、印刷媒体3の搬送方向HY1に気流を発生させる。前述した通り、印刷媒体3が搬送されることにより、プラテンギャップには、印刷媒体3に起因して搬送方向HY1に気流が発生する場合がある。そのため、プラズマアクチュエーター20を、印刷媒体3の搬送方向HY1において、キャリッジ10より上流側に配置し、印刷媒体3の搬送方向HY1に気流を発生させるため、搬送に起因した気流によりプラズマアクチュエーター20が発生した気流が促進される。これにより、印刷装置1は、インク吐出面11aの全域が、プラズマアクチュエーター20が発生した気流を受ける蓋然性が高まり、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することをより抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生をより低減できる。
また、図7に示す通り、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10に搭載されていない。これにより、キャリッジ10を備えるヘッドユニット16の構成を簡易でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
なお、本実施形態では、図7に示すプラズマアクチュエーター20が印刷媒体3の搬送方向HY1に気流を発生させることも、インク吐出面11aに向けて気流を発生させることに相当する。
なお、図7において、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY1において、キャリッジ10より下流側に配置されてもよい。この場合、プラズマアクチュエーター20は、方向TY1において、印刷媒体3の幅より長く形成されて配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、気流を印刷媒体3の搬送方向HY1と逆の方向に発生させる。このような場合でも、印刷装置1は、プラズマアクチュエーター20がインク吐出面11aに向けて気流を発生させることができるため、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
次に、本実施形態の制御系の構成について説明する。
図8は、本実施形態における印刷装置1の機能的構成を示すブロック図である。
図8に示すように、印刷装置1は、各部を制御する制御部30と、制御部30の制御に従って各種モーターなどを駆動したり、検出回路の検出状態を制御部30に出力したりする各種ドライバー回路とを備える。各種ドライバー回路には、ヘッドドライバー32と、キャリッジドライバー33と、プラズマアクチュエータードライバー34と、紙送りドライバー35と、が含まれる。
制御部30は、印刷装置1の各部を中枢的に制御するものである。制御部30は、CPUや、実行可能な基本制御プログラムや、この基本制御プログラムに係るデータなどを不揮発的に記憶するROM、CPUに実行されるプログラムや所定データなどを一時的に記憶するRAM、その他の周辺回路などを備える。
ヘッドドライバー32は、インクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36にそれぞれ接続される。駆動素子36は、制御部30の制御に従って駆動され、インク吐出用ノズル孔から必要量のインクを噴射させる。
キャリッジドライバー33は、キャリッジモーター37に接続され、キャリッジモーター37に駆動信号を出力して、キャリッジモーター37を制御部30により指示された範囲で動作させる。
プラズマアクチュエータードライバー34は、プラズマアクチュエーター20に接続され、プラズマアクチュエーター20に駆動信号出力して、プラズマアクチュエーター20を制御部30により駆動させる。
紙送りドライバー35は、紙送りモーター38に接続され、紙送りモーター38に駆動信号を出力して、紙送りモーター38を制御部30により指示された量だけ動作させる。紙送りモーター38の動作に応じて、印刷媒体3が搬送方向HY1に所定量だけ搬送される。
プラズマアクチュエーター20を駆動するためには、高電圧が必要である。印刷装置1は、プラズマアクチュエーター20を駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部39を備える。駆動電圧生成部39は、プラズマアクチュエーター20およびプラズマアクチュエータードライバー34に接続される。駆動電圧生成部39は、例えば、キャリッジ10に支持され、ヘッドユニット16に搭載される。
移動するキャリッジ10には、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルが配設されている。このフレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を追加敷設するのは、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じるため好ましくない。
そのため、本実施形態においては、フレキシブルケーブルには低電圧の電源供給線を配設し、駆動電圧生成部39をヘッドユニット16に搭載している。駆動電圧生成部39は、この低電圧の電源を入力電圧とし、ヘッドユニット16内にて高電圧に昇圧する。
なお、駆動素子36として、ピエゾ素子を使用する場合には、ピエゾ素子駆動用の電源供給線がフレキシブルケーブルに敷設されているので、そのピエゾ素子駆動用の電源を駆動電圧生成部39の入力電圧として利用してもよい。また、駆動素子36として、サーマルタイプの駆動素子を使用する場合でも同様に、サーマルヘッド駆動用電源を駆動電圧生成部39の入力電圧として利用することができる。もちろん、独立した低電圧の電源線をフレキシブルケーブルに敷設してもよい。
なお、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じなければ、フレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を敷設してもかまわないし、高電圧配線用に、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルとは別のケーブルを敷設してもかまわない。
このように、駆動電圧生成部39がヘッドユニット16に搭載されるため、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、キャリッジ10に設けられるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
以上、説明したように、印刷装置1は、印刷媒体3に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、インク吐出用ノズル孔が露出するインク吐出面11a(ノズル開口面)に向けて正電荷のイオン25を含む気流を発生させるプラズマアクチュエーター20とを備える。
これにより、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出面11aに向けて正電荷のイオン25を含む気流を発生させるため、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着しにくくなり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。また、プラズマアクチュエーター20を備えることで、別途大掛かりな装置を設ける必要がなく、設備コストを低減させることができる。
また、インク吐出面11aは、インク吐出用ノズル列14を形成するインク吐出用ノズル孔からインクを吐出することにより負に帯電する。このようにインク吐出面11aが、インク吐出用ノズル列14からインクを吐出することにより負に帯電するのは、インク吐出用ノズル列14が正に帯電したインクを吐出することによる。
これにより、インクを吐出することにより負に帯電したインク吐出面11aに向けて、プラズマアクチュエーター20により正電荷のイオン25を含む気流を発生させるため、インク吐出面11aが中和され、帯電した浮遊物が静電気力によりインク吐出面11aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、インク吐出面11aは、撥液処理がなされていることにより負に帯電する。
前述した通り、撥液処理がなされるインク吐出面11aは、負に帯電しやすいことが知られている。したがって、プラズマアクチュエーター20により、撥液処理がなされるインク吐出面11aに向けて正電荷のイオン25を含む気流を発生させるため、撥液処理がなされるインク吐出面11aが中和され、正に帯電した浮遊物が静電気力により、撥液処理がなされたインク吐出面11aに付着しにくくなる。そのため、印刷装置1は、正に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、印刷装置1は、負に帯電した浮遊物を正電荷のイオン25により中和する。
前述した通り、インク吐出面11aは、正に帯電する場合もある。そのため、正に帯電したインク吐出面11aには、負に帯電した浮遊物が静電気力により付着しやすい。そのため、プラズマアクチュエーター20により発生させた気流が含む正電荷のイオン25により負に帯電した浮遊物を中和するため、負に帯電した浮遊物が静電気力によりインク吐出面11aに付着しにくくなる。したがって、印刷装置1は、負に帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、負に帯電した浮遊物は、印刷媒体3から発生する紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストである。
前述した通り、プラズマアクチュエーター20により発生させた気流が含む正電荷のイオン25により負に帯電した、印刷媒体3から発生する紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストを中和する。そのため、紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストが静電気力によりインク吐出面11aに付着しにくくなり、印刷装置1は、紙粉または毛羽、もしくは、インクのミストによるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、印刷装置1は、印刷媒体3の搬送方向HY1と直交する方向TY1(交差する方向)に往復移動するキャリッジ10に搭載され、インク吐出用ノズル列14を具備するインクジェットヘッド11を備える。
これにより、方向TY1に往復移動するキャリッジ10に搭載されるインクジェットヘッド11において、このインクジェットヘッド11が具備するインク吐出用ノズル列14が露出するインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10の移動方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置され、キャリッジ10の移動方向の気流を発生させる。
これにより、プラズマアクチュエーター20によりキャリッジ10の移動方向の気流を発生させることで、キャリッジ10の移動方向に配置されるインク吐出用ノズル列14が露出するインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10の移動方向と交差する方向に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置され、キャリッジ10の移動方向と交差する方向の気流を発生させる。
これにより、プラズマアクチュエーター20によってキャリッジ10の移動方向と交差する方向の気流を発生させることで、キャリッジ10の移動方向と交差する方向に配置されるインク吐出用ノズル列14が露出するインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の幅方向(図7では、方向TY1)に延設される。
このように、プラズマアクチュエーター20が印刷媒体3の幅方向に延設されるため、印刷媒体3の幅方向に、プラズマアクチュエーターが気流を発生させる領域を確保できる。したがって、印刷装置1は、インク吐出面11aの印刷媒体3の幅方向に、気流を発生させる領域を確保でき、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制でき、帯電する浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、キャリッジ10に配置される。
このように、プラズマアクチュエーター20がキャリッジ10に搭載されるため、キャリッジ10の移動と共に、インク吐出面11aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。特に、キャリッジ10に搭載することにより、例えば、プラズマアクチュエーター20を、印刷媒体の幅方向に印刷媒体3の幅より長く形成しなくても、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。そのため、印刷装置1は、設備コストを抑えた上で、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、印刷装置1は、ヘッドユニット16に駆動電圧生成部39が搭載される。
これにより、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、キャリッジ10に接続されるフレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
<第2実施形態>
図9は、第2実施形態における印刷装置1aの概略図である。なお、第1実施形態と同一部分には、同一符号を付してその説明を省略する。
図9に示すように、印刷装置1aは、平板状のプラテン2を備える。プラテン2の上面には、所定の印刷媒体3が印刷媒体の搬送機構により搬送方向HY2に搬送される。
プラテン2の上方には、印刷媒体3の搬送方向HY2に対して直交する方向TY2(交差する方向)に延在する支持部材50が設けられる。支持部材50は、ライン型のインクジェットヘッド60を備える。プラテン2には、縁なし印刷時のインク打ち捨て領域が設けられていてもよい。
図10は、第2実施形態における印刷装置1aのヘッドユニット40を示す概略図である。また、図11は、図10のインク吐出面60a側からみた概略図である。
インクジェットヘッド60のプラテン2に対向する面は、インク吐出面11aである。インク吐出面60a(ノズル開口面)には、インク吐出面60aに開口して露出し、印刷媒体3に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル列を複数有する。複数のインク吐出用ノズル孔は、インク吐出用ノズル列80が形成する。
インクジェットヘッド60は、インク吐出用ノズル孔からインクを吐出するためのピエゾ素子などの駆動素子36を備える。また、支持部材50には、インクジェットヘッド60にインクを供給するインクカートリッジ70が搭載される。
なお、本実施形態においては、単一のライン型のインクジェットヘッド60に対し、単色のインクカートリッジ70を用いる場合を例示する。また、インクカートリッジ70は、支持部材50以外の場所に配置されていてもよい。
ヘッドユニット40は、支持部材50、インクジェットヘッド60、インクカートリッジ70により構成される。
ここで、インク吐出面60aと印刷媒体3との間隔(空間)、もしくは、インク吐出面60aとプラテン2との間隔(空間)もプラテンギャップに相当する。
プラテン2に対向する面であるインク吐出面60aには、印刷媒体3の搬送方向HY2において、インク吐出用ノズル列80より上流側に、プラズマアクチュエーター20が配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、インク吐出用ノズル列80の長さより長く形成される。前述した通り、一般的に、プラテンギャップは狭く、1mm以下の場合もある。従って、プラズマアクチュエーター20は、図10に示すように、インク吐出用ノズル列80が配置されている面より一段奥まった面に配置することが好適である。なお、プラズマアクチュエーター20をインクジェットヘッド60に埋め込んで、段差をなくして配置してもよい。プラズマアクチュエーター20の支持は、任意であり、インクジェットヘッド60にはめ込まれて支持される構成でもよく、支持部材50に支持される構成でもよい。
以下の説明において、印刷媒体3の搬送方向HY2の上流側に配置されるプラズマアクチュエーター20を示す場合、プラズマアクチュエーター20cと表記する。
第1実施形態と同様、第2実施形態における印刷装置1aも、インク吐出面60aが負に帯電する場合がある。そのため、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が、正に帯電していると、静電気力により、帯電する浮遊物がインク吐出面60aに付着する可能性がある。また、第2実施形態における印刷装置1aも、インク吐出面60aが正に帯電する場合がある。この場合、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が、負に帯電していると、静電気力により、帯電する浮遊物がインク吐出面60aが付着する場合がある。
このように、第2実施形態における印刷装置1aは、第1実施形態における印刷装置1と同様、帯電する浮遊物がインク吐出面60aに付着し、帯電する浮遊物によるインクの吐出不良が発生する可能性がある。
そこで、図10、及び、図11に示すように、プラズマアクチュエーター20cを配置し、気流を発生させる。
すなわち、図10、及び、図11に示すように、プラズマアクチュエーター20cは、印刷媒体3の搬送方向HY2の上流側に、インク吐出用ノズル列80と並んで配置され、印刷媒体3の搬送方向HY2の気流を発生させる。このようにプラズマアクチュエーター20cを配置し、プラズマアクチュエーター20cにより印刷媒体3の搬送方向HY2の気流を発生させることで、印刷媒体3の搬送方向HY2に配置されるインク吐出用ノズル列80が形成されるインク吐出面11aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図11に示すように、プラズマアクチュエーター20cは、インク吐出用ノズル列80の長さより長く形成され配置される。このように、プラズマアクチュエーター20cが、インク吐出用ノズル列80の長さより長く形成され配置されるため、発生する気流の領域を、インク吐出用ノズル列80の長さより長い領域に確保できる。そのため、印刷装置1は、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良を低減できる。
また、図11に示すように、プラズマアクチュエーター20cは、インク吐出面60aに向けて、正電荷のイオン25を含む気流を発生させる。すなわち、図10及び図11に示すように、プラズマアクチュエーター20cは、搬送方向HY2に気流を発生させる。
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20cが搬送方向HY2に気流を発生させることは、プラズマアクチュエーター20cがインク吐出面60aに向けて気流を発生させることに相当する。
このように、プラズマアクチュエーター20cが気流を発生させるため、インク吐出面11aが負に帯電する場合、気流が含む正電荷のイオン25により、インク吐出面11aが中和される。そのため、印刷装置1は、正に帯電した、インクのミストや、紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が、インク吐出面60aに付着することを抑制できる。また、プラズマアクチュエーター20cが気流を発生させるため、負に帯電する浮遊物を中和でき、インク吐出面60aが正に帯電する場合でも、印刷装置1は、帯電する浮遊物がインク吐出面60aに付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電する浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図10及び図11に示すように、印刷装置1aは、プラズマアクチュエーター20cが配置されるので、インク吐出面60aに向けて気流を発生できる。そのため、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。つまり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例について説明する。
本変形例においては、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出面60aを挟むように複数配置される。より詳細には、本変形例においてプラズマアクチュエーター20は、インク吐出面60aを挟んで、印刷媒体3の搬送方向HY2の上流側と下流側とに2つ配置される。この場合、印刷媒体3の搬送方向HY2の上流側に配置されるプラズマアクチュエーター20は、搬送方向HY2に気流を発生させる。また、印刷媒体3の搬送方向HY2の下流側に配置されるプラズマアクチュエーター20は、搬送方向HY2と逆の方向に気流を発生させる。すなわち、各プラズマアクチュエーター20は、インク吐出面60aに向けて気流を発生させる。こうすることにより、プラズマアクチュエーター20が一つの場合に比べて、より多くの気流をインク吐出面60aに向けて発生させることができるので、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することをより抑制できる。つまり、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生をさらに低減できる。
ところで、印刷装置1aは、印刷媒体3を、搬送方向HY2と逆の方向に搬送する場合もある。したがって、プラズマアクチュエーター20をインク吐出面60aを挟むように複数配置し各プラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aに向けて気流を発生させることで、印刷媒体3が搬送される方向に係らず、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。つまり、本変形例は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例についてさらに説明する。
図12は、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例を示す図である。図12において、図11と同様の構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図11と比較して明らかな通り、変形例において、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2において、インク吐出用ノズル列80と並んで配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、インク吐出面60aの両端にインク吐出面60aを挟んで配置される。また、変形例において、インク吐出面60aの方向TY21に配置されるプラズマアクチュエーター20は、方向TY22に気流を発生させる。また、変形例において、インク吐出面60aの方向TY22に配置されるプラズマアクチュエーター20は、方向TY21に気流を発生させる。
以下の説明において、インク吐出面60aの方向TY21に配置されるプラズマアクチュエーター20を示す場合、プラズマアクチュエーター20dと表記する。インク吐出面60aの方向TY22に配置されるプラズマアクチュエーター20を示す場合、プラズマアクチュエーター20eと表記する。
図12に示すように、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2において、インク吐出用ノズル列80と並んで配置されるため、プラズマアクチュエーター20により気流を発生させることで、方向TY2に配置されるインク吐出用ノズル列80が形成されるインク吐出面60aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図12に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2において、インク吐出面60aを挟んで配置される。そして、プラズマアクチュエーター20dは、方向TY22に気流を発生させ、プラズマアクチュエーター20eは、方向TY21に気流を発生させる。
なお、本実施形態では、プラズマアクチュエーター20dが方向TY22に気流を発生させることは、プラズマアクチュエーター20dがインク吐出面60aに向けて気流を発生させることに相当する。また、プラズマアクチュエーター20eが方向TY21に気流を発生させることは、プラズマアクチュエーター20eがインク吐出面60aに向けて気流を発生させることに相当する。
このように、プラズマアクチュエーター20が気流を発生させるため、すなわち、各プラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aに向けて気流を発生させるため、印刷装置1は、帯電する浮遊物がインク吐出面60aに付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電する浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。特に、図12では、プラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aを挟んで配置され、プラズマアクチュエーター20dが方向TY22に気流を発生させ、プラズマアクチュエーター20eが方向TY21に気流を発生させる。このように、各プラズマアクチュエーター20を配置し気流を発生させるため、印刷媒体3の搬送方向HY2に直交する方向TY2に延在するインク吐出用ノズル列80が形成されるインク吐出面60aの全域が、正電荷のイオン25を含む気流を受ける蓋然性が高まる。そのため、印刷装置1は、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
なお、以上の説明では、プラズマアクチュエーター20が、インク吐出面60aを挟むよう複数配置される構成を例示したが、いずれか一方が配置される構成でもよい。このような構成の場合でも、配置されたプラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aに向けて気流を発生することで、印刷装置1aは、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。また、2つプラズマアクチュエーター20を用いる構成と比較し、1のプラズマアクチュエーターを用いる構成の方が、印刷装置1aは、消費電力を抑制することができる。
次に、プラズマアクチュエーター20の配置の変形例をさらに説明する。
図13は、プラズマアクチュエーター20の変形例を示す図である。図9と同じ構成については、同一の符号を付し、その詳細な説明を省略する。
図9と比較して明らかな通り、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2において、インクジェットヘッド60を支持する支持部材50より上流側に、印刷媒体3の幅方向(図13では、方向TY2)に延びて配置される。図13に示す通り、プラズマアクチュエーター20は、支持部材50に配置されておらず、図示せぬ支持部材により支持されて配置される。また、図13に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の幅よりも長く形成されて配置される。そして、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2に気流を発生させる。
図13に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の幅方向、すなわち、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2において、印刷媒体3の幅より長く形成され配置される。このように、プラズマアクチュエーター20が、印刷媒体3の幅方向に、印刷媒体3の幅より長く形成されて配置されるため、発生する気流の領域を、印刷媒体3の幅より長い領域に確保できる。また、紙粉や毛羽は印刷媒体3の端部から多く発生することが知られているので、本実施例のプラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の端部を含む領域まで延在することが望ましい。そのため、印刷装置1は、印刷媒体3から発生する紙粉もしくは毛羽等の浮遊物が、インク吐出面60aに付着することを、より抑制できる。したがって、印刷装置1は、印刷媒体3から発生する紙粉や毛羽等の浮遊物によるインクの吐出不良の発生を、より低減できる。
また、図13に示すように、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2において、支持部材50より上流側に配置され、印刷媒体3の搬送方向HY2に気流を発生させる。印刷媒体3が搬送されることにより、プラテンギャップには、印刷媒体3に起因して搬送方向HY2に気流が発生する場合がある。そのため、プラズマアクチュエーター20を、印刷媒体3の搬送方向HY2において、支持部材50より上流側に配置し、印刷媒体3の搬送方向HY2に気流を発生させるため、搬送に起因した気流によりプラズマアクチュエーター20が発生した気流が促進される。これにより、印刷装置1aは、インク吐出面60aの全域が、プラズマアクチュエーター20が発生した気流を受ける蓋然性が高まり、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することをより抑制できる。したがって、印刷装置1は、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生をより低減できる。
また、図13に示す通り、プラズマアクチュエーター20は、支持部材50に搭載されていない。これにより、支持部材50を備えるヘッドユニット40の構成を簡易にでき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
なお、本実施形態では、図13に示すプラズマアクチュエーター20が印刷媒体3の搬送方向HY2に気流を発生させることも、プラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aに向けて気流を発生させることに相当する。
なお、図13にて、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2において、支持部材50より下流側に配置されてもよい。この場合、プラズマアクチュエーター20は、方向TY2において、印刷媒体3の幅より長く形成されて配置される。また、プラズマアクチュエーター20は、気流を印刷媒体3の搬送方向HY2と逆の方向に発生させる。このような場合でも、印刷装置1aは、プラズマアクチュエーター20がインク吐出面60aに向けて気流を発生させることができるため、インク吐出面60aに帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。したがって、印刷装置1aは、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
本実施形態における印刷装置1aの機能的構成は、図8のキャリッジドライバー33とキャリッジモーター37とを除いた構成と同じである。
したがって、印刷装置1aは、プラズマアクチュエーター20を駆動する駆動電圧生成部39を備える。本実施形態では、駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40に搭載される。駆動電圧生成部39は、ヘッドユニット40に搭載される場合、例えば、インクジェットヘッド60を支持する支持部材50に支持される。
ヘッドユニット40には、ヘッド駆動信号を伝達するフレキシブルケーブルが配設されている。このフレキシブルケーブルにプラズマアクチュエーター20を駆動するための高電圧配線を追加敷設するのは、絶縁距離やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じるため好ましくない。そのため、本実施形態においては、フレキシブルケーブルには低電圧の電源供給線を配設し、駆動電圧生成部39を、ヘッドユニット40に搭載している。駆動電圧生成部39は、この低電圧の電源を入力電圧とし、ヘッドユニット40にて高電圧に昇圧する。
このように、駆動電圧生成部39が、ヘッドユニット40に搭載されるため、高電圧で駆動されるプラズマアクチュエーター20への駆動電圧を駆動電圧生成部39で生成することができる。そのため、ヘッドユニット40内に、フレキシブルケーブルに高電圧配線を敷設する必要がなく、絶縁性やショート対策、ノイズ対策などの問題が生じない。
以上、説明したように、印刷装置1aは、印刷媒体3の搬送方向HY2に対し直交する方向TY2(交差する方向)に延在するインク吐出用ノズル列80を具備するインクジェットヘッド60を備える。
これにより、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2に延在するインクジェットヘッド60において、このインクジェットヘッド60が具備するインク吐出用ノズル列80が露出するインク吐出面60aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2に、インク吐出用ノズル列80と並んで配置され、搬送方向HY2の気流を発生させる。
これにより、プラズマアクチュエーター20により搬送方向HY2の気流を発生させることで、印刷媒体3の搬送方向HY2に配置されるインク吐出用ノズル列80が露出するインク吐出面60aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーター20は、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2に、インク吐出用ノズル列14と並んで配置され、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2の気流を発生させる。
これにより、プラズマアクチュエーター20により印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2の気流を発生させることで、印刷媒体3の搬送方向HY2と直交する方向TY2に配置されるインク吐出用ノズル列80が露出するインク吐出面60aに、帯電した浮遊物が付着することを抑制でき、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、プラズマアクチュエーターは、印刷媒体3の幅方向に延設される。
このように、プラズマアクチュエーター20が印刷媒体3の幅方向に延設されるため、印刷媒体3の幅方向に、プラズマアクチュエーター20が気流を発生させる領域を確保できる。したがって、印刷装置1は、インク吐出面60aの印刷媒体3の幅方向に、気流を発生させる領域を確保でき、帯電した浮遊物がインク吐出面11aに付着することを抑制できる。そのため、印刷装置1aは、帯電する浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形及び応用が可能である。
例えば、上述した第2実施形態では、印刷装置1aがヘッドユニット40を備える構成を例示した。しかしながら、印刷装置1aがカラーの印刷をする場合、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、及び、ブラックの色ごとにヘッドユニット40を備えてもよい。この場合、各ヘッドユニット40に、上述した構成を適応することで、帯電した浮遊物によるインクの吐出不良の発生を低減できる。
また、図8に示した各機能部は機能的構成を示すものであって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各機能部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで複数の機能部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した各実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、印刷装置1、1aの他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
1…印刷装置、1a…印刷装置、3…印刷媒体、10…キャリッジ、11…インクジェットヘッド、11a…インク吐出面(ノズル開口面)、14…インク吐出用ノズル列、16…ヘッドユニット、20…プラズマアクチュエーター、39…駆動電圧生成部、40…ヘッドユニット、60…インクジェットヘッド、60a…インク吐出面(ノズル開口面)、80…インク吐出用ノズル列、HY1…搬送方向、HY2…搬送方向、TY1…方向(直交する方向)、TY2…方向(直交する方向)。

Claims (18)

  1. 印刷媒体に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、
    前記インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備える
    ことを特徴とする印刷装置。
  2. 前記ノズル開口面は、前記インク吐出用ノズル孔から前記インクを吐出することにより負に帯電する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  3. 前記ノズル開口面は、撥液処理がなされていることにより負に帯電する
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の印刷装置。
  4. 負に帯電した浮遊物を前記正電荷のイオンにより中和する
    ことを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
  5. 前記負に帯電した浮遊物は、前記印刷媒体から発生する紙粉または毛羽、もしくは、前記インクのミストである
    ことを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
  6. 前記インク吐出用ノズル孔は、前記ノズル開口面に並ぶことによりインク吐出用ノズル列を構成し、
    前記印刷媒体の搬送方向と交差する方向に往復移動するキャリッジに搭載され、前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷装置。
  7. 前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向の気流を発生させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  8. 前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記インク吐出用ノズル列の長さより長い
    ことを特徴とする請求項6又は7に記載の印刷装置。
  9. 前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジの移動方向と交差する方向の気流を発生させる
    ことを特徴とする請求項6に記載の印刷装置。
  10. 前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の幅方向に延設される
    ことを特徴とする請求項9に記載の印刷装置。
  11. 前記プラズマアクチュエーターの長さは、前記ノズル開口面の前記印刷媒体の幅方向の長さより長い
    ことを特徴とする請求項10に記載の印刷装置。
  12. 前記プラズマアクチュエーターは、前記キャリッジに配置される
    ことを特徴とする請求項6から11のいずれか一項に記載の印刷装置。
  13. 前記インク吐出用ノズル孔は、前記ノズル開口面に並ぶことによりインク吐出用ノズル列を構成し、
    前記印刷媒体の搬送方向に対し交差する方向に延在する前記インク吐出用ノズル列を具備するインクジェットヘッドを備える
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の印刷装置。
  14. 前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向の気流を発生させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置。
  15. 前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の搬送方向と交差する方向の気流を発生させる
    ことを特徴とする請求項13に記載の印刷装置。
  16. 前記プラズマアクチュエーターは、前記印刷媒体の幅方向に延設される
    ことを特徴とする請求項13又は14に記載の印刷装置。
  17. 前記プラズマアクチュエーターを駆動するための駆動電圧を生成する駆動電圧生成部と、前記インク吐出用ノズルとを有するヘッドユニットを備える
    ことを特徴とする請求項1から16のいずれか一項に記載の印刷装置。
  18. 印刷媒体に対しインクを吐出するインク吐出用ノズル孔と、
    前記インク吐出用ノズル孔が露出するノズル開口面に向けて正電荷のイオンを含む気流を発生させるプラズマアクチュエーターと、を備える
    ことを特徴とするヘッドユニット。
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