JP2018094484A - 散水ノズル用ストレーナおよびその製造方法 - Google Patents

散水ノズル用ストレーナおよびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ちり取り代わりの鍔部にスケールを堆積させ、清掃時に移動排除が容易な散水ノズル用ストレーナを提供する。【解決手段】散水ノズル用ストレーナ(52)が配設されるクーリングタワー(100)は、工程廃水(5)が所定の水位(J)で貯留される上部水槽(10)と、上部水槽(10)の底板(11)に穿設された排水口(12)から下向きに連通して散水可能な散水ノズル(20)と、を備え、排水口(12)は、所定の水位(J)よりも上方に底板(11)からの高さ(H)まで延在した所定の目開きの網状濾材で排水口(12)に対する包囲網(33)を形成して仕切られ、網状濾材は、目開き(G)が3〜10mmの金属網を材料とし、包囲網(33)の下方を形成する周縁部(34)の直径を40〜120mm、高さ(H)を30〜70mmに形成し、周縁部(34)から鍔部(35)を水平に延在させた。【選択図】図4

Description

本発明は、クーリングタワーに配設される散水ノズル用ストレーナおよびその製造方法に関する。
鉱工業で生じる工程廃水には排出温度の上限に規制があり、工程廃水を規制温度以下まで低下させるために、クーリングタワーが広く使用されている。さまざまな方式のクーリングタワーが知られているが、タワーの上部水槽に貯留した工程廃水を下方に向けてシャワー状に散水して外気と接触(以下、「曝気」ともいう)させて熱交換し、気温程度まで低下させる方式が知られている。
クーリングタワーにおける散水ノズルは、上部水槽に設けられた排水口に連通して下向きに取付けられている。上部水槽の排水口から排水された工程廃水は、散水ノズルの上端に形成された入口フランジから流入し、本体管部を通過し、散水ノズルの下端に付設されたリング状の散水板に衝突して放射状に分散する。工程廃水は一様な水相とは限らず、温泉水のように固形成分を含有することが多い。この固形成分は、クーリングタワーに工程廃水を供給する配管の中で凝集して集塊、すなわちスケールに成長する。
そのスケールは、成長過程で付着していた水槽内壁その他から剥離して工程廃水に混入する場合がある。このように、工程廃水に伴われて散水ノズルに流入したスケールの一部は、タワー内部に落下するものの、大部分はノズルの下端に付設された散水板に留置される。この状況で工程廃水の流入が継続すれば、ノズルは、その本体管部にスケールが蓄積することにより閉塞する。
散水ノズルが閉塞した状態を放置すると、工程廃水はタワー内部への散水が停止し、上部水槽から工程廃水が系外に溢れ出るおそれがある。この不具合を避けるため、定期点検、およびそれに伴う掃除等が必要となる。点検項目は、第1に上部水槽の水位チェック、第2に散水ノズルの閉塞有無の確認である。定期点検で異常が確認された場合、上部水槽と、散水ノズルと、それぞれの内部に堆積したスケールを除去する。
特に、工程廃水が温泉水である場合、上部水槽と、散水ノズルと、それぞれの内部にスケールが堆積し易いため、散水ノズルが高頻度で閉塞することになる。それを避けるため、定期点検および掃除に要する作業の負担が増大する。
例えば、後述する比較例1の場合、1回に作業員2人で1時間を要する掃除を毎週4回実施するため、合計の作業時間は作業員1人に換算して毎週8時間となる。後述する比較例2の場合でも、1人が毎週4時間を費やすことが確認できた。このような負担を軽減するため、散水ノズルの閉塞を抑制する技術が求められている。
これに対し、特許文献1には、冷却塔を備えた湿式排ガス脱硫装置において、小さなスケールと吸収剤スラリに限って通過を許容し、大きなスケールの通過を阻止するように、開口部を覆う閉塞防止用プロテクタが開示されている。また、特許文献2には、補給水のリン酸濃度を監視し、必要に応じてpHを調整してスケールの生成を抑制する排ガス処理装置が開示されている。
特開平1-245837号公報 特開2011-147881号公報
しかしながら、特許文献1に記載の閉塞防止用プロテクタは、若干のスケールが堆積した場合であれば散水ノズルの閉塞を防止する効果があるものの、多量のスケールが堆積した場合にはプロテクタがスケールに埋没して、工程廃水の流入が妨げられるので、閉塞防止の実質的効果は少なかった。
また、特許文献2に記載の排ガス処理装置では、監視装置やpH調整剤などの設備や資材が必要となる。したがって、鉱工業で生じる工程廃水を曝気冷却するクーリングタワーのように、スケールが定常的に発生している散水ノズルの閉塞を防止するには、消耗薬剤ほかの費用がかさむので、これを採用することは困難である。
本発明はこのような問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、工程廃水に含まれたスケールが、散水ノズルに連通する排水口の周辺に堆積しても、散水ノズルへの工程廃水の流入を妨げることが無く、散水ノズルの閉塞を防止することに加えて、定期清掃時には、ちり取り形状の鍔部に捕捉されたスケールを除去し易く、メンテナンス作業を省力化できる散水ノズル用ストレーナを提供することにある。
本発明者らは、散水ノズルに連通する排水口に設置する金網(散水ノズル用ストレーナ)の形状について鋭意研究することにより、課題の解決が可能な形状を見出し、本発明を完成した。
本願発明は、固形成分(1)を含有する工程廃水(5)を曝気冷却するクーリングタワー(100)に配設される散水ノズル用ストレーナ(50,51,52)であって、
前記クーリングタワー(100)は、
前記工程廃水(5)が所定の水位(J)で貯留される上部水槽(10)と、
該上部水槽(10)の底板(11)に穿設された排水口(12)から下向きに連通して散水可能な散水ノズル(20)と、
を備え、
前記排水口(12)は、前記所定の水位(J)よりも上方に前記底板(11)からの高さ(H)まで延在した所定の目開き(G)の網状濾材により前記排水口(12)の直径(D)よりも大きく形成された包囲網(31,32,33)で仕切られ、
該網状濾材は、前記目開き(G)が3〜10mmの金属網を材料とし、前記包囲網(31,32,33)の下方を形成する周縁部(34)の直径(M)を40〜120mm、前記高さ(H)を30〜70mmに形成され、
前記周縁部(34)から鍔部(35)を水平に延在させたものである。
また、本発明の一態様において、前記網状濾材は、前記排水口(12)を前記包囲網(33)の前記周縁部(34)から上部(37)にわたって連続的に覆うドーム形であることが好ましい。
また、本発明の一態様においては、前記工程廃水(5)が温泉水であるものとする。
また、本発明は、固形成分(1)を含有する工程廃水(5)を曝気冷却するクーリングタワー(100)に配設される散水ノズル用ストレーナ(52)の製造方法であって、
前記クーリングタワー(100)は、前記工程廃水(5)が所定の水位(J)を確保して上部水槽(10)に貯留され、該上部水槽(10)の底板(11)に穿設された排水口(12)から下向きに連通する散水ノズル(20)から散水し、該散水ノズル(20)の基部上側(21)に連通する前記排水口(12)には網状濾材が覆い被せられ、
該網状濾材は、少なくとも直径(E)を150mmの円形平面(F)を確保できる目開き3〜10mmの金属網を材料とし、
前記円形平面(F)に中央頂部(P)の高さ(H)が30〜70mm、底部を形成する周縁部(34)の直径(M)が40〜120mmのドーム形を形成するように曲げ加工され、
前記周縁部(34)には鍔部(35)を水平に延在させるように成形したものである。
本発明によれば、工程廃水にスケールが多量に含まれ、散水ノズルの排水口周辺に堆積しても、散水ノズルへの工程廃水の流入を妨げることが無く、散水ノズルの閉塞を防止することに加えて、定期清掃時には、ちり取り形状の鍔部に捕捉されたスケールを除去し易く、メンテナンス作業を省力化できる散水ノズル用ストレーナを提供できる。
本発明の一実施形態に係る散水ノズル用ストレーナ(以下、「本ストレーナ」ともいう)が配設された散水ノズルの使用状態を示す正面図であり、図1(A)は円錐形の包囲網、図1(B)は円柱形の包囲網、をそれぞれ示している。 ドーム形の本ストレーナに加工される前の金属網を示す外観図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は目開きを説明するための拡大平面図、をそれぞれ示している。 ドーム形の本ストレーナを示す外観図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は斜視図、図3(C)は平面図、をそれぞれ示している。 ドーム形の本ストレーナが配設された散水ノズルの使用状態を示す正面図である。 本ストレーナを使用しない散水ノズルを説明する図であり、図5(A)は使用状態の正面断面図、図5(B)は単体の斜視図、をそれぞれ示している。 比較例に係る平面金網による散水ノズル用ストレーナ(以下、「平面金網ストレーナ」ともいう)の使用状態を示す正面断面図である。 比較例に係る水没する皿状金網による散水ノズル用ストレーナ(以下、「皿状金網ストレーナ」ともいう)の使用状態を示す正面断面図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また、各図にわたって、同一効果の部材および箇所には、外形に多少の違いがあっても同一符号を付して説明の重複を避けている。
図1は本ストレーナが配設された散水ノズルの使用状態を示す正面図であり、図1(A)は円錐形の包囲網、図1(B)は円柱形の包囲網、をそれぞれ示している。図1の符号100はクーリングタワー全体を意味する。本発明が適用されるクーリングタワー100は、固形成分1を含有する温泉水等の工程廃水5を曝気冷却するための地上高10mにも及ぶ大規模なものである。ただし、そのクーリングタワー100そのものは、周知であるため、その全体外観図および配管等についての詳細な説明は省略する。
クーリングタワー100は、上部水槽10と、散水ノズル20と、により主要構成され、これらを支援する不図示のポンプや配管類を備えて全体が構成されている。上部水槽10は、工程廃水5が所定の水位Jを確保して貯留される。散水ノズル20は、上下方向に通水可能な本体管部29と、その本体管部29の上端開口に形成された入口フランジ28と、下端に付設されたリング状の散水板21,22と、により構成されている。散水板21,22は、本体管部29の下端との間、および相互の間隔によりスリットが形成されている。
散水ノズル20は、上部水槽10の底板11に穿設された排水口12から下向きに連通している。工程廃水5は、上部水槽10の排水口12から散水ノズル20へと流入し、本体管部29を通過し、リング状の散水板21,22に衝突して、下向きのシャワー状に散水される。
図1(A)に示す本ストレーナ50は、円錐形の包囲網31によって主要構成され、排水口12を周囲から仕切っている。本ストレーナ50がない場合、図5に示して後述するように、スケール2は、工程廃水5に伴われて散水ノズル20に流入し、一部はタワー内部に落下するものの、大部分はノズル下端の散水板21,22で留められる。工程廃水5が、継続的に流入することによって、散水ノズル20の本体管部29を閉塞させる。
包囲網31は、所定の目開きGの網状濾材で構成され排水口12の周囲や上方から、大きなスケール2を流れ込ませないように阻止し、概ね水分だけを濾過して通す機能を備えている。なお、包囲網31は、排水口12の真上の高い位置まで、必ずしも完全に覆う必要はなく、所定の水位Jよりも上方に底板11からの高さHまで延在した形状であれば足りる。
網状濾材は、目開きGが3〜10mmの金属網(図2参照)を材料とし、包囲網31の下方を形成する周縁部34の直径Mを40〜120mm、高さHを30〜70mmに形成され、周縁部34から鍔部35を水平に延在させて散水ノズル用ストレーナ50全体を構成している。
図1(B)に示す本ストレーナ51は、円柱形の包囲網32によって主要構成され、排水口12を周囲から仕切っている。図1(B)の散水ノズル用ストレーナ51が円柱形の包囲網32である点以外については、図1(A)に示した円錐形の包囲網31を有する散水ノズル用ストレーナ50の構成および機能と同等である。
本ストレーナ50,51の形状は、上述した条件を満たしていれば、多少変形しても構わない。すなわち、高さHが上部水槽10の定常的な水位J=30mmより高い包囲網31,32の場合、上面が解放されていても、フタ状の金網で閉じられていても構わない。
ただし、工程廃水5の水流が強い場合、小さいスケール2が流れに乗って本ストレーナ50,51の上面を乗り越えて、クーリングタワー100へ内部に落下する可能性もある。それを防止するためには、フタ状の金網で閉じている形状とすることが好ましい。その点を改良したドーム形の本ストレーナ52について、図2〜図4を用いて以下に説明する。
図2は、ドーム形の本ストレーナに加工される前の金属網を示す外観図であり、図2(A)は平面図、図2(B)は目開きを説明するための拡大平面図、をそれぞれ示している。図2(A)に示すように、金属網は、目開き3〜10mmの金属網を材料とし、円形平面Fとして、少なくとも直径E=150mmを確保できる大きさであれば足りる。なお、図2〜図4には、円形平面Fとして、直径E=180mmを確保できる大きさの正方形(1辺が180mm)の材料を例示している。
なお、円形平面Fが含まれていれば、外縁の形状は方形でも矩形でも構わない。図2(A)に例示した金属網は、正方形の外縁で、その1辺が180mm、1辺の目の数が18個である。また、図2(B)に拡大して明示するように、金属網の線径K=1mm、目開きG=9mmである。
図3はドーム形の本ストレーナ示す外観図であり、図3(A)は正面図、図3(B)は斜視図、図3(C)は平面図、をそれぞれ示している。図3に示すように、ドーム形の本ストレーナ52は、図2(A)に示した外縁の1辺が180mmで正方形の金属網に対し、円形平面Fに中央頂部Pの高さHが30〜70mm、底部を形成する周縁部34の直径Mが40〜120mmのドーム形を形成するように曲げ加工されたものである。
また、図3に例示したドーム形の本ストレーナ52は、中央頂部Pの高さHを50mm、底部を形成する周縁部34の直径Mを82mmにして好結果が得られた。なお、図3は金属網を曲げ加工してドーム形を形成することを簡略に説明するための略図に過ぎない。したがって、本ストレーナ52の実態は、図3のように幾何学的に整然とした外観ではない。特に、周縁部34の折れ曲がり方は、図示した形状よりも実態は鈍角でなだらかある。その点については、図4も同じである。
図4は、ドーム形の本ストレーナが配設された散水ノズルの使用状態を示す正面図である。図4に示すように、本ストレーナ52を構成する網状濾材が、包囲網33の上部37にわたって連続的に覆う構成であるため、本ストレーナ52を排水口12の上方から被せれば、全周囲および上方からスケール2が排水口12へと流れ込むことを阻止できる。
また、本ストレーナ52は、ドーム形の底部に該当する周縁部34の周辺から水平に鍔部35が延在しており、使用に伴って、この鍔部35の上にスケール2が蓄積される。鍔部35が、排水口12の周辺に堆積したスケール2を下方、すなわちクーリングタワー100の内部に落下させ難くする。また、定期清掃時には、「ちり取り」代わりの鍔部35にスケールが堆積しているので、容易に移動して排除できるので掃除の手間が省ける。
このように、本ストレーナ52は、網状濾材の材質が、スケール2を通過させず、工程廃水5は通過させるので、クーリングタワー100の内部にスケール2を流入または落下させることがない。また、散水ノズル20の上端を形成する入口フランジ28の周辺にスケール2が堆積しても、散水ノズル20へ工程廃水5が流入することを妨げず、散水ノズル20の閉塞を防止することが可能である。また、工程廃水5は、スケール2がある程度堆積した場合であっても、全く邪魔されずに流入できる。その結果、稼働中の上部水槽10は所定の水位Jを維持し易くなり、良好に操業を継続することが可能となる。
図1(A)、図1(B)にそれぞれ示した本ストレーナ50,51も本ストレーナ52と同様の作用効果がある。本ストレーナ50,51,52は、固形成分1を含有する温泉水等の工程廃水5を曝気冷却するクーリングタワー100に用いられる。そのクーリングタワー100では、上部水槽10において、工程廃水5が所定の水位Jを確保して貯留される。その上部水槽10の底板11に穿設された排水口12から、下向きに散水ノズル20が連通するように延設されている。
散水ノズル20の下方から工程廃水5が散水される。その散水ノズル20の上端を形成する入口フランジ28が嵌着された排水口12に網状濾材でなる散水ノズル用ストレーナ50,51,52が覆い被せられる。本ストレーナ50,51,52は、工程廃水5の固形成分1が集塊に凝集したスケール2によって生じる散水ノズル20の目詰まりを防止する。
なお、温泉水中の固形成分1はスケール2を形成し易い。このスケール2は、クーリングタワー100に移送する配管中に付着し易い。このように付着したスケール2は、水流や振動で容易に剥離する。このことを考慮すれば、本ストレーナ50,51,52は、工程廃水5が温泉水である場合は特に好適であり顕著な効果を発揮する。
本ストレーナ50,51,52は、「稼働中の水位Jより高い位置まで包囲網31,32,33でカバーする」という発想に適した金網(散水ノズル用ストレーナ)を、市販品からは容易に発見することができなかった。そのため、作業者自らが材料を加工することにより、発明を完成させたという経緯がある。以下に、一例として、ドーム型の本ストレーナ52の製造方法について説明する。
本ストレーナ52の製造方法(以下、「本方法」ともいう)は、特定の金型プレスによる大量生産にも対応できるが、それに限定されず、むしろペンチワーク等による手作業に適する。すなわち、本方法は、ニッパやラジオペンチ等の一般的な工具を使用して、市販の金属網の中央部をドーム状に加工して形成することによって、本ストレーナ52を容易かつ安価に調達できる。
本ストレーナ52は、市販の金属網を材料とする網状濾材により構成されている。この網状濾材は、目開き3〜10mmの金属網を、直径Eを180mm(150mm以上)の円形平面Fを確保できる程度の面積に切り分けて1個分にする。1個分に相当する大きさの金属網が入手可能ならば、それを利用すると良い。
材料取りの効率や加工の容易さを考慮すれば、図2(A)に一例として示したように、線径K=1mm、目開きG=9mmの金属網を、1辺が180mm、その1辺の目の数を18個とする正方形に切り分ければ、作りやすさの点でも良好な結果が得られる。なお、上述のように直径E=180mmの円形平面Fが含まれていれば、外縁の形状は方形でも矩形でも構わない。
このように準備された180mm四方の水平な金属網を、後の曲げ加工に伴って変形する部分の自由度を増すようにニッパで予備加工する。例えば、図3に示すように、金属網を扁平状態からドーム状に起伏させる際に、長さの不足を補うために周囲から引き寄せられる針金については、辺縁等に絡んでいる箇所があれば、そこを切断して自由にする。その所要時間は約5分である。
特に、図3に一例として示す本ストレーナ52は、金属網の中央部をドーム状に加工して形成される。このとき、ドーム形の底部を形成する周縁部34の直径Mを82mmとし、中央頂部Pの高さHを50mm、とするように曲げ加工する。さらに、ドーム形の周縁部34には、鍔部35を水平に延在させることによって、本ストレーナ52の全体が形成される。
ここで、不図示の雄型を用いて金属網をドーム形に曲げ加工しても良い。例えば、直径73mmの野球用硬球、直径85mmの小学生・低学年向けソフトボール(1号球)、その他の既成球体、あるいは専用にドーム形状の木型を用意しても良い。これらの雄型に、上述の予備加工を施した1個分に相当する大きさの金属網を押し当てながら、ラジオペンチで針金を折り曲げるように加工する(約17分)。
また、周縁部34については、折り曲げた針金にラジオペンチの先を沿わせながら、その上を木槌でたたいて形状を整えると良い。そのとき、裾野部分も木槌でたたいて概ね平坦に鍔部35を成形する(約3分)。このように、簡易な制作工程により、本ストレーナ52を製造することが可能である。なお、鍔部35は、そこに堆積したスケール2の除去作業する際に、ちり取りのように機能させることを念頭において成形すると良い。
なお、本ストレーナ52は、図2および図3に示した各部の寸法に限定するものではなく、稼働中の上部水槽10に貯留される工程廃水5の設定水位(水位J値)、上部水槽10の底板11に開口する排水口12および、その排水口12に連通する散水ノズル20の内径により最適値が決定される。ドーム形の本ストレーナ52に限らず、円錐形の本ストレーナ50や円筒形の本ストレーナ51についても同様に最適値が決定される。
また、工程廃水5の水質、すなわち固形成分1の組成、含有率のほか、堆積したスケール2の除去作業の頻度等によって、本ストレーナ50,51,52の形状を総合的に決定される。例えば、稼働中の水位J=30mmの場合、本ストレーナ52は、周縁部34の直径M=40〜120mm、中央頂部Pの高さH=30〜70mm、とする範囲から設定することが好ましい。
<実施例と比較例との対比>
以下に示す共通の条件の下に、実施例と比較例とを対比して、本発明の効果をより明確にする。
大半が工程廃水5となる温泉水に含まれる固形成分1の含有比率は、0.0001g/リットルである。その根拠は、以下のとおりである。
温泉水は、1週間で約60,000m3が排水される。その排水量に対し、週1回の頻度で実施される掃除の際、スケール土嚢1袋(約6kg)分のスケール2が捕捉される。このスケール2は固形成分1が凝集した集塊である。よって、含有スケール量/温泉水の排水総量=6,000g/60,000,000リットル≒0.0001g/リットルである。
温泉水の総排水量は、約60,000m3/1週間=約6.0m3/分である。この排水総量約6.0m3/分の温泉水を含む7.3m3/分の工程廃水5が、No.3クーリングタワー100によって曝気冷却される。No.3クーリングタワー100に配設された散水ノズル20の総数は120個であり、7.3m3/分の工程廃水5は、これら120個の散水ノズル20に分散して散水される。No.3クーリングタワー100における散水総量は7.3m3/分=7,300リットル/分なので、1個の散水ノズル20の散水量は、7,300リットル/120個=60.8リットル/分である。
本ストレーナ52を使用し、クーリングタワー100の操業をしたところ、上部水槽10における水位Jの上昇は観察されなかった。その結果、本ストレーナ52の周辺に堆積したスケール2の除去作業は、点検まで含めても、1人が毎週1回40分を費やす程度で足りる。1回につき1人で40分の作業を、週1回の頻度(1人×40分×1回=40分)で行えば充分であることが確認できた。本ストレーナ52による省力化の効果により、それを使用しない場合(後述する比較例2)に比べて約6分の1に低減される。比較例2では、1回につき1人で60分の作業を週4回(1人×60分×4回=240分)の高頻度で継続することが必要だった。
比較例1
図5は、本ストレーナを使用しない散水ノズルを説明する図であり、図5(A)は使用状態の正面断面図、図5(B)は単体の斜視図、をそれぞれ示している。図5(A)に示すように、比較例1では、本ストレーナ50,51,52と、公知の散水ノズル用ストレーナと、の何れの形態のストレーナも使用せずにクーリングタワー100を監視しながら連続操業した。
その結果、スケール2が排水口12に堆積していない段階から、操業して24時間経過した時点で、スケール2が散水ノズル20の本体管部29に流入して閉塞させ、ノズル20へ流入する工程廃水5の水量を著しく減少させた。
これに対し、不図示のポンプにより、工程廃水5が上部水槽10へ供給される供給量は不変なので上部水槽10の貯水量は徐々に増加し、水位Jは上昇を開始し最高150mmまで上昇した。一方、上部水槽10は、水位Jの許容範囲、すなわちオーバーフロー深さが200mmのため、それを工程廃水5が超えると溢れて各部に支障をきたすので、その前に操業中止した。
その閉塞を回避するため、スケール2を除去する作業が必要である。その程度は、1回につき2人で60分の作業を週4回(2人×60分×4回=480分)の高頻度で継続することが必要だった。その労力は、1人に換算して毎週8時間を費やすことが確認できた。
比較例2
図6は、比較例に係る平面金網ストレーナの使用状態を示す正面断面図である。図6に示すように、平面金網ストレーナ60は、上部水槽10の底板11からの高さH=0である。この平面金網ストレーナ60を本ストレーナ50,51,52の代わりに、排水口12に被せるように平置きして、クーリングタワー100を操業した。
その結果、スケール2が平面金網ストレーナ60に覆い被さっただけでなく、その周辺にも堆積して排水口12を塞ぎ、ノズル20へ流入する工程廃水5の水量を減少させた。一方、不図示のポンプにより、工程廃水5が上部水槽10へ供給される供給量は不変なので上部水槽10の貯水量は増加し、水位Jが徐々に上昇する。
操業当初にスケール2が平面金網ストレーナ60に蓄積していない段階から連続操業して2日間経過した時点で、上部水槽10の水位Jが許容範囲(200mm)を超えてしまい、操業中止を余儀なくされた。これを回避するには、週4回の頻度で、1回の作業に1人で60分を要する掃除の作業が必要となる。つまり、1人が毎週4時間を費やすことが確認できた。
比較例3
図7は、比較例に係る水没する皿状金網ストレーナの使用状態を示す正面断面図である。図7に示すように、皿状金網ストレーナ61は、上部水槽10の底板11からの高さHが30mm未満(H<J)である。この皿状金網ストレーナ61を本ストレーナ50,51,52の代わりに排水口12に被せるように置いて、クーリングタワー100を操業した。
その結果、操業当初にスケール2が皿状金網ストレーナ61に蓄積していない段階から連続操業して3日間経過した時点で、上部水槽10の水位Jが許容範囲を超えてしまい、操業中止を余儀なくされた。これを回避するには、比較例2と同様に、週4回の頻度で、1回の作業に1人で60分を要する掃除の作業が必要となる。つまり、1人が毎週4時間を費やすことが確認できた。
比較例1〜3で確認できたように、本ストレーナ50,51,52を適用せず、図6に示す平板金網ストレーナ60や、図7に示すような立体的であっても高さが不充分で、上部水槽10に貯留された工程廃水5に水没するようなストレーナ61を使用した場合は、排水口12の周辺に堆積した多量のスケール2によって工程廃水5の流入が妨げられる。その結果、比較例1〜3の場合、散水ノズル20の閉塞を防止することができても、操業を良好に継続することはできない。
本発明は、上部水槽に貯留した温泉水を主とするような工程廃水を、水槽底部の排水口から散水ノズルを介して下部に散水して冷却するタイプのクーリングタワーにおいて、散水ノズルの閉塞を防止するための散水ノズル用ストレーナとして採用される可能性がある。採用された場合、掃除の手間を省力化できて、操業を良好に継続し易くなるのでその工業的価値は大きい。
なお、上述のように本発明の各実施形態および各実施例について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、散水ノズル用ストレーナの構成、およびその製造方法も、本発明の各実施形態及び各実施例で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
1 固形成分、2 スケール、5 工程廃水、10 上部水槽、11 (上部水槽10の)底板、12 排水口、20 散水ノズル、21,22 散水板、28 入口フランジ、29 本体管部、31,32,33 包囲網、34 (包囲網31,32,33の下方を形成する)周縁部、35 鍔部、37 (包囲網31,32,33の)の上部、50,51,52,60,61 散水ノズル用ストレーナ(本ストレーナ)、100 クーリングタワー、D (排水口12)の直径、E (円形平面Fの)直径、F 円形平面、G 目開き、H (包囲網31,32,33の)高さ、J (工程廃水5の)水位、M (周縁部34)の直径、P 中央頂部

Claims (4)

  1. 固形成分を含有する工程廃水を曝気冷却するクーリングタワーに配設される散水ノズル用ストレーナであって、
    前記クーリングタワーは、
    前記工程廃水が所定の水位で貯留される上部水槽と、
    該上部水槽の底板に穿設された排水口から下向きに連通して散水可能な散水ノズルと、
    を備え、
    前記排水口は、前記所定の水位よりも上方に前記底板からの高さまで延在した所定の目開きの網状濾材により前記排水口の直径よりも大きく形成された包囲網で仕切られ、
    該網状濾材は、前記目開きが3〜10mmの金属網を材料とし、前記包囲網の下方を形成する周縁部の直径を40〜120mm、前記高さを30〜70mmに形成され、
    前記周縁部から鍔部を水平に延在させた散水ノズル用ストレーナ。
  2. 前記網状濾材は、前記排水口を前記包囲網の前記周縁部から上部にわたって連続的に覆うドーム形である請求項1に記載の散水ノズル用ストレーナ。
  3. 前記工程廃水が温泉水である、請求項1又は2に記載の散水ノズル用ストレーナ。
  4. 固形成分を含有する工程廃水を曝気冷却するクーリングタワーに配設される散水ノズル用ストレーナの製造方法であって、
    前記クーリングタワーは、前記工程廃水が所定の水位を確保して上部水槽に貯留され、該上部水槽の底板に穿設された排水口から下向きに連通する散水ノズルから散水し、該散水ノズルの基部上側に連通する前記排水口には網状濾材が覆い被せられ、
    該網状濾材は、少なくとも直径を150mmの円形平面を確保できる目開き3〜10mmの金属網を材料とし、
    前記円形平面に中央頂部の高さが30〜70mm、底部を形成する周縁部の直径が40〜120mmのドーム形を形成するように曲げ加工され、
    前記周縁部には鍔部を水平に延在させるように成形した散水ノズル用ストレーナの製造方法。
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