JP2018093727A - モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器 - Google Patents

モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器 Download PDF

Info

Publication number
JP2018093727A
JP2018093727A JP2018038296A JP2018038296A JP2018093727A JP 2018093727 A JP2018093727 A JP 2018093727A JP 2018038296 A JP2018038296 A JP 2018038296A JP 2018038296 A JP2018038296 A JP 2018038296A JP 2018093727 A JP2018093727 A JP 2018093727A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
capacitor
motor
voltage
reactor
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2018038296A
Other languages
English (en)
Inventor
義典 竹岡
Yoshinori Takeoka
義典 竹岡
田中 秀尚
Hidenao Tanaka
秀尚 田中
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2018038296A priority Critical patent/JP2018093727A/ja
Publication of JP2018093727A publication Critical patent/JP2018093727A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Abstract

【課題】小型化のために平滑用コンデンサを小容量化した際、駆動速度によってはコンデンサの両端電圧の上昇が発生していた。【解決手段】モータ106の転流周波数をコンデンサ103とリアクタ104の共振周波数と一致しないよう速度を決定することで、インバータ105へ供給される電流が最も小さくなりリアクタ104からコンデンサ103に流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致しないため電圧上昇が抑制できる。【選択図】図1

Description

本発明は、ブラシレスDCモータを駆動するモータ駆動装置およびこれを用いた電気機器に関するものである。
従来、この種のブラシレス・センサレスDCモータは、一般的には高調波抑制のためのリアクタと十分大きな平滑用コンデンサを有した整流回路と、インバータと、位置検出センサをなくし誘起電圧またはモータ電流から位置検出をすることより駆動されていた。位置検出センサをなくす理由は、安価になることや圧縮機などの高温雰囲気・冷媒雰囲気・オイル雰囲気などで位置センサを取り付けることが著しく困難であったためである。
また、近年この駆動装置を小型化するために、整流回路の平滑用コンデンサを大幅に小容量化する取組みもなされている(例えば特許文献1参照)。
図4は、上記特許文献1に記載された従来のモータ駆動装置を示すものである。図4に示すように、単相交流電源1、単層交流電源1を整流するダイオード全波整流回路2、整流回路の出力を平滑する従来の1/100程度の容量の平滑用の小容量のコンデンサ3、コンデンサ3の両端に接続され6個のスイッチング素子(逆向きのダイオードを含む)を3相ブリッジ接続しているPWM(パルス幅変調)インバータ4、インバータ4の出力と接続され3相巻線が施されたブラシレスDCモータ5、ブラシレスDCモータ5の位置を検出する位置検出センサ6、単相交流電源1の電圧v、直流部電流idc、インバータ4の出力電流ia、ib、ic、位置検出センサ6からの位置情報θなどの情報を入力として、最適な駆動ができるようにPWMインバータ4のゲートを駆動している制御回路7から構成されている。
特開2002−51589号公報
しかしながら、上記従来の構成では、インバータの駆動方法が矩形波の場合、転流ごとに平滑用コンデンサからインバータへ供給される電流がほぼ0となるため、平滑用のコンデンサとリアクタや回路パターンなどのインダクタンス成分の共振周波数と転流周期が一致した場合、インバータへ供給される電流が最も小さくなり、リアクタからコンデンサに流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致するため、小容量コンデンサでは両端電圧が上昇してしまい、耐圧破壊を防ぐため耐圧の高い高コストな部品の使用が必要という課題を有していた。
本発明は、上記従来の課題を解決するもので、平滑用のコンデンサの容量を極めて小さくした場合であっても、転流を起因としたコンデンサの両端電圧の上昇抑制を可能としたモータ駆動装置の提供を目的とする。
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続されたコンデンサと、前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有し、前記モータが前記負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう前記コンデンサの値を決定し、前記モータの相数と極数と駆動速度(回転数/秒)の積が前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数と一致しないよう前記モータの駆動速度(回転数/秒)を決定するとしたものである。
これによって、前記インバータへ供給される電流が最も小さくなり前記リアクタから前記コンデンサに流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致しないため、電圧上昇を抑制することができる。
本発明のモータ駆動装置は、平滑用コンデンサの容量を極めて小さくしても、インバータのスイッチングに起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。
本発明の実施の形態1におけるモータの駆動装置の電気回路構成を示すブロック図 同実施の形態における直流母線間の電圧波形を示すタイミング図 同実施の形態におけるコンデンサ103からインバータ105に流れる電流波形を示すタイミング図 従来のモータ駆動装置の電気回路構成を示すブロック図
第1の発明は、交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続されたコンデンサと、前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有し、前記モータが前記負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう前記コンデンサの値を決定し、前記モータの相数と極数と駆動速度(回転数/秒)の積が前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数と一致しないよう前記モータの駆動速度(回転数/秒)を決定することにより、前記インバータへ供給される電流が最も小さくなり前記リアクタから前記コンデンサに流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致しないため、コンデンサが小容量であってもモータ駆動の転流に起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。
第2の発明は、特に第1の発明の前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数が前記交流電源の周波数の40倍よりも高くなるよう前記リアクタと前記コンデンサの値を決定したことにより、LC共振により発生する電流の歪が高調波規制の対象外となり、特別な高調波対策が必要ない安価なモータ駆動装置が提供できる。
第3の発明は、特に第1または第2の発明の前記コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記電圧検出手段によって検出された電圧値があらかじめ定めた閾値を超えた場合に、速度を変更するとしたことにより、電源事情によって異なる電源インピーダンスを含めたインダクタンス成分と前記コンデンサのLC共振周波数の周期と転流周期が一致することなく運転ができるため、電源インピーダンスが大きな電源事情の悪い地域であっても電圧上昇を抑制することができる。
第4の発明は、特に第1から第3の発明のモータ駆動装置を用いた電気機器である。これにより、電気機器として冷蔵庫に用いた場合は、前記モータ駆動装置が小型化できるため一定速駆動を行っている冷蔵庫の少ないスペースに収めることができ、速度変更が可能なより効率の良い冷蔵庫を安価に提供することができる。また、電気機器として送風機に用いた場合は、送風機はイナーシャが非常に大きいため、持ち運びが容易な小型送風機を実現することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によってこの発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1におけるモータ駆動装置のブロック図である。
図1において、交流電源101は、日本の場合、電圧が100[V]、周波数が50[Hz]または60[Hz]の一般的な商用の交流電源である。整流回路102は、周知の如く4個のダイオードがブリッジ接続されたものである。
コンデンサ103は整流回路102の出力側に接続される。コンデンサ103には小型化のため、小容量のコンデンサを用いており、出力電圧が交流電源周波数の略2倍周波で大きく脈動する。本実施の形態ではコンデンサの容量を3[μF]とする。
また、コンデンサ103には、整流回路102との間にコンデンサへの突入充放電電流のピーク値を下げるためのリアクタ104を接続している。コンデンサ103とリアクタ104の共振周波数fLC(LC共振周波数)が交流電源周波数の40倍以上になるように設定し、共振による電流の周波数を電源高調波規制の範囲外とすることで、高調波電流を低減することができる。本実施の形態ではリアクタのインダクタンスを0.5[mH]とする。また、コンデンサ103の容量は電圧の最大値が最小値の2倍以上となる値を設定することで交流電源101の周波数に近い電流波形となり、高調波電流が改善される。
本実施の形態のコンデンサ103の容量を3[μF]としており、負荷が大きな運転条件では直流母線間電圧の最小値はほぼ0[V]まで低下するため、最大値は最小値の2倍以上となっており、高調波電流が改善される。
なお、本実施の形態ではリアクタ104は整流回路102とコンデンサ103の間に接続しているが、交流電源101とコンデンサ103を構成するフィルムコンデンサの間に挿入すればよく、整流回路102の前後どちらでも構わない。
インバータ105はコンデンサ103からの出力電圧をモータ106の駆動のために所望の電圧値・周波数に変換する複数の半導体スイッチング素子により構成されるPWM型のインバータである。
モータ106はインダクションモータやブラシレスDCモータなど、インバータ駆動を行うモータであればどんなモータでも構わない。本実施の形態では、ブラシレスDCモータを用いる。ブラシレスDCモータはインダクションモータに比べ、高効率・小型で速度可変範囲も広いため、コンデンサ103の小型化とともに、モータ駆動装置全体の小型化を実現するには非常に有用である。モータ106は、永久磁石を有する回転子と、3相巻線を有する固定子とから構成される。モータ106は、インバータ105により作られた3相交流電流がモータ106の固定子の3相巻線に流れることにより、モータ106の回転子を回転させる。モータ106の固定子には、3相スター結線された巻線が施されている。この巻き方は集中巻であっても、分布巻であっても構わない。また、モータ106の回転子には、永久磁石を配置している。その配置方法は、表面磁石型(SPM)でも磁石埋め込み型(IPM)であっても構わず、また永久磁石はフェライトでも希土類でも構わない。IPMの場合はリラクタンストルクを利用することができ、直流母線間電圧が脈動し、電圧が低下した電圧値でも進角をつけることで、出力トルクの低下を軽減することができる。
モータ106の回転子の軸に接続された圧縮要素107は、冷媒ガスを吸入し、圧縮して、吐出する。このモータ106と圧縮要素107とを同一の密閉容器に収納し、圧縮機108を構成する。つまり、本実施の形態のモータ駆動装置の負荷は圧縮機108の圧縮機構となる。圧縮機108の圧縮方式(機構形態)はロータリーやスクロールなど何であっても構わないが、今回はレシプロ型とする。レシプロ型はとくにイナーシャが大きく電圧低下時であっても回転数が低下しにくく、小容量のコンデンサでより滑らかに運転することができる。
また、冷媒ガスはR134a等何であっても構わないが、本実施の形態1においては、R600aを採用している。R600aはR134aとくらべ冷凍能力が低く、圧縮要素107の気筒容積を大きくして冷凍能力の低下を補う。その結果、圧縮機108は、イナーシャが大きくなっている。これにより、電圧低下時であっても、イナーシャによってモータ106が回転するため、速度が低下しにくく、平滑部(コンデンサ)103のコンデンサ容量が小容量であっても、安定した運転が可能となる。
圧縮機108で圧縮された吐出ガスは、凝縮器109、減圧器110、蒸発器111を通って圧縮機108の吸い込みに戻るような冷凍空調システムを構成する。この時、凝縮器109では放熱を、蒸発器111では吸熱を行うので、冷却や加熱を行うことができる。必要に応じて凝縮器109や蒸発器111に送風機等を使い、熱交換をさらに促進することもできる。
位置検出手段112はモータ106の回転子の磁極位置を検出する。位置を検出する手段としては、圧縮機108の中にモータ106が入っているため、センサを用いることは困難であるが、モータ106の端子電圧に現れる誘起電圧から検出する方法や、モータ106に流れる電流などから計算する方法などがある。本実施の形態では位置検出手段として、誘起電圧から位置を検出するものとする。
電圧検出手段113はコンデンサ103の電圧を検出する。
制御手段114は、一定周期で出力するパルスのONとOFFの時間の割合を変更するPWM制御によってインバータ105のスイッチング素子を動作させ、位置検出手段112の位置情報をもとに大きく脈動する平滑電圧に対応したモータ駆動指令を与える。
PWMのキャリア周波数はLC共振周波数fLCよりも高い周波数として設定する。本実施の形態においてはキャリア周波数をLC共振周波数fLCの1.5倍以上高い8[kHz]とする。また駆動波形は120度通電矩形波とし、前半の60度をスイッチングし、後半の60度を100%通電とする。これにより、120度通電での転流時のモータ106からコンデンサ103への回生が減少し、コンデンサ103の回生による電圧上昇が抑制できる。
また、電圧検出手段113の検出結果があらかじめ定めた閾値を超えていた場合、速度を変更する。変更する速度は元の速度よりも十分高い速度で駆動可能な場合は高い速度を、そうでない場合は低い速度を出力する。
また、高周波除去するコモンモードフィルタを構成している場合は、コモンモードフィルタのインダクタンス成分とリアクタの合成成分を考慮する。
以上のように構成されたモータの駆動装置について、以下にその動作、作用を説明する。
まず、コンデンサ103の両端の電圧波形について、図2および図1を用いて説明する。図2は本実施の形態1における直流母線間の電圧波形を示すタイミング図である。
図2において、縦軸には電圧を示し、横軸は時間を示す。
波形Aは、非常に負荷電流が小さい(ほとんど電流は流れていない)時の状態で、コンデンサ103の充電電荷がほとんど使われず、電圧の低下はほとんどない。ただし、ここでいう負荷電流は整流回路102の出力電流、すなわちインバータ105への入力電流であるものとする。整流後の電圧の最大値が141[V]、最小値も141[V]と電圧差はほぼ0である。
次に、負荷電流を大きくしていくとコンデンサ103の充電電荷が使われ、波形Bに示すように瞬時に最低電圧が低下してくる。
さらに負荷電流を大きくしていくと、コンデンサ103にはほとんど充電電荷が蓄えられず、波形Cに示すように瞬時最低電圧がほとんど0[V]まで低下してくる。
このようにコンデンサ103が小容量の場合、負荷電流を取り出すとほとんど平滑されずに入力の交流電源101を全波整流した波形に近づき、交流電源電流の高調波成分を抑制できるとともに、力率が改善されるため交流電源101が出力する電流実行値と電流ピークが低下するため、効率向上や部品温度上昇の低減などが可能となる。その結果、部品定格が低くより安価な部品の採用が可能となる。
さらに、交流電源電流の高調波成分を抑制してIEC規格を遵守するために、小容量コンデンサと小容量リアクタとの共振周波数であるLC共振周波数fLCを交流電源周波数fsの40倍よりも大きくなるように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定する。
ここで、小容量コンデンサの容量をC[F]、小容量リアクタのインダクタンス値をL[H]とすると、LC共振周波数fLCは数1のように表される。
Figure 2018093727
即ち、fLC>40×fsを満たすように小容量コンデンサと小容量リアクタの組み合わせを決定するものである。(IEC規格では交流電源電流の高調波成分において第40次高調波まで規定されているため)。
以上により、小容量コンデンサおよび小容量リアクタの組み合わせを決定することで、交流電源電流の高調波成分を抑制して、IEC規格を遵守することが可能となる。
本実施の形態では、コンデンサ103の容量が3[μF]、リアクタのインダクタンス値が0.5[mH]となっているので、LC共振周波数fLCが約4109[Hz]となり、交流電源101の電源周波数が60[Hz]であったとしても40倍は2400[Hz]となり十分高い共振周波数となっている。
次に、速度の決定に関して図3を用いて説明する。図3は本実施の形態におけるコンデンサ103からインバータ105に流れる電流波形を示すタイミング図である。1転流周期で見た場合、リアクタ104からコンデンサ103に流れ込む電流のピークと転流が一致した時に、リアクタ104からコンデンサ103に流れる電流量が最大となるため直流母線間電圧の上昇が最大となる。これは図3に示すように、コンデンサ103からインバータ105に供給する電流は転流後に一旦、0付近まで電流が低下し、それから徐々に電流が増加していく。このため、転流直後が最も電流が小さくなる区間であるため、リアクタ104に蓄えられたエネルギーが最も多くコンデンサ103に流れ込むこととなり、電圧が上昇する。このように、転流の周波数とLC共振周波数fLCが一致することでコンデンサ103の電圧が大きく上昇することとなる。
つまり、転流周期をLC共振周波数fLCと一致させないことで電圧上昇が最大となる条件を回避することができる。
モータ106は相数と極数の積が1回転あたりの転流数となるため、本実施の形態のモータ106の3相モータでは、極数が4極ならば1回転あたり12回の転流となり、6極ならば1回転あたり18回の転流となる。さらにこの1回転あたりの転流数と速度の積が転流周波数となる。速度が50r/sならば3相6極モータでは900Hzの転流周波数となる。以下、極数を6極として説明する。
LC共振周波数fLCは約4109[Hz]であるため、6極モータであっても、150Hz程度までは転流による電圧上昇の観点からは速度指令を許可する。その他、冷凍サイクルの共振や圧縮機の制限などシステムから複数の要素から最終の指令速度を決定する。
また、同じ共振周波数を持つLCの組合せであっても、コンデンサの容量が小さく、インダクタンス値が大きい程、電圧の上昇が大きくなるため、直流母線間電圧の最大が最小の2倍以上となるような小容量のコンデンサを直流母線間に配した回路構成では特に問題となる。
また、電源事情の悪い国では電源インピーダンスに大きなインダクタンス成分を持つ場合がある。その場合、たとえば電源インピーダンスのインダクタンス成分が9.9mHとした場合、コンデンサ103とリアクタに電源インピーダンスのインダクタンス成分を加算した値とのLC共振周波数fLCZは約901Hzとなり、速度が50r/sでは周波数がほぼ一致してしまうため、転流ごとに電圧が上昇していくこととなる。
これを防止するため、電圧検出手段113でコンデンサ103の電圧検出し、検出した電圧あらかじめ定めた閾値を超えていた場合、制御手段114が駆動速度を変更する。
圧縮機108が例えば80r/sまで速度を出力してもよい場合、50r/sより十分に出力してよい速度が高いため、50r/sから1.5倍の75r/sまで速度を上昇させる。転流周波数は1350Hzとなり共振周波数から大きく外れるため、電圧上昇を低く抑えることができる。
電源インピーダンスの影響で転流周波数とLC共振周波数fLCZが一致し、電源電圧が閾値を超えた場合、転流周波数をLC共振周波数fLCZの1.5倍もしくは1.5分の1にした場合、転流による電圧変動の振幅が約3割に低下することとなる。目安として閾値超過時の転流周波数の1.5倍以上もしくは1.5分の1以下の転流周波数となるよう新しい駆動速度を決定することで電圧上昇を大きく改善することができる。
以上のように、本実施の形態において、交流電源101と、交流電源101から出力された交流を直流に整流する整流回路102と、整流回路102の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタ104と、整流回路102の出力側に接続されたコンデンサ103と、コンデンサ103より得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータ105と、インバータ105から得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータ106を有し、モータ106が負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるようコンデンサ103の値を決定し、モータ106の相数と極数と駆動速度の積がリアクタ104とコンデンサ103の共振周波数と一致しないようモータ106の駆動速度を決定するとしたことにより、インバータ105へ供給される電流が最も小さくなりリアクタ104からコンデンサ103に流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致しないため電圧上昇が抑制され、安価な耐圧の低い部品などの使用が可能となる。
また、本実施の形態で、リアクタ104とコンデンサ103の共振周波数が交流電源101の周波数の40倍よりも高くなるようリアクタ104とコンデンサ103の値を決定したことにより、IEC高調波規格範囲内の次数の電源高調波電流が抑制されるため、IEC規格を遵守することが可能となる。さらに、高調波対策として、特別な部品を使用しないため、安価なモータ駆動装置が提供できる。
また、本実施の形態で、コンデンサ103の両端の電圧を検出する電圧検出手段113を備え、電圧検出手段113によって検出された電圧値があらかじめ定めた閾値を超えた場合に、速度を変更するとしたことにより、電源インピーダンスのインダクタンス成分の影響が有っても転流周波数と電源インピーダンスとリアクタの合成のインダクタンスとコンデンサ103の共振周波数の一致による電圧上昇を抑えることとなり、電源事情の悪い地域でも安価なモータ駆動装置を提供することができる。
また、本実施の形態のモータ駆動装置を用いた電気機器であることにより、電気機器として冷蔵庫に用いた場合は、前記モータ駆動装置が小型化できるため一定速駆動を行っている冷蔵庫の少ないスペースに収めることができ、速度変更が可能なより効率の良い冷蔵庫を安価に提供することができる。
以上のように、本発明にかかるモータの駆動装置は、平滑コンデンサを大幅に小容量化した大きなリプル電圧がある場合でも、位置検出センサを用いることなく、効率を維持しつつ安定した電流供給が可能となり、しかもモータの転流周波数と、リアクタとコンデンサのLC共振周波数との一致による電圧上昇を抑え信頼性が向上しているため、請求項記載のもののみならず、小型のモータ駆動装置を必要とするAV機器(特に小型機器)等にも広く用いることができる。
101 交流電源
102 整流回路
103 コンデンサ
104 リアクタ
105 インバータ
106 モータ
107 圧縮要素
108 圧縮機
109 凝縮器
110 減圧器
111 蒸発器
112 位置検出手段
113 電圧検出手段
114 制御手段
上記従来の課題を解決するために、本発明のモータの駆動装置は、交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続されたコンデンサと、前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有し、前記モータが前記負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう前記コンデンサの値を決定し、前記PWNのキャリア周波数を前記リアクタのキャリア周波数より1.5倍以上高いキャリア周波数とし、前記モータの相数と極数と駆動速度(回転数/秒)の積が前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数と一致しないよう前記モータの駆動速度(回転数/秒)を決定するとしたものである。
第1の発明は、交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続されたコンデンサと、前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有し、前記モータが前記負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう前記コンデンサの値を決定し、前記PWNのキャリア周波数を前記リアクタのキャリア周波数より1.5倍以上高いキャリア周波数とし、前記モータの相数と極数と駆動速度(回転数/秒)の積が前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数と一致しないよう前記モータの駆動速度(回転数/秒)を決定することにより、前記インバータへ供給される電流が最も小さくなり前記リアクタから前記コンデンサに流れ込む電流が最大となるタイミングが継続的に一致しないため、コンデンサが小容量であってもモータ駆動の転流に起因する直流母線間電圧の上昇を抑制できる。

Claims (4)

  1. 交流電源と、前記交流電源から出力された交流を直流に整流する整流回路と、前記整流回路の入力側もしくは出力側に接続されるリアクタと、前記整流回路の出力側に接続されたコンデンサと、前記コンデンサより得られる直流を交流に変換するPWM型のインバータと、前記インバータから得られる交流を入力とし負荷を駆動するモータを有し、前記モータが前記負荷を駆動する際に両端の電圧の最大値が最小値の2倍以上となるよう前記コンデンサの値を決定し、前記モータの相数と極数と駆動速度(回転数/秒)の積が前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数と一致しないよう前記モータの駆動速度(回転数/秒)を決定するモータ駆動装置。
  2. 前記リアクタと前記コンデンサの共振周波数が前記交流電源の周波数の40倍よりも高くなるよう前記リアクタと前記コンデンサの値を決定した請求項1に記載のモータ駆動装置。
  3. 前記コンデンサの両端の電圧を検出する電圧検出手段を備え、前記電圧検出手段によって検出された電圧値があらかじめ定めた閾値を超えた場合に、速度を変更するとした請求項1または2に記載のモータ駆動装置。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載のモータ駆動装置により駆動されるブラシレスDCモータを備えた電気機器。
JP2018038296A 2018-03-05 2018-03-05 モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器 Pending JP2018093727A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018038296A JP2018093727A (ja) 2018-03-05 2018-03-05 モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018038296A JP2018093727A (ja) 2018-03-05 2018-03-05 モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013222878A Division JP2015089142A (ja) 2013-10-28 2013-10-28 モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2018093727A true JP2018093727A (ja) 2018-06-14

Family

ID=62564873

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018038296A Pending JP2018093727A (ja) 2018-03-05 2018-03-05 モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2018093727A (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10262375A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Hitachi Ltd 空気調和機及び電力変換装置
JPH1141980A (ja) * 1997-07-11 1999-02-12 Hitachi Ltd 電動機駆動装置及びこれを用いた空気調和機
JP2006081328A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ駆動用インバータ制御装置
JP2008228477A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機制御装置
JP2008252962A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 一体型電動圧縮機
JP2012175769A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Toyota Motor Corp 電気自動車
JP2012222907A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 Toyota Motor Corp 電動車両

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH10262375A (ja) * 1997-03-19 1998-09-29 Hitachi Ltd 空気調和機及び電力変換装置
JPH1141980A (ja) * 1997-07-11 1999-02-12 Hitachi Ltd 電動機駆動装置及びこれを用いた空気調和機
JP2006081328A (ja) * 2004-09-10 2006-03-23 Matsushita Electric Ind Co Ltd モータ駆動用インバータ制御装置
JP2008228477A (ja) * 2007-03-14 2008-09-25 Matsushita Electric Ind Co Ltd 電動機制御装置
JP2008252962A (ja) * 2007-03-29 2008-10-16 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 一体型電動圧縮機
JP2012175769A (ja) * 2011-02-18 2012-09-10 Toyota Motor Corp 電気自動車
JP2012222907A (ja) * 2011-04-06 2012-11-12 Toyota Motor Corp 電動車両

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6336031B2 (ja) 直流電源装置および、それを備えた電動機駆動装置、ならびに、それを備えた冷凍サイクル適用機器
JP5195444B2 (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置並びにこれを用いた冷蔵庫及び空気調和機
JP6134905B2 (ja) モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器
WO2004084401A1 (ja) 電動圧縮機
KR100799009B1 (ko) 브러시리스 dc 모터의 구동 방법 및 그 장치
JP2011010430A (ja) モータの駆動装置
JP2012222842A (ja) モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器
JP5402311B2 (ja) モータ駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2011010432A (ja) モータの駆動装置
JP5521405B2 (ja) モータ駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2010187522A (ja) モータ駆動方法ならびに駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2015089142A (ja) モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2018093727A (ja) モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2016059085A (ja) モータの駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2008005639A (ja) ブラシレスdcモータの駆動方法およびその装置
JP6182462B2 (ja) 電力変換装置
CN111034011B (zh) 电动机驱动装置和使用它的冷藏库
JP2006109624A (ja) ブラシレスdcモータの駆動装置
JP2011193585A (ja) モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器
JP5604991B2 (ja) モータ駆動装置およびにこれを用いた電気機器
JP2016059086A (ja) モータ駆動装置およびこれを用いた電気機器
JP2004328912A (ja) ブラシレスdcモータの駆動方法及びその装置
WO2014122878A1 (ja) モータ駆動装置およびそれを用いた電気機器
JP6383940B2 (ja) モータ駆動装置
JP2011199926A (ja) モータ駆動装置およびこれを用いた電気機器

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180402

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180402

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20190123

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190124

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190205

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20190730