以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の好ましい一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される、数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、並びに、ステップ(工程)及びステップの順序などは、一例であって本発明を限定する主旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、本発明の最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。各図において、実質的に同一の構成に対しては同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化される場合がある。
また、本明細書及び図面において、X軸、Y軸及びZ軸は、三次元直交座標系の三軸を表しており、本実施の形態では、Z軸方向を鉛直方向(上下方向)とし、Z軸に垂直な方向(XY平面に平行な方向)を水平方向としている。X軸及びY軸は、互いに直交し、且つ、いずれもZ軸に直交する軸である。
(実施の形態)
[照明器具]
まず、本発明の実施の形態に係る照明器具1について、図1を用いて説明する。図1は、実施の形態に係る照明器具1の構成を示す斜視図である。
本実施の形態に係る照明器具1は、例えば住宅等の天井に設けられた開口孔に埋込配設される埋込型照明器具であって、例えば床や壁等の下方に向けて光を出射するダウンライトである。
図1に示すように、照明器具1は、電源ユニット10と、電源ユニット10からの給電により点灯する灯具ユニット20とを備える。電源ユニット10と灯具ユニット20とは、電源線(コネクタ線)30によって電気的に接続されている。
灯具ユニット20は、例えば、アルミダイカスト製の枠体21及び本体(基台)22と、灯具ユニット20を天井等に取り付けるための取付バネ23と、本体22に固定された光源(不図示)とを備える。
本体22は、ヒートシンクとしても機能し、本実施の形態では放熱フィンが設けられている。光源は、例えば、基板と基板に実装された発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)とからなるLED光源(LEDモジュール)であり、例えば照明光として白色光を放出する。なお、灯具ユニット20には、その他に、枠体21内に反射板及び透光パネル等が設けられていてもよい。
電源ユニット10は、照明用電源ユニットであって、灯具ユニット20を点灯させるための電力を生成して、電源線30を介して灯具ユニット20に給電する。本実施の形態におけるLED光源は、直流電流によって駆動するので、灯具ユニット20には直流電力が供給される。
ここで、図1を参照しながら、図2を用いて、電源ユニット10の具体的な構成、及び、電源ユニット10と電源線30との接続構造について説明する。図2は、実施の形態に係る照明器具1における電源ユニット10の構成及び電源ユニット10と電源線30との接続構造を示す断面図である。
まず、電源ユニット10の構成について説明する。図2に示すように、電源ユニット10は、回路基板11と、回路基板11を収納するための回路ケース12とを備える。
回路基板11は、所定形状の金属配線が形成されたプリント配線基板であり、回路基板11には、照明用電源回路を構成する複数の電子部品(不図示)が実装されている。これらの電子部品(回路部品)は、半田付けによって回路基板11に実装されている。
回路ケース12は、例えば、金属製の筐体であり、図1及び図2に示すように、回路基板11を支持するケース本体12aと、ケース本体12aに固定された回路基板11を覆うカバー部材12bとを有する。カバー部材12bは、ケース本体12aに固定される。
次に、電源ユニット10と電源線30との接続構造について説明する。図1及び図2に示すように、電源ユニット10と電源線30とは、オス端子110を有する第1コネクタ100とメス端子210を有する第2コネクタ200との2つのコネクタによって電気的及び機械的に接続されている。第1コネクタ100と第2コネクタ200とは、コネクタユニットを構成している。
本実施の形態において、第1コネクタ100は、回路基板11に取り付けられた基板用コネクタである。具体的には、第1コネクタ100は、一部が回路ケース12から露出するように回路基板11の端部に固定されている。これにより、回路基板11が回路ケース12で覆われた状態であっても、第1コネクタ100に第2コネクタ200を容易に接続することができる。
第1コネクタ100には、第1コネクタの相手コネクタとして第2コネクタ200が接続される。第2コネクタ200は、電源線30の一方の端部に接続された電線コネクタである。
本実施の形態において、第1コネクタ100は、オス端子110を有するオスコネクタであるが、第2コネクタの本体(ハウジング)が差し込まれる差し込み口を有するメス型の本体120を有する。一方、第2コネクタ200は、メス端子210を有するメスコネクタであるが、第1コネクタ100の本体の差し込み口に差し込まれるオス型の本体120を有する。
このように、本実施の形態では、電源線30に接続された第2コネクタ200を第1コネクタ100に差し込むことによって、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが連結される。これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが電気的及び機械的に接続される。
具体的には、第1コネクタ100は複数のオス端子110を有し、第2コネクタ200は複数のメス端子210を有しており、複数のオス端子110と複数のメス端子210とが一対一で接続することによって第1コネクタ100と第2コネクタ200とが電気的及び機械的に接続される。なお、本実施の形態において、第1コネクタ100のオス端子110の数と第2コネクタ200のメス端子210の数とは同じであるが、異なっていてもよい。
また、第1コネクタ100と第2コネクタ200とは、着脱可能となっている。つまり、第1コネクタ100に差し込んだ第2コネクタ200を第1コネクタ100から引き抜くことによって第1コネクタ100から第2コネクタ200を取り外すことができる。具体的には、第1コネクタ100のオス端子110と第2コネクタ200のメス端子210とが着脱可能となっている。
[オスコネクタ]
次に、第1コネクタ100の詳細な構成について、図3A〜図3Cを用いて説明する。図3A〜図3Cは、実施の形態に係る第1コネクタ100の構成を示す図であり、図3Aは斜め後方から見たときの斜視図、図3Bは斜め前方から見たときの斜視図、図3Cは上面図である。なお、図3Cでは、本体120は省略し、オス端子110のみ図示している。
図3A〜図3Cに示すように、第1コネクタ100は、複数のオス端子110と、本体120とを備える。本実施の形態において、第1コネクタ100は、複数のオス端子110として、長尺状の第1オス端子110Aと、長尺状の第2オス端子110Bと、長尺状の第3オス端子110Cとを備える。
第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cは、導電性を有する導電ピンであり、例えば金属によって構成された金属ピンである。具体的には、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cは、金属板等の板状部材によって構成されている。
本実施の形態において、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々は、一方端側が本体120の空洞部121内に直線状に突出し、かつ、他端側が回路基板11側に折り曲げられて本体120の底部から突出した形状である(図2参照)。第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々の他端側は、突出部分が回路基板11で半田付けされる。
本実施の形態において、第1オス端子110Aは、アース用のアース端子である。また、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cは電源用の電源端子である。例えば、第2オス端子110Bは高圧側の電源端子であり、第3オス端子110Cは低圧側の電源端子である。
第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々は、本体120の空洞部121内において、直線状に延伸する直線部111と、直線部111の先に位置する先端部112とを有する。
第1オス端子110Aの先端部112の幅(Z軸方向の長さ)は、第1コネクタ100の複数の端子の中で最も大きくなっている。具体的には、第1オス端子110Aの先端部112の幅(板幅)は、第2オス端子110Bの先端部112の幅及び第3オス端子110Cの先端部112の幅(板幅)よりも大きい。
なお、第2オス端子110Bの先端部112の幅(板幅)と第3オス端子110Cの先端部112の幅(板幅)とは同じである。
また、第1オス端子110Aにおいて、直線部111と先端部112とでは板厚(Y軸方向の厚さ)が一定で同じになっているが、先端部112の幅は、直線部111の幅よりも大きくなっている。本実施の形態において、第1オス端子110Aにおいて、先端部112は、第1オス端子110Aにおいて、最も幅が大きい部分である。
具体的には、第1オス端子110Aの先端部112の形状は、直線部111との連結部分から先端に向かって板幅が漸次広がってから狭まる形状である。すなわち、先端部112の形状は、幅方向の両側の輪郭線が両外側に膨出するように湾曲した形状である。
一方、第2オス端子110Bの先端部112の形状は、第2オス端子110Bの直線部111との連結部分から先端に向かって板幅が狭まる形状である。具体的には、第2オス端子110Bの先端部112の形状は、先細りのテーパ形状である。また、第3オス端子110Cの先端部112の形状は、第2オス端子110Bの先端部112の形状と同じである。なお、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々において、先端部112の板厚は全て同じである。
また、第1オス端子110Aの先端部112は、第1コネクタ100の複数のオス端子110の中で最も先端が突出している。具体的には、第1オス端子110Aの先端部112は、第1オス端子110Aの長手方向に沿って、第2オス端子110Bの先端部112及び第3オス端子110Cの先端部112よりも突出している。つまり、第1オス端子110Aの直線部111及び先端部112の長さが、第2オス端子110B(及び第3オス端子110C)の直線部111及び先端部112の長さよりも長くなっている。
なお、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々において、各直線部111は、幅及び厚さが一定の長尺矩形状であり、また、回路基板11の実装面に略平行な方向に延設されている。
このように構成される、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cは、本体120に固定される。
本体120は、第1コネクタ本体であり、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを保持する絶縁性のハウジングである。本体120は、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを収納している。
本体120は、例えば、PBT(ポリブチレンテレフタレート)等の樹脂によって構成された樹脂成型品である。なお、本体120の材質は樹脂に限るものではなく、樹脂以外の絶縁材料によって構成されていてもよい。
本体120は、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112を臨む開口121aを有する空洞部121を有する。第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cにおける直線部111及び先端部112は、空洞部121によって側方周囲が囲まれている。これにより、直線部111及び先端部112が露出しないので、仮に直線部111及び先端部112が通電状態であってもユーザが直線部111及び先端部112に触れるおそれがないので安全面に優れているとともに、直線部111及び先端部112を保護することができるので直線部111及び先端部112が折れ曲がったり破損したりすることを抑制できる。
また、空洞部121は、第2コネクタ200の本体220が差し込まれる差し込み穴である。つまり、空洞部121は、第2コネクタ200の本体220を収容する収容部である。具体的には、空洞部121には、本体220の突出部221が差し込まれる。空洞部121に突出部221が差し込まれることで、第1コネクタ100の本体120と第2コネクタ200の本体220とが連結する。
本実施の形態において、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cと、空洞部121とは、一対一で複数設けられている。具体的には、3つの空洞部121が一列に並んで形成されている。各空洞部121は、略有底筒形状であり、底部と4つの側壁とで囲まれる空間領域を有する。
また、本体120の側面には、貫通孔122(側壁貫通孔)が設けられている。本実施の形態において、貫通孔122は、アース端子である第1オス端子110Aに対応する空洞部121の側壁に設けられている。
貫通孔122は、第1コネクタ100と第2コネクタ200との連結状態を解除するための解除部として機能するとともに、第2コネクタ200との連結状態を維持するための連結維持部としても機能する。
本実施の形態において、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結したときに、貫通孔122には、第2コネクタ200の爪部222aが係止する。具体的には、貫通孔122の開口端部に爪部222aが引っ掛かるようにして爪部222aが貫通孔122に係止する。
[メスコネクタ]
次に、第2コネクタ200の詳細な構成について、図4A及び図4Bを用いて説明する。図4Aは、実施の形態に係る第2コネクタ200の斜視図である。図4Bは、実施の形態に係る第2コネクタ200の上面図である。
図4A及び図4Bに示すように、第2コネクタ200は、第1メス端子210Aと、第2メス端子210Bと、第3メス端子210Cと、本体220とを備える。
第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cは、金属等の導電性を有する材料によって構成されている。本実施の形態において、第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cは、いずれも同じ材料及び同じ形状である。
第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの各々は、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々と電気的及び機械的に接続される。
したがって、第1メス端子210Aは、アース用のアース端子である。また、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cは電源用の電源端子である。具体的には、第2メス端子210Bは高圧側の電源端子であり、第3メス端子210Cは低圧側の電源端子である。
第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの各々は、対応するオス端子110が挿入される開口211a(挿入口)を有する筒状の筒体211を有する。
具体的には、第1メス端子210Aの開口211aには、第1オス端子110Aが挿入される。また、第2メス端子210Bの開口211aには、第2オス端子110Bが挿入され、第3メス端子210Cの開口211aには、第3オス端子110Cが挿入される。
筒体211に挿入されたオス端子110は、筒体211内を筒体211の奥に向かって進行する。つまり、筒体211の内部は、オス端子110が挿入される挿入路を構成している。なお、本実施の形態において、筒体211は角筒状であり、開口211aは矩形状である。
第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの各々において、筒体211の途中には幅狭部211bが設けられている。一例として、幅狭部211bは、筒体211の中央部に設けられる。幅狭部211bは、オス端子110を板厚方向(Y軸方向)から挟持して保持する部分である。
本実施の形態では、第1オス端子110Aの先端部112が第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112よりも突出しているので、第1メス端子210Aの幅狭部211bでは第1オス端子110Aの先端部112が一旦保持されるが、第1オス端子110Aは、先端部112が幅狭部211bを通過した位置で第1メス端子210Aとの接続が完了する。
一方、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cは、先端部112が幅狭部211bで挟持されることで、第2メス端子210B及び第2メス端子210Bとの接続が完了する。
なお、第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの各々は、電源線30と接続されている。具体的には、電源線30は、第1メス端子210Aに接続されるアース用のリード線(アース線)と、第2メス端子210Bに接続される高圧側のリード線(高圧側電力供給線)と、第3メス端子210Cに接続される低圧側のリード線(低圧側電力供給線)とからなる。
本体220は、第2コネクタ本体であり、第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cを保持する絶縁性のハウジングである。本体220は、第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cを収納している。
本体220は、本体120と同様に、例えばPBT等の樹脂によって構成された樹脂成型品である。本実施の形態では、本体120が回路基板11に固定されており、本体220を本体120に対して抜き差しする部品であるので、本体220は、本体120よりも機械的強度に優れた材料で構成するとよい。例えば、本体220は、ポリカーボネート(PC)によって構成するとよい。なお、本体220の材質は、PBT及びPC以外の樹脂であってもよく、また、樹脂以外の絶縁性材料であってもよい。
本体220は、3つの突出部221を有する。3つの突出部221の各々は、各メス端子210(第1メス端子210A、第2メス端子210B、第3メス端子210C)を収納している。具体的には、各メス端子210は、突出部221によって側方周囲が囲まれている。これにより、メス端子210が本体220の外部に露出しないので、仮にメス端子210が通電状態であっても、ユーザがメス端子210に触れるおそれがなく、安全面に優れている。さらに、メス端子210を突出部221内に収納することで、メス端子210を保護することもできる。これにより、メス端子210が他の部品やユーザに接触することがないので、メス端子210が折れ曲がったり破損したりすることを抑制できる。
各突出部221は、第1コネクタ100の本体120の各空洞部121に差し込まれる差し込み部である。各空洞部121に各突出部221が差し込まれることで突出部221が空洞部121に嵌合されるとともに、オス端子110とメス端子210とが接触して電気的及び機械的に接続される。本実施の形態では、第1オス端子110Aと第1メス端子210Aとが接続され、第2オス端子110Bと第2メス端子210Bとが接続され、第3オス端子110Cと第3メス端子210Cとが接続される。
また、本体220は、片持ち構造の腕部222を有する。腕部222は、腕部222に応力を付与することによって本体220の側面に近づく方向、つまり、腕部222と本体220との隙間が狭くなる方向に弾性変形する。その後、当該応力の付与を解除することによって腕部222は元の位置に戻る。
腕部222は、第1コネクタ100との連結状態を解除するための解除部として機能するとともに、第1コネクタ100との連結状態を維持するための連結維持部としても機能する。
本実施の形態において、腕部222には、爪部222aとつまみ部222bとが設けられている。
爪部222aは、腕部222の中央部に形成されており、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結したときに、第1コネクタ100に設けられた貫通孔122に係止する。爪部222aは、貫通孔122の開口端部に引っ掛かる形状となっている。
つまみ部222bは、腕部222に応力を付与するための部分であり、腕部222の開放端側の端部に形成されている。つまみ部222bは、例えばユーザの指が当接する部分であり、つまみ部222bと本体220とをつまむことによって、腕部222を弾性変形させることができる。
[第1コネクタと第2コネクタとの接続方法]
次に、第1コネクタ100と第2コネクタ200との接続方法について、図5〜図8を用いて説明する。図5は、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結する方法を説明するための図である。図6〜図8は、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結するときの様子を示す図であり、図6は斜視図、図7は平面図、図8は断面図を示している。なお、図6〜図8では、第1コネクタ100及び第2コネクタ200のうちオス端子110及びメス端子210のみを示している。
図5の(a)及び(b)に示すように、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結する際、第1コネクタ100の空洞部121(差し込み穴)に第2コネクタ200の突出部221を差し込む。
具体的には、第1コネクタ100の本体120に設けられた貫通孔122に第2コネクタ200の腕部222の爪部222aが係止するまで、第1コネクタ100の空洞部121に第2コネクタ200の突出部221を押し込む。
この際、貫通孔122に爪部222aが係止するまでの間、第2コネクタ200の腕部222は、押圧を受けて弾性変形する。例えば、ユーザが第2コネクタ200の本体220を持って第1コネクタ100の空洞部121に突出部221を差し込む場合、空洞部121の側壁から受ける押圧によって腕部222を弾性変形させることができる。
その後、さらに突出部221を空洞部121に押し込むと、腕部222の爪部222aが貫通孔122の開口端部に到達する。このとき、腕部222が空洞部121から受ける押圧が解除されることによって、腕部222は、樹脂弾性力によるバネ復元力によって外方に広がって元の状態に戻ろうとする。これにより、爪部222aが貫通孔122に引っ掛かって係止し、第1コネクタ100と第2コネクタ200との連結状態が維持される。
このようにして第1コネクタ100と第2コネクタ200とが連結されるが、この連結される過程で、第1コネクタ100のオス端子110及び第2コネクタ200のメス端子210は、図6〜図8に示される挙動を示す。
具体的には、第1コネクタ100に第2コネクタ200を近づけると、図6(a)、図7(a)及び図8(a)に示すように、第2コネクタ200のメス端子210が第1コネクタ100のオス端子110に近づいていく。具体的には、第1メス端子210A、第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの各々が、第1オス端子110Aと、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの各々に向かい合いながら近づいていく。
このとき、本実施の形態では、第1オス端子110Aの先端部112の幅が第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112の幅よりも大きいので、図6(b)、図7(b)及び図8(b)に示すように、第1オス端子110Aの先端部112が最初に第1メス端子210Aに接触する。つまり、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112が第2メス端子210B及び第3メス端子210Cに接触するよりも前に、第1オス端子110Aの先端部112が第1メス端子210Aに接触する。
具体的には、図8(b)に示すように、第1オス端子110Aの先端部112の最大幅が、第1オス端子110Aが挿入されるメス端子(第1メス端子210A)の開口211aの幅(開口幅)よりも大きくなっている。このため、第1オス端子110Aの先端部112の上下端部(Z軸方向の両端部)が第1メス端子210Aの筒体211の開口211aに接触する。したがって、複数のオス端子110及び複数のメス端子210の中で、第1オス端子110Aと第1メス端子210Aとが最初に接触して導通することになる。
特に、本実施の形態では、第1オス端子110Aの先端部112が第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部よりも突出しているので、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112が第2メス端子210B及び第3メス端子210Cに接触するよりも前に、確実に、第1オス端子110Aの先端部112が第1メス端子210Aに接触する。
このように、第1オス端子110Aについては、先端部112が第1メス端子210Aの筒体211の開口211aに必ず接触する構成になっているので、先端部112が開口211aに接触した時点(図6〜図8の(b)の状態)で、第1オス端子110Aと第1メス端子210Aとが導通完了となる。
その後、第2コネクタ200の突出部221を第1コネクタ100の空洞部121の奥にさらに押し込んでいくと、第1オス端子110Aの先端部112は第1メス端子210Aの筒体211の上下部分を押し広げるようにして、第1オス端子110Aは第1メス端子210Aの筒体211内を進行する。
その過程の途中で、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cが第2メス端子210B及び第3メス端子210Cの開口211aに挿入され、第1オス端子110Aとともに第2メス端子210B及び第3メス端子210Cも筒体211内を進行する。
そして、図6(c)、図7(c)及び図8(c)に示すように、筒体211の幅狭部211bにおいて第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112が筒体211で挟持されることで、第2オス端子110Bと第2メス端子210Bとの接続が完了するとともに、第3オス端子110Cと第3メス端子210Cとの接続が完了する。つまり、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112が筒体211の幅狭部211bに到達した時に、第2オス端子110Bと第2メス端子210Bとが確実に導通するとともに、第3オス端子110Cと第3メス端子210Cとのが確実に導通する。
なお、第2オス端子110Bと第2メス端子210Bとは、第2オス端子110Bが第2メス端子210Bの筒体211内を挿入する際に筒体211内に接触して一時的に導通状態になる場合はあるが、第2オス端子110Bと第2メス端子210Bとの導通完了は、第2オス端子110Bの先端部112が筒体211の幅狭部211bで挟持された状態(図6〜図8の(c)の状態)の時である。また、第3オス端子110Cと第3メス端子210Cとについても同様であり、第3オス端子110Cと第3メス端子210Cとの導通完了は、第3オス端子110Cの先端部112が筒体211の幅狭部211bで挟持された状態の時である。
また、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112が幅狭部211bで挟持された時、第1オス端子110Aの先端部112は第1メス端子210Aの筒体211を突き抜けているが、この時、第1オス端子110Aの直線部111が幅狭部211bで挟持されているので、第1オス端子110Aと第1メス端子210Aとの導通状態は維持継続されている。
以上のようにして、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが電気的及び機械的に接続されている。
なお、第1コネクタ100と第2コネクタ200とが連結された後は、爪部222aを貫通孔122から外すことによって、第1コネクタ100と第2コネクタ200との連結状態を解除することができる。具体的には、ユーザがつまみ部222bと第2コネクタ200の本体220とをつまんで、腕部222と本体220とが近づくように腕部222を弾性変形させることで、爪部222aを貫通孔122から外す。そして、この状態で、空洞部121から突出部221を引き抜くように第2コネクタ200の本体220を引くことで、第1コネクタ100から第2コネクタ200を取り外すことができる。これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200との連結状態を解除することができる。
このように、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを分離する際、第1オス端子110Aの構成により、第1オス端子110Aの先端部112を最後まで第1メス端子210Aに接触させておくことができる。つまり、第2オス端子110B(第3オス端子110C)の先端部112が第2メス端子210B(第3メス端子210C)から抜けた後も、第1オス端子110Aの先端部112を第1メス端子210Aに接触させておくことができる。
[まとめ]
以上、本実施の形態における第1コネクタ100では、第1オス端子110Aの先端部112の幅が第2オス端子110Bの先端部112の幅よりも大きくなっている。
これにより、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを連結する際、第1オス端子110Aの先端部112が第2オス端子110Bの先端部112よりも先にメス端子210に接触する。つまり、第2オス端子110Bよりも先に第1オス端子110Aをメス端子210に接触させることができる。
さらに、第1コネクタ100と第2コネクタ200とを分離する際、第1オス端子110Aの先端部112を、第2オス端子110Bよりも後までメス端子210に接触させておくことができる。つまり、第2オス端子110Bの先端部112がメス端子210と非接触状態になった後も、第1オス端子110Aの先端部112をメス端子210に接触させておくことができる。
したがって、本実施の形態における第1コネクタ100によれば、メス端子210との信頼性が高い電気接続を行うことができるオス端子110を有するコネクタを実現できる。
例えば、第1オス端子110Aがアース端子である場合、第1オス端子110Aによって最初にアース接続を行うことができる。これにより、電源端子のオス端子がアース端子のオス端子よりも先にメス端子に接続してしまうことで、2つのコネクタで接続される2つのユニットの回路を構成する電子部品に予期しない過電流が流れることを抑制できる。
また、本実施の形態において、第1オス端子110Aの先端部112の幅を第1オス端子110Aの直線部111の幅よりも大きくしている。
これにより、第1メス端子210Aに必要以上に負荷をかけることなく、第1オス端子110Aを第1メス端子210Aに挿入することができる。
また、本実施の形態において、第1オス端子110Aの先端部112は、第1オス端子110Aの長手方向に沿って、第2オス端子110Bの先端部112よりも突出している。
これにより、より確実に第2オス端子110Bよりも先に第1オス端子110Aをメス端子210に接触させることができる。
また、本実施の形態において、第1オス端子110Aの先端部112の最大幅は、第1オス端子110Aが挿入される第1メス端子210Aの開口211aの幅よりも大きい。
これにより、第1オス端子110Aを第1メス端子210Aに挿入しようとする際、第1オス端子110Aの先端部112を第1メス端子210Aの筒体211の開口211aに確実に接触させることができる。したがって、一層より確実に第2オス端子110Bよりも先に第1オス端子110Aをメス端子210に接触させることができる。
(変形例)
以上、本発明について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、図9に示すように、第1オス端子110Aの先端部112にスリット112aを形成してもよい。スリット112aは、例えば、第1オス端子110Aの長手方向に沿って延在する切り欠き状に形成することができる。スリット112aは、先端部112のみに形成してもよいが、図9に示すように、先端部112から直線部111にかけて形成してもよい。
このように、第1オス端子110Aの先端部112にスリット112aを形成することによって、先端部112に弾性を持たせることができる。これにより、第1オス端子110Aを第1メス端子210Aに挿入して先端部112が開口211aに接触する際、先端部112が弾性変形する。したがって、上記実施の形態のように第1オス端子110Aの挿入前の先端部112の最大幅が開口211aの幅よりも大きいような場合であっても、先端部112の挿入応力によって第1メス端子210A(筒体211)が変形されることなく、第1オス端子110A(先端部112)と第1メス端子210A(筒体211)との接触状態(導通状態)を容易に維持させることができる。
また、上記実施の形態において、オス端子110は、板状部材によって構成したが、これに限らない。例えば、図10に示すように、直線部111を円柱状とし、先端部112を球状とした第1オス端子110Aを用いてもよい。この場合、第1オス端子110Aの先端部112の幅は直径であり、第1オス端子110Aの先端部の最大直径が第2オス端子110Bの先端部の最大直径よりも大きければよい。つまり、本発明において、第1オス端子110Aの先端部112は、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cの先端部112の太さよりも太くなっている部分を有していればよい。
あるいは、図11に示すように、直線部111を円柱状とし、先端部112を円板状とした第1オス端子110Aを用いてもよい。図11に示される第1オス端子110Aは、円柱状のオス端子110の先端部をプレス加工でつぶすことで形成することができる。これにより、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを同じ部品を用いて形成することができる。この場合、第1オス端子110A、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを板状部材とする場合、打ち抜き金型を1つのみとすることができ、第1オス端子110Aにするものだけ、先端部をプレス加工して太くすればよい。
また、上記実施の形態において、第1オス端子110Aの先端部112の幅を第1オス端子110Aの直線部111の幅よりも大きくしていたが、これに限らない。例えば、第1オス端子110Aが第2オス端子110Bよりも先端部112の幅(太さ)が大きければ、第1オス端子110Aにおいて、直線部111及び先端部112は同じ幅(太さ)であってもよい。つまり、直線部111及び先端部112の全体にわたって板幅が一定であってもよい。
また、上記実施の形態において、メス端子210の筒体211は、角筒状としたが、これに限らない。例えば、メス端子210の筒体211は、円形の開口を有する円筒状、楕円の開口を有する楕円筒状、又は、多角形の開口を有する多角筒状の任意の形状のものを用いることができる。この場合、第1メス端子210Aの筒体211の開口211aの幅は、第1オス端子110Aの幅が大きくなっている方向において、第1オス端子110Aの幅よりも小さくなっていればよい。したがって、メス端子210の構成は、筒体でなくてもよく、一対の板状部材であってもよい。つまり、第1オス端子110Aの先端部112の最大幅が第1メス端子210Aを構成する一対の板状部材の間隔(開口幅)よりも大きくなっていればよい。
また、上記実施の形態において、第1コネクタ100の空洞部121は、オス端子110の数の分だけ形成したが、これに限らず、空洞部121は、全てのオス端子110に共通する1つのみであってもよい。この場合、空洞部121の開口121aも1つのみとなる。さらに、この場合、第2コネクタ200の突出部221は3つのままでもよいが、1つにすることもできる。
また、上記実施の形態において、オス端子110を有する第1コネクタ100を固定し、メス端子210を有する第2コネクタ200を可動させたが、これに限らない。例えば、メス端子210を有する第2コネクタ200を固定し、オス端子110を有する第1コネクタ100を可動させてもよい。
また、上記実施の形態において、オス端子110及びメス端子210を3つずつにしたが、これに限らない。例えば、オス端子110及びメス端子210を、2つずつにしてもよいし、4つ以上ずつにしてもよい。オス端子110及びメス端子210を2つずつにする場合、例えば、2組のうちの一方のオス端子110及びメス端子210を高圧用とし、2組のうちの他方のオス端子110及びメス端子210を低圧用とすることができる。
また、上記実施の形態において、電源端子である第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを高圧用及び低圧用とし、直流用端子としたが、これに限らない。例えば、第2オス端子110B及び第3オス端子110Cを交流用端子としてもよい。
また、上記実施の形態において、第1コネクタ100及び第2コネクタ200は、電源ユニット10と灯具ユニット20とを接続しており、電源ユニット10の2次側に設けられているが、これに限らない。例えば、第1コネクタ100及び第2コネクタ200は、電源ユニット10と商用電源側の部材とを接続するように構成してもよい。つまり、第1コネクタ100及び第2コネクタ200は、電源ユニット10の1次側に設けられていてもよい。
また、上記実施の形態において、照明器具1における灯具ユニット20の光源としては、LED光源を用いたが、これに限らない。例えば、灯具ユニット20の光源としては、HID(High Intensity Discharge Lamp)ランプ、蛍光ランプ又はフィラメントランプ等の既存ランプ、あるいは、有機EL(Electro Luminescence)等のLED以外の固体発光素子を用いた光源であってもよい。この場合、電源ユニット10の照明用電源回路は、光源の種類に応じて設計されていればよい。
あるいは、第1コネクタ100及び第2コネクタ200は、電源ユニット10と灯具ユニット20とを接続する場合に限らず、種々の電子ユニット同士を接続する場合に適用することができる。
その他、上記実施の形態及び変形例に対して当業者が思い付く各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で実施の形態及び変形例における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。