1.実施形態
以下、本発明に係る一実施形態の箱体取出装置及び箱体取出システムについて図1〜図10を参照して説明する。
1.1 箱体取出装置
1.1.1 構成
図1は、本実施形態の箱体取出装置10を示す。箱体取出装置10は、一列に並べて収容された複数の箱体50のうちの一つを取り出すために用いられる。箱体50は、直方体状である。例えば、たばこの箱である。たばこは、例えば、紙巻たばこや、たばこベイパー(電気加熱型たばこ)である。なお、箱体取出装置10の構造を見やすくするために、箱体50は2点鎖線で図示されている。
箱体取出装置10は、図1に示すように、収容ユニット20と、取出ユニット30と、ガード部材40と、を備える。
収容ユニット20は、複数の箱体50を当該複数の箱体50が一列に並ぶように収容する。本実施形態では、収容ユニット20は、10個の箱体50をその厚み方向(奥行き方向)に一列に並べて収容できるようになっている。収容ユニット20は、ケース21と、スライド機構23と、押圧部22と、弾性部24と、を備える。
ケース21は、図1及び図3Bに示すように、長尺の箱状であり、天面及び長さ方向の一側面が開口している。換言すれば、ケース21は、一側面が開放された直方体の篭状である。ケース21は、底板210と、一対の側板211,211と、端板212と、一対のストッパ213,213と、一対の取付片214,214と、を備える。ケース21は、樹脂材料又は金属材料により形成され得る。また、底板210と、一対の側板211,211と、端板212と、一対のストッパ213,213と、一対の取付片214,214とは一体に形成され得る。
底板210は、図1に示すように、第1方向Xの両面である第1面210a及び第2面210bを有し、第1方向Xに直交する第2方向Yに延びる。本実施形態において、底板210は、第2方向Yの寸法が、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交する第3方向Zの寸法よりも大きく形成されている。本実施形態では、底板210は、長尺の矩形板状である。なお、本実施形態において、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、底板210の厚み方向、長さ方向、及び幅方向にそれぞれ対応する。
また、底板210は、図1に示すように、底板210を第1方向Xに貫通する一対の空所210c,210cを有する。一対の空所210c,210cは、底板210に形成された切り欠きである。底板210は、図3Bに示すように、第2方向Y(図3Bの上下方向)の両端である第1端(図3Bの上端)及び第2端(図3Bの下端)を有しており、一対の空所210c,210cは、底板210の第2端に位置している。また、一対の空所210c,210cは、第3方向Zにおける一対の側板211,211間の中央部の両側にある。つまり、一対の空所210c,210cは、第3方向Zにおいて、底板210の中央部と一対の側板211,211との間に位置する。特に、本実施形態では、一対の空所210c,210cは、底板210の第2端の両隅に形成されている。
さらに、底板210は、底板210を第1方向Xに貫通する窓孔210dを有する。窓孔210dは、底板210の第2端において、第3方向Zの一端側(図3Bの左端側)に位置する。窓孔210dは長円状である。
一対の側板211,211は、図1に示すように、底板210の第1面210a側に設けられる。一対の側板211,211は、第3方向Zにおいて互いに対向し、第2方向に延びる。本実施形態では、一対の側板211,211は、第3方向Zにおける底板210の両側から第1面210aの向いている方向(図1の上方向)に突出している。一対の側板211,211は、底板210と同様に長尺の矩形板状である。
端板212は、図1に示すように、底板210の第1端(図1の右端)から第1面210aの向いている方向(図1の上方向)に突出している。端板212は、矩形板状である。
一対のストッパ213,213は、ケース21に収容された箱体50が、底板210の第2端側から外部に出ないようにするために設けられる。一対のストッパ213,213は、図1及び図3Bに示すように、一対の側板211,211にそれぞれ設けられる。一対のストッパ213,213は、一対の側板211,211において底板210の第2端側の端部(図1における左端部)に設けられる。また、一対のストッパ213,213は、互いに近付く向き(内向き)に突出している。一対のストッパ213,213は、それぞれ、矩形の板状である。ここで、図3Bに示すように、一対の空所210c,210cは、一対のストッパ213,213よりも、底板210の第1端側にある。特に、一対のストッパ213,213は、一対のストッパ213,213に直接当たっている箱体50のみが一対の空所210c,210cから底板210の第2面210b側に露出するように、形成されている。
一対の取付片214,214は、一対の側板211,211にそれぞれ設けられる。一対の取付片214,214は、一対の側板211,211において底板210とは反対側の端部(図1における上端部)に設けられる。また、一対の取付片214,214は、底板210の第2端側(図1の左端側)に位置している。また、一対の取付片214,214は、互いに離れる向き(外向き)に突出している。一対の取付片214,214は、それぞれ、矩形の板状であり、第2方向Yに並ぶ複数(本実施形態では3つ)の取付孔214a,214b,214cを有する。取付孔214a,214b,214cは、底板210の第2端側からこの順に並んでいる。
押圧部22は、スライド機構23により、底板210の第1面210a側に第2方向Yに沿って移動可能に配置される。押圧部22は、箱体50を押圧するための平板状の押圧板221を有している。また、押圧部22は、押圧板221の第1方向Xの一端(底板210側の端)において第3方向Zの両側に位置する一対の凹部222を有している。押圧部22は、押圧板221の平坦な面が底板210の第2端側に向くように、スライド機構23に取り付けられる。
スライド機構23は、底板210の第1面210aに配置される。スライド機構23は、押圧部22を第2方向Yに沿って移動可能(スライド可能)に保持する。スライド機構23は、図1及び図3Bに示すように、第3方向Zにおいて互いに対向し、第2方向Yに延びる一対のレール231,231を有する。一対のレール231,231は、押圧部22の一対の凹部222,222にそれぞれ嵌められ、これによって、スライド機構23は、一対のレール231,231で押圧部22を第2方向Yに沿って移動可能に保持する。また、スライド機構23は、第2方向Yの一端(図3Bの下端)に、押圧部22が一対のレール231,231から外れることを防止するための脱落防止部232を有する。押圧部22を底板210の第2端側へ移動させると、押圧部22が脱落防止部232に当たり、これによって、押圧部22が一対のレール231,231から外れないようになっている。
弾性部24は、押圧部22を底板210の第1端から第2端に向かって移動させる弾性力を発揮する。したがって、押圧部22により、1以上の箱体50を底板210の第2端側へ移動させることができる。言い換えれば、1以上の箱体50は、一対のストッパ213,213と押圧部22の押圧板221との間で挟持される。弾性部24は、図3Bに示すように、ドラム242と、ドラム242に巻かれたばね部241とを有する。ばね部241の先端が底板210の第2端に固定され、ドラム242が押圧部22に固定されている。このような弾性部24は、定荷重ばねである。そのため、押圧部22を底板210の第2端から第1端に移動させる作業を行いやすくなる。
取出ユニット30は、収容ユニット20に収容された複数の箱体50のうちの一つを取り出すように構成される。本実施形態では、取出ユニット30は、複数の箱体50のうちの1番目の箱体50を収容ユニット20から取り出すように構成される。取出ユニット30は、図2に示すように、支持体31と、取出機構32と、を有する。
支持体31は、図2及び図3Aに示すように、支持板310と、一対の位置決め板311,311と、を備える。支持体31は、樹脂材料又は金属材料により形成され得る。また、支持板310と、一対の位置決め板311,311とは一体に形成され得る。
支持板310は、収容ユニット20を底板210の第2面210bで支持する部材である。支持板310は、図2に示すように、第1方向Xの両面である第1面310a及び第2面310bを有し、第1方向Xに直交する第2方向Yに延びる。収容ユニット20は、底板210の第2面210bを支持板310の第1面310aに向けて、第1面310a上に載置される。
本実施形態において、支持板310は、第2方向Yの寸法が、第1方向X及び第2方向Yにそれぞれ直交する第3方向Zの寸法よりも大きく形成されている。本実施形態では、支持板310は、長尺の矩形板状である。なお、本実施形態において、第1方向X、第2方向Y、及び第3方向Zは、底板210の厚み方向、長さ方向、及び幅方向にそれぞれ対応する。
また、支持板310は、図3Aに示すように、第2方向Y(図3Aの上下方向)の両端である第1端(図3Aの上端)及び第2端(図3Aの下端)を有しており、第2端に、支持板310を第1方向Xに貫通する窓孔310cを有する。窓孔310cは、第3方向Zの一端側(図3Aの左端側)に位置する。窓孔310cは、窓孔210dと同じ長円状である。また、支持板310は、図2に示すように、第1面310aに凹部310dを有し、第2面310bに凹部310dに対応する凸部310eを有する。凹部310d及び凸部310eは、支持板310の第3方向Zの中央に位置し、第2方向Yに沿って延びている。
一対の位置決め板311,311は、図2及び図3Aに示すように、支持板310の第1面310a側に設けられる。一対の位置決め板311,311は、第3方向Zにおいて互いに対向し、第2方向Yに延びる。本実施形態では、一対の位置決め板311,311は、第3方向Zにおける支持板310の両側から第1面310aの向いている方向(図2の上方向)に突出している。一対の位置決め板311,311間の距離(第2方向Yにおける距離)は、支持板310に支持された収容ユニット20の一対の側板211,211の外面にそれぞれ接触するように設定される。
支持体31では、支持板310の第2方向Yの第1端側が開放されている。そのため、収容ユニット20を支持板310の第1端側から第2端側へスライドさせることで、支持板310の第1面310aと一対の位置決め板311,311で囲まれた空間に収容ユニット20を配置することができる。
取出機構32は、図2に示すように、押出部材33と、駆動装置34と、検知器35と、保持部36と、を備える。
押出部材33は、図2に示すように、一対の押出片331,331と、一対の側片332,332と、駆動片333と、連結片334と、を備える。連結片334は、一対の押出片331,331と、一対の側片332,332と、駆動片333とを連結する部材である。連結片334は、矩形板状である。一対の押出片331,331は、収容ユニット20から箱体50を押し出すために用いられる。一対の押出片331,331は、収容ユニット20から箱体50を押し出すことができるように、形状及び大きさが設定される。一対の押出片331,331は、連結片334の幅方向の第1端に、長さ方向において離間して設けられている。一対の押出片331は、各々L字形である。各押出片331は、その先端で、箱体50を押し出すように設計されている。各押出片331の先端は、1個の箱体50だけを押し出すことができるような大きさである。一対の側片332,332は、連結片334の長さ方向の両端に設けられている。一対の側片332は、各々軸孔332aを有する。軸孔332a,332aは、押出部材33を保持部36に、軸孔332a,332aを通り第3方向Zに平行する方向に延びる回転軸の回りに回転可能に取り付けるために用いられる。駆動片333は、連結片334の幅方向の第2端に設けられる。駆動片333は、駆動装置34により押出部材33を移動させるために用いられる。なお、押出部材33は、樹脂材料又は金属材料により形成され得る。また、一対の押出片331,331と、一対の側片332,332と、駆動片333と、連結片334とは一体に形成され得る。
駆動装置34は、押出部材33を第1位置と第2位置との間で移動させるように構成される。ここで、第1位置は、図4に示すように、一対の押出片331,331が底板210の第1面210a側に突出しない位置である。第2位置は、図5に示すように、一対の押出片331,331がそれぞれ一対の空所210c,210cを通って底板210の第1面210a側に突出する位置である。
駆動装置34は、図2に示すように、プランジャ341と、プランジャ341を第2方向Yに沿って移動させるコイル部342と、を備える。駆動装置34は、例えば、ソレノイドである。コイル部342が通電されていない間は、プランジャ341は押出部材33の駆動片333と接触しない非接触位置に位置する。プランジャ341が非接触位置にある場合、押出部材33は第1位置に位置する。一方、コイル部342が通電されると、コイル部342が発生させる磁界により、プランジャ341が押出部材33側に移動し、プランジャ341が駆動片333を押圧する接触位置まで移動させる。このプランジャ341の移動に伴い、駆動片333がプランジャ341により押圧され、押出部材33が第1位置から第2位置に移動する。第2位置では、図5に示すように、一対の押出片331,331がそれぞれ一対の空所210c,210cを通って底板210の第1面210a側に突出する。そのため、収容ユニット20において、一対の空所210c,210cに対向する位置にある箱体50を一対の押出片331,331で押し出すことができる。そして、コイル部342への通電が終了すると、プランジャ341が接触位置から非接触位置に移動し、これにより、押出部材33も第2位置から第1位置に移動する(図4参照)。このような駆動装置34によれば、簡易な構成で収容ユニット20から箱体50取り出すことができる。
検知器35は、図2に示すように、収容ユニット20に収容されている箱体50を検知するために用いられる。検知器35は、光センサであり、箱体50からの反射光を受け取るためのセンサ面351を有する。検知器35は、箱体50からの反射光をセンサ面351で受け取ることができたかどうかに基づいて、箱体50の検知を行うように構成される。検知器35は、センサ面351で箱体50からの反射光を受け取ることができなくなれば、非検知信号を出力するように構成される。本実施形態において、検知器35のセンサ面351は、収容ユニット20に収容される複数の箱体50のうち、底板210の第2端から3番目の箱体50に対応する位置に、配置される。つまり、検知器35は、3番目の箱体50を検知するように構成される。検知器35で、3番目の箱体50が検知されなければ、収容ユニット20には、2個しか箱体50が収容されていないことになる。
保持部36は、図2に示すように、底板360と、一対の側板361,361と、第1取付板362と、第2取付板363と、を備える。なお、保持部36は、樹脂材料又は金属材料により形成され得る。また、底板360と、一対の側板361,361と、第1取付板362と、第2取付板363とは一体に形成され得る。
底板360は、矩形板状に形成される。
一対の側板361,361は、底板360の第3方向Zの両側に設けられる。一対の側板361,361は、各々軸孔361aを有する。軸孔361a,361aは、押出部材33を保持部36に、軸孔332a,332aを通り第3方向Zに平行する方向に延びる回転軸の回りに回転可能に取り付けるために用いられる。押出部材33は、一対の側板361,361間に配置され、一対の側片332,332の軸孔332a,332aと一対の側板361,361の軸孔361a,361aに共通の回転軸が挿通される。これにより、押出部材33は、保持部36に当該回転軸の回りに回転可能に取り付けられる。ここで、押出部材33は、保持部36に対する回転位置を保持できないように保持部36に取り付けられる。つまり、押出部材33は、自重により保持部36に対して回転するように保持部36に取り付けられている。
第1取付板362は、矩形板状である。第1取付板362は、一対の側板361,361の一方(図2の右側の側板361)から支持板310の第1端側(図2の右端側)に延設されている。駆動装置34は、プランジャ341が押出部材33の駆動片333に対向するように、第1取付板362に取り付けられる。
第2取付板363は、矩形板状である。第2取付板363は、底板360から支持板310の第1端側(図2の右端側)に延設されている。検知器35は、センサ面351が支持板310の窓孔310cから露出するように、第2取付板363に取り付けられる。
取出機構32は、支持体31の支持板310の第2面310bにおいて、支持板310の第2端側に位置するように、支持体31に配置される。このとき、取出機構32は、押出部材33の一対の押出片331,331が支持板310の第2端より外側に位置するように、配置される。また、取出機構32は、検知器35のセンサ面351が支持板310の窓孔310cから露出するように配置される。
収容ユニット20は、図1に示すように、ケース21の底板210の第2面210bを支持体31がその第1面310aで支えるようにして、取出ユニット30に支持される。これにより、図3B、図4及び図5に示すように、収容ユニット20が取出ユニット30に取り外し可能に支持される。このとき、取出ユニット30に対する収容ユニット20の取付位置は、図3Bに示すように、一対の押出片331,331が底板210の一対の空所210c,210cからそれぞれ露出する位置である。さらに、取付位置では、検知器35のセンサ面351が底板210の窓孔210dから露出する。
ガード部材40は、取出ユニット30により収容ユニット20から取り出そうとする箱体50とは別の箱体50が収容ユニット20から取り出されないようにするための部材である。ガード部材40は、図1に示すように、押さえ片41と、一対の脚片42,42と、を有する。
押さえ片41は、底板210の第1面210aに対向するように配置される。押さえ片41は、第3方向Zに延びる長尺の矩形板状である。なお、押さえ片41の第2方向Yの寸法は、箱体50の第2方向Yの寸法よりも小さい。
一対の脚片42,42は、押さえ片41の第3方向Zの両端から第1方向Xに沿って底板210側に突出する。各脚片42は、基部421と、一対のばね片422,422と、一対の位置決め部423,423と、を有する。基部421は、第1方向Xに延びる矩形板状である。一対のばね片422,422は、基部421の先端から第1方向Xに沿って底板210側に突出する。各ばね片422は、第3方向Zにおいて弾性力を発揮するように形成されている。また、一対のばね片422,422は、第2方向Yにおいて並んでいる。ガード部材40は、一対の脚片42,42でケース21を挟み込む。
一対の位置決め部423,423は、基部421の第2方向Yの両側から第1方向Xに沿って底板210側に突出する。各位置決め部423は、第2方向Yにおいて弾性力を発揮するように形成されている。また、各位置決め部423は、2つの段部423a,423bを有する。2つの段部423a,423bは、押さえ片41側とは反対側(底板210側)を向いた面を有する。2つの段部423a,423bは、第1方向Xにおいて並んでおり、段部423bが段部423aよりも押さえ片41側に位置する。
ガード部材40は、第2方向Yにおいて、一対の押出片331,331から所定距離だけ離れた位置に配置される。ここで、所定距離は、複数の箱体50における第2方向Yの寸法に応じて決定される。具体的には、所定距離をD、箱体50の第2方向Yの寸法をWとすると、所定距離Dは、W<D<2Wの関係を満たす。つまり、ガード部材40は、押さえ片41が1番目の箱体50に当たらず、2番目の箱体50に当たるように配置される。したがって、ガード部材40によれば、取出ユニット30により収容ユニット20から取り出そうとする箱体50とは別の箱体50が収容ユニット20から取り出されることを抑制できる。
また、ガード部材40の各ばね片422は、取付孔214a,214b,214cのいずれにも挿入可能な大きさである。また、一対のばね片422,422間の間隔は、取付孔214a,214b,214c間の間隔に対応している。つまり、一対のばね片422,422は、取付孔214a,214b,214cのうちの隣り合う2つに挿入される。例えば、図4、図5、及び図6Aでは、一対のばね片422,422は、取付孔214a,214b,214cのうちの隣り合う2つの取付孔214b,214cに挿入されている。一方、図6Bでは、一対のばね片422,422は、取付孔214a,214b,214cのうちの隣り合う2つの取付孔214a,214bに挿入されている。つまり、ガード部材40は、収容ユニット20に対する位置を第2方向Yにおいて調整可能である。
また、位置決め部423を取付孔214a,214b,214cのいずれかに挿入した場合、位置決め部423は、最初に段部423aで取付片214に当たる。ここで、第1方向Xに直交する面内において、位置決め部423を取付孔(214a,214b,214c)に対して傾斜させることで、段部423aが取付片214に当たらなくなる。これにより、位置決め部423を段部423bが取付片214に当たる位置まで取付孔(214a,214b,214c)に挿入することができる。例えば、図4、図5、及び図6Bでは、一対の位置決め部423は、段部423aで取付片214に当たっている。一方、図6Aでは、一対の位置決め部423は、段部423bで取付片214に当たっている。つまり、ガード部材40は、収容ユニット20に対する位置を第1方向Xにおいて調整可能である。これにより、ガード部材40は、第2方向Yにおいて、一対の押出片331,331から所定距離だけ離れた位置に配置される。ここで、所定距離(一対の押出片331,331と取付孔214a,214b,214cの距離)は、複数の箱体50における第2方向Yの寸法に応じて決定される。
このように、ガード部材40では、それぞれ一対のばね片422,422及び一対の位置決め部423,423を有する一対の脚片42,42が、ガード部材40を収容ユニット20に取り付けるための第1取付構造を構成する。これに対して、収容ユニット20では、それぞれ取付孔214a,214b,214cを有する一対の取付片214,214が、第1取付構造に対応する第2取付構造を構成する。第1及び第2取付構造によれば、一対のばね片422,422を取付孔214a,214b,214cのうちの隣り合う2つに挿入することができる。このように第1及び第2取付構造は、ガード部材40の収容ユニット20への取り付け位置を第2方向Yにおいて調整可能に構成されている。したがって、箱体50の第2方向Yの寸法に応じて、ガード部材40の位置を変更できるから、様々な種類の箱体50に対応できる。また、第1及び第2取付構造によれば、取付片214に一対の位置決め部423,423を段部423a,423bの一方で支持させることができる。このように第1及び第2取付構造は、ガード部材40の収容ユニット20への取り付け位置を第1方向Xにおいて調整可能に構成されている。したがって、箱体50の第1方向Xの寸法に応じて、ガード部材40の位置を変更できるから、様々な種類の箱体50に対応できる。
1.1.2 動作
次に、本実施形態の箱体取出装置10の動作について説明する。箱体取出装置10は、底板210の第1面210aを上に向けて設置される。収容ユニット20には、図4に示すように、10個の箱体50が第2方向Yに沿って一列に並ぶように収容されている。したがって、10個の箱体50は収容ユニット20の底板210上に水平方向(横方向)に沿って一列に並べられる。図4では、一列に並んだ10個の箱体50を、1番目から順に符号50a,50b,50c,50d,50e,50f,50g,50h,50i,50jで示している。一列の箱体50a〜50jは、押圧部22により底板210の第2端側へ押圧され、1番目の箱体50aが底板210の一対の空所210cと対向する位置まで移動する。このようにして、10個の箱体50a〜50jが一対のストッパ213,213と押圧部22との間で挟持される。
取出機構32のコイル部342が通電されていない間は、図4に示すように、プランジャ341が非接触位置に位置し、これによって、押出部材33も第1位置に位置する。第1位置では、一対の押出片331,331が底板210の第1面210a側に突出しない。そのため、10個の箱体50は収容ユニット20に収容されたままである。
ここで、取出機構32のコイル部342が一時的に通電されると、プランジャ341が非接触位置から接触位置に移動し、これによって、押出部材33が第1位置から第2位置に移動する。第2位置では、図5に示すように、一対の押出片331,331がそれぞれ一対の空所210c,210cを通って底板210の第1面210a側に突出する。そのため、1番目の箱体50aの底面が一対の押出片331,331で上方(底板210の第1面210aの向いている方向)へ押圧される。これにより、箱体50aが収容ユニット20から外側へ押し出されて、収容ユニット20から取り出される。ここで、押圧部22は、図3Bに示すように、第3方向Zにおける一対の側板211,211間の中央部に位置し、一対の空所210c,210cは、第3方向Zにおいて一対の側板211,211間の中央部の両側にある。そのため、一対の押出片331,331は、箱体50において押圧部22から力を受けている部位の両側で箱体50に当たる。そのため、箱体50を収容ユニット20からより確実に取り出すことができる。
ここで、箱体50aと箱体50bとは接触しているため、箱体50aが収容ユニット20から外側へ押し出される際には、箱体50bも上方向に移動するように力を受ける場合がある。しかしながら、ガード部材40が、第2方向Yにおいて、一対の押出片331,331から所定距離だけ離れた位置に配置されており、所定距離は、箱体50における第2方向Yの寸法に応じて決定されている。そのため、箱体50bが箱体50aとともに上方向に移動しても、箱体50bの上面がガード部材40の押さえ片41に当たる。そのため、取出ユニット30により収容ユニット20から取り出そうとする箱体50aと一緒に別の(隣の)箱体50bが収容ユニット20から取り出される可能性を低減できる。
箱体50aが収容ユニット20から取り出された後は、押圧部22によって、残り9個の箱体50b〜50jが底板210の第2端側へ押され、2番目の箱体50bが底板210の一対の空所210cと対向する位置まで移動する。そのため、箱体50を自動的に一対の空所210cと対向する位置に移動させることができる。
この後に、再度、コイル部342が一時的に通電されると、押出部材33が第1位置から第2位置に移動する。その結果、2番目の箱体50bが一対の押出片331,331で上方へ押圧され、収容ユニット20から取り出される。このように、箱体取出装置10によれば、収容ユニット20に収納された複数の箱体50を一つずつ取り出すことができる。
収容ユニット20から合計で7個の箱体50a〜50gが取り出されると、残り3個の箱体50h,50i,50jが底板210の第2端側へ押され、8番目の箱体50hが底板210の一対の空所210cと対向する位置まで移動する。この後に、コイル部342が一時的に通電されると、8番目の箱体50hが一対の押出片331,331で上方へ押圧され、収容ユニット20から取り出される。その後、押圧部22によって、残り2個の箱体50i,50jが底板210の第2端側へ押され、底板210の一対の空所210cと対向する位置まで移動する。この状態では、検知器35は、センサ面351で箱体50から反射光を受け取ることができないから、非検知信号を出力する。これにより、箱体取出装置10の管理者は、収容ユニット20に残っている箱体50の数が2個以下であり、箱体50を補充する必要があることに気付くことができる。
管理者が収容ユニット20に箱体50を補充するにあたっては、管理者は、取出ユニット30から収容ユニット20を取り外せばよい。収容ユニット20は、取出ユニット30の支持体31に取り外し可能に支持されているから、管理者は、収容ユニット20を取出ユニット30から容易に取り外すことができる。そして、管理者は、押圧部22を底板210の第2端から第1端まで移動させた状態で、収容ユニット20のケース21に箱体50を一列に並べて収容する。その後に、管理者は、収容ユニット20を再度、取出ユニット30の支持体31に載置することで取り付ける。これにより、管理者は、箱体取出装置10に箱体50を補充する作業を終えることができる。このように、本実施形態の箱体取出装置10では、収容ユニット20を取出ユニット30から容易に取り外すことができる。そのため、箱体50を収容ユニット20に補充する作業を、収容ユニット20を取出ユニット30から取り外した状態で行える。収容ユニット20は、箱体50のカートリッジ(マガジン)としての役割も果たす。
1.2 箱体取出システム
上述した箱体取出装置10は、図7及び図8に示す箱体取出システム100に備えられる。箱体取出システム100は、複数の箱体取出装置10と、複数の箱体取出装置10を収容する筐体110と、運搬機構120と、受取部130と、を備える。図7及び図8の上下左右前後方向は、筐体110の上下左右前後方向を示す。
筐体110は、図7及び図8に示すように、直方体の箱状である。筐体110は、図7に示すように、前面のほぼ全体に及ぶ矩形状の開口110aを有している。開口110aは、筐体110の前面のほぼ全体に及んでいる。筐体110は、開口110aを覆う透明なパネル111を有する。また、筐体110は、図8に示すように、後面のほぼ全体に及ぶ矩形状の開口110bを有している。筐体110は、図7に示すように、内部に、4つの取付台112を有する。4つの取付台112は、上下方向に並べられている。4つの取付台112には、それぞれ、11個の箱体取出装置10が、底板210の第2端を前に向けて左右に並べて取り付けられる。したがって、筐体110は、合計で44個の箱体取出装置10を収容する。
取付台112は、図9に示すように、矩形状の底板112aと、前板112bと、後板112cと、一対の支持部112dと、を有する。前板112bは、矩形板状であり、底板112aの前端より上方に突出する。後板112cは、矩形板状であり、底板112aの後端より上方に突出する。一対の支持部112dは、底板112aの上面に配置される。一対の支持部112dは、左右方向に延びる長尺状であり、前後方向に離間して配置されている。
箱体取出装置10は、第1方向X、第2方向Y及び第3方向Zが筐体110の上下方向、前後方向及び左右方向に一致するようにして取付台112に取り付けられる。箱体取出装置10の取出ユニット30では、図9に示すように、支持体31は、支持板310の凸部310eで一対の支持部112d,112d上に載置されて固定され、取出機構32は保持部36で底板112aに載置されて固定される。これにより、取出機構32が支持体31に取付台112を介して固定される。また、収容ユニット20は、取付台112に固定された取出ユニット30に支持される。収容ユニット20は、脱落防止部232が前板112bの後面に、端板212が後板112cの前面に当たることで、取付台112に対して前後方向に位置決めされる。これによって、収容ユニット20は取出ユニット30に対しても前後方向に位置決めされる。また、筐体110の開口110bを通して、箱体取出装置10の収容ユニット20を取り出すことができる。なお、図9では、弾性部24を省略している。
また、図7及び図8に示すように、筐体110の内底面の前方右側には、受取部130に繋がる開口113が形成されている。受取部130は、箱状であり、開口113を通して、筐体110から箱体50を受け取る。また、受取部130は、前面に、受取部130内の箱体50を取り出すための取出口131を有する。また、筐体110の内底面には、最下段の取付台112の前方に位置するように、運搬機構120が配置されている。運搬機構120は、複数の箱体取出装置10から取り出された箱体50を所定位置(開口113)まで運ぶように構成される。運搬機構120は、例えば、ベルトコンベヤである。運搬機構120は、ベルト121を回転させることで、ベルト121上の物体を左側から右側へ移動させて、開口113まで運ぶ。ただし、一番右側の列にある箱体取出装置10からは、箱体50が開口113を通して受取部130に落下する。
このような箱体取出システム100では、筐体110に収容された複数の箱体取出装置10のいずれかから箱体50が取り出されると、箱体50は、運搬機構120のベルト121上に落下する。そして、箱体50は、運搬機構120により開口113まで運ばれ、開口113を通して受取部130内に落下する。これにより、箱体取出システム100の利用者は、箱体50を受取部130から取り出すことができる。
箱体取出システム100は、例えば、図10に示す買物支援システム500に組み込まれる。買物支援システム500は、袋収納ケース510と、袋供給装置520と、袋詰装置530と、販売システム540と、買物かご600とを備えている。
販売システム540は、管理装置541と、箱体取出システム100と、表示装置542と、入力装置543と、音声出力部544と、精算ユニット545とを有している。箱体取出システム100、表示装置542、入力装置543、音声出力部544、及び精算ユニット545は、いずれも管理装置541の周辺装置であって、管理装置541に接続されている。
管理装置541は、買物かご600から送信された商品情報を受信する。ここでいう「商品情報」は、商品700を識別するための情報(商品識別コード)であって、例えば日本国で用いられているJAN(Japanese Article Number)コード等である。さらに、管理装置541は、例えば、POS(Point Of Sales)端末からなる店舗端末と通信可能に構成されている。管理装置541では、買物かご600から受信した商品情報に基づいて、商品700についての精算処理を行うことができる。また、管理装置541は、袋供給装置520及び袋詰装置530と電気的に接続されており、袋供給装置520及び袋詰装置530を制御可能に構成されている。
表示装置542は、顧客に向けて各種の表示を行う装置である。入力装置543は、例えばジェスチャ検出等により、顧客の操作を受け付ける装置である。さらに、入力装置543は、マイクロホンを含み、マイクロホンに入力された音声信号に対して音声認識及び意味解析の処理を施す機能を有している。そのため、顧客においては音声による操作(音声入力)も可能である。音声出力部544は、スピーカを含み、音声によって顧客に向けて各種の情報を提示する装置である。つまり、販売システム540は、表示装置542、入力装置543及び音声出力部544をユーザインタフェースとして用いることにより、表示又は音声によって各種の情報を顧客に提示したり、顧客の操作(音声入力を含む)を受け付けたりすることができる。ただし、販売システム540による情報の提示は、表示と音声との少なくとも一方で実現されればよく、表示と音声とのいずれか一方で実現されてもよいし、表示と音声との組み合わせで実現されてもよい。
箱体取出システム100は、管理装置541と連携して動作する。例えば、管理装置541は、箱体取出システム100に登録されている箱体50の種類を表示装置542により顧客に提示する。そして、管理装置541は、入力装置543により顧客による箱体50の種類の選択を受け付ける。管理装置541は、顧客の選択を受け付けると、精算ユニット545による精算を顧客に要求する。顧客が精算を終えると、管理装置541は、顧客により選択された箱体50の種類を示す指示を箱体取出システム100に与える。これにより、箱体取出システム100は、管理装置541からの指示に基づき、顧客により選択された箱体50の種類に対応する箱体取出装置10の取出ユニット30を動作させ、対応する収容ユニット20から箱体50を取り出す。収容ユニット20から取り出された箱体50は、受取部130に運ばれる。これにより、顧客は、受取部130から箱体50を取り出すことができる。ここで、受取部130は、精算ユニット545の上方に位置するため、箱体50の取り忘れる可能性を低減できる。
買物かご600は、バッテリと、バッテリからの電力供給を受けて動作する種々の回路及びモジュールとを含む回路ブロックを内蔵している。この買物かご600は、単に商品700を収容するだけでなく、販売システム540(管理装置541)との通信機能、及び商品700の商品情報を読み取る機能を有している。買物かご600は、例えば、バーコードリーダ又はイメージセンサ等を用いて、商品情報を読み取る。これにより、買物かご600は、顧客が店内でピックアップした商品700を収容しつつ、商品情報を商品700から読み取って販売システム540に送信することができる。
袋詰装置530は、買物かご600に入った状態の商品700について、袋詰めを行うことが可能である。つまり、顧客は、店内でピックアップした商品700を買物かご600に入れ、後述の袋詰スペースに、商品700を買物かご600ごと置くことにより、袋詰装置530に商品700の袋詰めを行わせることができる。したがって、顧客においては、袋詰めのために商品700を買物かご600から取り出す必要がなく、袋詰装置530を用いた商品700の袋詰めを簡単に行うことができる。買物かご600に複数の商品700が収容されている場合には、袋詰装置530は、これら複数の商品700を一括して袋詰めすることが可能である。例えば、顧客が販売システム540にて商品700の精算等を行っている間に、商品700の袋詰めが行われるように、管理装置541が、販売システム540と連動させて袋詰装置530を制御する。例えば、袋詰装置530は、販売システム540で精算処理が開始又は完了したことをトリガにして、商品700の袋詰めを開始する。
袋供給装置520は、複数枚の袋をストックしている袋収納ケース510から、袋を1枚ずつ取り出して、取り出した袋を「対象袋」として袋詰装置530に供給する。袋詰装置530には袋が常に1枚セット(配置)されるように、管理装置541が、袋詰装置530と連動させて袋供給装置520を制御する。すなわち、袋詰装置530は、袋供給装置520から供給された1枚の袋を使用して袋詰めを行うように構成されており、袋詰装置530が1回の袋詰めを行う度に、次回の袋詰めに備えて新たな袋が1枚ずつ、袋供給装置520から袋詰装置530に供給される。言い換えれば、袋供給装置520は、袋詰装置530で袋詰めが完了したことをトリガにして、袋詰装置530への袋の供給を開始する。
袋収納ケース510は、袋を複数枚まとめて収納可能に構成されている。少なくとも1枚の袋が袋収納ケース510に収納されていれば、袋供給装置520にて袋収納ケース510から袋を取り出すことが可能になる。
買物支援システム500は、図10に示すように、買物かご600を除いて、例えば、店舗のレジカウンタに設置される1つのカウンタ台800周辺に設けられている。つまり、カウンタ台800には、袋収納ケース510、袋供給装置520、袋詰装置530、及び販売システム540が設けられている。このようなカウンタ台800は、1つの店舗に対して複数設置されていてもよい。
図10では、袋収納ケース510、袋供給装置520、袋詰装置530、及び管理装置541はカウンタ台800に内蔵される。
カウンタ台800には、上面810の幅方向(左右方向)の略中央部に開口する凹所820が形成されている。凹所820は、袋詰スペースを形成する。図10では買物かご600は凹所820内(つまり袋詰スペース)に置かれているが、買物かご600は、顧客が店内を移動する際に手に持って、又はカートに載せて使用するので、定位置には固定されない。カウンタ台800を正面から見て凹所820の奥には、買物かご600を回収する回収装置830が配置されている。凹所820の下方には袋詰装置530が設置されている。
ここで、買物かご600は、例えば、底板がスライド可能に構成されている。これにより、買物かご600の底部が開閉可能となり、買物かご600内に収容された商品700を、買物かご600の底部から排出可能となる。さらに、凹所820の底面は、開閉可能なシャッタにて構成されている。シャッタが開放された状態では、凹所820の下方に位置する袋詰装置530が、凹所820の底面より露出する。そのため、シャッタが開放された状態で、袋詰スペースに置かれた買物かご600の底板が開放されれば、買物かご600内の商品700は、袋詰装置530上に排出される。袋詰装置530は、袋詰装置530上に置かれた商品700について袋詰めを行う。そのため、買物かご600内の商品700の袋詰めが可能になる。
袋供給装置520は、カウンタ台800を正面から見て、袋詰装置530の右側に配置されている。袋収納ケース510は、カウンタ台800を正面から見て、袋供給装置520の右側に配置されている。
箱体取出システム100は、カウンタ台800の上方に位置するように、天井に吊り下げられている。表示装置542は、箱体取出システム100の筐体110の下面に固定されており、例えばプロジェクションマッピング技術により、スクリーンに対して映像を投影するように構成されている。ここでは、表示装置542は、カウンタ台800の上面810のうち、カウンタ台800を正面から見て凹所820の右側の領域に映像を投影する。つまり、カウンタ台800の上面810のうち凹所820の右側の領域が、表示装置542のスクリーンとなる。入力装置543は、カウンタ台800の上面810上であって、カウンタ台800を正面から見てスクリーンの奥に設置されている。入力装置543には、音声出力部544が一体に設けられている。
また、上述した買物支援システム500の各部の位置関係及び形状等は、一例に過ぎず、適宜変更が可能である。例えば、袋詰装置530及び凹所820は、カウンタ台800の幅方向(左右方向)の一端部(左端部又は右端部)に配置されていてもよい。さらに、カウンタ台800に凹所820が形成されていることも買物支援システム500に必須の構成ではなく、例えば、カウンタ台800の上面810上に、袋詰スペースが設定されていてもよい。
1.3 まとめ
以上述べたように、本実施形態の箱体取出装置10は、複数の箱体50を当該複数の箱体50が一列に並ぶように収容する収容ユニット20と、取出ユニット30と、を備える。取出ユニット30は、収容ユニット20を取り外し可能に支持する支持体31、及び、支持体31に取り付けられ収容ユニット20から複数の箱体50のうちの一つを取り出すための取出機構32を有する。そのため、本実施形態の箱体取出装置10では、収容ユニット20を取出ユニット30から容易に取り外すことができる。したがって、箱体50を収容ユニット20に補充する作業を、収容ユニット20を取出ユニット30から取り外した状態で行える。また、取出機構32が収容ユニット20ではなく、取出ユニット30にある。そのため、収容ユニット20に取出機構32が含まれる場合に比べて、収容ユニット20を軽量化できる。これにより、収容ユニット20を持ち運びし易くなり、収容ユニット20の取出ユニット30への着脱が容易に行える。その結果、箱体50を補充する作業を容易に行える。
また、本実施形態の箱体取出装置10は、取出機構32を備えるから、箱体50が並ぶ方向である第2方向Yを水平方向に向けて使用できる。そのため、第2方向Yを鉛直方向に向ける場合に比べれば、比較的狭い場所でも、より多くの箱体取出装置10を設置できる。特に、本実施形態の箱体取出装置10、多くの種類の箱体50を展示する場合に有効である。
2.変形例
以上説明した上記実施形態は、本発明の様々な実施形態の一つに過ぎない。また、上記実施形態は、本発明の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下に、上記実施形態の変形例を列挙する。
例えば、変形例では、箱体取出装置10は、たばこの箱以外の箱体50に用いられてもよい。例えば、箱体50は、食料品や、玩具、スポーツ用品その他商品の箱であってもよい。また、箱体50は、直方体状に限らず、立方体状やその他の形状であってもよい。要するに、箱体50は、複数の箱体50を一列に並べて配置することができる形状であればよい。
変形例では、底板210は、1つの空所210cだけを有していてもよい。この場合、押出部材33は、当該空所210cに対応する1つの押出片331を有していればよい。要するに、底板210は、1以上の空所210cを有していればよく、押出部材33は、1以上の空所210cにそれぞれ対応する1以上の押出片331を有していればよい。なお、空所210cは切り欠きではなく、貫通孔であってもよい。また、押出片331は、空所210cを通る部位を有する形状であればよい。
変形例では、ケース21の底板210は、第2方向Yの寸法が、第3方向Zの寸法よりも小さく形成されていてもよい。要するに、ケース21の寸法は、箱体50の寸法及び収容する箱体50の個数等に応じて適宜設定されればよい。
変形例では、各取付片214は、3以上の複数の取付孔(214a〜214c)を有していてもよい。上記実施形態では、ガード部材40の各脚片42には一対のばね片422が形成されているが、変形例では、各脚片42に一つのばね片422だけが形成されていてもよい。この場合、各取付片214は、2以上の複数の取付孔(214a〜214c)を有していればよい。また、変形例では、一対の脚片42,42(第1取付構造)は、従来周知の構造により、一対の取付片214,214(第2取付構造)に対して第2方向Yにスライド可能に取り付けられていてもよい。要するに、第1取付構造(脚片42)及び第2取付構造(取付片214)は、ガード部材40の収容ユニット20への取り付け位置を第2方向Yにおいて調整可能に構成されていればよい。
変形例では、ガード部材40の各脚片42には3以上の段部(423a,423b)が形成されていてもよい。また、変形例では、一対の脚片42,42(第1取付構造)は、従来周知の構造により、一対の取付片214,214(第2取付構造)に対して第1方向Xにスライド可能に取り付けられていてもよい。要するに、第1取付構造(脚片42)及び第2取付構造(取付片214)は、ガード部材40の収容ユニット20への取り付け位置を第1方向Xにおいて調整可能に構成されていればよい。
変形例では、収容ユニット20は、スライド機構23を備えていなくてもよい。また、弾性部24は、定荷重ばねではなく、コイルばねであってもよい。この場合、例えば、弾性部24は、押圧部22を底板210の第1端から第2端に向かって移動させる弾性力を発揮するように、押圧部22と端板212との間に配置される。また、押圧部22は、弾性部24と別部材でなくてもよい。例えば、コイルばねの一端を押圧部22として用いてもよい。また、押圧部22は、必ずしも、箱体50の第3方向Zの中央を押圧しなくてもよい。例えば、押圧部22は、箱体50の第3方向Zの両側を押圧してもよいし、箱体50を第3方向Zの全体に亘って押圧してもよい。
変形例では、取出機構32は、支持体31に直接固定されていてもよい。また、変形例では、取出ユニット30は、取付台112に相当する構成を有していてもよい。例えば、取付台112の前板112bに相当する構成を有していてもよい。これにより、取出ユニット30に対する収容ユニット20の第2方向Yの位置決めが可能になる。
押出部材33及び駆動装置34も上記実施形態の構造に限定されない。押出部材33及び駆動装置34は、収容ユニット20から箱体50を1つ取り出すことができるような構成であればよく、従来周知の構成を採用することができる。上記実施形態では、コイル部342への通電により駆動装置34を遠隔制御して箱体50を収容ユニット20から取り出すことができる。これに対し、変形例では、駆動装置34は、人の操作に応じて押出部材33を移動させる操作部(ボタンやレバー等)を備えていてもよい。この場合、人が駆動装置34を直接操作して箱体50を収容ユニット20から取り出すことが可能になる。
変形例では、検知器35は、反射光を利用する光センサではなく、透過光を利用する光センサであってもよい。また、検知器35は、光センサのような非接触式のセンサではなく、スイッチなどを利用した接触式のセンサであってもよい。また、変形例では、取出ユニット30は、検知器35を備えていなくてもよい。この場合、窓孔210d及び窓孔310cは必須ではない。
また、ガード部材40は、実施形態の形状及び寸法に限定されない。ガード部材40の形状及び寸法は、箱体50の形状及び寸法に応じて、適宜変更され得る。つまり、ガード部材40は、取出ユニット30により収容ユニット20から取り出そうとする箱体50と一緒に別の箱体50が収容ユニット20から取り出される可能性を低減できればよい。なお、箱体取出装置10は、ガード部材40を備えていなくてもよい。
3.態様
上記実施形態及び変形例から明らかなように、第1の態様の箱体取出装置(10)は、複数の箱体(50)を当該複数の箱体(50)が一列に並ぶように収容する収容ユニット(20)と、取出ユニット(30)と、を備える。前記取出ユニット(30)は、前記収容ユニット(20)を取り外し可能に支持する支持体(31)、及び、前記支持体(31)に取り付けられ前記収容ユニット(20)から前記複数の箱体(50)のうちの一つを取り出すための取出機構(32)を有する。第1の態様によれば、箱体(50)を補充する作業を容易に行える。
第2の態様の箱体取出装置(10)は、第1の態様との組み合わせにより実現され得る。第2の態様では、前記収容ユニット(20)は、底板(210)と、一対の側板(211)と、を有する。前記底板(210)は、第1方向(X)の両面である第1面(210a)及び第2面(210b)を有し、前記第1方向(X)に直交する第2方向(Y)に延びる。前記一対の側板(211)は、前記底板(210)の前記第1面(210a)側に設けられ、前記第1方向(X)及び前記第2方向(Y)のそれぞれに直交する第3方向(Z)において互いに対向し、前記第2方向(Y)に延びる。前記収容ユニット(20)は、複数の箱体(50)を、当該複数の箱体(50)が前記底板(210)の前記第1面(210a)側において前記一対の側板(211)間に前記第2方向(Y)に沿って一列に並ぶように収容するように構成される。前記支持体(31)は、支持板(310)と、一対の位置決め板(311)と、 を有する。前記支持板(310)は、前記収容ユニット(20)を前記底板(210)の前記第2面(210b)で支持する。前記一対の位置決め板(311)は、前記支持板(310)に支持された前記収容ユニット(20)の前記一対の側板(211)の外面にそれぞれ接触する。第2の態様によれば、収容ユニット(20)を取出ユニット(30)から取り外す作業が容易になり、また、収容ユニット(20)を取出ユニット(30)に取り付ける作業も容易になる。
第3の態様の箱体取出装置(10)は、第2の態様との組み合わせにより実現され得る。第3の態様では、前記底板(210)は、前記底板(210)を前記第1方向(X)に貫通する1以上の空所(210c)を有する。前記取出機構(32)は、箱体(50)を前記収容ユニット(20)から押し出すための1以上の押出片(331)を有する押出部材(33)と、前記押出部材(33)を第1位置と第2位置との間で移動させる駆動装置(34)と、を有する。前記第1位置は、前記1以上の押出片(331)が前記底板(210)の前記第1面(210a)側に突出しない位置である。前記第2位置は、前記1以上の押出片(331)がそれぞれ前記1以上の空所(210c)を通って前記底板(210)の前記第1面(210a)側に突出する位置である。第3の態様によれば、簡易な構成で収容ユニット(20)から箱体(50)取り出すことができる。
第4の態様の箱体取出装置(10)は、第3の態様との組み合わせにより実現され得る。第4の態様では、前記底板(210)は、前記第2方向(Y)の両端である第1端及び第2端を有する。前記収容ユニット(20)は、さらに、押圧部(22)と、弾性部(24)と、を有する。前記押圧部(22)は、前記底板(210)の前記第1面(210a)側に前記第2方向(Y)に沿って移動可能に配置される。前記弾性部(24)は、前記押圧部(22)を前記底板(210)の前記第1端から前記第2端に向かって移動させる弾性力を発揮する。前記1以上の空所(210c)は、前記底板(210)の前記第2端に位置する。第4の態様によれば、箱体(50)を自動的に1以上の空所(210c)に対向する位置に移動させることができる。
第5の態様の箱体取出装置(10)は、第4の態様との組み合わせにより実現され得る。第5の態様では、前記押圧部(22)は、前記第3方向(Z)における前記一対の側板(211)間の中央部に前記第2方向(Y)に沿って移動可能に配置される。前記1以上の空所(210c)は、前記第3方向(Z)において前記中央部の両側にある一対の空所(210c)である。前記1以上の押出片(331)は、前記一対の空所(210c)にそれぞれ対応する一対の押出片(331)である。第5の態様によれば、箱体(50)を収容ユニット(20)からより確実に取り出すことができる。
第6の態様の箱体取出装置(10)は、第4又は第5の態様との組み合わせにより実現され得る。第6の態様では、前記弾性部(24)は、定荷重ばねである。第6の態様によれば、押圧部(22)を底板(210)の第2端から第1端に移動させる作業を行いやすくなる。
第7の態様の箱体取出装置(10)は、第3〜第6の態様といずれか一つの組み合わせにより実現され得る。第7の態様は、さらに、前記底板(210)の前記第1面(210a)に対向する押さえ片(41)を有するガード部材(40)を備える。前記ガード部材(40)は、前記第2方向(Y)において、前記1以上の押出片(331)から所定距離だけ離れた位置に配置される。前記所定距離は、前記複数の箱体(50)における前記第2方向(Y)の寸法に応じて決定される。第7の態様によれば、取出ユニット(30)により収容ユニット(20)から取り出そうとする箱体(50)と一緒に別の箱体(50)が収容ユニット(20)から取り出される可能性を低減できる。
第8の態様の箱体取出装置(10)は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第8の態様では、前記ガード部材(40)は、前記収容ユニット(20)に取り付けるための第1取付構造(脚片42)を有する。前記収容ユニット(20)は、前記第1取付構造(脚片42)が取り付けられる第2取付構造(取付片214)を有する。前記第1取付構造(脚片42)及び前記第2取付構造(取付片214)は、前記ガード部材(40)の前記収容ユニット(20)への取り付け位置を前記第2方向(Y)において調整可能に構成される。第8の態様によれば、様々な種類の箱体(50)に対応できる。
第9の態様の箱体取出装置(10)は、第7の態様との組み合わせにより実現され得る。第9の態様では、前記ガード部材(40)は、前記収容ユニット(20)に取り付けるための第1取付構造(脚片42)を有する。前記収容ユニット(20)は、前記第1取付構造(脚片42)が取り付けられる第2取付構造(取付片214)を有する。前記第1取付構造(脚片42)及び前記第2取付構造(取付片214)は、前記ガード部材(40)の前記収容ユニット(20)への取り付け位置を前記第1方向(X)において調整可能に構成される。第9の態様によれば、様々な種類の箱体(50)に対応できる。
第10の態様の箱体取出システム(100)は、複数の、第1〜第9の態様のいずれか一つの箱体取出装置(10)と、前記複数の箱体取出装置(10)を収容する筐体(110)と、を備える。第10の態様によれば、箱体(50)を補充する作業を容易に行える。