JP2018091915A - 液晶レンズ及び液晶レンズの駆動方法 - Google Patents

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一之 菊地
田中 宏和
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Abstract

【課題】特に凹レンズとして駆動する場合に、レンズ周縁部における位相差のばらつきを解消して、安定した屈折率分布を得ることのできる液晶レンズ及びその駆動方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る液晶レンズ10は、液晶組成物を有する液晶層11と、開口部19を有する周辺電極部20、及び周辺電極部20との間に所定の隙間22を介した状態で開口部19に配設される中心電極部21を有する第一の電極12と、液晶層11を介して第一の電極12と対向する第二の電極13とを備える。周辺電極部20と第二の電極13との間に印加される電圧を第一の電圧V1、中心電極部21と第二の電極13との間に印加される電圧を第二の電圧V2とした場合に、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差が最大値に設定されると共に、第一の電圧V1が液晶組成物の閾値電圧Vt1以上に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、液晶レンズ及び液晶レンズの駆動方法に関する。
従来、屈折率が可変なレンズとして、液晶レンズの研究、開発が進められている。液晶レンズは、所定の空間に液晶組成物を封入して液晶層を形成し、この液晶層に所定の電圧を印加することで、液晶組成物に含まれる液晶分子の配向状態を制御してレンズの屈折率、すなわち焦点距離を可変可能とするものである。
ここで、例えば特許文献1には、開口部が形成された周辺電極部、及び周辺電極部との間に所定の隙間を介した状態で開口部に配設される中心電極部を有する第一の電極と、液晶層を介して第一の電極と対向する第二の電極とを備えた液晶レンズが開示されている。この場合、周辺電極部と第二の電極との間に印加される電圧(以降、第一の電圧と称する。)と、中心電極部と第二の電極との間に印加される電圧(以降、第二の電圧と称する。)を適宜設定することによって、液晶レンズのレンズパワーを調整可能としている。
特開2013−195675号公報
ところで、この種のレンズにおいて、レンズパワーを極力大きく得ようとする場合には、上記第一の電圧と、第二の電圧との差がなるべく大きくなるように各電圧を設定する必要がある。例えば液晶レンズを凹レンズとして駆動する場合には、第二の電圧を第一の電圧より大きくして、その電圧差をなるべく大きくすることが肝要となる。しかしながら、第二の電圧は中心電極部と第二の電極との間に印加される電圧であり、実質的にその最大値はある程度制約を受けることになる。この点から考えると、第二の電圧と第一の電圧との電圧差をできるだけ大きく設定しようとした場合には、第一の電圧を0Vに設定することが望ましいように思われる。ところが、最近の研究及び調査(具体的には、新たな位相差の計測方法)によれば、実際の液晶レンズにおいて、上述のように第一の電圧を0Vに設定した場合、周辺電極部と中心電極部との間、特に開口部の内周縁近傍において位相差が円周方向位置によって異なり、言い換えると、レンズ周縁部における位相差が円周方向でばらつき、所期の位相差分布ひいては屈折率分布を得られないことがわかった。
以上の事情に鑑み、本明細書では、特に凹レンズとして使用する場合に、レンズ周縁部における位相差のばらつきを解消して、安定した屈折率分布を得ることのできる液晶レンズ及びその駆動方法を提供することを、解決すべき技術的課題とする。
前記課題の解決は、本発明に係る液晶レンズにより達成される。すなわち、本発明に係る液晶レンズは、液晶組成物を有する液晶層と、開口部を有する周辺電極部、及び周辺電極部との間に所定の隙間を介した状態で開口部に配設される中心電極部を有する第一の電極と、液晶層を介して第一の電極と対向する第二の電極とを備え、周辺電極部と第二の電極との間に印加される電圧を第一の電圧V1、中心電極部と第二の電極との間に印加される電圧を第二の電圧V2とした場合に、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差が最大値に設定されると共に、第一の電圧V1が液晶組成物の閾値電圧以上に設定されている点をもって特徴付けられる。なお、ここでいう第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差の最大値とは、液晶層を構成する液晶組成物のチルト角が、液晶レンズのレンズ中心すなわち光軸の位置で所期の凹レンズパワーを得るための最大電圧を意味する。
本発明者らは、一般的にはグラウンド電圧(0V)に設定すべきと考えられていた第一の電圧V1の大きさに着目し、鋭意検討を重ねた結果、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差が最大値に設定される場合に第一の電圧V1の大きさとして最適な範囲がグラウンド電圧以外に存在することを見出した。本発明はこの知見に基づきなされたもので、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差が最大値に設定される場合に、第一の電圧V1が液晶組成物の閾値電圧以上に設定されていることを特徴とする。この構成によれば、レンズ周縁部に位置する液晶組成物、すなわち第一の電圧の影響を受ける開口部の内周縁近傍に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。また、液晶レンズの構造的な理由で液晶層に実質的に印加される電圧が第一の電圧V1より小さくなる場合も考えられ得るが、そのような場合であっても、第一の電圧V1を液晶組成物の閾値電圧以上の大きさに設定することによって、配向の安定化に必要な分の電圧を液晶組成物に付与することができる。よって、液晶レンズの構造によらず、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。
また、前記課題の解決は、本発明に係る液晶レンズの駆動方法によっても達成される。すなわち、本発明に係る液晶レンズの駆動方法は、液晶組成物を有する液晶層と、開口部を有する周辺電極部、及び周辺電極部との間に所定の隙間を介した状態で開口部に配設される中心電極部を有する第一の電極と、液晶層を介して第一の電極と対向する第二の電極とを備えた液晶レンズの駆動方法であって、周辺電極部と第二の電極との間に印加される電圧を第一の電圧V1、中心電極部と第二の電極との間に印加される電圧を第二の電圧V2とした場合に、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差を最大値に設定すると共に、第一の電圧V1を液晶組成物の閾値電圧以上に設定する点をもって特徴付けられる。
本発明に係る液晶レンズの駆動方法においては、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差を最大値に設定する場合に、第一の電圧V1を液晶組成物の閾値電圧以上に設定するようにしている。この構成によれば、本発明に係る液晶レンズと同様、レンズ周縁部に位置する液晶組成物、すなわち第一の電圧の影響を受ける開口部の内周縁近傍に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。また、液晶レンズの構造的な理由で液晶層に実質的に印加される電圧が第一の電圧V1より小さくなる場合も考えられ得るが、そのような場合であっても、第一の電圧V1を液晶組成物の閾値電圧以上に設定することによって、配向の安定化に必要な分の電圧を液晶組成物に付与することができる。よって、液晶レンズの構造によらず、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。
以上に述べたように、本発明によれば、液晶レンズのレンズ周縁部における位相差のばらつきを解消して、安定した屈折率分布を得ることが可能となる。
本発明の第一実施形態に係る液晶レンズの概略断面図である。 図1に示す液晶レンズの平面図である。 本発明の第二実施形態に係る液晶レンズの概略断面図である。 図3に示す液晶レンズのA−A断面図である。
≪本発明の第一実施形態≫
以下、本発明の第一実施形態を図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る液晶レンズ10の全体構成を示す概略断面図である。この液晶レンズ10は、液晶層11と、第一の電極12と、第二の電極13と、高抵抗層14とを備えている。本実施形態では、液晶レンズ10は、第一の基板15と、第二の基板16と、隔壁部材17とをさらに備える。以下、各要素の詳細を説明する。
液晶層11は、第一の電極12と第二の電極13との間に配設されるもので、本実施形態では、厚み方向に所定の間隔を介して対向配置された第一の基板15と第二の基板16、及び第一の基板15と第二の基板16との間に配設された隔壁部材17とで区画された空間18に液晶組成物を封入することにより形成されている。本実施形態では、液晶組成物の封入空間18は、図2に示すように円形をなしている。故に、液晶層11は、平面視した状態で円形をなす。なお、液晶層11は、図示は省略するが、第一の基板15及び第二の基板16と平行なガラス板などによって複数の液晶層に区画されていてもよい。
液晶層11を構成する液晶組成物には、液晶レンズ10に使用される汎用の液晶材料(例えばネマティック液晶)を使用することができる。また、液晶組成物が正の誘電異方性を示す場合、液晶層11における液晶組成物の初期配列は水平配向となる。一方、液晶組成物が負の誘電異方性を示す場合、液晶層11における液晶組成物の初期配列は垂直配向となる。
第一の基板15、第二の基板16、及び隔壁部材17は例えばガラスで形成することができる。また、第一の基板15と第二の基板16の厚み寸法は、例えばともに0.1mm以上でかつ1.0mm以下の範囲で設定される。隔壁部材17の厚み寸法は、例えば得ようとするレンズパワーに応じて設定すべき液晶層11の厚み寸法や、液晶層11に要求される応答速度などに応じて適宜設定することができる。具体的には、隔壁部材17の厚み寸法は、10μm以上でかつ80μm以下に設定される。なお、図1では、相互の位置関係を明確にするために、第一の基板15又は第二の基板16と、隔壁部材17の厚み寸法を同程度に描いているが、もちろん図示された寸法関係には限定されない。
第一の電極12は、図1に示すように、第一の基板15と液晶層11との間に配設されている。第二の電極13は、第二の基板16と液晶層11との間に配設されている。これにより、第一の電極12と第二の電極13とは、液晶層11を介して厚み方向に対向している。
このうち、第一の電極12は、図2に示すように、円形の開口部19を有する周辺電極部20と、開口部19に配設される中心電極部21とを有する。中心電極部21は例えば円形をなす。開口部19と中心電極部21との間には所定の隙間22が介在しており、周辺電極部20と中心電極部21とが絶縁された状態にある。また、周辺電極部20には、開口部19から周辺電極部20の外周縁20aに向けて伸びる連通口部23が形成されている。この連通口部23に引出し電極部24を配設し、引出し電極部24の一端を中心電極部21と接続することによって、中心電極部21に電力を供給可能としている。なお、周辺電極部20と中心電極部21との隙間22は中空となっていてもよいし、絶縁体で満たされることで中実となっていてもよい(図1を参照)。
また、図2に示すように、周辺電極部20の開口部19の内径寸法は中心電極部21の外径寸法よりも大きく、液晶層11の外径寸法は、開口部19の内径寸法及び中心電極部21の外径寸法の何れよりも大きい。これにより、液晶レンズ10を平面視した状態では、図2に示すように、中心電極部21がその全域で液晶層11と重なり合い、周辺電極部20の少なくとも開口部19近傍が液晶層11と重なり合った状態となる。一方、第一の電極12、すなわち周辺電極部20と中心電極部21はその全域で第二の電極13と重なり合っている。
上記構成の第一の電極12及び第二の電極13は、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)等の透明導電性酸化物で形成することができる。この場合、第一の電極12(本実施形態では周辺電極部20、中心電極部21、及び引出し電極部24)は、例えば第一の基板15の液晶層11側の表面15aに成膜されることで第一の基板15と一体的に形成することが可能である。また、第二の電極13は、例えば第二の基板16の液晶層11側の表面16aに成膜されることで第二の基板16と一体的に形成することが可能である。
第一の電極12と第二の電極13とは電源25,26を介して電気的に接続されている。具体的には、図1に示すように、第一の電極12の周辺電極部20と第二の電極13とが第一の電源25を介して電気的に接続されている。また、第一の電極12の中心電極部21と第二の電極13とが第二の電源26を介して電気的に接続されている。本実施形態では、中心電極部21から周辺電極部20の外周縁20aに向けて引出し電極部24が引き出されているので(図2を参照)、この引出し電極部24が第二の電源26と接続されることで、液晶レンズ10の中央に位置する中心電極部21と第二の電極13との電気的接続を可能としている。
第一の電極12の少なくとも中心電極部21と液晶層11との間には、図1に示すように、高抵抗層14が配設されている。この高抵抗層14は、各電極12,13よりも高い電気抵抗を示し、例えば表面抵抗で1×104Ω/sq以上でかつ1×1014Ω/sq以下の値を示す。
高抵抗層14は、上記範囲内の電気抵抗を示すものである限りにおいてその材質は任意であり、例えば酸化亜鉛、アルミニウム亜鉛酸化物、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、シリコン亜鉛酸化物、スズ亜鉛酸化物、ホウ素亜鉛酸化物、及びゲルマニウム亜鉛酸化物のうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。
この高抵抗層14は、単一の高抵抗層で構成されていてもよいし、複数の高抵抗層の積層体で構成されていてもよい。また、高抵抗層14が、複数の高抵抗層の積層体で構成されている場合、複数の高抵抗層は何れも同じ材料で形成されたものであってもよいし、少なくとも一つの高抵抗層が残りの高抵抗層と異なる材料で形成されたものであってもよい。
高抵抗層14の厚み寸法は任意であり、例えば10nm以上でかつ300nm以下の範囲内に設定される。
高抵抗層14の形状は基本的に任意であるが、後述するように位相差分布を円周方向で安定化させる観点からは、中心電極部21の中心軸に対して回転対象となる形状が好ましく、円形がより好ましい(図2を参照)。
例えば高抵抗層14が円形をなす場合、図2に示すように、高抵抗層14の外径寸法は周辺電極部20の開口部19の内径寸法よりも大きく設定される。
なお、本実施形態では図示を省略しているが、高抵抗層14と液晶層11との間に、無機誘電体層が配設されていてもよい。また、その場合、無機誘電体層と、第二の電極13が設けられた部分を含め、第二の基板16とに、それぞれ配向膜(図示は省略する)が配設されていてもよい。これらの配向膜により液晶層11に含まれる液晶分子の配向が可能となる。
上記構成の液晶レンズ10においては、第一の電源25により第一の電極12を構成する周辺電極部20と第二の電極13との間に所定の電圧V1が印加される。また、第二の電源26により第一の電極12を構成する中心電極部21と第二の電極13との間に所定の電圧V2が印加される。電圧V1の大きさと電圧V2の大きさをそれぞれ変化させることによって、液晶レンズ10のレンズパワーを変化させることができる。
また、この際、液晶レンズ10の凹レンズパワーを最大限に発揮させるべく、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差を最大値に設定した場合、第一の電圧V1が液晶層11を構成する液晶組成物の閾値電圧Vt1以上に設定される。本実施形態では、第一の電圧V1のうち液晶層11に印加される電圧が構造的な要因により減少することを見込んで、例えば第一の電圧V1は、上記液晶組成物の閾値電圧Vt1[V]+0.5〜2.0[V]に設定される。
このような電圧印加形態によれば、液晶レンズ10のレンズ周縁部に位置する液晶組成物、すなわち第一の電圧V1の影響を受ける開口部19の内周縁近傍に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。
例えば図1に示す液晶レンズ10を用いて第一の電圧V1を変動させた場合における、位相差分布の結果を以下に示す。まず第一の電圧V1以外の条件として、比較例と実施例ともに、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差は25Vとした。また、その際の周波数fは25Hzとした。次に比較例では、第一の電圧V1を0Vに設定して液晶レンズ10を駆動させると共に、その際の位相差を計測して位相差分布を得た。その結果、例えばレンズ周縁部に相当し共に原点(光軸Cの位置)からの距離が等しい第一の位置P1と第二の位置P2(図2を参照)とでは計測した位相差にずれがみられた。具体的に、第一の位置P1における位相差λ1は5.0π(2.5位相差)であったのに対し、第二の位置P2における位相差λ2は4.8π(2.4位相差)であった。
これに対して、実施例では、第一の電圧V1を液晶組成物の閾値電圧Vt1以上とした。具体的には、第一の電圧V1を3V、第二の電圧V2を28Vに設定して液晶レンズ10を駆動させると共に、その際の位相差を計測して位相差分布を得た。その結果、第一の位置P1における位相差λ1’は5.0π(2.5位相差)、第二の位置P2における位相差λ2’は5.0π(2.5位相差)と、両者の間に明確な差異は見られなかった。以上より、本発明によれば、所期の凹レンズパワーを得るための第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差が最大となる電圧印加形態においても、液晶レンズ10のレンズ周縁部に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所期の位相差分布ひいては屈折率分布を安定的に得ることが可能となることがわかった。
以上、本発明の第一実施形態を説明したが、もちろん本発明に係る液晶レンズはこの形態には限定されることなく、本発明の範囲内で種々の形態をとることが可能である。
≪本発明の第二実施形態≫
図3は、本発明の第二実施形態に係る液晶レンズ30の全体構成を示す概略断面図である。この液晶レンズ30は、第一実施形態に係る液晶レンズ10と同様、液晶層11(以下、第一の液晶層11と称する。)と、第一の電極12と、第二の電極13と、高抵抗層14(以下、第一の高抵抗層14と称する。)と、第一の基板15と、第二の基板16と、隔壁部材17(以下、第一の隔壁部材17と称する。)とを備える。加えて、本実施形態に係る液晶レンズ30は、第二の液晶層31と、第三の電極32と、第四の電極33と、第二の高抵抗層34と、第三の基板35と、第二の隔壁部材36とを備える。この場合、第一の液晶層11と、第一の電極12と、第二の電極13と、第一の高抵抗層14とが第一のレンズ部37を構成し、第二の液晶層31と、第三の電極32と、第三の電極33と、第二の高抵抗層34とが第二のレンズ部38を構成する。以下、第二のレンズ部38を中心にその詳細を説明する。
本実施形態に係る液晶レンズ30において、第一の液晶層11は、厚み方向に所定の間隔を介して対向配置された第一の基板15と第二の基板16、及び第一の基板15と第二の基板16との間に配設された第一の隔壁部材17とで区画された空間18(以下、第一の空間18と称する。)に液晶組成物を封入することにより形成されている。また、第二の液晶層31は、厚み方向に所定の間隔を介して対向配置された第二の基板16と第三の基板35、及び第二の基板16と第三の基板35との間に配設された第二の隔壁部材36とで区画された第二の空間39に液晶組成物を封入することにより形成されている。
この際、第二の液晶層31を構成する液晶組成物には、第一の液晶層11を構成する液晶組成物と同じものを使用してもよいし、異なるものを使用してもよい。
第一の電極12は、第一の基板15と第一の液晶層11との間に配設されている。第二の電極13は、第二の基板16と第一の液晶層11との間に配設されている。これにより、第一の電極12と第二の電極13とは、第一の液晶層11を介して厚み方向に対向している。また、第三の電極32は、第二の基板16と第二の液晶層31との間に配設されており、第四の電極33は、第三の基板35と第二の液晶層31との間に配設されている。これにより、第三の電極32と第四の電極33とは、第二の液晶層31を介して厚み方向に対向している。
図4は、液晶レンズ30の第二の基板16を仮想的に切断して得たA−A断面図である。図4に示すように、第三の電極32は、第一の電極12と同様、円形の開口部40を有する周辺電極部41と、開口部40に配設される中心電極部42とを有する。中心電極部42は例えば円形をなす。開口部40と中心電極部42との間には所定の隙間43が介在しており、周辺電極部41と中心電極部42とが絶縁された状態にある。また、周辺電極部41には、開口部40から周辺電極部41の外周縁41aに向けて伸びる連通口部44が形成されている。この連通口部44に引出し電極部45を配設し、引出し電極部45の一端を中心電極部42と接続することによって、中心電極部42に電力を供給可能としている。なお、第一の電極12と第二の電極13の形態については第一実施形態と同じであるので、ここでは詳細な説明を省略する。
また、図4に示すように、周辺電極部41の開口部40の内径寸法は中心電極部42の外径寸法よりも大きく、第二の液晶層31の外径寸法は、開口部40の内径寸法及び中心電極部42の外径寸法の何れよりも大きい。これにより、液晶レンズ30を光軸C(図3を参照)に沿った向きから見た状態では、図4に示すように、中心電極部42がその全域で第二の液晶層31と重なり合い、周辺電極部41の少なくとも開口部40近傍が第二の液晶層31と重なり合った状態となる。一方、第三の電極32、すなわち周辺電極部41と中心電極部42はその全域で第四の電極33と重なり合っている。
上記構成の第一の電極12と第二の電極13、及び第三の電極32と第四の電極33は何れも、例えばインジウムスズ酸化物(ITO)等の透明導電性酸化物で形成することができる。この場合、第三の電極32(本実施形態では周辺電極部41、中心電極部42、及び引出し電極部45)は、例えば第二の基板16の第二の液晶層31側の表面16bに成膜されることで第二の基板16と一体的に形成することが可能である。この場合、第二の基板16の第一の液晶層11側の表面16aに第二の電極12、第二の液晶層31側の表面16bに第三の電極32がそれぞれ形成される。また、第四の電極33は、例えば第三の基板35の第二の液晶層31側の表面35aに成膜されることで第三の基板35と一体的に形成することが可能である。
第一の電極12の周辺電極部20と第二の電極13とは、図3に示すように、第一の電源25を介して電気的に接続されている。第一の電極12の中心電極部21と第二の電極13とは、第二の電源26を介して電気的に接続されている。また、第三の電極32の周辺電極部41と第四の電極33とは、第三の電源46を介して電気的に接続されている。第三の電極32の中心電極部42と第四の電極33とは、第四の電源47を介して電気的に接続されている。本実施形態では、中心電極部42から周辺電極部41の外周縁41aに向けて引出し電極部45が引き出されているので(図4を参照)、この引出し電極部45が第四の電源47と接続されることで、液晶レンズ30の中央に位置する中心電極部42と第四の電極33との電気的接続を可能としている。
第三の電極32の少なくとも中心電極部42と第二の液晶層31との間には、図3に示すように、第二の高抵抗層34が配設されている。第二の高抵抗層34は、各電極32,33よりも高い電気抵抗を示し、例えば第一の高抵抗層14と同様、表面抵抗で1×104Ω/sq以上でかつ1×1014Ω/sq以下の値を示す。
第二の高抵抗層34は、上記範囲内の電気抵抗を示すものである限りにおいてその材質は任意であり、例えば第一の高抵抗層14と同様、酸化亜鉛、アルミニウム亜鉛酸化物、酸化スズ、インジウムスズ酸化物、アンチモンスズ酸化物、ガリウム亜鉛酸化物、シリコン亜鉛酸化物、スズ亜鉛酸化物、ホウ素亜鉛酸化物、及びゲルマニウム亜鉛酸化物のうちの少なくとも一種を含むことが好ましい。
また、第二の高抵抗層34の厚み寸法は任意であり、例えば10nm以上でかつ300nm以下の範囲内に設定される。
第二の高抵抗層34の形状は基本的に任意であり、後述するように位相差分布を円周方向で安定化させる観点からは、中心電極部42の中心軸に対して回転対象となる形状が好ましく、円形がより好ましい(図4を参照)。
例えば第二の高抵抗層34が円形をなす場合、図4に示すように、第二の高抵抗層34の外径寸法は周辺電極部41の開口部40の内径寸法よりも大きく設定される。第一のレンズ部37における寸法関係は第一実施形態と同様であるので(図2を参照)、ここでは詳細な説明を省略する。
なお、本実施形態では図示を省略しているが、第一の実施形態と同様、第二の高抵抗層34と第二の液晶層31との間に、無機誘電体層が配設されていてもよい。また、その場合、無機誘電体層と、第三の電極33が設けられた部分を含め、第三の基板35とに、それぞれ配向膜(図示は省略する)が配設されていてもよい。これらの配向膜により第二の液晶層31に含まれる液晶分子の配向が可能となる。
上記構成の液晶レンズ30の第一のレンズ部37においては、図3に示すように、第一の電源25により第一の電極12の周辺電極部20と第二の電極13との間に所定の電圧V1が印加され、第二の電源26により第一の電極12の中心電極部21と第二の電極13との間に所定の電圧V2が印加される。電圧V1の大きさと電圧V2の大きさをそれぞれ変化させることによって、液晶レンズ30のうち第一のレンズ部37のレンズパワーを変化させることができる。
この際、液晶レンズ30の凹レンズパワーを最大限に発揮させるべく、第一の電圧V1と第二の電圧V2との電圧差を最大値に設定した場合、第一の電圧V1が第一の液晶層11を構成する液晶組成物の閾値電圧Vt1以上に設定される。本実施形態では、第一の電圧V1のうち第一の液晶層11に印加される電圧が構造的な要因により減少することを見込んで、例えば第一の電圧V1は、上記液晶組成物の閾値電圧Vt1[V]+0.5〜2.0[V]に設定される。
また、液晶レンズ30の第二のレンズ部38においては、第三の電源46により第三の電極32の周辺電極部41と第四の電極33との間に所定の電圧V3が印加され、第四の電源47により第三の電極32の中心電極部42と第四の電極33との間に所定の電圧V4が印加される。電圧V3の大きさと電圧V4の大きさをそれぞれ変化させることによって、液晶レンズ30のうち第二のレンズ部38のレンズパワーを変化させることができる。
この際、液晶レンズ30の凹レンズパワーを最大限に発揮させるべく、第三の電圧V3と第四の電圧V4との電圧差を最大値に設定した場合、第三の電圧V3が第二の液晶層31を構成する液晶組成物の閾値電圧Vt2以上に設定される。本実施形態では、第三の電圧V3のうち第二の液晶層31に印加される電圧が構造的な要因により減少することを見込んで、例えば第三の電圧V3は、上記液晶組成物の閾値電圧Vt2[V]+0.5〜2.0[V]に設定される。
このような電圧印加形態によれば、第一のレンズ部37のレンズ周縁部に位置する液晶組成物、すなわち第一の電圧V1の影響を受ける開口部19の内周縁近傍に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所期の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。また、上記電圧印加形態によれば、第二のレンズ部38のレンズ周縁部に位置する液晶組成物、すなわち第三の電圧V3の影響を受ける開口部40の内周縁近傍に位置する液晶組成物の配向が安定するので、円周方向で位相差がばらつく事態を可及的に防止又は抑制して、所定の位相差分布を安定的に得ることが可能となる。
なお、上記実施形態では、液晶層11(31)と、第一の電極12(32)及び第二の電極13(33)と、高抵抗層14(34)を有するレンズ部37(38)を一つ又は二つ備えた場合を例示したが、もちろん上記構成のレンズ部を三つ以上備えていてもよい。
また、以上の説明では、液晶レンズ10(30)として、高抵抗層14(34)と、図示しない無機誘電体層、及び配向膜とをさらに備えたものを例示したが、もちろんこれらの要素は必須ではない。液晶層11(31)と、周辺電極部20(41)及び中心電極部21(42)を有する第一の電極12(32)と、第二の電極13(33)とを備え、周辺電極部20(41)の電圧V1(V3)と中心電極部21(42)の電圧V2(V4)との電圧差が最大値をとる場合に、周辺電極部20(41)の電圧V1(V3)が液晶層11(31)を構成する液晶組成物の閾値電圧Vt1(Vt2)以上に設定され得る限りにおいて、本発明に係る液晶レンズ10(30)は任意の構成をとることが可能である。
10,30 液晶レンズ
11,31 液晶層
12,32 第一の電極
13,33 第二の電極
14,34 高抵抗層
15 第一の基板
16 第二の基板
17 第一の隔壁部材
18,39 液晶の封入空間
19,40 開口部
20,41 周辺電極部
21,42 中心電極部
22,43 隙間
23,44 連通口部
24,45 引出し電極部
25,26,46,47 電源
35 第三の基板
36 第二の隔壁部材
37 第一のレンズ部
38 第二のレンズ部
C 光軸
Vt1,Vt2 閾値電圧

Claims (2)

  1. 液晶組成物を有する液晶層と、
    開口部を有する周辺電極部、及び前記周辺電極部との間に所定の隙間を介した状態で前記開口部に配設される中心電極部を有する第一の電極と、
    前記液晶層を介して前記第一の電極と対向する第二の電極と
    を備えた液晶レンズにおいて、
    前記周辺電極部と前記第二の電極との間に印加される電圧を第一の電圧V1、前記中心電極部と前記第二の電極との間に印加される電圧を第二の電圧V2とした場合に、
    前記第一の電圧V1と前記第二の電圧V2との電圧差が最大値に設定されると共に、前記第一の電圧V1が前記液晶組成物の閾値電圧以上に設定されていることを特徴とする液晶レンズ。
  2. 液晶組成物を有する液晶層と、
    開口部を有する周辺電極部、及び前記周辺電極部との間に所定の隙間を介した状態で前記開口部に配設される中心電極部を有する第一の電極と、
    前記液晶層を介して前記第一の電極と対向する第二の電極と
    を備えた液晶レンズの駆動方法であって、
    前記周辺電極部と前記第二の電極との間に印加される電圧を第一の電圧V1、前記中心電極部と前記第二の電極との間に印加される電圧を第二の電圧V2とした場合に、
    前記第一の電圧V1と前記第二の電圧V2との電圧差を最大値に設定すると共に、前記第一の電圧V1を前記液晶組成物の閾値電圧以上に設定する、液晶レンズの駆動方法。
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