JP2018091709A - 制動距離算出方法、装置、及びプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】接地圧分布データ18と、摩擦係数データ17と、を用いて、或る時点iにおける各微小面の摩擦係数と接地圧力とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力を算出するステップ(ST7)と、或る時点iの制動加速度Giを算出するステップ(ST8)と、或る時点iにおける後輪から前輪への荷重移動量Δmiを算出するステップ(ST9)と、次の時点の前輪荷重mfi+1及び後輪荷重mri+1を算出するステップ(ST10)と、次の時点の車両速度Vi+1を算出するステップ(ST12)と、を含む。上記ステップをそれぞれ、初期時点(i=0)から速度が0になるまで単位時間Δt経過した時点毎に繰り返し実行し、全ての時点における車両速度と単位時間とに基づき制動距離を算出する。
【選択図】図2
Description
前輪荷重、後輪荷重及び車両速度を含む初期時点に関するデータを設定するステップと、
接地面を構成する微小面毎に接地圧の値を有する接地圧分布データと、接地圧、スリップ速度及び摩擦係数の対応関係を示す摩擦係数データと、を用いて、或る時点における各微小面の摩擦係数と接地圧力とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力をシステム全体で算出するステップと、
制動力、前輪荷重及び後輪荷重に基づき或る時点の制動加速度を算出するステップと、
制動加速度と前輪荷重と後輪荷重とに基づき或る時点における後輪から前輪への荷重移動量を算出するステップと、
或る時点の荷重移動量を用いて次の時点の前輪荷重及び後輪荷重を算出するステップと、
制動加速度を用いて次の時点の車両速度を算出するステップと、
を含み、
前記算出するステップをそれぞれ、初期時点から速度が0になるまで単位時間経過した時点毎に繰り返し実行し、
全ての時点における車両速度と単位時間とに基づき制動距離を算出する。
制動距離算出装置1は、制動距離を算出する。
P(m)=(p1、p2、…)
タイヤの荷重mに応じて、各微小面の接地圧が変化する。そのためには、種々の実装方法がある。例えば、荷重に応じて各圧力値が、1次式、2次式、3次式などのある関数に基づき変化する数式モデルを設けてもよい。また、複数の荷重について接地圧分布パターンをデータとして持っておき、パラメータとして入力された荷重に近いものを選択するように構成してもよく、荷重に近い2つのパターンから補間データを生成するようにしてもよい。このとき、出力される微小面の数が一定でもよいし、微小面の数も変化させて荷重に応じて接地面積も変化するように構成してもよい。もちろん、接地面積(微小面の数)も変化した方がよいが、接地面積(微小面の数)が一定であっても、或る程度の精度で予測することはできる。すなわち、荷重に応じて接地圧が変化する接地圧分布データを用いてもよいし、荷重に応じて接地圧及び接地面積が変化する接地圧分布データを用いてもよい。精度としては、後者の方が好ましい。
μ=F(P,S)
これらのデータは、例えば台上摩擦試験にて、ゴムサンプルの押しつけ圧Pと、スリップ速度S(すべり速度)を変更して、摩擦係数μを計測することで得ることができる。
pk及びスリップ速度(Svi)を入力パラメータとして摩擦係数データ17を参照し、摩擦係数μを取得する。前輪μ算出部11aは、各微小面の摩擦係数μと接地圧pkとで定まる制動力を合計し、前輪荷重mfiで割ることで前輪全体での摩擦係数μfiを算出する。後輪μ算出部11bも同様にし、後輪全体での摩擦係数μriを算出する。これを式で表すと次の式となる。
スリップ速度Sviは、Svi=SpViである。
システム全体の制動力は、前輪が2つ、後輪が2つあることから、
2mfiμfi+2mriμri と表すことができる。
Vi+1=Vi−gGiΔt …(5)
ここで、gは重力加速度であり、Δtは単位時間である。
mfi+1=mf0+Δmi …(6)
mri+1=mr0−Δmi …(7)
上記装置1の動作について図1〜2を参照しつつ説明する。
μf0=Σk{F(pk,V0Sp)pkΔD}/mf0
μr0=Σk{F(pk,V0Sp)pkΔD}/mr0
制動力は、2mf0μf0+2mr0μr0 である。制動力は制動加速度Giを算出するために用いられる。
G0=(mf0μf0+mr0μr0)/(mf0+mr0)
Δm0=G0(mf0+mr0)gh/l
mf1=mf0+Δm0 …(6)
mr1=mr0−Δm0 …(7)
V1=V0−gG0Δt
前輪荷重mf0、後輪荷重mr0及び車両速度V0を含む初期時点(i=0)に関するデータを設定するステップ(ST1)と、
接地面を構成する微小面毎に接地圧の値を有する接地圧分布データ18と、接地圧、スリップ速度及び摩擦係数の対応関係を示す摩擦係数データ17と、を用いて、或る時点iにおける各微小面の摩擦係数と接地圧力とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力をシステム全体で算出するステップ(ST2、ST7)と、
制動力、前輪荷重mfi及び後輪荷重mriに基づき或る時点iの制動加速度Giを算出するステップ(ST3、ST8)と、
制動加速度Giと前輪荷重mfiと後輪荷重mriとに基づき或る時点iにおける後輪から前輪への荷重移動量Δmiを算出するステップ(ST4、ST9)と、
或る時点iの荷重移動量Δmiを用いて次の時点(i+1)の前輪荷重mfi+1及び後輪荷重mri+1を算出するステップ(ST5、ST10)と、
制動加速度Giを用いて次の時点(i+1)の車両速度Vi+1を算出するステップ(ST6、ST12)と、を含む。
前記算出するステップをそれぞれ、初期時点(i=0)から速度が0になるまで単位時間Δt経過した時点(i=0〜M)毎に繰り返し実行し、
全ての時点(i=0〜M)における車両速度Viと単位時間Δtとに基づき制動距離を算出する。
前輪荷重mf0、後輪荷重mr0及び車両速度V0を含む初期時点(i=0)に関するデータを設定する設定部10と、
接地面を構成する微小面毎に接地圧の値を有する接地圧分布データ18と、接地圧、スリップ速度及び摩擦係数の対応関係を示す摩擦係数データ17と、を用いて、或る時点iにおける各微小面の摩擦係数と接地圧とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力をシステム全体で算出する制動力算出部11と、
制動力、前輪荷重mfi及び後輪荷重mriに基づき或る時点iの制動加速度Giを算出する制動加速度算出部12と、
制動加速度Giと前輪荷重mfiと後輪荷重mriとに基づき或る時点iにおける後輪から前輪への荷重移動量Δmiを算出する荷重移動量算出部13と、
或る時点iの荷重移動量Δmiを用いて次の時点(i+1)の前輪荷重mfi+1及び後輪荷重mri+1を算出する荷重算出部15と、
制動加速度Giを用いて次の時点(i+1)の車両速度Vi+1を算出する車両速度算出部14と、
制動距離算出部16と、を備える。
装置1は、制動力算出部11、制動加速度算出部12、荷重移動量算出部13、荷重算出部15、及び車両速度算出部14による処理を、初期時点(i=0)から速度が0になるまで単位時間Δt経過した時点(i=0〜M)毎に繰り返し実行する。
制動距離算出部16は、全ての時点(i=0〜M)における車両速度Viと単位時間Δtとに基づき制動距離を算出する。
これらプログラムを実行することによっても、上記方法の奏する作用効果を得ることが可能となる。言い換えると、上記方法を使用しているとも言える。
11…制動力算出部
12…制動加速度算出部
13…荷重移動量算出部
14…車両速度算出部
15…荷重算出部
16…制動距離算出部
Claims (7)
- 前輪荷重、後輪荷重及び車両速度を含む初期時点に関するデータを設定するステップと、
接地面を構成する微小面毎に接地圧の値を有する接地圧分布データと、接地圧、スリップ速度及び摩擦係数の対応関係を示す摩擦係数データと、を用いて、或る時点における各微小面の摩擦係数と接地圧力とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力をシステム全体で算出するステップと、
制動力、前輪荷重及び後輪荷重に基づき或る時点の制動加速度を算出するステップと、
制動加速度と前輪荷重と後輪荷重とに基づき或る時点における後輪から前輪への荷重移動量を算出するステップと、
或る時点の荷重移動量を用いて次の時点の前輪荷重及び後輪荷重を算出するステップと、
制動加速度を用いて次の時点の車両速度を算出するステップと、
を含み、
前記算出するステップをそれぞれ、初期時点から速度が0になるまで単位時間経過した時点毎に繰り返し実行し、
全ての時点における車両速度と単位時間とに基づき制動距離を算出する、制動距離算出方法。 - 荷重に応じて接地圧が変化する接地圧分布データを用いる、請求項1に記載の方法。
- 荷重に応じて接地圧及び接地面積が変化する接地圧分布データを用いる、請求項1又は2に記載の方法。
- 前輪荷重、後輪荷重及び車両速度を含む初期時点に関するデータを設定する設定部と、
接地面を構成する微小面毎に接地圧の値を有する接地圧分布データと、接地圧、スリップ速度及び摩擦係数の対応関係を示す摩擦係数データと、を用いて、或る時点における各微小面の摩擦係数と接地圧とで定まる制動力を合計して、或る時点の制動力をシステム全体で算出する制動力算出部と、
制動力、前輪荷重及び後輪荷重に基づき或る時点の制動加速度を算出する制動加速度算出部と、
制動加速度と前輪荷重と後輪荷重とに基づき或る時点における後輪から前輪への荷重移動量を算出する荷重移動量算出部と、
或る時点の荷重移動量を用いて次の時点の前輪荷重及び後輪荷重を算出する荷重算出部と、
制動加速度を用いて次の時点の車両速度を算出する車両速度算出部と、
制動距離算出部と、
を備え、
前記制動力算出部、前記制動加速度算出部、前記荷重移動量算出部、前記荷重算出部、及び前記車両速度算出部による処理を、初期時点から速度が0になるまで単位時間経過した時点毎に繰り返し実行し、
前記制動距離算出部は、全ての時点における車両速度と単位時間とに基づき制動距離を算出する、制動距離算出装置。 - 荷重に応じて接地圧が変化する接地圧分布データを用いる、請求項4に記載の装置。
- 荷重に応じて接地圧及び接地面積が変化する接地圧分布データを用いる、請求項4又は5に記載の装置。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の方法をコンピュータに実行させるプログラム。
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