JP2018091317A - 多段ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】インペラと案内羽根とを備え、流体に遠心力を発生させる多段ポンプにおいて、流体の流力損失を抑制し、ポンプ効率を向上させることができる。【解決手段】多段ポンプ1は、軸回転する主軸3と、インペラ4と、案内羽根部5と、インペラ4を回転自在に収容するとともに、案内羽根部5を固設したケーシング部2とを設け、主軸3の軸方向であって流体Lの流動方向に沿って、インペラ4、案内羽根部5を順に配してなる5つのポンプ段6を、ケーシング部2内に主軸3の軸方向に沿って配し、インペラ側壁部43の径が、案内羽根側壁部53の径より小さい。インペラ側壁部43の遠心側の外方と、案内羽根側壁部53の遠心側の外方に、それぞれ流体Lの流路11として構成される旋回空間61のみが存在する。インペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の断面積が、インペラ43の流入口の断面積に比べて、230%以上275%以下である。【選択図】図1

Description

本発明は、多段ポンプに関する。
深井戸の揚水用ポンプとして、従来から、軸回転する主軸に回転一体に設けられ、回転により中心側から液体を吸い込んで遠心側に吐出するインペラを設けた多段遠心ポンプが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
多段遠心ポンプは、モータに連結された主軸を回転させることで、主軸に回転一体に設けられたインペラのインペラ羽根を回転させ、インペラ羽根の回転によりケーシング内に流入する流体に遠心力を生じさせてエネルギーを与え、遠心力を有する流体を低所から高所に揚水させるものである。
特開平03−229990号公報
ところで、現在、遠心側から中心側への液体の流れを整流することが望まれ、インペラと、整流を行うために案内羽根部とを設けた多段遠心ポンプが周知である。
案内羽根部は、主軸の軸方向に沿ってインペラに隣接して配され、インペラ(の壁部)の直径と、案内羽根(の壁部)の直径とが同じ長さに設定されている。
多段遠心ポンプのポンプ効率に関して、インペラ(の壁部)の直径と、案内羽根(の壁部)の直径とが同じ長さに設定された多段遠心ポンプでは、遠心力を有する流体の流力損失(水力損失)が大きい。
そこで、本発明では、インペラと案内羽根を備える多段ポンプにおいて、流体の流力損失を抑制し、ポンプ効率を向上させた多段ポンプを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明にかかる多段ポンプは、軸回転する主軸と、前記主軸に回転一体に設けられ、回転により中心側から流体を吸い込んで遠心側に吐出するインペラと、遠心側から中心側への流体の流れを整流する案内羽根部と、前記主軸および前記インペラを内部に回転自在に収容するとともに、前記案内羽根部を内部に固設したケーシング部と、が設けられ、前記ケーシング部内に、前記主軸の軸方向であって流体の流動方向に沿って、前記インペラ、前記案内羽根部が順に配され、前記インペラと前記案内羽根部とを対とするポンプ段が、複数個、前記ケーシング部内に、前記主軸の軸方向に沿って配され、前記インペラには、その中央に前記主軸を挿設する第1貫通孔が形成され、複数枚のインペラ羽根が配備されるとともに、複数枚の前記インペラ羽根の側面に接し、前記第1貫通孔に挿設した前記主軸を中心とした円板状のインペラ側壁部が備えられ、前記案内羽根部には、その中央に前記主軸を挿設する第2貫通孔が形成され、複数枚の案内羽根が配備されるとともに、複数枚の前記案内羽根の側面に接し、前記第2貫通孔に挿設した前記主軸を中心とした円板状の案内羽根側壁部が備えられ、前記インペラ側壁部の径が、前記案内羽根側壁部の径より小さく、前記インペラと前記案内羽根部との間には、流体の流路として構成される旋回空間のみが存在し、前記旋回空間は、前記インペラ側壁部の遠心側の外方と、前記案内羽根側壁部の遠心側の外方に、それぞれ形成された空間であり、前記主軸の軸線に対して直交する平面で切断して得られる、前記インペラ側壁部の遠心側外方の前記旋回空間の断面積が、前記インペラの流入口の断面積に比べて、230%以上275%以下であることを特徴とする。
本発明によれば、前記インペラと前記案内羽根を備え、流体に遠心力を発生させる多段ポンプにおいて、流体の流力損失を抑制し、その結果、ポンプ効率を向上させることができる。
前記構成において、前記案内羽根の遠心縁は、前記案内羽根側壁部の外径より大きく形成され、前記案内羽根の遠心縁に軸方向に対して傾斜した傾斜部が形成されてもよい。
この場合、前記案内羽根の遠心縁が前記案内羽根側壁部の外径より大きく形成されるため、前記インペラからの流体を遠心側から中心側への液体の流れに整流しやすくなり、また、前記案内羽根に前記傾斜部が形成されているので、前記案内羽根に流入する流体の流れに乱れが生じにくくなり、その結果、流体の流力損失を抑制してポンプ効率を上昇させることができる。
前記構成において、前記インペラ側壁部の径が、前記案内羽根側壁部の径に比べて82.5%以上88.0%以下となってもよい。
前記構成において、前記ケーシングの幅寸法の直径が、90mm以下であり、インペラ側壁部の径が、インペラ流入口の内径に比べて161%以上171%以下であってもよい。
前記構成において、ポンプの回転数が4000min−1以上において、前記ポンプ段1段あたりの比速度が300以上400以下であり、前記比速度は、ポンプの回転数と前記インペラの外径により設定されてもよい。
本発明にかかる多段ポンプによれば、インペラと案内羽根とを備え、流体に遠心力を発生させるポンプにおいて、流体の流力損失を抑制し、ポンプ効率を向上させることができる。
本実施の形態にかかる多段ポンプの構成を示した概略構成図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのポンプ段の構成を示した平面図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのポンプ段の構成を示した構成図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラの構成を示した平面図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラの構成を示した構成図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプの案内羽根部及びケーシングの構成を示した平面図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプの案内羽根部及びケーシングの構成を示した構成図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラ径比率に対するポンプ効率を示したグラフ図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラ旋回空間面積比率に対するポンプ効率を示したグラフ図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラ内外径比率に対するポンプ効率を示したグラフ図である。 本実施の形態にかかる多段ポンプのインペラ側壁部遠心側旋回空間径比率に対するポンプ効率を示したグラフ図である。
以下、本実施の形態に係る多段ポンプ(以下、ポンプ1とする)について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下に示す本実施の形態では、多段ポンプとして、深井戸対応の多段遠心ポンプに本発明を適用した場合を示す。
本実施の形態に係るポンプ1の構成について、図1〜7を用いて説明する。
本実施の形態に係るポンプ1は、図1に示すように、少なくとも、筐体となるケーシング部2と、軸回転する主軸3と、回転により中心側(径方向内側)から流体(矢印L参照)を外部から吸い込んで遠心側(径方向外側)に吐出し流体Lに遠心力を生じさせるインペラ4と、遠心側から中心側への流体Lの流れを整流する案内羽根部5とを設ける。
ケーシング部2は、図1,3,7に示すように、主軸3およびインペラ4を内部に回転自在に収容するとともに、案内羽根部5を内部に固設する(一体的に設ける)。また、ケーシング部2内では、主軸3の軸方向であって流体Lの流動方向に沿って、インペラ4、案内羽根部5を順に配している。また、ケーシング部2の幅寸法の直径(ケーシング28の直径でもある)は、直径が4インチ(101.6mm)の深井戸にポンプ1を設置することができる寸法であり、具体的には90mm以下が好適である。また、ケーシング部2は、後述する5段のポンプ段6に対応させた5つのケーシング28(実際には6つのケーシング28(後述参照))を備える。このケーシング28はインペラ4を囲むように設け、案内羽根部5を一体的に設けている。
ケーシング部2は、中空体であり、一端部21に流体Lを吸い込む吸込口22が形成され、他端部23に主軸3の軸方向に沿って流体Lを吐き出す吐出口24が形成されている。また、ケーシング部2の一端部21は、主軸3にモータ(図示省略)に連結し、ケーシング部2の他端部23は、自重による弁機構の逆止弁25を設けている。なお、図1に実線で示す逆止弁25は、開状態であり、2点鎖線で示す逆止弁25は、閉状態である。
主軸3は、図1,3に示すように、ケーシング部2を貫通するように配置した軸線31に沿って延在している。主軸3の多くの部分はスプライン軸を形成しており、そのスプライン軸にスリーブ7の内周面に設けた突起が嵌合されていることで、スリーブ7は主軸3に対して回転一体に外嵌されている。そして、このスリーブ7にインペラ4が固設されているため、インペラ4も主軸3に対して回転一体となっている。また、案内羽根部5は、環状のシール部材8又は滑り軸受9を介してスリーブ7に外嵌されているため、主軸3に対して相対回転自在にとなっている。
インペラ4は、図1,4,5に示すように、主軸3に回転一体に設け、インペラ4の中央に主軸3を挿設する第1貫通孔41を形成している。インペラ4は、第1貫通孔41から放射状に7枚のインペラ羽根42を備え、これら7枚のインペラ羽根42の側面(具体的には側面全体)に接し、第1貫通孔41に挿設した主軸3を中心とした円板状のインペラ側壁部43を備えている。また、インペラ羽根42の軸線31方向の幅寸法W(図3参照)を一定値としている。一般に、上記幅寸法Wは、軸心側から遠心側に行くにつれて小さくなるように設計されるが、本実施の形態では、上記幅寸法Wを一定値とすることにより、インペラの出口面積(インペラ直径×π×インペラ幅)を増加させ、後述する旋回空間61へ流出する流体の流速の低減(ひいては流力損失の低減)を図っている。なお、本実施の形態では7枚のインペラ羽根42を用いているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく、任意数のインペラ羽根42を用いてもよい。
案内羽根部5は、ケーシング部2(具体的にはケーシング28)に一体形成され、図1,6,7に示すように、インペラ4の下流側(流体Lの流路11下流側)に配する。案内羽根部5の中央に主軸3を挿設する第2貫通孔51を形成し、第2貫通孔51から放射状に8枚の案内羽根52を備えている。また、案内羽根部5は、8枚の案内羽根52の側面(具体的には側面全体)に接し、第2貫通孔51に挿設した主軸3を中心とした円板状の案内羽根側壁部53を備えている。なお、本実施の形態では、インペラ羽根42の数よりも多い8枚の案内羽根52を用いているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく任意数であればよい。
また、案内羽根52は、板状体のものを面方向に湾曲して成形されている。また、案内羽根52の遠心縁54は、ポンプ段6(下記参照)においてインペラ4に面する(隣接する)前記案内羽根側壁部53の外径より大きく形成され、案内羽根52の遠心縁54に軸方向に対して傾斜した傾斜部55が形成されている。具体的には、上流側にあるインペラ4側に配する案内羽根52の一側面の遠心端が、上流側にあるインペラ4から離れた位置に配する案内羽根52の他側面の遠心端よりもケーシング部2の中心側に位置する。本実施の形態では、傾斜部55の傾斜角θ(図7指示)は、略27°である。なお、傾斜部55は、案内羽根側壁部53を上面とする円錐台の側面に沿うように形成されている。
上記のインペラ4と案内羽根部5とを一対とするポンプ段6が、図1〜3に示すように、主軸3の軸方向に沿ってケーシング部2の中央部26に5段配され、一端部21と中央部26と他端部23をケーシング留部27によって軸方向を挟持してケーシング部2が構成される。そのため、5段のポンプ段6では、ケーシング部2内の主軸3の軸方向に沿って、かつ、流体の流路11の上流から下流にかけて、インペラ4、案内羽根部5が間隙62を有して順に配されている。また、具体的には、本実施の形態では、ポンプ段6は、インペラ4と、案内羽根部5を有したケーシング2とを、対にして構成している。そのため、ケーシング部2の中央部26は、ケーシング2とインペラ4とを連続して重ね合わせて構成される。また、中央部26では、一端部21側のインペラ4が露出する構成となるため、当該露出するインペラ4を囲む(覆う)ように別途ケーシング2のみを配している。つまり、ケーシング部2の中央部26は、5段のポンプ段6を構成する5つのケーシング2と、露出するインペラ4を覆う1つのケーシング2との合計である6つのケーシング2で構成されている。なお、本実施の形態では、ポンプ段6を5段としているが、これは好適な例であり、これに限定されるものではなく3段以上の任意数であればよい。なお、インペラ4と案内羽根部5との間の流路11に、ディフューザを設ける形態も存在するが、ディフューザを設けることで、異物の流路つまりが生じる。特に井戸にポンプ1を使用する際には、異物の流路つまりが問題となるため、本実施の形態では、ディフューザ無しの流路設計をしており、さらに間隙62を有している。
また、ポンプ段6では、インペラ4と案内羽根部5との間に、流体Lの流路11として構成される旋回空間61のみが存在する。旋回空間61は、インペラ側壁部43の遠心側の外方と、案内羽根側壁部53の遠心側の外方に、それぞれ形成された空間であり、これらの空間が連続して旋回空間61が構成される。つまり、ポンプ段6における流体Lの流路11において、インペラ4の下流側であって案内羽根部5の上流側の旋回空間61には、ケーシング部2と案内羽根側壁部53とによって流路11が形成され、別途構成部材は存在しない。そのため、インペラ4の遠心側の外方には、流体Lの流路11として構成される旋回空間61が形成され、流体Lの流路11におけるインペラ4の下流側に旋回空間61、案内羽根部5が連続して順に配される。つまり、流体Lの流路11におけるインペラ4と案内羽根部5との間には旋回空間61のみが存在し、この旋回空間61は、インペラ4の遠心側の外方と、案内羽根部5の遠心側の外方にそれぞれ形成された空間であり、空間内に流体Lが存在し、ポンプを稼働させた際に、流体Lが旋回する空間である。また、そのため、インペラ4の吐出端と、案内羽根部5の流入端とは、連続して配されておらず、インペラ4と案内羽根部5とは間隙62を有して離れた位置に配されている。また、インペラ4における流体Lの吐出方向は遠心方向(主軸3から離れる外方向)となり、案内羽根部5における流体Lの吐出方向は中心方向(主軸3に向かう内方向)となる。なお、旋回空間61と間隙62(の容量)を大きく設けることにより、流体Lとともに流れる異物が、インペラ4と旋回空間61との隙間や、旋回空間61と案内羽根部5との隙間につまることを抑制し、ポンプ1内部(特にポンプ段6における流体Lの流路11)での異物による流体Lの流動つまりを抑制することができる。
上記の構成からなるポンプ1内での流体Lの流れについて、図1を用いて次に説明する。
ケーシング部2の一端部21内の主軸3にモータ(図示省略)に連結したポンプ1を、深井戸に設置する。なお、モータにはDCモータを用いる。この際、ケーシング部2の一端部21を深井戸の下方に配し、他端部23を深井戸の上方に配する。深井戸にポンプ1を配し、モータを稼働させることで主軸3を回転させてインペラ4を回転させる。そして、インペラ4を回転させることで、吸込口22から流体Lをケーシング部2内部に吸い込む。ケーシング部2内部に吸い込んだ流体Lは、5つのポンプ段6のうち最下方に位置するポンプ段6に流れ、最下方に位置するポンプ段6のインペラ4の流入端からインペラ4に流入し、インペラ4の吐出端から主軸3の遠心側に吐出する。主軸3の遠心側に吐出した旋回空間61において流体の流れ方向が変わり、インペラ4に間隙62を有して隣接する案内羽根部5の流入端に流れ、案内羽根部5の流入端から案内羽根部5に流入し、案内羽根部5の吐出端から主軸3の軸方向に沿って隣接する次のポンプ段6のインペラ4に向けて吐出する。この一連の動作を行うことで、流体の揚水を行い、さらに隣接するポンプ段6に流体Lを流す。そして、同様の流体Lの流動を次々のポンプ段6で行い、最上方に位置する案内羽根部5の吐出端からケーシング部2の他端部23に流体Lを揚げ、逆止弁25を開状態にして、ポンプ1から流体Lを外部(配管)に吐出する。
上記の構成からなるポンプ1では、主軸3の軸線31に対して直交する平面で切断して得られる、インペラ4のインペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の断面積(図3に示すインペラ旋回空間断面積D2)が、インペラ4の流入口(流入端)の断面積(図3に示すインペラ流入口断面積D1)に比べて、230%以上275%以下である。また、インペラ側壁部43の径(直径)が、案内羽根側壁部53の径(直径)より小さい(図8に示すインペラ径比率参照)。具体的には、インペラ側壁部43の径が、案内羽根側壁部53の径に比べて78%以上100%未満となっている。さらに、インペラ側壁部43の径が、案内羽根側壁部53の径に比べて82.5%超88.0%以下とすることが好ましい。なお、後述する図8に示すグラフでは、便宜上、インペラ径比率としているが、インペラ羽根42や案内羽根52は夫々面方向に曲がる曲率を有する部材であり、ここでいうインペラ径比率の対象は、インペラ側壁部43の径と及び案内羽根側壁部53の径である。また、インペラ側壁部43の径が、インペラ4の流入口(流入端)の内径に比べて161%以上171%以下であり、インペラ4の遠心側の外方にある旋回空間61の外径が、インペラ側壁部43の外径に比べて129%以上137%以下とすることが好ましい。ここでいう外径は、主軸3の軸線31に対して直交する平面で切断して得られる平面視における外径である(図2参照)。
また、ポンプ1の回転数が4000min−1以上の高速回転において、ポンプ段1段あたりの比速度が300以上400以下である。この比速度は、ポンプの回転数とインペラ4の外径により調整して設定される。ここでいう比速度とは、1mの揚程において1m/minの揚水量をうるようにした時の回転速度min−1の値である。なお、比速度Ns=nQ1/2/H3/4に、回転速度(n)、揚水量(Q)、全揚程(H)を代入して、ポンプの比速度(Ns)を算出している。ここでの、比速度は最高効率点の値を指す。ポンプ段1段あたりの比速度の計算例を次に示す。最高効率点における揚水量が0.15m/min、全揚程が50mの多段ポンプ(5段)において、ポンプ回転数を5000min−1と設定すると、1段あたりの全揚程が10mとなり、前記計算式に代入して計算すると、1段あたりの比速度は5000×0.151/2/103/4=344min−1となる。
本実施の形態では、実際に図1に示すポンプ1を用いてポンプ性能及びモータ性能を測定し、ポンプ効率を導出した。その結果を図8,9に示す。なお、本実施の形態にかかるポンプ1は、ポンプ1の回転数が4000min−1以上である高速回転に対応した多段遠心ポンプである。
図8のグラフでは、横軸をインペラ羽根42と案内羽根52の直径比(具体的には、インペラ側壁部43の直径が、案内羽根側壁部53の直径との比で算出)の比率(インペラ径比率)とし、縦軸をポンプ効率とする。また、図9のグラフでは、横軸をインペラ旋回空間断面積D2とインペラ流入口断面積D1との比率(インペラ面積比率)とし、縦軸をポンプ効率とする。また、図10のグラフでは、横軸をインペラ羽根42の直径とインペラ流入口の直径との比率(具体的には、インペラ側壁部43の直径とインペラ流入口の直径との比で算出)の比率(インペラ内外径比率)とし、縦軸をポンプ効率とする。図11のグラフでは、横軸をインペラ4のインペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の内径とインペラ羽根42の直径(具体的には、インペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の内径とインペラ側壁部43の直径との比で算出)の比率(インペラ側壁部遠心側旋回空間径比率)とし、縦軸をポンプ効率とする。また、ポンプ効率は、次の通り導出した。なお、ポンプ1の出口配管で揚水量(Q)、全揚程(H)を計測し、揚水量(Q)は流量計を使用して計測し、全揚程(H)は圧力計を使用して計測した。なお、全揚程の計測には、圧力計((株)共和電業WGC−140A,PG−20KU)を用い、揚水量の計測には、電磁流量計(横河電機(株)AE205SG−AJ1−LSJ−A1DH)を用いている。また、モータにはDC出力のDCモータを用いる。
本実施の形態では、ポンプ1の理論動力/モータ出力によりポンプ効率を導出した。なお、ポンプ水動力Pw=ρgQH/1000に、揚水量(Q)、全揚程(H)、重力加速度(g)、水の密度(ρ)を代入して水動力(Pw)を算出し、これをポンプ1の理論動力としている。また、モータ出力について当業者周知の計測により導出した。ここでいう水動力とは、ポンプ1の運転時、ポンプ1が単位時間に流体に与える有効エネルギーのことをいう。
本試験の結果、インペラ径比率に対するポンプ効率では、図8に示すように、インペラ側壁部43の径が、案内羽根側壁部53の径に比べて78%以上100%未満でポンプ効率が向上していることが分かる。特に、具体的な実施例では、インペラ側壁部43の径が、案内羽根側壁部53の径に比べて82%以上90%以下でポンプ効率の向上が著しい。このように、インペラ羽根42の直径と案内羽根52の直径とを同じ長さとした従来のもの(インペラ径比率が100%のもの)に比べてポンプ効率が向上していることは明らかである。特に、インペラ径比率を82.5%超88.0%以下にすれば、インペラ径比率が100%のポンプに対して少なくとも3.2%以上、ポンプ効率を向上させることができる。
また、本試験の結果、インペラ面積比率に対するポンプ効率では、図9に示すように、インペラ旋回空間断面積D2をインペラ流入口断面積D1に比べて255%に設定することでポンプ効率がピーク(最高出力値)になることが分かる。また、図9に示すように、本実施の形態にかかるポンプ1の構成によれば、インペラ面積比率を230%以上275%以下に設定することで、ポンプ効率を69%以上とすることができ、ポンプ効率を向上させることができる。これに対して、従来技術は、インペラ面積比率が100%近傍もしくは、350%以上に設定されており、ポンプ効率が悪く、本実施の形態に示すようなインペラ面積比率を230%以上275%以下に設定するポンプを、現在発明者は確認できていない。
また、本試験の結果、インペラ内外径比率に対するポンプ効率では、図10に示すように、インペラ側壁部の径が、インペラ流入口の内径に比べて166%に設定することでポンプ効率がピーク(最高出力値)になることが分かる。また、図10に示すように、本実施の形態にかかるポンプ1の構成によれば、インペラ側壁部の径が、インペラ流入口の内径に比べて161%以上171%以下に設定することで、ポンプ効率を69%以上とすることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
また、本試験の結果、インペラ側壁部遠心側旋回空間径比率に対するポンプ効率では、図11に示すように、インペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の内径がインペラ側壁部43の径に比べて134%に設定することでポンプ効率がピーク(最高出力値)になることが分かる。また、図11に示すように、本実施の形態にかかるポンプ1の構成によれば、インペラ側壁部43の遠心側外方の旋回空間61の内径がインペラ側壁部の径に比べて129%以上137%以下に設定することで、ポンプ効率を69%以上とすることができ、ポンプ効率を向上させることができる。
本実施の形態にかかるポンプによれば、インペラ羽根42と案内羽根52を備え、流体Lに遠心力を発生させるポンプ1において、流体Lの流力損失を抑制し、その結果、ポンプ効率を向上させることができる。
また、案内羽根52に傾斜部55が形成されているので、案内羽根52に流入する流体Lの流れに衝突が生じにくくなり、その結果、流体Lの流力損失を抑制してポンプ効率を上昇させることができる。
本発明は、深井戸対応の多段遠心ポンプに有用である。
1 ポンプ
11 流路
2 ケーシング
21 一端部
22 吸込口
23 他端部
24 吐出口
25 逆止弁
26 中央部
27 ケーシング留部
28 ケーシング
3 主軸
31 軸線
4 インペラ
41 第1貫通孔
42 インペラ羽根
43 インペラ側壁部
5 案内羽根部
51 第2貫通孔
52 案内羽根
53 案内羽根側壁部
54 遠心縁
55 傾斜部
6 ポンプ段
61 旋回空間
62 間隙
7 スリーブ
8 シール部材
9 滑り軸受
L 流体
D1 インペラ流入口断面積
D2 インペラ旋回空間断面積

Claims (5)

  1. 軸回転する主軸と、
    前記主軸に回転一体に設けられ、回転により中心側から流体を吸い込んで遠心側に吐出するインペラと、
    遠心側から中心側への流体の流れを整流する案内羽根部と、
    前記主軸および前記インペラを内部に回転自在に収容するとともに、前記案内羽根部を内部に固設したケーシング部と、
    が設けられ、
    前記ケーシング部内に、前記主軸の軸方向であって流体の流動方向に沿って、前記インペラ、前記案内羽根部が順に配され、
    前記インペラと前記案内羽根部とを対とするポンプ段が、複数個、前記ケーシング部内に、前記主軸の軸方向に沿って配され、
    前記インペラには、その中央に前記主軸を挿設する第1貫通孔が形成され、複数枚のインペラ羽根が配備されるとともに、複数枚の前記インペラ羽根の側面に接し、前記第1貫通孔に挿設した前記主軸を中心とした円板状のインペラ側壁部が備えられ、
    前記案内羽根部には、その中央に前記主軸を挿設する第2貫通孔が形成され、複数枚の案内羽根が配備されるとともに、複数枚の前記案内羽根の側面に接し、前記第2貫通孔に挿設した前記主軸を中心とした円板状の案内羽根側壁部が備えられ、
    前記インペラ側壁部の径が、前記案内羽根側壁部の径より小さく、
    前記インペラと前記案内羽根部との間には、流体の流路として構成される旋回空間のみが存在し、前記旋回空間は、前記インペラ側壁部の遠心側の外方と、前記案内羽根側壁部の遠心側の外方に、それぞれ形成された空間であり、
    前記主軸の軸線に対して直交する平面で切断して得られる、前記インペラ側壁部の遠心側外方の前記旋回空間の断面積が、前記インペラの流入口の断面積に比べて、230%以上275%以下である
    ことを特徴とする多段ポンプ。
  2. 請求項1に記載の多段ポンプにおいて、
    前記案内羽根の遠心縁は、前記案内羽根側壁部の外径より大きく形成され、
    前記案内羽根の遠心縁に軸方向に対して傾斜した傾斜部が形成されている
    ことを特徴とする多段ポンプ。
  3. 請求項1または2に記載の多段ポンプにおいて、
    前記インペラ側壁部の径が、前記案内羽根側壁部の径に比べて82.5%超88.0%以下となる
    ことを特徴とする多段ポンプ。
  4. 請求項1乃至3のうちいずれか1つに記載の多段ポンプにおいて、
    前記ケーシングの幅寸法の直径が、90mm以下であり、インペラ側壁部の径が、インペラ流入口の内径に比べて161%以上171%以下である
    ことを特徴とする多段ポンプ。
  5. 請求項1乃至4のうちいずれか1つに記載の多段ポンプにおいて、
    ポンプの回転数が4000min−1以上において、前記ポンプ段1段あたりの比速度が300以上400以下であり、
    前記比速度は、ポンプの回転数と前記インペラの外径により設定されることを特徴とする多段ポンプ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20220158457A (ko) * 2021-05-24 2022-12-01 한국생산기술연구원 다단 원심 펌프

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