JP2018090617A - アンジオテンシンii受容体拮抗薬を含有する口腔内崩壊錠 - Google Patents

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Abstract

【課題】口腔内での崩壊速度が良好でありながら、過酷な保存条件下での化学的な安定性が改善されたアンジオテンシンII受容体拮抗薬を含有する口腔内崩壊錠、を開発すること。【解決手段】アンジオテンシンII受容体拮抗薬及び、pHが5.0以下である有機酸又は有機酸塩を含む口腔内崩壊錠を提供する。アンジオテンシンII受容体拮抗薬はイルベサルタン、オルメサルタンメドキソミル、バルサルタン等から選択されることが好ましく、有機酸はフマル酸、リンゴ酸、コハク酸等から選択されることが好ましい。【選択図】なし

Description

本発明は原薬としてイルベサルタン等のアンジオテンシンII受容体拮抗薬を含有する錠剤に関するものであり、保存時における原薬の化学的な安定性を改善するための詳細な方法を開示するものである。
イルベサルタン(一般名)は、化学名が2−ブチル−3−{4−[2−(1H−テトラゾール−5−イル)フェニル]ベンジル}−1,3−ジアザスピロ[4.4]ノン−1−エン−4−オンと記される長期作用性アンジオテンシンII受容体拮抗薬であり、高血圧症および心不全などの心臓血管疾患の治療に特に有用である(非特許文献1参考)。
現在、イルベサルタンは錠剤の剤形で医療現場に提供されているが、口腔内崩壊錠の剤形では医療現場に提供されていない。
口腔内崩壊錠は近年開発された剤形であり、唾液程度の少量の水で素早く崩壊する性質をもつことから、普通錠に比べて服用時の利便性が高いことが一般に知られる。そのため、イルベサルタンについても患者の服用性の向上のために口腔内崩壊錠の開発は当然に望まれることである。しかし一般的に、口腔内崩壊錠は普通錠と技術的な相違点を有しており、原薬の化学的な安定性等の品質を保証することが困難である場合が多い。
イルベサルタンを含有する口腔内崩壊錠の具体的な構成は、以下の特許文献1、2で開示されている。特許文献1及び2では、イルベサルタンと賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢剤を含む錠剤が開示されており、其の錠剤はイルベサルタンの溶出性や口腔内での崩壊速度、錠剤硬度が改善された効果をもつことが記載される。
本発明者は先行技術に対して、より高品質なイルベサルタンを含有する口腔内崩壊錠を製造するため、口腔内での良好な崩壊速度を保ちながら過酷な保存条件下でのイルベサルタンの化学的な安定性を改善する錠剤技術の開発を目指した。
特許第5296456号公報 特許第5714652号公報
「アバプロ(登録商標)錠50mg アバプロ(登録商標)錠100mg アバプロ(登録商標)錠200mg」医薬品インタビューフォーム 2014年10月改訂(第9版)
本発明は、口腔内での良好な崩壊速度を保ちながら、高温高湿度の過酷な環境下に保存した場合における化学的な安定性が改善されたイルベサルタンを含有する口腔内崩壊錠、を製造するための技術的手段を提供することを目的とするものである。
本発明者は上記の課題を解決するべく鋭意検討した結果、イルベサルタンとフマル酸を含有する口腔内崩壊錠は、高温高湿度環境下に保存した場合にイルベサルタンの化学的な安定性が有意に改善され、さらには口腔内での崩壊速度が有意に良好であることを見出した。本発明者はその知見に基づいて更に鋭意検討を重ね、下記の本発明を完成するに至った。
本発明は、イルベサルタン等のアンジオテンシンII受容体拮抗薬及び酸性の有機酸又は有機酸塩を含む錠剤に関するものであり、その好ましい構成は以下(1)〜(4)において記述されるものである。
(1)アンジオテンシンII受容体拮抗薬及び、pHが5.0以下である有機酸又は有機酸塩を含む口腔内崩壊錠。
(2)アンジオテンシンII受容体拮抗薬がカンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、オルメサルタンメドキソミル、イルベサルタン、プラトサルタン、タソサルタンから選択される、前記(1)に記載の口腔内崩壊錠。
(3)有機酸又は有機酸塩が無水クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸二水素ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、コハク酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、エデト酸二ナトリウム、リンゴ酸から選択される、前記(1)又は(2)に記載の口腔内崩壊錠。
(4)素錠の全重量に対して35.0〜65.0重量%のイルベサルタンを含む顆粒を、素錠の全重量に対して0.1〜5.0重量%の有機酸又は有機酸塩と混合後に打錠して素錠を製造する工程を介する、前記(1)〜(3)のいずれかに記載の口腔内崩壊錠を製造する方法。
本発明の錠剤は、高温高湿度環境下に保存した場合において原薬由来の類縁物質の発生量が顕著に抑制されていて化学的な安定性が高く、さらに口腔内での崩壊速度が顕著に速い効果を有した高品質な錠剤を、医療現場に提供することを可能にする。
以下で本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬及び酸性の有機酸又は有機酸塩を含む錠剤の処方及び製造方法を詳細に説明する。但し以下の記載は本発明を説明するための例示であり、本発明の技術的範囲をこの記載範囲にのみ限定する趣旨ではない。
<アンジオテンシンII受容体拮抗薬>
本発明の錠剤の製造に使用されるアンジオテンシンII受容体拮抗薬は、カンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、テルミサルタン、オルメサルタンメドキソミル、ロサルタンカリウム、イルベサルタン、アジルサルタンメドキソミル、エプロサルタンメシル酸塩、プラトサルタン、タソサルタン等から選択されるが、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、バルサルタン、オルメサルタンメドキソミル、イルベサルタン、プラトサルタン、タソサルタンより選択され、最も好ましくはイルベサルタンである。
アンジオテンシンII受容体拮抗薬(特にイルベサルタン)の平均粒子径(d50)は1.0〜15.0μmが好ましく、より好ましくは7.0〜12.0μmである。イルベサルタンは、必要に応じて適宜乾式又は湿式粉砕を行い、任意の粒子径に調整することも可能である。イルベサルタンは素錠(フィルムコーティング層で覆われていない錠剤を指す)部分に含有され、素錠の全重量に対して好ましくは35.0〜65.0重量%の範囲で含有され、より好ましくは45.0〜55.0重量%の範囲で含有される。
<錠剤の形態>
本発明の錠剤は普通錠又は口腔内崩壊錠の剤形であるが、特に好ましくは口腔内崩壊錠の剤形である。本発明の錠剤(特に口腔内崩壊錠)は素錠のままであることが好ましいが、必要に応じてフィルムコーティング錠剤にすることは可能である。本発明で得られる錠剤の形状は、円形錠、円形R錠、円形隅角錠、円形2段R錠や異形錠等のいずれの形状でもよいが、好ましくは異形錠である。異形錠とした場合の形状は好ましくは楕円形であり、その大きさは長径が8〜16mm、短径が4〜8mm、厚さが2〜6mmの範囲にあることが好ましい。
<素錠の製造に使用可能な添加物>
本発明の錠剤に係る素錠の製造に用いられる、医薬的に許容可能な医薬添加物としては、通常使用されている賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑択剤、嬌味剤、界面活性剤、着色剤等が使用できる。
<賦形剤>
使用可能な賦形剤は、トウモロコシデンプン、乳糖水和物、結晶セルロース、無水乳糖、D−マンニトール等から選択されるが、好ましくはトウモロコシデンプン又はD−マンニトールである。賦形剤は素錠の全重量に対して好ましくは15.0〜50.0重量%の範囲で錠剤中に含有され、より好ましくは35.0〜45.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<崩壊剤>
使用可能な崩壊剤は、例えば、トウモロコシデンプン、低置換度ヒドロキシプロピルセルロース、カルメロース、カルメロースカルシウム、カルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン等から選択されるが、好ましくはクロスポビドンである。崩壊剤は素錠の全重量に対して好ましくは2.0〜20.0重量%の範囲で錠剤中に含有され、より好ましくは4.0〜12.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<結合剤>
本発明に係る結合剤は、例えば、ヒプロメロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポビドン、糊化デンプン等から選択されるが、好ましくはヒプロメロースである。結合剤は素錠の全重量に対して好ましくは0.05〜2.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<滑択剤>
本発明に係る滑沢剤は、例えば、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウムから選ばれ、好ましくはフマル酸ステアリルナトリウムである。滑択剤は素錠の全重量に対して好ましくは0.5〜4.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<嬌味剤>
本発明に係る嬌味剤は、アスコルビン酸、L−アスパラギン酸、アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムカリウム、ソーマチン等を挙げる事ができる。矯味剤は、素錠の全重量に対して好ましくは0.5〜10.0重量%の範囲で錠剤中に含有される。
<酸性の有機酸又は有機酸塩>
本発明のアンジオテンシンII受容体拮抗薬(特にイルベサルタン)を含有する錠剤は、高温高湿の保存条件下での原薬の化学的な安定性や口腔内での崩壊速度を向上させるために酸性の有機酸又は有機酸塩を含有する。本発明における酸性の有機酸又は有機酸塩は其の2.0%濃度(w/w)の水溶液又は懸濁液のpHが5.5以下となることが好ましく、より好ましくはpHが5.0以下となるものである。
具体的な酸性の有機酸又は有機酸塩としては、無水クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸二水素ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、コハク酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、エデト酸二ナトリウム、リンゴ酸等が挙げられるが、好ましくはフマル酸、フマル酸一ナトリウム、リンゴ酸、コハク酸、無水クエン酸であり、最も好ましくはフマル酸である。
酸性の有機酸又は有機酸塩は、素錠の全重量に対して好ましくは0.01〜20.0重量%の範囲で含有され、より好ましくは0.1〜15.0重量%の範囲で含有され、さらにより好ましくは0.5〜10.0重量%の範囲で含有される。酸性の有機酸又は有機酸塩は、造粒物中に含まれていないことが好ましく、他の医薬添加物又は医薬添加物を含む顆粒と共に混合後に造粒の工程を介さずに打錠されて成型されることが好ましい。
<素錠の製造方法>
本発明の錠剤に係る素錠の製造方法は、例えば、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(特にイルベサルタン)と希釈剤や崩壊剤等の医薬添加物を混合した粉末に結合剤を水に溶解した液を加えて湿式高速撹拌造粒を行って顆粒を製造する工程を介して行われる。本発明で使用する高速撹拌造粒機は、例えば、バーチカルグラニュレーター(株式会社パウレック)やハイスピードミキサー(アーステクニカ)である。撹拌槽の底部に水平回転をする撹拌羽根を有し、側面には造粒物を解砕するための補助羽根を有する場合がある。混合粉末を撹拌層に仕込み、撹拌羽根を高速で回転させながら結合剤を水に溶解した液を加えて造粒を行う。撹拌羽根の回転速度は毎分50〜500回転である。得られた顆粒は流動層乾燥機又は真空乾燥機によって乾燥され、整粒機によって整粒された後、崩壊剤や滑択剤等と共に混合した後に打錠機によって圧縮成形されて錠剤とされることが好ましい。圧縮成形する際の打圧は、300〜600kgfの範囲内にあることが好ましい。上記の顆粒は素錠の全重量に対して2.0〜10.0重量%の崩壊剤を含むことが好ましい。
以下に実施例等により本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。
100mgのイルベサルタンを含有する1錠211mgの錠剤の調製について説明する。実施例1の錠剤は、表1に示す成分を用いて、湿式高速撹拌造粒法により調製した。
イルベサルタン100.0g、D−マンニトール67.8g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0gを高速撹拌造粒機(VG−01、パウレック社製)で混合した。別にヒプロメロース0.2gを水52mLに溶解し、これを高速撹拌造粒機内の混合粉末に添加して毎分370回転で2分間撹拌し、湿式造粒を行った。得られた顆粒を流動層乾燥機(MP−01、パウレック社製)で乾燥し、乾燥した顆粒を30メッシュの篩にて篩過した。
得られた整粒末180.5gに、スクラロース12.0g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0g、フマル酸ステアリルナトリウム5.0g、フマル酸1.0gを加えて混合機で混合した。混合末をロータリー打錠機(VELA5、菊水製作所製)で打圧500kgfで圧縮成形(長径:11.0mm、短径:5.7mm、厚さ:4.2mm)して重量211mgの錠剤(楕円形異形錠)を得た。
100mgのイルベサルタンを含有する1錠212mgの錠剤の調製について説明する。実施例2の錠剤は、表1に示す成分を用いて、湿式高速撹拌造粒法により調製した。
イルベサルタン100.0g、D−マンニトール67.8g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0gを高速撹拌造粒機(VG−01、パウレック社製)で混合した。別にヒプロメロース0.2gを水52mLに溶解し、これを高速撹拌造粒機内の混合粉末に添加して毎分370回転で2分間撹拌し、湿式造粒を行った。得られた顆粒を流動層乾燥機(MP−01、パウレック社製)で乾燥し、乾燥した顆粒を30メッシュの篩にて篩過した。
得られた整粒末180.5gに、スクラロース12.0g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0g、フマル酸ステアリルナトリウム5.0g、フマル酸2.0gを加えて混合機で混合した。混合末をロータリー打錠機(VELA5、菊水製作所製)で打圧500kgfで圧縮成形(長径:11.0mm、短径:5.7mm、厚さ:4.2mm)して重量212mgの錠剤(楕円形異形錠)を得た。
100mgのイルベサルタンを含有する1錠217.5mgの錠剤の調製について説明する。実施例3の錠剤は、表1に示す成分を用いて、湿式高速撹拌造粒法により調製した。
イルベサルタン100.0g、D−マンニトール69.0g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン9.0gを高速撹拌造粒機(VG−01、パウレック社製)で混合した。別にスクラロース10.0gを水50mLに溶解し、これを高速撹拌造粒機内の混合粉末に添加して毎分370回転で2分間撹拌し、湿式造粒を行った。得られた顆粒を流動層乾燥機(MP−01、パウレック社製)で乾燥し、乾燥した顆粒を30メッシュの篩にて篩過した。
得られた整粒末195.5gに、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン10.0g、フマル酸ステアリルナトリウム2.5g、フマル酸2.0gを加えて混合機で混合した。混合末をロータリー打錠機(VELA5、菊水製作所製)で打圧400kgfで圧縮成形(長径:11.0mm、短径:5.7mm、厚さ:4.5mm)して重量217.5mgの錠剤(楕円形異形錠)を得た。
[比較例1]
100mgのイルベサルタンを含有する1錠210mgの錠剤の調製について説明する。比較例1の錠剤は、表1に示す成分を用いて、湿式高速撹拌造粒法により調製した。
イルベサルタン100.0g、D−マンニトール67.8g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0gを高速撹拌造粒機(VG−01、パウレック社製)で混合した。別にヒプロメロース0.2gを水52mLに溶解し、これを高速撹拌造粒機内の混合粉末に添加して毎分370回転で2分間撹拌し、湿式造粒を行った。得られた顆粒を流動層乾燥機(MP−01、パウレック社製)で乾燥し、乾燥した顆粒を30メッシュの篩にて篩過した。
得られた整粒末180.5gに、スクラロース12.0g、トウモロコシデンプン7.5g、クロスポビドン5.0g、フマル酸ステアリルナトリウム5.0gを加えて混合機で混合した。混合末をロータリー打錠機(VELA5、菊水製作所製)で打圧500kgfで圧縮成形(長径:11.0mm、短径:5.7mm、厚さ:4.2mm)して重量210mgの錠剤(楕円形異形錠)を得た。
実施例1、2、3並びに比較例1で得られた各々の錠剤の処方を表1にまとめて記載した。
Figure 2018090617
[試験例1]
実施例1、2、3並びに比較例1で得られた各々の錠剤について、口腔内崩壊錠試験機(OD−mate、樋口商会社製)を用いて、試験液:水(37℃)の条件にて錠剤が崩壊する時間を測定した。また錠剤硬度計(PC−30、岡田精工製)を用いて硬度を測定した。それらの測定した結果を表2に示した。
Figure 2018090617
[試験例2]
実施例1、2並びに比較例1で得られた各々の錠剤について、製造直後及び、温度60℃相対湿度75%の環境下で1週間保存後に、錠剤中のイルベサルタン由来の総類縁物質量をHPLC法で測定した。其の測定した結果は下記の表3に示す。
Figure 2018090617
表2において、フマル酸を使用した実施例1〜3は崩壊時間が22〜25秒であるのに対し、フマル酸を使用していない比較例1は35秒であり、顕著な崩壊速度の差が観察された。そのため、フマル酸は口腔内での錠剤の崩壊速度を大きく速める効果があることが示唆された。
また、表3において、フマル酸を使用した実施例1及び2は高温高湿度条件下で保存後の総類縁体量の増加量が顕著に低かったが、フマル酸を使用していない比較例1は顕著に高かった。そのため、フマル酸は原薬の化学的な安定性に大きく寄与することが示唆され、実施例1に比べて実施例2の方が保存後の総類縁体量の増加量が有意に低かったことから、フマル酸量の増加は原薬の化学的な安定性に大きく寄与することも示唆された。
よって、本願発明の錠剤は、保存条件下での原薬の化学的な安定性並びに口腔内での崩壊性が著しく良好であることが示された。
本発明によれば、過酷な保存条件時の原薬の化学的な安定性が顕著に改善された効果と口腔内での崩壊速度が良好な効果を有する、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(特にイルベサルタン)を含有する高品質な錠剤を医療現場に提供することを可能にする。

Claims (4)

  1. アンジオテンシンII受容体拮抗薬及び、pHが5.0以下である有機酸又は有機酸塩を含む口腔内崩壊錠。
  2. アンジオテンシンII受容体拮抗薬がイルベサルタンである、請求項1に記載の口腔内崩壊錠。
  3. 有機酸又は有機酸塩が無水クエン酸、クエン酸一水和物、クエン酸二水素ナトリウム、コハク酸一ナトリウム、フマル酸、フマル酸一ナトリウム、コハク酸、アジピン酸、アスコルビン酸、安息香酸、エデト酸二ナトリウム、リンゴ酸から選択される、請求項1又は2に記載の口腔内崩壊錠。
  4. 素錠の全重量に対して35.0〜65.0重量%のイルベサルタンを含む顆粒を、素錠の全重量に対して0.1〜15.0重量%の有機酸又は有機酸塩と混合後に打錠して素錠を製造する工程を介する、請求項2又は3に記載の口腔内崩壊錠を製造する方法。
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