JP2018090579A - アシルアミノ酸高配合組成物 - Google Patents
アシルアミノ酸高配合組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018090579A JP2018090579A JP2017229692A JP2017229692A JP2018090579A JP 2018090579 A JP2018090579 A JP 2018090579A JP 2017229692 A JP2017229692 A JP 2017229692A JP 2017229692 A JP2017229692 A JP 2017229692A JP 2018090579 A JP2018090579 A JP 2018090579A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- composition
- composition according
- weight
- group
- general formula
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Landscapes
- Cosmetics (AREA)
Abstract
Description
さらに、低分子ジオール類については使用感や処方への影響が大きいという問題があり、あまり配合量を増やすことは好ましくなく、場合によっては低刺激性の要件も満たさない場合がある。
[1]以下の(A)、(B)及び(C)を含む組成物:
(A)一般式(I)で表されるアシルプロリン及びその塩:
一般式(II)で表されるアシルグリシン及びその塩:
からなる群から選択される少なくとも1種
(B)一般式(III)で表される化合物又はその塩:
(C)多価アルコール。
[2](A)一般式(I)中R1−CO−で表されるアシル基が炭素原子数8〜12の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基である[1]に記載の組成物。
[3](A)が、デカノイルプロリン及びオクタノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である[1]又は[2]のいずれかに記載の組成物。
[3−1](A)一般式(I)で表されるアシルプロリンが、オクタノイルプロリン、デカノイルプロリン、ウンデシレノイルプロリン及びラウロイルプロリンからなる群から選択される少なくとも1種である[1]又は[2]のいずれかに記載の組成物。
[3−2](A)一般式(II)で表されるアシルグリシンが、オクタノイルグリシン、ウンデシレノイルグリシン及びデカノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である[1]又は[2]のいずれかに記載の組成物。
[3−3](A)が、デカノイルプロリン、オクタノイルグリシン及びウンデシレノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である[1]又は[2]のいずれかに記載の組成物。
[4](A)が、デカノイルプロリンである[1]〜[3]のいずれかに記載の組成物。
[5](B)一般式(III)で表される化合物が、
[5−1]
(B)一般式(III)で表される化合物が、
[6](B)一般式(III)で表される化合物が、4−ヒドロキシアセトフェノンである、[1]〜[5]のいずれかに記載の組成物。
[7](C)が1,2-ペンタンジオール及びジプロピレングリコールから選択される少なくとも1種である、[1]〜[6]のいずれかに記載の組成物。
[8]更に(D)キレート剤を含む[1]〜[7]のいずれかに記載の組成物。
[9](D)キレート剤が、ペンテト酸又はその塩である[8]に記載の組成物。
[10](D)キレート剤が、ペンテト酸5ナトリウムである[9]に記載の組成物。
[11]組成物中の(A)の含有量が、10重量%以上である[1]〜[10]のいずれかに記載の組成物。
[12]組成物中の(A)の含有量が、15重量%以上である[1]〜[11]のいずれかに記載の組成物。
[13]組成物中の(A)の含有量が、15〜30重量%である[1]〜[12]のいずれかに記載の組成物。
[14]組成物中の(B)の含有量が、5〜20重量%である[1]〜[13]のいずれかに記載の組成物。
[15]組成物中の(C)の含有量が、10〜60重量%である[1]〜[14]のいずれかに記載の組成物。
[16]組成物中の(D)の含有量が、0.01〜0.5重量%である[8]〜[15]のいずれかに記載の組成物。
[17](A)及び(C)の総和の(B)に対する重量比((A)+(C))/(B)が2.8を超える[1]〜[16]のいずれかに記載の組成物。
[18]pHが5.5〜6.5であることを特徴とする[1]〜[17]のいずれかに記載の組成物。
[19]液状であることを特徴とする[1]〜[18]のいずれかに記載の組成物。
[20]抗菌用又は防腐用組成物である[1]〜[19]のいずれかに記載の組成物。
[21][1]〜[20]のいずれかに記載の組成物を含む化粧料。
[22][1]〜[20]のいずれかに記載の組成物を化粧料に添加する工程を含む化粧料の防腐方法であって、化粧料の総重量に対して該組成物0.1〜10重量%を化粧料に添加することを特徴とする方法。
本発明によれば、広いpHにおいて細菌だけでなくカビ等の繁殖を阻止し保存性に優れた化粧料を提供することができる。
さらに本発明によれば、所望の外観を有し使用感に優れた化粧料を提供することができる。
本発明におけるアシルプロリンは、一般式(I)で表される。
R1−CO−で表されるアシル基は、炭素原子数4〜18の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、すなわち当該飽和又は不飽和脂肪酸のアシル残基であり、例としては、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基、ペンタノイル基、sec−ペンタノイル基、tert−ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、tert−オクタノイル基、ノナノイル基、イソノナノイル基、デカノイル基、イソデカノイル基、ウンデカノイル基、ラウロイル基、ウンデシレノイル基、ミリストイル基、パルミトイル基及びステアロイル基が挙げられる。
従って、式中R1は炭素原子数3〜17の炭化水素基を示す。「炭化水素基」としては、例えば、アルキル基及びアルキニル基等の鎖状炭化水素基が挙げられるが、鎖状炭化水素基が好ましく、直鎖又は分岐鎖のものをいずれも使用することができる。なかでもアルキル基がより好ましい。「炭化水素基」の炭素原子数は5〜13が好ましく、7〜11がより好ましく、7〜9がさらに好ましい。
本発明におけるアシルグリシンは、一般式(II)で表される。
R2−CO−で表されるアシル基は、炭素原子数6〜12の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基、すなわち当該飽和又は不飽和脂肪酸のアシル残基であり、例としては、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、tert−オクタノイル基、ノナノイル基、イソノナノイル基、デカノイル基、イソデカノイル基、ウンデシレノイル基、ウンデカノイル基及びラウロイル基が挙げられる。
混合して使用する場合は、アシルプロリン又はその塩を1重量部とした場合に、アシルグリシン又はその塩は、通常0.01〜50重量部であり、0.1〜20重量部が好ましく、0.1〜10重量部がより好ましい。
本発明における(B)は、下記一般式(III)で表される化合物又はその塩である:
(III-a)アセトフェノン
本発明において、多価アルコールとは、1分子内に水酸基を2個以上有する化合物である。例えばグリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコール(1,2−プロパンジオール)、ブチレングリコール(1,3−ブタンジオール)、ペンチレングリコール、メチルプロパンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール(2−メチル−2,4−ペンタンジオール))、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、イソプレングリコール、シクロヘキシルグリセリン、低重合ポリエチレングリコール、マルチトール、エリトリトール、マンニトール、キシリトール、ソルビトールが挙げられる。
なかでも長期保存安定性及び入手の容易さ及び(B)成分との相溶性の点から、炭素数2〜20の多価アルコールが好ましく、炭素数3〜12の多価アルコールがより好ましい。具体的には1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールが好ましく、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオールがより好ましく、長期保存安定性の観点から、1,2−ペンタンジオール、ジプロピレングリコールが特に好ましい。
これらの多価アルコールは1種又は2種以上を組み合わせて使用しうる。
前記多価アルコールは、市販品、化学合成法、動物や植物に由来する天然のもの、発酵法又は遺伝子組換法によって得られるもののいずれを使用してもよい。
本発明の組成物を長期保存安定性の観点から(D)成分として、キレート剤を含むことが好ましい。
具体的なキレート剤としては、長期保存安定性及び入手の容易さの点から、エチドロン酸、ペンテト酸、EDTA及びそれらの塩が挙げられる。なかでもエチドロン酸、ペンテト酸及びそれらの塩が好ましく、長期保存安定性の観点から、ペンテト酸又はその塩がより好ましく、配合のしやすさの観点から、ペンテト酸5ナトリウムが特に好ましい。
水としては、硬水、軟水の何れでもよく、例えば、井戸水、天然水、地下水、水道水、イオン交換水、精製水、蒸留水、超純水等を使用することができる。
(A)、(B)、(C)及び(D)の添加量は、化粧料の総重量に対して、通常(A)、(B)、(C)及び(D)の合計量0.1〜10重量%であり、0.5〜8重量%が好ましく、1〜5重量%がより好ましい。
本発明の防腐増強剤においては、(B)が1重量部に対して、(A)は、通常0.1〜25重量部、好ましくは0.2〜15重量部、より好ましくは1〜14重量部となるように配合することを特徴とする。他の定義等は既述に準ずる。
プロリン(味の素社製)34.54gを100gの水に溶解後、デカノイルクロライド(東京化成社製)52.01gと25%水酸化ナトリウム水溶液をpH12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水と酢酸エチルを加え、水層を除去した。酢酸エチルを減圧留去し、デカノイルプロリンを68.12g得た。
合成例1で得られたデカノイルプロリンを、適当な量の水と懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを5まで中和することにより、デカノイルプロリンナトリウム塩を得た。
グリシン(味の素社製)とオクタノイルクロライド(東京化成社製)を用い、合成例1と類似の方法でオクタノイルグリシンを合成した。すなわち、グリシン(味の素社製)を水に溶解し、オクタノイルクロライド(東京化成社製)と25%水酸化ナトリウム水溶液をpH12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水と酢酸エチルを加え、水層を除去した。酢酸エチルを減圧留去し、オクタノイルグリシンを得た。
合成例3で得られたオクタノイルグリシンを、適当な量の水と懸濁後、水酸化ナトリウムでpHを7.5まで中和することにより、オクタノイルグリシンナトリウム塩を得た。
グリシン(味の素社製)とウンデシレノイルクロライド(東京化成社製)を用い、合成例1と類似の方法でウンデシレノイルグリシンを合成した。すなわち、グリシン(味の素社製)を水に溶解し、ウンデシレノイルクロライド(東京化成社製)と25%水酸化ナトリウム水溶液をpH12に調整しながら加えた。75%硫酸を加えて中和し、水層を除去後、さらに水と酢酸エチルを加え、水層を除去した。酢酸エチルを減圧留去し、ウンデシレノイルグリシンを得た。
(1)組成物の調製
表1に記載の(A)、(B)、(C)及び(D)成分ならびにその他の成分を含む組成物及び水を表1に記載の濃度で混合した後、pHをNaOHで5付近に調整し、45℃にて加熱溶解した。室温まで放冷した後、pHをNaOHで6に調整し各組成物を以下の評価に使用した(表中数字は、配合量(g)を示す。またC10Proはデカノイルプロリンを示す。)。
得られたサンプルの均一性に関して以下の判定基準に基づき目視で判定した。
(判定基準)
A 透明の均一な組成物が得られる。
B 全体的に不透明な粘性液体であるが均一に混合されている。
C 不溶物、析出などが見られ、不均一な溶状である。
容量10mLの透明ガラス瓶に組成物を充填し、蓋をして−5℃(低温)、50℃及び70℃の保存庫にそれぞれ静置した。
−5℃保存品に関しては3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出してすぐの組成物の溶状(均一性(分離又は濁りの有無)、凍結の有無、析出の有無)を、以下の判定基準に基づき目視で判定した。
50℃保存品に関しては、3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、外観の透明性、着色、オリの発生(析出)に関して、以下の判定基準に基づき判定した。
70℃保存品に関しては、3週間実施し、1週間目と3週間目に、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、外観の透明性、着色、オリの発生(析出)に関して、以下の判定基準に基づき判定した。なお、3ヶ月保存前に下記判定基準のCに達した組成物に関しては、それ以降の試験を中止した。
A 保存後、分離又は濁り、凍結、析出が見られない。
B 保存後、わずかに分離又は濁り、凍結、析出が観察される。
C 保存後、明らかな分離又は濁り、凍結、析出が観察される。
A 保存後、濁り、析出が見られない。
B 保存後、わずかに濁り、析出が観察される。
C 保存後、明らかな濁り、析出が観察される。
50℃保存後、それぞれの組成物に関して10mmのセルを用い、430nmの波長で透過率を測定した。着色を下記の評価基準で判定した。
A 65%以上
B 40%以上65%未満
C 40%未満
70℃保存後、それぞれの組成物に関して10mmのセルを用い、430nmの波長で透過率を測定した。着色を下記の評価基準で判定した。
A 40%以上
B 20%以上40%未満
C 20%未満
(1)組成物の調製
表2に記載の(A)、(B)、(C)及び(D)成分ならびにその他の成分を含む組成物及び水を表2に記載の濃度で混合した後、pHをNaOHで5付近に調整し、45℃にて加熱溶解した。室温まで放冷した後、pHを6に調整し各組成物を以下の評価に使用した(表中数字は、配合量(g)を示す)。
得られたサンプルの均一性に関して試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
容量10mLの透明ガラス瓶に組成物を充填し、蓋をして−5℃及び70℃の保存庫にそれぞれ静置した。
−5℃保存品に関しては1ヶ月間経過後、保存庫から取り出してすぐの組成物の溶状(均一性(分離又は濁りの有無)、凍結の有無、析出の有無)を、試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
70℃保存品に関しては、3週間実施し、1週間目と3週間目に、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、外観の透明性、着色及び析出に関して、試験例1と同じ判定基準に基づき判定した。
(1)組成物の調製
表3に記載の(A)、(B)、(C)及び(D)成分ならびにその他の成分を含む組成物及び水を表3に記載の濃度で混合した後、pHをNaOHで5付近に調整し、45℃にて加熱溶解した。室温まで放冷した後、pHを6に調整し各組成物を以下の評価に使用した(表中数字は、配合量(g)を示す。またC10Proはデカノイルプロリンを示す。)。
容量10mLの透明ガラス瓶に組成物を充填し、蓋をして70℃の保存庫にそれぞれ静置した。
70℃保存品は、3週間実施し、1週間目と3週間目に、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、着色に関して、試験例1と同じ判定基準に基づき判定した。
(1)クリーム処方の調製
表4に記載の油相成分(a)の成分を加熱し撹拌溶解させ、予め加熱溶解し、3%水酸化ナトリウム又はクエン酸水溶液でpH6.6に調整した水相成分(b)+(c)+(d)+(e)の混合成分を加え、乳化を行った。攪拌しながら、放冷した後に、クリームのpHを確認した。調製した組成物は防腐性試験及び保存安定性試験に供した。実施例の組成物を添加しないものを比較例とした。
「第十七改正日本薬局方 参考情報G4.微生物関連 保存効力試験法」を参考に保存効力試験を行った。
E.c; Escherichia coli(大腸菌)NBRC 3972
P.a; Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)NBRC 13275
S.a; Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC 13276
C.a; Candida albicans(カンジダ)NBRC 1594
A.b; Aspergillus brasiliensis(クロコウジカビ)NBRC 9455
(1)細菌
SCD寒天培地で32.5℃、20時間前培養する。前培養菌を白金耳でかきとり滅菌生理食塩水に懸濁させ、約108個/mLに調製したものを試験菌液とした。
(2)酵母
サブロー・ブドウ糖寒天培地で22.5℃、48時間前培養する。前培養菌を白金耳でかきとり滅菌生理食塩水に懸濁させ、約108個/mLに調製したものを試験菌液とした。
(3)カビ
サブロー・ブドウ糖寒天培地で22.5℃、6−10日間前培養する。前培養菌を白金耳でかきとり0.05%ポリソルベート80添加滅菌生理食塩水に懸濁させ、約108個/mLに調製したものを試験菌液とした。
試験菌1種につき、検体20gを滅菌バイアル瓶にとり、試験菌液を0.15mL接種する。それぞれ22.5℃で保存し、7、14、21、28日目に生菌数の測定を行った。
細菌はSCDLP寒天培地混釈法、真菌(酵母、カビ)はサブロー・ブドウ糖LP寒天培地混釈法による。評価は以下の判定基準1に従って判定した。
細菌及びカンジダに関して
◎:接種後7日の試験期間内に生菌数10個未満に減少し、その後28日間の試験終了時まで、そのレベルにとどまった。
×:◎の基準を満たさない。
◎:クロコウジカビに関してはその生菌数が接種後7日後までに接種した菌数に比べて0.1%以下に減少し、その後28日間の試験終了時まで、そのレベルと同等もしくはそれ以下の生菌数にとどまった。
○:クロコウジカビに関してはその生菌数が接種後7日後までに接種した菌数に比べて1%以下に減少し、その後28日間の試験終了時まで、そのレベルと同等もしくはそれ以下の生菌数にとどまった。
△:クロコウジカビに関してはその生菌数が接種後7日後までに接種した菌数に比べて10%以下に減少し、その後28日間の試験終了時まで、そのレベルと同等もしくはそれ以下の生菌数にとどまった。
×:△の基準を満たさない。
(1)組成物の調製
容量10mLの透明ガラス瓶に表4に示す組成物を充填し、蓋をして−5℃、25℃、40℃、50℃、サイクル(−4〜40℃)の保存庫にそれぞれ静置した。保存開始から3ヶ月経過後、保存庫から取り出し、室温まで放冷した。粘度をB型粘度計(ローター#64、12rpm、30秒)にて測定し、初期値からの粘度変化率(%)を以下の式にて算出し、下記判定基準にて判定した。
粘度変化率(%)={(3か月後の粘度)−(初期粘度)}÷(初期粘度)×100
なお減粘した場合は、絶対値を判定に用いた。
粘度変化率により下記のように判定した:
A:10%未満
B:10%以上30%未満
C:30%以上。
(3−1)試験菌株
E.c; Escherichia coli(大腸菌)NBRC 3972
P.a; Pseudomonas aeruginosa(緑膿菌)NBRC 13275
S.a; Staphylococcus aureus(黄色ブドウ球菌)NBRC 13276
C.a; Candida albicans(カンジダ)NBRC 1594
A.b; Aspergillus brasiliensis(クロコウジカビ)NBRC 9455
(1)試験菌液の調製
E.Coli、P. aeruginosa、S. aureus
各試験菌を、SCD寒天斜面培地で37℃、20時間培養する。この1白金耳をミューラーヒントンブイヨンに移植し、37℃、20時間培養する。培養液をミューラーヒントンブイヨンで希釈し、それぞれ約106個/mLに調製したものを試験菌液とした。
C. albicans
試験菌をポテトデキストロース寒天培地で25℃、48時間培養したのち、白金耳でかきとって滅菌生理食塩水に懸濁させ、約106個/mLに調製したものを試験菌液とした。
A. brasiliensis
試験菌をポテトデキストロース寒天斜面培地で25℃、7〜14日間培養する。斜面にTween80 0.05%加生理食塩水を注ぎ、白金耳で胞子をかきとる。この液を四つ折りにした滅菌ガーゼで濾過した後、Tween80 0.05%加生理食塩水で希釈し、約106個/mLに調製したものを試験菌液とした。
ヒドロキシアセトフェノン、デカノイルプロリン、ヒドロキシアセトフェノンとデカノイルプロリンの混合液(3:5重量比)の3検体をそれぞれ滅菌精製水もしくはジメチルスルホキシドで希釈し、30%〜9%(デカノイルプロリン)、500000〜500μg/mL(ヒドロキシアセトフェノン)、100000〜1000μg/mL(ヒドロキシアセトフェノンとデカノイルプロリンの混合液(3:5重量比))の段階希釈系列を調製した。
寒天培地を9.0mlずつ試験管に分注し、オートクレーブ滅菌後、溶融した状態で50℃に保温する。これに(2)項で調製した検体の希釈液1mlを添加する。添加後、ボルテックスでよく混和したのち、直径60mmのシャーレに注いで平板に固める(寒天培地中での抗菌剤の最終濃度は、調整希釈系列のそれぞれ1/10濃度となる)。
上記(1)で調製した試験菌をディスポループ(直径1mm)で採取し、抗菌剤添加寒天培地上に約1cmの長さに画線したのち、それぞれ規定の温度、時間で培養する。
E.Coli、P. aeruginosa、S. aureus
ミューラーヒントン寒天培地:35℃、48時間
C. albicans
ポテトデキストロース寒天培地:25℃、72時間
A. brasiliensis
ポテトデキストロース寒天培地:25℃、5日間
試験菌の生育が完全に阻止される抗菌剤の最小濃度(MIC)を求める。
抗菌効果の相乗効果指数であるSIは以下の式により決定される比率を用いた、産業上受け入れられている方法によって算出した。
求めたSIが
1より大きい場合は拮抗作用
1に等しい場合は相加作用
1より小さい場合は相乗作用
が認められる。SIが低いほど、その混合物によって示される相乗作用は大きくなる。
QA=単独で作用させた場合に、エンドポイントを提供するヒドロキシアセトフェノン(化合物A)の濃度(ppm)(化合物AのMIC)。
Qa=混合物中で作用させた場合に、エンドポイントを提供する化合物Aの濃度(ppm)。
QB=単独で作用させた場合に、エンドポイントを提供するデカノイルプロリン(C10Pro;化合物B)の濃度(ppm)(化合物BのMIC)。
Qb=混合物中で作用させた場合に、エンドポイントを提供する化合物Bの濃度(ppm)。〕
表7に各菌における、ヒドロキシアセトフェノンとデカノイルプロリンのSI値を示した。
(1)組成物の調製
表8に記載の(A)、(B)、(C)及びその他の成分を含む組成物及び水を表8に記載の濃度で混合した後、pHをNaOHで5付近に調整し、45℃にて加熱溶解した。室温まで放冷した後、pHをNaOHで6に調整し各組成物を以下の評価に使用した(表中数字は、配合量(g)を示す。またC8Glyはオクタノイルグリシンを示す。)。
得られたサンプルの均一性に関して試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
容量10mLの透明ガラス瓶に組成物を充填し、蓋をして−5℃(低温)及び50℃の保存庫にそれぞれ静置した。
−5℃保存品に関しては3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出してすぐの組成物の溶状(均一性(分離又は濁りの有無)、凍結の有無、析出の有無)を、試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
50℃保存品に関しては、3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、外観の透明性、着色、オリの発生(析出)に関して、試験例1と同じ判定基準に基づき判定した。
(1)組成物の調製
表9に記載の(A)、(B)、(C)及びその他の成分を含む組成物及び水を表9に記載の濃度で混合した後、pHをNaOHで5付近に調整し、45℃にて加熱溶解した。室温まで放冷した後、pHをNaOHで6に調整し各組成物を以下の評価に使用した(表中数字は、配合量(g)を示す。またC11Glyはウンデシレノイルグリシンを示す。)。
得られたサンプルの均一性に関して試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
容量10mLの透明ガラス瓶に組成物を充填し、蓋をして−5℃及び50℃の保存庫にそれぞれ静置した。
−5℃保存品に関しては3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出してすぐの組成物の溶状(均一性(分離又は濁りの有無)、凍結の有無、析出の有無)を、試験例1と同じ判定基準に基づき目視で判定した。
50℃保存品に関しては、3ヶ月間の間、1ヶ月経過ごとに、保存庫から取り出した後に室温まで放冷し、外観の透明性、着色、オリの発生(析出)に関して、下に示す判定基準に基づき判定した。
50℃保存後、それぞれの組成物に関して10mmのセルを用い、430nmの波長で透過率を測定した。着色を下記の評価基準で判定した。
A 65%以上
B 30%以上65%未満
C 30%未満
(1)試験細胞株:HaCaT細胞を96ウェルプレートに添加培養し、実験に用いた。
(2−1)試験細胞液の調製
HaCaT細胞をDMEM (Dulbecco’s Modified Eagle Medium)(血清10 %含有)にて37 ℃、5 %CO2、飽和水蒸気下で培養した。コンフルエント状態になった細胞を、96ウェルプレートに播種(5×104cells/well)し、1日培養した。
表10に記載のサンプルを、最高濃度0.3重量%とし、それぞれ2分の1ずつ最低濃度0.001重量%になるまでDMEM (Dulbecco’s Modified Eagle Medium)(血清10 %含有)培地にて希釈した。
調製例1−1は試験例1に記載の方法で調製した(C10Pro:17.8%+4ヒドロキシアセトフェノン:10.7%+1,2−ペンタンジオール:29.7%)。
(2−2) で調製した評価サンプルにて、各ウェルの培地を交換した。サンプル添加24時間後、顕微鏡観察にて細胞の形態を観察し、細胞毒性発現濃度を選定した。各サンプルの最低細胞毒性発現濃度(%)を図3に示した。なお当該濃度は高いほど低刺激性を表す。
Claims (26)
- 以下の(A)、(B)及び(C)を含む組成物:
(A)一般式(I)で表されるアシルプロリン及びその塩:
一般式(II)で表されるアシルグリシン及びその塩:
からなる群から選択される少なくとも1種
(B)一般式(III)で表される化合物又はその塩:
(C)多価アルコール。 - (A)一般式(I)中R1−CO−で表されるアシル基が炭素原子数8〜12の飽和又は不飽和脂肪酸より誘導されるアシル基である請求項1に記載の組成物。
- (A)一般式(I)で表されるアシルプロリンが、オクタノイルプロリン、デカノイルプロリン、ウンデシレノイルプロリン及びラウロイルプロリンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の組成物。
- (A)一般式(II)で表されるアシルグリシンが、オクタノイルグリシン、ウンデシレノイルグリシン及びデカノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の組成物。
- (A)が、デカノイルプロリン、オクタノイルグリシン及びウンデシレノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の組成物。
- (A)が、デカノイルプロリン及びオクタノイルグリシンからなる群から選択される少なくとも1種である請求項1又は2に記載の組成物。
- (A)が、デカノイルプロリンである請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成物。
- (B)一般式(III)で表される化合物が、
- (B)一般式(III)で表される化合物が、
- (B)一般式(III)で表される化合物が、4−ヒドロキシアセトフェノンである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の組成物。
- (C)が1,2-ペンタンジオール及びジプロピレングリコールから選択される少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の組成物。
- 更に(D)キレート剤を含む請求項1〜11のいずれか1項に記載の組成物。
- (D)キレート剤が、ペンテト酸又はその塩である請求項12に記載の組成物。
- (D)キレート剤が、ペンテト酸5ナトリウムである請求項13に記載の組成物。
- 組成物中の(A)の含有量が、10重量%以上である請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物中の(A)の含有量が、15重量%以上である請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物中の(A)の含有量が、15〜30重量%である請求項1〜14のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物中の(B)の含有量が、5〜20重量%である請求項1〜17のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物中の(C)の含有量が、10〜60重量%である請求項1〜18のいずれか1項に記載の組成物。
- 組成物中の(D)の含有量が、0.01〜0.5重量%である請求項12〜19のいずれか1項に記載の組成物
- (A)及び(C)の総和の(B)に対する重量比((A)+(C))/(B)が2.8を超える請求項1〜20のいずれか1項に記載の組成物。
- pHが5.5〜6.5であることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の組成物。
- 液状であることを特徴とする請求項1〜22のいずれか1項に記載の組成物。
- 抗菌用又は防腐用組成物である請求項1〜23のいずれか1項に記載の組成物。
- 請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物を含む化粧料。
- 請求項1〜24のいずれか1項に記載の組成物を化粧料に添加する工程を含む化粧料の防腐方法であって、化粧料の総重量に対して該組成物0.1〜10重量%を化粧料に添加することを特徴とする方法。
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016233362 | 2016-11-30 | ||
JP2016233362 | 2016-11-30 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018090579A true JP2018090579A (ja) | 2018-06-14 |
JP7039967B2 JP7039967B2 (ja) | 2022-03-23 |
Family
ID=62564314
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017229692A Active JP7039967B2 (ja) | 2016-11-30 | 2017-11-29 | アシルアミノ酸高配合組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7039967B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115212131A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-10-21 | 广东格烯生物科技股份有限公司 | 一种含有重组弹性蛋白的抗皱紧致精华及其制备方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003226636A (ja) * | 2002-01-31 | 2003-08-12 | Noevir Co Ltd | 弱酸性洗浄料 |
WO2014007290A1 (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-09 | 味の素株式会社 | 保湿剤及びこれを含有する化粧料 |
JP2014172908A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Symrise Ag | 抗菌組成物 |
WO2016195038A1 (ja) * | 2015-06-02 | 2016-12-08 | 味の素株式会社 | アシルプロリンを含有する化粧料組成物 |
-
2017
- 2017-11-29 JP JP2017229692A patent/JP7039967B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003226636A (ja) * | 2002-01-31 | 2003-08-12 | Noevir Co Ltd | 弱酸性洗浄料 |
WO2014007290A1 (ja) * | 2012-07-03 | 2014-01-09 | 味の素株式会社 | 保湿剤及びこれを含有する化粧料 |
JP2014172908A (ja) * | 2013-03-08 | 2014-09-22 | Symrise Ag | 抗菌組成物 |
WO2016195038A1 (ja) * | 2015-06-02 | 2016-12-08 | 味の素株式会社 | アシルプロリンを含有する化粧料組成物 |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN115212131A (zh) * | 2022-06-16 | 2022-10-21 | 广东格烯生物科技股份有限公司 | 一种含有重组弹性蛋白的抗皱紧致精华及其制备方法 |
CN115212131B (zh) * | 2022-06-16 | 2023-09-08 | 广东格烯生物科技股份有限公司 | 一种含有重组弹性蛋白的抗皱紧致精华及其制备方法 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP7039967B2 (ja) | 2022-03-23 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6759723B2 (ja) | 化粧料組成物 | |
ES2444368T3 (es) | Agente con un efecto de liberación retardada para la represión de microorganismos | |
EP2870958B1 (en) | Moisturizer and cosmetic containing same | |
JP5637987B2 (ja) | 防腐剤組成物 | |
JP2011057647A (ja) | 化粧料 | |
KR102456647B1 (ko) | 카프릴하이드록사믹애씨드, 4'-하이드록시아세토페논, 및 폴리올을 포함하는 피부 외용제용 보존제 및 이를 포함하는 화장료 조성물 | |
JPWO2014115726A1 (ja) | 抗菌性組成物 | |
JP2019014765A (ja) | 抗菌性組成物およびその製造方法 | |
JP2011074082A (ja) | 防腐殺菌剤及び人体施用組成物 | |
KR100789686B1 (ko) | 세정제 조성물 | |
US9211245B2 (en) | Cosmetic composition | |
JP6645434B2 (ja) | 保湿剤及びこれを含有する化粧料 | |
KR20220058468A (ko) | 알칸디올, 및 카프릴릴글리세릴에터 또는 에틸헥실글리세린을 포함하는 피부 외용제용 보존제 및 이를 포함하는 화장료 조성물 | |
JPWO2016195038A1 (ja) | アシルプロリンを含有する化粧料組成物 | |
JP7039967B2 (ja) | アシルアミノ酸高配合組成物 | |
JP4927986B2 (ja) | 皮膚外用剤並びに皮膚外用剤の防腐抗菌方法 | |
JP6172149B2 (ja) | アシルジペプチド誘導体 | |
JP4734293B2 (ja) | 防腐殺菌剤及び人体施用組成物 | |
JP7039968B2 (ja) | アシルアミノ酸高配合組成物 | |
WO2018101370A1 (ja) | アシルアミノ酸高配合組成物 | |
JP2020169128A (ja) | 毛髪洗浄剤組成物 | |
CN118043056A (zh) | 液体皮肤外用组合物 | |
JP2023111302A (ja) | 消毒用組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20201009 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20210706 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210903 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20220208 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20220221 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7039967 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |