JP2018090564A - 清掃用シート - Google Patents

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Abstract

【課題】細菌やカビに対する除菌性、ウイルスの不活性化効果だけではなく、薬剤を基材シートに含浸させた場合の除菌効果の低下が少なく、基材シートへの薬剤偏在の防止や防カビ性に優れた清掃用シートを提供する。【解決手段】本発明の清掃用シートは、液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質、有機酸、有機酸塩より選ばれた少なくとも1種、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、細菌やカビに対する除菌性、ウイルスの不活化効果だけでなく、除菌剤を基材シートに含浸させた際でも基材シートへの薬剤偏在や除菌成分の影響が少なく、基材シートへの防カビ性に優れた清掃用シートに関するものである。
除菌剤を含有する水溶液を不織布に含浸させた所謂ウェットシート(清掃用シート)という形態は、簡便で使いやすく、使い捨てできるため、常に清潔なものを使用できることから、家庭用だけではなく、食品工場、厨房、医療施設における環境整備などで使用されている。
特許文献1には、ε−ポリリジン及び/またはその塩、pH緩衝能を有する電解質、及びアミノ酸が配合された抗菌剤組成物及びそれを用いた抗菌性シート状物品が開示されている。
特許文献2には、水と殺菌防腐剤と水溶性保湿剤と、必要により更に可溶化剤を含む清浄薬剤を含浸させた清拭シートが開示されている。
特許文献3には、水性含浸液が剥離性シリコーン皮膜を形成するシリコーンや油性香料を含み、シリコーンや油性香料の一部又は全部が水性エマルジョンとして含有されている水性含浸液が含浸された清掃用水解性ウェットシートが開示されている。
また清掃用シートに含浸されている除菌剤として、第四級アンモニウム塩型界面活性剤を含むものが知られており、特許文献4には、ポリアミノプロピルビグアナイドと第四級アンモニウム塩との混合物、安息香酸ナトリウム、クエン酸、エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム、非イオン界面活性剤及び水を含むpH3.5〜4.5の繊維シート含浸用水溶性組成物が開示されている。
特開2004−67586号公報 特開2006−230612号公報 特開2011−30793号公報 特開2013−151447号公報
しかしながら、特許文献1から3に記載されている清掃用シートでは、基材シートへの薬剤偏在が生じたり、基材シートの防カビ性が十分とはいえない。基材シートへの薬剤偏在がある場合、基材シートにおいて濃度勾配が発生し、薬剤濃度が薄い基材シート部分においてカビが発生してしまう。
一方、特許文献4に記載されているような第四級アンモニウム塩を含む除菌剤は、除菌効果は優れているが、pH3.5〜4.5の組成物では防カビ性が十分と言えないとともに、不織布等の基材シートに含浸されると基材シートの繊維に強く吸着されて有効な除菌剤成分量が低下し、除菌剤の含浸量を多くしないと除菌効果や除菌効果の持続性が低下する虞があった。基材シートとして再生繊維、特にレーヨンを含む繊維からなるものを用いると、基材シートが親水性となるため、水を主体とした除菌剤の含浸量を増大させることができるが、レーヨンは除菌剤の有効成分の吸着性が他の繊維に比して高いため、基材シートに含浸された除菌剤中の有効成分量やpHの低下が著しく、基材シートに含浸させる除菌剤量が増大しても除菌効果やその持続性を十分に向上させることは困難であり、また基材シートの防カビ性を改善することも困難であった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、細菌やカビに対する除菌性、ウイルスの不活化効果だけではなく、基材シートへの薬剤偏在の防止や基材シートの防カビ性を有し、基材シートに含浸させた際の除菌効果が低下する虞のない清掃用シートを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意検討した結果、(A)第四級アンモニウム塩、(B)無機電解質、有機酸、有機酸塩のうち少なくとも1種、(C)アミノカルボン酸型キレート剤、(D)水を含む水性除菌剤を基材シートに含浸させてなり、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下である清掃用シートが、従来の清掃用シートの問題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち本発明は、
(1)液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質、有機酸、有機酸塩より選ばれた少なくとも1種、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下であり、前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする清掃用シート、
(2)(A)成分が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、エチルベンジルアンモニウムクロライドより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)の清掃用シート、
(3)(B)成分が、リン酸またはその塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、乳酸またはその塩、シュウ酸またはその塩、プロピオン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、アジピン酸またはその塩、イタコン酸またはその塩より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする上記(1)又は(2)のいずれかの清掃用シート、
(4)(B)成分が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムの少なくとも一種と、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの少なくとも1種との組み合わせ、酢酸とその塩の組み合わせ、クエン酸とその塩の組み合わせ、リンゴ酸とその塩の組み合わせ、またはグルコン酸とその塩の組み合わせより選ばれた少なくとも1種の組み合わせである上記(1)又は(2)の清掃用シート、
(5)前記水性除菌剤が、(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種を含有する上記(1)から(4)のいずれかの清掃用シート、
(6)基材シートが再生繊維を含むことを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかの清掃用シート、
(7)基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である上記(1)から(6)のいずれかの清掃用シート、
(8)基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかの清掃用シート、
(9)前記基材シートに含浸されている水性除菌剤がウイルス不活化効果を有することを特徴とする上記(1)から(8)のいずれかの清掃用シート、
(10)除菌用、防カビ用、ウイルス不活化用の清掃用シートである上記(1)から(9)のいずれかの清掃用シート、
を要旨とするものである。
本発明の清掃用シートは、細菌、カビ等に対して優れた除菌性を有するとともに、ウイルスへの不活化効果を有し、除菌剤を基材シートに含浸させた際の除菌効果の低下が少なく、基材シートへの薬剤偏在の防止や基材シートの防カビ性等の効果を有する。
本発明の清掃用シートに含浸される水性除菌剤において、(A)成分の第四級アンモニウム塩型界面活性剤としては、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルアンモニウム塩、ジアルキルエチルメチルアンモニウム塩、ジアルキルモノメチルハイドロキシアンモニウム塩、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウム塩、アルキルベンジルジメチルアンモニウム塩、アルキルジポリオキシエチレンメチルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩及びベンゼトニウム塩等が挙げられる。ここで、アルキル基としては、炭素数6以上、18以下のアルキル基、好ましくは炭素数6以上、18以下の直鎖アルキル基が挙げられる。具体的には、例えばヘキシル、オクチル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルが挙げられ、より好ましくはオクチル、デシルである。塩としては塩素イオン、臭素イオン、炭素数1又は2のアルキル硫酸エステルイオン、炭素数1以上、12以下の脂肪酸イオン、炭素数1以上、3以下のアルキル基が1個以上、3個以下置換していてもよいベンゼンスルホン酸イオンが好適である。(A)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、除菌性、防カビ性及びウイルス不活化効果の点から、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、デシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドが好ましく、特に炭素数12から16のアルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、オクチルデシルジデシルアンモニウム塩、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライドが好ましい。具体的な(A)成分の第四級アンモニウム塩型界面活性剤としては、例えば、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムアジペート、ジデシルジメチルアンモニウムグルコネート、ジデシルジメチルアンモニウムプロピオネート、ジデシルジメチルアンモニウムメトサルフェート等のジデシルジメチルアンモニウム塩、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド等のジオクチルジメチルアンモニウム塩、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド等のオクチルデシルジメチルアンモニウム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムアジペート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムグルコネート、ジデシルモノメチルハイドロキシエチルアンモニウムスルホネート、1,4−ビス(3,3’−(1−デシルピリジニウム)メチルオキシ)ブタンジブロマイド、N,N’−ヘキサメチレンビス(4−カルバモイル−1−デシルピリジニウムブロマイド)、アルキルジメチルハイドロキシエチルアンモニウムクロライド、アルキルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、セチルピリジニウムクロライド、アルキルジメチルエチルベンジルアンモニウムクロライド、デシルイソノニルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルメチルポリオキシエチレンアンモニウムプロピオネート、およびベンゼトニウムクロライド等が挙げられる。
水性除菌剤における(B)成分の無機電解質としては、炭酸、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、セスキ炭酸ナトリウム、セスキ炭酸カリウム、過炭酸ナトリウム、過炭酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、ホウ酸、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、リン酸、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム等が挙げられる。有機酸または有機酸塩としては、ギ酸またはその塩、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、乳酸またはその塩、シュウ酸またはその塩、プロピオン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、アジピン酸またはその塩、イタコン酸またはその塩等が挙げられる。(B)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、乳酸またはその塩、シュウ酸またはその塩、プロピオン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、アジピン酸またはその塩、イタコン酸またはその塩、リン酸またはその塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムを用いると防カビ性が向上するため好ましく、酢酸とその塩の組み合わせ、クエン酸とその塩の組み合わせ、リンゴ酸とその塩の組み合わせ、グルコン酸とその塩の組み合わせ、リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素カリウムの少なくとも一種とリン酸水素二ナトリウムまたはリン酸水素二カリウムの少なくとも一種との組み合わせがより好ましい。特に、リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素カリウムの少なくとも一種とリン酸水素二ナトリウムまたはリン酸水素二カリウムの少なくとも一種との組み合わせを用いると、防カビ性が更に向上されるとともに、基材シートの薬剤偏在を防止できる効果が得られるため好ましい。(B)成分として、(B−a)リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素カリウムの少なくとも一種と、(B−b)リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸水素二カリウムの少なくとも一種との組み合わせを用いる場合、(B−a)成分と(B−b)成分の質量比(B−a)/(B−b)が0.01以上、15以下が好ましく、0.03以上、10以下がより好ましく、0.1以上、6以下が特に好ましく、0.2以上、3以下が最も好ましい。
(C)成分としては、アミノカルボン酸型キレート剤が用いられ、例えばエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、ジエチレントリアミノ五酢酸(DTPA)、トリエチレンテトラアミン六酢酸(TTHA)、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HIDA)、ジヒドロキシエチルグリシン(DHEG)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、β-アラニン二酢酸(ADA)、セリン二酢酸(SDA)や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。アミノカルボン酸型キレート剤は洗浄性や基材シートへの薬剤偏在の防止性の点で、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)や、これらのナトリウム塩、カリウム塩がより好ましい。これらの水性除菌剤中の割合は0.001質量%以上、10質量%以下が好ましいが、0.005質量%以上、3質量%以下がより好ましく、0.01質量%以上、1質量%以下がさらに好ましい。
水性除菌剤における(D)成分の水としては、特に限定はなく、水道水、井戸水、イオン交換水、軟水などが挙げられる。(D)成分は1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。なかでも、除菌性、防カビ性の点から、イオン交換水又は軟水が好ましい。
本発明の清掃用シートは、上記水性除菌剤が、液体の保持が可能な基材シートに含浸されているが、基材シートに含浸されている水性除菌剤は、pHが4.8以上、8.0以下であり、好ましくはpHが6.0以上、8.0以下である。基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8未満であると被清掃素材の腐食防止性、皮膚刺激性、清掃用シートの防カビ性が低下する虞があり、8.0を超えると被清掃素材の腐食防止性、皮膚刺激性、清掃用シートの防カビ性が低下する虞がある。本発明の清掃用シートに含浸される水性除菌剤は、(A)成分としての第四級アンモニウム塩型界面活性剤とともに、(B)成分として無機電解質、有機酸、有機酸塩より選ばれた少なくとも1種と、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水とを含むことにより、基材シートに含浸させた際に基材シートの繊維に吸着されて有効成分である第四級アンモニウム塩型界面活性剤の量が低下したり、除菌シートの防カビ性が低下したりする虞がなく、基材シートにレーヨンを含む場合でも、有効成分である(A)成分としての第四級アンモニウム塩型界面活性剤量が低下する虞がない。
基材シートに含浸されている水性除菌剤は、(A)成分が0.0001質量%以上、20質量%以下であることが好ましく、0.05質量%以上、10質量%以下であることがより好ましく、0.1質量%以上、4質量%以下であることがさらに好ましい。(A)成分が0.0001質量%未満では、洗浄性、除菌性やウイルス不活化効果が低下する虞があり、20質量%を超えると皮膚への刺激が強くなる虞がある。また、基材シートに含浸するための水性除菌剤は、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、0.005以上、20以下であることが好ましく、0.01以上、10以下であることがより好ましく、0.1以上、5以下が特に好ましい。(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、0.005未満では、ウェットワイプの防カビ性やウイルス不活化効果が低下する虞があり、20を超えると吸着防止性が低下する虞がある。基材シートに含浸されている水性除菌剤のpH、(B)成分の濃度、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)は、水性除菌剤を基材シートに含浸させた後、24時間以上経過後に、基材シートに含浸されている水性除菌剤をサンプリングして測定した値である。
本発明の清掃用シートにおける基材シートとしては、再生繊維、合成系繊維、天然繊維やこれらの混合繊維よりなる不織布、織布、網布等が挙げられる。再生繊維としてはレーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル、アセテートが挙げられるが、不織布の薬剤耐性や薬剤の偏在の観点でレーヨンが好ましい。基材シートに再生繊維を用いると、基材シートが親水性となり水性の除菌剤の含浸量を向上できる。基材シートの再生繊維の割合としては、10%以上であることが好ましく、50%以上であることがより好ましい。水性除菌剤のシート基材への含浸量は、通常、シート基材を構成する繊維100質量部当たり20〜120質量部であるが、基材シートが再生繊維を含んでいると、基材シートへの水性除菌剤の含浸量を増加させることができる。ガラス繊維などの無機繊維を使用すると、使用感の低下、被清掃素材の磨耗、薬剤の偏在などがあり、好ましくない。本発明の清掃用シートは、基材シート100質量部当たり、水性除菌剤が150質量部以上、350質量部以下含浸されていることが好ましく、200質量部以上、330質量部以下含浸されていることがより好ましい。
本発明の清掃用シートに用いる水性除菌剤には、更に(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤の1種または2種以上の界面活性剤を配合すると洗浄性の向上や、基材シートとくに合成繊維からなる基材シートへの水性除菌剤の浸透性を向上させることができる。アニオン界面活性剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、高級アルコール硫酸エステル塩、硫化オレフィン塩、高級アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、硫酸化脂肪酸塩、スルホン化脂肪酸塩、リン酸エステル塩、脂肪酸エステルの硫酸エステル塩、グリセライド硫酸エステル塩、脂肪酸エステルのスルホン酸塩、α−スルホ脂肪酸メチルエステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、脂肪酸アルカノールアミド又はそのアルキレンオキサイド付加物の硫酸エステル塩、スルホコハク酸エステル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルキルベンゾイミダゾールスルホン酸塩、ポリオキシアルキレンスルホコハク酸塩、N−アシル−N−メチルタウリンの塩、N−アシルグルタミン酸又はその塩、アシルオキシエタンスルホン酸塩、アルコキシエタンスルホン酸塩、N−アシル−β−アラニン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシエチルタウリン又はその塩、N−アシル−N−カルボキシメチルグリシン又はその塩、アシル乳酸塩、N−アシルサルコシン塩、及びアルキル又はアルケニルアミノカルボキシメチル硫酸塩、高級アルキルアミンの低級脂肪酸塩等が挙げられる。これらアニオン界面活性剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。ノニオン界面活性剤としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンとポリオキシプロピレンとのブロックコポリマーおよびポリオキシアルキレンスチレン化フェニルエーテル等が挙げられる。これらノニオン界面活性剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。両性界面活性剤としては、アルキルアミンオキシド、アルキルベタイン、アルキルアミドプロピルベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチルイミダゾリニウムベタイン、2−アルキル−N−カルボキシエチルイミダゾリニウムベタイン、アルキルアミノエチルグリシン、アルキルジ(アミノエチル)グリシン、グリシンn−(3−アミノプロピル)C10〜16誘導体、アルキルポリアミノエチルグリシン、アルキルβアラニン、アルキルアミノプロピオン酸及び/またはその塩、およびアルキルアミドジメチルハイドロキシプロピルスルホベタイン等が挙げられる。これら両性界面活性剤は単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。これらの水性除菌剤中の割合は0.01質量%以上、5質量%以下が好ましいが、0.05質量%以上、2質量%以下がより好ましい。
本発明の清掃用シートに用いる水性除菌剤は、更に当該技術分野で通常使用される成分を含有していてもよい。このような成分としては、例えば、(F)成分として溶剤、(G)成分としてpH調整剤や芳香剤、色素等が挙げられる。これらの水性除菌剤中の割合は0.001質量%以上、10質量%以下が好ましいが、0.01質量%以上、5質量%以下がより好ましい。
上記(F)成分の溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、アセトン、ヘキサン、アセトニトリル、トルエン等の有機溶剤やエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトール、ヘキシレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル等が挙げられる。なかでも、除菌性、防カビ性及びウイルス不活化効果の相乗効果の点から、プロピレングリコール、グリセリン、ソルビトールが好ましい。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。溶剤は溶液状態における液安定性の向上の点で、水性除菌剤中に0.001質量%以上、5質量%以下配合することが好ましく、0.01質量%以上、3質量%以下配合することがより好ましい。
上記(G)成分のpH調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸や、クエン酸、リンゴ酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、グルコン酸、アスパラギン酸、ギ酸、酢酸、乳酸等の有機酸が挙げられる。これらは単独で用いても、2種以上を組み合わせても良い。レーヨンを含む基材シートに水性除菌剤を含浸させる場合、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHを4.8以上、8.0以下とするために、pH調整剤により、水性除菌剤のpHを4.8以上、10.5以下に調整することが好ましい。水性除菌剤に含まれている(B)成分として、(B−a)リン酸二水素ナトリウムまたはリン酸二水素カリウムの少なくとも一種と、(B−b)リン酸水素二ナトリウムまたはリン酸水素二カリウムの少なくとも一種とを組み合わせて用いる場合、レーヨンを含む基材シートの場合でも、基材シートに含浸させる前後で、水性除菌剤のpHに実質的な変化はない。
上記芳香剤としては、従来公知の芳香剤を特に制限なく用いることができ、例えば、ペパーミントオイル等の天然物から抽出した天然香料、リモネン等の合成した合成香料、二種以上の公知香料を適宜の割合で混合して得られる香料等が挙げられる。芳香成分としては、従来公知の各種の芳香剤や芳香を有する天然物等に含有されるものを特に制限なく用いることができ、例えば、天然香料としては、アニス油、バジル油、ベルガモット油、シダー油、クローブ油、コリアンダー油、ユーカリ油、フェンネル油、ガルバヌム油、ゼラニウム油、ジャスミンアブソリュート、ラバンジン油、ラベンダー油、レモングラス油、レモン油、ラベンダースパイク油、ネロリ油、オークモスアブソリュート、パチョリ油、ぺチグレン油、パイン油、ローズ油、ローズマリー油、クラリーセージ油、サンダルウッド油、タイム油、トンカアブソリュート、チュベローズアブソリュート、ベチバー油、イランイラン油、ペパーミント油、しょう脳油、芳油、ペリラ油、スペアミント油、スターアニス油、ライム油、オコチア油、テレピン油、ナツメグ油、シトロネラ油、ボアドローズ油、カナンガ油、カルダモン油、カシア油、オレンジ油、マンダリン油、タンジェリン油、ベイ油、エレミ油、ヒバ油、桧油、グレープフルーツ油、ゆず油等が挙げられる。
合成香料としては、炭化水素類(α−ピネン、リモネン、カンフェン、p−シメン、フェンチェン、オシメン及びグアイエン等)、アルコール類(リナロール、ゲラニオール、シトロネロール、ネロール、メントール、ボルネオール、ベンジルアルコール、アニスアルコール、ネロリドール、オイゲノール、α−フェニルエチルアルコール、β−フェニルエチルアルコール、ロジノール、アンブリノール、ミルセノール、テトラヒドロリナロール、ターピネオール、セドロール、1−オクタノール、3−オクタノール、9−デセノール、10−ウンデセノール、ジヒドロカルベオール、プレノール、エチルリナロール、3−ヘプタノール、ベンジルオイゲノール、2−エチルヘキサノール、3−ヘキセノール、2,4−ジメチル−3−シクロヘキセン−1−メタノール、4−イソプロピルシクロヘキサノール、P−イソプロピルシクロヘキセンメタノール、1−ノナノール、2−ノナノール、P−イソプロピルシクロヘキサノール、2−メチル−3−ブテン−2−オール、2−ヘキセノール、1−ノネン−3−オール、3−メチル−1−ベンタノール、2,6−ジメチル−ヘプタノール及び3,4,5,6,6−ペンタメチル−2−ヘプタノール等)、アルデヒド類(n−ブチルアルデヒド、イソブチルアルデヒド、ヘキシルアルデヒド、ヘプチルアルデヒド、n−ノニルアルデヒド、ノナジエナール、シトラール、シトロネラール、ベンズアルデヒド、シンナミックアルデヒド、ヘリオトロピン、ワニリン、トリプラール、2−ドデセナール、2,5,6−トリメチル−4−ヘプタナール、トリメチルウンデセナール、2−デセナール、p−トリルアルデヒド、アセトアルデヒドジエチルアセタール、n−オクタナール、n−デカナール、p−イソプロピルフェニルアセトアルデヒド、オクタナールジメチルアセタール、n−ノナナール、ウンデカナール、10−ウンデセナール、フェニルプロピオンアルデヒド、3−ヘキセナール、2−ウンデセナール及びp−メチルヒドラトロパアルデヒド等)、ケトン類(メチルアミルケトン、メチルノニルケトン、ジアセチル、アセチルプロピオニル、アセチルブチリル、カルボン、メントン、樟脳、アセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、イオノン、ジヒドロカルボン及び2−ウンデカノン等)、ラクトン又はオキシド類(アミルブチロラクトン、メチルフェニルグリシド酸エチル、γ−ノニルラクトン、クマリン、シネオール、ジャスミンラクトン、メチルr−デカラクトン、2,2,6−トリメチル−6−ビニルテトラヒドロピラン及び5−イソプロペロル−2−メチル−2−ビニルテトラヒドロフラン等)、エーテル類(1,8−シネオール、ローズオキサイド、セドロールメチルエーテル(セドランバー)、p−クレジルメチルエーテル、イソアミルフェニルエチルエーテル、4−フェニル−2,4,6−トリメチル−1,3−ジオキサン、アネトール等が挙げられる。エステル類(メチルフォーメート、イソプロピルフォーメート、リナリールフォーメート、エチルアセテート、オクチルアセテート、メンチルアセテート、ベンジルアセテート、シンナミルアセテート、プロピオン酸ブチル、酢酸イソアミル、イソ酪酸イソプロピル、イソ吉草酸グラニル、カプロン酸アリル、ヘプチル酸ブチル、カプリル酸オクチル、ヘプチンカルボン酸メチル、ペラハゴン酸エチル、オクチンカルボン酸メチル、カプリン酸イソアシル、ラウリン酸メチル、ミリスチン酸エチル、安息香酸エチル、安息香酸ベンジル、フェニル酢酸メチル、フェニル酢酸ブチル、桂皮酸メチル、桂皮酸シンナミル、サルチル酸メチル、アニス酸エチル、アンスラニル酸メチル、エチルピルベート、エチルα−ブチルブチレート、酢酸デシル及びギ酸プロピル等)等が挙げられる。
上記色素としては、天然系色素、合成系色素、これらの2種以上の混合物などを挙げることができる。天然系色素としては、具体的には、例えば、アカキャベツ色素(紫赤色)、アカダイコン色素(赤橙〜赤紫色)、ムラサキイモ色素(紫赤色)、ビートレッド(赤色)、アルカネット色素(赤〜赤紫色)、コチニール色素(黄橙〜紫色)、ラック色素(赤橙〜紫色)、ベニバナ赤色素(赤色)、アカネ色素(黄橙〜赤紫色)、クチナシ赤色素(赤色)、ベニコウジ色素(赤色)、トウガラシ色素(黄〜赤橙色)、アナトー色素(黄〜赤橙色)、クチナシ黄色素(黄色)、ベニバナ黄色素(黄色)、ウコン色素(黄色)、マリーゴールド色素(黄色)、カラメル色素(暗褐〜黒色)、コウリャン色素(赤褐〜暗褐色)、タマネギ色素(褐色)、シアナット色素(褐色)、ペカンナッツ色素(褐色)、チコリ色素(赤褐〜褐色)、カカオ色素(赤褐〜褐色)、クロロフィル(緑色)、クチナシ青色素(青色)、スピルリナ色素(青色)などを挙げることができる。
合成系色素としては、具体的には、例えば、赤色1号、赤色2号、赤色3号、赤色4号、赤色5号、赤色101号、赤色102号、赤色103号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、橙色1号、橙色2号、黄色1号、黄色2号、黄色3号、黄色4号、黄色5号、緑色1号、緑色2号、緑色3号、青色1号、青色2号、紫色1号、食用混合色素等を挙げることができる。
本発明の清掃用シートは、細菌、カビ、ウイルスに対する除菌・防カビ性・ウイルス不活化効果に優れるため、細菌、カビ、ウイルスの汚染・混入が問題となる幅広い分野、主に医療分野、外食産業分野、食品分野、醸造分野、農業分野などでの除菌・防カビ・ウイルス不活化に有用である。特に、医療分野での硬質表面の除菌・防カビ・ウイルス不活化に好適に用いることができる。
本発明の清掃用シートは種々の用途で適用可能であり、例えば、表面消毒、機器消毒、またはトイレやベッド周りにおける除菌・防カビ・ウイルス不活化剤に好適である。本発明の清掃用シートは、複数枚のシートが積層された形態、長尺なシートをロール状に巻いたり、折り畳んだ形態等に形成することができ、除菌用、防カビ用、ウイルス不活性化用の清掃用シートとして用いることができる。
以下、本発明を実施例と比較例により具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。実施例、比較例において配合に用いた各成分を下記に示す。なお、EOはエチレンオキシド、POはプロピレンオキシドの略であり、その後の数字はそれぞれEO、POの平均付加モル数を表す。また、表中における実施例及び比較例における各成分の配合の数値は純分の質量%を表す。水の含有量を示す「残部」とは、最終調製物である水性除菌剤の総量が100質量%になるように調整した配合量を示す。pH調整剤の含有量を示す「適量」とは、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpH(25℃)を表に示すpHに調整するために配合した量を示す。pH調整剤としては、2M−水酸化ナトリウムまたは2M−塩酸を用いて、シート浸漬後の搾出液のpH(25℃)が表に示す値となるように調整した。
(A)成分
A−1:オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−2:ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド
A−3:ジデシルジメチルアンモニウムクロライド
A−4:アルキルジメチルアンモニウムクロライド(ただし、アルキル基は炭素数8以上、16以下の混合物)
A−5:アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(ただし、アルキル基は炭素数12以上、16以下の混合物)
A−6:ベンゼトニウムクロライド
(A´)成分〔(A)成分の比較成分〕
A´−1:N−アルキルトリメチレンジアミンオレイン酸塩(ただし、アルキル基は炭素数14以上、18以下の混合物)
A´−2:アルキルアミン酢酸塩(ただし、アルキル基は炭素数8以上、18以下の混合物)
(B)成分
B−1:酢酸
B−2:クエン酸
B−3:グルコン酸
B−4:リンゴ酸
B−5:リン酸二水素ナトリウム
B−6:リン酸水素二ナトリウム
B−7:リン酸二水素カリウム
B−8:リン酸水素二カリウム
B−9:塩化カリウム
B−10:硫酸ナトリウム
(B´)成分〔(B)成分の比較成分〕
B´−1:ポリアクリル酸ナトリウム(重量平均分子量:4,500)
(C)成分
C−1:エチレンジアミン四酢酸・二ナトリウム塩(EDTA−2Na)
C−2:エチレンジアミン四酢酸・二カリウム塩(EDTA−2K)
C−3:エチレンジアミン四酢酸・四ナトリウム塩(EDTA−4Na)
C−4:メチルグリシン二酢酸・三ナトリウム塩(MGDA−3Na)
C−5:N,N‘−ジカルボキシメチルグルタミン酸・四ナトリウム塩(GLDA−4Na)
C−6:ニトリロ三酢酸・三ナトリウム塩(NTA−3Na)
(D)成分
D−1:イオン交換水
(E)成分
E−1:ポリオキシエチレンアルキルエーテル(ただし、EOが6.5モル、アルキル基の炭素数が9以上、11以下の混合物)
E−2:ポリオキシアルキレンラウリルエーテル(ただし、EOが38モル、POが2モル)
E−3:オクチルジメチルアミンオキシド
E−4:ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸エステル
E−5:ドデシルアミノエチルアミノエチルグリシン
その他成分
溶剤
F−1:エタノール
F−2:ノルマルプロピルアルコール
F−3:イソプロピルアルコール
F−4:プロピレングリコール
F−5:ブチルグリコール
F−6:グリセリン
F−7:ソルビトール
pH調整剤
G−1:水酸化ナトリウム
G−2:塩酸
実施例1から100、比較例1から10
表1から表10に示す配合に基づき水性除菌剤を調製した。表に示す再生繊維を含む不織布の基材シートに、基材シート100質量部当たり表に示す含浸量となるように各水性除菌剤を24時間含浸させて清掃用シートとした。万力を用いて清掃用シートを10N・cmの力で10分間締め込み、搾出された溶液(以下、搾出液という)のpH、有効(A)成分量、清掃用シートの除菌性、除カビ性、吸着防止性、ウイルス不活化、また、水性除菌剤の不織布に対する薬剤耐性、清掃用シートの使用感、被清掃素材の磨耗、被清掃素材の腐食性、皮膚刺激性、防カビ性、清掃用シート中の薬剤の偏在等の性状を評価した。結果を表1から10にあわせて示す。
Figure 2018090564
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pHの測定方法
<pHメーターの校正>
pHメーター(HORIBA製;pH/イオンメーター F−23)にpH測定用複合電極(HORIBA製;ガラス摺り合わせスリーブ型)を接続し、電源を入れる。pH電極内部液としては、飽和塩化カリウム水溶液(3.33mol/L)を使用した。次に、pH4.01標準液(フタル酸塩標準液)、pH6.86標準液(中性リン酸塩標準液)、pH9.18標準液(ホウ酸塩標準液)をそれぞれ100mLビーカーに充填し、25℃の恒温槽に30分間浸漬した。恒温に調整された標準液にpH測定用電極を3分間浸し、pH6.86、pH9.18、pH4.01の順に校正操作を行った。
<pH測定>
恒温槽内にて25℃の恒温に調整された搾出液100mLにpH測定用電極を3分間浸し、pHを測定した。
有効(A)成分量(陽イオン界面活性剤量)測定方法
搾出液8mLをビーカーにとり、搾出液に0.25MのpH5.7の酢酸ナトリウム緩衝液1mL、6×10-4MのクロムアズロールS溶液1mLを順次加え、磁気攪拌機で攪拌しながら、2.0mol/Lラウリル硫酸ナトリウム水溶液で滴定して搾出液中の(A)成分量を求めた。滴定の終点は、溶液が紫からオレンジに色調変化することを目視によって判定した。
※1:除菌性試験
試験方法:
供試菌株を細菌についてはSCDブイヨン培地、カビについてはGP液体培地で培養して2.0×108CFU/mL以上、9.0×108CFU/mL以下になるように菌数を調製して菌液とした。搾出液10mLに、各供試菌液0.1mLを添加し、25℃にて15分間接触させた後、滅菌中和溶液(細菌についてはSCDLP培地、カビについてはGPLP液体培地)を加えよく攪拌した。細菌として、Pseudomonas aeruginosa NBRC13736(108CFU/mLレベル)、Staphylococcus aureus NBRC13276(108CFU/mLレベル)、Escherichia coli ATCC11229(108CFU/mLレベル)、Alcaligenes faecalis NBRC14479(108CFU/mLレベル)、Serratia marcescens NBRC12648(108CFU/mLレベル)を、カビとして、Aspergillus niger NBRC105649(108CFU/mLレベル)、Trichophyton mentagrophytes ATCC9533(108CFU/mLレベル)、Candida albicans ATCC11651(108CFU/mLレベル)を用いた。
この1mLを細菌についてはSCD寒天培地、カビについてはPDA培地で混釈培養し生菌数を確認し、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:供試菌のLog reductionが5以上の菌数減少
2点:供試菌のLog reductionが4以上、5未満の菌数減少
3点:供試菌のLog reductionが3以上、4未満の菌数減少
4点:供試菌のLog reductionが3未満の菌数減少
として上記各菌種について菌数減少を点数で評価した。
細菌については菌数減少の点数の、5種の細菌についての平均値を求め、以下の基準で除菌性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
カビについては菌数減少の点数の、3種のカビについての平均値を求め、以下の基準で除菌性を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
細菌に対する除菌性、カビに対する除菌性ともに、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※2:吸着防止性試験
搾出液について有効成分量を測定し、含浸前の溶液の測定値と比較し、溶液中の成分の不織布への吸着度合を評価した。有効成分量(陽イオン界面活性剤量)測定方法は、含浸前後の有効成分を測定し、下記の基準で評価した。
評価基準:
◎:有効成分量が含浸前の80%以上、100%以下
〇:有効成分量が含浸前の60%以上、80%未満
△:有効成分量が含浸前の40%以上、60%未満
×:有効成分量が含浸前の40%未満
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※3:不織布の薬剤耐性に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、40℃で1週間保存した後、不織布の外観変化を目視によって観察した。
評価基準:
○:変色や劣化が発生していない。
△:部分的に濃い変色や強い劣化が発生している。
×:全体的に濃い変色や強い劣化が発生している。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※4:使用感に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、十分に薬液が行き渡ったことを確認した後、薬液が染み込んだ不織布を1枚取り出し、清浄なステンレス表面を約30センチメートル四方に渡って、上下5回左右5回ふき取りを行い、泡立ちやべたつき水っぽさやごわごわ感・湿り気などの観点から官能試験によって使用感を確認した。また、パネラーは無作為に選定し、それぞれのサンプルにつきn=10とした。評価結果の解析には統計処理を行い、最も評価が多い項目を評価結果として採用した。
評価基準:
○:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がなく、適度な湿り気があり使用感が良い。
△:やや泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感がある、もしくは適度な湿り気がない。
×:泡立ち・べたつき・水っぽさ・ごわごわ感が非常に強い、もしくはほとんど湿り気がなく使用感が悪い。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※5:被清掃素材の磨耗に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm)を10枚用い、各供試水性除菌剤200mLに含浸させ、十分に薬液が行き渡ったことを確認した後、薬液が染み込んだ不織布を1枚取り出し、清浄なステンレス表面を約30センチメートル四方に渡って、上下5回左右5回ふき取りを行った。その後、ステンレス表面に発生した傷について目視によって観察した。
評価基準:
○:傷が見られない。
△:部分的に深い傷が見られる。
×:全体的に深い傷が見られる。
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
※6:被清掃素材の腐食性に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種ウェットクロスの搾出液に対して、3cm×5cmの大きさにカットされた15種類の樹脂及び金属パネル(塩化ビニル・ABS・ポリプロピレン・ポリエチレン・アクリル・ポリカーボネート・シリコン・テフロン(登録商標)・真鍮・軟鉄・アルミ・亜鉛ニッケル・アルミニウム・銅・ステンレス)各2枚合計30枚を浸漬し、25℃で48時間保管後、各パネルをイオン交換水ですすぎ24時間室温で乾燥した後、腐食度合いを目視で評価した。
評価基準:
◎:全てのパネルに変色・劣化・割れなどが見られない。
○:2割未満のパネルに変色・劣化・割れなどが見られる。
△:2割以上3割未満のパネルに変色・劣化・割れなどが見られる。
×:3割以上のパネルに変色・劣化・割れなどが見られる。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※7:皮膚刺激性に関する試験
表1から表10に示す各種ウェットワイプを1枚とり出し、1cm四方に切り出し、粘着テープを使用して無作為に選定した成人のひじの内側に貼り付け、24時間経過後に剥がした直後に、皮膚の状態を目視で確認して、皮膚刺激性を評価した。
評価基準:
◎:紅斑、浮腫が全く見られない。
〇:紅斑、浮腫がほとんど見られない。
△:やや赤みのある紅斑や軽度の浮腫が見られる。
×:赤みの強い紅斑や重度の浮腫が見られる。
※8:ウェットワイプの防カビ性に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm×300枚)を容量3Lのポリプロピレン製の袋に入れて、各供試水性除菌剤2Lを含浸させ、室温にて24時間保存した後、縦半分に裁断し外側から中心にかけて不織布を等間隔に3カ所1枚ずつ取り出し、シャーレに収まるようにはさみで切りだしたあと、あらかじめ黒カビの菌液(Aspergillus niger NBRC105649(108CFU/mLレベル))を塗布したシャーレに貼り付け、25℃で4日間培養後、不織布場へのカビの発生度合いを目視によって観察した。
評価基準:
◎:カビの発生を完全に抑制している。
○:カビの発生をほとんど抑制している。
△:一部、カビの発生が見られるが、概ね抑制している。
×:全体的にカビが発生している。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※9:基材シートの薬剤偏在に関する評価試験
試験方法:
表1から表10に示す各種素材からなる不織布(200mm×250mm×300枚)を容量3Lのポリプロピレン製の袋に入れて、各供試水性除菌剤2Lを含浸させ、室温にて24時間保存した後、縦半分に裁断し、中心部分まで薬液が染み込んでいるかを目視によって観察した。
評価基準:
◎:全体にまんべんなく薬液が染み込んでいる。
○:ほとんど全体的に薬液が染み込んでいる。
△:一部染み込んでいない部分がある。
×:いたるところに染み込んでいない部分がある。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※10:ウイルス不活化試験
試験方法:
試験管に0.9mLの搾出液とそれぞれ108TCID50/mLとなるように調整したウイルス液0.1mLを加え、ミキサーで混合し、25℃で10分間作用させた。作用後0.1mLをサンプリングし、9.9mLの作用停止液(2%チオ硫酸ナトリウム、0.2%レシチン及び1.5%ポリソルベート80を含む細胞増殖液)に添加して100倍希釈後、ウイルスに対する水性除菌剤(搾出液)の作用を停止させた。これをウイルス感染価測定用資料原液として感染価の測定に用いた。同様に、搾出液の代わりに、リン酸緩衝生理食塩水(phosphate bufferred saline、以下、PBSと略すことがある)を用いた試験を実施し、コントロールとした。リン酸緩衝生理食塩水は、塩化ナトリウム8g、塩化カリウム0.2g、リン酸水素二ナトリウム1.44g、リン酸二水素カリウム0.24gの4種類の塩を混合し、超純水で900mLに溶解後、塩酸でpHを7.4に調整する。1Lにメスアップ後、オートクレーブにより滅菌する。ウイルスとして、ネコカリシウイルス、マウスノロウイルス、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アデノウイルス、AIDSウイルス、インフルエンザウイルスを用いた。
ウイルス感染価測定用試料原液をPBSで10倍段階希釈した後、感染価測定用試料原液及び希釈ウイルス液50μLとウシ胎仔血清(FBS)を5%添加したDulbecco‘s modified Eagle’s Medium(DMEM)に懸濁した細胞を96ウェルプレートに植え込んだ。その後、炭酸ガスふ卵器において37℃、5%CO2の条件で4日間培養した。培養後、倒立顕微鏡下でウイルスの増殖によるCPE(細胞変性効果)の有無を観察し、Reed−Muench法を用いてウイルス感染価(TCID50/mL)を求め、下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:ウイルス感染価のLog reductionが5以上の減少
2点:ウイルス感染価のLog reductionが4以上、5未満の減少
3点:ウイルス感染価のLog reductionが3以上、4未満の減少
4点:ウイルス感染価のLog reductionが3未満の減少
として上記各ウイルスについてウイルス感染価の減少を点数で評価し平均値を求め、以下の基準でウイルス不活化効果を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※11:抗菌持続性試験
20mm×20mmのステンレス板を用意し、表1から表10に示す各種ウェットクロスで上下5回左右5回清拭を行い、25℃に設定したインキュベーターで所定時間(1時間、12時間、24時間、72時間)静置する。対照として未処理のステンレス板も用意した。所定時間静置した各テストパネルを滅菌したプラスチックボトルに入れ、除菌性試験で調整した各種菌液を0.2mL接種して、パネル表面全体にまんべんなく塗布した。各テストパネルを25℃で2時間自然乾燥後、細菌についてはSCDLP培地20mL、カビについてはGPLP液体培地20mLを加え、ストマッカー袋に入れ、60回手で揉み細菌を洗い出した。洗い出した試験液について、細菌についてはSCD寒天培地、カビについてはPDA培地を用いて培養し、菌数(cfu/mL)を求め、対照と比較して下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:静置時間72時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
2点:静置時間24時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
3点:静置時間12時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
4点:静置時間1時間まで、対照と比較して菌数の常用対数値が3以上小さい。
として上記抗菌持続性を点数で評価した。
細菌については、抗菌持続性の5種の細菌に対する平均値を求め、以下の基準で抗菌持続性効果を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
またカビについては、抗菌持続性の3種のカビに対する平均値を求め、下記の基準で評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
細菌に対する抗菌持続性、カビに対する抗菌持続性ともに、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※12:抗ウイルス持続性試験
20mm×20mmのステンレス板を用意し、表1から表10に示す各種ウェットクロスで上下5回左右5回清拭を行い、25℃に設定したインキュベーターで所定時間(1時間、12時間、24時間、72時間)静置する。対照として未処理のステンレス板も用意した。所定時間静置した各テストパネルを滅菌したプラスチックボトルに入れ、ウイルス液(ネコカリシウイルス、マウスノロウイルス、アデノウイルス、インフルエンザウイルス)を0.2mL接種して、パネル表面全体にまんべんなく塗布した。各テストパネルを25℃で2時間自然乾燥後、SCDLP培地20mLを加え、ストマッカー袋に入れ、60回手で揉みウイルスを洗い出した。洗い出した試験液について、細胞培養用培地で10倍希釈法による希釈系列を作成した後、それぞれのウイルスに対応する宿主細胞(ネコカリシウイルス:Crandekk-Reese feline kidney cell、マウスノロウイルス:Mouse monocyte/macrophage cell line RAW264、アデノウイルス:Hela cell、インフルエンザウイルス:Madin-Darby canine kidney cell)に接種した。
一定時間後にウイルス感染の有無を観察し、ウイルス感染価(TCID50/mL)を求め、対照と比較して下記の基準で評価した。
評価基準:
1点:静置時間72時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
2点:静置時間24時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
3点:静置時間12時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
4点:静置時間1時間まで、対照と比較してウイルス感染価の常用対数値が3以上小さい。
として上記抗ウイルス持続性を点数で評価し、各ウイルスに対する抗ウイルス持続性の平均値を求め、以下の基準で抗ウイルス持続性効果を評価した。
◎:平均値が1.0点以上、1.5点未満。
〇:平均値が1.5点以上、2.5点未満。
△:平均値が2.5点以上、3.5点未満。
×:平均値が3.5以上。
とし、△、○、◎を実用性のあるものとして判定した。
※13:洗浄性試験
試験方法:
質量を測定したステンレス板(15×50mm)に、牛脂:大豆油:クロロホルムを1:1:5で混合した擬似汚れを付着・乾燥させた試験片の質量を測定した。この試験片を平らな表面に固定し、表1から表10に示す各種ウェットクロスを50g分取り出し、2回折り畳んだ状態で、試験片の上に置き、さらに重量300gのおもりを乗せた。その状態でウェットクロスを1秒間に1回の間隔で上下に5回動かした。その後、試験片をイオン交換水ですすぎ、自然乾燥させた後、質量を測定した。洗浄率を清拭前後の試験片の質量変化により下記式より算出し、次の尺度で示した。
(数1)
洗浄率=(S−T)/(S−U)×100
S:清拭前の試験片の質量
T:清拭後の試験片の質量
U:ステンレス板の質量
評価基準:
○:洗浄率70%以上、100%以下
△:洗浄率30%以上、70%未満
×:洗浄率30%未満
とし、△、○を実用性のあるものとして判定した。
即ち本発明は、
(1) 液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分としてアルキル基の炭素数が6以上、18以下のジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキル基の炭素数が6以上、18以下のアルキルジメチルベンジルアンモニウム塩より選ばれた第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分としてリン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、塩化カリウム、酢酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩より選ばれた少なくとも1種、(C)成分としてエチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ニトリロ三酢酸(NTA)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、グルタミン酸二酢酸(GLDA)や、これらのアルカリ金属塩、アンモニウム塩より選ばれたアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下であり、
前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする清掃用シート、
(2)(A)成分が、オクチルデシルジメチルアンモニウムクロライド、ジオクチルジメチルアンモニウムクロライド、ジデシルジメチルアンモニウムクロライド、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド(アルキル基の炭素数12以上、16以下の混合物)より選ばれた少なくとも1種である上記(1)の清掃用シート、
(3)(B)成分が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムの少なくとも一種と、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの少なくとも1種との組み合わせ、酢酸とその塩の組み合わせ、リンゴ酸とその塩の組み合わせ、グルコン酸とその塩の組み合わせより選ばれた少なくとも1種の組み合わせであるである上記(1)又は(2)のいずれかの清掃用シート、
(4)前記水性除菌剤は、(A)成分と(B)成分の質量比(A)/(B)が、0.005以上、20以下である上記(1)から(3)のいずれかの清掃用シート。
(5)前記水性除菌剤が、(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種を含有する上記(1)から(4)のいずれかの清掃用シート、
(6)基材シートが再生繊維を含むことを特徴とする上記(1)から(5)のいずれかの清掃用シート、
(7)基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である上記(1)から(6)のいずれかの清掃用シート。
(8)基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする上記(1)から(7)のいずれかの清掃用シート、
(9)前記基材シートに含浸されている水性除菌剤がウイルス不活化効果を有することを特徴とする上記(1)から(8)のいずれかの清掃用シート、
(10)除菌用、防カビ用、ウイルス不活化用の清掃用シートである上記(1)から(9)のいずれかの清掃用シート、
を要旨とするものである。

Claims (10)

  1. 液体の保持が可能な基材シートに対して水性除菌剤が含浸された清掃用シートにおいて、前記水性除菌剤が(A)成分として第四級アンモニウム塩型界面活性剤、(B)成分として無機電解質、有機酸、有機酸塩より選ばれた少なくとも1種、(C)成分としてアミノカルボン酸型キレート剤、(D)成分として水を含有していて、基材シートに含浸されている水性除菌剤のpHが4.8以上、8.0以下であり、
    前記基材シートが、再生繊維、合成系繊維、天然繊維より選ばれた少なくとも1種を含むことを特徴とする清掃用シート。
  2. (A)成分が、アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンゼトニウムクロライド、ジアルキルジメチルアンモニウムクロライド、エチルベンジルアンモニウムクロライドより選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1に記載の清掃用シート。
  3. (B)成分が、リン酸またはその塩、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウム、酢酸またはその塩、クエン酸またはその塩、リンゴ酸またはその塩、乳酸またはその塩、シュウ酸またはその塩、プロピオン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、フマル酸またはその塩、マレイン酸またはその塩、グルコン酸またはその塩、アジピン酸またはその塩、イタコン酸またはその塩より選ばれた少なくとも1種であることを特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の清掃用シート。
  4. (B)成分が、リン酸二水素ナトリウム、リン酸二水素カリウムの少なくとも一種と、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素二カリウムの少なくとも1種との組み合わせ、酢酸とその塩の組み合わせ、クエン酸とその塩の組み合わせ、リンゴ酸とその塩の組み合わせ、またはグルコン酸とその塩の組み合わせより選ばれた少なくとも1種の組み合わせである請求項1又は2記載の清掃用シート。
  5. 前記水性除菌剤が、(E)成分としてアニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤より選ばれた少なくとも1種を含有する請求項1から4のいずれかに記載の清掃用シート。
  6. 基材シートが再生繊維を含むことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の清掃用シート。
  7. 基材シートに含浸されている水性除菌剤が、基材シート100質量部あたり、150質量部以上、350質量部以下である請求項1から6のいずれかに記載の清掃用シート。
  8. 基材シートに含浸されている水性除菌剤中の(A)成分が0.00045質量%以上、20質量%以下であることを特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の清掃用シート。
  9. 前記基材シートに含浸されている水性除菌剤がウイルス不活化効果を有することを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の清掃用シート。
  10. 除菌用、防カビ用、ウイルス不活化用の清掃用シートである請求項1から9のいずれかに記載の清掃用シート。
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