JP2018090024A - 作業車 - Google Patents
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Abstract
Description
この構成においては、ピットマンアームの前後揺動に連動して、ドラッグリンクが前後方向に押し引き操作されることにより、ステアリングアームが前後方向に揺動操作され、これにより、ステアリングアームと一体揺動する左右いずれか一方の操舵輪が操舵されるとともに、他方の操舵輪が、左右のナックルアームとタイロッドとを介して一方の操舵輪と同じ方向に操舵される。
又、ドラッグリンクの取り付け姿勢が左右方向に大きく傾斜していると、ピットマンアームが直進位置から前側の旋回操作領域で揺動するときと、ピットマンアームが直進位置から後側の旋回操作領域で揺動するときとで、ドラッグリンクを介したピットマンアームからステアリングアームへの操舵力の伝達率に差が生じ易くなる。その結果、ピットマンアームが直進位置から前側の旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する操舵輪の切れ角と、ピットマンアームが直進位置から後側の旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する操舵輪の切れ角とに差が生じ易くなり、切れ角の差に起因した旋回操作性の低下が顕著に表れる。
本発明に係る作業車には、左右の操舵輪と一体揺動する左右のナックルアームと、左右の前記ナックルアームを連動連結するタイロッドと、ステアリング操作に連動して横軸回りに前後揺動するピットマンアームと、左右いずれか一方の前記操舵輪と一体揺動するステアリングアームと、前記ステアリングアームを前記ピットマンアームに連動連結するリンク機構とが備えられ、
前記リンク機構に、前記ピットマンアームの前後揺動によって前後方向に押し引き操作される前後方向に長い第1ドラッグリンクと、前記ステアリングアームを左右方向に揺動操作する左右方向に長い第2ドラッグリンクと、前記第1ドラッグリンクの前後方向への押し引き動作を前記第2ドラッグリンクの左右方向への押し引き動作に変換する揺動部材とが備えられている。
つまり、この手段においては、作業車のトレッドを広くしても、ピットマンアームに連結される第1ドラッグリンクを左右方向に大きく傾斜させる必要がなくなる。
これにより、ピットマンアームによって第1ドラッグリンクが押し引きされるときに、第1ドラッグリンクを横方向に揺動させる力が大きくなることを回避することができる。その結果、その横方向の力が大きくなることに起因して第1ドラッグリンクなどの耐久性が低下する虞を回避することができる。
又、ステアリング操作において、ピットマンアームが直進位置から前側の旋回操作領域で揺動するときと、ピットマンアームが直進位置から後側の旋回操作領域で揺動するときとで、第1ドラッグリンクなどを介したピットマンアームからステアリングアームへの操舵力の伝達率に差が生じ難くなる。その結果、ピットマンアームが直進位置から前側の旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する操舵輪の切れ角と、ピットマンアームが直進位置から後側の旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する操舵輪の切れ角とに差が生じ難くなり、切れ角の差に起因した旋回操作性の低下を抑制することができる。
左右の前記操舵輪を操舵可能に支持する車輪支持部材が備えられ、
前記揺動部材は、前記車輪支持部材に上下向きに取り付けられた支軸に揺動可能に支持されている。
又、車輪支持部材を車体にローリング可能に備える場合は、揺動部材と第2ドラッグリンクとが車輪支持部材と一体的にローリングすることから、第1ドラッグリンクに改良を加えるだけで、車輪支持部材のローリングを容易に許容することができる。
前記揺動部材は、該揺動部材の揺動支点部から前記第1ドラッグリンクが連結される第1連結部にわたる第1直線部分と、前記揺動支点部から前記第2ドラッグリンクが連結される第2連結部にわたる第2直線部分と、前記第1連結部と前記第2連結部とにわたる第3直線部分とを有する三角形状に形成されている。
尚、図1に記載された符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Uの矢印が指し示す方向がトラクタの上側である。
又、図2に記載された符号Fの矢印が指し示す方向がトラクタの前側であり、符号Rの矢印が指し示す方向がトラクタの右側である。
左右の後輪7は、変速ユニット5の左右両側部に連結された左右の車輪支持部材16に支持されている。左右の車輪支持部材16は、後輪駆動用の伝動軸(図示せず)などを内部に備えた後車軸ケースである。車輪支持部材16は、変速ユニット5に連結された主部材17と、主部材17の左右両端部に連結されたトレッド延長用の左右の補助部材18とを備えている。そして、左右の補助部材18における車体横外側の端部に、左右の後輪7が左右のギア式伝動ユニット19を介して支持されている。
これにより、このトラクタのトレッドは、同じクラスの標準的なトラクタのトレッドよりも左右幅の広い畝(例えば玉ねぎ栽培用の畝)が形成された圃場でのトラクタの使用が可能となるように、同じクラスの標準的なトラクタのトレッドよりも広く設定されている。
これにより、このトラクタは、標準仕様のトラクタよりも最低地上高が高い高床仕様に構成されている。
つまり、このリンク機構28においては、単一のドラッグリンクによってピットマンアーム26とステアリングアーム27とが連動連結されるのではなく、ドラッグリンクが、ピットマンアーム側の第1ドラッグリンク29とステアリングアーム側の第2ドラッグリンク30とに2分割され、第1ドラッグリンク29と第2ドラッグリンク30とが動作方向変換用の揺動部材31を介して連動連結されている。
これにより、トラクタのトレッドを広くすることによってステアリングアーム27の取り付け位置がピットマンアーム26の取り付け位置よりも車体の左外側に大きく変位しても、ステアリング操作に伴ってピットマンアーム26が前後方向に揺動すると、この揺動に連動して第1ドラッグリンク29が前後方向に押し引きされ、第1ドラッグリンク29の前後方向への押し引き動作が、揺動部材31によって第2ドラッグリンク30の左右方向への押し引き動作に変換される。そして、第2ドラッグリンク30の左右方向への押し引き動作によってステアリングアーム27が左右方向に揺動し、ステアリングアーム27と一体揺動する左側の前輪6が操舵されるとともに、右側の前輪6が、左右のナックルアーム24とタイロッド25とを介して右側の前輪6と同じ方向に操舵される。
そのため、トラクタのトレッドを広くしても、ピットマンアーム26に連結される第1ドラッグリンク29を左右方向に大きく傾斜させる必要がなくなる。
これにより、ピットマンアーム26によって第1ドラッグリンク29が押し引きされるときに、第1ドラッグリンク29を横方向に揺動させる力が大きくなることを回避することができる。その結果、その横方向の力が大きくなることに起因して第1ドラッグリンク29などの耐久性が低下する虞を回避することができる。
又、ステアリング操作において、ピットマンアーム26が直進位置から前側の左旋回操作領域で揺動するときと、ピットマンアーム26が直進位置から後側の右旋回操作領域で揺動するときとで、第1ドラッグリンク29などを介したピットマンアーム26からステアリングアーム27への操舵力の伝達率に差が生じ難くなる。その結果、ピットマンアーム26が直進位置から前側の左旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する前輪6の切れ角と、ピットマンアーム26が直進位置から後側の右旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する前輪6の切れ角とに差が生じ難くなり、切れ角の差に起因した旋回操作性の低下を抑制することができる。
これにより、左右の前輪6を支持する車輪支持部材12に、ステアリングアーム27などとともに揺動部材31と第2ドラッグリンク30とを組み付けてユニット化することができる。その結果、揺動部材31及び第2ドラッグリンク30の組み付け性が向上する。
又、揺動部材31及び第2ドラッグリンク30が車輪支持部材12と一体的にローリングすることから、第1ドラッグリンク29に作動角の大きいボールジョイント29Bを備えることにより、車輪支持部材12のローリングを容易に許容することができる。
これにより、右旋回操作時の最大切れ角付近にて要する操舵力が、左旋回操作時の最大切れ角付近にて要する操舵力よりも大きくなることが回避され、結果、右旋回操作が左旋回操作よりも行い難くなることを防止することができる。
これにより、例えば、揺動部材31が、前述した第1直線部分31Dと第2直線部分31Eとを備えるL字形又はV字形の鋼板材によって構成される場合に比較して、補強リブなどを設けることによる形状の複雑化を招くことなく、揺動部材31の強度を高くすることができる。
上記の構成により、ロックユニット41は、トップパネル36の閉じ位置への人為操作が行われると、支持プレート44及びフック部材45などがトップパネル36とともに下降揺動し、支持プレート44のガイド部44A及びフック部材45のカム部45Bがロックピン43に接触する。この接触により、ロックピン43に対するトップパネル36の左右方向での位置ズレが修正されるとともに、フック部材45が引っ張りバネ46の作用に抗してロック位置から解除位置に退避揺動する。そして、トップパネル36が閉じ位置に到達すると、その到達に伴って、フック部材45のカム部45Bとロックピン43との接触によるフック部材45の退避揺動が終了し、引っ張りバネ46の作用により、フック部材45が解除位置からロック位置に復帰してロックピン43に引っ掛かる。これにより、トップパネル36は、ロックユニット41の作用によって閉じ位置に固定保持される。
上記の構成により、作業者は、操作具48の係合部48Aをトップパネル36の開口36Aに差し入れて解除部材42の被係合部42Cに係合することにより、引っ張りバネ46の作用に抗して、解除部材42の連係部42Bを第1操作位置から第2操作位置に揺動させることができる。そして、この揺動により、ロックユニット41によるトップパネル36の閉じ位置での固定保持を解除することができる。
つまり、ロック機構40は、操作具48を使用しない限り、トップパネル36の閉じ位置での固定保持を解除することができないように構成されている。
上記の構成により、作業者は、トップパネル36の開き操作を行う必要がないときは、センタマスコット38の姿勢を基準姿勢にすることにより、センタマスコット38を照準器として使用することができるとともに、トップパネル36の開口36Aを覆い隠すカバー部材として使用することができる。そして、トップパネル36の開き操作を行う必要が生じたときは、基準姿勢のセンタマスコット38を縦軸回り揺動させることにより、トップパネル36の開口36Aを露出させることができ、操作具48を使用したロック機構40の解除操作を行うことができる。
つまり、通常は基準姿勢でトップパネル36の左右中央に位置して照準器として使用されるセンタマスコット38を、トップパネル36の開口36Aを覆い隠すカバー部材として使用することができる。これにより、開口36Aを覆い隠す専用のカバー部材を不要にすることができる。
これにより、センタマスコット38をトップパネル36に揺動可能に備えながら、走行時の振動などに起因して、センタマスコット38が基準姿勢から不必要に揺動することを防止することができる。
その結果、作業走行時には、センタマスコット38が照準器としての役割を果たせるようになっている。
これにより、デテント機構50は、センタマスコット38が基準姿勢に揺動操作されて、一対の溝部38Bが縦軸部38Aの前後に位置したときに、板バネ51の各挟持部51Aが一対の溝部38Bに入り込むことにより、センタマスコット38を基準姿勢に保持するように構成されている。
これにより、取扱説明書54を、運転座席21に着座した作業者が取り出し易い位置に収納することができ、取扱説明書54の内容を容易に確認することができる。
これにより、例えば、作業走行中に電源ソケット60からの電力によって携帯電話59の充電を行うときは、充電中の携帯電話59をカップホルダ58に収納することができる。
その結果、携帯電話専用のホルダを備えることなく、作業走行時の車体の傾斜などに起因して充電中の携帯電話59が車体から落下する虞を回避することができる。
本発明は、上記の実施形態に例示された構成に限定されるものではなく、以下、本発明に関する代表的な別実施形態を例示する。
作業車は、例えば、左右の後輪7に代えて左右のクローラを備えるセミクローラ仕様に構成されていてもよい。
作業車は、例えば、左右の後輪7が操舵輪として機能する後輪操舵式に構成されていてもよい。
作業車は、例えば、左右の前輪6及び左右の後輪7が操舵輪として機能する四輪操舵式に構成されていてもよい。
作業車は、例えば、エンジン2の代わりに電動モータを備える電動仕様に構成されていてもよい。
作業車は、例えば、エンジン2と電動モータとを備えるハイブリッド仕様に構成されていてもよい。
作業車は、例えば、保護フレーム9の代わりにキャビンを備えるキャビン仕様に構成されていてもよい。
図13に例示されたリンク機構28において、揺動部材31は、揺動部材31の揺動支点から第1ドラッグリンク29との連結点にわたる第1線L1と、揺動部材31の揺動支点から第2ドラッグリンク30との連結点にわたる第2線L2との夾角θaが直角になるように形成されている。又、第1連結部31Bが揺動支点部31Aの真横に位置し、かつ、第2連結部31Cが揺動支点部31Aの真正面に位置するときの揺動部材31の姿勢が直進位置になるように支軸32に取り付けられている。
第1ドラッグリンク29は、直進位置に位置するピットマンアーム26の揺動支点から第1ドラッグリンク29との連結点にわたる第3線L3との夾角θbが直角になり、かつ、直進位置に位置する揺動部材31の第1線L1との夾角θcが直角になる前後向き姿勢で、ピットマンアーム26と揺動部材31とに架設されている。
第2ドラッグリンク30は、直進位置に位置する揺動部材31の第2線L2との夾角θdが直角になる左右向き姿勢で、揺動部材31とステアリングアーム27とに架設されている。
このようにリンク機構28を構成すれば、ステアリング操作において生じる、ピットマンアーム26が直進位置から前側の左旋回操作領域で揺動するときと、ピットマンアーム26が直進位置から後側の右旋回操作領域で揺動するときとの操舵力の伝達率の差を、より効果的に生じ難くすることができる。これにより、ピットマンアーム26が直進位置から前側の左旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する前輪6の切れ角と、ピットマンアーム26が直進位置から後側の右旋回操作領域で揺動するときに得られるステアリング操作角に対する前輪6の切れ角とにおいて、切れ角の差が更に生じ難くなり、切れ角の差に起因した旋回操作性の低下をより効果的に防止することができる。
揺動部材31は、例えば、前述した第1直線部分と第2直線部分とを備えるL字形又はV字形に形成されていてもよい。
揺動部材31は、例えば、前述した第1直線部分と第2直線部分と第3直線部分の少なくとも一つが湾曲する略三角形状に形成されていてもよい。
揺動部材31は、例えば、前述した第1直線部分と第2直線部分と第3直線部分とで囲まれた空間を有する三角形状に形成されていてもよい。
この構成においては、揺動部材31が、前部フレーム1に上下向きに取り付けられた支軸32に揺動可能に支持されていてもよい。
この構成において、車輪支持部材12,16の一例である前車軸ケース及び後車軸ケースは、主部材13,17に対して左右の補助部材14,18が左右方向に出退可能に嵌合されている。そして、主部材13,17と左右の補助部材14,18とにわたって左右の油圧シリンダ61が架設されている。
尚、図示は省略するが、前車軸ケース及び後車軸ケースの内部に備えられた伝動軸は、伸縮可能にスプライン嵌合された主軸と筒軸とを備えて、トレッドの変更に応じて伸縮するように構成されている。
この構成において、車輪支持部材12,16の一例である前車軸ケース及び後車軸ケースは、主部材13,17に対して左右の補助部材14,18が左右方向に出退可能に嵌合されている。そして、主部材13,17の内部に位置する左右の補助部材14,18の内端側に、ラックギア63が、補助部材14,18の出退方向に沿って左右向きに形成されている。又、主部材13,17の内部に、ラックギア63と噛み合うピニオンギア64が備えられ、ピニオンギア64と一体回転する操作軸65が、主部材13,17の内部から外部に突出している。
これにより、操作軸65を外部から操作することができ、この操作によって作業車のトレッドを変更することができる。
尚、図示は省略するが、前車軸ケース及び後車軸ケースの内部に備えられた伝動軸は、伸縮可能にスプライン嵌合された主軸と筒軸とを備えて、トレッドの変更に応じて伸縮するように構成されている。
12 車輪支持部材
24 ナックルアーム
25 タイロッド
26 ピットマンアーム
27 ステアリングアーム
28 リンク機構
29 第1ドラッグリンク
30 第2ドラッグリンク
31 揺動部材
31A 揺動支点部
31B 第1連結部
31C 第2連結部
31D 第1直線部分
31E 第2直線部分
31F 第3直線部分
32 支軸
Claims (3)
- 左右の操舵輪と一体揺動する左右のナックルアームと、
左右の前記ナックルアームを連動連結するタイロッドと、
ステアリング操作に連動して横軸回りに前後揺動するピットマンアームと、
左右いずれか一方の前記操舵輪と一体揺動するステアリングアームと、
前記ステアリングアームを前記ピットマンアームに連動連結するリンク機構とが備えられ、
前記リンク機構に、前記ピットマンアームの前後揺動によって前後方向に押し引き操作される前後方向に長い第1ドラッグリンクと、前記ステアリングアームを左右方向に揺動操作する左右方向に長い第2ドラッグリンクと、前記第1ドラッグリンクの前後方向への押し引き動作を前記第2ドラッグリンクの左右方向への押し引き動作に変換する揺動部材とが備えられている作業車。 - 左右の前記操舵輪を操舵可能に支持する車輪支持部材が備えられ、
前記揺動部材は、前記車輪支持部材に上下向きに取り付けられた支軸に揺動可能に支持されている請求項1に記載の作業車。 - 前記揺動部材は、該揺動部材の揺動支点部から前記第1ドラッグリンクが連結される第1連結部にわたる第1直線部分と、前記揺動支点部から前記第2ドラッグリンクが連結される第2連結部にわたる第2直線部分と、前記第1連結部と前記第2連結部とにわたる第3直線部分とを有する三角形状に形成されている請求項1又は2に記載の作業車。
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