JP2018089566A - トンネル工事用電気集塵機 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献1に示すトンネル掘削工事用電気集塵機は、車両の荷台に載置して用いられて、トンネル掘削工事中に発生する粉塵を捕集するものであり、粉塵を帯電させて集塵極板に捕集する集塵ユニットと、集塵ユニットに粉塵を誘引するファンユニットと、ファンユニットで誘引した空気を吐出する吐出ダクトユニットとを備えている。
このトンネル掘削工事用電気集塵機によれば、ファンユニットで誘引された空気とともに、集塵ユニット内に吸い込まれた粉塵は、帯電部の放電電極と帯電部の集塵電極との間で発生するコロナ放電によって電荷を与えられて帯電する。そして、帯電した粉塵は、空気の流れにより、帯電部の下流側に配置された集塵部に移動する。次いで、帯電した粉塵が集塵部で形成される電界のクーロン力によって集塵極板に捕集されることで、トンネル掘削工事中に発生する粉塵を捕集することができる。
また、帯電部で帯電された粉塵が100%に近い状態で集塵部で捕集されたとしても、一度、集塵部で捕集された粉塵が何らかの原因で集塵部から離れるという再飛散があり、この再飛散した粉塵も帯電している。
従って、トンネル掘削工事用電気集塵機において、帯電した粉塵が集塵部下流側の装置部分に付着し、汚れの原因となっていた。
特許文献2に示す集塵装置は、粉塵を帯電させる荷電部と、その下流側に設けられて粉塵を除去する集塵部とを備え、集塵部から吹出される荷電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する電荷中和手段として針状電極を集塵部下流側に設けている。
この集塵装置によれば、放電電流が小さくオゾンをほとんど発生させないで帯電粉塵を中和でき、帯電した粉塵が集塵部下流側の装置部分に付着するのを防止することができる。
即ち、特許文献2に示す集塵装置の場合、電荷中和手段としての針状電極を集塵部の下流側であって送風ファンの上流側に設けている。このため、装置の大型化は避けられず、中和性能は安定しない。なぜなら、電荷中和手段で中和できるエリアは非常に狭く電荷中和手段の中和電極の周辺に限られるので、中和装置は大型化する。また、集塵部の運転状況により帯電した粉塵の放出量の多い場所、少ない場所が存在するため、集塵部の近傍に電荷中和手段を設置すると、集塵部から漏れ出た帯電粉塵を効率よく中和することは困難になる。
このトンネル工事用電気集塵機によれば、電荷中和手段をファンの下流側に設置する際に、電荷中和手段を簡単に設置することができる。
また、このトンネル工事用電気集塵機において、前記電荷中和手段は、前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する放電電極と、該放電電極を下流側に支持した状態で前記放電電極を前記筐体の下流側端部に取り付けるブラケットとを備えていることが好ましい。
このトンネル工事用電気集塵機によれば、集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する放電電極を、筐体の下流側端部にブラケットにより簡単かつ適切に取り付けることができる。
このトンネル工事用電気集塵機によれば、各棒状放電部近傍の空気のイオン化を確実に行うことができる。
このトンネル工事用電気集塵機によれば、放電電極を簡単かつ確実に第1ブラケットに取り付けることができる。
また、このトンネル工事用電気集塵機において、前記電荷中和手段は、両極性の高圧電源を用いて前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出することが好ましい。
このトンネル工事用電気集塵機によれば、集塵部で捕集されなかった帯電粉塵と、集塵部で捕集された後、集塵部から離れた再飛散した帯電粉塵(集塵部で捕集されなかった帯電粉塵と逆極性に帯電した帯電粉塵)との双方の帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出し、当該双方の帯電粉塵の中和を行うことができる。
図1に示すトンネル工事用電気集塵機1は、トンネル掘削工事中に発生するコンクリート吹き付けの際の粉塵や、発破による粉塵の捕集に用いるものである。
ここで、トンネル工事用電気集塵機1は、図1に示すように、集塵室2、ファンユニット6及び吐出ダクトユニット7の3つのユニットを有し、これらは車両50の荷台51の後部から前方に向けて(上流側から下流側に向けて)この順に配置されて、車両50の荷台51上に載置固定される。
そして、集塵室2に、接続ダクト21を介して粉塵を誘引するファンユニット6が連結されている。さらに、このファンユニット6には、吐出ダクトユニット7が、車両50の荷台51の長手方向に沿って略並行な姿勢で連結されている。そして、この吐出ダクトユニット7の空気吐出口8が、車両50の前方に向けて開口している。
ここで、電気集塵機1は、接続ダクト21が、集塵室2側の開口部が大きく、吐出側に向かうにつれて荷台51上から離隔するように縮径されている。これにより、ファンユニット6及びこれに続く吐出ダクトユニット7は、荷台51の前方側の上方に離隔して配置されるとともに、集塵室2の上部(集塵ユニット2A〜2Dの部分)、ファンユニット6及び吐出ダクトユニット7が、順に上流側から下流側に向けてほぼ流路が直線的になるように連結される。
そして、各集塵ユニット2A〜2Hは、空気吸込口3側に配置される帯電部4と、この帯電部4の下流側に順に接続される複数の集塵部5とを備えている。帯電部4は、放電電極(図示せず)に電圧を印加し、帯電部集塵電極(図示せず)との間で発生するコロナ放電によって粉塵に電荷を与えて帯電させる。各集塵部5は、放電電極(図示せず)と集塵電極(図示せず)との間で電界を形成し、帯電した粉塵をクーロン力によって集塵電極に捕集する。
各集塵ユニット2A〜2Hでは、前述したように、帯電部4にて発生するコロナ放電によって粉塵に電荷を与えて帯電させる。帯電した粉塵は、空気の流れにより各集塵部5に移動し、各集塵部5で形成されるクーロン力によって集塵電極に捕集される。
しかしながら、帯電部4で帯電される粉塵は、全てが集塵部5で捕集されるわけではなく、未捕集の帯電した粉塵が集塵部5の下流側に放出される。この帯電された粉塵は、集塵部5の下流側の装置部分に付着しやすい。ここで、集塵部5で捕集されなかった帯電粉塵は、マイナスに帯電している。
そこで、本実施形態に係るトンネル工事用電気集塵機1においては、図1に示すように、ファンユニット6のファン6Aの下流側に、集塵ユニット2A〜2Hから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する複数(本実施形態にあっては2つ)の電荷中和手段30を設置している。
複数の電荷中和手段30は、図1(d)及び図2に示すように、ファン6Aの下流側に位置する、ファンユニット6の筐体6aの下流側端部に幅方向(図1(d)における左右方向)に沿って所定ピッチで設置される。
各電荷中和手段30は、両極性の高圧電源を用いて集塵ユニット2A〜2Hから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出するものであり、図2に示すように、上下方向に延びる、集塵ユニット2A〜2Hから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する中和用放電電極31と、この中和用放電電極31を下流側に支持した状態で中和用放電電極31をファンユニット6の筐体6aの下流側端部に取り付けるブラケット34とを備えている。
各電荷中和手段30においては、放電電極体32の周囲にアース電極を設けていない。放電電極体32の各棒状放電部32aには、プラス及びマイナスの電圧がかけられているが、帯電粉塵が集塵ユニット2A〜2Hから漏れ出てこない場合は空気イオンはプラスマイナス中立となる。しかし、集塵ユニット2A〜2Hから帯電粉塵が漏れ出た時、各棒状放電部32aとその周囲に大きな電位差が生じ、各棒状放電部32a近傍で電位を打ち消す空気イオンが発生し、帯電粉塵を中和する。
また、ブラケット34は、図2乃至図4に示すように、中和用放電電極31を下流側に支持するように中和用放電電極31が取り付けられる第1ブラケット35と、第1ブラケット35が取り付けられるとともにファン6Aの下流側に位置する筐体6aの下流側端部に取り付けられる第2ブラケット36とを備えている。
具体的に説明すると、各放電電極支持部材37は、図3及び図4に示すように、中和用放電電極31を支持する電極支持部37aと、電極支持部37aを第1ブラケット35の平板部35aに取り付ける取付部37bとを備えている。中和用放電電極31の第1ブラケット35への取付けに際し、先ず、各放電電極支持部材37の取付部37bを、図3及び図4に示すように、取付けねじ38bを取付けねじ用ねじ孔35dに螺号させることにより、第1ブラケット35の平板部35aに取り付ける。この際に、図4に示すように、各放電電極支持部材37が一対の傾斜板部35b,35cが延びている側の内側になるように取付部37bを平板部35aに取り付ける。その後、中和用放電電極31を各放電電極支持部材37の電極支持部37aに支持する。このとき、図3及び図4に示すように、各取付けねじ38aを電極支持部37aの雌ねじ部に螺合することによって中和用放電電極31の保持部33を締め付ける。これにより、中和用放電電極31は、複数の放電電極支持部材37を介して第1ブラケット35の平板部35aに取り付けられる。
具体的に説明すると、中和用放電電極31が取り付けられた第1ブラケット35を、図4に示すように、第2ブラケット36の断面直角二等辺三角形状に形成された第1平板部36a及び第2平板部36bの内側に配置する。そして、複数の取付けねじ39aを、第2ブラケット36の外側から第2ブラケット36の取付けねじ用切欠き36e及び第1ブラケット35の取付けねじ用貫通孔35eを挿通し、第1ブラケット35の内側から複数のナット39bで締め付ける。これにより、中和用放電電極31が取り付けられた第1ブラケット35が第2ブラケット36に取り付けられる。これにより、各電荷中和手段30が完成する。
具体的に説明すると、各電荷中和手段30の第2ブラケット36の第3平板部36cを、図2に示すように、筐体6aの下流側端部に形成された環状の突出縁部6aaの上側部分に第1取付部材40aを介して取付け、第2ブラケット36の第4平板部36dを、前記突出縁部6aaの下側部分に第2取付部材40bを介して取付ける。第1取付部材40aは、突出縁部6aaの上側部分に固定されており、第2ブラケット36の第3平板部36cを取付けねじ41aにより取付けねじ用切欠き36fを介して取り付ける。また、第2取付部材40bは、突出縁部6aaの下側部分に固定されており、第2ブラケット36の第4平板部36dを取付けねじ41bにより取付けねじ用切欠き36fを介して取り付ける。
これにより、各電荷中和手段30は、ファン6Aの下流側に位置する、ファンユニット6の下流側の吐出ダクトユニット7内に設置される。
トンネル工事用電気集塵機1をトンネル工事に用いる際には、車両50の荷台51上に載置した状態で、トンネル内の切羽近くまで自走によって移動させる。そして、車両50の後部側(上流側)を切羽側に向け、車両50の前部側(下流側)をトンネル入口側に向けた姿勢で停車させる。この状態でトンネル工事用電気集塵機1を稼働させる。集塵室2、ファンユニット6及び電荷中和手段30等の所定の運転操作は、制御盤10によって行う。
一方、帯電部4で帯電された粉塵の全てが集塵部5で捕集されずに、未捕集の帯電した粉塵が集塵部5の下流側に放出されたり、あるいは一度、集塵部5で捕集された粉塵が何らかの原因で集塵部5から離れて再飛散したりした、帯電した粉塵は、接続ダクト21を通過して、ファンユニット6に導かれる。そして、この帯電した粉塵は、ファン6Aの下流側に設置された複数の電荷中和手段30に導かれる。ここで、各電荷中和手段30が、集塵室2から吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出し、帯電粉塵を中和する。
このように、ファン6Aの下流側に、集塵室2から流入する帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する電荷中和手段30を設置したので、未捕集の帯電した粉塵が集塵部5の下流側に放出されたり、あるいは一度集塵部5で捕集された粉塵が何らかの原因で集塵部5から離れて再飛散した場合であっても、これら帯電した粉塵は、電荷中和手段30によって中和され、帯電した粉塵が装置部分に付着するおそれを回避することができる。
また、電荷中和手段30は、ファン6Aの下流側に位置する、ファンユニット6の筐体6aの下流側出口に設置されているので、電荷中和手段30をファン6Aの下流側に設置する際に、電荷中和手段30を簡単に設置することができる。 また、電荷中和手段30は、集塵室2から流入する帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する中和用放電電極31と、中和用放電電極31を下流側に支持した状態で中和用放電電極31を筐体6aの下流側端部に取り付けるブラケット34とを備えている。このため、集塵室2から流入する帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する中和用放電電極31を、筐体6aの下流側端部にブラケット34により簡単かつ適切に取り付けることができる。
また、ブラケット34は、中和用放電電極31を下流側に支持する第1ブラケット35と、第1ブラケット35が取り付けられるとともに筐体6aの下流側端部に取り付けられる第2ブラケット36とを備えている。そして、第2ブラケット36は、断面直角二等辺三角形状に形成されるとともに、放電電極31を下流側に支持した第1ブラケット35を断面直角二等辺三角形状の内側に取り付けた状態で、中和用放電電極31及び第1ブラケット35が第2ブラケット36の下流側となるように、筐体6aの下流側端部に取り付けられる。
また、各電荷中和手段30は、両極性の高圧電源を用いて集塵ユニット2A〜2Hから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する。このため、集塵部5で捕集されなかった帯電粉塵と、集塵部5で捕集された後、集塵部5から離れた再飛散した帯電粉塵(集塵部5で捕集されなかった帯電粉塵と逆極性に帯電した帯電粉塵)との双方の帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出し、当該双方の帯電粉塵の中和を行うことができる。
例えば、電荷中和手段30は、ファン6Aの下流側に設置されればよく、ファン6Aの下流側に位置する筐体6aの下流側端部に設置される必要は必ずしもない。電荷中和手段30の設置位置としては、筐体6aの下流側端部よりも上流側のファン6Aの下流側直近に設置されることが好ましい。これにより、集塵部5から漏れ出た帯電粉塵を筐体6aの下流側端部よりも上流側で中和することができ、帯電粉塵の装置部分への付着をより効率的に防止することができる。
また、第2ブラケット36は、断面三角形状であればよく、必ずしも断面直角二等辺三角形状とする必要はない。
2 集塵室
2A〜2H 集塵ユニット
3 空気吸込口
4 帯電部
5 集塵部
6 ファンユニット
6A ファン
6B モータ
6a 筐体
7 吐出ダクトユニット
8 空気吐出口
9 高電圧電源盤
10 制御盤
11 架台
12 支柱
13 洗浄装置
20 保護網
21 接続ダクト
30 電荷中和手段
31 中和用放電電極
32 放電電極体
32a 棒状放電部
33 保持部
33a 貫通孔
34 ブラケット
35 第1ブラケット
35a 平板部
35b、35c 傾斜板部
35d 取付けねじ用ねじ孔
35e 取付けねじ用貫通孔
36 第2ブラケット
36a 第1平板部
36b 第2平板部
36c 第3平板部
36d 第4平板部
36e 取付けねじ用切欠き
36f 取付けねじ用切欠き
37 放電電極支持部材
37a 電極支持部
37b 取付部
38a、38b 取付けねじ
39a 取付けねじ
39b ナット
40a 第1取付部材
40b 第2取付部材
41a、41b 取付けねじ
50 車両
51 荷台
C 高圧ケーブル
Claims (7)
- 車両の荷台に載置して用いられて、トンネル掘削工事中に発生する粉塵を捕集するトンネル工事用電気集塵機であって、
前記粉塵を帯電させて集塵電極に捕集する集塵ユニットと、該集塵ユニットの下流側に設置され、前記集塵ユニットに前記粉塵を誘引するファンを有するファンユニットと、前記ファンで誘引した空気を吐出する吐出ダクトユニットとを備え、
前記ファンの下流側に、前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する電荷中和手段を設置したことを特徴とするトンネル工事用電気集塵機。 - 前記ファンユニットは、前記ファンを収容する筐体を備え、
前記電荷中和手段は、前記ファンの下流側に位置する前記筐体の下流側端部に設置されることを特徴とする請求項1に記載のトンネル工事用電気集塵機。 - 前記電荷中和手段は、前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する中和用放電電極と、該中和用放電電極を下流側に支持した状態で前記中和用放電電極を前記筐体の下流側端部に取り付けるブラケットとを備えていることを特徴とする請求項2に記載のトンネル工事用電気集塵機。
- 前記中和用放電電極は、前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出する複数の棒状放電部を有する放電電極体を有することを特徴とする請求項3に記載のトンネル工事用電気集塵機。
- 前記ブラケットは、前記中和用放電電極を下流側に支持する第1ブラケットと、該第1ブラケットが取り付けられるとともに前記筐体の下流側端部に取り付けられる第2ブラケットとを備え、該第2ブラケットは、断面三角形状に形成されるとともに、前記中和用放電電極を下流側に支持した前記第1ブラケットを前記断面三角形状の内側に取り付けた状態で、前記中和用放電電極及び前記第1ブラケットが前記第2ブラケットの下流側となるように、前記筐体の下流側端部に取り付けられることを特徴とする請求項4に記載のトンネル工事用電気集塵機。
- 前記中和用放電電極は、放電電極支持部材を介して前記第1ブラケットに取り付けられることを特徴とする請求項5に記載のトンネル工事用電気集塵機。
- 前記電荷中和手段は、両極性の高圧電源を用いて前記集塵ユニットから吹出される帯電粉塵の電荷と逆極性のイオンを放出することを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載のトンネル工事用電気集塵機。
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