最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る管理装置は、管理対象に関する計測を行なう複数のセンサから計測結果を示すセンサ情報および前記センサの識別情報をそれぞれ取得する取得部と、前記取得部により取得された各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行い、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うグループ管理部とを備える。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
(2)好ましくは、前記管理装置は、さらに、各前記センサの前記識別情報を画面に表示する表示部を備え、前記グループ管理部は、前記表示部により表示された前記識別情報同士を対応づけるためのユーザの操作を受け付け、前記操作に基づいて前記グルーピング処理を行う。
このような構成により、たとえば、画面に表示された識別情報に対してユーザがマウスまたはタッチパネルなどを用いて操作を行うことで複数のセンサをグループ分けすることが可能である。これにより、簡単な操作でセンサのグループ分けを行い、また、簡単な操作でグループ分けの内容を変更することもできる。
(3)好ましくは、前記管理装置は、さらに、複数の前記グループのうちの少なくとも一部の前記グループである対象グループについて、前記対象グループごとの前記センサ情報に基づいて、前記管理対象を管理するための管理情報を作成する情報作成部を備える。
このような構成により、対象グループごとの管理情報を確認することで、各対象グループの状況を的確に把握したり、複数の対象グループ間の状況を比較したりすることができる。これにより、管理対象をより適切に管理することができる。
(4)好ましくは、前記管理装置は、さらに、複数の前記グループのうちの少なくとも一部の前記グループである対象グループについて、前記センサの動作を前記対象グループごとに制御する動作制御部を備える。
このような構成により、同じ対象グループに属する複数のセンサの動作を一括して制御することができるため、制御の効率化を実現することができる。
(5)より好ましくは、前記動作制御部は、前記センサによる前記センサ情報の送信周期を前記対象グループごとに制御する。
このような構成により、たとえば、ある対象グループに属する複数のセンサからの通信品質が十分でない場合に、当該対象グループに属する各センサからのセンサ情報の送信周期が短くなるように一括して制御するなど、対象グループごとの通信状況などに応じた適切な対応をとることができる。
(6)本発明の実施の形態に係る管理システムは、管理対象に関する計測を行い、計測結果を示すセンサ情報および自己の識別情報を送信する複数のセンサと、複数の前記センサから送信された前記センサ情報および前記識別情報をそれぞれ受信し、受信した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行い、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行う管理装置とを備える。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
(7)本発明の実施の形態に係る管理方法は、管理装置における管理方法であって、管理対象に関する計測を行なう複数のセンサから計測結果を示すセンサ情報および前記センサの識別情報をそれぞれ取得するステップと、取得した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行うステップと、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うステップとを含む。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
(8)本発明の実施の形態に係る管理方法は、管理システムにおける管理方法であって、複数のセンサが、管理対象に関する計測を行い、計測結果を示すセンサ情報および自己の識別情報を送信するステップと、管理装置が、複数の前記センサから送信された前記センサ情報および前記識別情報をそれぞれ受信するステップと、前記管理装置が、受信した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行うステップと、前記管理装置が、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うステップとを含む。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
(9)本発明の実施の形態に係る管理プログラムは、管理装置において用いられる管理プログラムであって、コンピュータに、管理対象に関する計測を行なう複数のセンサから計測結果を示すセンサ情報および前記センサの識別情報をそれぞれ取得するステップと、取得した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行うステップと、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
(10)本発明の実施の形態に係る管理プログラムは、管理システムにおいて用いられる管理プログラムであって、コンピュータに、複数のセンサが、管理対象に関する計測を行い、計測結果を示すセンサ情報および自己の識別情報を送信するステップと、管理装置が、複数の前記センサから送信された前記センサ情報および前記識別情報をそれぞれ受信するステップと、前記管理装置が、受信した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行うステップと、前記管理装置が、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うステップとを実行させるためのプログラムである。
このように、複数のセンサをグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサによる計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサをグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサと管理装置との通信を中継する基地局をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサの識別情報を用いて複数のセンサをグループ分けすることにより、各センサからのセンサ情報を1つの基地局を経由して管理装置へ伝送しながら各センサをグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
(第1の実施の形態)
[構成および基本動作]
(管理システムの構成)
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムの構成を示す図である。
図1を参照して、管理システム301は、基地局101と、1または複数の通信子機102と、蓄積装置111と、管理装置112とを備える。
管理システム301は、たとえば事業者の工場および事務所に設置される。たとえば、管理システム301は、工場における産業材料162の温度および湿度などの管理を行なう。この例では、基地局101および通信子機102は工場に設けられ、蓄積装置111および管理装置112は事務所に設けられている。
通信子機102は、1または複数のセンサを有し、各センサは、管理対象たとえば工場に保管されている産業材料162に関する計測を行う。通信子機102は、自己の各センサによる計測結果を示すセンサ情報を含む無線信号を基地局101へ送信する。より詳細には、通信子機102の各センサは、工場におけるコンテナ161内に設けられ、コンテナ161内における産業材料162の温度および湿度などを計測する。
図1では、一例として、工場内に複数のコンテナ161が設けられ、通信子機102が対応のコンテナ161内に設置されている場合を示している。なお、通信子機102は、センサ情報を含む無線信号を基地局101へ送信する構成に限らず、複数の通信子機102の一部または全部がセンサ情報を基地局101へ有線伝送する構成であっても良い。
基地局101は、各通信子機102から無線信号を受信し、受信した無線信号に含まれるセンサ情報などをイーサネット(登録商標)または無線LAN(Local Area Network)などのネットワーク171経由で管理装置112へ送信する。たとえば、基地局101は、センサ情報にタイムスタンプなどの時刻情報、および無線通信品質(LQI:Link Qulity Indication)などを付加して管理装置112へ送信する。ここで、LQIは、たとえば値が大きいほど良好な品質であることを示す。なお、管理システム301には、複数の基地局101が設けられていても良い。
管理装置112は、たとえばサーバまたはPC(Personal Computer)であり、基地局101から送信されたセンサ情報を受信し、受信したセンサ情報などを蓄積装置111へ送信する。
蓄積装置111は、管理装置112から受信したセンサ情報などを蓄積する。たとえば、センサ情報は、データベース化されて蓄積装置111に蓄積される。なお、蓄積装置111は、管理装置112の一部であっても良い。
また、管理装置112は、蓄積装置111に蓄積されたセンサ情報などに基づいて、管理対象である産業材料162を管理するための管理情報を作成する。そして、管理装置112は、作成した管理情報を、たとえば自己の画面に表示する。
なお、管理情報は、センサ情報に対して何らかの演算などが行われたデータであってもよいし、センサ情報の一部または全部と同じ内容のデータであってもよい。さらに、管理情報には、センサ情報とは異なる種類の情報が含まれていても良い。
(通信子機の構成)
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける通信子機の構成を示す図である。
図2を参照して、通信子機102は、アンテナ11と、無線回路12と、処理部13と、センサ14とを備える。処理部13はたとえばCPU(Central Processing Unit)によって実現される。また、たとえば、無線回路12および処理部13は、1つの半導体集積回路15に含まれる。
センサ14は、たとえば、自己の周囲の温度または湿度を計測し、計測した温度または湿度を示すセンサ情報を、たとえばI2Cバス(登録商標)経由で処理部13へ出力する。なお、センサ14は、温度および湿度以外の種類、たとえば、気圧、加速度、角度、角速度、磁力、照度、電圧、電流、二酸化炭素濃度および一酸化炭素ガス濃度のうちのいずれかの種類の計測を行っても良い。また、通信子機102に複数のセンサ14が含まれ、これら複数のセンサ14が互いに異なる種類の計測を行っても良い。
処理部13は、センサ14から受けたセンサ情報を、たとえばIEEE802.15.4規格に従うフレームフォーマットのパケットに含めて無線回路12へ出力する。また、処理部13は、自己にセンサ情報を出力したセンサ14のID(Identification)(以下、「センサID」と称する)、自己の通信子機102の電池電圧などの電池残量情報およびLQIなどのセンサ管理情報を当該パケットに含めて無線回路12へ出力する。
無線回路12は、処理部13から受けたパケットを、たとえばIEEE802.15.4規格に従い、無線信号に変換してアンテナ11から送信する。そして、基地局101が、アンテナ11から送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを取得する受信処理を行う。そして、基地局101が、取得したこれらの情報を管理装置112へ送信する。
(管理装置の構成)
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
図3を参照して、管理装置112は、受信部(取得部)21と、情報作成部22と、グループ管理部23と、表示部24とを備える。
受信部21は、基地局101から送信されたセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを取得する。そして、受信部21は、取得したこれらの情報を蓄積装置111へ送信する。これにより、蓄積装置111には、これらの情報が対応づけられて蓄積される。
グループ管理部23は、蓄積装置111に蓄積されている各センサIDを用いて、複数のセンサ14を複数のグループに分けるためのグルーピング処理を行う。具体的には、グループ管理部23は、蓄積装置111に蓄積されている複数のセンサIDを取得し、取得したこれらのセンサIDを表示部24に出力する。そして、表示部24は、グループ管理部23から受けたこれらのセンサIDを画面に表示する。
そして、グループ管理部23は、表示部24により表示されたセンサID同士を対応づけるためのユーザの操作を受け付け、受け付けた操作に基づいて複数のセンサ14を複数のグループに分ける。
また、グループ管理部23は、グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理として、当該グループ情報を蓄積装置111へ送信する。これにより、蓄積装置111にはグループ情報が保存される。
情報作成部22は、蓄積装置111に保存されたグループ情報を参照して、複数のグループのうちの少なくとも一部のグループである対象グループについて、対象グループごとのセンサ14のセンサ情報に基づいて管理情報を作成する。たとえば、情報作成部22は、同じ対象グループに属する複数のセンサ14からの各センサ情報を蓄積装置111から取得し、取得した各センサ情報の時間的変化を示すようなグラフを含む管理情報を作成する。
表示部24は、情報作成部22から受けた管理情報を画面に表示する。なお、情報作成部22および表示部24は、管理装置112の外部に設けられても良い。
(グルーピング処理の例)
図4は、図3に示す管理装置により行われるグルーピング処理の一例を説明する図である。
図4を参照して、表示部24は、たとえば、グループごとに分けられた複数の表示欄を含む画面を表示し、これらの表示欄には、「グループA」、「グループB」および「グループC」などのグループ名がそれぞれ表示され、また、蓄積装置111に蓄積されているセンサIDである「10011aa」および「10011bb」などが表示されている。
表示部24は、たとえば、GUI(Graphical User Interface)を用いた画面を表示し、各センサIDには選択可能なボタンが設けられている。ユーザは、グループごとに、画面上において各ボタンをマウスまたはタッチパネルなどを用いて選択することで、各グループに属するセンサ14を決定することができる。なお、ユーザは、各グループのグループ名を変更することも可能である。
図4に示す例では、ユーザは、たとえば、「グループA」に、センサID「10011aa」のセンサ14と、センサID「10011bb」のセンサ14と、センサID「10011ee」のセンサ14とが含まれるような選択を行っている。
グループ管理部23は、ユーザによるこのような操作を受け付けて、たとえば、各グループについて、グループ名と、当該グループに属するセンサ14のセンサIDとを対応づけるグルーピング処理を行う。そして、グループ管理部23は、グルーピング処理の結果として、グループ名とセンサIDとを対応づけたグループ情報を蓄積装置111へ送信する。
なお、ユーザは、たとえば、同じエリアに設置された複数のセンサ14、すなわち本実施の形態では同じコンテナ161に設置された複数のセンサ14が同じグループに属するようにグループ分けする。これにより、ユーザは、情報作成部22により作成されるグループごとの管理情報を確認することで、コンテナ161ごとの環境を把握することができる。また、ユーザは、コンテナ161内の温度を調整するなど、各コンテナ161に保管されている管理対象を適切に管理したり、管理対象に生じた不具合とコンテナ161の環境との相関を把握したりすることができる。
[動作]
次に、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムによる動作の流れについて図面を用いて説明する。
管理システム301における各装置は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下のシーケンスの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、外部からインストールすることができる。これら複数の装置のプログラムは、それぞれ、記録媒体に格納された状態で流通する。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムによる動作の流れを示すシーケンス図である。ここでは、管理システム301において2つの通信子機102A,102Bおよび1つの基地局101が設けられる場合を示している。
図5を参照して、まず、通信子機102Aのセンサ14は、たとえば所定の計測タイミングにおいて、管理対象に関する計測を行なう(ステップS11)。
次に、通信子機102Aは、センサ14による計測結果を示すセンサ情報を取得し(ステップS12)、取得したセンサ情報、センサ14のセンサIDおよびセンサ管理情報などを無線信号に含めて基地局101へ送信する(ステップS13)。
次に、基地局101は、通信子機102Aから送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを取得する受信処理を行なう(ステップS14)。そして、基地局101は、取得したこれらの情報を管理装置112へ送信する(ステップS15)。
次に、管理装置112は、基地局101から受信したセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを蓄積装置111へ送信する(ステップS16)。そして、蓄積装置111は、管理装置112から受信したこれらの情報を蓄積する。
次に、通信子機102Bにおいても同様に、通信子機102Bのセンサ14は、たとえば所定の計測タイミングにおいて、管理対象に関する計測を行なう(ステップS17)。
そして、通信子機102Bは、センサ14による計測結果を示すセンサ情報を取得し(ステップS18)、取得したセンサ情報、センサ14のセンサIDおよびセンサ管理情報などを無線信号に含めて基地局101へ送信する(ステップS19)。
次に、基地局101は、通信子機102Bから送信された無線信号を受信し、受信した無線信号からセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを取得する受信処理を行なう(ステップS20)。そして、基地局101は、取得したこれらの情報を管理装置112へ送信する(ステップS21)。
次に、管理装置112は、基地局101から受信したセンサ情報、センサIDおよびセンサ管理情報などを蓄積装置111へ送信する(ステップS22)。そして、蓄積装置111は、管理装置112から受信したこれらの情報を蓄積する。
次に、管理装置112は、蓄積装置111に蓄積されている複数のセンサIDを取得し(ステップS23)、取得したこれらのセンサIDを画面に表示する(ステップS24)。
次に、管理装置112は、ユーザによるセンサ14のグループ分けのための操作を受け付け、受け付けた操作に基づいてグルーピング処理を行う(ステップS25)。そして、管理装置112は、グルーピング処理の結果を示すグループ情報を蓄積装置111へ送信する(ステップS26)。これにより、グループ情報が蓄積装置111に保存される。
次に、管理装置112は、蓄積装置111に蓄積されているグループ情報を参照して、グループごとのセンサ14のセンサ情報を取得し(ステップS27)、取得したセンサ情報に基づいてグループごとの管理情報を作成する(ステップS28)。そして、管理装置112は、作成したグループごとの管理情報を画面に表示する(ステップS29)。
[管理情報の例]
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置により作成される管理情報の一例を説明するための図である。
ここでは、センサID「1001aa」のセンサ14と、センサID「1001bb」のセンサ14と、センサID「1001ee」のセンサ14とが「グループA」に属することとする。また、センサID「1001aa」のセンサ14は温度を計測し、センサID「1001bb」のセンサ14は湿度を計測し、センサID「1001ee」のセンサ14は照度を計測することとする。
この場合、図6を参照して、管理装置112は、たとえば、「グループA」に含まれる各センサ14によるセンサ情報の時間的変化を示すグラフを作成する。さらに、管理装置112は、たとえば、「グループA」に含まれる各センサ14について、対応する通信子機102の電圧の時間的変化を示すグラフ、および、対応する通信子機102のLQIの時間的変化を示すグラフを作成する。
そして、管理装置112は、作成したこれらのグラフを管理情報として画面に表示する。これにより、ユーザは、画面に表示される管理情報を確認することで、「グループA」の状況を1つの画面で総合的に把握することができる。
また、管理装置112は、グループ間のセンサ情報の比較結果を管理情報として作成しても良い。たとえば、管理装置112は、各グループの所定期間における平均温度を算出し、算出結果を示す表などを作成して画面に表示しても良い。
ところで、管理対象に関する計測結果を無線伝送することが可能な1または複数の通信子機を設置し、センサによる計測結果を、通信子機を介して基地局において収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理する管理システムにおいて、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供する技術が望まれる。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置112では、受信部21が、管理対象に関する計測を行なう複数のセンサ14から計測結果を示すセンサ情報およびセンサIDをそれぞれ受信する。また、グループ管理部23が、受信部21により受信された各センサIDを用いて、複数のセンサ14を複数のグループに分けるグルーピング処理を行い、グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行う。
このように、複数のセンサ14をグループ分けすることにより、たとえば、グループごとの複数のセンサ情報をまとめて提供したり、グループ間のセンサ情報の比較結果を提供したりするなど、センサ14単位の解析などでは提供することのできなかった新たな情報を提供することが可能となる。したがって、センサ14による計測結果を収集し、収集した計測結果に基づいて管理対象を管理可能な管理システム301において、管理対象の管理のためのより有用な情報を提供することができる。
また、たとえば、センサ情報の通信に用いられるチャネルを分けることにより複数のセンサ14をグループ分けすることが考えられる。しかしながら、この場合、センサ14と管理装置112との通信を中継する基地局101をチャネル数の分だけ設置するなど、多くの装置が必要となる。これに対して、上記のようにセンサ14の識別情報を用いて複数のセンサ14をグループ分けすることにより、各センサ14からのセンサ情報を1つの基地局101を経由して管理装置112へ伝送しながら各センサ14をグループ分けすることが可能であり、多くの装置を設ける必要がない。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置112では、表示部24が、各センサ14のセンサIDを画面に表示する。また、グループ管理部23が、表示部24により表示されたセンサID同士を対応づけるためのユーザの操作を受け付け、当該操作に基づいてグルーピング処理を行う。
このような構成により、たとえば、画面に表示されたセンサIDに対してユーザがマウスまたはタッチパネルなどを用いて操作を行うことで複数のセンサ14をグループ分けすることが可能である。これにより、簡単な操作でセンサ14のグループ分けを行い、また、簡単な操作でグループ分けの内容を変更することもできる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る管理装置112では、情報作成部22が、複数のグループのうちの少なくとも一部のグループである対象グループについて、対象グループごとのセンサ情報に基づいて、管理対象を管理するための管理情報を作成する。
このような構成により、対象グループごとの管理情報を確認することで、各対象グループの状況を的確に把握したり、複数の対象グループ間の状況を比較したりすることができる。これにより、管理対象をより適切に管理することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態に係る管理システム301では、管理装置112が、管理システム301に含まれるセンサ14の動作をグループごとに制御する。ここでは、上述した第1の実施の形態と異なる点について主に説明する。
[構成および基本動作]
図7は、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムにおける管理装置の構成を示す図である。
図7を参照して、第2の実施の形態に係る管理システム301における管理装置112は、第1の実施の形態に係る管理システム301と比べて、さらに、解析部25と、動作制御部26とを備える。
解析部25は、複数のグループのうちの少なくとも一部のグループである対象グループについて、情報作成部22により作成された対象グループごとの管理情報を受けて、各管理情報の解析を行い、解析結果を動作制御部26へ出力する。
動作制御部26は、解析部25から受けた解析結果に基づいて、動作の制御を必要とするセンサ14の有無を判断する。そして、動作制御部26は、動作の制御を必要とするセンサ14が有ると判断した場合、当該センサ14の動作を制御するための制御情報を基地局101へ送信する。
なお、管理装置112は、必ずしも解析部25を備えていなくても良い。たとえば、画面に表示される管理情報を管理システム301の管理者が確認し、当該管理者による管理情報の解析結果を示す情報が動作制御部26に与えられる構成であっても良い。また、たとえば、当該管理者が動作の制御を必要とするセンサ14の有無を判断し、当該管理者による判断結果が動作制御部26に与えられる構成であっても良い。
[動作]
次に、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムによる動作の流れについて図面を用いて説明する。
図8は、本発明の第2の実施の形態に係る管理システムによる動作の流れを示すシーケンス図である。
ここでは、管理システム301において3つの通信子機102A,102B,102Cおよび1つの基地局101が設けられる場合を示している。また、通信子機102Aのセンサ14および通信子機102Bのセンサ14が「グループA」に含まれ、通信子機102Cのセンサ14が「グループB」に含まれることとする。
図8を参照して、まず、管理装置112は、自己が作成した対象グループごとの管理情報の解析を行う。たとえば、管理装置112は、管理情報に含まれるセンサ情報またはセンサ管理情報が所定条件を満たすか否かを確認する(ステップS31)。
次に、管理装置112は、解析結果に基づいて、管理システム301に含まれるセンサ14のうち動作の制御を必要とするセンサ14の有無を判断し、動作の制御を必要とするセンサ14が有ると判断した場合、当該センサ14に対する制御内容を決定する(ステップS32)。
たとえば、「グループA」に含まれる各センサ14に対応する通信子機102のLQIがいずれも所定の閾値より低い場合、管理装置112は、これらの通信子機102が設置されている場所における電波の通信環境に問題があると推測することができる。
そして、このような場合、管理装置112は、「グループA」に含まれる各センサ14の動作を制御する必要があると判断し、たとえば、これらの各センサ14からのセンサ情報の送信周期を現在の送信周期よりも短くすることを制御内容として決定する。なお、管理装置112は、送信周期の具体的な数値を制御内容として決定しても良い。
次に、管理装置112は、蓄積装置111に蓄積されているグループ情報を参照して、たとえば「グループA」に含まれる各センサ14のセンサIDを取得する(ステップS33)。そして、管理装置112は、決定した制御内容を示す制御情報と、「グループA」に含まれる各センサ14のセンサIDとを、基地局101へ送信する(ステップS34)。
次に、基地局101は、管理装置12から制御情報およびセンサIDを受信すると、これら制御情報およびセンサIDを含めた無線信号を、たとえばブロードキャストにより通信子機102A、通信子機102Bおよび通信子機102Cへ送信する(ステップS35)。
次に、通信子機102Aは、基地局101から受信した無線信号に、自己のセンサ14のセンサIDが含まれているか否かを確認する(ステップS36)。ここでは、上記のとおり、通信子機102Aのセンサ14が「グループA」に含まれているため、基地局101から受信した無線信号には、通信子機102Aのセンサ14のセンサIDが含まれている。
次に、通信子機102Aは、基地局101から受信した無線信号に自己のセンサ14のセンサIDが含まれているため、当該無線信号に含まれる制御情報の示す制御内容に従い自己のセンサ14の動作を制御する。すなわち、通信子機102Aは、たとえば、自己のセンサ14からのセンサ情報の出力周期を現在の周期よりも短い値に変更する制御を行う(ステップS37)。
次に、通信子機102Bは、通信子機102Aと同様に、基地局101から受信した無線信号に、自己のセンサ14のセンサIDが含まれているか否かを確認する(ステップS38)。ここでは、上記のとおり、通信子機102Bのセンサ14が「グループA」に含まれているため、基地局101から受信した無線信号には、通信子機102Bのセンサ14のセンサIDが含まれている。
次に、通信子機102Bは、基地局101から受信した無線信号に自己のセンサ14のセンサIDが含まれているため、当該無線信号に含まれる制御情報の示す制御内容に従い自己のセンサ14の動作を制御する。すなわち、通信子機102Bは、たとえば、自己のセンサ14からのセンサ情報の出力周期を現在の周期よりも短い値に変更する制御を行う(ステップS39)。
次に、通信子機102Cは、通信子機102A,102Bと同様に、基地局101から受信した無線信号に、自己のセンサ14のセンサIDが含まれているか否かを確認する(ステップS40)。ここでは、上記のとおり、通信子機102Cのセンサ14が「グループB」に含まれているため、基地局101から受信した無線信号には、通信子機102Cのセンサ14のセンサIDが含まれていない。
次に、通信子機102Cは、基地局101から受信した無線信号に自己のセンサ14のセンサIDが含まれていないため、たとえば、当該無線信号に含まれる制御情報の示す制御内容を確認することなく、当該無線信号に含まれるデータを破棄する(ステップS41)。
なお、センサ14からのセンサ情報の送信周期を短くすると、対応する通信子機102の電池の寿命が短くなることが考えられるが、上記のように、動作の制御が必要であると判断された対象グループのセンサ14に対してのみ送信周期を変更させることができるため、管理システム301における消費電力の増大を抑制することができる。
また、上述した例では、1つの対象グループに属するセンサ14の動作の制御を行う場合について説明したが、動作制御部26は、複数の対象グループのセンサ14の動作を一括して制御することも可能である。
その他の構成および動作は上述した本発明の第1の実施の形態に係る管理システム301と同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
上述のとおり、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置112では、動作制御部26が、複数のグループのうちの少なくとも一部のグループである対象グループについて、センサ14の動作を対象グループごとに制御する。
このような構成により、同じ対象グループに属する複数のセンサ14の動作を一括して制御することができるため、制御の効率化を実現することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る管理装置112では、動作制御部26が、センサ14によるセンサ情報の送信周期を対象グループごとに制御する。
このような構成により、たとえば、ある対象グループに属する複数のセンサ14からの通信品質が十分でない場合に、当該対象グループに属する各センサ14からのセンサ情報の送信周期が短くなるように一括して制御するなど、対象グループごとの通信状況などに応じた適切な対応をとることができる。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る管理システム301は、通信子機102ごとに管理対象である産業材料162が存在する工場に用いられるとしたが、これに限定するものではない。管理システム301は、たとえば、1つの管理対象の複数の箇所または複数の測定項目等を複数のセンサ202によってそれぞれ計測する用途に用いられてもよい。
上記第1の実施の形態および第2の実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
管理対象に関する計測を行なう複数のセンサから計測結果を示すセンサ情報および前記センサの識別情報をそれぞれ取得する取得部と、
前記取得部により取得された各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行い、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行うグループ管理部とを備え、
同じエリアに設置された複数の前記センサが同じ前記グループに属するように前記グルーピング処理が行われる、管理装置。
[付記2]
管理対象に関する計測を行い、計測結果を示すセンサ情報および自己の識別情報を送信する複数のセンサと、
複数の前記センサから送信された前記センサ情報および前記識別情報をそれぞれ受信し、受信した各前記識別情報を用いて、複数の前記センサを複数のグループに分けるグルーピング処理を行い、前記グルーピング処理の結果を示すグループ情報を保存する処理を行う管理装置とを備え、
同じエリアに設置された複数の前記センサが同じ前記グループに属するように前記グルーピング処理が行われる、管理システム。