JP2018087814A - 冠水検知センサの取付構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】冠水検知センサを地面に自立させることが可能となり、車両の走行や風雨等で発生する波の影響を受けずに冠水を検知することが可能となり、容易に設置箇所から取り外して清掃や修理等が可能となる冠水検知センサの取付構造を提供する。【解決手段】地面Gに固定される支持部材2と、支持部材2に支持されるとともに冠水を検知する冠水検知センサ3とを備え、支持部材2は、地面Gから上方に突出され、冠水検知センサ3は、水位を計測する水位計本体部31と、水位計本体部31を囲う保護管32を有し、保護管32が支持部材2に取り付けられていることを特徴とする。【選択図】図1
Description
本発明は、冠水を検知する冠水検知センサを地面に取り付けるための冠水検知センサの取付構造に関する。
道路の冠水は、台風や降雨による雨水が車道の脇に設けられた排水溝や雨水管等で排水しきれなかった場合に発生する。道路の冠水は、特に道路や線路に対してその下方を通過する道路である、いわゆるアンダーパスをはじめとして、周囲よりも相対的に高さの低い場所である窪地や谷間等の場所で発生しやすい。冠水した道路に車両等が水没するのを防止するため、道路の冠水を検知する種々の冠水検知センサが提案されている。
従来の冠水検知センサは、アンダーパスの上面に超音波式の検出器が取り付けられるものである。しかしながら、このような従来の冠水検知センサは、車両の走行や風雨等で発生する波の影響を受けることで冠水した道路の水位が上下に変動することから、水位を誤検知するという問題点があった。
特許文献1に開示される冠水検出センサは、水位を検出する静電容量式の検出器を複数持ち、検出器は検出面に水面が触れている時だけ信号として出力する。特許文献1に開示される冠水検出センサは、全体がカバーで覆われ、カバーに水が出入りできるような多数の水出入り用穴が設けられる。これにより、特許文献1に開示される冠水検出センサは、冠水水位を検出することが可能とされる。
しかしながら、特許文献1に開示された冠水検出センサは、アンダーパスの壁面に取り付けられるものであって、単独で地面に自立させるものではないため、アンダーパスのような道路構造物が設けられない場所には取り付けることができないという問題点があった。
また、特許文献1に開示された冠水検出センサは、道路が冠水して土砂、落ち葉、ごみ等の漂流物が水出入り用穴から流入して検出器近傍に堆積した場合や、検出器自体が故障した場合等には、道路の冠水を検知することができない虞があった。つまり、特許文献1に開示された冠水検出センサは、設置場所から定期的に取り外されて清掃や修理等を行う必要があるものの、検出器自体がアンダーパスの壁面から容易に取り外されるものではないため、清掃や修理が容易ではないという問題点があった。
そこで、本発明は、上述した問題点に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、冠水検知センサを地面に自立させることが可能となり、車両の走行や風雨等で発生する波の影響を受けずに冠水を検知することが可能となり、容易に設置箇所から取り外して清掃や修理等が可能となる冠水検知センサの取付構造を提供することにある。
第1発明に係る冠水検知センサの取付構造は、冠水検知センサを地面に自立させて取り付ける冠水検知センサの取付構造であって、地面に固定される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに冠水を検知する冠水検知センサとを備え、前記支持部材は、地面から上方に突出され、前記冠水検知センサは、水位を計測する水位計本体部と、前記水位計本体部を囲う保護管を有し、前記保護管が前記支持部材に取り付けられていることを特徴とする。
第2発明に係る冠水検知センサの取付構造は、第1発明において、前記支持部材は、地面の高さに設けられる連通部を有し、前記冠水検知センサは、前記保護管の内部と外部とが前記連通部で連通され、地面に固定された前記支持部材に取り付けられていることを特徴とする。
第3発明に係る冠水検知センサの取付構造は、第1発明又は第2発明において、前記保護管は、下端部が切り欠かれて形成される切欠部を有することを特徴とする。
第4発明に係る冠水検知センサの取付構造は、第3発明において、前記保護管は、前記切欠部が前記連通部に対向して配置されることを特徴とする。
第5発明に係る冠水検知センサの取付構造は、第1発明〜第4発明の何れかにおいて、前記保護管は、下端部が地面に接触されることを特徴とする。
第6発明に係る冠水検知センサの取付構造は、第1発明〜第5発明の何れかにおいて、前記保護管は、内部に前記支持部材が挿通されることを特徴とする。
第1発明〜第6発明によれば、冠水検知センサの保護管が地面から上方に突出される支持部材に取り付けられるため、冠水検知センサを地面に自立させることが可能となる。
また、第1発明〜第6発明によれば、水位計本体部が保護管の内部に設けられることによって、外部で発生した水位の変動が保護管によって隔てられ、内部の水位の上下変動が低減されるため、保護管の内部の水位を誤検知することなく計測することができ、地面の冠水を検知することができる。
また、第1発明〜第6発明によれば、水位計本体部が保護管の内部に設けられることによって、外部と内部が保護管で隔てられるので、付近の通行者や冠水時の漂流物など外的要因による水位の誤検知や水位計本体部の損傷を防止することができる。
また、第1発明〜第6発明によれば、地面に固定された状態の支持部材における側壁部から冠水検知センサの保護管が水位計本体部と一体となって取り外されるものとなることにより、冠水検知センサの清掃や修理が容易に可能となる。
以下、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1を示す斜視図である。冠水検知センサの取付構造1は、冠水を検知する冠水検知センサ3を地面Gに自立させて取り付けるためのものである。地面Gは、周囲よりも相対的に高さの低い窪地や谷間等の比較的冠水しやすい場所であって、コンクリート等の基礎9が埋設される。地面Gは、例えば、歩道、自転車道、植樹マス、中央分離帯等である。
冠水検知センサの取付構造1は、地面Gに固定される支持部材2と、支持部材2に支持されるとともに冠水を検知する冠水検知センサ3とを備える。
支持部材2は、円筒状のステンレス管等の金属管や樹脂管が用いられ、例えば上下方向の長さが0.7m程度とされる。支持部材2は、地面Gから上方に突出されて内側と外側とが隔てられる側壁部21と、側壁部21により隔てられる内側と外側とを連通して地面Gの高さに設けられる連通部22とを有する。なお、ここでいう連通とは、一方側と他方側との間で水等の流体が流れる状態にすることをいう。
図2は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1を示す正面図であり、図3は、図2のA−A線で切った平面図である。
側壁部21は、図1及び図2に示すように、上下方向に延びて円筒状に形成され、下端部21a及び上端部21bが円形状に開口される。側壁部21は、下端部21a側が基礎9に埋設される。側壁部21は、図3に示すように、連結部材としてのボルト41が挿通される図示しないボルト孔が形成され、そのボルト孔に合わせて連結部材としてのナット42が内周面に溶接等により固定される。
連通部22は、図1及び図2に示すように、例えば矩形状に開口されて、地面Gの高さに2箇所に設けられる。連通部22は、これに限定されず、三角形状、五角形状等の多角形状や円形状に開口されて、地面Gの高さに設けられてもよい。各々の連通部22は、図3に示すように、互いに対向するように配置される。
図4は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1における支持部材2の第1変形例を示す斜視図である。支持部材2は、側壁部21の上端部21bが例えば矩形状等に切り欠かれる連通部22が設けられてもよい。このとき、連通部22は、地面Gの高さに、例えば2箇所に設けられ、各々の連通部22は、互いに対向して配置される。なお、支持部材2は、円筒状の鋼管が用いられる場合を例にとり説明したが、角型鋼管等が用いられてもよいし、この他、例えば地面に埋設固定される2枚の鋼板等が用いられてもよい。
図5は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1における支持部材2の第2変形例を示す斜視図である。支持部材2は、側壁部21の下端部21aに鋼板等が用いられるベースプレート29が設けられるものであってもよい。支持部材2は、ベースプレート29にアンカー等の固定部材29aが設けられることで、地面Gに固定される。このとき、地面Gは、例えばコンクリート等で構成され、アンカー等が打設できる程度の強度を有するものとなる。なお、連通部22は、地面Gからベースプレート29の厚み分だけ高い位置に設けられる形態となるが、ベースプレート29の厚み自体が数mm〜数十mm程度と測定される水位よりも十分小さいため、かかる形態も連通部22は地面Gの高さに設けられるということとする。
冠水検知センサ3は、図1に示すように、水位を計測する水位計本体部31と、水位計本体部31を囲う保護管32とを有する。冠水検知センサ3は、水位計本体部31で保護管32の内部V1の水位を計測することで、地面Gの冠水を検知するものとなる。
水位計本体部31は、保護管32の内部V1の水位を計測するものとして、例えば、静電容量式、電波式、水圧式等の水位計が用いられる。水位計本体部31は、保護管32の内部V1の上方に設けられ、例えば、地面Gから1.0m程度の高さに設けられる。以下では、水位計本体部31は、静電容量式の水位計として説明する。
水位計本体部31は、ステンレス等の金属棒の表面にシリコン樹脂やフッ素樹脂等の絶縁体によって被覆される2本の電極棒33を有する。各々の電極棒33は、下方に向けて保護管32の下端部32a近傍まで延長されて、互いに側方に間隔を空けて設けられる。
水位計本体部31は、絶縁被覆された2本の電極棒33の間に電圧を与えたとき、2本の電極棒33の間の静電容量の変化を捉えることで、保護管32の内部V1の水位を計測できるものである。
なお、水位計本体部31は、計測した静電容量の変化を水位情報に変換して外部へ出力するアンプ装置が内蔵される。アンプ装置から出力される水位情報は、有線又は無線で外部へ出力される。水位計本体部31から十分離れた位置には、水位計本体部31から送信される水位情報を受信可能な受信装置が設けられており、ユーザは、受信装置で水位情報を受信することで、地面Gが冠水しているか否かを水位計本体部31から十分離れた位置で把握することができる。
保護管32は、図1及び図2に示すように、円筒状のステンレス管等の金属管や樹脂管が用いられ、上下方向の長さが例えば1.3m程度とされる。保護管32は、下端部32aが基礎9に接触され、上端部32bには上端部32bから内部V1に雨等が浸水するのを防止するためのキャップ39が設けられる。なお、保護管32は、管材であれば良く、例えば、角形状等の金属管等が用いられてもよい。
保護管32は、下端部32aが矩形状に切り欠かれる切欠部34が設けられる。保護管32は、切欠部34が地面Gの高さに設けられる。なお、保護管32は、各々の切欠部34が矩形状に切り欠かれるものに限定されず、円形状や角形状等の如何なる形状に切り欠かれるものであってもよい。
保護管32は、図3に示すように、各々の切欠部34が互いに対向して配置される。また、保護管32は、切欠部34が支持部材2の連通部22に対向して配置される。
保護管32の内径は、側壁部21の外径よりも大きく、保護管32は、内部V1に側壁部21が挿通され、保護管32と側壁部21との間には、隙間が設けられてもよい。保護管32は、ボルト41が挿通される図示しないボルト孔が設けられ、側壁部21に設けられるナット42にボルト41が締結されることで、側壁部21に取り付けられる。なお、保護管32は、ボルト41及びナット42を用いることなく、内部V1に支持部材2の側壁部21が挿通されて、下端部32aが地面Gに接触されることで、側壁部21に取り付けられてもよい。このように、ボルト41、ナット42等の連結部材を用いることなく、単に保護管32の内部V1又は外部V2に支持部材2が挿通されるだけであってもよく、保護管32が支持部材2に取り付けられていればよい。
なお、保護管32は、内部V1に側壁部21が挿通される場合を例に取り説明したが、保護管32の外径が側壁部21の内径よりも小さくなってもよい。このとき、保護管32は、側壁部21の内側に挿通されて、側壁部21に取り付けられることとなる。
保護管32は、ステンレス管等の金属が用いられることで、2本の電極棒33のうちの1本を電極棒33とせずに水位計本体部31から保護管32に通電するように配線を接続して、電極棒33の静電容量を計測するようにしてもよい。また保護管32は、水位計本体部31を囲うように設けられることで、地面Gが冠水したときに地面G上を漂流する土砂、落ち葉、ごみ等の漂流物が水位計本体部31、特に、電極棒33に衝突するのを防止する機能を有するものとなる。
図6は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1における冠水検知センサ3の変形例を示す正面図である。保護管32は、下端部32aが基礎9から離間されていてもよい。保護管32は、周方向に所定の間隔を空けて設けられるボルト41により側壁部21に取り付けられる。このとき、保護管32は、側壁部21に取り付けられて、内部V1と外部V2とが連通部22で連通されるものとなる。また、保護管32の下端部32aが基礎9から離間される場合には、切欠部34は省略されてもよい。
本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3の保護管32が地面Gから上方に突出される側壁部21に取り付けられるため、冠水検知センサ3を地面Gに自立させることが可能となる。即ち、冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3をアンダーパスの壁面等の道路構造物に取り付けられることなく、単独で自立させることが可能となる。
冠水検知センサの取付構造1は、図7に示すように、保護管32が側壁部21に取り付けられて、保護管32の内部V1と外部V2とが支持部材2の連通部22で連通される。これにより、冠水検知センサの取付構造1は、地面Gが冠水したとき、保護管32の外部V2の水が保護管32の切欠部34及び支持部材2の連通部22を通って、保護管32の内部V1にまで到達することとなる。このとき、冠水検知センサの取付構造1は、保護管32の外部V2の水位と保護管32の内部V1の水位とが略同一となるため、保護管32の内部V1の水位を水位計本体部31により計測することで冠水検知センサ3が地面Gの冠水を検知することが可能となる。
冠水検知センサの取付構造1は、保護管32の切欠部34及び支持部材2の連通部22が地面Gの高さに設けられることによって、地面Gが冠水したと同時に保護管32の外部V2の水が切欠部34、連通部22を通り内部V1にまで流れる状態とされることとなる。このため、冠水検知センサの取付構造1は、保護管32の内部V1の水位を水位計本体部31により計測することで、地面Gが冠水したか否かを判断することが可能となる。
冠水検知センサの取付構造1は、車両等の通行や風雨による波が発生したとき、保護管32の外部V2の水位が上下に変動することとなる。このとき、冠水検知センサの取付構造1は、水位計本体部31が保護管32の内部V1に設けられることによって、外部V2で発生した水位の変動が保護管32によって隔てられ、内部V1の水位の上下変動が低減されるため、保護管32の内部V1の水位を誤検知することなく計測することができ、地面Gの冠水を検知することができる。
このように、冠水検知センサの取付構造1は、水位計本体部31が保護管32の内部V1に設けられることによって、外部V2と内部V1が保護管31で隔てられるので、付近の通行者や冠水時の漂流物など外的要因による水位の誤検知や水位計本体部31の損傷を防止することができる。
冠水検知センサの取付構造1は、図8(a)に示すように、保護管32が側壁部21に取り付けられ、保護管32の内部V1と外部V2とが支持部材2の連通部22で連通されるため、地面Gが冠水することで、土砂、落ち葉、ごみ等の漂流物が連通部22近傍や保護管32の切欠部34近傍に堆積することがある。このとき、冠水検知センサの取付構造1は、連通部22近傍や切欠部34近傍に堆積した漂流物に阻害されることで、保護管32の外部V2の水が保護管32の内部V1にまで到達することができない場合がある。かかる場合、冠水検知センサ3が地面Gの冠水を検知することができないものとなる。このため、冠水検知センサの取付構造1は、定期的に冠水検知センサ3が地面Gから取り外されて、連通部22近傍や保護管32の切欠部34近傍に堆積した漂流物を清掃する必要がある。また、冠水検知センサの取付構造1は、水位計本体部31として静電容量式の水位計が用いられるため、定期的に修理やメンテナンス等が必要になるため、冠水検知センサ3が地面Gから容易に取り外される必要がある。
冠水検知センサの取付構造1は、図8(b)に示すように、地面Gに固定された支持部材2における側壁部21から冠水検知センサ3の保護管32が水位計本体部31と一体となって取り外されるものとなるため、冠水検知センサ3自体を支持部材2から容易に取り外して清掃や修理が可能となる。
即ち、冠水検知センサの取付構造1は、設置場所で冠水検知センサ3の清掃や修理等を行う必要がなく、取り外された冠水検知センサ3を工場等まで運搬して清掃や修理等を行うことが可能となるため、設置場所での作業時間を短縮することが可能となる。冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3が支持部材2から取り外された場合には、清掃済みや修理済みの新たな冠水検知センサ3を用いて、保護管32が側壁部21に取り付けられて、保護管32の内部V1と外部V2とが連通部22で連通されるものとなる。
このように、冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3を自立させることが可能となり、車両の走行や風雨等で発生する波の影響を受けずに冠水を検知することが可能となり、容易に設置場所から取り外して清掃や修理等が可能となる。
図9は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1における支持部材2に冠水検知センサ3を連結部材4を介して連結した状態を示す正面図である。図9に示す形態において、連結部材4は、Uボルト43と、ナット42とからなり、地面Gに固定される支持部材2に冠水検知センサ3の保護管32がUボルト43とナット42を介して連結させることで、取り付けられている。これにより、冠水検知センサの取付構造1は、Uボルト43等の連結部材4を介して支持部材2に括り付けて冠水検知センサ3を設置させることが可能となり、崖や川辺などの基礎9の設置が困難な切り立った場所であっても、冠水時の水位を計測することが可能となる。
図10(a)は、本発明を適用した冠水検知センサの取付構造1における支持部材2の第3変形例に冠水検知センサ3を取り付けた状態を示す正面図であり、図10(b)は、冠水検知センサ3を支持部材2の第3変形例から取り外した状態を示す正面図である。
図10(a)に示すように、支持部材2は、断面円形状、矩形状、角形状等の棒状の部材が用いられる。複数の支持部材2は、地面から上方に突出されており、内側に空間が形成されるように配置される。このとき、冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3の保護管32の内部V1に、複数の棒状の支持部材2が挿通されて、冠水検知センサ3の保護管32が支持部材2に取り付けられる。また、冠水検知センサ3を支持部材2から取り外す際には、図10(b)に示すように、冠水検知センサ3を上方に移動させて、複数の支持部材2から保護管32を引き抜けばよい。このとき、冠水検知センサ3の保護管32が水位計本体部31と一体となって取り外されるものとなる。なお、図10に示す形態において、保護管32の内部V1に、複数の支持部材2が挿通されるが、これに限らず、保護管32の外部V2に複数の支持部材2が挿通されてもよい。即ち、複数の支持部材2によって囲まれる空間の内側に保護管32が挿通されて、冠水検知センサ3の保護管32が支持部材2に取り付けられてもよい。
上述したように、冠水検知センサの取付構造1は、地面Gに固定された複数の棒状の支持部材2によって囲まれる空間の内側又は外側に保護管32が挿通されて取り付けられてもよく、地面Gに固定された支持部材2から冠水検知センサ3の保護管32が水位計本体部31と一体となって取り外されるものとなるため、冠水検知センサ3自体を支持部材2から容易に取り外して清掃や修理が可能となる。
冠水検知センサの取付構造1は、図3に示すように、対向して配置される各々の切欠部34が各々の連通部22に対向して配置されることによって、地面Gの冠水により漂流される土砂等の漂流物が一方の切欠部34から他方の切欠部34に向けて通過し易いものとなるため、連通部22又は切欠部34に土砂等の漂流物が堆積するのを抑制することが可能となる。その結果、冠水検知センサの取付構造1は、冠水検知センサ3の取り外し頻度を低減させることが可能となる。
冠水検知センサの取付構造1は、保護管32の下端部32aが地面Gに接触されることで、保護管32及び水位計本体部31の自重等がボルト41及びナット42に負担されるのみならず、地面Gにも負担されることとなり、保護管32の下端部32aが地面から離間される場合と比較して、冠水検知センサ3が支持部材2に安定した状態で取り付けられるものとなる。
冠水検知センサの取付構造1は、保護管32が側壁部21の内側に挿通されて、側壁部21に取り付けられる場合には、側壁部21の上端部21bが外部V2に露出されるものとなる。このため、冠水検知センサの取付構造1は、側壁部21の上端部21bよりも上側まで地面Gが冠水したとき、この側壁部21の上端部21bに土砂等の漂流物が堆積しやすい構造となる。これに対して、冠水検知センサの取付構造1は、図2に示すように、保護管32の内部V1に側壁部21が挿通されて、側壁部21に取り付けられる場合には、側壁部21の上端部21bが外部V2に露出されないものとなる。このとき、冠水検知センサの取付構造1は、側壁部21の上端部21bよりも上側まで地面Gが冠水した場合であっても、側壁部21の上端部21bに土砂等の漂流物が堆積しにくい構造となる。その結果、冠水検知センサの取付構造1は、清掃のために冠水検知センサ3を支持部材2から取り外す回数を低減させることが可能となる。
なお、本発明の冠水検知センサは、実施例に水位の測定方式として静電容量式を用いて説明しているが、他の測定方式を用いてもよい。例えば、超音波や電波を発射する水位計本体部31を保護管32の内部V1の上方に配置して、内部V1で下方に向けて超音波や電波を発射して、内部V1に浸入した水の反射時間から水位を計測する超音波感知式や電波感知式を用いてもよいし、水圧を感知する水位計本体部31を保護管32の内部地面Gに配置して、内部V1に浸入した水の圧力を計測する水圧感知式としてもよい。その場合、保護管32の内表面が超音波や電波の進行を妨げることがないように、保護管32の内部を樹脂被覆するか、樹脂管を用いることが望ましい。また、水圧感知構造を備えた水位計本体部31を保護管32の内部V1の地面Gに配置して、内部V1に浸入した水の圧力を計測する水圧感知式としてもよい。その場合、地面Gより上の低水位を計測するため、保護管32内の地面Gより低い位置に水位計本体部31を配置することが望ましい。
以上、本発明の実施形態の例について詳細に説明したが、上述した実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。
1 :取付構造
2 :支持部材
21 :側壁部
21a :下端部
21b :上端部
22 :連通部
29 :ベースプレート
29a :固定部材
3 :冠水検知センサ
31 :水位計本体部
32 :保護管
32a :下端部
32b :上端部
33 :電極棒
34 :切欠部
39 :キャップ
41 :ボルト
42 :ナット
43 :Uボルト
9 :基礎
G :地面
V1 :内部
V2 :外部
2 :支持部材
21 :側壁部
21a :下端部
21b :上端部
22 :連通部
29 :ベースプレート
29a :固定部材
3 :冠水検知センサ
31 :水位計本体部
32 :保護管
32a :下端部
32b :上端部
33 :電極棒
34 :切欠部
39 :キャップ
41 :ボルト
42 :ナット
43 :Uボルト
9 :基礎
G :地面
V1 :内部
V2 :外部
Claims (6)
- 冠水検知センサを地面に自立させて取り付ける冠水検知センサの取付構造であって、
地面に固定される支持部材と、前記支持部材に支持されるとともに冠水を検知する冠水検知センサとを備え、
前記支持部材は、地面から上方に突出され、
前記冠水検知センサは、水位を計測する水位計本体部と、前記水位計本体部を囲う保護管を有し、前記保護管が前記支持部材に取り付けられていること
を特徴とする冠水検知センサの取付構造。 - 前記支持部材は、地面の高さに設けられる連通部を有し、
前記冠水検知センサは、前記保護管の内部と外部とが前記連通部で連通され、地面に固定された前記支持部材に取り付けられていること
を特徴とする請求項1記載の冠水検知センサの取付構造。 - 前記保護管は、下端部が切り欠かれて形成される切欠部を有すること
を特徴とする請求項1又は2記載の冠水検知センサの取付構造。 - 前記保護管は、前記切欠部が前記連通部に対向して配置されること
を特徴とする請求項3記載の冠水検知センサの取付構造。 - 前記保護管は、下端部が地面に接触されること
を特徴とする請求項1〜4のうち何れか1項記載の冠水検知センサの取付構造。 - 前記保護管は、内部に前記支持部材が挿通されること
を特徴とする請求項1〜5のうち何れか1項記載の冠水検知センサの取付構造。
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