JP5047886B2 - 水流計測システム及び水流計測方法 - Google Patents

水流計測システム及び水流計測方法 Download PDF

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Description

本発明は、堤防の法面を這い上がる水流の最高到達位置を算出する水流計測システム及び水流計測方法に関する。
最近の異常気象に伴う水面上昇や高潮により、水流が堤防を乗り越える越流(越波)が各地で多発しており、越流に対する警戒を促して被害を最小限に抑えるための対策が必要とされている。
これに対し、従来より、堤防の天端に立設された支柱に複数の水位感知センサを上下方向に並べて固定した「ステップ式波高計」が知られている。このステップ式波高計は、水位感知センサが水没したことで越流の発生を検出すると共に、水没した水位感知センサの固定位置から越流の高さを検出するものである(例えば、特許文献1参照)。
特開2003−207334(段落[0008]、第1図、第2図)
しかしながら、上述した従来のステップ式波高計は、越流が発生したことを事後的に検出するに過ぎず、防災対策として十分とは言えなかった。そのため、越流を事前に予測することが可能なシステムの開発が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、堤防の法面を這い上がる水流の最高到達位置を算出し、以て、越流の発生予測を行うことが可能な水流計測システム及び水流計測方法の提供を目的とする。
上記目的を達成するためになされた請求項1の発明に係る水流計測システムは、堤防の法面に固定され、その法面を這い上がる水流の流速を測定する流速センサと、流速センサにより計測された流速に基づいて、法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出する演算装置とを備えたところに特徴を有する。ここで、本発明に係る「堤防」には、海、河川及び湖に構築されたものが含まれ、「水流」には、海水の水流、河川水の水流及び湖水の水流が含まれる。
請求項2の発明は、請求項1に記載の水流計測システムにおいて、流速センサは、法面に対して傾斜した傾斜面を少なくとも上下方向の両側に備えたマウント形ハウジングと、マウント形ハウジングの頂上部分に水平方向に並べて配置された1対の検知電極とを有し、1対の検知電極で検出された電位差に基づいて、水流の流速を測定するところに特徴を有する。
請求項3の発明は、請求項2に記載の水流計測システムにおいて、マウント形ハウジングは、板金又は樹脂からなり、マウント形ハウジングの内部に収容され、1対の検知電極を含む電気部品を保持した本体ハウジングを備え、マウント形ハウジングの頂上部分に検出用貫通孔を形成すると共に、本体ハウジングに検出用貫通孔に嵌合した嵌合突部を形成し、その嵌合突部に1対の検知電極を露出した状態に配置したところに特徴を有する。
請求項4の発明は、請求項2又は3に記載の水流計測システムにおいて、マウント形ハウジングは、法面と平行かつ水平方向に延びた複数の折曲線で板金を折り曲げて、法面と平行な頂上構成壁と、その頂上構成壁の上下両端に折曲部を介して連なった1対の傾斜側壁と、両方の傾斜側壁の端部に折曲部を介して連なった1対の取付片とを形成してなり、各取付片に、マウント形ハウジングを法面に固定するための取付孔を形成したところに特徴を有する。
請求項5の発明は、請求項2又は3に記載の水流計測システムにおいて、マウント形ハウジングは、板金を絞り加工してなるドーム部と、ドーム部の縁部から側方に張り出した取付片とを備えてなり、取付片には法面に固定するための取付孔が形成されたところに特徴を有する。
請求項6の発明は、請求項1乃至5の何れかに記載の水流計測システムにおいて、流速センサが、法面の上下方向に所定間隔を空けて複数設けられたところに特徴を有する。
請求項7の発明は、請求項1乃至6の何れかに記載の水流計測システムにおいて、流速センサにより計測された流速を通信ネットワークを介して演算装置に送信する通信装置を備えたところに特徴を有する。
上記目的を達成するためになされた請求項8の発明に係る水流計測方法は、堤防の法面を這い上がる水流の流速を計測し、その流速に基づいて、法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出するところに特徴を有する。
[請求項1及び8の発明]
請求項1及び8の発明によれば、堤防の法面を這い上がる水流の流速を計測し、その流速から法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出するので、最高到達位置の推移から、越流(越波)の発生予測を行うことが可能となる。
[請求項2の発明]
請求項2の発明によれば、流速センサは、磁界と交差して水が流れることで生じた電位差を1対の検知電極で検出して水流の流速を計測する。ここで、流速センサは、法面に対して傾斜した傾斜面を少なくとも上下方向の両側に備えたマウント形ハウジングを備えている。即ち、マウント形ハウジングは、下方及び上方から頂上部分に向かうに従って法面から徐々に隆起するように傾斜しており、その頂上部分に1対の検知電極が配置されている。これにより、法面を這い上がる水流がマウント形ハウジングをスムーズに乗り越えるので、安定して流速を計測することができる。
[請求項3の発明]
請求項3の発明によれば、電気部品を備えた本体ハウジングがマウント形ハウジングで覆われ、本体ハウジングへの漂流物の衝突を防止することができる。これにより、耐久性が向上する。
[請求項4の発明]
請求項4の発明によれば、マウント形ハウジングが側方に開放しているので、マウント形ハウジングの内側に水や泥砂が溜まるのを防止できる。
[請求項5の発明]
請求項5の発明によれば、マウント形ハウジングの内側に泥砂が入り込むことを防止することができる。ここで、ドーム部の外面形状は、球面状、楕円球面状、稜線が丸みを帯びた多角錐台形面状とすればよい。
[請求項6の発明]
請求項6の発明によれば、流速センサが法面の上下方向に複数並べて固定されているから、それら複数の流速センサの計測値を用いることで、打ち上げ高さの計測精度を向上させることが可能となる。また、複数ある流速センサの何れかに不具合が生じても、他の正常な流速センサにより流速を計測することができ、水流の最高到達位置の算出、さらには、越流の発生予測を継続して行うことができる。
[請求項7の発明]
請求項7の発明によれば、演算装置を堤防から離れた遠隔地に設けることができ、係員が堤防に実際に出向いてデータ収集を行う必要がないので、安全かつ迅速に水流の最高到達位置を算出、さらには、越流の発生予測を行うことができる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1における符号200は、海岸、河岸又は湖岸に構築された堤防である。堤防200は、その天端202から堤外水面に向かって下るように傾斜した法面201を備えており、その法面201には、本発明の水流計測システム100を構成する複数の電磁流速センサ40が固定されている。これら複数の電磁流速センサ40は、法面201の上下方向に所定間隔を空けて一列に配設され、堤外の水面近傍及び水面下に設置されている(図2参照)。
図3に示すように、電磁流速センサ40は、1対の検知電極43,43を保持した本体ハウジング41と、その本体ハウジング41を覆ったマウント形ハウジング50とを備えている。
図4(A)に示すように本体ハウジング41は、樹脂製の扁平ボディ48に1対の検知電極43、励磁コイル44及び測定回路部45等の電気部品を収容して、それらを樹脂(例えば、ウレタン樹脂)でモールド(樹脂封止)した構造であり、それら電気部品が、本体ハウジング41の側面から延びたケーブル42と電気的に接続されている。
より詳細には、励磁コイル44は、本体ハウジング41の芯部に配置されており、扁平円柱状のセンサヘッド46の先端面46Aから、法面201を這い上がる水流と交差する磁界を発生させる。センサヘッド46の先端面46Aからは、1対の検知電極43,43の先端が僅かに露出しており、水流と接触可能となっている。これら検知電極43,43は測定回路部45に接続しており、法面201を這い上がる水流の流れ方向(法面201の上下方向)とほぼ直交するように水平方向に並んで配置されている(図2を参照)。そして、検知電極43,43は、前記励磁コイル44が発生した磁界中を水流が通過することで生じる起電力(電位差)を検出し、この検出信号に基づいて測定回路部45が流速を演算する。
本体ハウジング41は金属製のベースプレート30(図3参照)に固定されている。ベースプレート30は縦長の長方形をなしており、本体ハウジング41の四隅に設けられた取付孔47(図4(B)参照)とベースプレート30とを貫通した図示しないボルトに、ベースプレート30の裏面側でナット70(図5参照)を螺合することで、本体ハウジング41がベースプレート30に固定されている。なお、本体ハウジング41の裏面には金属製の導通板49が宛がわれており(図4(A)参照)、この導通板49がベースプレート30と導通状態になっている。導通板49は、測定回路部45のGND部に結線されており、電磁流速センサ40のアース部となっている。
一方、マウント形ハウジング50は、図3に示すように本体ハウジング41の凸形状に対応して中央部分が台形状に隆起した構造をなしており、例えば、長方形のステンレス板を短辺方向に延びた複数の折曲線で曲げ加工して形成されている。詳細には、図5に示すように、マウント形ハウジング50は、法面201と平行になる頂上構成壁51と、その頂上構成壁51の上辺及び下辺に折曲部56,56を介して連なりベースプレート30に向かって下るように傾斜した1対の傾斜側壁52,52と、両方の傾斜側壁52,52の端部に折曲部57,57を介して連なりベースプレート30の前面に宛がわれた1対の取付片53,53とを備えてなる。即ち、マウント形ハウジング50のうち、取付片53,53の間部分が法面201(ベースプレート30)から隆起したマウント部となっており、このマウント部とベースプレート30との間に前記本体ハウジング41が収容されている。なお、各折曲部56,57は丸みを帯びて曲がっており、マウント形ハウジング50を乗り越える際の水流の抵抗が抑えられている。
図3に示すように、頂上構成壁51の中央部には円形の検出用貫通孔55が貫通しており、ここに本体ハウジング41から突出したセンサヘッド46が嵌合している。これにより、センサヘッド46の先端面46Aに露出した1対の検知電極43,43がマウント形ハウジング50の外側に露出し、水流と接触可能となっている。ここで、図5に示すように、センサヘッド46の先端面46Aは、頂上構成壁51から緩やかに盛り上がった扁平なドーム状をなしており、水流の抵抗が抑えられている。なお、センサヘッド46は、本発明に係る「嵌合突部」に相当する。
各取付片53,53には、1対の取付孔54,54が短辺方向に並んで形成されている。これら取付孔54,54とベースプレート30の両短辺側に形成された取付孔31,31とに法面201から起立したアンカーボルト(図示せず)を通してナット25を締め付けることで、電磁流速センサ40が法面201に直接固定されている(図5参照)。なお、図5に示すように、ベースプレート30の両短辺側の裏面には、本体ハウジング41をベースプレート30に固定したナット70と法面201との干渉を防止するためのスペーサプレート32が宛がわれており、ベースプレート30と法面201との間には扁平な隙間が形成されるように構成されている。また、スペーサプレート32を挟んだことにより、電磁流速センサ40を法面201に強固に固定することができる。以上が、電磁流速センサ40の説明である。
図1に示すように堤防200には、水流計測システム100を構成する各種装置を収容したデータロガー60が設置されている。図2に示すように、データロガー60は、法面201に沿って1列に並んだ複数の電磁流速センサ40毎に1つずつ備えられており、各電磁流速センサ40と前記ケーブル42で接続されている。なお、ケーブル42は、断線を防止するために保護管に通しておくことが好ましい。また、データロガー60は、堤防200に埋設されたハンドホールに収納しておくことが、景観上好ましい。
図6に示すようにデータロガー60は、通信装置61、データ収集装置62、記憶装置63、電源64等を備えてなる。データ収集装置62は、全ての電磁流速センサ40の測定回路部45にアクセスして、流速V1のデータと識別情報とを読み出す。また、記憶装置63は、データ収集装置62が読み出した情報を一時記憶する。
通信装置61は、記憶装置63に記憶された流速V1のデータ、識別情報等を、堤防200から離れた遠隔地(例えば、観測センター90)にあるコンピュータ91(本発明に係る「演算装置」に相当する)に対して、例えば、PHSや携帯電話網、特定小電力無線及び既存の河川管理用光ファイバ網等の通信ネットワーク92を利用して送信する。電源64は、例えば、電力会社から供給される商用電源や市販されているバッテリーでもよいが、データロガー60を設置する場所で得られる太陽光発電、水力発電、風力発電の何れか或いは複合してなる電源が好ましい。また、電磁流速センサ40は水没するからデータロガー60との間での無線通信は難しい。従って、上述したようにケーブル42を用いた有線通信によってて電磁流速センサ40の情報がデータロガー60に収集される。以上が、水流計測システム100の説明である。
次に本実施形態の作用効果を説明する。電磁流速センサ40に備えた励磁コイル44が励磁されると、センサヘッド46の近傍に磁界が生成する。そして、堤防200に波が打ち寄せることにより、水流が法面201を這い上がる際にその水流が磁界中を通過すると流速に応じて起電力が生じ、検知電極43,43の間の電位差が検出信号として測定回路部45に取り込まれる。そして、測定回路部45にて流速V1が演算される。
各電磁流速センサ40により計測された流速V1のデータは電磁流速センサ40を区別するための識別情報とセットとなってデータ収集装置62に読み取られ、記憶装置63に一時記憶される。記憶装置63に記憶された流速V1のデータ及び識別情報は、通信装置61により遠隔地のコンピュータ91に所定時間毎又はリアルタイムで送信される。そして、コンピュータ91は、収集した流速V1のデータに基づいて、法面201を這い上がった水流の最高到達位置P1を算出する。
最高到達位置P1は、造波装置を用いた水理模型実験と、流速及び最高到達位置を含む各種計測値を長期間に亘って現地で実測することで作成されたデータテーブル又は演算式によって算出することができる。
また、最高到達位置P1から平均水面までの鉛直距離である打ち上げ高さH1を算出する。「平均水面」とは、長期間に亘って計測された堤外水面の平均高さに位置する面のことであり、現地に設置した水位計の実測値又は、気象庁や河川局から発表された値を利用すればよい。
打ち上げ高さH1は、法面201を這い上がった水流の最高到達位置P1までの這い上がり距離L1(堤防200と平均水面との境界から最高到達位置P1までの法面201に沿った斜距離、図7参照)を求め、その這い上がり距離L1と法面201の傾斜角度θ1とを、下記演算式に代入して求めてもよい。
H1=L1・sinθ1
このようにして算出された最高到達位置P1又は打ち上げ高さH1の推移から、越流が発生する可能性を判定する。具体的には、例えば、最高到達位置P1から堤防200の天端202までの距離(斜距離又は鉛直距離)が、所定距離以下になる状態が、単位時間当たりに所定回数以上(例えば、1分間に2回以上)出現するようになった場合に、越流が発生する可能性が有ると判定する。
或いは、例えば、平均水面から堤防200の天端202までの高さHmaxの70%を越える打ち上げ高さH1が、単位時間当たりに所定回数以上(例えば、1分間に2回以上)出現するようになった場合に、越流が発生する可能性が有ると判定する。そして、越流が発生する可能性が有ると判定した場合には、観測センター90から消防・防災の関係機関や堤防200付近の住民に向けて警報を発令する。
ここで、最高到達位置P1又は打ち上げ高さH1に応じて、越流が発生する可能性を、低確率、中確率、高確率の3段階に分けて、警報レベルを徐々に上げるようにしてもよい。
このように本実施形態によれば、堤防200の法面201に固定した電磁流速センサ40によって法面201を這い上がる水流の流速V1を計測し、その流速V1のデータから、水流の最高到達位置P1を算出することができるので、最高到達位置P1の推移から、越流(越波)の発生予測を行うことが可能となる。
また、電磁流速センサ40の主要部である検知電極43,43、励磁コイル44及び測定回路部45等の電気部品を備えた本体ハウジング41が金属製のマウント形ハウジング50によって覆われているので、本体ハウジング41への漂流物の衝突を防止することができる。これにより、耐久性が向上する。また、マウント形ハウジング50は、法面201の上下方向の両端部に向かって傾斜しており、法面201を這い上がる水流がマウント形ハウジング50をスムーズに乗り越えるので、安定して流速V1を計測することができる。さらに、マウント形ハウジング50は、側方に開放しているので、マウント形ハウジング50の内側に水や泥砂が溜まり難くなっている。
また、法面201の上下方向に複数の電磁流速センサ40を並べて配設してあるので、水面が変動しても、最高到達位置P1の計測を行うことができる。また、複数の電磁流速センサ40による計測値を用いることで、最高到達位置P1の計測精度を向上させることが可能となる。また、何れかの電磁流速センサ40に不具合が生じた場合でも、その他の正常な電磁流速センサ40によって流速を継続して計測することができる。さらに、電磁流速センサ40では、その検出信号から検知電極43,43が水没しているか否かを判別することができるから、大まかな水位を計測することができる。
さらに、電磁流速センサ40によって計測された流速のデータは、通信装置61によって堤防から離れた遠隔地のコンピュータ91に送信されるので、係員が堤防200に実際に出向いてデータ収集を行う必要がなく、安全かつ迅速に最高到達位置P1の算出、さらには越流の発生予測を行うことができる。
従来のステップ式波高計は、堤防200の天端202に立設されるため、目立って景観を損ねると共に、水流を受けて倒されることがあるが、本実施形態の水流計測システム100では、電磁流速センサ40を堤防200の法面201に沿わせて固定してあるので、上記従来の問題を解消することができる。
[第2実施形態]
この第2本実施形態は、電磁流速センサ140のマウント形ハウジング150の構成を上記第1実施形態とは異ならせたものである。本実施形態のマウント形ハウジング150は、例えば、ステンレス製板金を絞り加工することで形成され、図8(C)に示すように、本体ハウジング41の凸形状に対応して膨出したドーム部151と、ドーム部151の縁部から側方に張り出したフランジ部152(本発明の「取付片」に相当する)とを備えている。ドーム部151の外面は滑らかな曲面(詳細には、球面の一部)で構成されており、頂点部分からフランジ部152に向かって緩やかに下るように傾斜している。ドーム部151の頂点部分に貫通した検出用貫通孔55にはセンサヘッド46が嵌合しており、ここから検知電極43,43が外部に露出している。また、図8(A)に示すようにセンサヘッド46の先端面46Aとドーム部151の外面とはほぼ面一となっている。また、図8(B)に示すように、フランジ部152には、法面201に固定するための複数(例えば4つ)の取付孔54が周方向に均等配置されている。
本体ハウジング41は、円板形状をなした背面プレート130にネジ止め又は溶接により固定されている。そしてマウント形ハウジング150のフランジ152が背面プレート130の周縁部に宛がわれてドーム部151と背面プレート130との間に形成されたドーム形スペース154に本体ハウジング41が収容されている。なお、本体ハウジング41のケーブル42は、ドーム部151を貫通したケーブル導出孔155から外部に導出されている。その他の構成については上記第1実施形態と同じである。
本実施形態の構成でも、上記第1実施形態と同等の効果を奏する。また、本実施形態の構成によればマウント形ハウジング150の内側に泥や砂が入り込むのを防止できる。ここで、ドーム部151の外面形状は、図9(A)に示すように法面201の上下方向に長くなった楕円球面状としてもよいし、同図(B)に示すように稜線と角部が丸みを帯びた四角錐台形面状としてもよい。
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記第1実施形態では、マウント形ハウジング50の中央部分が台形状に隆起していたが、略円弧状(弓なりのアーチ状)に隆起していてもよい。
(2)上記実施形態では、電磁流速センサ40が法面201に直接固定される構成であったが、帯板状の固定用ブラケットに複数の電磁流速センサ40を上下一列に固定して、その固定用ブラケットをアンカーボルト等によって法面201に固定するようにしてもよい。
(3)上記第1及び第2実施形態では、マウント形ハウジング50,150の内部に本体ハウジング41を収容した構成だったが、マウント形ハウジング50の内部に励磁コイル44、検知電極43,43、測定回路部45等の電気部品を収容してそれら電気部品43,44,45の周囲を樹脂でモールドした構成としてもよい。
(4)上記第1及び第2実施形態では、マウント形ハウジング50,150が金属製であったが、強度に優れた樹脂(具体的には、FRP(繊維強化プラスチック))で構成してもよい。
第1実施形態に係る水流計測システムの概念図 法面に固定された状態の電磁流速センサの正面図 電磁流速センサの斜視図 本体ハウジングの(A)側断面図、(B)平面図、(C)側面図 法面に固定された状態の電磁流速センサの側面図 データロガーの概念図 法面を這い上がる水流の概念図 第2実施形態に係る電磁流速センサの(A)側面図、(B)平面図、(C)平断面図 変形例に係る電磁流速センサの正面図
符号の説明
40,140 電磁流速センサ(流速センサ)
41 本体ハウジング
43,43 検知電極
46 センサヘッド(嵌合突部)
50,150 マウント形ハウジング
51 頂上構成壁
52,52 傾斜側壁
53,53 取付片
54,54 取付孔
55 検出用貫通孔
56,57 折曲部
61 通信装置
91 コンピュータ(演算装置)
92 通信ネットワーク
100 水流計測システム
151 ドーム部
152 フランジ部(取付片)
200 堤防
201 法面
202 天端
H1 打ち上げ高さ
L1 這い上がり距離
P1 最高到達位置
V1 流速
θ1 法面の傾斜角度

Claims (8)

  1. 堤防の法面に固定され、その法面を這い上がる水流の流速を計測する流速センサと、
    前記流速センサにより計測された流速に基づいて、前記法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出する演算装置とを備えたことを特徴とする水流計測システム。
  2. 前記流速センサは、前記法面に対して傾斜した傾斜面を少なくとも上下方向の両側に備えたマウント形ハウジングと、
    前記マウント形ハウジングの頂上部分に水平方向に並べて配置された1対の検知電極とを有し、
    前記1対の検知電極で検出された電位差に基づいて、前記水流の流速を測定することを特徴とする請求項1に記載の水流計測システム。
  3. 前記マウント形ハウジングは、板金又は樹脂からなり、
    前記マウント形ハウジングの内部に収容され、前記1対の検知電極を含む電気部品を保持した本体ハウジングを備え、
    前記マウント形ハウジングの前記頂上部分に検出用貫通孔を形成すると共に、前記本体ハウジングに前記検出用貫通孔に嵌合した嵌合突部を形成し、その嵌合突部に前記1対の検知電極を露出した状態に配置したことを特徴とする請求項2に記載の水流計測システム。
  4. 前記マウント形ハウジングは、前記法面と平行かつ水平方向に延びた複数の折曲線で前記板金を折り曲げて、前記法面と平行な頂上構成壁と、その頂上構成壁の上下両端に折曲部を介して連なった1対の傾斜側壁と、両方の前記傾斜側壁の端部に折曲部を介して連なった1対の取付片とを形成してなり、
    前記各取付片に、前記マウント形ハウジングを前記法面に固定するための取付孔を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の水流計測システム。
  5. 前記マウント形ハウジングは、前記板金を絞り加工してなるドーム部と、前記ドーム部の縁部から側方に張り出した取付片とを備えてなり、前記取付片には前記法面に固定するための取付孔が形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の水流計測システム。
  6. 前記流速センサが、前記法面の上下方向に所定間隔を空けて複数設けられたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水流計測システム。
  7. 前記流速センサにより計測された流速を通信ネットワークを介して前記演算装置に送信する通信装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水流計測システム。
  8. 堤防の法面を這い上がる水流の流速を計測し、その流速に基づいて、前記法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出することを特徴とする水流計測方法。
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