JP5047886B2 - 水流計測システム及び水流計測方法 - Google Patents
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Description
請求項1及び8の発明によれば、堤防の法面を這い上がる水流の流速を計測し、その流速から法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出するので、最高到達位置の推移から、越流(越波)の発生予測を行うことが可能となる。
請求項2の発明によれば、流速センサは、磁界と交差して水が流れることで生じた電位差を1対の検知電極で検出して水流の流速を計測する。ここで、流速センサは、法面に対して傾斜した傾斜面を少なくとも上下方向の両側に備えたマウント形ハウジングを備えている。即ち、マウント形ハウジングは、下方及び上方から頂上部分に向かうに従って法面から徐々に隆起するように傾斜しており、その頂上部分に1対の検知電極が配置されている。これにより、法面を這い上がる水流がマウント形ハウジングをスムーズに乗り越えるので、安定して流速を計測することができる。
請求項3の発明によれば、電気部品を備えた本体ハウジングがマウント形ハウジングで覆われ、本体ハウジングへの漂流物の衝突を防止することができる。これにより、耐久性が向上する。
請求項4の発明によれば、マウント形ハウジングが側方に開放しているので、マウント形ハウジングの内側に水や泥砂が溜まるのを防止できる。
請求項5の発明によれば、マウント形ハウジングの内側に泥砂が入り込むことを防止することができる。ここで、ドーム部の外面形状は、球面状、楕円球面状、稜線が丸みを帯びた多角錐台形面状とすればよい。
請求項6の発明によれば、流速センサが法面の上下方向に複数並べて固定されているから、それら複数の流速センサの計測値を用いることで、打ち上げ高さの計測精度を向上させることが可能となる。また、複数ある流速センサの何れかに不具合が生じても、他の正常な流速センサにより流速を計測することができ、水流の最高到達位置の算出、さらには、越流の発生予測を継続して行うことができる。
請求項7の発明によれば、演算装置を堤防から離れた遠隔地に設けることができ、係員が堤防に実際に出向いてデータ収集を行う必要がないので、安全かつ迅速に水流の最高到達位置を算出、さらには、越流の発生予測を行うことができる。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図7に基づいて説明する。図1における符号200は、海岸、河岸又は湖岸に構築された堤防である。堤防200は、その天端202から堤外水面に向かって下るように傾斜した法面201を備えており、その法面201には、本発明の水流計測システム100を構成する複数の電磁流速センサ40が固定されている。これら複数の電磁流速センサ40は、法面201の上下方向に所定間隔を空けて一列に配設され、堤外の水面近傍及び水面下に設置されている(図2参照)。
H1=L1・sinθ1
この第2本実施形態は、電磁流速センサ140のマウント形ハウジング150の構成を上記第1実施形態とは異ならせたものである。本実施形態のマウント形ハウジング150は、例えば、ステンレス製板金を絞り加工することで形成され、図8(C)に示すように、本体ハウジング41の凸形状に対応して膨出したドーム部151と、ドーム部151の縁部から側方に張り出したフランジ部152(本発明の「取付片」に相当する)とを備えている。ドーム部151の外面は滑らかな曲面(詳細には、球面の一部)で構成されており、頂点部分からフランジ部152に向かって緩やかに下るように傾斜している。ドーム部151の頂点部分に貫通した検出用貫通孔55にはセンサヘッド46が嵌合しており、ここから検知電極43,43が外部に露出している。また、図8(A)に示すようにセンサヘッド46の先端面46Aとドーム部151の外面とはほぼ面一となっている。また、図8(B)に示すように、フランジ部152には、法面201に固定するための複数(例えば4つ)の取付孔54が周方向に均等配置されている。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
41 本体ハウジング
43,43 検知電極
46 センサヘッド(嵌合突部)
50,150 マウント形ハウジング
51 頂上構成壁
52,52 傾斜側壁
53,53 取付片
54,54 取付孔
55 検出用貫通孔
56,57 折曲部
61 通信装置
91 コンピュータ(演算装置)
92 通信ネットワーク
100 水流計測システム
151 ドーム部
152 フランジ部(取付片)
200 堤防
201 法面
202 天端
H1 打ち上げ高さ
L1 這い上がり距離
P1 最高到達位置
V1 流速
θ1 法面の傾斜角度
Claims (8)
- 堤防の法面に固定され、その法面を這い上がる水流の流速を計測する流速センサと、
前記流速センサにより計測された流速に基づいて、前記法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出する演算装置とを備えたことを特徴とする水流計測システム。 - 前記流速センサは、前記法面に対して傾斜した傾斜面を少なくとも上下方向の両側に備えたマウント形ハウジングと、
前記マウント形ハウジングの頂上部分に水平方向に並べて配置された1対の検知電極とを有し、
前記1対の検知電極で検出された電位差に基づいて、前記水流の流速を測定することを特徴とする請求項1に記載の水流計測システム。 - 前記マウント形ハウジングは、板金又は樹脂からなり、
前記マウント形ハウジングの内部に収容され、前記1対の検知電極を含む電気部品を保持した本体ハウジングを備え、
前記マウント形ハウジングの前記頂上部分に検出用貫通孔を形成すると共に、前記本体ハウジングに前記検出用貫通孔に嵌合した嵌合突部を形成し、その嵌合突部に前記1対の検知電極を露出した状態に配置したことを特徴とする請求項2に記載の水流計測システム。 - 前記マウント形ハウジングは、前記法面と平行かつ水平方向に延びた複数の折曲線で前記板金を折り曲げて、前記法面と平行な頂上構成壁と、その頂上構成壁の上下両端に折曲部を介して連なった1対の傾斜側壁と、両方の前記傾斜側壁の端部に折曲部を介して連なった1対の取付片とを形成してなり、
前記各取付片に、前記マウント形ハウジングを前記法面に固定するための取付孔を形成したことを特徴とする請求項2又は3に記載の水流計測システム。 - 前記マウント形ハウジングは、前記板金を絞り加工してなるドーム部と、前記ドーム部の縁部から側方に張り出した取付片とを備えてなり、前記取付片には前記法面に固定するための取付孔が形成されたことを特徴とする請求項2又は3に記載の水流計測システム。
- 前記流速センサが、前記法面の上下方向に所定間隔を空けて複数設けられたことを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の水流計測システム。
- 前記流速センサにより計測された流速を通信ネットワークを介して前記演算装置に送信する通信装置を備えたことを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の水流計測システム。
- 堤防の法面を這い上がる水流の流速を計測し、その流速に基づいて、前記法面を這い上がった水流の最高到達位置を算出することを特徴とする水流計測方法。
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