JP4902263B2 - 河川用電磁流速センサ、河川用流速測定装置及び河川用流速測定システム - Google Patents
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Description
請求項1の河川用電磁流速センサでは、磁界と交差して河川の水が流れることで生じた電位差を1対の検知電極で検出して河川の流速を計測する。ここで、河川用電磁流速センサは、水流平行面に取り付けられて水流の流れ方向の両端部に向かって傾斜したマウント形ハウジングを備え、その頂上部分に1対の検知電極が配置されている。即ち、マウント形ハウジングは、上流側の縁部から頂上部分に向かうに従って水流平行面から徐々に隆起するように傾斜している。これにより、河川の上流から流れてきた流下物が衝突した時の衝撃が緩和され、耐久性(信頼性)の向上を図ることができる。また、流下物が河川用電磁流速センサに引っ掛かることも防止される。さらに、水流の抵抗が抑えられると共に、水流はマウント形ハウジングの表面に沿ってスムーズに流れるので安定して流速を計測することができる。
請求項2の発明によれば、マウント形ハウジングが上下に開放しているので、マウント形ハウジングの内側に泥や砂が溜まるのを防止できる。
請求項3の発明によれば、マウント形ハウジングの内側に泥や砂が入り込むことを防止できる。ここで、ドーム部の外面形状は、球面状、楕円球面状、稜線が丸みを帯びた多角錐台形面状とすればよい。
請求項4の河川用流速測定装置では、請求項1乃至3の何れかに記載の河川用電磁流速センサを利用して流速を計測するから、従来の河川用流速測定装置に比べて耐久性が向上する。また、河川の水深方向の複数位置で流速を計測できると共に、計測結果に応じて大まかな水位も計測可能となる。さらに、仮に何れかの河川用電磁流速センサに不具合が生じても、他の正常な河川用電磁流速センサにより継続して流速を計測することができる。
請求項5の発明によれば、河川用電磁流速センサから延びたケーブルをベース盤によって保護することができ、ケーブルの断線や流下物の引っ掛かり等を防止できる。
請求項6の発明によれば、固定片がヒンジピンを中心に揺動可能なので、水流平行面が湾曲していても、固定片を水流平行面に宛がってベース盤を固定することができる。つまり、ベース盤の固定場所の自由度が向上する。
請求項7の発明によれば、複数の河川用電磁流速センサを一度に河川の水流中に設置或いは撤去することができる。なお、ベース盤は、橋脚に備えたアンカーボルトにより固定してもよいし、ワイヤー等で橋脚に縛り付けてもよい。
請求項8の発明によれば、何れかの河川用電磁流速センサに不具合が発生した場合には、その河川用電磁流速センサだけをベース盤から取り外して交換することができる。
請求項9の発明によれば、ベース盤の長さを、例えば、河川の水位や水流平行面の高さに応じて調節することができる。
請求項10の河川用流速測定システムでは、請求項1乃至3の何れかに記載の河川用電磁流速センサを利用して流速を計測するから、従来の河川用流速測定システムに比べて耐久性が向上する。また、複数の河川用電磁流速センサにより計測された流速情報は情報収集装置に収集され、送信装置によって識別情報と共に外部に送信される。そして、各河川用電磁流速センサの流速情報が、例えば、管理センター等に集められて、河川の流速や、流量、水位等を観測可能となる。これにより、係員が河川に実際に出向いて測定作業を行う必要がなくなり、安全かつ低コストに河川の状態を観測できる。また、リアルタイムに河川の流速情報を収集することができる。
請求項11の構成によれば、河川の川幅方向と水深方向との2方向で河川の流速分布や平均流速を観測できる。
以下、本発明の第1実施形態を図1〜図10に基づいて説明する。図1における符号10は、河川11の水流中に立設された例えばコンクリート製の橋脚であって、河川11の幅方向に複数立設されている(図1には、1つの橋脚10のみが示されている)。これら橋脚10のうち、水流の流れ方向と略平行な橋脚壁面10A(本発明の「水流平行面」に相当する)には、本発明に係る河川用流速測定装置90がそれぞれ取り付けられている。河川用流速測定装置90は、橋脚壁面10Aに例えばアンカーボルト(図示せず)によって固定されたベース盤20と、そのベース盤20に上下に並べて取り付けられた複数の河川用電磁流速センサ40とから構成される。
この第2本実施形態は、河川用電磁流速センサのうち、マウント形ハウジングの構成を上記第1実施形態とは異ならせたものである。本実施形態のマウント形ハウジング150は、例えば、ステンレス製板金を絞り加工することで形成され、図11(C)に示すように、本体ハウジング41の凸形状に対応して膨出したドーム部151と、ドーム部151の縁部から側方に張り出したフランジ部152(本発明の「取付片」に相当する)とを備えている。ドーム部151の外面は滑らかな曲面(詳細には、球面の一部)で構成されており、頂点部分からフランジ部152に向かって緩やかに下るように傾斜している。ドーム部151の頂点部分に貫通した検出用貫通孔55にはセンサヘッド46が嵌合しており、ここから検知電極43,43が外部に露出している。また、図11(A)に示すようにセンサヘッド46の先端面46Aとドーム部151の外面とはほぼ面一となっている。また、フランジ部152には複数(例えば4つ)の取付孔54が周方向に均等配置されている。
図13は、本発明の第3実施形態に係る河川用電磁流速センサ240を示す。この河川用電磁流速センサ240は金属製の背面プレート130を備え、ベース盤20を介さずに直接、橋脚壁面10Aに固定される点が上記第1実施形態と異なる。
図14及び図15は、本発明の第4実施形態を示す。この第4実施形態は、ベース盤構成体21(ベース盤20)の構成が上記第1実施形態と異なる。即ち、本実施形態におけるベース盤構成体21は、第1実施形態における横枠部材122の代わりに、複数の固定片222を備えている。これら固定片222はベース板金構成体21Bの両側縁部に複数個ずつ等間隔に備えられ、側方に張り出している。各固定片222は、上下方向(ベース板金構成体21Bの長手方向)に延びたヒンジピン221(図15を参照)により、ベース板金構成体21Bに対して揺動可能に軸支されており、その中央部には、例えば橋脚壁面10Aから起立したアンカーボルトを挿通してベース板金構成体21Bを橋脚壁面10Aに固定するための固定用孔22Aが貫通形成されている。
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
10A 橋脚壁面(水流平行面)
11 河川
20 ベース盤
21 ベース盤構成体
20A ベースフレーム
20B ベース板金
22A 固定用孔
25B ボルト(螺旋部)
25N ナット(螺旋部)
26 隙間
26A 上端開口
27 ケーブル導入孔
40,140,240 河川用電磁流速センサ
41 本体ハウジング
42 ケーブル
43 検知電極
44 励磁コイル(電気部品)
45 測定回路部(電気部品)
46 センサヘッド(嵌合突部)
50,150 マウント形ハウジング
51 頂上構成壁
52 傾斜側壁
53 取付片
54 取付孔
55 検出用貫通孔
61 送信装置
62 データ収集装置(情報収集装置)
90 河川用流速測定装置
100 河川用流速測定システム
130 背面プレート
131 取付孔
151 ドーム部
152 フランジ部(取付片)
221 ヒンジピン
222 固定片
Claims (11)
- 河川の水流中に設けられた河川内部材のうち前記水流の流れ方向と略平行な水流平行面に固定されて、その水流の流速を計測可能な河川用電磁流速センサであって、
前記水流平行面に取り付けられ、前記水流の流れ方向の両端側に向かって傾斜したマウント形ハウジングと、前記マウント形ハウジングの頂上部分に上下に並べて配置された1対の検知電極とを備え、
前記マウント形ハウジングは、板金又は樹脂を加工してなり、
前記マウント形ハウジングの内部に収容され、前記1対の検知電極を含む電気部品を保持した本体ハウジングを備え、
前記マウント形ハウジングの前記頂上部分に検出用貫通孔を形成すると共に、前記本体ハウジングに前記検出用貫通孔に嵌合した嵌合突部を形成し、その嵌合突部に前記1対の検知電極を露出した状態に配置して、
前記1対の検知電極で検出された電位差に基づいて、前記河川の流速を計測することを特徴とする河川用電磁流速センサ。 - 前記マウント形ハウジングは、前記板金を上下に延びた複数の折曲線で折り曲げてなり、前記水流の流れ方向と平行な頂上構成壁と、その頂上構成壁の両側に折曲部を介して連なった1対の傾斜側壁と、両方の前記傾斜側壁の端部に折曲部を介して連なった1対の取付片とを備えてなり、
前記各取付片に、それら取付片を前記水流平行面に固定するための取付孔を形成したことを特徴とする請求項1に記載の河川用電磁流速センサ。 - 前記マウント形ハウジングは、前記板金を絞り加工してなるドーム部と、前記ドーム部の縁部から側方に張り出した取付片とを備えてなり、前記取付片には前記水流平行面に固定するための取付孔が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の河川用電磁流速センサ。
- 前記請求項1乃至3の何れかに記載の河川用電磁流速センサと、
前記水流平行面に固定されるベース盤とを備え、
前記ベース盤に前記河川用電磁流速センサが上下に複数並べて取り付けられたことを特徴とする河川用流速測定装置。 - 前記ベース盤は、上下に延びたベースフレームとベース板金とを隙間を空けた状態で重ねて保持してなり、前記ベース板金には、前記マウント形ハウジングを着脱可能に取り付けるための螺子部と、前記各河川用電磁流速センサから延びたケーブルを挿通して前記ベースフレームと前記ベース板金との間の隙間に導入するためのケーブル導入孔とが形成され、
前記ケーブルが前記ベースフレームと前記ベース板金との間の隙間の上端開口から導出されたことを特徴とする請求項4に記載の河川用流速測定装置。 - 前記ベース盤の上下方向に延びたヒンジピンにより前記ベース盤の両側縁部に揺動可能に連結された固定片を備え、前記固定片に前記ベース盤を前記水流平行面に固定するための固定用孔を形成したことを特徴とする請求項4に記載の河川用流速測定装置。
- 前記ベース盤は、前記河川内部材としての橋脚に対して着脱可能であることを特徴とする請求項4乃至6の何れかに請求項に記載の河川用流速測定装置。
- 前記複数の河川用電磁流速センサは、前記ベース盤に対して着脱可能に固定されたことを特徴とする請求項4乃至7の何れかに記載の河川用流速測定装置。
- 前記ベース盤は、上下方向で複数のベース盤構成体に分割可能であることを特徴とする請求項4乃至8の何れかに記載の河川用流速測定装置。
- 前記請求項4乃至9の何れかに記載の河川用流速測定装置と、
前記河川用流速測定装置に備えた複数の前記河川用電磁流速センサにより計測された流速情報を収集する情報収集装置と、
収集した前記流速情報を、前記河川用電磁式流速センサを識別するための識別情報と共に外部に送信する送信装置とを備えたことを特徴とする河川用流速測定システム。 - 前記河川内部材は前記河川の川幅方向に複数立設され、
それら複数の前記河川内部材にそれぞれ前記河川用流速測定装置が取り付けられたことを特徴とする請求項10に記載の河川用流速測定システム。
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