JP2018087534A - ポンプ装置 - Google Patents
ポンプ装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018087534A JP2018087534A JP2016231321A JP2016231321A JP2018087534A JP 2018087534 A JP2018087534 A JP 2018087534A JP 2016231321 A JP2016231321 A JP 2016231321A JP 2016231321 A JP2016231321 A JP 2016231321A JP 2018087534 A JP2018087534 A JP 2018087534A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- gap
- casing cover
- casing
- pump
- impeller
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Structures Of Non-Positive Displacement Pumps (AREA)
Abstract
【課題】異物を除去するためのフィルタを不要とすることができ、かつ異物に起因する運転の停止を防止することができるポンプ装置を提供する。【解決手段】ポンプ装置は、羽根車1の主板7からケーシングカバー5に向かって延び、ケーシングカバー5との間に隙間を形成する環状の隙間形成部14と、ケーシングカバー5に形成され、すべり軸受21,22が配置された空間23とポンプケーシング4の内部とを接続する流通孔20とを備える。流通孔20は、隙間形成部14の半径方向内側に配置されており、隙間形成部14およびケーシングカバー5は、隙間形成部14とケーシングカバー5との間に形成された隙間を通じて、ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部を流通孔20に導き、流通孔20は、隙間を通過した液体を空間23に導く。【選択図】図1
Description
本発明は、ポンプ装置に関するものである。
ポンプ装置(例えば、遠心ポンプ装置)は、ポンプケーシング内に配置された羽根車が回転することによって液体を圧送する回転機械である。図6はポンプ装置を示す図である。図6に示すポンプ装置は、キャンとモータフレームとの間に形成された密閉空間内にモータステータが収容されたキャンドモータポンプである。図6に示すように、ポンプ装置は、ポンプPと、このポンプPを駆動するためのモータ部Mとから構成されている。ポンプPは、羽根車101と、羽根車101が固定された回転軸102と、羽根車101を収容するポンプケーシング104とを備えている。
ポンプケーシング104の高圧側の開口部にはケーシングカバー105が固定されている。回転軸102はケーシングカバー105を貫通して延びており、羽根車101は回転軸102の先端に締結具106により固定されている。ケーシングカバー105には、ポンプケーシング104内の液体の一部をモータ部Mに導くための流通孔105aが形成されている。羽根車101の回転によって昇圧された液体の一部は、この流通孔105aを通ってモータ部Mに導かれる。
ポンプ装置は、回転軸102を回転させるモータ110と、モータ110を収容するモータフレーム112とを備えている。モータ110は、回転軸102に固定されたモータロータ115と、モータロータ115の周囲に配置されたモータステータ116とを備えている。回転軸102は、モータロータ115の両側に配置されたすべり軸受121,122によって回転可能に支持されている。
ポンプケーシング104内に吸い込まれた液体の一部は、流通孔105aを通ってモータ部Mに導かれる。液体は、すべり軸受121と回転軸102との間の僅かな隙間を流れ、回転軸102およびすべり軸受121を冷却および潤滑する。液体はモータ110も冷却する。
モータ部Mに導かれた液体の一部は、モータロータ115とキャン118との間の僅かな隙間を通って、すべり軸受122が配置された空間に導かれる。液体は、すべり軸受122と回転軸102との間の僅かな隙間を流れ、回転軸102およびすべり軸受122を冷却および潤滑する。
図6に示すポンプ装置はその構造上、ポンプ装置の内部に導かれた液体でモータ110を冷却し、かつ、すべり軸受121,122を冷却および潤滑するように構成されている。しかしながら、液体中に異物が混入していると、異物がキャンドモータポンプの内部の隙間に詰まるおそれがある。例えば、流通孔105aを通過した異物がモータロータ115とキャン118との間の隙間に詰まると、キャン118が破損するおそれがある。結果として、モータ110の絶縁性能の低下や液体の漏洩などの事故が発生するおそれがある。さらに、モータロータ115とキャン118との間に詰まった異物はモータロータ115の回転を阻害し、結果として、ポンプ装置が停止してしまうおそれがある。
異物を取り除くためのフィルタを有するキャンドモータポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。しかしながら、異物を除去するためのフィルタを設けることにより、フィルタの清掃など、フィルタのメンテナンスを定期的に行う必要がある。フィルタが目詰まりを起こした状態でフィルタのメンテナンスの実施を怠ると、モータ110が十分に冷却されず、モータ110が焼損するおそれがある。さらに、すべり軸受121,122が十分に潤滑されずに、すべり軸受121,122が摩耗したり、破損するおそれがある。
本発明は、上述した従来の問題点に鑑みてなされたもので、異物を除去するためのフィルタを不要とすることができ、かつ異物に起因する運転の停止を防止することができるポンプ装置を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するために、本発明の一態様は、羽根車と、前記羽根車が固定された回転軸と、前記回転軸を回転可能に支持するすべり軸受と、前記羽根車を収容するポンプケーシングと、前記ポンプケーシングの高圧側の開口部に固定されたケーシングカバーと、前記羽根車の主板から前記ケーシングカバーに向かって延び、前記ケーシングカバーとの間に隙間を形成する環状の隙間形成部と、前記ケーシングカバーに形成され、前記すべり軸受が配置された空間と前記ポンプケーシングの内部とを接続する流通孔とを備え、前記流通孔は、前記隙間形成部の半径方向内側に配置されており、前記隙間形成部および前記ケーシングカバーは、前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間に形成された隙間を通じて、前記ポンプケーシング内に吸い込まれた液体の一部を前記流通孔に導き、前記流通孔は、前記隙間を通過した液体を前記空間に導くことを特徴とするポンプ装置である。
本発明の好ましい態様は、前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間の隙間は、前記流通孔よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記すべり軸受は摺動性および耐摩耗性を有する材料から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転軸に固定されたモータロータと、前記モータロータの周囲に配置されたモータステータと、前記モータロータと前記モータステータとの間に配置された円筒状のキャンとをさらに備え、前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間の隙間は、前記モータロータと前記キャンとの間の隙間よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記羽根車には、その軸方向に延びる貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記隙間形成部の半径方向外側に配置されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記すべり軸受は摺動性および耐摩耗性を有する材料から構成されていることを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記回転軸に固定されたモータロータと、前記モータロータの周囲に配置されたモータステータと、前記モータロータと前記モータステータとの間に配置された円筒状のキャンとをさらに備え、前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間の隙間は、前記モータロータと前記キャンとの間の隙間よりも小さいことを特徴とする。
本発明の好ましい態様は、前記羽根車には、その軸方向に延びる貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記隙間形成部の半径方向外側に配置されていることを特徴とする。
流通孔は隙間形成部の半径方向内側に配置されている。本発明によれば、液体中の異物は、隙間形成部の回転による遠心力により、羽根車の半径方向外側に飛ばされるので、隙間形成部の近傍に近づくことができない。したがって、ポンプ装置は、すべり軸受が配置された空間への異物の進入を防止することができる。結果として、ポンプ装置は、異物に起因する運転の停止を防止することができる。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下で説明する図面において、同一又は相当する構成要素には、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
図1はポンプ装置の一実施形態を示す図である。図1に示す実施形態のポンプ装置は、キャンとモータフレームとの間に形成された密閉空間内にモータステータが収容されたキャンドモータポンプである。図1に示すように、ポンプ装置は、ポンプPと、このポンプPを駆動するためのモータ部Mとから構成されている。ポンプPは、羽根車1と、羽根車1が固定された回転軸2と、羽根車1を収容するポンプケーシング4とを備えている。
図1はポンプ装置の一実施形態を示す図である。図1に示す実施形態のポンプ装置は、キャンとモータフレームとの間に形成された密閉空間内にモータステータが収容されたキャンドモータポンプである。図1に示すように、ポンプ装置は、ポンプPと、このポンプPを駆動するためのモータ部Mとから構成されている。ポンプPは、羽根車1と、羽根車1が固定された回転軸2と、羽根車1を収容するポンプケーシング4とを備えている。
ポンプケーシング4の高圧側の開口部にはケーシングカバー5が固定されている。回転軸2はケーシングカバー5を貫通して延びており、羽根車1は回転軸2の先端に締結具6により固定されている。
羽根車1は、円板状の主板7と、主板7に固定された複数の翼8と、翼8の前面を覆う側板9とを備えている。図1では、1つの翼8のみが図示されている。複数の翼8は主板7の円周方向に沿って等間隔に配置されている。羽根車1は、その主板7からケーシングカバー5に向かって延び、ケーシングカバー5との間に隙間を形成する環状の隙間形成部14をさらに備えている。隙間形成部14は回転軸2と同心状に配置されている。
ケーシングカバー5には、すべり軸受21,22が配置された第1空間23と羽根車1が配置された第2空間24(すなわち、ポンプケーシング4の内部)とを接続する流通孔20が形成されている。この流通孔20は、隙間形成部14の半径方向内側に配置されている。
ポンプ装置は、回転軸2を回転させるモータ10と、回転軸2を回転可能に支持するすべり軸受21,22と、回転軸2、モータ10、およびすべり軸受21,22を収容するモータフレーム12とを備えている。モータ10は、回転軸2に固定されたモータロータ15と、モータロータ15の周囲に配置されたモータステータ16とを備えている。本実施形態では、モータロータ15は回転軸2の中央部に固定されている。モータステータ16は、ステータコア16aと、ステータコア16aに巻かれた複数のコイル16bとを備えている。図1では1つのコイル16bのみが図示されているが、複数のコイル16bはモータロータ15を囲むように配置されている。
回転軸2は、モータロータ15の両側に配置されたすべり軸受21,22によって回転可能に支持されている。すべり軸受21は、回転軸2のラジアル荷重を支持するラジアル軸受21aと、回転軸2(より具体的には、回転軸2に固定されたスラスト板25)のスラスト荷重を支持するスラスト軸受21bとから構成されている。同様に、すべり軸受22は、ラジアル軸受22aと、スラスト軸受22bとから構成されている。スラスト板25,25は、環状形状を有しており、モータロータ15の両側の位置において回転軸2に固定されている。スラスト板25,25は回転軸2と一体に回転する。
モータロータ15とモータステータ16との間には、円筒状のキャン18がモータロータ15を取り囲むように配置されている。モータステータ16は、モータフレーム12とキャン18との間に配置されている。モータステータ16は、モータフレーム12の内面およびキャン18の外面に接触している。モータロータ15、モータステータ16、およびキャン18は同心状に配置されている。モータステータ16に隣接して、環状のフレーム側板13が設けられている。フレーム側板13の外面はモータフレーム12に固定されており、フレーム側板13の内面はキャン18に固定されている。モータステータ16は、モータフレーム12、フレーム側板13、およびキャン18により形成されたステータ室11内に配置されている。
ケーシングカバー5は、フレーム側板13とポンプケーシング4との間に配置されている。ケーシングカバー5とポンプケーシング4との間、およびケーシングカバー5とフレーム側板13との間には、環状のシール部材17,17がそれぞれ配置されている。これらシール部材17,17は、液体がこれら隙間を通ってポンプ装置の外部に流出することを防止している。ケーシングカバー5の反対側にはエンドカバー19が配置されており、モータフレーム12の端部側開口はエンドカバー19によって閉じられている。
円筒状のラジアル軸受21aは回転軸2とケーシングカバー5との間に配置されており、回転軸2の外周面とラジアル軸受21aの内周面との間には僅かな隙間が形成されている。同様に、円筒状のラジアル軸受22aは回転軸2とエンドカバー19との間に配置されており、回転軸2の外周面とラジアル軸受22aの内周面との間には僅かな隙間が形成されている。
環状のスラスト軸受21bは、スラスト板25とケーシングカバー5との間に配置されている。環状のスラスト軸受22bは、スラスト板25とエンドカバー19との間に配置されている。
モータステータ16のコイル16bに電流を流すと、モータステータ16に磁界が形成され、この磁界により、モータロータ15が回転する。モータロータ15の回転は回転軸2を通じて羽根車1を回転させる。羽根車1が回転軸2とともに回転すると、液体は吸込口4aからポンプケーシング4内に吸い込まれ、羽根車1の回転により昇圧された後、吐出口4bから吐き出される。
ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部は、隙間形成部14とケーシングカバー5との間の隙間および流通孔20を通ってモータ部M、すなわち、すべり軸受21,22が配置された第1空間23に導かれる。液体は、すべり軸受21と回転軸2との間の僅かな隙間を流れ、回転軸2およびすべり軸受21を冷却および潤滑する。液体はモータ10も冷却する。
図2は図1の拡大断面図である。ケーシングカバー5は、フレーム側板13とポンプケーシング4との間に配置された第1部位5aと、第1部位5aから羽根車1に向かって延びる第2部位5bと、第1部位5aからスラスト軸受21bに向かって延びる第3部位5cとから基本的に構成されている。これら部位5a,5b,5cは、環状形状を有しており、一体的に構成されている。
シール部材17は、第1部位5aとフレーム側板13との間および第1部位5aとポンプケーシング4との間に配置されている。ラジアル軸受21aは、第2および第3部位5b,5cと回転軸2の外周面との間に配置されている。スラスト軸受21bは、第3部位5cとスラスト板25との間に配置されている。
図3は図2のA−A線断面図である。図2および図3に示すように、隙間形成部14の内周面14aとケーシングカバー5の第2部位5bの外周面45との間には環状の隙間Gが形成されている。一実施形態では、隙間形成部14の内周面14aに環状のライナーリング(図示しない)を装着して、このライナーリングとケーシングカバー5との間に隙間Gを形成してもよい。他の実施形態では、ケーシングカバー5の第2部位5bの外周面45に環状のライナーリング(図示しない)を装着して隙間Gを形成してもよい。さらに他の実施形態では、内周面14aおよび外周面45の両方に環状のライナーリングを装着して隙間Gを形成してもよい。
隙間Gは流通孔20の外側に配置されている。言い換えれば、隙間Gは、羽根車1が回転したときの液体の第1空間23への流れ方向において、流通孔20の上流側に配置されている。したがって、隙間形成部14およびケーシングカバー5は、隙間Gを通じて、ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部を流通孔20に導き、流通孔20は、隙間Gを通過した液体を第1空間23に導く。
流通孔20の一端は、ケーシングカバー5の第2部位5bの端面46で開口しており、流通孔20の他端は、ケーシングカバー5の第3部位5cの外周面47で開口している。ただし、流通孔20の他端は、ケーシングカバー5の第3部位5cの端面48で開口してもよい。
本実施形態では、流通孔20は、その途中で屈曲する1つの屈曲部を有しているが、流通孔20の形状は本実施形態に限定されない。一実施形態では、流通孔20は、複数の屈曲部を有してもよく、他の実施形態では、流通孔20は屈曲部を有しておらず、直線状に延びてもよい。図3に示すように、本実施形態では、4つの流通孔20がケーシングカバー5に形成されているが、流通孔20の数は本実施形態に限定されない。ケーシングカバー5には、少なくとも1つの流通孔20が形成されてもよい。本実施形態では、4つの流通孔20はラジアル軸受21aの周方向に沿って等間隔に配置されている。
図4はポンプ装置内における液体の流れを示す図である。図4の矢印に示すように、ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部は、隙間形成部14とケーシングカバー5との間の隙間Gおよび流通孔20を通って第1空間23に導かれる。隙間Gを通過した液体は、流通孔20を流れるとともに、すべり軸受21(すなわち、ラジアル軸受21aおよびスラスト軸受21b)と回転軸2との間の隙間、すべり軸受21とケーシングカバー5との間の隙間、およびスラスト軸受21bとスラスト板25との間の隙間を流れる。
モータ部Mに導かれた液体は、モータロータ15とキャン18との間の隙間Hを通って、すべり軸受22が配置された第1空間23に導かれる。液体は、スラスト軸受22bとエンドカバー19との間の隙間、およびスラスト軸受22bとスラスト板25との間の隙間を流れ、さらに、すべり軸受22(すなわち、ラジアル軸受22aおよびスラスト軸受22b)と回転軸2との間の隙間、およびラジアル軸受22aとエンドカバー19との間の隙間を流れる。このようにして、液体は、回転軸2、すべり軸受21,22を冷却および潤滑し、さらに、モータ10を冷却する。
回転軸2の内部には、その軸方向に貫通する軸通孔2aが形成されており、軸通孔2aは、回転軸2の両端において開口している。液体は、軸通孔2aを通ってポンプケーシング4内に戻される。
ポンプPによって移送される液体中には異物が混入していることがある。流通孔20は羽根車1の隙間形成部14の半径方向内側に設けられているため、液体中の異物は隙間形成部14とケーシングカバー5との間に形成された隙間Gを経由しなければ流通孔20に導入されない。ポンプ装置の運転により、羽根車1が回転すると、液体中の異物は、羽根車1(より具体的には、隙間形成部14)の回転による遠心力により、羽根車1の半径方向外側に飛ばされるので、そもそも異物は隙間形成部14の近傍に近づくことができない。したがって、本実施形態に係るポンプ装置は、第1空間23への異物の進入を防止することができる。
隙間形成部14とケーシングカバー5との間の隙間Gは、流通孔20よりも小さく(隙間G<流通孔20)、モータロータ15とキャン18との間の隙間Hよりも小さい(隙間G<隙間H)。隙間Gの大きさは、隙間Gの面積が流通孔20の面積よりも小さくなるように、かつ隙間Gの面積が隙間Hの面積よりも小さくなるように決定される。
ポンプ装置は、液体中の異物が隙間H(および流通孔20)に詰まることを防止することができる。つまり、流通孔20は隙間Gの半径方向内側に配置されているため、ポンプケーシング4内に吸い込まれた液体の一部は、隙間Gを通った後に流通孔20を通って第1空間23に導かれる。本実施形態によれば、隙間Gは隙間Hおよび流通孔20よりも小さいため、ポンプ装置の停止時または運転時において、万が一、異物が隙間Gを通過しても、異物は、流通孔20および隙間Hに詰まることはなく、流通孔20および隙間Hを確実に通過する。
このようにして、キャン18は異物によって破損されず、さらに、モータロータ15の回転は異物によって阻害されない。したがって、ポンプ装置は、異物に起因するモータ10の絶縁性能の低下や液体の漏洩などの事故を確実に防止することができ、結果として、異物に起因する運転の停止を防止することができる。
本実施形態では、流通孔20の大きさは隙間Hよりも大きい。しかしながら、流通孔20の大きさは、隙間Hよりも小さくてもよく、または隙間Hと同じ大きさを有してもよい。
隙間形成部14およびケーシングカバー5との間の隙間Gは、すべり軸受21,22と回転軸2との間の隙間よりも小さくてもよい。隙間Gは、すべり軸受21,22と回転軸2との間の隙間よりも大きくてもよく、またはすべり軸受21,22と回転軸2との間の隙間と同じ大きさを有してもよい。すべり軸受21,22と回転軸2との間の隙間に異物が進入しても、すべり軸受21,22は固着しないように構成されている。
さらに、本実施形態によれば、異物を除去するための特別な部材(例えば、フィルタ)を不要とすることができ、結果として、このような部材のメンテナンスも不要とすることができる。
流通孔20は羽根車1の隙間形成部14の半径方向内側に設けられているため、液体は隙間Gを通って第1空間23内に導入される。ポンプ装置の初回運転時、すなわち、第1空間23内に液体が存在していない状態でポンプ装置を運転した場合、液体は第1空間23に直ぐに導入されず、しばらくの間、すべり軸受21,22は、ドライ状態(すなわち、すべり軸受21,22と回転軸2との間に液体が存在していない状態)で回転軸2を回転自在に支持する。したがって、本実施形態に係るすべり軸受21,22はドライ状態で回転軸2を支持することができるように構成されている。より具体的には、すべり軸受21,22は、摺動性および耐摩耗性を有する材料、例えば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)から構成されている。
図5はポンプ装置の他の実施形態を示す図である。特に説明しない本実施形態の構成および動作は、上述した実施形態と同じであるので、その重複する説明を省略する。図5に示すように、本実施形態では、羽根車1の主板7には、バランスホール50が形成されている。バランスホール50を設ける理由は次の通りである。ポンプ装置の運転中において、主板7には、ポンプケーシング4の吸込口4a側に向かってスラスト力が作用し、側板9には、ケーシングカバー5側に向かってスラスト力が作用する。主板7の形状と側板9の形状とは異なっており、主板7の受圧面積は側板9の受圧面積よりも大きいため、主板7に作用するスラスト力は側板9に作用するスラスト力よりも大きくなる。したがって、主板7に作用するスラスト力と側板9に作用するスラスト力とを釣り合わせるために、主板7にはバランスホール(貫通孔)50が形成されている。
図5に示すように、バランスホール50は隙間形成部14の半径方向外側に位置している。本実施形態では、バランスホール50は主板7に形成された孔であるが、バランスホール50の形状は本実施形態に限定されない。一実施形態では、バランスホール50は主板7に形成された切り欠きであってもよい。バランスホール50の数および形状は移送される液体の圧力や羽根車1の大きさなどの要素に基づいて決定される。
上述した実施形態は、本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が本発明を実施できることを目的として記載されたものである。上記実施形態の種々の変形例は、当業者であれば当然になしうることであり、本発明の技術的思想は他の実施形態にも適用しうることである。したがって、本発明は、記載された実施形態に限定されることはなく、特許請求の範囲によって定義される技術的思想に従った最も広い範囲に解釈されるものである。
1 羽根車
2 回転軸
4 ポンプケーシング
5 ケーシングカバー
5a 第1部位
5b 第2部位
5c 第3部位
6 締結具
7 主板
8 翼
9 側板
10 モータ
12 モータフレーム
14 隙間形成部
15 モータロータ
16 モータステータ
18 キャン
19 エンドカバー
20 流通孔
21,22 すべり軸受
23 第1空間
24 第2空間
45 外周面
46 端面
47 外周面
50 バランスホール(貫通孔)
2 回転軸
4 ポンプケーシング
5 ケーシングカバー
5a 第1部位
5b 第2部位
5c 第3部位
6 締結具
7 主板
8 翼
9 側板
10 モータ
12 モータフレーム
14 隙間形成部
15 モータロータ
16 モータステータ
18 キャン
19 エンドカバー
20 流通孔
21,22 すべり軸受
23 第1空間
24 第2空間
45 外周面
46 端面
47 外周面
50 バランスホール(貫通孔)
Claims (5)
- 羽根車と、
前記羽根車が固定された回転軸と、
前記回転軸を回転可能に支持するすべり軸受と、
前記羽根車を収容するポンプケーシングと、
前記ポンプケーシングの高圧側の開口部に固定されたケーシングカバーと、
前記羽根車の主板から前記ケーシングカバーに向かって延び、前記ケーシングカバーとの間に隙間を形成する環状の隙間形成部と、
前記ケーシングカバーに形成され、前記すべり軸受が配置された空間と前記ポンプケーシングの内部とを接続する流通孔とを備え、
前記流通孔は、前記隙間形成部の半径方向内側に配置されており、
前記隙間形成部および前記ケーシングカバーは、前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間に形成された隙間を通じて、前記ポンプケーシング内に吸い込まれた液体の一部を前記流通孔に導き、前記流通孔は、前記隙間を通過した液体を前記空間に導くことを特徴とするポンプ装置。 - 前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間の隙間は、前記流通孔よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
- 前記すべり軸受は摺動性および耐摩耗性を有する材料から構成されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
- 前記回転軸に固定されたモータロータと、
前記モータロータの周囲に配置されたモータステータと、
前記モータロータと前記モータステータとの間に配置された円筒状のキャンとをさらに備え、
前記隙間形成部と前記ケーシングカバーとの間の隙間は、前記モータロータと前記キャンとの間の隙間よりも小さいことを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。 - 前記羽根車には、その軸方向に延びる貫通孔が形成されており、前記貫通孔は、前記隙間形成部の半径方向外側に配置されていることを特徴とする請求項1に記載のポンプ装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016231321A JP2018087534A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | ポンプ装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016231321A JP2018087534A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | ポンプ装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018087534A true JP2018087534A (ja) | 2018-06-07 |
Family
ID=62494284
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016231321A Pending JP2018087534A (ja) | 2016-11-29 | 2016-11-29 | ポンプ装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018087534A (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49105046A (ja) * | 1973-02-15 | 1974-10-04 | ||
JPH0626491A (ja) * | 1992-05-14 | 1994-02-01 | Mitsubishi Electric Corp | 電動ポンプ |
JP2001248584A (ja) * | 2000-03-07 | 2001-09-14 | Ebara Corp | キャンドモータポンプ |
JP2009150223A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 流体ポンプ |
JP2013194769A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Ebara Corp | すべり軸受装置 |
-
2016
- 2016-11-29 JP JP2016231321A patent/JP2018087534A/ja active Pending
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS49105046A (ja) * | 1973-02-15 | 1974-10-04 | ||
JPH0626491A (ja) * | 1992-05-14 | 1994-02-01 | Mitsubishi Electric Corp | 電動ポンプ |
JP2001248584A (ja) * | 2000-03-07 | 2001-09-14 | Ebara Corp | キャンドモータポンプ |
JP2009150223A (ja) * | 2007-12-18 | 2009-07-09 | Aisin Seiki Co Ltd | 流体ポンプ |
JP2013194769A (ja) * | 2012-03-16 | 2013-09-30 | Ebara Corp | すべり軸受装置 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US3881840A (en) | Centrifugal pump for processing liquids containing abrasive constituents, more particularly, a sand pump or a waste-water pumper | |
US9931646B2 (en) | Centrifugal separator having a forcing device to create a radial leak flow | |
EP3093962B1 (en) | Totally enclosed main motor | |
CA1146877A (en) | Flow machine | |
EP3569869B1 (en) | Gas compressor | |
JP2009291056A (ja) | モータの冷却構造 | |
WO2008094801A4 (en) | Method and device for reducing axial thrust and radial oscillations and rotary machines using same | |
JP2012007592A (ja) | シール装置及びこれを備えた流体機械 | |
EP1736218B1 (en) | A gas separation apparatus, a front wall and a separation rotor thereof | |
US11493053B2 (en) | Pump for conveying a fluid | |
JP4059416B2 (ja) | 一体型モータポンプ | |
CA2150293C (en) | Centrifugal pump | |
WO2012001997A1 (ja) | シール装置及びこれを備えた流体機械 | |
US2246912A (en) | Gland seal for rotating shafts | |
JP2017032118A (ja) | 軸封装置および回転機械 | |
CN111379744B (zh) | 离心式旋转机械 | |
CN104411977B (zh) | 具有滑环密封装置的马达离心泵 | |
JPH02196191A (ja) | 電動ポンプ装置 | |
US2781209A (en) | Dynamic seal for a centrifugal pump | |
JP2018087534A (ja) | ポンプ装置 | |
JP7093219B2 (ja) | 回転電機および軸受構造体 | |
CN111365254A (zh) | 用于优化内部空间的压缩机 | |
JP2017227131A (ja) | ポンプ装置 | |
JPH0614154Y2 (ja) | ダブルメカニカルシール型軸封装置 | |
JP6416147B2 (ja) | ブラシレス回転電機 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190508 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20200129 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200204 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20200728 |