JP2018086685A - 切削インサート - Google Patents

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Abstract

【課題】 切れ刃の欠損などの損傷を防止できる切削インサートを提供する。【解決手段】 本発明の切削インサートは、第1の端面2と、第1の端面2と対向する第2の端面3と、第1の端面2と第2の端面3とを接続する周側面4と、第1の端面2と周側面4との交差稜線部に切れ刃5とを有する切削インサートであって、第1の端面2は、少なくとも1つのコーナ部6aと、中央面9と、中央面9を取り囲む凹状のチップブレーカ溝8とを有する。切れ刃5は、コーナ部6aに第1の切れ刃部5aと、第1の切れ刃部5aより第2の端面3から離間し、かつ第2の端面3と略平行な第2の切れ刃部5bとを有する。第1の端面2は、第2の切れ刃部5bに沿うランド7aを有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、切削工具に着脱自在に装着して金属材料などの切削加工に用いる切削インサートに関する。
従来の切削インサートには、特許文献1に示すようなものがある。特許文献1の切削インサートは、互いに対向する2つの端面と、これらの端面を接続する周側面と、各端面と周側面との交差稜線部に切れ刃とを有する切削インサートであって、各端面は、中央領域に中央面と、切れ刃に沿って帯状のランドと、凹状のチップブレーカ溝とを有する。ランドは、中央面と同じ高さに配置される。すなわち、ランドは、中央面とともに、切削工具のインサート取付部との当接面(接地面)となる。
特開2004−276195号公報
特許文献1の切削インサートは、切れ刃に接続するランドが切削工具のインサート取付部と当接するため、衝撃の大きい切削条件における加工にて、切れ刃の欠損などの損傷を防止する一定の効果がある。しかし、切れ刃に接続するランドの全周がインサート取付部と当接するため、切れ刃およびランドが使用された後のランドが当接面とされると、摩耗や付着物などの損傷によって当接状態が不安定となり、切削性能が安定しない問題点がある。また、特許文献1の切削インサートのように、中央面から切れ刃に向かって突起部を延ばすと、突起部によって切削条件の切込みが制限されてしまう問題点もある。
本発明の切削インサート1、20は、第1の端面2と、第1の端面2と対向する第2の端面3と、第1の端面2と第2の端面3とを接続する周側面4と、第1の端面2と周側面4との交差稜線部に切れ刃5とを有する切削インサート1、20であって、第1の端面2は、少なくとも1つのコーナ部6aと、中央面9と、中央面9を取り囲む凹状のチップブレーカ溝8とを有する。切れ刃5は、コーナ部6aに第1の切れ刃部5aと、第1の切れ刃部5aより第2の端面3から離間し、かつ第2の端面3と略平行な第2の切れ刃部5bとを有する。第1の端面2は、第2の切れ刃部5bに沿うランド7aを有する。
第1の実施形態に係る切削インサートの斜視図である。 図1の切削インサートの平面図である。 図1の切削インサートの右側面図である。 第2の実施形態に係る切削インサートの斜視図である。 図4の切削インサートの平面図である。 図4の切削インサートの右側面図である。 第1の実験結果の表である。 第2の実験結果の表である。 第3の実験結果の表である。 第4の実験結果の表である。 第5の実験結果の表である。
本発明の実施形態に係る切削インサート1、20について図面を参照しながら説明する。この切削インサート1、20は旋盤加工に適する。
まず、第1の実施形態に係る切削インサート1を説明する。図1から図3に示すように、切削インサート1は略菱形板状である。つまり、切削インサート1は、対向する略菱形の2つの端面2、3と、これら2つの端面2、3を接続する周側面4とを有する。この略菱形は80°のコーナと100°のコーナとを、各々2つずつ有する。ここでは2つの端面2、3のうち、第1の端面2を上面2と、第2の端面3を下面3と呼称する。なお、上面など空間内の向きを表す用語を用いているが、これは便宜上のものであって、空間内の絶対的な向きや位置関係を規定することを企図したものではない。特にことわりがない限り、その他の空間内の向きや位置関係を表す用語も同様である。
上面2は、80°のコーナに湾曲するコーナ部6を有する。上面2は、100°のコーナにも湾曲するコーナ部6を有する。上面2と周側面4との交差稜線部は切れ刃5を有する。上面2は凹状のチップブレーカ溝8を有する。切れ刃5とチップブレーカ溝8との間にランド7を有する。切れ刃5は、80°のコーナのコーナ部6に対応するコーナ切れ刃と、このコーナ切れ刃からそれぞれ延びる一対の直線切れ刃とを有する。切削インサート1は、100°のコーナのコーナ部6にもコーナ切れ刃を有する。すなわち、切削インサート1は、上面2と周側面4との交差稜線部の全周を切れ刃5として使用できる。切削インサート1のコーナ切れ刃の曲率半径は、いずれも約0.8mmである。
切削インサート1の形状は、上面2および下面3を貫通する基準軸線Aに対して180°回転対称である。つまり上面2および下面3は、2回回転対称である。また、切削インサート1の形状は、各コーナ部6の2等分線に対して鏡像対称である。切削インサート1は、上面2および下面3の各々の中央を貫通する取り付け穴10を有する。取り付け穴10の中心軸線は、基準軸線Aと一致する。取り付け穴10の直径は、約3.8mmである。上面2は、取り付け穴10の周囲の中央領域に略平坦な中央面9を有する。下面3も、取り付け穴10の周囲の中央領域に略平坦な中央面9を有する。チップブレーカ溝8は、上面2の中央面9とランド7とを隔離する。つまり、チップブレーカ溝8は、上面2の中央面9を取り囲む。チップブレーカ溝8は、上面2の切れ刃5に沿って全周にわたって形成される。上面2の略菱形の内接円寸法Bの直径は、約9.5mmである。上面2は下面3と略平行である。切削インサート1の上面の中央面9と下面の中央面9との距離は、約4mmである。
切れ刃5に接続する周側面4は逃げ面として機能する。切削インサート1の逃げ面は、上面2および下面3と直交する。切削インサート1は、いわゆるネガティブタイプと呼称される。切削インサート1は、上面2と下面3とを裏返すことにより両面を使用できる。つまり、切削インサート1は下面3側にも切れ刃5を有する。前述のとおり、上面2および下面3は、2回回転対称である。つまり、上面2および下面3は、それぞれ2つの切れ刃5を有する。したがって、切削インサート1は、上面2側の切れ刃5を少なくとも2回使用でき、下面3側の切れ刃5を少なくとも2回使用できるため、少なくとも4回使用できる。以下、説明を簡略にするため、上面2側のみ説明する。下面3側も上面2側と同様の形状である。また、上面2は2回回転対称な形状であるため、一方側のみ説明する。上面2の他方側も一方側と同様の形状である。
図3に示すように、周側面4に対向する方向から切れ刃5を見て、上面2の切れ刃5は下面3側からの高さが変化する。ここでは、上面2側において80°のコーナの1つを第1のコーナ部6aと呼称する。具体的には、図2において、下側のコーナを第1のコーナ部6aとする。ここでは、上面2の切れ刃5のうち、第1のコーナ部6aの切れ刃部分を第1の切れ刃部5aと呼称する。図3に示すように、上面2の切れ刃5は、第1の切れ刃部5aより下面3から離間し、なおかつ下面3と略平行に延在する第2の切れ刃部5bを有する。なお、第2の切れ刃部5bは、上面2の中央面9を延長した仮想平面上に位置する。周側面4に対向する方向から切れ刃5を見て、上面2の切れ刃5は、第1のコーナ部6aから離間するにつれ下面3側から離間する第3の切れ刃部5cと、下面3と略平行であり、なおかつ第1の切れ刃部5aに接続する第4の切れ刃部5dとをさらに有する。
ここでは、ランド7のうち、第2の切れ刃部5bに接続する部分を当接ランド部7aと呼称する。当接ランド部7aは、第2の切れ刃部5bから周側面4と直交する方向に延在する。つまり、当接ランド部7aは、上面2の中央面9を延長した仮想平面上に配置される。
切削インサート1の切れ刃5の周辺の材料は、超硬合金、サーメット、セラミック、立方晶窒化ほう素を含有する焼結体、ダイヤモンドを含有する焼結体等の硬質材料、またはこれら硬質材料の表面にPVDもしくはCVDによるコーティング膜を被膜したものの中から選ばれることが好ましい。また切れ刃5の周辺以外の部分の材料も、同様の硬質材料等とされることが好ましい。
前述の構成を有する切削インサート1は、切削工具の工具ボデー(旋盤用ホルダ)のインサート取付部に対して、機械的取り付け手段であるクランプ部材を用いて着脱自在に装着される。工具ボデーは、既知の様々な工具ボデーが適用できる。クランプ部材も、レバーや押さえ部材など、既知の様々なクランプ部材が適用できる。本発明の切削インサート1、20が装着された切削工具は、旋盤などの工作機械に装着されて、被加工物に対して相対的に回転および送りの動作が与えられ、金属などの切削加工に利用できる。
次に、第2の実施形態に係る切削インサート20について図面を参照しながら説明する。切削インサート20の説明は、第1の実施形態における切削インサート1との主たる相違点のみとし、切削インサート1と共通の構成については同一の参照符号を付し、説明を省略する。
図4から図6に示すように、切削インサート20は、略三角形板状である。つまり互いに対向する略三角形の上面2および下面3と、上面2と下面3とを接続する周側面4とを有する。上面2および下面3は略正三角形である。
上面2と周側面4との交差稜線部は切れ刃5を有する。切削インサート20は、上面2と周側面4との交差稜線部の全周を切れ刃5として使用できる。上面2は凹状のチップブレーカ溝8を有する。切れ刃5とチップブレーカ溝8との間にランド7を有する。切削インサート20は、上面2および下面3を貫通する基準軸線Aに対して、120°回転対称である。つまり、切削インサート20の上面2および下面3は、3回回転対称である。また、切削インサート1の形状は、各コーナ部6の2等分線に対して鏡像対称である。切削インサート1は、上面2および下面3の各々の中央を貫通する取り付け穴10を有する。取り付け穴10の中心軸線は、基準軸線Aと一致する。取り付け穴10の直径は、約2.4mmである。切削インサート20のコーナ切れ刃の曲率半径は、いずれも約0.8mmである。上面2の略正三角形の内接円寸法Bの直径は、約6.4mmである。切削インサート20の上面2の中央面9と下面3の中央面9との距離は、約4mmである。
切削インサート1は、上面2と下面3とを裏返すことにより両面を使用できる。つまり、切削インサート1は下面3側にも切れ刃5を有する。切削インサート20は、上面2側の切れ刃5を少なくとも3回使用でき、下面3側の切れ刃5を少なくとも3回使用できるため、少なくとも6回使用できる。以下、説明を簡略にするため、上面2側のみ説明する。下面3側も上面2側と同様の形状である。ここでは、上面2側においてコーナの1つを第1のコーナ部6aと呼称する。具体的には、図5において、下側のコーナを第1のコーナ部6aとする。前述のとおり、上面2は120°回転対称であるため、第1のコーナ部6aの周辺のみ説明する。上面2の他の2つのコーナ部6の周辺も第1のコーナ部6aの周辺と同様の形状である。
図6に示すように、周側面4に対向する方向から切れ刃5を見て、切れ刃5は下面3側からの高さが変化する。上面2の切れ刃5のうち、第1のコーナ部6aの切れ刃部分を第1の切れ刃部5aと呼称する。上面2の切れ刃5は、第1の切れ刃部5aより下面3から離間し、なおかつ下面3と略平行に延在する第2の切れ刃部5bを有する。なお、第2の切れ刃部5bは、上面2の中央面9を延長した仮想平面上に位置する。周側面4に対向する方向から切れ刃5を見て、上面2の切れ刃5は、第1のコーナ部6aから離間するにつれ下面3側から離間する第3の切れ刃部5cと、下面3と略平行であり、なおかつ第1の切れ刃部5aに接続する第4の切れ刃部5dとをさらに有する。
ここでは、ランド7のうち、第2の切れ刃部5bに接続する部分を当接ランド部7aと呼称する。当接ランド部7aは、第2の切れ刃部5bから周側面4と直交する方向に延在する。したがって、当接ランド部7aは、上面2の中央面9を延長した仮想平面上に配置される。
ここまでに説明した切削インサート1、20の作用および効果に関して以下に説明する。なお以下では、切削インサート1、20の好ましい形態についても説明する。
切削インサート1、20の当接ランド部7aは、中央面9を延長した仮想平面上に配置される。このため、切削インサート1、20の当接ランド部7aおよび中央面9は、切削工具の工具ボデーのインサート取付部との当接面とすることができる。特に、切削インサート1、20の内接円寸法Bと比較してチップブレーカ溝8の幅が広いなど、中央面9の面積が狭くなる場合に、当接ランド部7aも当接面とすることが効果的である。例えば、内接円寸法Bが10mmより小さい、小型の切削インサートに特に適する。なお、切削インサート1および切削インサート20では、当接ランド部7aが下面3と平行な平坦面とされたが、これに限定されない。当接ランド部7aは、中央面9と共にインサート取付部と当接できる形状であれば、どのような形状でも構わない。すなわち、中央面9および当接ランド部7aは、インサート取付部の座面に対応した形状とされればよい。インサート取付部の座面は、中央面9を延長した仮想面のような単純な形状であることが好ましい。インサート取付部の座面がこのような面であるとき、当接ランド部7aは、下面3から最も離間した部分が中央面9を延長した仮想面上に配置されれば、容易に当接ランド部7aの一部を中央面9と共に当接させることができる。中央面9が略平坦面である場合は、当接ランド部7aの下面3から最も離間した部分が、中央面9を延長した仮想平面上に配置されることが好ましい。なお、切削インサート1、20のように、中央面9が略平坦面であり、当接ランド部7aも略平坦面であり、当接ランド部7aが中央面9を延長した仮想平面上に配置されることが、さらに好ましい。
切れ刃5およびランド7は、切削加工の際に摩耗する場合や付着物が付着する場合がある。前述のとおり、仮にランド7の全周を当接面とすると、使用されたランド7を裏返して当接面としたときに当接状態が不安定となり、切削性能が悪化する。特にコーナ部6付近のランド部が損傷した場合に、裏返したときの切削性能が大幅に悪化する。したがって、コーナ部6付近のランド部は当接面とせず、コーナ部6から離れた当接ランド部7aのみを、当接面として機能させることで切削性能が向上する。特に、鋳鉄の旋削加工において、当接ランド部7aのみを、当接面として機能させることが効果的である。
周側面4に対向する方向から第2の切れ刃5bを見て、切れ刃5が第1のコーナ部6aに形成される第1の切れ刃5aと、第1の切れ刃部5aより下面3から離間し、なおかつ下面3と略平行な第2の切れ刃部5bとを有することは、切削抵抗を低減する効果も得られる。切削加工時の切りくずを処理するためのチップブレーカ溝8は、切れ刃5に対する壁面の高さが重要である。切削条件の切込みが小さいときは、チップブレーカ溝8の壁面の高さが高い方がよい場合がある。つまり、コーナ部6付近の第1の切れ刃5aは、下面3側に近い(つまり低い)方がよい場合がある。切込みが大きいときは、チップブレーカ溝8の壁面が高いと切削抵抗が急激に増大してしまうため好ましくない場合がある。つまり、コーナ部6から離れた当接切れ刃部5bは、下面3側から離れた(つまり高い)方がよい場合がある。したがって、切削インサート1、20のように切れ刃5の高さが変化すると、切削抵抗を低減しつつ、切りくず処理性を向上することができる。第1の切れ刃部5aと当接切れ刃部5bとの間は、様々な形状の切れ刃5でつなぐことができる。切削インサート1、20は、第1の切れ刃部5aに接続し、なおかつ下面3と略平行な第4の切れ刃部5dを有する。第4の切れ刃部5dは、第1の切れ刃部5aと同じ高さとされているため、切削条件の切込みが小さいときの切りくず処理性が優れている。第4の切れ刃部5dと第2の切れ刃部5bとは、高さが変化する第3の切れ刃部5cを介して接続されている。切削インサート1、20は、第2の切れ刃部5bと第3の切れ刃部5cとの接続部に角がある。しかし、これに限定されず、第2の切れ刃部5bと第3の切れ刃部5cとは滑らかに接続されてもよい。
図2および図5に示すように、上面2に対向する方向から見て、第2の切れ刃5bからのランド7の幅Dをランドの幅Dと呼称する。ランドの幅Dに関する第1の実験結果を図7に示す。第1の実験は、切削インサート1に対してランドの幅Dの異なる切削インサートを作製し、断続的な切削加工となるような溝を有する鋳鉄(FC250)の被加工物を、次の切削条件の旋盤加工を行い、各切削インサートの摩耗状態を観察して工具寿命を比較した。切削条件は、被加工物の端面を外周から、中心に向かって約50mmの切削長さで、切削速度500m/min、切込み2mm、送り0.4mm/rev、湿式切削とした。工具寿命の判定は、切削インサートを2つずつ使用し、すべての切れ刃5による工具寿命(つまり8回)の平均値を求め、最も長寿命だった切削インサートの工具寿命を基準の100%として、工具寿命が90%以上100%以下をA判定、75%以上90%未満をB判定、50%以上75%未満をC判定、50%未満をD判定とした。ランドの幅Dは、0.15mm以上、0.5mm以下が好ましい。特に、当接ランド部7aの幅は、0.15mm以上、0.5mm以下が好ましい。ランドの幅Dが0.15mm未満のときは、当接面としての機能が不十分となり、かえって切削性能が不安定になる。ランドの幅Dが0.5mmを超えると、切削抵抗が増大し、切れ刃5およびチップブレーカ溝8の機能が急激に低下する。切削インサート1および切削インサート20のランドの幅Dは、いずれも約0.3mmである。なお、ランド7の当接面として機能させない部分の幅は、被削材や切削条件に応じて適宜調整するとよい。
図3に示すように、周側面4に対向する方向から切れ刃5を見て、第2の切れ刃部5bと第1のコーナ部6aとの下面3側からの高低差Eを高低差Eと呼称する。高低差Eに関する第2の実験結果を図8に示す。第2の実験は、切削インサート1に対して高低差Eの異なる切削インサートを作製し、工具寿命を比較した。その他の実験条件は、前述の第1の実験における実験条件と同じとした。高低差Eは、0.03mm以上、1mm以下であることが好ましい。高低差Eが0.03mm未満のときは、付着物があると切削性能がかえって不安定になる。高低差Eが1mmを超えると、切削加工時に切りくずが隙間に侵入しやすくなり、未使用の下面3の切れ刃5またはランド7が損傷する場合がある。損傷した切れ刃5を使用すると、工具寿命が悪化した。切削インサート1および切削インサート20の高低差Eは、いずれも約0.1mmである。
図2および図5に示すように、第2の切れ刃部5bの延びる方向に沿った、第2の切れ刃部5bから、第1のコーナ部6aの最遠部までの寸法Fを、長さFと呼称する。長さFに関する第3の実験結果を図9に示す。第3の実験は、切削インサート1に対して長さFの異なる切削インサートを作製し、工具寿命を比較した。その他の実験条件は、前述の第1の実験における実験条件と同じとした。長さFは、2mm以上、7mm以下が好ましい。前述のとおり、切削条件の切込みが小さいときは、チップブレーカ溝8の壁面の高さが高い方がよい場合がある。長さFが2mm未満であると、壁面が高い部分の長さが足りず、切込みが小さいときの切りくず処理が困難になる。長さFが7mmを超えると、第1のコーナ部6aからの当接ランド部7aの距離が遠くなりすぎ、当接ランド部7aを当接面とする効果が急激に低下する。長さFは、3mm以上、6mm以下がさらに好ましい。切削インサート1および切削インサート20の長さFは、いずれも約4mmである。
なお、長さFの好ましい寸法は、内接円寸法Bとも関連する。長さFの内接円寸法Bに対する比率に関する第4の実験結果を図10に示す。第4の実験は、図2の第1の実施形態に係る上面2が略菱形の切削インサート1に対して、長さFの異なる切削インサートを作製し、工具寿命を比較した。その他の実験条件は、前述の第1の実験における実験条件と同じとした。切削インサート1のように上面2が略菱形の場合、寸法Fは、内接円寸法Bの直径に対して、20%以上、70%以下が好ましい。図示しないが、上面2が略六角形の場合も、寸法Fは、内接円寸法Bの直径に対して、20%以上、70%以下が好ましい。長さFが内接円寸法Bに対して20%未満であると、壁面が高い部分の長さが足りず、切込みが小さいときの切りくず処理が困難になる。長さFが内接円寸法Bに対して70%を超えると、第1のコーナ部6aからの当接ランド部7aの距離が遠くなりすぎるため、当接ランド部7aを当接面とする効果が急激に低下する。長さFの内接円寸法Bに対する比率は、30%以上、60%以下がさらに好ましい。切削インサート1の長さFの内接円寸法Bに対する比率は、約40%である。
長さFの内接円寸法Bに対する比率に関する第5の実験結果を図11に示す。第5の実験は、図5の第2の実施形態に係る上面2が略三角形の切削インサート20に対して、長さFの異なる切削インサートを作製し、工具寿命を比較した。工具寿命の判定は、切削インサートを2つずつ使用し、すべての切れ刃5による工具寿命(つまり12回)の平均値を求め、最も長寿命だった切削インサートの工具寿命を基準の100%として、工具寿命が90%以上100%以下をA判定、75%以上90%未満をB判定、50%以上75%未満をC判定、50%未満をD判定とした。その他の実験条件は、前述の第1の実験における実験条件と同じとした。切削インサート20のように、上面2が略三角形の場合、寸法Fは、内接円寸法Bの直径に対して、40%以上、90%以下が好ましい。長さFが内接円寸法Bに対して40%未満であると、壁面が高い部分の長さが足りず、切込みが小さいときの切りくず処理が困難になる。長さFが内接円寸法Bに対して90%を超えると、第1のコーナ部6aからの当接ランド部7aの距離が遠くなりすぎるため、当接ランド部7aを当接面とする効果が急激に低下する。長さFの内接円寸法Bに対する比率は、50%以上、80%以下がさらに好ましい。切削インサート20の長さFの内接円寸法Bに対する比率は、約60%である。
前述のとおり、切削インサート1、20は、上面2および下面3と周側面4との交差稜線部の全周を切れ刃5とすることができる。チップブレーカ溝8の形状への制約がなく、切削条件の切込みが制限されない。つまり、当接ランド部7aに接続する部分にもチップブレーカ溝8が配置できる。チップブレーカ溝8は、切れ刃5に沿って、全周にわたって配置することが好ましい。チップブレーカ溝8が全周に配置されると、切削条件の切込みが制限されない。
本発明の切削インサート1、20は、いわゆるネガティブタイプの切削インサートであり、既知の方法で製造することができる。すなわち、切削インサート1、20は、粉末加圧成形し、焼結することで製造できる。焼結後の切削インサート1、20は、さらに研削加工や研磨加工、コーティング膜の付与などができる。当接ランド部7aと中央面9とは、粉末加圧成形し、焼結することで形成することができる。さらに、当接ランド部7aと中央面9とを同時に研削加工すると、容易に当接ランド部7aを中央面9が延長された仮想平面上へ高精度に配置することができる。
以上、本発明の切削インサートについて実施形態を例に説明したが、本発明は前述のものに限定されない。例えば、旋盤用の切削インサートに限定されず、穴あけ加工用やミリング用の切削インサートにも適用できる。
前述した実施形態およびその変形例等では本発明をある程度の具体性をもって説明したが、本発明は、以上に説明した実施形態に限定されるものではない。本発明については、請求の範囲に記載された発明の精神や範囲から離れることなしに、さまざまな改変や変更が可能であることは理解されなければならない。すなわち、本発明には、請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が含まれる。
1 切削インサート
2 第1の端面(上面)
3 第2の端面(下面)
4 周側面
5 切れ刃
5a 第1の切れ刃部
5b 第2の切れ刃部
5c 第3の切れ刃部
5d 第4の切れ刃部
6 コーナ部
6a 第1のコーナ部
7 ランド
7a 当接ランド部
8 チップブレーカ溝
9 中央面
10 取り付け穴
20 切削インサート
A 基準軸線
B 内接円寸法
C チップブレーカの幅の最小値
D ランドの幅
E 切れ刃の高低差
F 第2の切れ刃から第1のコーナ部の再遠部までの長さ

Claims (9)

  1. 第1の端面(2)と、前記第1の端面(2)と対向する第2の端面(3)と、前記第1の端面(2)と第2の端面(3)とを接続する周側面(4)と、前記第1の端面(2)と前記周側面(4)との交差稜線部に切れ刃(5)とを有する切削インサート(1、20)であって、
    前記第1の端面(2)は、少なくとも1つのコーナ部(6a)と、中央面(9)と、前記中央面(9)を取り囲む凹状のチップブレーカ溝(8)とを有し、
    前記切れ刃(5)は、前記コーナ部(6a)に第1の切れ刃部(5a)と、前記第1の切れ刃部(5a)より前記第2の端面(3)から離間し、かつ前記第2の端面(3)と略平行な第2の切れ刃部(5b)とを有し、
    前記第1の端面(2)は、前記第2の切れ刃部(5b)に沿うランド(7a)を有する切削インサート。
  2. 前記第2の端面(3)と前記周側面(4)との交差稜線部に切れ刃(5)を有する請求項1に記載の切削インサート。
  3. 前記中央面(9a)は略平坦面であり、
    前記ランド(7a)の前記第2の端面(3)側から最も離間した部分は、前記中央面(9)が延長された仮想平面上に位置する請求項1または2に記載の切削インサート。
  4. 前記ランド(7a)は、少なくとも前記第2の切れ刃部(5b)と接続している部分に略平坦面を有する請求項1から3のいずれか一項に記載の切削インサート。
  5. 前記第1の端面(2)に対向する方向から見て、前記第2の切れ刃部(5b)からの前記ランド(7a)の幅(D)は、0.15mm以上、0.5mm以下である請求項1から4のいずれか一項に記載の切削インサート。
  6. 前記周側面(4)に対向する方向から前記第2の切れ刃部(5b)を見て、前記第2の切れ刃部(5b)と前記コーナ部(6a)との前記第2の端面(3)側からの高低差(E)は、0.03mm以上、1mm以下である請求項1から5のいずれか一項に記載の切削インサート。
  7. 前記第2の切れ刃部(5b)の延びる方向に沿った、前記第2の切れ刃部(5b)から、前記コーナ部(6a)の最遠部までの長さ(F)は、2mm以上、10mm以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の切削インサート。
  8. 前記第1の端面(2)は、内接円寸法(B)が定まる略菱形または略六角形であり、
    前記第2の切れ刃(5b)の延びる方向に沿った、前記第2の切れ刃(5b)から、前記コーナ部(6a)の最遠部までの長さ(F)は、前記内接円寸法(B)に対して30%以上、70%以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の切削インサート。
  9. 前記第1の端面(2)は、内接円寸法(B)が定まる略三角形であり、
    前記第2の切れ刃(5b)の延びる方向に沿った、前記第2の切れ刃(5b)から、前記コーナ部(6a)の最遠部までの長さ(F)は、前記内接円寸法(B)に対して50%以上、90%以下である請求項1から6のいずれか一項に記載の切削インサート。
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