JP2018085934A - 核酸増幅用組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】DNAシーケンサー用DNAライブラリーの種類(サイズ、GC含量)による影響を受けることなく、正確に定量することができる核酸増幅用組成物を提供する。【解決手段】GC含量が70%以上またはサイズが600bp以上のDNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ、特にサーモコッカス(Thermococcus)属又はパイロコッカス(Pyrococcus)属由来のDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、核酸増幅の分野に関する。さらに詳しくは、大規模シーケンスである次世代DNAシーケンサー用ライブラリー定量のための核酸増幅用組成物に関する。
DNAシーケンス解析は遺伝子情報を解析するうえで、重要な基本手段である。近年、DNAシーケンス解析の中でも、従来のキャピラリーシーケンサーと比較して、短時間で膨大なDNA情報を得ることができる次世代シーケンサーが台頭し、注目を集めている。例えば、DNA断片をテンプレートとし、1塩基ずつ再合成する時の蛍光強度を検出し、塩基配列を決定する方法が挙げられる。次世代シーケンシングは、数千から数百万ものDNA分子を同時に配列決定可能な技術である。次世代シーケンシングでは、複数個体を同時に配列決定できるなど高度かつ高速な処理が可能であることから、個の医療、遺伝性疾患、および臨床診断学といった分野に変革をもたらしている。
このように、次世代シーケンサーの大きなメリットは、短時間で膨大なDNA情報が得られることであり、遺伝学、分子生物学から臨床医学と幅広い分野に応用されている。
次世代シーケンサーでは膨大なデータが得られるが、予め濃度が判明しているDNAライブラリーサンプルのロード量が正確でないと、得られるデータの量および質の低下を招くため、ライブラリーサンプル濃度の定量を正確に求めることが重要となる。
ライブラリー濃度の定量方法として、分光光度測定(Nanodropなど)や蛍光測定(Qubit、PicoGreenなど)がある。しかし、これらの測定法ではイルミナ社次世代DNAシーケンサーの場合、フローセル上に結合するP5、P7タグが付加されていないDNAも測定するため、有効なライブラリーの濃度を正確に求めることができないという問題がある(非特許文献1)。
一方、リアルタイムPCRによる定量では、DNAライブラリーに付加されたタグ配列にアニーリングするように設計されたプライマーを使用するため、フローセル上に結合する有効なライブラリーの濃度を正確に定量でき、安定したデータを得ることができる。
しかし、リアルタイムPCR試薬によく使われているTaq DNAポリメラーゼではライブラリーの増幅サイズが長い場合もしくはGC含量の高い場合には増幅が困難となり、正確な定量ができない場合が多かった。
Scientific Reports 第6巻、第1−10頁(2016年4月6日発行)
本発明は、かかる従来技術の課題を背景になされたものである。すなわち、DNAライブラリーの種類(サイズ、GC含量)の如何に依らず、正確にターゲットを定量することができる核酸増幅用組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記事情に鑑み鋭意検討した結果、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを用いることにより、従来では困難であった長い鎖長のDNAライブラリーやGC含量が高いDNAライブラリーを正確に定量できることを見出し、本発明に到達した。
項1.GC含量が70%以上のDNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
項2.サイズが600bp以上のDNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
項3.前記ファミリーBに属するDNAポリメラーゼがサーモコッカス(Thermococcus)属又はパイロコッカス(Pyrococcus)属由来である項1または2に記載の核酸増幅用組成物。
項4.前記ファミリーBに属するDNAポリメラーゼがサーモコッカス・コダカラエンシス(Thermococcus kodakaraensis)由来である項3に記載の核酸増幅用組成物。
項5.前記サーモコッカス(Thermococcus)属由来のDNAポリメラーゼが3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損していることを特徴とする項3または4に記載の核酸増幅用組成物。
本発明によって、ライブラリーの種類(サイズ、GC含量)の如何に依らず、ターゲットを正確に定量できる。
実施例2において、DNAライブラリーのサイズによる比較を検討した結果を示す図である。 実施例4において、DNAライブラリーのGC含量による比較を検討した結果を示す図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の実施形態の一つは、GC含量が70%以上、好ましくは75%以上のGCリッチなターゲットを増幅することが可能である、DNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物である。
また、本発明の別な実施態様としては、サイズが600bp以上、好ましくは700bp以上、より好ましくは800bp以上の長鎖のターゲットを増幅することが可能である、DNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物である。
本発明において、「DNAシーケンサー」とは、DNAの塩基配列を読み取り解析する装置を意味する。特に、膨大なシーケンシング反応を高速処理できる装置を次世代シーケンサーと呼ぶ。
本発明における「DNAシーケンサー用DNAライブラリー」とはシーケンサー用に調製された様々なDNA断片の集まりを意味する。
本発明におけるファミリーBに属するDNAポリメラーゼは、好ましくは古細菌(Archea)由来のDNAポリメラーゼである。古細菌由来のDNAポリメラーゼは、ファミリーBのPol I型又はPol II型のいずれかに属する。
本発明においては、好ましくはPol I型に属するDNAポリメラーゼである。ファミリーBのPol I型に属する古細菌由来のDNAポリメラーゼとしては、パイロコッカス(Pyrococcus)属およびサーモコッカス(Thermococcus)属の細菌から単離されるDNAポリメラーゼが挙げられる。パイロコッカス属由来のDNAポリメラーゼとしては、Pryrococcus friosus、Pryrococcus sp.GB−D、Pryrococcus Woesii、Prococcus abysii、Prococcus horikoshiiから単離されたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない。サーモコッカス属に由来するDNAポリメラーゼとしては、Thermococcus kodakaraensis、Thermocossu gorgonarius、Thermococcus litoralis、Thermococcus sp.JDF−3、Thermococcsu sp.9degree North−7(Thermococcus sp.9°N−7)、Thermococcsu sp.KS−1、Thermococcus celer、又はThermococcsu siculiから単離されたDNAポリメラーゼを含むが、これらに限定されない。これらのDNAポリメラーゼは市販されており、Pfu(Staragene)、KOD(Toyobo)、Pfx(Life Technologies)、Vent(New England Biolabs)、Deep Vent(New England Biolabs)、Tgo(Roche)、Pwo(Roche)などがある。
本発明において、本発明においてファミリーBに属するDNAポリメラーゼとは、3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損しているものが好ましい。ここで、3‘−5’エキソアーゼ活性とは、取り込まれたヌクレオチドをDNA重合体の3’末端から除去する能力を指す。
「3‘−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損している」DNAポリメラーゼは、DNAポリメラーゼのアミノ酸の置換、欠失、または付加からなり得る。配列番号1における137〜147、206〜222、および308〜318番目に対応するアミノ酸への改変を示す。より好ましくは、配列番号1における141、142、143、147、210、311番目に対応するアミノ酸のうちの少なくとも一つを改変したものである。より好ましくは、アミノ酸の改変が、D141A/E143A、I142R、N210D、またはY311Fから選択されるいずれか一つである、3‘−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させたDNAポリメラーゼである。
なお、3‘−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損させた(エキソ(−))DNAポリメラーゼとは、活性の完全な欠如を含み、例えば、親酵素と比較して0.03%、0.05%、0.1%、1%、5%、10%、20%、または最大でも50%以下のエキソヌクレアーゼ活性を有する、改変されたDNAポリメラーゼを指す。本発明においては、3‘−5’エキソヌクレアーゼDNAポリメラーゼを生成し、解析するために使用される方法は、米国特許第6946273号公報に開示されている方法によるものとする。
本発明において、DNAポリメラーゼは、減少した塩基類似体検出活性を有するような改変を施した変異体を用いても良い。ファミリーBに属するDNAポリメラーゼは、減少した塩基類似体検出活性を有する変異体でもよい。塩基類似体とはアデニンやシトシン、グアニン、チミン以外の塩基を示し、ウラシルやイノシンなどが挙げられる。通常、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼは、塩基類似体であるウラシルやイノシンを検出すると強く結合し、DNAポリメラーゼ機能を阻害する。塩基類似体検出活性とは、塩基類似体と強く結合し、DNAポリメラーゼ機能を阻害する活性を示す。減少した塩基類似体検出活性を有する、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ変異体とは、ウラシルやイノシンへの結合能力が低いことを特徴とする、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼ変異体である。このような変異体は、ウラシルの結合に関するアミノ酸配列(ウラシル結合ポケット)の少なくとも1か所に改変を加えることにより作製できる。
具体的には、配列番号1に記載のアミノ酸配列のうち、第7番目、第36番目及び第93番目のアミノ酸残基の少なくとも1つが、他のアミノ酸に置換されている配列を有するDNAポリメラーゼが挙げられる。
具体的には、第7番目のチロシン残基は、アラニン、グリシン、バリン、ロイシン、イソロイシン、プロリン、フェニルアラニン、メチオニン、トリプトファン又はシステインに置換されることが好ましい。第36番目のプロリン残基は、ヒスチジン、リジン又はアルギニンに置換されることが好ましい。第93番目のバリン残基は、リジン、ヒスヒジン又はアルギニンに置換されることが好ましい。
上述した改変型DNAポリメラーゼは、例えば国際公開第2014/051031号パンフレットに開示されている方法により得ることができるが、特に限定はされない。
本発明における核酸増幅用組成物のその他の構成は特に限定されないが、耐熱性DNAポリメラーゼ、鋳型となる核酸、1種以上のオリゴヌクレオチドプライマー、1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又は、デオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体、緩衝剤、及び塩よりなる群のうち少なくとも1つを含有することが好ましい。
本発明の核酸増幅用組成物において使用する1種以上のオリゴヌクレオチドプライマーとは、増幅されるべき核酸の各核酸鎖に相補的なオリゴヌクレオチドであり、2種またはそれ以上のプライマーを使用することが好ましい。該プライマーは、2本鎖核酸の配列の異なる各鎖と実質的に相補的であって、一方のプライマーから合成された伸長生成物がその相補体から分離された場合に、その伸長生成物が他方のプライマーの伸長生成物の合成のための鋳型として機能することができるように選択される。
1種以上のデオキシヌクレオチド三リン酸又はデオキシヌクレオチド三リン酸の誘導体は、PCR反応において基質として使用される。この基質として、4種類のデオキシリボヌクレオシド三リン酸(dNTPs;dATP、dCTP、dTTPおよびdGTPの混合物)溶液などを含んでいてもよい。
本発明の核酸増幅用組成物には、さらに緩衝剤を含むことが好ましい。前記緩衝剤として、例えば、トリス(TRIS)、トリシン(TRICINE)、ビス−トリシン(BIS−TRICINE)、へペス(HEPES)、モプス(MOPS)、テス(TES)、タプス(TAPS)、ピペス(PIPES)、及びキャプス(CAPS)などが挙げられるが、特に限定されない。緩衝剤の濃度としては、10〜200mM程度が好ましく、20〜100mM程度がより好ましい。pHとしては、7.0〜9.5程度の範囲が好ましく、7.5〜9.0程度の範囲がより好ましい。また、前記緩衝液中には、1〜5mMの濃度でMg2+を含むことが好ましく、1.5〜2.5mMの濃度で含むことがより好ましい。更には、KClを含んでいてもよい。
さらに、本発明の核酸増幅用組成物中には、アルブミン、グリセロール、ヘパリン、トレハロース、ベタイン等を含んでいてもよい。これらの添加割合は、PCR反応を阻害しない範囲で添加すればよい。
本発明における核酸増幅用反応液には、増幅産物の検出、モニタリングのために核酸増幅用反応液中にDNA検出剤を含んでいてもよい。DNA検出剤は、特に限定されない。DNA表面のリン酸基に結合する色素や塩基間にインターカレートする色素(インターカレーター)などが挙げられるが、インターカレーターを用いることが好ましい。インターカレーターとは、二本鎖DNAに挿入(インターカレート)することによって、可逆的な、非共有結合的な様式で核酸と結合し、それによって核酸の存在および量を示す任意の分子を指す。一般に、インターカレーターは、二本鎖DNAに挿入して蛍光を発する色素である。
多数のインターカレーターが当技術分野においては公知であり、本発明においても、これらを用いることができる。例えば、Ethidium bromide、シアニン色素(例えば、TOTO(登録商標)、YOYO(登録商標)、BOBOおよびPOPO)、SYBR(登録商標) Green I、SYBR(登録商標) Green ER、SYBR(登録商標) Green Gold、SYBR(登録商標) DX、PicoGreen(登録商標)、LCGeen(登録商標)、EvaGreen(登録商標)、SYTOX(登録商標) Green、ResoLight、ヨウ化プロピジウム、Acridine orange、7−アミノ−アクチノマイシン D、CyQUANT(登録商標) GR、SYTO(登録商標)9, SYTO(登録商標)10、SYTO(登録商標)13、SYTO(登録商標)14、SYTO(登録商標)82、FUN−1などが挙げられるが、特に限定されるものではない。
本発明においては、一本鎖結合タンパク質、二本鎖結合タンパク質あるいはミスマッチ結合タンパク質の共存下、核酸増幅反応を行ってもよい。
さらには、耐熱性DNAポリメラーゼのポリメラーゼ活性及び/又は3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を抑制する活性を有する抗DNAポリメラーゼ抗体を用いても良い。前記抗体としては、モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体などが挙げられる。本反応組成は、PCRの感度上昇、非特異的な増幅の軽減に特に有効である。
以下、実施例に基づき本発明をより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例により、特に限定されるものではない。
実施例1:様々なサイズのDNAライブラリー調製
平均断片サイズが400bp、600bp、800bpのライブラリー調製を実施した。平均断片サイズ400bp、600bp、800bpを得るために、Kapa Hyper Plus Kit(Kapa Biosystems製)を用いて、キット付属のKapa Frag Enzymeで、ヒトゲノムDNA(Roche)100ngを5分(800bp用)、7分(600bp用)、10分(400bp用)の異なる処理時間で反応を行った。処理した産物を1%アガロースゲル電気泳動し、使用する断片サイズのDNAをゲルからMagExtractor−PCR&Gel Clean Up−(Toyobo製)で抽出および精製を行った。精製したDNA断片のライブラリー調製は、取扱説明書に準じて行った。
調製したライブラリーはNanodrop(商標登録)にて定量し、定量値を参考にして希釈し、テンプレートとして5.5pg/μlから6段階の10倍希釈を実施した。
実施例2:DNAライブラリーのサイズによる比較
調製したライブラリーをテンプレートとして、サイズによる各社のPCR効率と定量値の違いを比較した。リアルタイムPCR試薬として、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を除去したKOD DNAポリメラーゼを使用しているKOD SYBR(商標登録)qPCR Mix(Toyobo製)を使用した。また、定量値を算出するためのDNAスタンダードとしてIllumina用 DNA定量スタンダード(Kapa Biosystems製)を使用した。リアルタイムPCRは、KOD SYBR(商標登録)qPCR Mix添付のマスターミックスを用い、1×qPCR Mix、1×ROX、各4pmolのプライマー(配列番号2、3)、ライブラリーテンプレートもしくはIllumina用 DNA定量スタンダードを含む20μlの反応液を調製した。反応は98℃、2分の前反応の後、98℃、10秒→65℃、10秒→68℃、1分を35サイクル繰り返すスケジュールで行った。
比較するライブラリー定量試薬として、NEBNext(商標登録)Library Quant Kit for Illumina(商標登録)(New England Biolabs製)を使用した。マスターミックスとして1.5mLのNEBNext(商標登録)Library Quant Master Mixに100μlのNEBNext(商標登録)Library Quant Primer Mixを加え、さらに20μlのROXを添加した。この混合したマスターミックスにライブラリーテンプレートまたはIllumina用DNA定量スタンダードを加え、20μlの反応液を調製した。反応は95℃、2分の前反応の後、95℃、15秒→63℃、45秒を35サイクル繰り返すスケジュールで行った。
得られたCt値からPCR効率および定量値を求めた結果を、図1に示す。NEBNext(商標登録)Library Quant Kit for Illumina(商標登録)およびKapa Library Quantification Kitは長くなるにつれてPCR効率が下がるのに対し、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を除去したKOD DNA ポリメラーゼを使用しているKOD SYBR(商標登録)qPCR Mixは長さによるPCR効率への影響をほとんど受けなかった。
実施例3:様々なGC含量のライブラリー調製
平均GC含量が、50%、70%、80%のライブラリー調製を実施した。イルミナ社P5、P7タグを付加したプライマー(配列番号4〜21)を使用し、KOD FX Neo(Toyobo製)を用いて、ヒトゲノムDNA50ngをテンプレートとして増幅を行った。得られたPCR産物を、MagExtractor−PCR&Gel Clean Up−(Toyobo製)を用いて精製した。精製したPCR産物を組み合わせて、GC含量が50%、70%、80%となるライブラリーを作製した。
調製したライブラリーはNanodrop(商標登録)にて定量し、定量値を参考にして希釈し、テンプレートとして、5.5pg/μlから6段階の10倍希釈を実施した。
実施例4:DNAライブラリーのGC含量による比較
調製したDNAライブラリーをテンプレートとしてGC含量によるPCR効率の違いを比較した。リアルタイムPCR試薬として、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を除去したKOD DNAポリメラーゼを使用しているKOD SYBR(商標登録)qPCR Mixを使用した。また、定量値を算出するためのDNAスタンダードとしてIllumina用DNA定量スタンダードを使用した。 リアルタイムPCRは、KOD SYBR(商標登録)qPCR Mix添付のマスターミックスを用い、1×qPCR Mix、1×ROX、各4pmolのプライマー(配列番号2、3)、ライブラリーテンプレートまたはIllumina用DNA定量スタンダードを含む20μlの反応液を調製した。反応は98℃、2分の前反応の後、98℃、10秒→65℃、10秒→68℃、1分を35サイクル繰り返すスケジュールで行った。
比較するライブラリー定量試薬として、NEBNext(商標登録)Library Quant Kit for Illumina(商標登録))を使用した。マスターミックスとして1.5mLのNEBNext(商標登録)Library Quant Master Mixに、100μlのNEBNext(商標登録)Library Quant Primer Mixを加え、さらに20μlのROXを添加した。この混合したマスターミックスに、ライブラリーテンプレートまたはIllumina用DNA定量スタンダードを加え、20μlの反応液を調製した。反応は95℃、2分の前反応の後、95℃、15秒→63℃、45秒を35サイクル繰り返すスケジュールで行った。
得られたCt値から、PCR効率を求めた結果を図2に示す。NEBNext(商標登録)Library Quant Kit for Illumina(商標登録)およびKapa Library Quantification KitではGC含量が高くなるにつれて正確なPCR効率を算出することができなかった。一方、3’→5’エキソヌクレアーゼ活性を除去したKOD DNAポリメラーゼを使用しているKOD SYBR(商標登録)qPCR Mixは、GC含量によるPCR効率への影響をほとんど受けなかった。
実施例5:次世代―シーケンサーにおけるクラスター密度
上記の定量値を使用して、Illumina(商標登録)製次世代であるシーケンサーMiseq(商標登録)にてMiseq Reagent Kit v2(300cycles)(Illumina製)を使用して、ランを実施した。
ランの結果、クラスター密度1076k/mmが得られ、KOD SYBR(商標登録)qPCR Mixにより正確な定量ができていることが証明された。
本発明により、DNAシーケンサー用DNAライブラリーの種類(サイズ、GC含量)に依らず正確に定量することができる。

Claims (5)

  1. GC含量が70%以上のDNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
  2. サイズが600bp以上のDNAシーケンサー用DNAライブラリーサンプルを定量するための組成であって、ファミリーBに属するDNAポリメラーゼを含むことを特徴とする核酸増幅用組成物。
  3. 前記ファミリーBに属するDNAポリメラーゼがサーモコッカス(Thermococcus)属又はパイロコッカス(Pyrococcus)属由来である請求項1または2に記載の核酸増幅用組成物。
  4. 前記ファミリーBに属するDNAポリメラーゼがサーモコッカス・コダカラエンシス(Thermococcus kodakaraensis)由来である請求項3に記載の核酸増幅用組成物。
  5. 前記サーモコッカス(Thermococcus)属由来のDNAポリメラーゼが3’−5’エキソヌクレアーゼ活性を欠損していることを特徴とする請求項3または4に記載の核酸増幅用組成物。
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