JP2018085902A - 発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法 - Google Patents

発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法 Download PDF

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Abstract

【課題】電力系統への適応性向上に有効な発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法を提供する。【解決手段】発電システム1は、液体流のエネルギーを利用して第1の交流電力を発生させる発電部2と、第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路42と、直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統PSに出力するインバータ回路52と、通常運転モードにおいて、発電部2の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるようにコンバータ回路42を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御し、系統電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成されたコントローラ100と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法に関する。
特許文献1には、発電機のトルクを制御することにより、発電機を最大の効率で運転する技術が開示されている。
特許第4725841号
本開示は、電力系統への適応性向上に有効な発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法を提供することを目的とする。
本開示に係る発電システムは、液体流のエネルギーを利用して第1の交流電力を発生させる発電部と、第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統に出力する第2の電力変換部と、通常運転モードにおいて、発電部の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするように第1の電力変換部を制御し、電力系統の電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える。
制御部は、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値を最大化電流値よりも大きくするように構成されていてもよい。
制御部は、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするように第1の電力変換部を制御した後に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするように第2の電力変換部を制御することを更に実行するように構成されていてもよい。
制御部は、通常運転モードにおいて、第1の電力変換部から第2の電力変換部に入力される直流電圧を電力系統の電圧の上昇に応じて大きくするように第2の電力変換部を制御することを更に実行し、電力系統の電圧が第1の閾値に到達する前に、直流電圧の上昇に応じて通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするように第1の電力変換部を制御した後、電力系統の電圧が第1の閾値を超えた場合に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするように第2の電力変換部を制御することを実行するように構成されていてもよい。
本開示に係る電力変換システムは、発電部において発生した第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統に出力する第2の電力変換部と、通常運転モードにおいて、発電部の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするように第1の電力変換部を制御し、電力系統の電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える。
本開示に係る電力変換装置は、発電部と電力系統との間に設けられ、発電部において発生した第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、通常運転モードにおいて、発電部の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするように第1の電力変換部を制御し、電力系統の電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える。
本開示に係る電力変換方法は、発電部から出力される第1の交流電力を直流電力に変換するように第1の電力変換部を制御することと、直流電力を第2の交流電力に変換して電力系統に出力するように第2の電力変換部を制御することと、通常運転モードにおいて、発電部の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部の出力電流値と最大化電流値との差異を大きくするように第1の電力変換部を制御し、電力系統の電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることと、を含む。
本開示によれば、電力系統への適応性向上に有効な発電システム、電力変換システム、電力変換装置及び電力変換方法を提供することができる。
発電システムの全体構成を示す模式図である。 コントローラの機能的な構成を示すブロック図である。 コントローラのハードウェア構成を示すブロック図である。 通常運転モードにおけるコンバータ回路の制御手順を示すフローチャートである。 発電機における回転速度とトルクとの関係及び回転速度と出力電力との関係を模式的に示すグラフである。 通常運転モードにおけるインバータ回路の制御手順を示すフローチャートである。 上昇抑制モードにおけるコンバータ回路の制御手順を示すフローチャートである。 発電機における回転速度とトルクとの関係及び回転速度と出力電力との関係を模式的に示すグラフである。 上昇抑制モードにおけるインバータ回路52の制御手順を示すフローチャートである。 制御モードの切替手順を示すフローチャートである。 発電システムの変形例を示す模式図である。 制御モードの切替手順の変形例を示すフローチャートである。
以下、実施形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
〔発電システム〕
図1に示すように、発電システム1は、発電部2と、電力変換システム3とを備える。発電部2は、水流等の液体流のエネルギーを利用して交流電力(以下、「第1の交流電力」という。)を発生させる。水流は、ダムの放水流、河川又は用水路等の自然水流、潮流等を含む。第1の交流電力は、例えば三相交流電力である。
発電部2は、回転体21と、伝達機構22と、発電機23と、回転速度センサ24とを有する。回転体21は、液体流に接して回転する。伝達機構22は、回転体21の回転を発電機23に伝達する。発電機23は、回転体21から伝達された回転に応じて第1の交流電力を発生させる。発電機23の具体例としては、IPM(Interior Parmanent Magnet)発電機が挙げられる。回転速度センサ24は、発電機23の回転速度を検出する。例えば回転速度センサ24は、ロータリーエンコーダであり、発電機23の回転速度に比例した周波数のパルス信号を出力する。なお、回転速度センサ24は必須ではない。例えば、電力変換システム3において発電機23の磁極位置を推定し、当該磁極位置に基づいて発電機23の回転速度を推定してもよい。
なお、発電部2は、少なくとも交流電力を発生させるものであればよく、例えば風力のエネルギーを利用して交流電力を発生させるものであってもよい。
電力変換システム3は、発電部2と電力系統PSとの間に介在し、第1の交流電力を電力系統PSに適応可能な交流電力(以下、「第2の交流電力」という。)に変換して電力系統PSに出力する。電力系統PSは、電力を各種の受電設備に供給するシステムである。第2の交流電力は、例えば三相交流電力である。
電力変換システム3は、電磁接触器12を介して発電機23に接続され、フィルタ回路13及び解列リレー14を介して電力系統PSに接続されている。電磁接触器12は、外部からの指令入力に応じて、発電機23と電力変換システム3とが電気的に接続された状態と、その接続が遮断された状態とを切り替える。フィルタ回路13は、第2の交流電力に含まれる高周波成分を除去する。解列リレー14は、外部からの指令入力に応じて、電力変換システム3を電力系統PSから切り離す。
〔電力変換システム〕
電力変換システム3は、第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路42(第1の電力変換部)と、上記直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統に出力するインバータ回路52(第2の電力変換部)と、これらを制御するコントローラ100(制御部)とを備える。以下、電力変換システム3の構成をより具体的に例示する。
電力変換システム3は、互いに別の筐体に収容されたコンバータユニット4(電力変換装置)及びインバータユニット5を有し、これらは直流ケーブル11により互いに接続されている。
(コンバータユニット)
コンバータユニット4は、交流入力ライン41と、コンバータ回路42と、直流出力ライン43とを含む。交流入力ライン41は、発電機23から出力された第1の交流電力をコンバータ回路42に導く。交流入力ライン41には、入力電流センサ44及び入力電圧センサ45が設けられている。入力電流センサ44は、発電機23からの入力電流を検出する。入力電圧センサ45は、発電機23からの入力電圧を検出する。
コンバータ回路42は、複数のダイオード46と、複数のダイオード46にそれぞれ並列に接続された複数のスイッチング素子47とを有し、第1の交流電力を直流電力に変換して出力する。スイッチング素子47のオン・オフにより、発電機23からの出力電流を制御することが可能である。
直流出力ライン43は、コンバータ回路42から出力された直流電力を直流ケーブル11に導く。直流出力ライン43には、コンデンサ48及び母線電圧センサ49が設けられている。コンデンサ48は、直流出力ライン43における直流電圧を平滑化する。母線電圧センサ49は、直流出力ライン43における直流電圧(コンバータ回路42から直流出力ライン43に入力される直流電圧)を検出する。
(インバータユニット)
インバータユニット5は、直流入力ライン51と、インバータ回路52と、交流出力ライン53とを含む。直流入力ライン51は、直流ケーブル11によって導かれた直流電力をインバータ回路52に導く。直流入力ライン51には、コンデンサ54及び母線電圧センサ55が設けられている。コンデンサ54は、直流入力ライン51における直流電圧を平滑化する。母線電圧センサ55は、直流入力ライン51における直流電圧(コンバータ回路42から直流出力ライン43に入力される直流電圧)を検出する。
インバータ回路52は、複数のスイッチング素子56と、複数のスイッチング素子56にそれぞれ並列に接続された複数のダイオード57とを有し、複数のスイッチング素子56のオン・オフにより直流電力を第2の交流電力に変換して出力する。
交流出力ライン53は、インバータ回路52から出力された第2の交流電力をフィルタ回路13との接続部分に導く。交流出力ライン53には、系統電圧センサ58が設けられている。系統電圧センサ58は、インバータ回路52からの出力電圧(すなわち電力系統PSの電圧)を検出する。系統電圧センサ58は、インバータ回路52から出力される交流電圧の振幅(すなわち、電力系統PSの交流電圧の振幅)を検出してもよいし、インバータ回路52から出力される交流電圧の実効値(すなわち、電力系統PSの交流電圧の実効値)を検出してもよい。
(コントローラ)
コントローラ100は、通常運転モードにおいて、発電部2の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるようにコンバータ回路42を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御し、電力系統PSの電圧(例えば電力系統PSの交流電圧の振幅又は実効値)が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成されている。
コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値を最大化電流値よりも大きくするように構成されていてもよい。
コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを更に実行するように構成されていてもよい。
コントローラ100は、通常運転モードにおいて、コンバータ回路42からインバータ回路52に入力される直流電圧(以下、「直流母線電圧」という。)を電力系統PSの電圧(以下、「系統電圧」という。)の上昇に応じて大きくするようにインバータ回路52を制御することを更に実行し、系統電圧が第1の閾値に到達する前に、直流母線電圧の上昇に応じて通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後、系統電圧が第1の閾値を超えた場合に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを実行するように構成されていてもよい。
一例として、コントローラ100は、コンバータユニット4に内蔵された第1のコントローラ200と、インバータユニット5に内蔵された第2のコントローラ300とを有する。以下、図2を参照し、第1のコントローラ200及び第2のコントローラ300の具体的な構成を例示する。
第1のコントローラ200は、通常運転モード及び上昇抑制モードのいずれか一方の制御モードにてコンバータ回路42を制御する。通常運転モードは、発電部2の出力電流値を、最大化電流値に近付けるための制御モードである。上昇抑制モードは、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするための制御モードである。
図2に示すように、第1のコントローラ200は、機能上の構成(以下、「機能ブロック」という。)として、通常運転演算部210と、上昇抑制演算部220と、トルク指令算出部230と、ゲート駆動部240と、第1のモード切替部250を含む。
通常運転演算部210は、通常運転モードにおいて、トルク指令値の算出用のゲインを算出する。例えば通常運転演算部210は、電力算出部211と、電力記憶部212と、電力増減判定部213と、ゲイン算出部214と、ゲイン記憶部215とを含む。
電力記憶部212は、第1の交流電力の算出結果を時系列で記憶する。ゲイン記憶部215は、ゲインの算出結果を時系列で記憶する。
電力算出部211は、発電部2からの入力電流の検出値を入力電流センサ44から取得し、発電部2からの入力電圧の検出値を入力電圧センサ45から取得し、これらをかけ合せて第1の交流電力を算出し、算出結果を電力記憶部212に書き込む。
電力増減判定部213は、電力記憶部212の記憶内容に基づいて、第1の交流電力が増加しているか減少しているかを判定する。
ゲイン算出部214は、電力増減判定部213の判定結果及びゲイン記憶部215の記憶内容とに基づいてトルク設定用のゲインを算出し、算出結果をゲイン記憶部215に書き込む。具体的に、ゲイン算出部214は、前回のゲインの変更により第1の交流電力が増加している場合には、前回と同じ方向にゲインを変更し、前回のゲインの変更により第1の交流電力が減少している場合には、前回と逆方向にゲインを変更する。例えばゲイン算出部214は、前回のゲインの増加により第1の交流電力が増加している場合には前回同様にゲインを増加させ、前回のゲインの増加により第1の交流電力が減少している場合には前回と逆にゲインを減少させる。また、ゲイン算出部214は、前回のゲインの減少により第1の交流電力が増加している場合には前回同様にゲインを減少させ、前回のゲインの減少により第1の交流電力が減少している場合には、前回と逆にゲインを増加させる。これにより、ゲインの値が、第1の交流電力を最大化するゲイン(以下、「最大化ゲイン」という。)に近付けられる。
上昇抑制演算部220は、上昇抑制モードにおいて、トルク指令値の算出用のゲインを算出する。例えば上昇抑制演算部220は、ゲイン補正値算出部221と、抑制ゲイン算出部222とを含む。
ゲイン補正値算出部221は、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ49から取得し、当該検出値の大きさに応じてゲイン補正値を算出する。例えばゲイン補正値算出部221は、母線電圧センサ49により検出された直流電圧値と所定の閾値(例えば、後述の第1の切替閾値)との偏差に対して比例演算、又は比例・積分演算等を施した値に1を加算して、1よりも大きいゲイン補正値を算出する。
抑制ゲイン算出部222は、ゲイン記憶部215に記憶された最新のゲイン(以下、「通常ゲイン」という。)に対し、ゲイン補正値算出部221により算出されたゲイン補正値を用いた補正を行って、トルク設定用のゲインを算出する。例えば抑制ゲイン算出部222は、通常ゲインにゲイン補正値を乗算してゲインを算出する。通常ゲインが上記最大化ゲインに略一致している場合、ゲイン補正値の乗算によって、ゲインと上記最大化ゲインとの差異が通常運転モードよりも大きくなる。
抑制ゲイン算出部222は、通常ゲインをゲイン補正値で除算してゲインを算出してもよい。これによっても、ゲインと上記最大化ゲインとの差異が通常運転モードよりも大きくなる。
第1のモード切替部250は、系統電圧が上昇した場合に第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替え、系統電圧が下降した場合に第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。後述する第2のコントローラ300の制御により、系統電圧が上昇すると、これに応じて直流母線電圧も上昇する。そこで、第1のモード切替部250は、直流母線電圧値を系統電圧値の代わりに監視し、直流母線電圧が上昇した場合に第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替え、直流母線電圧が下降した場合に第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。
一例として、第1のモード切替部250は、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ49から取得し、当該検出値が所定の閾値(以下、「第1の切替閾値」という。)を上回った場合に第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替え、当該検出値が第1の切替閾値を下回った場合に第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。
トルク指令算出部230は、発電機23の回転速度の検出値を回転速度センサ24から取得し、当該回転速度と、通常運転演算部210又は上昇抑制演算部220により算出されたゲインとに基づいてトルク指令値を算出する。例えばトルク指令算出部230は、回転速度の二乗にゲインを乗算してトルク指令値を算出する。
トルク指令算出部230は、発電機23の回転速度の検出値を回転速度センサ24から取得するのに変えて、第1の交流電力に基づいて発電機23の回転速度を推定してもよい。例えば、トルク指令算出部230は、発電部2からの入力電流の検出値を入力電流センサ44から取得し、発電部2からの入力電圧の検出値を入力電圧センサ45から取得し、これらに基づいて発電機23の磁極位置を推定し、当該磁極位置に基づいて発電機23の回転速度を推定してもよい。
ゲート駆動部240は、発電部2の出力電流値が、トルク指令算出部230により算出されたトルク指令値に対応する値となるようにゲート駆動信号を生成し、コンバータ回路42の複数のスイッチング素子47に出力する。なお、「トルク指令値に対応する値」とは、発電部2に発生するトルクをトルク指令値に実質的に一致させるための値を意味する。
ゲート駆動部240により出力されたゲート駆動信号に応じてコンバータ回路42が動作することにより、発電部2の出力電流値は上記ゲイン及び発電機23の回転速度に相関した値となる。通常運転モードにおいて、ゲインが最大化ゲインに近付くと、発電部2の出力電流値は上記最大化電流値に近付く。上昇抑制モードにおいて、通常ゲインにゲイン補正値が乗算されると発電部2の出力電流値が大きくなり、通常ゲインからゲイン補正値が除算されると発電部2の出力電流値が小さくなる。また、上昇抑制モードにおいて、ゲインと最大化ゲインとの差異が大きくなると、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異が大きくなる。
第2のコントローラ300は、通常運転モード及び上昇抑制モードのいずれか一方の制御モードにてインバータ回路52を制御する。通常運転モードは、直流母線電圧(コンバータ回路42からインバータ回路52に入力される直流電圧)を目標値に近付けるように第2の交流電力を調節する制御モードである。上昇抑制モードは、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくする制御モードである。
第2のコントローラ300は、機能ブロックとして、通常運転演算部310と、第2のモード切替部320と、上昇抑制演算部330と、ゲート駆動部340とを有する。
通常運転演算部310は、通常運転モードにおいて、直流母線電圧を目標値に近付けるように、第2の交流電力として出力する電力の目標値を算出する。例えば通常運転演算部310は、母線電圧目標値算出部311と、出力電力目標値算出部312とを含む。
母線電圧目標値算出部311は、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値に応じて直流母線電圧の目標値を算出する。具体的に、母線電圧目標値算出部311は、系統電圧が所定の閾値(以下、「調節開始閾値」という。)以下である場合に、当該目標値を一定値にする。調節開始閾値は、上記第1の切替閾値よりも小さい。
母線電圧目標値算出部311は、系統電圧が調節開始閾値を上回るまで上昇した場合、直流母線電圧の目標値を系統電圧の上昇に応じて大きくする。
出力電力目標値算出部312は、直流母線電圧を、母線電圧目標値算出部311により算出された目標値に近付けるように第2の出力電力の目標値を算出する。具体的に、出力電力目標値算出部312は、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ55から取得し、当該検出値と、母線電圧目標値算出部311により算出された目標値との偏差に比例演算又は比例・積分演算等を施した値を現状の第2の出力電力から減算して、第2の出力電力の目標値を算出する。
上昇抑制演算部330は、上昇抑制モードにおいて、第2の交流電力として出力する電力の目標値を算出する。例えば上昇抑制演算部330は、出力電力目標値算出部331を有する。出力電力目標値算出部331は、系統電圧を低下させるように第2の出力電力の目標値を算出する。具体的に、出力電力目標値算出部331は、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値と所定の閾値(例えば後述の第2の切替閾値)との偏差に比例演算又は比例・積分演算等を施した値を現状の第2の出力電力から減算して、第2の出力電力の目標値を算出する。
第2のモード切替部320は、系統電圧が上昇した場合に第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替え、系統電圧が下降した場合に第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。
一例として、第2のモード切替部320は、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値が所定の閾値(以下、「第2の切替閾値」という。)を上回った場合に第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替え、当該検出値が第2の切替閾値を下回った場合に第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。第2の切替閾値は、第1の切替閾値よりも大きい。
ゲート駆動部340は、第2の出力電力が出力電力目標値算出部312又は出力電力目標値算出部331により算出された目標値に一致する値となるようにゲート駆動信号を生成し、インバータ回路52の複数のスイッチング素子56に出力する。
上述のように、第1のコントローラ200及び第2のコントローラ300の各々において通常運転モードと上昇抑制モードとが切り替えられるが、コントローラ100全体の制御モードは以下のように定義される。少なくとも第1のコントローラ200の制御モードが通常運転モードであれば、コントローラ100の制御モードも通常運転モードであり、少なくとも第1のコントローラ200の制御モードが上昇抑制モードであれば、コントローラ100の制御モードも上昇抑制モードである。すなわち、第1のモード切替部250は、コントローラ100のモード切替部110を構成する。
図3は、コントローラ100のハードウェア構成を例示するブロック図である。図3に示すように、第1のコントローラ200は回路290を有し、第2のコントローラ300は回路390を有する。
回路290は、一つ又は複数のプロセッサ291と、メモリ292と、ストレージ293と、入出力ポート294と、ゲート駆動回路295とを有する。入出力ポート294は、プロセッサ291からの指令に応じ、入力電流センサ44、入力電圧センサ45、母線電圧センサ49及び回転速度センサ24との間で電気信号の入出力を行う。ゲート駆動回路295は、プロセッサ291からの指令に応じ、ゲート駆動信号を生成してコンバータ回路42に出力する。
ストレージ293は、例えばハードディスク又は不揮発性メモリ等であり、コンバータ回路42の制御を実行するためのプログラムを記録している。メモリ292は、ストレージ293の記録媒体からロードしたプログラム及びプロセッサ291による演算結果を一時的に記録する。プロセッサ291は、メモリ292と協働して上記プログラムを実行することで、上述した各機能ブロックを構成する。
回路390も、回路290と同様に、プロセッサ391と、メモリ392と、ストレージ393と、入出力ポート394と、ゲート駆動回路395とを有する。入出力ポート394は、プロセッサ391からの指令に応じ、母線電圧センサ55及び系統電圧センサ58との間で電気信号の入出力を行う。ゲート駆動回路395は、プロセッサ391からの指令に応じ、ゲート駆動信号を生成してインバータ回路52に出力する。
なお、コントローラ100のハードウェア構成は、必ずしもプログラムにより各機能ブロックを構成するものに限られない。例えばコントローラ100の各機能ブロックは、専用の論理回路又はこれを集積したASIC(Application Specific Integrated Circuit)により構成されていてもよい。
〔電力変換方法〕
続いて、電力変換方法の一例として、コントローラ100による電力変換制御手順を説明する。この手順は、発電部2から出力される第1の交流電力を直流電力に変換するようにコンバータ回路42を制御することと、直流電力を第2の交流電力に変換して少なくとも電力系統PSに出力するようにインバータ回路52を制御することと、通常運転モードにおいて、発電部2の出力電流値を上記最大化電流値に近付けるようにコンバータ回路42を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を大きくするようにコンバータ回路42を制御し、系統電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることと、を含む。
以下、通常運転モードにおけるコンバータ回路42の制御手順と、通常運転モードにおけるインバータ回路52の制御手順と、上昇抑制モードにおけるコンバータ回路42の制御手順と、上昇抑制モードにおけるインバータ回路52の制御手順と、制御モードの切り替え手順とに分けて、電力変換制御手順の具体例を示す。
(通常運転モードにおけるコンバータ回路の制御手順)
まず、通常運転モードにおけるコンバータ回路42の制御手順を例示する。図4に示すように、コントローラ100は、まずステップS01を実行する。ステップS01では、電力算出部211が、発電部2からの入力電流の検出結果を入力電流センサ44から取得し、発電部2からの入力電圧の検出結果を入力電圧センサ45から取得する。
次に、コントローラ100はステップS02を実行する。ステップS02では、電力算出部211が、ステップS01において取得した入力電流及び入力電圧をかけ合せて第1の交流電力を算出し、算出結果を電力記憶部212に書き込む。
次に、コントローラ100はステップS03を実行する。ステップS03では、電力増減判定部213が、時系列で二つ以上のデータが電力記憶部212に記憶されているか否かを判定する。
時系列で二つ以上のデータが電力記憶部212及びゲイン記憶部215に記憶されていない場合、コントローラ100はステップS04を実行する。ステップS04では、ゲイン算出部214が、現在のゲインを増加方向又は減少方向に変更する。例えばゲイン算出部214は、予め設定されたピッチを現在のゲインに対して加算又は減算する。
ステップS03において、時系列で二つ以上のデータが電力記憶部212に記憶されていると判定した場合、コントローラ100はステップS05を実行する。ステップS05では、電力増減判定部213が、最新の第1の交流電力と、時系列で一つ前の第1の交流電力とを比較して、第1の交流電力が増加しているか否かを確認する。
ステップS05において、第1の交流電力が増加していると判定した場合、コントローラ100はステップS06を実行する。ステップS06では、ゲイン算出部214が、前回のゲインの変更(時系列で一つ前のゲインから最新のゲインへの変更)と同じ方向にゲインを変更する。例えばゲイン算出部214は、前回ゲインを増加させている場合には、最新のゲインに対して上記ピッチを加算し、その結果をゲイン記憶部215に書き込む。
また、ゲイン算出部214は、前回ゲインを減少させている場合には、最新のゲインから上記ピッチを減算し、その結果をゲイン記憶部215に書き込む。
ステップS05において、第1の交流電力が増加していないと判定した場合、コントローラ100はステップS07を実行する。ステップS07では、ゲイン算出部214が、前回のゲインの変更と逆の方向にゲインを変更する。例えばゲイン算出部214は、前回ゲインを増加させている場合には、最新のゲインから上記ピッチを減算し、その結果をゲイン記憶部215に書き込む。また、ゲイン算出部214は、前回ゲインを減少させている場合には、最新のゲインに対して上記ピッチを加算し、その結果をゲイン記憶部215に書き込む。
ステップS04,S06,S07のいずれかを実行した後、コントローラ100はステップS08を実行する。ステップS08では、トルク指令算出部230が、発電機23の回転速度の検出結果を回転速度センサ24から取得する。トルク指令算出部230は、発電機23の回転速度の検出値を回転速度センサ24から取得するのに変えて、第1の交流電力に基づいて発電機23の回転速度を推定してもよい。
次に、コントローラ100はステップS09を実行する。ステップS09では、ステップS04,S06,S07のいずれかにおいて算出されたゲインと、ステップS09において取得された回転速度の検出結果とに基づいて、トルク指令算出部230がトルク指令値を算出する。例えばトルク指令算出部230は、回転速度の検出結果を二乗し、これにゲインを乗算してトルク指令値を算出する。
次に、コントローラ100はステップS10を実行する。ステップS10では、発電部2の出力電流値が、ステップS09において算出されたトルク指令値に対応する値となるように、ゲート駆動部240がゲート駆動信号を生成し、コンバータ回路42の複数のスイッチング素子47に出力する。
次に、コントローラ100はステップS11を実行する。ステップS11では、通常運転演算部210が、第1のモード切替部250からの停止指令の有無を確認する。ステップS11において、モード切り替え指令が無いと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS01に戻す。
以後、第1のモード切替部250から停止指令が出されるまで、前回のゲインの変更により第1の交流電力が増加している場合には、前回と同じ方向にゲインを変更し、前回のゲインの変更により第1の交流電力が減少している場合には、前回と逆方向にゲインを変更することと、変更後のゲインにて、発電部2の出力電流値を制御することとが繰り返される。
ステップS12において、停止指令が有ると判定した場合、コントローラ100は通常運転モードでのコンバータ回路42の制御を終了する。
図5を参照し、上記制御を行った場合における発電機23の回転速度(以下、単に「回転速度」という。)、発電機23に作用するトルク(以下、単に「トルク」という。)、及び発電機23が出力する第1の交流電力(以下、単に「出力電力」という。)の挙動を例示する。
図5は、回転速度とトルクとの関係、及び回転速度と出力電力との関係を模式的に示すグラフである。横軸は回転速度の大きさを示し、縦軸はトルク又は出力電力の大きさを示す。破線で示されるデータD1,D2,D3,D4のそれぞれは、発電機23を回転させるためのエネルギー(例えば水流のエネルギー)が一定である場合における回転速度とトルクとの関係を示している。データD4側からデータD1側に向かうにつれてエネルギーが大きくなる。一点鎖線で示されるデータD8は、データD1と同じ条件下における回転速度と出力電力との関係を示している。実線で示されるデータD5,D6,D7のそれぞれは、上記ゲインが一定である場合における回転速度とトルクとの関係を示すグラフである。データD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7は、実際には曲線状となるが、模式的に線形で図示している。
データD1の条件下において、データD5に対応するゲインが設定される場合、データD1とデータD5とが交わる回転速度ω5に対応する出力電力が得られる。データD1の条件下において、データD6に対応するゲインが設定される場合、データD1とデータD6とが交わる回転速度ω6に対応する出力電力が得られる。データD1の条件下において、データD7に対応するゲインが設定される場合、データD1とデータD7とが交わる回転速度ω7に対応する出力電力が得られる。
データD6は、ゲインが上記最大化ゲインに一致している場合を示しているので、データD8は回転速度ω6において最大となっている。データD5は、ゲインが上記最大化ゲインに比べ小さい場合を示し、データD7は、ゲインが上記最大化ゲインに比べ大きい場合を示している。
上記ステップS04,06,S07のいずれかにおいて、データD5のゲインをデータD6のゲインに増加させた場合、データD8に示されるとおり出力電力は増加する。このため、次回のステップS05においては第1の交流電力が増加したものと判定され、ステップS06において再度ゲインを増加させることとなる。これにより、例えばデータD6のゲインをデータD7のゲインに増加させると、データD8に示されるとおり第1の交流電力は減少する。このため、次回のステップS05においては第1の交流電力が減少したものと判定され、ステップS07において再度ゲインを減少させることとなる。これにより、例えばデータD7のゲインをデータD6のゲインに減少させると、データD8に示されるとおり第1の交流電力は再度増加する。このようにして、ゲインが上記最大化ゲインに近付けられ、発電部2の出力電流値が上記最大化電流値に近付けられる。
(通常運転モードにおけるインバータ回路の制御手順)
続いて、通常運転モードにおけるインバータ回路52の制御手順を例示する。この手順に先立って、直流母線電圧の目標値は所定値(以下、「基準値」という。)に設定されているものとする。
図6に示すように、コントローラ100は、まずステップS21を実行する。ステップS21では、母線電圧目標値算出部311が、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得する。
次に、コントローラ100はステップS22を実行する。ステップS22では、ステップS21において取得された系統電圧の検出値が上記調節開始閾値を超えているか否かを母線電圧目標値算出部311が確認する。
ステップS22において、系統電圧の検出値が上記調節開始閾値を上回っていないと判定した場合、コントローラ100はステップS23を実行する。ステップS23では、母線電圧目標値算出部311が、直流母線電圧の目標値を上記基準値にする。
ステップS22において、系統電圧の検出値が上記調節開始閾値を上回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS24を実行する。ステップS24では、母線電圧目標値算出部311が、系統電圧の検出値に応じて直流母線電圧の目標値を設定する。例えば母線電圧目標値算出部311は、系統電圧の検出値と上記調節開始閾値との差分を算出し、当該差分に比例した値を上記基準値に加算する。
次に、コントローラ100はステップS25を実行する。ステップS25では、出力電力目標値算出部312が、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ55から取得する。
次に、コントローラ100はステップS26を実行する。ステップS26では、出力電力目標値算出部312が、ステップS25において取得された直流母線電圧の検出値をステップS23又はステップS24において算出された目標値に近付けるように、インバータ回路52から出力する第2の交流電力の目標値を設定する。例えば、出力電力目標値算出部312は、直流母線電圧の検出値と目標値との偏差に比例演算又は比例・積分演算等を施した値を現状の第2の交流電力から減算して、第2の交流電力の目標値を算出する。
次に、コントローラ100はステップS27を実行する。
ステップS27では、インバータ回路52の出力電力が、ステップS25において算出された目標値に対応する値となるように、ゲート駆動部340がゲート駆動信号を生成し、インバータ回路52の複数のスイッチング素子56に出力する。
次に、コントローラ100はステップS28を実行する。ステップS28では、通常運転演算部310が、第2のモード切替部320からの停止指令の有無を確認する。ステップS28において、停止指令が無いと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS21に戻す。
以後、第1のモード切替部250から停止指令が出されるまで、直流母線電圧を一定値又は系統電圧に応じた値に近付けることが繰り返される。
ステップS28において、停止指令が有ると判定した場合、コントローラ100は通常運転モードでのインバータ回路52の制御を終了する。
(上昇抑制モードにおけるコンバータ回路の制御手順)
続いて、上昇抑制モードにおけるコンバータ回路42の制御手順を例示する。
図7に示すように、コントローラ100は、まずステップS31を実行する。ステップS31では、ゲイン補正値算出部221が、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ49から取得する。
次に、コントローラ100はステップS32を実行する。ステップS32では、ゲイン補正値算出部221が、ステップS32において取得された直流母線電圧値に応じてゲイン補正値を算出する。
ゲイン補正値算出部221が、ステップS32において取得された直流母線電圧値と所定の閾値(例えば、上述の第1の切替閾値)との偏差に対して比例演算、又は比例・積分演算等を施した値に1を加算して、1よりも大きいゲイン補正値を算出する。
次に、コントローラ100はステップS33を実行する。ステップS33では、抑制ゲイン算出部222が、上記通常ゲイン(ゲイン記憶部215に記憶された最新のゲイン)に対し、ステップS32で算出されたゲイン補正値を用いた補正を行って、トルク設定用のゲインを算出する。
例えば抑制ゲイン算出部222は、通常ゲインにゲイン補正値を乗算してゲインを算出する。通常ゲインが上記最大化ゲインに略一致している場合、ゲイン補正値の乗算によって、ゲインと上記最大化ゲインとの差異が通常運転モードよりも大きくなる。抑制ゲイン算出部222は、ゲイン記憶部215に記憶された最新のゲインをゲイン補正値で除算してゲインを算出してもよい。これによっても、ゲインと上記最大化ゲインとの差異が通常運転モードよりも大きくなる。
次に、コントローラ100はステップS34を実行する。ステップS34では、トルク指令算出部230が発電機23の回転速度の検出結果を回転速度センサ24から取得する。
次に、コントローラ100はステップS35を実行する。ステップS35では、ステップS33において算出されたゲインと、ステップS35において取得された回転速度の検出結果とに基づいて、トルク指令算出部230がトルク指令値を算出する。例えばトルク指令算出部230は、回転速度の検出結果を二乗し、これにゲインを乗算してトルク指令値を算出する。
次に、コントローラ100はステップS36を実行する。ステップS36では、発電部2の出力電流値が、ステップS35において算出されたトルク指令値に対応する値となるように、ゲート駆動部240がゲート駆動信号を生成し、コンバータ回路42の複数のスイッチング素子47に出力する。
次に、コントローラ100はステップS37を実行する。ステップS37では、上昇抑制演算部220が、第1のモード切替部250からの停止指令の有無を確認する。
ステップS37において、停止指令が無いと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS31に戻す。
以後、第1のモード切替部250から停止指令が出されるまで、直流母線電圧に応じてゲイン補正値を算出し、これを用いてゲインを補正することと、補正後のゲインにて、発電部2の出力電流値を制御することとが繰り返される。
ステップS37において、停止指令が有ると判定した場合、コントローラ100は上昇抑制モードでのコンバータ回路42の制御を終了する。
図8を参照し、上記制御を行った場合における発電機23の回転速度(以下、単に「回転速度」という。)、発電機23に作用するトルク(以下、単に「トルク」という。)、及び発電機23が出力する第1の交流電力(以下、単に「出力電力」という。)の挙動を例示する。
図8は、図5と同様に、回転速度とトルクとの関係、及び回転速度と出力電力との関係を模式的に示すグラフである。図5と同様に、破線で示されるデータD1,D2,D3,D4のそれぞれは、発電機23を回転させるためのエネルギー(例えば水流のエネルギー)が一定である場合における回転速度とトルクとの関係を示している。図5と同様に、一点鎖線で示されるデータD8は、データD1と同じ条件下における回転速度と出力電力との関係を示している。実線で示されるデータD11,D12,D13のそれぞれは、上記ゲインが一定である場合における回転速度とトルクとの関係を示すグラフである。
データD11は、上記最大化ゲインに一致する通常ゲインにてトルク指令値が算出される場合を示しているので、データD11とデータD1とが交わる回転速度ω11にてデータD8が最大となっている。
データD12は、通常ゲインにゲイン補正値を乗算して補正されたゲインにてトルク指令値が算出される場合を示している。通常ゲインにゲイン補正値を乗算することで、データD12の傾きがデータD11に比べ大きくなるので、データD12とデータD1との交点の回転速度ω12は、回転速度ω11に比べ図示左側に位置する。このため、回転速度ω12では回転速度ω11に比較してデータD8が小さくなっている。
データD13は、通常ゲインからゲイン補正値を除算して補正されたゲインにてトルク指令値が算出される場合を示している。通常ゲインからゲイン補正値を除算することで、データD13の傾きがデータD11に比べ小さくなるので、データD13とデータD1との交点の回転速度ω13は、回転速度ω11に比べ図示右側に位置する。このため、回転速度ω13では回転速度ω11に比較してデータD8が小さくなっている。
このように、ステップS33において通常ゲインに対してゲイン補正値の乗算又は除算を施すことで、ゲインが最大化ゲインから遠ざかり、発電部2の出力電流値が上記最大化電流値から遠ざかることで、出力電力が小さくなる。
(上昇抑制モードにおけるインバータ回路の制御手順)
続いて、上昇抑制モードにおけるインバータ回路52の制御手順を例示する。
図9に示すように、コントローラ100は、まずステップS41を実行する。ステップS41では、出力電力目標値算出部331が、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得する。
次に、コントローラ100はステップS42を実行する。ステップS42では、出力電力目標値算出部331が、系統電圧を低下させるように、インバータ回路52から出力される第2の交流電力の目標値を算出する。例えば、出力電力目標値算出部331は、ステップS41において取得した系統電圧の検出値と所定の閾値(例えば上記第2の切替閾値)との偏差に比例演算又は比例・積分演算等を施した値を現状の第2の出力電力から減算して、第2の出力電力の目標値を算出する。
次に、コントローラ100はステップS43を実行する。ステップS43では、インバータ回路52の出力電力が、ステップS42において算出された目標値に対応する値となるように、ゲート駆動部340がゲート駆動信号を生成し、インバータ回路52の複数のスイッチング素子56に出力する。
次に、コントローラ100はステップS44を実行する。ステップS44では、上昇抑制演算部330が、第2のモード切替部320からの停止指令の有無を確認する。ステップS44において、停止指令が無いと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS41に戻す。
以後、第1のモード切替部250から停止指令が出されるまで、系統電圧を低下させるように第2の交流電力を調節することが繰り返される。
ステップS44において、停止指令が有ると判定した場合、コントローラ100は処理を終了する。
(制御モードの切替手順)
続いて、コントローラ100における制御モードの切り替え手順を説明する。図10は、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードを通常抑制モードに戻すまでの手順を示している。
図10に示すように、コントローラ100は、まずステップS51を実行する。ステップS51では、第1のモード切替部250が、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ49から取得し、当該検出値が上記第1の切替閾値を上回っているか否かを確認する。コントローラ100は、直流母線電圧の検出値が第1の切替閾値を上回るまでステップS51を繰り返す。
ステップS51において、直流母線電圧の検出値が第1の切替閾値を上回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS52を実行する。ステップS52では、第1のモード切替部250が、第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。例えば第1のモード切替部250は、停止指令(ゲインの算出を停止する指令)を通常運転演算部210に出し、開始指令(ゲインの算出を開始する指令)を上昇抑制演算部220に出す。これにより、コントローラ100は、ステップS01〜S12の制御手順を、ステップS31〜S37の制御手順に切り替える。
次に、コントローラ100はステップS53を実行する。ステップS53では、第1のモード切替部250が、直流母線電圧の検出値を母線電圧センサ49から取得し、当該検出値が上記第1の切替閾値を下回っているか否かを確認する。
ステップS53において、直流母線電圧の検出値が第1の切替閾値を下回っていないと判定した場合、コントローラ100はステップS54を実行する。ステップS54では、第2のモード切替部320が、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値が第2の切替閾値を上回っているか否かを確認する。
ステップS54において、系統電圧の検出値が第2の切替閾値を上回っていないと判定した場合、コントローラ100は処理をステップS53に戻す。
ステップS54において、系統電圧の検出値が第2の切替閾値を上回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS55を実行する。ステップS55では、第2のモード切替部320が、第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。例えば第2のモード切替部320は、停止指令を通常運転演算部310に出し、開始指令を上昇抑制演算部330に出す。これにより、コントローラ100は、ステップS21〜S28の制御手順を、ステップS41〜S44の制御手順に切り替える。
次に、コントローラ100はステップS56を実行する。ステップS56では、第2のモード切替部320が、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値が第2の切替閾値を下回っているか否かを確認する。コントローラ100は、系統電圧の検出値が第2の切替閾値を下回るまでステップS56を繰り返す。
ステップS56において、系統電圧の検出値が第2の切替閾値を下回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS57を実行する。ステップS57では、第2のモード切替部320が、第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。例えば第2のモード切替部320は、開始指令を通常運転演算部310に出し、停止指令を上昇抑制演算部330に出す。これにより、コントローラ100は、ステップS41〜44の制御手順を、ステップS21〜S28の制御手順に切り替える。
ステップS57を実行した後、コントローラ100は、処理をステップS53に戻す。ステップS53において、直流母線電圧の検出値が第1の切替閾値を下回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS58を実行する。ステップS58では、第1のモード切替部250が、第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。例えば第1のモード切替部250は、開始指令を通常運転演算部210に出し、停止指令を上昇抑制演算部220に出す。これにより、コントローラ100は、ステップS31〜S37の制御手順を、ステップS01〜S12の制御手順に切り替える。
以上で、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードを通常抑制モードに戻すまでの手順が完了する。この手順に例示されるように、第2のモード切替部320は、第1のモード切替部250が第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替えた後に、第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。換言すると、コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御する。
第1のモード切替部250は、第2のモード切替部320が第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替えた後に、第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。換言すると、コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを終了した後に、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御することを終了する。
〔本実施形態の効果〕
発電システム1は、液体流のエネルギーを利用して第1の交流電力を発生させる発電部2と、第1の交流電力を直流電力に変換するコンバータ回路42と、直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統PSに出力するインバータ回路52と、通常運転モードにおいて、発電部2の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるようにコンバータ回路42を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御し、系統電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成されたコントローラ100と、を備える。
系統電圧が上昇すると、電力系統PSへの電力供給の抑制が求められる場合がある。これに対し、単にインバータ回路52からの出力される第2の交流電力を抑制するのみでは、コンバータ回路42から出力される第1の交流電力の余剰分をコンバータ回路42とインバータ回路52との間で消費することが必要となる。コンバータ回路42とインバータ回路52との間における電力消費には、大型の抵抗器が求められる場合があり、装置の大型化の要因となる。
これに対し、コントローラ100は、通常運転モードにおいて、発電部2の出力電流値を、第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるようにコンバータ回路42を制御し、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御し、系統電圧が上昇した場合に、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成されている。通常運転モードの制御がなされることにより、第1の交流電力は最大値の近傍に保たれる。換言すると、第1の交流電力は、発電部2の出力電流値を増大又は減少させることで小さくできる状態に保たれる。系統電圧が上昇した場合には、通常運転モードが上昇抑制モードに切り替えられることにより、第1の交流電力が小さくなる。このように、系統電圧が上昇した際に、第1の交流電力を小さくする制御がなされることにより、電力消費のために大型の抵抗器を設置する必要性が低くなる。このため、装置の大型化を抑制しつつ、電力供給の抑制の要請に柔軟に適応することが可能となる。従って、電力系統PSへの適応性向上に有効である。
なお、液体流のエネルギーを利用する発電においては、液体の流路を、発電部2の回転体21を通る流路から、発電部2の回転体21を通らない流路(以下、「バイパス流路」という。)に切り替えることで、第1の交流電力を小さくすることも可能である。しかしながら、回転体21は、例えば小さい用水路等において、バイパス流路を有しない場所に設置される場合がある。このような場合にも、発電部2の出力電流値の調節により第1の交流電力を小さくする構成が有益である。
コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値を最大化電流値よりも大きくするように構成されていてもよい。発電部2の出力電流値を小さくする場合、発電部2の発電機23に作用するトルクが小さくなるので、発電機23の回転が高速化する。また、発電機23の回転が高速化することで、コンバータ回路42に高い電圧が入力される。このため、機械系及び電気系の両方に高い耐久性が求められる。これに対し、発電部2の出力電流値を大きくする場合、発電機23に作用するトルクが大きくなるので、発電機23の回転は低速化する。このため、機械系及び電気系における耐久性の要求が低くなる。従って、発電システム1の導入コストを抑制できる。
コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを更に実行するように構成されていてもよい。この場合、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくする制御(以下、「第2の抑制制御」という)に先立って、第1の交流電力を通常運転モードよりも小さくする制御(以下、「第1の抑制制御」という。)がなされるので、電力消費のための抵抗器の必要性が更に低くなる。
コントローラ100は、通常運転モードにおいて、直流母線電圧を系統電圧の上昇に応じて大きくするようにインバータ回路52を制御することを更に実行し、系統電圧が第2の切替閾値(第1の閾値)に到達する前に、直流母線電圧の上昇に応じて通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後、系統電圧が第2の切替閾値を超えた場合に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを実行するように構成されていてもよい。この場合、直流母線電圧の上昇を、系統電圧の上昇を示す信号として利用することで、第2の抑制制御に先立って第1の抑制制御を実行することを単純な構成で実現できる。なお、系統電圧の上昇に応じて直流母線電圧を上昇させることは、第2の交流電力のひずみの抑制にも寄与する。
〔実施形態の変形例〕
上記最大化ゲインは、条件出しのための試運転又はシミュレーション等によって予め導出することも可能である。上記ステップS01〜S12で例示したように、ゲインを最大化ゲインに近付ける制御を実行せずに、予め導出した最大化ゲインを固定値として用いてもよい。この場合も、発電機23を回転させるエネルギーが変動すると、発電機23の回転速度が変動し、これに応じてトルク指令値が変更される。すなわち、発電機23を回転させるエネルギーの変動に応じて発電部2の出力電流値が変更され、最大化電流値に近付けられる。
図11に例示するように、系統電圧に関する情報を伝達するための通信ライン15が第1のコントローラ200と第2のコントローラ300との間に設けられていてもよい。この場合、通信ライン15を利用することで、図12に例示する手順によって制御モードの切り替えを実行することが可能である。
まず、コントローラ100はステップS61を実行する。ステップS61では、第1のモード切替部250が、系統電圧に関する情報を通信ライン15経由で第2のコントローラ300から取得し、系統電圧が所定の閾値(以下、「第3の切替閾値」という。)を上回っているか否かを確認する。第3の切替閾値は、第2の切替閾値と同じであってもよい。コントローラ100は、系統電圧が第3の切替閾値を上回るまでステップS61を繰り返す。
ステップS61において、系統電圧が第3の切替閾値を上回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS62を実行する。ステップS62では、第1のモード切替部250が、ステップS52と同様に、第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。
次に、コントローラ100は、ステップS63を実行する。ステップS63では、第2のモード切替部320が所定時間の経過を待機する。
次に、コントローラ100はステップS64を実行する。ステップS64では、第2のモード切替部320が、系統電圧に関する情報を系統電圧センサ58から取得し、系統電圧が第3の切替閾値を下回っているか否かを確認する。
ステップS64において、系統電圧が第3の切替閾値を下回っていないと判定した場合、コントローラ100はステップS65を実行する。ステップS65では、ステップS55と同様に、第2のモード切替部320が、第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。
次に、コントローラ100はステップS66を実行する。ステップS66では、第2のモード切替部320が、系統電圧の検出値を系統電圧センサ58から取得し、当該検出値が第3の切替閾値を下回っているか否かを確認する。コントローラ100は、系統電圧の検出値が第3の切替閾値を下回るまでステップS66を繰り返す。
ステップS66において、系統電圧の検出値が第3の切替閾値を下回っていると判定した場合、コントローラ100はステップS67を実行する。ステップS67では、ステップS57と同様に、第2のモード切替部320が、第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。
次に、コントローラ100はステップS68を実行する。ステップS64において、系統電圧が第3の切替閾値を下回っていると判定した場合、コントローラ100は、ステップS65,S66,S67を実行することなく、処理をステップS68に進める。ステップS68では、ステップS58と同様に、第1のモード切替部250が、第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。
以上で、通常運転モードを上昇抑制モードに切り替え、上昇抑制モードを通常抑制モードに戻すまでの手順が完了する。この手順においても、第2のモード切替部320は、第1のモード切替部250が第1のコントローラ200の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替えた後に、第2のコントローラ300の制御モードを通常運転モードから上昇抑制モードに切り替える。換言すると、コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御した後に、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御する。
第1のモード切替部250は、第2のモード切替部320が第2のコントローラ300の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替えた後に、第1のコントローラ200の制御モードを上昇抑制モードから通常運転モードに切り替える。換言すると、コントローラ100は、上昇抑制モードにおいて、第2の交流電力を通常運転モードよりも小さくするようにインバータ回路52を制御することを終了した後に、発電部2の出力電流値と最大化電流値との差異を通常運転モードよりも大きくするようにコンバータ回路42を制御することを終了する。
上昇抑制モードでは、上記第1の抑制制御に先立って上記第2の抑制制御を実行してもよい。例えば、第2の抑制制御の実行により直流母線電圧が上昇した場合に第1の抑制制御を実行してもよい。
以上、実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変更が可能である。
1…発電システム、2…発電部、3…電力変換システム、PS…電力系統、42…コンバータ回路(第1の電力変換部)、52…インバータ回路(第2の電力変換部)、100…コントローラ、4…コンバータユニット(電力変換装置)。

Claims (7)

  1. 液体流のエネルギーを利用して第1の交流電力を発生させる発電部と、
    前記第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、
    前記直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統に出力する第2の電力変換部と、
    通常運転モードにおいて、前記発電部の出力電流値を、前記第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように前記第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を前記通常運転モードよりも大きくするように前記第1の電力変換部を制御し、前記電力系統の電圧が上昇した場合に、前記通常運転モードを前記上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える発電システム。
  2. 前記制御部は、前記上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値を前記最大化電流値よりも大きくするように構成されている、請求項1記載の発電システム。
  3. 前記制御部は、前記上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を前記通常運転モードよりも大きくするように前記第1の電力変換部を制御した後に、前記第2の交流電力を前記通常運転モードよりも小さくするように前記第2の電力変換部を制御することを更に実行するように構成されている、請求項1又は2記載の発電システム。
  4. 前記制御部は、
    前記通常運転モードにおいて、前記第1の電力変換部から前記第2の電力変換部に入力される直流電圧を前記電力系統の電圧の上昇に応じて大きくするように前記第2の電力変換部を制御することを更に実行し、
    前記電力系統の電圧が第1の閾値に到達する前に、前記直流電圧の上昇に応じて前記通常運転モードを前記上昇抑制モードに切り替え、
    前記上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を前記通常運転モードよりも大きくするように前記第1の電力変換部を制御した後、前記電力系統の電圧が前記第1の閾値を超えた場合に、前記第2の交流電力を前記通常運転モードよりも小さくするように前記第2の電力変換部を制御することを実行するように構成されている、請求項3記載の発電システム。
  5. 発電部において発生した第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、
    前記直流電力を第2の交流電力に変換して、少なくとも電力系統に出力する第2の電力変換部と、
    通常運転モードにおいて、前記発電部の出力電流値を、前記第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように前記第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を前記通常運転モードよりも大きくするように前記第1の電力変換部を制御し、前記電力系統の電圧が上昇した場合に、前記通常運転モードを前記上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える電力変換システム。
  6. 発電部と電力系統との間に設けられ、前記発電部において発生した第1の交流電力を直流電力に変換する第1の電力変換部と、
    通常運転モードにおいて、前記発電部の出力電流値を、前記第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように前記第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を前記通常運転モードよりも大きくするように前記第1の電力変換部を制御し、前記電力系統の電圧が上昇した場合に、前記通常運転モードを前記上昇抑制モードに切り替えることを実行するように構成された制御部と、を備える電力変換装置。
  7. 発電部から出力される第1の交流電力を直流電力に変換するように第1の電力変換部を制御することと、
    直流電力を第2の交流電力に変換して電力系統に出力するように第2の電力変換部を制御することと、
    通常運転モードにおいて、前記発電部の出力電流値を、前記第1の交流電力が最大となる最大化電流値に近付けるように前記第1の電力変換部を制御し、上昇抑制モードにおいて、前記発電部の出力電流値と前記最大化電流値との差異を大きくするように前記第1の電力変換部を制御し、前記電力系統の電圧が上昇した場合に、前記通常運転モードを前記上昇抑制モードに切り替えることと、を含む電力変換方法。
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