JP2016167900A - 風力発電システムの制御装置 - Google Patents

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崇伸 吉田
Takanobu Yoshida
崇伸 吉田
裕吾 只野
Yugo Tadano
裕吾 只野
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Abstract

【課題】系統電圧低下時に、運転を継続しつつDCリンク電圧の変動を抑制することができる風力発電システムの制御装置を提供する。
【解決手段】交流側が発電機2に接続された発電機側コンバータ3と、直流側が前記発電機側コンバータ3の直流側に接続され、交流側が系統5に接続された系統側コンバータ4と、DCリンク部6のDCリンク電圧Vdc、DCリンク電圧指令Vdc*および発電機2の3相電流を検出した発電機3相電流ig_UVWに基づいて、系統電圧低下時に発電機2のトルクを低下させる制御を行う発電機側コンバータ制御部31と、前記系統5の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび系統電力指令Pgrid*に基づいて系統側コンバータ4を制御する系統側コンバータ制御部41と、を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、電力系統に連系される風力発電システムの制御装置に係り、系統電圧低下時のコンバータ連続運転制御技術に関する。
従来の風力発電システムの構成例を図12に示す。図12において、1は発電機2の軸に取り付けられた風車であり、発電機2は発電機側コンバータ3の交流側に接続されている。発電機側コンバータ3は、例えばIGBTなどの半導体スイッチング素子を3相ブリッジ接続して構成され、発電機2の交流電力を直流電力に変換する。
発電機側コンバータ3の直流側は、正、負極母線P,Nを介して系統側コンバータ4の直流側に接続されている。系統側コンバータ4は、例えばIGBTなどの半導体スイッチング素子を3相ブリッジ接続して構成され、直流電力を交流電力に変換する。
系統側コンバータ4の交流側は、連系する系統5(電力系統;以下、単に系統と称することもある)に接続されている。
発電機側コンバータ3および系統側コンバータ4の直流側どうしを結ぶDCリンク部6、すなわち正極母線Pと負極母線Nの間には、キャパシタ7と、半導体スイッチ8および回生抵抗器(DBR;Dynamic Brake Resistor)9の直列回路とが並列に接続されている。
10は回生抵抗器制御部であり、正極母線Pの直流電圧を検出したDCリンク電圧Vdcが、設定したDCリンク電圧最大値Vdc_maxを超えたときに、半導体スイッチ制御信号SDBRを出力して半導体スイッチ8をオン制御し、DCリンク部6の電流を回生抵抗器9に流してDCリンク電圧Vdcが最大値Vdc_maxを超えないようにしている。
発電機側コンバータ3は発電機側コンバータ制御部30によって制御され、系統側コンバータ4は系統側コンバータ制御部40によって制御される。
上記のように構成された風力発電システムにおいて、風車1が風からエネルギーを受け取ると、風車1および発電機2が回転する。発電機2の回転により発生した交流電力は、発電機側コンバータ3で直流電力に変換され、その直流電力は系統側コンバータ4によって再度交流電力に変換されて系統5に送られる。
このときの発電機側と系統側のコンバータ(3、4)の制御方式を以下に説明する。まず発電機側コンバータ制御部30は、発電機2に流れる電流を検出した発電機3相電流ig_UVWおよび発電機のトルク指令Tg*を入力とし、発電機側コンバータ制御信号Sgを出力するものであり、その詳細は例えば図13のように構成されている。
図13において、33は発電機のトルク指令Tg*に係数をかけて発電機q軸電流指令Ig_q*を出力するトルク指令→電流指令変換部である。34は、発電機3相電流ig_UVWを、下記式(1)を用いて発電機dq軸電流Ig_d・Ig_qへ変換するdq変換部である。
Figure 2016167900
式(1)において、
θ:発電機電流a相の位相
ig_U:U相発電機電流
ig_V:V相発電機電流
ig_W:W相発電機電流
である。
前記変換された発電機q軸電流Ig_qとトルク指令→電流指令変換部33の出力であるIg_q*はq軸電流制御部35に入力される。q軸電流制御部35では、PI制御などによりIg_qがIg_q*になるように制御し発電機q軸電圧指令Vg_q*を出力する。
前記変換された発電機d軸電流Ig_dと予め設定された発電機d軸電流指令Ig_d*はd軸電流制御部36に入力される。d軸電流制御部36では、PI制御などによりIg_dがIg_d*になるように制御し発電機d軸電圧指令Vg_d*を出力する。
q軸電流制御部35の出力である発電機q軸電圧指令Vg_q*とd軸電流制御部36の出力である発電機d軸電圧指令Vg_d*は、三相変換部37に入力されて、下記式(2)を用いて3相各相の発電機電圧指令Vg_U*、Vg_V*、Vg_W*に変換される。
Figure 2016167900
式(2)において、
Vg_U*:U相発電機電流
Vg_V*:V相発電機電流
Vg_W*:W相発電機電流
である。
三相変換部37の出力である3相の発電機電圧指令Vg_UVW*は、PWM変調部38に入力されPWM変調が施されて、発電機側コンバータ制御信号Sgが出力される。この発電機側コンバータ制御信号Sgは、発電機側コンバータ3内の6つの半導体スイッチング素子のゲート信号である。
また、系統側コンバータ制御部40は、系統5の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RST、DCリンク電圧VdcおよびDCリンク電圧指令Vdc*を入力とし、系統側コンバータ制御信号Sgridを出力するものであり、その詳細は例えば図14のように構成されている。
図14において、43は、PI制御などによりDCリンク電圧VdcがDCリンク電圧指令Vdc*となるように制御し、系統q軸電流指令Igrid_q*を出力するDCリンク電圧制御部である。
44は、系統3相電流igrid_RSTを、前記式(1)と同様の式を用いて系統dq軸電流Igrid_d・Igrid_qへ変換するdq変換部である。
前記変換された系統q軸電流Igrid_qとDCリンク電圧制御部43の出力であるIgrid_q*はq軸電流制御部45に入力される。q軸電流制御部45では、PI制御などによりIgrid_qがIgrid_q*になるように制御し系統q軸電圧指令Vgrid_q*を出力する。
前記変換された系統d軸電流Igrid_dと予め設定された系統d軸電流指令Igrid_d*はd軸電流制御部46に入力される。d軸電流制御部46では、PI制御などによりIgrid_dがIgrid_d*になるように制御し系統d軸電圧指令Vgrid_d*を出力する。
q軸電流制御部45の出力である系統q軸電圧指令Vgrid_q*とd軸電流制御部46の出力である系統d軸電圧指令Vgrid_d*は、三相変換部47に入力されて、前記式(2)と同様の式を用いて3相各相の系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*に変換される。
三相変換部47の出力である3相の系統電圧指令Vgrid_RST*は、PWM変調部48に入力されPWM変調が施されて、系統側コンバータ制御信号Sgridが出力される。この系統側コンバータ制御信号Sgridは、系統側コンバータ4内の6つの半導体スイッチング素子のゲート信号である。
尚、従来の風力発電システムとしては、例えば特許文献1に記載のものが提案されていた。この特許文献1は、風力発電システムにおいて、低発電量の時には、回転子が過電流レベルに達する前にコンバータ直流電圧が上昇して、コンバータが運転できないケースがあることを課題とし、この課題を解決するために、系統事故時過電流消費装置の交流入力を発電機回転子と励磁用コンバータの間に接続し、系統電圧低下と励磁用コンバータ直流電圧上昇を検出して系統事故時に前記過電流消費装置を動作させるように構成している。
特開2009−273281号公報
風力発電システムにおいては、系統電圧低下が生じた際に、風力発電システムをすぐに系統から切り離すのではなく、連続運転する機能(事故時運転継続(FRT:Fault Ride Through)要件)が求められる。
ここで、図12に示す従来の風力発電システムにおいて、系統電圧低下が生じた際のシミュレーション波形を図15に示す。
図15において、シミュレーションは系統電圧が時刻0.5[s]から時刻1.5[s]の1.0[s]間低下する条件で行った。図15の上段から下段にかけて、系統電圧(R相)、風車1の回転数、電力(発電機電力と系統電力)、発電機トルク、DCリンク電圧および系統側コンバータ制御部40のq軸電流(検出値と指令値)の各波形を示している。
時刻0.5[s]以降、系統電圧が低下すると、系統の電力も低下し、発電機の電力との差が生じる。この発電機側と系統側の電力差によってDCリンク電圧の変動が生じてしまう。
このDCリンク電圧の変動は、図14の系統側コンバータ制御部40のDCリンク電圧制御部43が、系統q軸電流指令Igrid_q*を大きくするように動作することで、抑制しようとしている。
しかし、系統q軸電流指令Igrid_q*が上限値に達するため、制御可能な値まで系統q軸電流を大きくすることができていない。この場合には、系統側コンバータ4によるDCリンク電圧Vdcの制御を行うことができなくなる。DCリンク電圧Vdcの制御ができないため、Vdcは上昇を続けるが、この上昇は系統側コンバータ4の半導体スイッチング素子の破損の原因等になるため危険である。
そこで、DCリンク電圧最大値Vdc_maxを予め定め、回生抵抗器制御部10においてDCリンク電圧VdcがDCリンク電圧最大値Vdc_maxを超えた場合には、半導体スイッチ8をオン制御し、DCリンク部6の電流を回生抵抗器(DBR)9に流すことで、DCリンク電圧Vdcが制限値を超えないようにしている。
発電機側コンバータ制御部30では発電機のトルク指令Tg*から発電機電流を制御しているので、系統の状態にかかわらずトルクは一定である。
尚、ここでは風車1と発電機2の回転数は一致するものと考えることとし、ピッチ制御等の回転数の制御は行っていない。図15のシミュレーションでは回転数が一定であるが、これは風エネルギーと発電機エネルギーが等しい条件でのシミュレーションであるためである。
上記のように従来の制御方式では、系統電圧低下時に運転継続をするためにはDCリンク電圧Vdcの変動が生じてしまうという問題がある。
本発明は上記課題を解決するものであり、その目的は、系統電圧低下時に、運転を継続しつつDCリンク電圧の変動を抑制することができる風力発電システムの制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するための請求項1に記載の風力発電システムの制御装置は、交流側が風力発電設備の発電機に接続された発電機側コンバータと、直流側が前記発電機側コンバータの直流側に接続され、交流側が電力系統に接続された系統側コンバータと、を備えた風力発電システムにおいて、
前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側共通接続点の電圧を検出した直流電圧Vdc、直流電圧指令Vdc*および前記発電機の3相電流を検出した発電機3相電流ig_UVWに基づいて、系統電圧低下時に発電機のトルクを低下させる発電機側コンバータの制御信号を生成し、該制御信号によって前記発電機側コンバータを制御する発電機側コンバータ制御部と、
前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび系統電力指令Pgrid*に基づいて系統側コンバータの制御信号を生成し、該制御信号によって前記系統側コンバータを制御する系統側コンバータ制御部と、
を備えたことを特徴としている。
また、請求項2に記載の風力発電システムの制御装置は、請求項1において、前記発電機側コンバータ制御部は、
前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側共通接続点の電圧を検出した直流電圧Vdc、直流電圧指令Vdc*および前記発電機の3相電流を検出した発電機3相電流ig_UVWを入力とし、
直流電圧Vdcが直流電圧指令Vdc*となるように制御して発電機q軸電流指令Ig_q*を生成し、
発電機3相電流ig_UVWを発電機dq軸電流に変換し、
前記変換された発電機q軸電流Ig_qが発電機q軸電流指令Ig_q*となるように制御して発電機q軸電圧指令Vg_q*を生成し、
前記変換された発電機d軸電流Ig_dが、予め設定した発電機d軸電流指令Ig_d*となるように制御して発電機d軸電圧指令Vg_d*を生成し、
前記生成された発電機q軸電圧指令Vg_q*および発電機d軸電圧指令Vg_d*を三相変換した電動機電圧指令Vg_U*、Vg_V*、Vg_W*をPWM変調して、前記発電機側コンバータの制御信号を生成する
ことを特徴としている。
また、請求項3に記載の風力発電システムの制御装置は、請求項2において、前記系統側コンバータ制御部は、
前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび電力系統の系統電力指令Pgrid*を入力とし、
系統電力指令Pgrid*を、設定した系統電圧定常値Vgrid’で除算して系統q軸電流指令Igrid_q*を生成し、
前記系統3相電流igrid_RSTを系統dq軸電流に変換し、前記変換された系統q軸電流Igrid_qが前記生成された系統q軸電流指令Igrid_q*となるように制御して系統q軸電圧指令Vgrid_q*を生成し、
前記変換された系統d軸電流Igrid_dが、予め設定した系統d軸電流指令Igrid_d*となるように制御して系統d軸電圧指令Vgrid_d*を生成し、
前記生成された系統q軸電圧指令Vgrid_q*および系統d軸電圧指令Vgrid_d*を三相変換した系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*をPWM変調して、前記系統側コンバータの制御信号を生成する
ことを特徴としている。
上記構成において、電力系統に系統電圧低下が生じると、系統電力も低下し、系統に送ることのできない発電機電力が生じるので、直流電圧Vdcが一時的に上昇し、直流電圧指令Vdc*を超える。すると発電機側コンバータ制御部では、前記上昇した直流電圧Vdcが直流電圧指令Vdc*となるように抑制する発電機q軸電流指令Ig_q*を生成し、発電機のトルク発生として使われる発電機q軸電流Ig_qが前記発電機q軸電流指令Ig_q*となるよう制御する発電機q軸電圧指令Vg_q*が生成される。この生成されたVg_q*を三相変換した発電機電圧指令に基づいて発電機側コンバータが制御されるため、発電機のトルクが落ち、発電機側の電力が、前記低下していた系統側の電力と等しくなり、直流電圧Vdcの上昇が抑えられる。
このとき系統側コンバータ制御部では、系統電力指令Pgrid*を、系統電圧検出値ではなく系統電圧定常値Vgrid’で除算した系統q軸電流指令Igrid_q*を生成するので、系統電圧が変化しても系統q軸電流指令Igrid_q*は変化しない。
そして、系統q軸電流Igrid_qが前記系統q軸電流指令Igrid_q*となるよう制御する系統q軸電圧指令Vgrid_q*が生成される。この生成されたVgrid_q*を三相変換した系統電圧指令に基づいて系統側コンバータが制御されるため、系統電圧低下直後に系統q軸電流が大きく流れるが、その後は正常時と同じ電流値に制御することができる。
上記のように、系統電圧が低下した際に、運転を継続しつつ直流電圧の変動を抑制することができる。
また、直流電圧変動抑制のために回生抵抗器などのエネルギー消費装置を設ける必要がない。
また、請求項4に記載の風力発電システムの制御装置は、請求項2において、前記系統側コンバータ制御部は、
前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RST、電力系統の系統電力指令Pgrid*および前記電力系統の電圧を検出した系統電圧Vgrid_RSTを入力とし、
系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxに達しない範囲内の系統電圧低下の場合は、前記系統電力指令Pgrid*を、前記系統電圧Vgrid_RSTから求めた系統電圧Vgridで除算した結果を系統q軸電流指令Igrid_q*に決定し、
前記系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*max以上となる系統電圧低下の場合は、前記系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxを系統q軸電流指令Igrid_q*に決定し、
前記系統3相電流igrid_RSTを系統dq軸電流に変換し、前記変換された系統q軸電流Igrid_qが前記決定された系統q軸電流指令Igrid_q*となるように制御して系統q軸電圧指令Vgrid_q*を生成し、
前記変換された系統d軸電流Igrid_dが、予め設定した系統d軸電流指令Igrid_d*となるように制御して系統d軸電圧指令Vgrid_d*を生成し、
前記生成された系統q軸電圧指令Vgrid_q*および系統d軸電圧指令Vgrid_d*を三相変換した系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*をPWM変調して、前記系統側コンバータの制御信号を生成する
ことを特徴としている。
上記構成において、系統電圧低下発生時に、発電機側コンバータ制御部は請求項2、3の発電機側コンバータ制御部と同様の制御を行う。すなわち、上昇した直流電圧Vdcが直流電圧指令Vdc*となるように抑制する発電機q軸電流指令Ig_q*を生成し、発電機q軸電流Ig_qが前記発電機q軸電流指令Ig_q*となるよう制御する発電機q軸電圧指令Vg_q*を生成し、このVg_q*を三相変換した発電機電圧指令に基づいて発電機側コンバータを制御する。これによって、発電機のトルクが落ち、発電機側の電力が系統側の電力と等しくなり、直流電圧Vdcの上昇が抑えられる。
このとき系統側コンバータ制御部では、系統q軸電流指令Igrid_q*を、系統q軸電流指令Igrid_q*<系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxとなる系統電圧低下の場合は、系統電力指令Pgrid*/系統電圧Vgrid、で算出されるIgrid_q*に決定する(Vgridに応じて値が変化する指令値とする)。
また、系統q軸電流指令Igrid_q*≧系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxとなる系統電圧低下の場合は、Igrid_q*maxを系統q軸電流指令Igrid_q*に決定する(固定の最大指令値とする)。
そして、系統q軸電流Igrid_qが前記系統q軸電流指令Igrid_q*となるよう制御する系統q軸電圧指令Vgrid_q*を生成し、このVgrid_q*を三相変換した系統電圧指令に基づいて系統側コンバータを制御する。
これによって、系統電圧低下が大きい場合に、系統q軸電流を系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxまで流して系統電力を多く戻すことができる。このため、風車が慣性エネルギーとして用いるエネルギーが小さくなり、系統電圧低下後の風車の回転数上昇は請求項3の場合よりも小さくなる。
上記のように、系統電圧が低下した際に、できるだけ系統に電力を送りながら運転を継続しつつ直流電圧の変動を抑制することができる。
また、直流電圧変動抑制のために回生抵抗器などのエネルギー消費装置を設ける必要がない。
また、請求項5に記載の風力発電システムの制御装置は、請求項1ないし4のいずれか1項において、前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側どうしを結ぶ正、負直流母線間に直列に接続された半導体スイッチおよび回生抵抗器と、
前記発電機の回転軸に設けられた風車の回転数を検出した風車回転数w、風車の回転数最大値w_maxおよび風車の回転数制限値w_satを入力とし、前記風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したか否かを判定し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達していないときは、前記半導体スイッチをオフとする制御信号を出力し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したときは、風車回転数wおよび回転数制限値w_satの偏差を入力とするPI制御器の出力Out_PIと三角波信号との比較出力によって前記半導体スイッチをチョッパ制御する制御信号を出力する回生抵抗器制御部と、
を備えたことを特徴としている。
上記構成において、系統電圧低下発生時に、発電機側コンバータ制御部および系統側コンバータ制御部は、請求項1〜4の場合と同様の制御を行う。このため、発電機のトルクを低下させて、発電機側の電力を系統側の電力と等しくさせて直流電圧の上昇を抑制することができる。
これによって、系統電圧が低下した際に、運転を継続しつつ直流電圧の変動を抑制することができる。
系統電圧低下時は、系統に送れないエネルギーが慣性エネルギーとして蓄えられることにより、風車の回転数が上昇する。
回生抵抗器制御部では、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したときに、前記半導体スイッチをチョッパ制御する制御信号を出力するので、回生抵抗器によってエネルギーを消費することができ、風車の回転数を制限することができる。また、この回生抵抗器によるエネルギー消費によって、発電機側の電力を正常時と同じ電力に戻すことができる。
(1)請求項1〜5に記載の発明によれば、系統電圧が低下した際に、運転を継続しつつ直流電圧の変動を抑制することができる。
(2)請求項1〜4に記載の発明によれば、回生抵抗器などのエネルギー消費装置を設ける必要がなく、機器の省スペース化と低コスト化が実現できる。
(3)請求項3に記載の発明によれば、系統電圧が変化しても系統q軸電流指令Igrid_q*は変化せず、系統電圧低下直後に電流が大きく流れるが、その後は系統q軸電流を正常時と同じ電流値に制御することができる。
(4)請求項4に記載の発明によれば、系統電圧低下時にできるだけ系統に電力を送ることができる。
(5)請求項5に記載の発明によれば、系統電圧低下時に、回生抵抗器によってエネルギーを消費することができ、風車の回転数を制限することができる。また、この回生抵抗器によるエネルギー消費によって、発電機側の電力を正常時と同じ電力に戻すことができる。
本発明の実施例1による風力発電システムの構成図。 本発明の実施例1による発電機側コンバータ制御部のブロック図。 本発明の実施例1による系統側コンバータ制御部のブロック図。 本発明の実施例1による系統電圧低下のシミュレーション波形図。 本発明の実施例2による風力発電システムの構成図。 本発明の実施例2による系統側コンバータ制御部のブロック図。 本発明の実施例2による系統電圧低下のシミュレーション波形図。 本発明の実施例3による風力発電システムの構成図。 本発明の実施例3による回生抵抗器制御部のブロック図。 本発明の実施例3による系統電圧低下のシミュレーション波形図。 本発明の実施例1〜3と従来技術による系統電圧低下のシミュレーション波形図。 従来技術による風力発電システムの構成図。 従来技術による発電機側コンバータ制御部のブロック図。 従来技術による系統側コンバータ制御部のブロック図。 従来技術による系統電圧低下のシミュレーション波形図。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を説明するが、本発明は下記の実施形態例に限定されるものではない。
図1〜図3は本実施例1による風力発電システムの構成を示しており、従来の図12〜図14の構成と同一部分は同一符号をもって示している。図1において図12と異なる点は、図12の半導体スイッチ8、回生抵抗器9および回生抵抗器制御部10を除去し、発電機側コンバータ制御部30に代えて発電機側コンバータ制御部31を設け、系統側コンバータ制御部40に代えて系統側コンバータ制御部41を設けた点にある。
発電機側コンバータ制御部31は、DCリンク電圧Vdc,予め設定したDCリンク電圧指令Vdc*および発電機2に流れる電流を検出した発電機3相電流ig_UVWを入力とし、発電機側コンバータ制御信号Sgを出力するものであり、その詳細は例えば図2のように構成されている。
図2において、133は、PI制御などによりDCリンク電圧VdcがDCリンク電圧指令Vdc*となるように制御し、発電機q軸電流指令Ig_q*を出力するDCリンク電圧制御部である。
発電機3相電流ig_UVWはdq変換部34に入力されて、前記式(1)の演算により発電機d軸電流Ig_dおよび発電機q軸電流Ig_qに変換される。q軸電流制御部35では、Ig_qがIg_q*になるようにPI制御などに制御が行われ、d軸電流制御部36では、Ig_dがIg_d*になるようにPI制御などに制御が行われる。
q軸電流制御部35の出力である発電機q軸電圧指令Vg_q*とd軸電流制御部36の出力である発電機d軸電圧指令Vg_d*は、三相変換部37に入力されて、前記式(2)を用いて3相各相の発電機電圧指令Vg_U*、Vg_V*、Vg_W*に変換される。
三相変換部37の出力である3相の発電機電圧指令Vg_UVW*は、PWM変調部38に入力されPWM変調が施されて、発電機側コンバータ制御信号Sgが出力される。この発電機側コンバータ制御信号Sgは、発電機側コンバータ3内の6つの半導体スイッチング素子のゲート信号である。
また、系統側コンバータ制御部41は、系統5の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび系統電力指令Pgrid*を入力とし、系統側コンバータ制御信号Sgridを出力するものであり、その詳細は例えば図3のように構成されている。
図3において、143は、下記式(3)の演算、すなわち系統電力指令Pgrid*を、設定した系統電圧定常値Vgrid’で除算して系統q軸電流指令Igrid_q*を生成する電力指令→電流指令変換部である。
Figure 2016167900
式(3)は系統電圧定常値Vgrid’を用いているため、系統電圧の検出は行わない。そのため、系統電力指令に係数をかけた結果がIgrid_q*となる。
44は、系統3相電流igrid_RSTを、前記式(1)と同様の式を用いて系統dq軸電流Igrid_d・Igrid_qへ変換するdq変換部である。
前記変換された系統q軸電流Igrid_qと電力指令→電流指令変換部143の出力であるIgrid_q*はq軸電流制御部45に入力される。q軸電流制御部45では、PI制御などによりIgrid_qがIgrid_q*になるように制御し系統q軸電圧指令Vgrid_q*を出力する。
前記変換された系統d軸電流Igrid_dと予め設定された系統d軸電流指令Igrid_d*はd軸電流制御部46に入力される。d軸電流制御部46では、PI制御などによりIgrid_dがIgrid_d*になるように制御し系統d軸電圧指令Vgrid_d*を出力する。
q軸電流制御部45の出力である系統q軸電圧指令Vgrid_q*とd軸電流制御部46の出力である系統d軸電圧指令Vgrid_d*は、三相変換部47に入力されて、前記式(2)と同様の式を用いて3相各相の系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*に変換される。
三相変換部47の出力である3相の系統電圧指令Vgrid_RST*は、PWM変調部48に入力されPWM変調が施されて、系統側コンバータ制御信号Sgridが出力される。この系統側コンバータ制御信号Sgridは、系統側コンバータ4内の6つの半導体スイッチング素子のゲート信号である。
上記のように構成された本実施例1において、系統電圧低下が生じた際のシミュレーション波形を図4に示す。図4において、シミュレーションは系統電圧が時刻0.5[s]から時刻1.5[s]までの1.0[s]間低下する条件で行った。図4の上段から下段にかけて、系統電圧(R相)、風車1の回転数、電力(発電機電力と系統電力)、発電機トルク、DCリンク電圧および系統側コンバータ制御部41のq軸電流(検出値と指令値)の各波形を示している。
図4では、ピッチ制御を行っていないにも関わらず時刻0.5[s]まで、回転数の変動がないが、これは発電機2側でのトルク指令とその時の回転数が、風車1が風から得るエネルギーと等しいためである。また、風速は常に一定であるという条件で行っている。
まず時刻0.5[s]までの時間において、系統電圧は正常値であり、本発明の発電システムの発電機2で発電した電力を系統5へ送ることができている。この時のDCリンク電圧Vdcも定常値となっており電圧変動はない。この状態での発電機2側の発電電力と系統5側の電力は平衡している。
次に、時刻0.5[s]に達した瞬間は系統電圧が低下する。系統電圧の低下が生じると系統5の電力も系統電圧低下割合と同じだけ低下する。すると系統5に送ることのできない発電電力が生じる。この電力は一時的にDCリンク電圧Vdcを上昇させる。DCリンク電圧Vdcが上昇すると、発電機側コンバータ制御部31でDCリンク電圧Vdcが落ちるように、発電機2のトルクを制御する。
すなわち発電機側コンバータ制御部31では、図2のDCリンク電圧制御部133の出力である発電機q軸電流指令Ig_q*が小さくなって、発電機のトルク発生として使われる発電機q軸電流Ig_qを小さくする発電機q軸電圧指令Vg_q*が生成される。これによって、図4の各波形に示すように、発電機トルクを落とすことで、発電機2側の電力を系統5側の電力と等しくして、DCリンク電圧の上昇を抑えている。
その後、系統電圧低下が継続しているがDCリンク電圧は一定のままである。この時、風から受けたエネルギーは風車1の慣性エネルギーとして消費しているため風車1の回転速度は上昇する。
尚、この時の系統側コンバータ4の系統q軸電流指令Igrid_q*は系統電圧が変化した場合でも変化しない。この理由は、系統電圧が低下しても系統電圧の検出を行っておらず、系統q軸電流指令Igrid_q*生成のために系統電圧定常値Vgrid’を採用している(DCリンク電圧制御部133における式(3)の演算)ので、系統側コンバータ4では正常状態と同じ制御を行うためである。系統電圧低下直後に系統q軸電流が大きく流れるが、その後は制御により正常時と同じ電流値に制御できていることがわかる。
次に、式(4)〜式(8)により図1に示す風力発電システムのエネルギーの関係を示す。
Figure 2016167900
式4)〜式(8)において、
dc:DCリンク電力
g:発電機電力
grid:系統電力
C:キャパシタ
t:風車発電エネルギー
ωm:発電機回転数
g.loss:発電機損失エネルギー
K:風車発電係数(効率・受風面積・空気密度等の係数)
v:風速
grid:系統電圧
grid:系統電流
である。
DCリンク電力Pdcは式(4)で表すことができる。式(4)から、DCリンク電力は発電機電力と系統電力の差である。DCリンク電力Pdcは式(5)でも表すことができる。式(5)は、DCリンク電力はDCリンク電圧とキャパシタ容量とDCリンク電圧微分値の積であることを示している。
発電機電力Pgは式(6)で表現することができる。式(6)は式(7)で示す風車発電エネルギーPtから発電機の慣性エネルギーと発電機の損失を減算したものである。尚、式(7)の風車発電係数Kは風車の受風面積や空気密度、発電効率等を考慮した係数とする。
系統電力Pgridは、式(8)で表され、3相の電圧Vgridと3相の電流Igridを乗算したものである。
本実施例では、系統電圧低下時に系統電力Pgridが低下しDCリンク電力Pdcは変動するが、発電機電力Pgを変化させることでDCリンク電力Pdcを再び系統電圧低下前と同じ値とすることで、DCリンク電圧Vdcを一定に制御している。
式(6)のPtは風車発電エネルギーでありピッチ制御等を行うことで変化させることが可能であるが、本実施例では変化させることができない場合を考えた。そこで発電機の慣性エネルギーに相当する式(6)の右辺第二項の発電機回転数を変化させている。
以上のように本実施例1によれば、系統電圧が低下した際に、運転を継続しつつ直流電圧(DCリンク電圧)変動を抑制することができる。このため、機器の省スペース化と低コスト化が実現できる。
図5、図6は本実施例2による風力発電システムの構成を示しており、実施例1の図1〜図3の構成と同一部分は同一符号をもって示している。図5において図1と異なる点は、系統側コンバータ制御部41に代えて系統5の3相電圧を検出した系統電圧Vgrid_RSTをさらに入力とした系統側コンバータ制御部42を設けた点にある。
この系統側コンバータ制御部42は、図6に示すように、入力された系統電圧Vgrid_RSTおよび系統電力指令Pgrid*に基づいて、下記式(9)に示す系統q軸電流指令Igrid_q*を出力するq軸電流指令出力部243を備えている。
Figure 2016167900
式(9)において、
Vgrid:系統電圧
Igrid_q*max:系統q軸電流指令最大値
である。
式(9)の系統電圧Vgridは系統3相電圧より求める。また系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxは予め定めておく必要がある。
式(9)は、系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxに達しない範囲内の系統電圧低下の場合は、前記系統電力指令Pgrid*を、前記系統電圧Vgrid_RSTから求めた系統電圧Vgridで除算した結果を系統q軸電流指令Igrid_q*に決定し、前記系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*max以上となる系統電圧低下の場合は、前記系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxを系統q軸電流指令Igrid_q*に決定することを意味している。
このように決定された系統q軸電流指令Igrid_q*は、q軸電流制御部45に入力されるが、系統側コンバータ制御部42の、dq変換部44、q軸電流制御部45、d軸電流制御部46、三相変換部47およびPWM変調部48の各動作は、実施例1の系統側コンバータ制御部41と同様である。
また、発電機側コンバータ制御部31の動作も実施例1と同様である。
上記のように構成された本実施例2において、系統電圧低下が生じた際のシミュレーション波形を図7に示す。図7において、シミュレーションは系統電圧が時刻0.5[s]から時刻1.5[s]までの1.0[s]間低下する条件で行った。図7の上段から下段にかけて、系統電圧(R相)、風車1の回転数、電力(発電機電力と系統電力)、発電機トルク、DCリンク電圧および系統側コンバータ制御部42のq軸電流(検出値と指令値)の各波形を示している。
図7のシミュレーションにおいて、時刻0.5[s]での系統電圧低下の際に系統5の電力低下が生じる。発電機側コンバータ制御部31では、実施例1と同様の動作により、その系統電力の低下割合に応じて発電機のトルクを下げて発電機側の電力を小さくする制御を行う。
一方系統側コンバータ制御部42では、式(9)を用いて系統q軸電流、予め設定した最大値まで活用する。Igrid_q*がIgrid_q*maxに達しない程度の系統電圧低下であれば、系統電力は時刻0.5[s]以前の電力まで復帰が可能である。しかし、図7の場合にはIgrid_q*がIgrid_q*maxに決定されるため、系統電力の時刻0.5[s]以前の復帰はできていないが、系統に電力を実施例1よりも多く戻しているので、慣性エネルギーとして用いるエネルギーが小さい。そのため、実施例1の場合よりも、系統電圧低下後の回転数の上昇は小さくなる。
このように、実施例2を用いることで、系統電圧低下時にできるだけ系統に電力を送りつつ、DCリンク電圧の変動も抑えることができる。また、DCリンク電圧変動抑制のために回生抵抗器などのエネルギー消費装置を設ける必要がないので、機器の省スペース化と低コスト化が実現できる。
本実施例3では、風車1の回転数を検出し、風車1の回転数が最大値となった場合に回生抵抗器を用いて風車エネルギーを消費するように構成した。
図8は本実施例3による風力発電システムの構成を示しており、実施例1の図1の構成と同一部分は同一符合をもって示している。図8において図1と異なる点は、DCリンク部6の正、負極母線P,N間に直列接続された半導体スイッチ8、回生抵抗器9と、回生抵抗器制御部100とを設けた点にある。
本実施例3における発電機側コンバータ制御部31および系統側コンバータ制御部41は実施例1と同一に構成されている。また、系統側コンバータ制御部は実施例2の系統側コンバータ制御部42を用いてもよい。
回生抵抗器制御部100は、風車1の回転数を検出した風車回転数w、風車1の回転数最大値w_maxおよび風車1の回転数制限値w_satを入力とし、前記風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したか否かを判定し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達していないときは、前記半導体スイッチ8をオフとする制御信号を出力し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したときは、風車回転数wおよび回転数制限値w_satの偏差を入力とするPI制御器の出力Out_PIと三角波信号との比較出力によって前記半導体スイッチ8をチョッパ制御する制御信号を出力するものであり、その詳細は図9のように構成されている。
図9において、回転数制限値w_satと回転数最大値w_maxは任意に設定できるが、w_satはw_maxより小さい値とする必要がある。
回転数制限値w_satおよび回転数最大値w_maxは加減算器101に入力されて両者の偏差がとられる。風車回転数wは比較器102にも入力されて回転数最大値w_maxと比較される。
加減算器101の偏差出力ewはPI制御器103に入力され、PI制御器103からは出力Out_PIが出力される。前記比較器102では、風車回転数wと回転数最大値w_maxを比較して、wの方が大きい場合には‘1’を、wの方が小さい場合には‘0’を各々出力する信号Out_Compを出力する。
出力選択部104では、入力されたPI制御器出力Out_PIと比較器出力Out_Compを用いて、比較器出力Out_Compが‘0’の場合には‘1’を、比較器出力Out_Compが‘1’の場合には‘Out_PI’を各々出力する信号Sinを出力する。また、出力選択部出力Sinが‘Out_PI’となる場合は、系統電圧低下時の連続運転時間の間は出力を継続する。
三角波比較器105では、任意の三角波とSinを比較し、三角波の方がSinより小さい場合には‘0’を、三角波の方がSinより大きい場合には‘1’を各々出力する信号Soutを出力する。
出力信号Soutは半導体スイッチ8のスイッチング信号となり、‘0’の場合にはスイッチはオフで回生抵抗器9には電流が流れず、‘1’の場合にはスイッチがオンとなり回生抵抗器9に電流が流れる。
例えば風車回転数wが回転数最大値w_maxに達していない場合は、比較器102の出力が‘0’、出力選択部104の出力Sinが‘1’となり、三角波比較器105の出力信号Soutは‘0’となるため、半導体スイッチ8はオフ制御される。
また、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達した場合は、比較器102の出力が‘1’、出力選択部104の出力Sinが‘Out_PI’となり、三角波比較器105はOut_PIと三角波の比較により三角波が小なら‘0’、大なら‘1’を出力するので、半導体スイッチ8はチョッパ制御される。
上記のように構成された本実施例3において、系統電圧低下が生じた際のシミュレーション波形を図10に示す。尚、図10では、系統側コンバータ制御部として、実施例2の系統側コンバータ制御部42を用いた場合の波形を示している。
図10において、シミュレーションは系統電圧が時刻0.5[s]から時刻1.5[s]までの1.0[s]間低下する条件で行った。図10の上段から下段にかけて、系統電圧(R相)、風車1の回転数、電力(発電機電力と系統電力)、発電機トルク、DCリンク電圧および系統側コンバータ制御部42のq軸電流(検出値と指令値)の各波形を示している。
図10のシミュレーションにおいて、時刻0.5[s]の時点で系統電圧低下により系統5の電力が低下する。すると発電機側コンバータ制御部31の制御により実施例1、2と同様に、発電機のトルクを低下させて発電機側の電力を系統側と同じ値とすることでDCリンク電圧Vdcの上昇を防ぐ。
このためDCリンク電圧VdcはDCリンク電圧指令Vdc*に制御される。その際に、系統電圧低下などの事故が生じた場合には、系統5に送れないエネルギーは慣性エネルギーとして蓄えられることとなるので、回転数は上昇する。
回転数に余裕がある場合には回転数の上昇を許容することができるが、回転数が最大値になった場合には、回転数が上らないようにする必要がある。シミュレーションではその値を回転数最大値w_maxとしている。
図10では時刻1.2[s]付近で風車回転数wが回転数最大値w_maxに達している。前記wがw_maxに達するか否かの判定を回生抵抗器制御部100の比較器102で判定し、w_maxに達している場合には半導体スイッチ8をオンとする(チョッパ制御する)。
上記手順により、回生抵抗器9によってエネルギーを消費することで風車1の回転数を制限している。
図10では時刻1.2[s]以降は回転数の上昇がなくなっていることが確認できる。またその際の電力は、系統側では、時刻0.5[s]以降変化はないが、発電機側では時刻1.2[s]以後に正常状態時の電力に戻っている。これは、風エネルギーを慣性エネルギーとして消費していた分を時刻1.2[s]以降は回生抵抗器9で消費しているためである。
実施例3を用いることで、回転数の最大値w_maxとなるまでは、エネルギーを慣性エネルギーとして消費し、もし最大値w_maxに達したとしても回生抵抗器9をシステムに設けているためエネルギーの消費が可能であり、DCリンク電圧の変動も抑制することが可能である。
尚、図11に実施例1〜3と従来技術の、系統電圧低下が生じた際のシミュレーション波形を示す。図11において、上段から下段にかけて、系統電圧(R相)、風車1の回転数、発電機電力、系統電力およびDCリンク電圧の各波形を示している。図中の(1)〜(3)は本発明の実施例1〜3の、(4)は従来技術の波形を各々示している。
実施例2と3の波形は時刻1.2[s]以降に違いがあるが、それ以前の時刻では同じである。本実施例1〜3を用いることで、系統電圧低下時のDCリンク電圧の変動を抑制することができていることがわかる。
1…風車
2…発電機
3…発電機側コンバータ
4…系統側コンバータ
5…系統
6…DCリンク部
7…キャパシタ
8…半導体スイッチ
9…回生抵抗器
31…発電機側コンバータ制御部
34、44…dq変換部
35、45…q軸電流制御部
36、46…d軸電流制御部
37、47…三相変換部
38、48…PWM変調部
41、42…系統側コンバータ制御部
100…回生抵抗器制御部
101…加減算器
102…比較器
103…PI制御器
104…出力選択部
105…三角波比較器
133…DCリンク電圧制御部
143…電力指令→電流指令変換部
243…q軸電流指令出力部

Claims (5)

  1. 交流側が風力発電設備の発電機に接続された発電機側コンバータと、直流側が前記発電機側コンバータの直流側に接続され、交流側が電力系統に接続された系統側コンバータと、を備えた風力発電システムにおいて、
    前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側共通接続点の電圧を検出した直流電圧Vdc、直流電圧指令Vdc*および前記発電機の3相電流を検出した発電機3相電流ig_UVWに基づいて、系統電圧低下時に発電機のトルクを低下させる発電機側コンバータの制御信号を生成し、該制御信号によって前記発電機側コンバータを制御する発電機側コンバータ制御部と、
    前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび系統電力指令Pgrid*に基づいて系統側コンバータの制御信号を生成し、該制御信号によって前記系統側コンバータを制御する系統側コンバータ制御部と、
    を備えたことを特徴とする風力発電システムの制御装置。
  2. 前記発電機側コンバータ制御部は、
    前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側共通接続点の電圧を検出した直流電圧Vdc、直流電圧指令Vdc*および前記発電機の3相電流を検出した発電機3相電流ig_UVWを入力とし、
    直流電圧Vdcが直流電圧指令Vdc*となるように制御して発電機q軸電流指令Ig_q*を生成し、
    発電機3相電流ig_UVWを発電機dq軸電流に変換し、
    前記変換された発電機q軸電流Ig_qが発電機q軸電流指令Ig_q*となるように制御して発電機q軸電圧指令Vg_q*を生成し、
    前記変換された発電機d軸電流Ig_dが、予め設定した発電機d軸電流指令Ig_d*となるように制御して発電機d軸電圧指令Vg_d*を生成し、
    前記生成された発電機q軸電圧指令Vg_q*および発電機d軸電圧指令Vg_d*を三相変換した電動機電圧指令Vg_U*、Vg_V*、Vg_W*をPWM変調して、前記発電機側コンバータの制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項1に記載の風力発電システムの制御装置。
  3. 前記系統側コンバータ制御部は、
    前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RSTおよび電力系統の系統電力指令Pgrid*を入力とし、
    系統電力指令Pgrid*を、設定した系統電圧定常値Vgrid’で除算して系統q軸電流指令Igrid_q*を生成し、
    前記系統3相電流igrid_RSTを系統dq軸電流に変換し、前記変換された系統q軸電流Igrid_qが前記生成された系統q軸電流指令Igrid_q*となるように制御して系統q軸電圧指令Vgrid_q*を生成し、
    前記変換された系統d軸電流Igrid_dが、予め設定した系統d軸電流指令Igrid_d*となるように制御して系統d軸電圧指令Vgrid_d*を生成し、
    前記生成された系統q軸電圧指令Vgrid_q*および系統d軸電圧指令Vgrid_d*を三相変換した系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*をPWM変調して、前記系統側コンバータの制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の風力発電システムの制御装置。
  4. 前記系統側コンバータ制御部は、
    前記電力系統の3相電流を検出した系統3相電流igrid_RST、電力系統の系統電力指令Pgrid*および前記電力系統の電圧を検出した系統電圧Vgrid_RSTを入力とし、
    系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxに達しない範囲内の系統電圧低下の場合は、前記系統電力指令Pgrid*を、前記系統電圧Vgrid_RSTから求めた系統電圧Vgridで除算した結果を系統q軸電流指令Igrid_q*に決定し、
    前記系統q軸電流指令Igrid_q*が系統q軸電流指令最大値Igrid_q*max以上となる系統電圧低下の場合は、前記系統q軸電流指令最大値Igrid_q*maxを系統q軸電流指令Igrid_q*に決定し、
    前記系統3相電流igrid_RSTを系統dq軸電流に変換し、前記変換された系統q軸電流Igrid_qが前記決定された系統q軸電流指令Igrid_q*となるように制御して系統q軸電圧指令Vgrid_q*を生成し、
    前記変換された系統d軸電流Igrid_dが、予め設定した系統d軸電流指令Igrid_d*となるように制御して系統d軸電圧指令Vgrid_d*を生成し、
    前記生成された系統q軸電圧指令Vgrid_q*および系統d軸電圧指令Vgrid_d*を三相変換した系統電圧指令Vgrid_U*、Vgrid_V*、Vgrid_W*をPWM変調して、前記系統側コンバータの制御信号を生成する
    ことを特徴とする請求項2に記載の風力発電システムの制御装置。
  5. 前記発電機側コンバータおよび系統側コンバータの直流側どうしを結ぶ正、負直流母線間に直列に接続された半導体スイッチおよび回生抵抗器と、
    前記発電機の回転軸に設けられた風車の回転数を検出した風車回転数w、風車の回転数最大値w_maxおよび風車の回転数制限値w_satを入力とし、前記風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したか否かを判定し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達していないときは、前記半導体スイッチをオフとする制御信号を出力し、風車回転数wが回転数最大値w_maxに達したときは、風車回転数wおよび回転数制限値w_satの偏差を入力とするPI制御器の出力Out_PIと三角波信号との比較出力によって前記半導体スイッチをチョッパ制御する制御信号を出力する回生抵抗器制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1項に記載の風力発電システムの制御装置。
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