JP2018085837A - 2巻線モータを制御する制御装置 - Google Patents

2巻線モータを制御する制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】インバータの2巻線モータ側から電源側へ流れる対地電流を抑制する。【解決手段】PWM制御器19−1は、第1系統の3相交流電圧指令及び基準キャリア位相θ0(例えば90°)のキャリアに基づいて3相交流電圧ex1*を生成し、3相交流電圧ex1*を2巻線モータ2へ供給する。キャリア位相レギュレータ21は、速度指令ω*が小さいほど位相シフト成分θ(ω*)(例えば−90°)に近くなり、速度指令ω*が大きいほど位相シフト成分θ(ω*)から離れるように、可変キャリア位相θを算出する。PWM制御器19−2は、第2系統の3相交流電圧指令及び可変キャリア位相θのキャリアに基づいて3相交流電圧ex2*を生成し、3相交流電圧ex2*を2巻線モータ2へ供給する。【選択図】図1

Description

本発明は、2巻線モータを、2台のインバータを用いて並列制御する制御装置に関し、特に、キャリア位相をシフトしてインバータのPWM(Pulse Width Modulation:パルス幅変調)制御を行う制御装置に関する。
従来、モータを用いて負荷を制御するモータ制御システムでは、負荷の高速化または大容量化等に対応するため、例えば2巻線モータが用いられる。2巻線モータを制御する制御装置は、2台のインバータを用いた並列制御を行い、2巻線モータをd軸及びq軸にてベクトル制御する。
具体的には、制御装置は、所定の速度指令ωをPI制御器により速度制御して電流指令を生成し、電流指令を2系統に分岐する。
制御装置は、第1系統において、電流指令をPI制御器により電流制御して電圧指令を生成し、電圧指令を座標変換してU相、V相及びW相の3相交流電圧指令を生成する。そして、制御装置は、第1のインバータにて3相交流電圧指令をPWM制御することで、第1の交流電圧が2巻線モータへ出力される。
同様に、制御装置は、第2系統において、電流指令を電流制御して電圧指令を生成する等の第1系統と同じ処理を行うことで、第2の交流電圧が2巻線モータへ出力される。これにより、2巻線モータは、第1の交流電圧及び第2の交流電圧に従って回転する。
ところで、2台の交流モータを、2台のインバータを用いてそれぞれ制御する制御装置が知られている(特許文献1を参照)。この制御装置は、第1のキャリアを用いたPWM制御により、第1の交流モータを制御すると共に、第1のキャリアの位相よりも1/4周期シフトさせた第2のキャリアを生成し、第2のキャリアを用いたPWM制御により、第2の交流モータを制御する。
これにより、2台のインバータのスイッチング素子のオンオフ動作に伴って2台のインバータから直流電源側へ流れる高周波のリップル電流を低減することができ、直流電源及び当該直流電源に並列に接続されたコンデンサの発熱を抑えることができる。
特許第5574182号公報
前述した2巻線モータを制御する制御装置は、2台のインバータ(並列インバータ)をPWM制御する際に、電流指令に基づいて生成した3相交流電圧指令の振幅と、キャリア発生器により発生したキャリアの振幅とを比較し、PWM信号を生成する。
ここで、第1のインバータに用いるキャリアの位相と、第2のインバータに用いるキャリアの位相とが同じ場合には、並列インバータの2巻線モータ側から直流電源側へ対地電流が流れてしまう。
図9は、2台のインバータのPWM制御にそれぞれ用いるキャリア位相が同じ場合において、対地電流が流れる方向を説明する電源系統図であり、図10は、図9におけるコモンモードの等価回路図である。
図9において、この電源系統は、商用電源30、コンバータ31及びインバータ32−1,32−2(並列インバータ)により構成される。電源コンデンサ33は、商用電源30におけるRST相の電源の一端と接地との間のコンデンサである。リアクタ34は、商用電源30とコンバータ31との間に設けられ、電流変化を抑制するために用いられる。
平滑コンデンサ35は、コンバータ31とインバータ32−1,32−2との間のバスに挿入され、直流電力の電圧を平滑するために用いられる。コモンチョークコア36−1,36−2は、インバータ32−1,32−2と2巻線モータ2との間に設けられている。
浮遊コンデンサ37−1,37−2は、インバータ32−1,32−2と2巻線モータ2との間に布設されたケーブルにおけるUVW相の浮遊コンデンサである。浮遊コンデンサ38は、コンバータ31とインバータ32−1,32−2との間に布設されたケーブルにおけるP極及びN極の浮遊コンデンサである。
電源コンデンサ33の容量をC[F](例えば2mF)とする。尚、商用電源30におけるRST相の電源の一端が接地されている場合、C=∞である。また、リアクタ34における各相のインダクタンスをACL[H]とし、コモンチョークコア36−1,36−2の各相のインダクタンスをL[H](例えば1mH)とする。さらに、浮遊コンデンサ37−1,37−2の浮遊静電容量をC[F](例えば100nF)、浮遊コンデンサ38の浮遊静電容量をcσ[F]とする。
インバータ32−1に用いるキャリアの位相とインバータ32−2に用いるキャリアの位相とが同じ場合(θの場合)には、インバータ32−1,32−2から2巻線モータ2へ出力されるU相交流電圧eu1 ,eu2 が同相となる。V相交流電圧ev1 ,ev2 及びW相交流電圧ew1 ,ew2 についても同様である。
図9及び図10の矢印で示すように、インバータ32−1から浮遊コンデンサ37−1を介して、及びインバータ32−2から浮遊コンデンサ37−2を介して、浮遊コンデンサ38及び電源コンデンサ33へ向けて対地電流が流れる。そして、対地電流は、浮遊コンデンサ38を介してインバータ32−1,32−2へ流れ、電源コンデンサ33、商用電源30、リアクタ34及びコンバータ31を介してインバータ32−1,32−2へ流れる。
図10に示すように、コモンチョークコア36−1の合計のインダクタンスはL/3であり、浮遊コンデンサ37−1の合計の浮遊静電容量は3×Cである。また、コモンチョークコア36−2の合計のインダクタはL/3であり、浮遊コンデンサ37−2の合計の浮遊静電容量は3×Cである。さらに、浮遊コンデンサ38の合計の浮遊静電容量は2×cσであり、リアクタ34の合計のインダクタはACL/3である。
このときのインバータ32−1から出力される3相交流電圧のコモンモード電圧ec1 は、以下の数式にて表される。
〔数1〕
ec1 =(eu1 +ev1 +ew1 )/3 ・・・(1)
また、インバータ32−2から出力される3相交流電圧のコモンモード電圧ec2 は、以下の数式にて表される。
〔数2〕
ec2 =(eu2 +ev2 +ew2 )/3 ・・・(2)
インバータ32−1,32−2から出力される交流電圧のコモンモード電圧ecは、以下の数式にて表される。
〔数3〕
ec=(ec1 +ec2 )/2 ・・・(3)
図12は、図10の等価回路図を伝達関数で表した図である。sを複素数として、浮遊コンデンサ37−1,37−2の伝達関数は1/6Cs、コモンチョークコア36−1,36−2の伝達関数は1/(L/6)sでそれぞれ表される。また、浮遊コンデンサ38の伝達関数は1/2Cσs、リアクタ34の伝達関数は1/(ACL/3)s、電源コンデンサ33の伝達関数は1/Csでそれぞれ表される。
対地電流iが浮遊コンデンサ37−1,37−2に入力される。浮遊コンデンサ37−1,37−2の電圧をenとする。また、対地電流iからリアクタ34の出力電流を減算した結果の電流が浮遊コンデンサ38に入力される。浮遊コンデンサ38の電圧をecとする。
コモンモード電圧ecから浮遊コンデンサ37−1,37−2の電圧enを減算し、さらに、浮遊コンデンサ38の電圧ecを減算した結果の電圧がコモンチョークコア36−1,36−2に供給され、対地電流iが発生する。
また、リアクタ34の出力電流が電源コンデンサ33に入力され、浮遊コンデンサ38の電圧ecから電源コンデンサ33の電圧を減算した結果の電圧がリアクタ34に供給される。
図11は、図10において、商用電源30におけるRST相の電源の一端が接地されている場合(C=∞)のコモンモードの等価回路図である。ここで、電源コンデンサ33の容量Cと浮遊コンデンサ38の浮遊静電容量cσの関係がC>>cσであり、リアクタ34における各相のインダクタンスACL=0であるとする。
図11に示すように、対地電流iは、インバータ32−1,32−2からコモンチョークコア36−1,36−2、浮遊コンデンサ37−1,37−2及び電源コンデンサ33を流れる。
コモンチョークコア36−1,36−2の合計のインダクタはL/6であり、浮遊コンデンサ37−1,37−2の合計の浮遊静電容量は6×Cである。
図13は、図11の等価回路図を伝達関数で表した図である。図11では、電源コンデンサ33の容量Cと浮遊コンデンサ38の浮遊静電容量cσの関係がC>>cσであり、リアクタ34における各相のインダクタンスACL=0である。
この場合、図12の構成において、コモンモード電圧ecを入力とし対地電流iを出力とした場合の全体の伝達関数から、浮遊コンデンサ38の伝達関数1/2Cσs及びリアクタ34の伝達関数1/(ACL/3)sを除外することができる。その結果、図13に示す構成となる。
図9から図13までに示したとおり、インバータ32−1に用いるキャリアの位相とインバータ32−2に用いるキャリアの位相とが同じである場合、対地電流iが流れてしまう。このため、2巻線モータ2を精度高く制御することができないという問題があった。
ここで、前述の特許文献1に記載されているとおり、一方のキャリアの位相を基準として、他方のキャリアの位相をシフトさせることが考えられる。しかし、特許文献1に記載の手法は、2台の交流モータを制御するシステムにおいて、インバータから直流電源側へ流れる高周波のリップル電流を低減することを目的とするものである。このため、この手法を、2巻線モータ2を制御するシステムであって、対地電流を抑制する目的としたシステムにそのまま適用できるとは限らない。
そこで、本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、インバータの2巻線モータ側から電源側へ流れる対地電流を抑制可能な制御装置を提供することにある。
前記課題を解決するために、請求項1の制御装置は、所定の速度指令からq軸電流指令を生成し、所定のd軸電流指令から2系統のd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令から2系統のq軸電圧指令を生成し、前記2系統のd軸電圧指令及び前記2系統のq軸電圧指令から2系統の3相交流電圧指令を生成し、前記2系統の3相交流電圧指令に基づいて2系統のPWM制御により2巻線モータを制御する制御装置において、予め設定された基準キャリア位相のキャリアを発生する第1のキャリア発生器と、前記第1のキャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリア及び前記2系統の3相交流電圧指令のうち第1の3相交流電圧指令に基づいて、第1のPWM信号を生成し、前記第1のPWM信号に基づいて、第1のインバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして第1の3相交流電圧を生成し、前記第1の3相交流電圧を前記2巻線モータへ供給する第1のPWM制御器と、所定の可変キャリア位相を生成するキャリア位相レギュレータと、前記キャリア位相レギュレータにより生成された前記可変キャリア位相のキャリアを発生する第2のキャリア発生器と、前記第2のキャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリア及び前記2系統の3相交流電圧指令のうち第2の3相交流電圧指令に基づいて、第2のPWM信号を生成し、前記第2のPWM信号に基づいて、第2のインバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして第2の3相交流電圧を生成し、前記第2の3相交流電圧を前記2巻線モータへ供給する第2のPWM制御器と、を備え、前記キャリア位相レギュレータが、前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた前記可変キャリア位相を生成し、前記第1のPWM制御器が、前記第2のPWM制御器により生成された前記第2の3相交流電圧に対し、逆相のタイミングを含む前記第1の3相交流電圧を生成し、前記第2のPWM制御器が、前記第1のPWM制御器により生成された前記第1の3相交流電圧に対し、逆相のタイミングを含む前記第2の3相交流電圧を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項2の制御装置は、請求項1に記載の制御装置において、前記キャリア位相レギュレータが、前記速度指令が小さいほど、前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた位相に近くなり、前記速度指令が大きいほど、前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた位相から離れるように、前記可変キャリア位相を生成する、ことを特徴とする。
また、請求項3の制御装置は、請求項1に記載の制御装置において、前記キャリア位相レギュレータが、前記速度指令に対し一次遅れフィルタ処理を施し、一次遅れ速度指令を算出する第1の演算器と、前記第1の演算器により算出された前記一次遅れ速度指令の絶対値を|ω LAG|とし、予め設定されたフィルタゲインをPとし、前記基準キャリア位相に対して所定量シフトさせた位相をθ(ω)とし、前記可変キャリア位相をθとした場合に、以下の数式:θ=(1/(1+|ω LAG|/P))×θ(ω)にて、前記可変キャリア位相を算出する第2の演算器と、を備えたことを特徴とする。
以上のように、本発明によれば、インバータの2巻線モータ側から電源側へ流れる対地電流を抑制することが可能となる。
本発明の実施形態による制御装置を含むモータ制御システムの構成例を示す全体図である。 キャリア位相レギュレータの構成例を示すブロック図である。 一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|と可変キャリア位相θとの間の関係を説明する図である。 基準キャリア位相θ及び可変キャリア位相θを説明する図である。 キャリア位相をシフトさせた場合の例において、電流が流れる方向を説明する電源系統図である。 図5におけるコモンモードの等価回路図である。 交流電圧指令v=0の場合の3相交流電圧ex1 ,ex2 を説明する図である。 交流電圧指令v≠0の場合の3相交流電圧ex1 ,ex2 を説明する図である。 キャリア位相が同じ場合において、対地電流が流れる方向を説明する電源系統図である。 図9におけるコモンモードの等価回路図である。 図9において、商用電源が接地されている場合のコモンモードの等価回路図である。 図10の等価回路図を伝達関数で表した図である。 図11の等価回路図を伝達関数で表した図である。 キャリア位相をシフトさせた場合の実験結果を示す図である。 キャリア位相が同じ場合の実験結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて詳細に説明する。
〔モータ制御システム〕
図1は、本発明の実施形態による制御装置を含むモータ制御システムの構成例を示す全体図である。このモータ制御システムは、制御装置1、2巻線モータ2及びPG(パルスジェネレータ)3を備えて構成される。図1において、商用電源、コンバータ及びインバータ等の電源系統の記載は省略してある。
制御装置1は、2巻線モータ2をd軸及びq軸にてベクトル制御する装置である。制御装置1は、予め設定された速度指令ωを速度制御し、d軸電流指令(励磁電流指令)i 及びq軸電流指令(トルク電流指令)i を生成する。そして、制御装置1は、d軸電流指令i 及びq軸電流指令i を2系統に分岐させる。
制御装置1は、第1の系統において、d軸電流指令i 及びq軸電流指令i を電流制御し、d軸電圧指令vd1 及びq軸電圧指令vq1 を生成し、これらを座標変換して3相交流電圧指令を生成する。そして、制御装置1は、3相交流電圧指令と基準キャリア位相θのキャリアとに基づいて、PWM信号を生成し、インバータの直流バス電圧をスイッチングして3相交流電圧を生成し、第1の3相交流電圧として2巻線モータ2へ供給する。
同様に、制御装置1は、第2の系統において、d軸電流指令i 及びq軸電流指令i を電流制御し、d軸電圧指令vd2 及びq軸電圧指令vq2 を生成し、これらを座標変換して3相交流電圧指令を生成する。そして、制御装置1は、3相交流電圧指令と、第1の系統の基準キャリア位相θを所定量シフトさせた可変キャリア位相θのキャリアとに基づいて、PWM信号を生成する。制御装置1は、PWM信号に基づいて、インバータの直流バス電圧をスイッチングして3相交流電圧を生成し、第2の3相交流電圧として2巻線モータ2へ供給する。
PG3は、2巻線モータ2の回転に応じたパルス信号を発生する。このパルス信号のカウント値から2巻線モータ2の回転速度である速度フィードバックωが得られ、速度フィードバックωが制御装置1へ入力される。尚、図1には、PG2から制御装置1へ、速度フィードバックωが入力されるように略して示してある。
〔制御装置1の構成〕
制御装置1は、減算器10、速度制御器11、乗算器12、減算器13−1,13−2,14−1,14−2、電流制御器15−1,15−2,16−1,16−2、座標変換器17−1,17−2,18−1,18−2、PWM制御器19−1,19−2、キャリア発生器20−1,20−2、キャリア位相レギュレータ21及び電流検出器22−1,22−2を備えている。
減算器10は、所定の速度指令ωを入力すると共に、PG3から速度フィードバックωを入力し、速度指令ωから速度フィードバックωを減算し、速度偏差を求める。そして、減算器10は、速度偏差を速度制御器11に出力する。
速度制御器11は、減算器10から速度偏差を入力し、速度偏差が0となるように、PI制御器による速度制御を行い電流指令を生成し、電流指令を乗算器12に出力する。乗算器12は、速度制御器11から電流指令を入力し、電流指令に対し、予め設定されたパラメータ(1/KT)を乗算する。そして、乗算器12は、乗算結果をq軸電流指令i として減算器14−1,14−2に出力する。
減算器13−1は、図示しない演算器により算出されたd軸電流指令i を入力すると共に、座標変換器18−1からd軸電流フィードバックid1を入力し、d軸電流指令i からd軸電流フィードバックid1を減算し、d軸電流偏差を求める。そして、減算器13−1は、d軸電流偏差を電流制御器15−1に出力する。
減算器14−1は、乗算器12からq軸電流指令i を入力すると共に、座標変換器18−1からq軸電流フィードバックiq1を入力し、q軸電流指令i からq軸電流フィードバックiq1を減算し、q軸電流偏差を求める。そして、減算器14−1は、q軸電流偏差を電流制御器16−1に出力する。
電流制御器15−1は、減算器13−1からd軸電流偏差を入力し、d軸電流偏差が0となるように、PI制御器による電流制御を行いd軸電圧指令vd1 を算出する。そして、電流制御器15−1は、d軸電圧指令vd1 を座標変換器17−1に出力する。
電流制御器16−1は、減算器14−1からq軸電流偏差を入力し、q軸電流偏差が0となるように、PI制御器による電流制御を行いq軸電圧指令vq1 を算出する。そして、電流制御器16−1は、q軸電圧指令vq1 を座標変換器17−1に出力する。
座標変換器17−1は、電流制御器15−1からd軸電圧指令vd1 を入力すると共に、電流制御器16−1からq軸電圧指令vq1 を入力し、さらに、図示しない演算器から電気角θを入力する。そして、座標変換器17−1は、電気角θに基づいて、回転座標系のd軸電圧指令v 及びq軸電圧指令v を3相交流電圧指令に座標変換する。座標変換器17−1は、3相交流電圧指令をPWM制御器19−1に出力する。
座標変換器18−1は、PWM制御器19−1と2巻線モータ2との間に設けられた電流検出器22−1により検出されたU相交流電流フィードバックiu1、V相交流電流フィードバックiv1及びW相交流電流フィードバックiw1を入力する。また、座標変換器18−1は、図示しない演算器から電気角θを入力する。そして、座標変換器18−1は、電気角θに基づいて、U相交流電流フィードバックiu1、V相交流電流フィードバックiv1及びW相交流電流フィードバックiw1を回転座標系のd軸電流フィードバックid1及びq軸電流フィードバックiq1に座標変換する。座標変換器18−1は、d軸電流フィードバックid1を減算器13−1に出力すると共に、q軸電流フィードバックiq1を減算器14−1に出力する。
減算器13−2,14−2、電流制御器15−2,16−2及び座標変換器17−2,18−2は、減算器13−1,14−1、電流制御器15−1,16−1及び座標変換器17−1,18−1とそれぞれ同じ処理を行うから、ここでは説明を省略する。
PWM制御器19−1は、座標変換器17−1から3相交流電圧指令を入力すると共に、キャリア発生器20−1から基準キャリア位相θ(例えば90°)のキャリアを入力する。そして、PWM制御器19−1は、3相交流電圧指令の相毎に、交流電圧指令の振幅と基準キャリア位相θのキャリアの振幅とを比較することで、比較結果に応じたPWM信号をそれぞれ生成する。PWM制御器19−1は、PWM信号に基づいて、インバータのスイッチング素子のゲートをオンオフし、インバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして3相交流電圧に変換し、第1の3相交流電圧として2巻線モータ2へ供給する。
キャリア発生器20−1は、予め設定された基準キャリア位相θを入力し、基準キャリア位相θのキャリア(例えば90°)を発生してPWM制御器19−1に出力する。
PWM制御器19−2は、座標変換器17−2から3相交流電圧指令を入力すると共に、キャリア発生器20−2から可変キャリア位相θ(例えば−90°)のキャリアを入力する。そして、PWM制御器19−2は、3相交流電圧指令の相毎に、交流電圧指令の振幅と可変キャリア位相θのキャリアの振幅とを比較することで、比較結果に応じたPWM信号をそれぞれ生成する。PWM制御器19−2は、PWM信号に基づいて、インバータのスイッチング素子のゲートをオンオフし、インバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして3相交流電圧に変換し、第2の3相交流電圧として2巻線モータ2へ供給する。
キャリア発生器20−2は、キャリア位相レギュレータ21から可変キャリア位相θを入力し、可変キャリア位相θ(例えば−90°)のキャリアを発生してPWM制御器19−2に出力する。
キャリア位相レギュレータ21は、所定の速度指令ωを入力すると共に、図示しない演算器により算出された位相シフト成分θ(ω)(例えば−90°)を入力する。そして、キャリア位相レギュレータ21は、速度指令の絶対値|ω|が小さいほど位相シフト成分θ(ω)(例えば−90°)に近くなり、速度指令の絶対値|ω|が大きいほど位相シフト成分θ(ω)から離れて所定の位相(例えば0°)に近くなるように、可変キャリア位相θを自動的にシフトする。キャリア位相レギュレータ21は、可変キャリア位相θをキャリア発生器20−2に出力する。キャリア位相レギュレータ21の詳細については後述する。
尚、位相シフト成分θ(ω)を算出する図示しない演算器は、所定の速度指令ωを入力し、予め設定された基準キャリア位相θ(例えば90°)を基準として、速度指令ωに応じた位相シフト成分θ(ω)(例えば−90°)を与える。
この演算器は、例えば速度指令ωと位相シフト成分θ(ω)とが格納されたテーブル、または速度指令ωと位相シフト成分θ(ω)との間の関係が定義された数式を用いて、速度指令ωに応じた位相シフト成分θ(ω)を定める。そして、演算器は、位相シフト成分θ(ω)をキャリア位相レギュレータ21に出力する。位相シフト成分θ(ω)は、予め設定された値としてキャリア位相レギュレータ21に入力されるようにしてもよい。
電流検出器22−1は、PWM制御器19−1と2巻線モータ2との間に設けられ、3相交流電流フィードバックであるU相交流電流フィードバックiu1、V相交流電流フィードバックiv1及びW相交流電流フィードバックiw1を検出する。U相交流電流フィードバックiu1、V相交流電流フィードバックiv1及びW相交流電流フィードバックiw1は、座標変換器18−1に入力される。
電流検出器22−2は、PWM制御器19−2と2巻線モータ2との間に設けられ、3相交流電流フィードバックであるU相交流電流フィードバックiu2、V相交流電流フィードバックiv2及びW相交流電流フィードバックiw2を検出する。U相交流電流フィードバックiu2、V相交流電流フィードバックiv2及びW相交流電流フィードバックiw2は、座標変換器18−2に入力される。
〔キャリア位相レギュレータ21〕
次に、図1に示したキャリア位相レギュレータ21について詳細に説明する。本発明者は、対地電流が流れる3相交流電圧ex1 ,ex2 (PWM制御器19−1,19−2からそれぞれ出力されるU相、V相及びW相の交流電圧の総称)の同相のタイミングの時間が最短となるように、速度指令ωに応じた最適な可変キャリア位相θについて検討した。その結果、本発明者は、シミュレーションにより、可変キャリア位相θとして、速度指令ωが小さいほど、基準キャリア位相θに対して180°シフトした位相に近くなる値を用い、速度指令ωが大きいほど、基準キャリア位相θに対して180°シフトした位相から離れ、90°シフトした位相に近くなる値を用いることで、対地電流を最も抑制できることを見出した。そこで、キャリア位相レギュレータ21に、以下の処理を行わせるようにした。
図2は、キャリア位相レギュレータ21の構成例を示すブロック図である。このキャリア位相レギュレータ21は、演算器23,24を備えている。演算器23,24の数式は伝達関数を表しており、sは複素数である。
演算器23は、所定の速度指令ωを入力し、以下の数式にて、速度指令ωに対し一次遅れフィルタ処理を施し、一次遅れ速度指令ω LAGとして算出する。そして、演算器23は、一次遅れ速度指令ω LAGを演算器24に出力する。
〔数4〕
ω LAG=(1/(1+s/ω))×ω ・・・(4)
ここで、ωは速度応答角周波数であり、ω=ωcc/10の数式にて予め設定される。ωccは電流応答角周波数であり、予め設定される。
演算器24は、位相シフト成分θ(ω)を入力すると共に、演算器23から一次遅れ速度指令ω LAGを入力し、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|を算出する。そして、演算器24は、以下の数式にて、位相シフト成分θ(ω)及び一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|から可変キャリア位相θを算出する。
〔数5〕
θ=(1/(1+|ω LAG|/P))×θ(ω) ・・・(5)
ここで、Pはフィルタゲインである。
図3は、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|と可変キャリア位相θとの間の関係を説明する図であり、フィルタゲインP=1の場合における前記数式(5)の入出力の関係を示している。横軸は一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|を示し、縦軸は可変キャリア位相θを示す。
図3に示すように、可変キャリア位相θは、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|が小さいほど(0に近いほど)、位相シフト成分θ(ω)=−90°に近くなる。また、可変キャリア位相θは、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|が大きいほど、位相シフト成分θ(ω)=−90°から離れて0°に近くなる。
ここで、位相シフト成分θ(ω)=−90°は、基準キャリア位相θ=90°の位相を180°シフトさせた位相である。したがって、可変キャリア位相θは、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|が小さいほど、基準キャリア位相θ=90°の位相を180°シフトさせた位相である−90°に近くなる。また、可変キャリア位相θは、一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|が大きいほど、基準キャリア位相θ=90°の位相を90°シフトさせた位相である0°に近くなる。
尚、速度指令ωが変化していない場合、または速度指令ωが変化した後十分に時間が経過した場合は、図2に示したキャリア位相レギュレータ21において、演算器23を無視することができる。つまり、図3において、横軸の一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|を、速度指令の絶対値|ω|に置き換えることができる。
したがって、可変キャリア位相θは、速度指令の絶対値|ω|が小さいほど(0に近いほど)、基準キャリア位相θ=90°の位相を180°シフトさせた位相シフト成分θ(ω)=−90°に近くなる。また、可変キャリア位相θは、速度指令の絶対値|ω|が大きいほど、位相シフト成分θ(ω)=−90°から離れて、基準キャリア位相θ=90°の位相を90°シフトさせた位相である0°に近くなる。
図4は、基準キャリア位相θ及び可変キャリア位相θを説明する図である。破線は基準キャリア位相θ=90°のキャリアの波形を示し、実線は可変キャリア位相θ=−90°のキャリアの波形を示し、横軸は時間である。
図4に示すように、可変キャリア位相θ=−90°のキャリアの波形は、基準キャリア位相θ=90°に対して所定量(−180°)だけ位相シフトさせた波形である。基準キャリア位相θ=90°に対して位相シフトさせた可変キャリア位相θ=−90°は、図2及び図3に示したとおり、位相シフト成分θ(ω)=−90°を基準として、速度指令ωに応じて算出される。
〔キャリア位相をシフトさせた場合の電流の流れ〕
次に、キャリア位相をシフトさせた場合(基準キャリア位相θ=90°及び可変キャリア位相θ=−90°)の電流の流れについて説明する。図5は、キャリア位相をシフトさせた場合(基準キャリア位相θ=90°及び可変キャリア位相θ=−90°の場合)において、電流が流れる方向を説明する電源系統図である。図6は、図5におけるコモンモードの等価回路図である。
図5に示す電源系統図は、図9に示した電源系統図と同じである。図9に示した電源系統図では、インバータ32−1,32−2に用いるキャリア位相が同じである。これに対し、図5に示す電源系統図では、インバータ32−1に用いるキャリア位相は基準キャリア位相θ=90°(基準値)であり、インバータ32−2に用いるキャリア位相は可変キャリア位相θ=−90°(初期値)である。
インバータ32−2に用いる可変キャリア位相θ=−90°は、インバータ32−1に用いる基準キャリア位相θ=90°に対して180°シフトしている。このため、インバータ32−1から出力されるU相交流電圧eu1 には、インバータ32−2から出力されるU相交流電圧eu2 に対し、逆相となるタイミングが含まれる。同様に、インバータ32−2から出力されるU相交流電圧eu2 には、インバータ32−1から出力されるU相交流電圧eu1 に対し、逆相となるタイミングが含まれる。詳細については後述する。
U相交流電圧eu1 ,eu2 が同相の場合は、図9及び図10に示したとおり、対地電流が流れてしまうが、逆相の場合は、対地電流は流れない。V相交流電圧ev1 ,ev2 及びW相交流電圧ew1 ,ew2 についても同様である。
U相交流電圧eu1 ,eu2 が逆相の場合、図5に示すように、インバータ32−1からコモンチョークコア36−1及び浮遊コンデンサ37−1を介して接地へ、そして、接地から浮遊コンデンサ37−2及びコモンチョークコア36−2を介してインバータ32−2へ電流が流れる(矢印を参照)。矢印が逆の場合もあり得る。
図6に示すように、インバータ32−1から出力されるコモンモード電圧はec1 であり、インバータ32−2から出力されるコモンモード電圧はec2 である。
インバータ32−1から出力された電流は、コモンチョークコア36−1(インダクタンスはL/3)、浮遊コンデンサ37−1,37−2(浮遊静電容量はそれぞれ3×C)、コモンチョークコア36−2(インダクタンスはL/3)を介して、インバータ32−2に入力される。矢印が逆の場合もあり得る。
このように、インバータ32−1に用いるキャリア位相が基準キャリア位相θ=90°、インバータ32−2に用いるキャリア位相が可変キャリア位相θ=−90°の場合には、3相交流電圧の各相に、系統間で逆相となるタイミングが含まれる。この逆相の状態では、インバータ32−1,32−2の2巻線モータ2側から浮遊コンデンサ38を介してインバータ32−1,32−2の直流電源側へ、及び、2巻線モータ2側から電源コンデンサ33を介して商用電源30側へ向けた対地電流は流れない。このため、インバータ32−1,32−2が同じ基準キャリア位相θを用いる場合に比べ、対地電流を抑制することができる。
〔キャリア位相をシフトさせた場合の3相交流電圧ex1 ,ex2
次に、キャリア位相をシフトさせた場合(基準キャリア位相θ=90°及び可変キャリア位相θ=−90°)において、3相交流電圧ex1 ,ex2 に逆相のタイミングが生じることを説明する。3相交流電圧ex1 は、U相交流電圧eu1 、V相交流電圧ev1 及びW相交流電圧ew1 の総称であり、3相交流電圧ex2 は、U相交流電圧eu2 、V相交流電圧ev2 及びW相交流電圧ew2 の総称である。
図7は、PWM制御器19−1,19−2が入力する3相交流電圧指令における各相の交流電圧指令v=0の場合について、3相交流電圧ex1 ,ex2 を説明する図であり、速度指令ω=0のときの動作を示している。
3相交流電圧ex1 ,ex2 は、キャリアが交流電圧指令v=0以下のときに正極の電圧となり、キャリアが交流電圧指令v=0よりも大きいときに負極の電圧となる。
図7に示すように、インバータ32−1に用いるキャリア位相が基準キャリア位相θ=90°及びインバータ32−2に用いるキャリア位相が可変キャリア位相θ=−90°の場合、3相交流電圧ex1 ,ex2 は、全てのタイミングにおいて逆相となる。
したがって、3相交流電圧ex1 ,ex2 が逆相のときには対地電流が流れないから、速度指令ω=0かつ交流電圧指令v=0の場合には、対地電流を完全に抑制することができる。
図8は、交流電圧指令v≠0の場合の3相交流電圧ex1 ,ex2 を説明する図であり、図7と同様に、速度指令ω=0のときの動作を示している。
図7に示すように、インバータ32−1に用いるキャリア位相が基準キャリア位相θ=90°及びインバータ32−2に用いるキャリア位相が可変キャリア位相θ=−90°であって、交流電圧指令v≠0の場合、3相交流電圧ex1 ,ex2 には、逆相のタイミング及び同相のタイミングが生じる。逆相のタイミングでは、図7に示したとおり対地電流が流れない。対地電流は、3相交流電圧ex1 ,ex2 が同相のタイミングで流れ、2倍の電圧偏差で生じるリップル電流となる。
したがって、3相交流電圧ex1 ,ex2 が逆相のときには対地電流が流れないから、速度指令ω=0かつ交流電圧指令v≠0の場合には、キャリア位相をシフトさせない場合に比べ、対地電流を抑制することができる。
〔シミュレーション結果〕
次に、シミュレーション結果について説明する。図14は、キャリア位相をシフトさせた場合(θ=90°,θ=−90°)の実験結果を示し、図15は、キャリア位相が同じ場合の実験結果を示す。図14及び図15において、グラフの上から速度指令ω、速度フィードバックω、対地電流i、合成電流フィードバックi及びモータトルクτの特性を示しており、横軸は時間である。合成電流フィードバックiは、q軸電流フィードバックiq1にq軸電流フィードバックiq2を加算した値である。
図14及び図15から、速度指令ωを変化させたパターンにおいて、全てのタイミングにて、図14のキャリア位相をシフトさせた場合の方が図15のキャリア位相が同じ場合よりも、対地電流iが抑制されていることがわかる。
以上のように、本発明の実施形態による制御装置1によれば、PWM制御器19−1は、第1系統の3相交流電圧指令及び基準キャリア位相θ(例えば90°)のキャリアに基づいて3相交流電圧ex1 を生成し、3相交流電圧ex1 を2巻線モータ2へ供給する。
キャリア位相レギュレータ21は、速度指令の絶対値|ω|が小さいほど位相シフト成分θ(ω)(例えば−90°)に近くなり、速度指令の絶対値|ω|が大きいほど位相シフト成分θ(ω)から離れて所定の位相(例えば0°)に近くなるように、可変キャリア位相θを自動的にシフトする。具体的には、キャリア位相レギュレータ21の演算器23は、前記数式(4)にて、速度指令ωに対し一次遅れフィルタ処理を施し、一次遅れ速度指令ω LAGを算出する。そして、演算器24は、前記数式(5)にて、位相シフト成分θ(ω)(例えば−90°)及び一次遅れ速度指令の絶対値|ω LAG|から可変キャリア位相θを算出する。
PWM制御器19−2は、第2系統の3相交流電圧指令及び可変キャリア位相θ(例えば−90°)のキャリアに基づいて3相交流電圧ex2 を生成し、3相交流電圧ex2 を2巻線モータ2へ供給する。
これにより、PWM制御器19−1,19−2へ入力されるキャリアの位相を、180°を基準にシフトさせるようにしたから、3相交流電圧ex1 ,ex2 とは、各相の交流電圧において逆相のタイミングを含むようになる。キャリアの位相が同じ場合、3相交流電圧ex1 ,ex2 は、各相の交流電圧において同相となり、対地電流が流れる。本発明の実施形態では、3相交流電圧ex1 ,ex2 は逆相のタイミングを含むから、対地電流を抑制することが可能となる。
また、可変キャリア位相θは、速度指令ωが小さいほど、基準キャリア位相θに対して180°シフトした位相に近くなるようにし、速度指令ωが大きいほど、基準キャリア位相θに対して180°シフトした位相から離れ、90°シフトした位相に近くなるようにした。これにより、3相交流電圧ex1 ,ex2 において、対地電流が流れる同相のタイミングの時間を、速度指令ωに応じて最短とすることができる。これは、前述の通り、シミュレーションにより得られたものである。
すなわち、並列に設置された2台のインバータ32−1,32−2を介して、直流バス(直流電源)への還流量を最大にして、対地電流を極小に抑えることができる。したがって、交流電源側へ流れる対地電流を、効率的に抑制することが可能となる。
以上、実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。前記実施形態では、2巻線モータ2を制御する場合について、2つのインバータ32−1,32−2は、それぞれ180°シフトさせた位相を用いるようにした。これに対し、3巻線モータを制御する場合、3つのインバータは、それぞれ120°シフトさせた位相のキャリアを用いる。また、4巻線モータを制御する場合、4つのインバータは、それぞれ90°シフトさせた位相のキャリアを用いる。
1 制御装置
2 2巻線モータ
3 PG(パルスジェネレータ)
10,13,14 減算器
11 速度制御器
12 乗算器
15,16 電流制御器
17,18 座標変換器
19 PWM制御器
20 キャリア発生器
21 キャリア位相レギュレータ
22 電流検出器
23,24 演算器
30 商用電源
31 コンバータ
32 インバータ
33 電源コンデンサ
34 リアクタ
35 平滑コンデンサ
36 コモンチョークコア
37 浮遊コンデンサ
38 浮遊コンデンサ
ω 速度指令
ω 速度フィードバック
d軸電流指令
q軸電流指令
d1,id2 d軸電流フィードバック
q1,iq2 q軸電流フィードバック
d1 ,vd2 d軸電圧指令
q1 ,vq2 q軸電圧指令
交流電圧指令
eu1 ,eu2 U相交流電圧
ev1 ,ev2 V相交流電圧
ew1 ,ew2 W相交流電圧
ex1 ,ex2 3相交流電圧
iu1,iu2 U相交流電流フィードバック
iv1,iv2 V相交流電流フィードバック
iw1,iw2 W相交流電流フィードバック
KT トルク定数
θ 電気角
θ 基準キャリア位相
θ 可変キャリア位相
θ(ω) 位相シフト成分
ω 速度応答角周波数
ωcc 電流応答角周波数
ω LAG 一次遅れ速度指令
フィルタゲイン
合成電流フィードバック
τ モータトルク

Claims (3)

  1. 所定の速度指令からq軸電流指令を生成し、所定のd軸電流指令から2系統のd軸電圧指令を生成し、前記q軸電流指令から2系統のq軸電圧指令を生成し、前記2系統のd軸電圧指令及び前記2系統のq軸電圧指令から2系統の3相交流電圧指令を生成し、前記2系統の3相交流電圧指令に基づいて2系統のPWM制御により2巻線モータを制御する制御装置において、
    予め設定された基準キャリア位相のキャリアを発生する第1のキャリア発生器と、
    前記第1のキャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリア及び前記2系統の3相交流電圧指令のうち第1の3相交流電圧指令に基づいて、第1のPWM信号を生成し、前記第1のPWM信号に基づいて、第1のインバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして第1の3相交流電圧を生成し、前記第1の3相交流電圧を前記2巻線モータへ供給する第1のPWM制御器と、
    所定の可変キャリア位相を生成するキャリア位相レギュレータと、
    前記キャリア位相レギュレータにより生成された前記可変キャリア位相のキャリアを発生する第2のキャリア発生器と、
    前記第2のキャリア発生器により発生した前記基準キャリア位相のキャリア及び前記2系統の3相交流電圧指令のうち第2の3相交流電圧指令に基づいて、第2のPWM信号を生成し、前記第2のPWM信号に基づいて、第2のインバータに入力される直流バス電圧をスイッチングして第2の3相交流電圧を生成し、前記第2の3相交流電圧を前記2巻線モータへ供給する第2のPWM制御器と、を備え、
    前記キャリア位相レギュレータは、
    前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた前記可変キャリア位相を生成し、
    前記第1のPWM制御器は、
    前記第2のPWM制御器により生成された前記第2の3相交流電圧に対し、逆相のタイミングを含む前記第1の3相交流電圧を生成し、
    前記第2のPWM制御器は、
    前記第1のPWM制御器により生成された前記第1の3相交流電圧に対し、逆相のタイミングを含む前記第2の3相交流電圧を生成する、ことを特徴とする制御装置。
  2. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記キャリア位相レギュレータは、
    前記速度指令が小さいほど、前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた位相に近くなり、前記速度指令が大きいほど、前記基準キャリア位相に対して180°シフトさせた位相から離れるように、前記可変キャリア位相を生成する、ことを特徴とする制御装置。
  3. 請求項1に記載の制御装置において、
    前記キャリア位相レギュレータは、
    前記速度指令に対し一次遅れフィルタ処理を施し、一次遅れ速度指令を算出する第1の演算器と、
    前記第1の演算器により算出された前記一次遅れ速度指令の絶対値を|ω LAG|とし、予め設定されたフィルタゲインをPとし、前記基準キャリア位相に対して所定量シフトさせた位相をθ(ω)とし、前記可変キャリア位相をθとした場合に、以下の数式:
    θ=(1/(1+|ω LAG|/P))×θ(ω
    にて、前記可変キャリア位相を算出する第2の演算器と、
    を備えたことを特徴とする制御装置。
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