JP2018083451A - 乗物用シート - Google Patents

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Shun Fujishiro
俊 藤代
晋也 磯部
Shinya Isobe
晋也 磯部
福井 一仁
Kazuhito Fukui
一仁 福井
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【課題】 シートバックが起立状態に復帰する際に、シートバックの上端が大きく振動しまうことを抑制可能な乗物用シートを提供する。【解決手段】 係合部材13が非係合位置にある状態でバックフレーム7が揺動した場合に、互いに滑り接触する摺接部18A及び被摺接部18Bを備える。これにより、摺接部18Aと被摺接部18Bとが滑り接触することにより発生する摩擦力による抵抗力により、シートバック5が起立状態に復帰する時、つまり傾倒部材12と係合部材13とが係合する時のシートバック5の変位速さを小さくできる。したがって、傾倒部材12と係合部材13とが係合する時の衝撃を緩和できるので、シートバック5が起立状態に復帰する際に、シートバック5の上端が大きく振動しまうことを抑制でき得る。【選択図】図6

Description

本発明は、自動車、鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられる乗物用シートに関する。
例えば、特許文献1に記載の乗物用シートでは、ポールとラチェットプレートとの噛み合いを開放することにより、シートバックがシート前方側に大倒し可能な状態となる。「大倒し」とは、通常のリクライニングによるシートバックの傾倒より大きくシートバックがシート前方側に傾倒すること等をいう。
なお、「大倒し」機能は、3列シートを備えたミニバンの入口側2列目シート、又は車普通乗用車の助手席側前席用シート等において、当該シートよりシート後方側への乗降性を向上させる機能(例えば、「ウォークイン機能」)等を実現させるための機能である。
特開2009−201783号公報
例えば、「大倒し」状態のシートバックが着席者等によりシート後方側に押されると、シートバックが起立状態に復帰するときに、シートバックの上端が大きく振動しまう可能性がある。
本願は、シートバックが起立状態に復帰する際に、シートバックの上端が大きく振動しまうことを抑制可能な乗物用シートを提供する。
本願では、バックフレーム(7)の揺動中心軸線と同軸線上に配設され、バックフレーム(7)を揺動させる揺動力を当該バックフレーム(7)に伝達するための傾倒部材(12)であって、バックフレーム(7)と独立して揺動可能な傾倒部材(12)と、バックフレーム(7)に連結され、傾倒部材(12)と係合する係合位置と当該係合が解除された非係合位置との間で変位可能な係合部材(13)であって、係合位置にあるときに揺動力をバックフレーム(7)に伝達可能とする係合部材(13)と、係合部材(13)が非係合位置にある状態でバックフレーム(7)が揺動した場合に、互いに滑り接触する摺接部(18A)及び被摺接部(18B)とを備え、バックフレーム(7)の揺動を阻害する力を抵抗力としたとき、摺接部(18A)及び被摺接部(18B)は、予め設定された大きさ以上の抵抗力を発生させる。
これにより、本願では、例えば、「大倒し」状態のシートバックが着席者等によりシート後方側に押されたときに、摺接部(18A)と被摺接部(18B)とが滑り接触することにより発生する摩擦力(以下、抵抗力という。)により、シートバックが起立状態に復帰する時、つまり傾倒部材(12)と係合部材(13)とが係合する時のシートバックの変位速さを小さくできる。
したがって、傾倒部材(12)と係合部材(13)とが係合する時の衝撃を緩和できるので、シートバックが起立状態に復帰する際に、シートバックの上端が大きく振動しまうことを抑制でき得る。
なお、本願は、以下のように構成してもよい。
すなわち、摺接部(18A)は、バックフレーム(7)に対して変位可能に連結され、かつ、当該バックフレーム(7)と一体的に揺動変位し、被摺接部は、摺接部(18A)が揺動変位する際に当該摺接部(18A)と滑り接触するカム面(18B)であって、傾倒部材(12)に対して不動なカム面(18B)にて構成され、摺接部(18A)をカム面(18B)側に押し付ける弾性力を発揮する弾性部材(13D)を備えており、摺接部(18A)が揺動変位する際に、摺接部(18A)とバックフレーム(7)との連結点(P1)が描く軌跡を揺動軌跡(L1)とし、当該揺動軌跡(L1)と平行な方向を揺動方向としたとき、カム面(18B)と揺動軌跡(L1)との距離(H)が揺動方向において変化しているとともに、当該距離(H)の減少に応じて弾性部材(13D)の弾性変形量が増大するように構成してもよい。
これにより、確実に抵抗力を発生させることができるので、シートバックの上端が大きく振動しまうことを確実に抑制でき得る。
カム面(18B)のうち揺動方向中間部より後向き側の領域には、カム面(18B)のうち揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて圧縮距離(H)が小さくなる部位が設けられている構成が望ましい。
これにより、傾倒部材(12)と係合部材(13)とが係合する時の衝撃を確実に緩和できるので、シートバックの上端が大きく振動しまうことを抑制でき得る。
なお、本願は、シート後方側からシート前方側に向かう向きを「前向き」とし、シート前方側からシート後方側に向かう向きを「後向き」とし、カム面(18B)と揺動軌跡(L1)との距離を圧縮距離(H)としている。
圧縮距離(H)は、カム面(18B)の前向き側から後向き側に向かうほど小さくなるように連続的に変化していることが望ましい。これにより、シートバックの変位速さを徐々に小さくできるので、傾倒部材(12)と係合部材(13)とが係合する時の衝撃を確実に緩和でき得る。
さらに、係合部材(13)には、傾倒部材(12)に設けられた凹部(12A)に嵌り込んで係合可能な凸部(13A)が設けられており、摺接部(18A)は凸部(13A)に設けられ、かつ、被摺接部(18B)は傾倒部材(12)に設けられていることが望ましい。これにより、簡素な構造にて傾倒部材(12)と係合部材(13)とが係合する時の衝撃を緩和でき得る。
因みに、上記各括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的構成等との対応関係を示す一例であり、本発明は上記括弧内の符号に示された具体的構成等に限定されるものではない。
本発明の実施形態に係る乗物用シート1の外観斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るリクライナ10を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るリクライナ10を示す図である。 図2の裏面側を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るリクライナ10の外観斜視図である。 本発明の第1実施形態に係るリクライナ10の特徴を示す図である。 本発明の第1実施形態に係るリクライナ10の特徴を示す説明図である。 本発明の第2実施形態に係るリクライナ10の特徴を示す図である。
以下に説明する「発明の実施形態」は、本願発明の技術的範囲に属する実施形態の一例を示すものである。つまり、特許請求の範囲に記載された発明特定事項等は、下記の実施形態に示された具体的構成や構造等に限定されるものではない。
以下、本発明の実施形態を図面と共に説明する。なお、各図に付された方向を示す矢印等は、各図相互の関係を理解し易くするために記載したものである。本発明は、各図に付された方向に限定されるものではない。
少なくとも符号を付して説明した部材又は部位は、「1つの」等の断りをした場合を除き、少なくとも1つ設けられている。つまり、「1つの」等の断りがない場合には、当該部材が2以上設けられていてもよい。
(第1実施形態)
本実施形態は、普通乗用車の前席用シートに本発明に係る乗物用シートを適用したものである。なお、以下の説明における方向は、本実施形態に係る乗物用シートを車両に組み付けた状態における方向を意味する。
1.乗物用シートの概要
図1に示すように、乗物用シート1は、少なくともシートクッション3及びシートバック5を有する。シートクッション3は着席者の臀部等を支持するための部位である。シートバック5は着席者の背部を支持するための部位であって、シートクッション3に対してシート前後方向に対して揺動可能である。
本実施形態に係るシートバック5は、シート前方側に大倒し可能である。「大倒し」とは、通常のリクライニングによるシートバックの傾倒より大きくシートバック5がシート前方側に傾倒すること等をいう。
バックフレーム7は、シートバック5の骨格を形成するフレームであって、クッションフレーム9に対して揺動可能に連結されている。クッションフレーム9は、シートクッション3の骨格を構成するフレームである。
バックフレーム7は、一対のサイドフレーム7A、7B、アッパパネル7C及びロアパネル7D等を有する。各サイドフレーム7A、7Bは、略上下方向に延びるとともに、シート幅方向両側それぞれに配設されたフレームである。なお、シート幅方向は、本実施形態では、車両の左右方向と一致する。
アッパパネル7Cは、シート幅方向に延びて各サイドフレーム7A、7Bの上端側を連結する。当該アッパパネル7Cは、その延び方向と直交する断面形状が略C字状に構成された開断面形状のパネル状のフレームである。
ロアパネル7Dは、シート幅方向に延びて各サイドフレーム7A、7Bの下端側を連結する。当該ロアパネル7Dは、その延び方向と直交する断面形状が略C字状又はJ字状に構成された開断面形状のパネル状部材である。
バックフレーム7のシート幅方向両側それぞれ、つまり各サイドフレーム7A、7Bには、リクライナ10、11が設けられている。一対のリクライナ10、11は、シートバック5、つまりバックフレーム7の揺動(リクライニング)を規制する機能(以下、リクライニング機能という。)、及び大倒し機能を実現するための機構である。
2.リクライナの構造
リクライナ10とリクライナ11とは、左右対称構造である点を除き、同一の構造である。以下、シート幅方向一端側(本実施形態では、左側)のリクライナ10を例にリクライナの構造を説明する。
<リクライニング機能>
リクライニング機能は、ロック機構(図示せず。)及び揺動力発生機構(図示せず。)等により実現される。ロック機構は、バックフレーム7の揺動を規制するロック状態と当該ロック状態が解除された解除状態とを切り替えるための機構である。
揺動力発生部は、少なくとも解除状態時に、バックフレーム7を揺動させるための揺動力を発生させる機構である。当該揺動力発生部は、電動モータ又はスパイラル(捻りコイルばね)により揺動力は発生させる。
本実施形態では、スパイラルの弾性力にて揺動力を発生させている。当該弾性力による揺動力は、バックフレーム7をシート前方側に傾倒させる力を常にバックフレーム7に作用させている。
このため、リクライニングレバー10Aが操作されてロック機構が解除状態となると、バックフレーム7は揺動力によりシート前方側に傾倒しようとする。そして、解除状態において、着席者等が当該揺動力に抗してシートバック5をシート後方側に押圧すると、シートバック5はシート後方側に揺動する。
なお、揺動力発生部が電動モータにて構成されている場合には、ロック機構が解除状態となったタイミングで電動モータが正転又は逆転し、シートバック5をシート前方側又はシート後方側に揺動させる。
<大倒し機能>
大倒し機能は、図2に示すように、少なくとも傾倒部材12、係合部材13及びロック部材14等を有して実現される。傾倒部材12は、バックフレーム7(本実施形態では、サイドフレーム7A)の揺動中心軸線と同軸線上に配設されて上記揺動力をサイドフレーム7Aに伝達するための部材である。因みに、傾倒部材12は、ラチェットプレート又は回転カムとも呼ばれる。
傾倒部材12は、サイドフレーム7Aに対して揺動可能に当該サイドフレーム7Aに連結されている。つまり、傾倒部材12とサイドフレーム7A(バックフレーム7)とは、互いに独立してクッションフレーム9に対して揺動可能である。
係合部材13は、バックフレーム7(本実施形態では、サイドフレーム7A)に変位可能に連結され、かつ、傾倒部材12と係合する係合位置(図2参照)と当該係合が解除された非係合位置(図3参照)との間で変位可能である。因みに、係合部材13は、ポールとも呼ばれる。
具体的には、係合部材13は、傾倒部材12の上方側において、サイドフレーム7Aの板面に沿ってシート前後方向に延びている。係合部材13のシート前方側は、連結ピン13Bによりサイドフレーム7Aに揺動可能に連結されている。
係合部材13のシート後方側には、傾倒部材12に設けられた被係合部12Aに係合する係合部13Aが設けられている。被係合部12A及び係合部13Aは、共に凹凸状の部位であって、被係合部12Aと係合部13Aと噛み合うように嵌り込むことにより、被係合部12Aと係合部13Aとが係合する。
そして、被係合部12Aと係合部13Aとが係合しているときには、傾倒部材12に伝達された揺動力がサイドフレーム7Aに伝達可能な状態となる。このため、係合部材13が係合位置にある場合において、ロック機構が解除状態となると、傾倒部材12とバックフレーム7とは、1つの部材としてクッションフレーム9に対して揺動する。
被係合部12Aと係合部13Aとが非係合状態であるときには、揺動力はサイドフレーム7Aに伝達不可な状態となり、サイドフレーム7Aは、傾倒部材12に対して揺動可能な状態となる。このため、係合部材13が非係合位置にある場合においては、ロック機構がロック状態であってもサイドフレーム7Aは、クッションフレーム9に対して揺動(大倒し)可能となる。
ロック部材14は、係合部材13を係合位置に保持するためのロック位置と当該ロック位置から外れた位置(以下、非ロック位置という。)との間で変位可能な部材である。本実施形態に係るロック部材14は、係合部13Aの上方側において、サイドフレーム7Aの板面に沿って略上下方向に延びている。
ロック部材14は、上端側において連結ピン14Bを介してサイドフレーム7Aに揺動可能に連結されている。ロック部材14の下端側には、係合部材13の摺接部13Cに滑り接触するカム部14Aが設けられている。
そして、ロック部材14がロック位置にあるときには、当該ロック部材14の延び方向が仮想線Loと略平行となる。仮想線Loは、ロック部材14の揺動中心と傾倒部材12の揺動中心とを通る仮想線である。
サイドフレーム7Aを挟んでロック部材14と反対側、つまりサイドフレーム7Aのうちサイドフレーム7Bに面した部位には、図4に示すように、バネ14C及びアーム部14Eが設けられている。
バネ14Cは、アーム部14Eを介してロック部材14をロック位置側に保持するための弾性力を発揮する。アーム部14Eの先端側には、コントロールケーブル等のワイヤの一端が連結されている。
ワイヤの他端は、ウォークインレバー14D(図1参照)に連結さている。このため、着席者等の利用者は、ウォークインレバー14Dを操作することにより、ロック部材14を非ロック位置側に変位させることができる。
なお、係合部材13を非係合位置に保持するためのバネ13Dが設けられている。このため、ロック部材14が非ロック位置に変位すると、当該バネ13Dの弾性力により係合部材13は非係合位置側に変位する。そして、ロック部材14が非ロック位置からロック位置に復帰する際に、ロック部材14は、係合部材13を非係合位置から係合位置に変位させる。
<傾倒部材と係合部材との係合維持機構>
図2に示すストッパ部15は、バックフレーム7(本実施形態では、サイドフレーム7A)に固定され、かつ、係合位置にある係合部材13に作用する外力Fを当該係合部材13を介して受けることが可能な部位である。
すなわち、外力Fは、シートバック5(バックフレーム7)を介して係合部材13に作用する力であって、シート前方側からシート後方側に向かう力である。ストッパ部15は、係合位置にある係合部材13に対してシート後方側に配設されている。
そして、係合部材13が係合位置にある場合において、当該係合部材13に外力Fが作用していない場合には、ストッパ部15と係合部材13とは、空隙もしくはゴム等の弾性部材を介して離間している。
傾倒部材12のうちストッパ部15よりシート後方側には、被当接部12Bが設けられている。被当接部12Bは、バックフレーム7がシート後方側に揺動したときに、ストッパ部15に当たって接触(以下、当接という。)する部位である。
すなわち、係合部材13が非係合位置にある状態においては、バックフレーム7は、傾倒部材12に対してシート前後方向に揺動自在となる。被当接部12Bは、揺動自在な状態において、バックフレーム7が傾倒部材12に対して予め設定された状態を越えてシート後方側に揺動することを規制する。
そして、係合部材13が係合位置にある場合においては、ストッパ部15に対してシート前方側に係合部材13が位置し、かつ、ストッパ部15に対してシート後方側に被当接部12Bが位置する。つまり、シート前後方向において、ストッパ部15は、係合部材13と被当接部12Bとの間に位置する。
係合部材13を挟んでサイドフレーム7Aと反対側には、図5に示すように、規制部材16が配設されている。規制部材16は、ロック部材14及び係合部材13を覆うカバーの一例であって、ロック部材14及び係合部材13がシート幅方向に変位することを規制する。
つまり、ロック部材14及び係合部材13に対してシート幅方向右側にサイドフレーム7Aが位置し、シート幅方向左側に規制部材16が位置する。このため、ロック部材14及び係合部材13は、シート幅方向においてサイドフレーム7Aと規制部材16とにより挟まれてシート幅方向の変位が規制される。
規制部材16は、複数箇所(本実施形態では、少なくとも3箇所)の第1固定部16A〜第3固定部16Cにてサイドフレーム7Aに固定されている。そして、第1固定部16Aは、ストッパ部15を介してサイドフレーム7Aに固定されている。
第2固定部16Bは、連結ピン13Bを介してサイドフレーム7Aに固定されている。なお、第1固定部16A及び第2固定部16Bは、ストッパ部15及び連結ピン13Bにカシメにて固定されている。
第3固定部16Cは、連結ピン14Bを介してサイドフレーム7Aに固定されている。第3固定部16Cは、E型止め輪等のスナップリングにて連結ピン14Bに固定されている。
規制部材16には、傾倒部材12の揺動中心側に向けて延びるアーム部16Dが設けられている。ブラケット17は、リクライナ10を含むバックフレーム7をクッションフレーム9に連結するための部材である。
<シートバック復帰速度の抑制機構>
図6に示す復帰速度抑制装置18は、シートバック5が大倒しされた状態から起立状態に復帰する場合等際において、シートバック5の変位(揺動)速度が過度に上昇することを抑制するための装置である。
具体的には、復帰速度抑制装置18は、少なくとも摺接部18A及び被摺接部18B等を有して構成されている。摺接部18A及び被摺接部18Bは、係合部材13が非係合位置にある状態でバックフレーム7が揺動した場合に、互いに滑り接触する部位である。
そして、バックフレーム7の揺動を阻害する力を抵抗力としたとき、摺接部18A及び被摺接部18Bは、互いに滑り接触する際に発生する摩擦力を利用して、予め設定された大きさ以上の抵抗力を発生させる。
本実施形態に係る摺接部18Aは、係合部材13の係合部13Aのうち傾倒部材12に向けて突出した凸部により構成されている。つまり、摺接部18Aは、係合部材13の一部である。このため、本実施形態に係る摺接部18Aは、バックフレーム7に対して変位可能に連結され、かつ、バックフレーム7と一体的に揺動変位する。
被摺接部18Bは、摺接部18Aがバックフレーム7と共に揺動変位する際に当該摺接部18Aと滑り接触するとともに、傾倒部材12に対して不動なカム面にて構成されている。なお、本実施形態に係る被摺接部18Bは、傾倒部材12の外周面のうち係合部材13に面した部位に設けられている。
サイドフレーム7Aには、カム面にて構成された被摺接部18B側に摺接部18Aを押し付ける弾性力を発揮する弾性部材13D(図4参照)が設けられている。なお、本実施形態では、係合部材13を非係合位置に保持するためのバネ13Dが弾性部材13Dを兼ねている。
そして、図6に示すように、被摺接部18Bと揺動軌跡L1との距離(以下、圧縮距離Hという。)は、揺動方向において変化している。このため、弾性部材13Dの弾性変形量、圧縮距離Hが摺接部18Aの位置に応じて増減変化する。
そして、圧縮距離Hが小さくなって弾性部材13Dの弾性変形量が大きくなると、摺接部18Aと被摺接部18Bとの接触面圧が大きくなるので、これに応じて接触部で発生する摩擦力、つまり抵抗力が大きくなる。
なお、揺動軌跡L1とは、摺接部18Aが揺動変位する際に、摺接部18Aとサイドフレーム7Aとの連結点P1が描く軌跡をいう。揺動方向とは、揺動軌跡L1と平行な方向をいう。本実施形態に係る摺接部18Aは係合部材13の一部であるので、揺動軌跡L1は、係合部材13がサイドフレーム7Aと共に揺動変位する際に、連結ピン13Bの中心が描く軌跡と一致する。
そして、圧縮距離Hは、被摺接部18Bの前向き側から後向き側に向かうほど小さくなるように連続的に変化している。このため、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より後向き側の領域は、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて圧縮距離Hが小さくなる。
なお、「前向き」とは、シート後方側からシート前方側に向かう向きをいう、「後向き」とは、シート前方側からシート後方側に向かう向きをいう。仮想線L2は、仮に、圧縮距離Hが揺動方向全域で一定である場合の被摺接部18Bを示す。
3.本実施形態に係る乗物用シート(特に、リクライナ)の特徴
3.1 抑制機構
本実施形態では、例えば、「大倒し」状態のシートバック5が着席者等によりシート後方側に押されたときに、摺接部18Aと被摺接部18Bとが滑り接触することにより発生する摩擦力による抵抗力により、シートバック5が起立状態に復帰する時、つまり傾倒部材12と係合部材13とが係合する時のシートバック5の変位速さを小さくできる。
したがって、傾倒部材12と係合部材13とが係合する時の衝撃を緩和できるので、シートバック5が起立状態に復帰する際に、シートバック5の上端が大きく振動しまうことを抑制でき得る。
本実施形態では、被摺接部18Bと揺動軌跡L1との圧縮距離Hが揺動方向において変化しているとともに、当該圧縮距離Hの減少に応じて弾性部材13Dの弾性変形量が増大する。これにより、確実に抵抗力を発生させることができるので、シートバック5の上端が大きく振動しまうことを確実に抑制でき得る。
本実施形態では、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より後向き側の領域は、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて圧縮距離Hが小さく。これにより、傾倒部材12と係合部材13とが係合する時の衝撃を確実に緩和できるので、シートバック5の上端が大きく振動しまうことを抑制でき得る。
本実施形態では、圧縮距離Hは、被摺接部18Bの前向き側から後向き側に向かうほど小さくなるように連続的に変化している。これにより、シートバック5の変位速さを徐々に小さくできるので、傾倒部材12と係合部材13とが係合する時の衝撃を確実に緩和でき得る。
本実施形態では、摺接部18Aは、係合部材13の係合部13Aのうち凸部に設けられ、かつ、被摺接部18Bは傾倒部材12に設けられている。これにより、簡素な構造にて傾倒部材12と係合部材13とが係合する時の衝撃を緩和でき得る。
3.2 係合維持機構
傾倒部材12と係合部材13とが係合した状態ではバックフレーム7と傾倒部材12とは一体的に揺動する。つまり、当該状態では、傾倒部材12からバックフレーム7に揺動力が伝達可能な状態となるので、傾倒部材12が揺動すると、バックフレーム7、つまりシートバックも揺動する。
傾倒部材12と係合部材13と係合が解除された状態では、バックフレーム7は傾倒部材12に拘束されることなく、自由に揺動可能な状態となるので、「大倒し」可能な状態となる。
そして、傾倒部材12と係合部材13とが係合した状態で、シート前後方向の大きな荷重がバックフレーム7に作用すると、図7に示すように、係合部材13がストッパ部15に接触し、当該荷重による外力Fは、傾倒部材12と係合部材13と係合箇所及びストッパ部15に分散して作用する。
したがって、傾倒部材12と係合部材13との係合箇所のみで荷重を受ける構造に比べて、係合箇所に受ける荷重を小さくできる。延いては、傾倒部材12及び係合部材13の大型化及び質量増大を抑制しながら、シート前後方向の大きな荷重に耐え得る乗物用シートを得ることが可能となる。
本実施形態では、傾倒部材12には、バックフレーム7がシート後方側に揺動したときに、ストッパ部15に当接する被当接部12Bが設けられ、係合部材13が係合位置にある場合においては、ストッパ部15は、シート前後方向において係合部材13と被当接部12Bとにより挟まれた状態となっている。
これにより、バックフレーム7がシート後方側に過度に揺動変位することを規制するため規制部を別途設ける必要がないので、傾倒部材12周囲の構成が複雑になることを抑制でき得る。
本実施形態では、係合部材13が係合位置にある場合であって外力Fが作用していない場合には、ストッパ部15と係合部材13とが離間している。これにより、傾倒部材12と係合部材13とを確実に係合させることができる。
つまり、ストッパ部15と係合部材13とが常に接触する寸法関係であると、ストッパ部15及び係合部材13の寸法が交差範囲内の上限値となったときに、傾倒部材12と係合部材13とが十分に係合できなくなる可能性がある。
これに対して、本実施形態では、係合部材13が係合位置にある場合であって外力Fが作用していない場合には、ストッパ部15と係合部材13とが離間しているので、上記の寸法バラツキを吸収して傾倒部材12と係合部材13とを確実に係合させることが可能となる。
本実施形態では、係合部材13を挟んでサイドフレーム7A、7Bと反対側には、当該係合部材13がシート幅方向に変位することを規制する規制部材16が設けられている。これにより、傾倒部材12と係合部材13との係合状態を確実に保持できる。
さらに、規制部材16は、複数箇所にてサイドフレーム7A、7Bに固定され、かつ、それら複数箇所のうち1箇所(第1固定部16A)は、ストッパ部15を介して当該サイドフレーム7A、7Bに固定されている。
これにより、ストッパ部15は、サイドフレーム7A、7B及び規制部材16で挟まれた状態でサイドフレーム7A、7B及び規制部材16に固定された状態となる。換言すれば、ストッパ部15は、サイドフレーム7A、7B及び規制部材16にて両端固定又は両端支持された構成となる。したがって、ストッパ部15を強固に保持でき得る。
(第2実施形態)
上述の実施形態では、圧縮距離Hが被摺接部18Bの前向き側から後向き側に向かうほど小さくなるように連続的に徐々に変化していた。しかし、本実施形態では、図8に示すように、揺動方向中間部より後向き側の領域に、揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて圧縮距離Hが小さくなる部位18Cが設けられている。
つまり、圧縮距離Hは、被摺接部18Bの前向き側から部位18Cまでは一定である。部位18Cにおいては、圧縮距離Hが徐々に小さくなっている。
なお、上述の実施形態と同一の構成要件等は、上述の実施形態と同一の符号を付したので、重複する説明は省略する。
(その他の実施形態)
上述の実施形態では、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より後向き側の領域は、被摺接部18Bのうち揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて圧縮距離Hが小さくなっていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
すなわち、例えば、(a)揺動方向中間部より前向き側の領域が揺動方向中間部より後向き側の領域に比べて圧縮距離Hが小さい構成、又は(b)圧縮距離Hが小さくなる部位18Cが揺動方向において複数設けられ、被摺接部18Bは波状に構成されたものであってもよい。
上述の実施形態では、摺接部18Aは、係合部材13の係合部13Aのうち凸部に設けられ、かつ、被摺接部18Bは傾倒部材12に設けられていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、例えば、摺接部18A及び被摺接部18Bを他の部材に設けてもよい。
上述の実施形態では、ストッパ部15及び被当接部12B等の係合維持機構を備えていた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、これらを廃止してもよい。
上述の実施形態では、コイルばねにて弾性部材13Dが構成されているた。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、スパイラル(捻りコイルばね)にて弾性部材13Dしてもよい。
上述の実施形態では、普通乗用車の前席用シートに本発明に係る乗物用シートを適用した。しかし、本発明の適用はこれに限定されるものではなく、その他の自動車用シート、又は鉄道車両、船舶及び航空機等の乗物に用いられるシートにも適用できる。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。したがって、上述した複数の実施形態のうち少なくとも2つの実施形態を組み合わせてもよい。
1… 乗物用シート 3… シートクッション 5… シートバック
7… バックフレーム 7A、7B… サイドフレーム 7C… アッパパネル
7D… ロアパネル 7B… サイドフレーム 9… クッションフレーム
10… リクライナ 10A… リクライニングレバー 12… 傾倒部材
12A… 被係合部 12B… 被当接部 13… 係合部材
13B… 連結ピン 13A… 係合部 13C… 摺接部 13D… 弾性部材
14… ロック部材 14B… 連結ピン 14A… カム部
14C… バネ 14E… アーム部 14D… ウォークインレバー
15… ストッパ部 16… 規制部材 16A… 第1固定部
16B… 第2固定部 16C… 第3固定部 16D… アーム部
17… ブラケット 18… 復帰速度抑制装置 18A… 摺接部
18B… 被摺接部

Claims (5)

  1. シートクッション及び当該シートクッションに対してシート前後方向に揺動可能なシートバックを有する乗物用シートにおいて、
    前記シートクッションの骨格を構成するクッションフレームと、
    前記シートバックの骨格を構成するとともに、前記クッションフレームに対してシート前後方向に揺動可能に連結されたバックフレームと、
    前記バックフレームの揺動中心軸線と同軸線上に配設され、前記バックフレームを揺動させる揺動力を当該バックフレームに伝達するための傾倒部材であって、前記バックフレームと独立して揺動可能な傾倒部材と、
    前記バックフレームに連結され、前記傾倒部材と係合する係合位置と当該係合が解除された非係合位置との間で変位可能な係合部材であって、前記係合位置にあるときに前記揺動力を前記バックフレームに伝達可能とする係合部材と、
    前記係合部材が前記非係合位置にある状態で前記バックフレームが揺動した場合に、互いに滑り接触する摺接部及び被摺接部とを備え、
    前記バックフレームの揺動を阻害する力を抵抗力としたとき、前記摺接部及び前記被摺接部は、予め設定された大きさ以上の前記抵抗力を発生させる乗物用シート。
  2. 前記摺接部は、前記バックフレームに対して変位可能に連結され、かつ、当該バックフレームと一体的に揺動変位し、
    前記被摺接部は、前記摺接部が前記バックフレームと共に揺動変位する際に当該摺接部と滑り接触するカム面であって、前記傾倒部材に対して不動なカム面にて構成され、
    前記摺接部を前記カム面側に押し付ける弾性力を発揮する弾性部材を備えており、
    前記摺接部が前記バックフレームと共に揺動変位する際に、前記摺接部と前記バックフレームとの連結点が描く軌跡を揺動軌跡とし、かつ、当該揺動軌跡と平行な方向を揺動方向としたとき、
    前記カム面と前記揺動軌跡との距離が揺動方向において変化しているとともに、当該距離の減少に応じて前記弾性部材の弾性変形量が増大する請求項1に記載の乗物用シート。
  3. シート後方側からシート前方側に向かう向きを「前向き」とし、シート前方側からシート後方側に向かう向きを「後向き」とし、前記カム面と前記揺動軌跡との距離を圧縮距離としたとき、
    前記カム面のうち揺動方向中間部より後向き側の領域には、前記カム面のうち揺動方向中間部より前向き側の領域に比べて前記圧縮距離が小さくなる部位が設けられている請求項2に記載の乗物用シート。
  4. 前記圧縮距離は、前記カム面の前向き側から後向き側に向かうほど小さくなるように連続的に変化している請求項3に記載の乗物用シート。
  5. 前記係合部材には、前記傾倒部材に設けられた凹部に嵌り込んで係合可能な凸部が設けられており、
    前記摺接部は前記凸部に設けられ、かつ、前記被摺接部は前記傾倒部材に設けられている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
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JP2020011686A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート
JP2020011685A (ja) * 2018-07-20 2020-01-23 トヨタ紡織株式会社 乗物用シート

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