JP2018082836A - 内視鏡システム - Google Patents

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直樹 松尾
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Abstract

【課題】リードワイヤによる信号伝送方式の課題である伝送速度の限界を克服しつつ、光ファイバによる信号伝送方式の課題をも克服する新しい信号伝送方式を備えると共に、効率の良い熱対策を施す。
【解決手段】被検物を撮像して映像信号を生成する撮像ユニット20が先端に配された挿入部6と、撮像ユニット20で生成された映像信号を処理するビデオプロセッサ3と、を有し、撮像ユニット20とビデオプロセッサ3とを結ぶ信号伝送路をミリ波またはサブミリ波を伝搬する導波路51で構成し、導波路51は長手方向に誘電率が均一になるように延出された内部誘電体52と、長手方向に連続的に延出され誘電体の外周を覆う金属層53とを有する導波管51により構成され、前記内部誘電体52は少なくとも一部に熱伝導性フィラーを配合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内視鏡システム、特に、導波路内を伝搬する電波を介して信号伝送を行なう内視鏡システムに関する。
従来、医療用分野及び工業用分野においては、被検体を観察する撮像部を備えた内視鏡が広く用いられている。また、内視鏡に着脱自在に接続され、内視鏡に係る各種信号処理をビデオプロセッサと称する信号処理装置により担い、内視鏡システムを構成する技術も知られるところにある。
このように、内視鏡は低侵襲の被検体観察手段として広く用いられているが、近年では挿入部の先端部に撮像用の光学系、撮像素子および関連電気回路等を含む撮像ユニットを配することで、挿入部先端部において画像信号を生成する、いわゆるビデオ内視鏡を有する内視鏡システムも多く利用されるに至っている。
なお、このビデオ内視鏡システムにおいて内視鏡の挿入部先端部で生成された画像信号は、信号伝送経路を通じてビデオプロセッサにおける画像処理部へ送られ、当該画像処理部において内視鏡画像が生成されて観察に供されるようになっている。
また、この種の内視鏡としては、可撓性を有する細長形状をなす挿入部と、挿入部の基端側に接続され、各種の操作信号の入力を受け付ける操作部と、操作部から延出され上述の如きビデオプロセッサと接続する信号伝送路としてのユニバーサルコードと、を備えるものが広く知られている。
そして、このような内視鏡において挿入部の先端部には、撮像素子等を内蔵した先端硬性部が形成され、さらにこの先端硬性部の基端側には湾曲自在な湾曲部および可撓性を有する長尺状の可撓管部が連設されるようなっている。
ところで従来のビデオ内視鏡システムでは、前記撮像ユニットと前記画像処理部との間を、例えば、特開昭61−121590号公報(特許文献1)に記載するように所定のリードワイヤにより接続し、撮像素子からの画像信号を伝送する形態が主流だった。
これに対して近年、係る撮像ユニットと画像処理部との間の信号伝送方式として、特開2007−260066号公報(特許文献2)に示すような光ファイバ接続による信号伝送方式が提案されている。
一方で、近年、ビデオ内視鏡システムに対しては、いわゆるハイビジョン化または4k、8kに代表されるような高画素化が益々望まれるようになっている。そして、このように高画質化が進むと、伝送経路を通じて伝送される信号の伝送速度は自ずと速くならざるを得ない。
図18は、電気インターコネクション(特許文献1等における前記リードワイヤによる接続に相当)による伝送が可能な伝送距離と伝送速度との関係を示しているが、例えば、ビデオ内視鏡システムにおける伝送距離(伝送経路の長さ)を1〜2m程度としたとき、電気インターコネクションでは2.5Gbps程度の伝送速度が限界であることが判る。
この“2.5Gbps”という通信速度は、概ねフルハイビジョン画質での実用的な動画伝送に必要な伝送速度に相当していることを考慮すると、特許文献1に示すようなリードワイヤによる接続では、ビデオ内視鏡システムにおいてフルハイビジョン以上の画質での動画伝送を行なうことが困難であることが判る。
すなわち、特許文献1に示すリードワイヤによる信号伝送方式では、対応できる伝送速度の限界から、フルハイビジョン相当の画質に対応できないという課題があった。
さて、上述の如き特許文献1に示される信号伝送方式における伝送速度の課題は、特許文献2に記載の光ファイバによる信号伝送方式(光インターコネクション)の採用により解決することができる。
しかしながら、上述した特許文献2に記載の光ファイバによる信号伝送方式には、下記に示す如き課題が存在する。
1)信号伝送に関わる課題
一般に光ファイバは1本の線で構成されるために、老朽化等の影響で信号伝送路である光ファイバが切断されることが起き得る。
2)製造性、製造コストに関わる課題
通常の光ファイバは、光の通る管(コア)の径が50μm以下であり、接続の位置決めには数μmオーダーの精度が要求される。この要求を緩和するために、接続部にレンズなど光学系を用いることもできるが、接続部が大きくなるうえに、部品点数が増えることで製造コストがアップしてしまう虞がある。
3)通信回路の大きさに関わる課題
光ファイバによるシステムにおいては、電気信号を光信号に、また光信号を電気信号にと信号形態を変換する必要性から、レーザダイオード、フォトダイオードおよびその駆動回路等を持つ必要が生じるため、回路規模が大きくなりやすい。
すなわち、レーザダイオード、フォトダイオードは、通常のIC(集積回路)とは作成プロセスが異なるために、同一のICパッケージ内に収めることが難しいことが要因である。
4)撮像ユニットの大きさに関わる課題
撮像ユニットから光ファイバによる信号伝送を行なう場合でも、電源の伝送および動作クロックの伝送を光ファイバで代替することは難しく、係る光ファイバを用いた伝送システムにおいては、システムの中から電気接続(リードワイヤ)による信号線路を無くすことは困難である。
また、上述した通信回路の大きさに係る課題に加えて、リードワイヤ接続(はんだ付け)を行なう領域をも確保する必要があり、光ファイバによる信号伝送方式では撮像ユニットが、ひいては挿入部先端部が大きくなってしまう虞がある。
なお、挿入部先端部における先端硬性部に撮像ユニットを有すると共に、湾曲部(屈曲部)を有するタイプのビデオ内視鏡システムには、当該先端硬性部を少しでも短くしたいという強いニーズがあり、挿入部先端部の大型化は許容しにくいという事情がある。
上述した課題に鑑みて本願出願人は先に、リードワイヤによる信号伝送方式の課題である伝送速度の限界を克服しつつ、光ファイバによる信号伝送方式の課題をも克服する新しい信号伝送方式として導波路を利用する内視鏡システムを特願2015−131913号において提案した。
一方で、内視鏡の挿入部先端部に関しては、近年益々小型化が嘱望されているが、これに伴い、撮像素子等において生じる発熱対策も大きな課題となっている。
例えば、特開2014−314号公報(特許文献3)においては、リードワイヤ式の高速伝送ケーブルのシールドを用いた熱対策が提案されている。特開2010−263946号公報(特許文献4)においては、内視鏡先端部に配設された外部樹脂材を用いて放熱する技術について提案されている。
特開昭61−121590号公報 特開2007−260066号公報 特開2014−314号公報 特開2010−263946号公報
しかしながら、特許文献3に示すような内視鏡は、そもそもリードワイヤによる信号伝送であるため、特許文献1に示す内視鏡の如く伝送距離(伝送経路の長さ)を1〜2m程度としたときに、2.5Gbps程度の伝送速度が限界である。すなわち、特許文献3に示すような内視鏡においては、熱対策が施されたとしても、フルハイビジョン以上の画質での動画伝送を行なうことが困難である。
一方で、特許文献4に示すような内視鏡においては、内視鏡の外部樹脂材において放熱するものであるが、外装自体が高熱になるという不具合があり、また、樹脂が主成分であるため高い熱伝導係数は得られない、という問題もある。
さらに、本出願人による特願2015−131913号において提案した導波路を利用する内視鏡システムにおいても、効率の良い熱対策が望まれている。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであって、リードワイヤによる信号伝送方式の課題である伝送速度の限界を克服しつつ、光ファイバによる信号伝送方式の課題をも克服する新しい信号伝送方式を備えると共に、効率の良い熱対策を施した内視鏡システムを提供することを目的とする。
本発明の一態様の内視鏡システムは、被検物を撮像して画像信号を生成する撮像ユニットが先端に配された挿入部と、前記撮像ユニットで生成された前記画像信号を処理する画像処理部と、前記撮像ユニットと前記画像処理部とを結ぶ信号伝送路を有する内視鏡システムであって、前記信号伝送路の少なくとも一部は、ミリ波またはサブミリ波を伝搬する導波路により構成され、前記導波路は、長手方向に誘電率が均一になるように延出された内部誘電体と、長手方向に連続的に延出され前記誘電体の外周を覆う金属層と、を有する導波管により構成され、前記内部誘電体は、少なくとも一部に熱伝導性フィラーを配合する。
本発明によれば、リードワイヤによる信号伝送方式の課題である伝送速度の限界を克服しつつ、光ファイバによる信号伝送方式の課題をも克服する新しい信号伝送方式を備えると共に、効率の良い熱対策を施した内視鏡システムを提供することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる内視鏡システムの概略構成を示す斜視図である。 図2は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムの要部の機能構成を示すブロック図である。 図3は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の構造を示した要部拡大斜視図である。 図4は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の構造を一部断面にて示した要部拡大斜視図である。 図5は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける内視鏡先端硬性部の内部構造を示した要部拡大断面図である。 図6は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)の構成を示した要部拡大斜視図である。 図7は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)の内部誘電体および外部導体の材質の一例を示した表図である。 図8は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の接続部分を断面にて示した要部拡大断面図である。 図9は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の放熱ルートを示した要部拡大断面図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の放熱ルートを示した要部拡大断面図である。 図11は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、外部導体の内周面と内部誘電体の外周面との接触状態を説明する断面図である。 図12は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、外部導体の内周面と内部誘電体の外周面との接触状態を説明する要部拡大断面図である。 図13は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、透過特性の結果を示した図である。 図14は、本発明の第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける内視鏡先端硬性部の内部構造を示した要部拡大断面図である。 図15は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)を示した要部拡大平面図である。 図16は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニット内の断熱効果を説明する要部拡大断面図である。 図17は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニット内の断熱効果を示した図である。 図18は、従来の内視鏡システムにおいて用いられる電気インターコネクションによる伝送が可能な伝送距離と伝送速度の関係を示したモデル図である。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
また、この実施の形態により、この発明が限定されるものではない。さらに、図面の記載において、同一部分には同一の符号を付している。さらにまた、図面は、模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、各部材の比率等は、現実と異なることに留意する必要がある。また、図面の相互間においても、互いの寸法や比率が異なる部分が含まれている。
<第1の実施形態>
図1は、本発明の第1の実施の形態にかかる内視鏡システムの概略構成を示す斜視図であり、図2は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムの要部の機能構成を示すブロック図である。
図1に示すように、内視鏡システム1は、いわゆる上部消化管用の内視鏡システムであって、被検体Pの体腔内に先端部を挿入することによって被写体Pの体内画像を撮像し当該被写体像の画像信号を出力する撮像部を備える内視鏡2と、内視鏡2における前記撮像部から出力される画像信号に対して所定の画像処理を施す画像処理部を備えるとともに内視鏡システム1全体の動作を統括的に制御するビデオプロセッサ3と、内視鏡2の先端から出射するための照明光を発生する光源装置4と、ビデオプロセッサ3において画像処理が施された画像を表示する表示装置5と、を主に備える。
内視鏡2は、先端部に前記撮像部を備えると共に主として可撓性を有する細長形状部により構成される挿入部6と、挿入部6の基端側に接続され各種の操作信号の入力を受け付ける操作部7と、操作部7から基端側に向けて延出されビデオプロセッサ3および光源装置4と接続するユニバーサルコード8と、を備える。
ここで内視鏡2は、挿入部6の先端部に配設した撮像部とビデオプロセッサ3における画像処理部との間において、挿入部6における前記撮像部から当該挿入部6、前記操作部7および前記ユニバーサルコード8のそれぞれ内部を経由してビデオプロセッサ3の画像処理部に至るまで延設され、撮像部からの画像信号等の伝送するための信号伝送路を備える。
そして、本実施形態における内視鏡システムにおいては、前記信号伝送路をミリ波またはサブミリ波(以下、場合により代表してミリ波と記載する)を通す導波路により構成されることを特徴とする(当該「導波路」については、後に詳述する)。
図1に戻って、挿入部6は、最先端部に配設された、前記撮像部を構成する撮像素子22等を内蔵した先端硬性部10と、当該先端硬性部10の基端側に配設され、複数の湾曲駒によって構成された湾曲自在な湾曲部9と、当該湾曲部9の基端側に接続され、可撓性を有する長尺状の可撓管部と、を有する。
また、図2に示すように、本実施形態において挿入部6の最先端に配設された先端硬性部10には、被検体像を入光する撮像光学系21と、撮像光学系21の後方に配設され、被検体像を撮像して光電変換により所定の画像信号を出力する撮像素子22等を含む撮像ユニット20と、が配設されている(図5参照)。
前記撮像ユニット20は、前記撮像光学系21の結像位置に設けられ、撮像光学系21が集光した光を受光して電気信号に光電変換する前記撮像素子22と、撮像素子22の近傍基端側に配設され、当該撮像素子22を駆動すると共に撮像素子22から出力された撮像信号に所定の処理を施すドライバIC23と、ドライバIC23の基端側に設けられ、導波路(導波管)51(詳しくは後述する)を介して信号の送受信をするための送受信アンテナ27(詳しくは後述する)と、を有する。
前記撮像素子22は、本実施形態においては、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサであって、かつ、いわゆるフルハイビジョン相当以上の画素数である200万画素以上の画素数を有するイメージセンサを採用する。
前記ドライバIC23は、撮像素子22が出力した電気信号に対してノイズ除去およびA/D変換を行うアナログフロントエンド(AFE)24と、撮像素子22の駆動タイミングおよびAFE24等における各種信号処理のパルスを発生するタイミングジェネレータ(TG)25と、前記送受信アンテナ27を接続し、前記導波路(導波管)51を介してAFE24が出力したデジタル信号をビデオプロセッサ3における画像処理部との間で送受信するための送受信回路26と、撮像素子22の動作を制御する図示しない制御部と、を有する。
前記送受信回路26は、いわゆるMMIC(monolithic microwave integrated circuit;モノシリックマイクロ波集積回路)により形成される、ミリ波・サブミリ波通信回路である。
また前記ドライバIC23は、本実施形態においては、前記アナログフロントエンドAFE24、タイミングジェネレータTG25、送受信回路26等の各回路が全てシリコンCMOSプロセスにより作成され、十分に小型化されている。
また、撮像素子22とドライバIC23とは、セラミック基板28を介して接続され、また、当該セラミック基板28(図3等参照)にはコンデンサ29等の複数の受動部品が搭載されている(詳しくは後述する)。
一方、ビデオプロセッサ3は、内視鏡2における前記撮像ユニット20から出力される画像信号に対して所定の画像処理を施す前記画像処理部としての画像信号処理回路31と、内視鏡2における撮像素子22等に対して供給するための電源を生成する電源供給回路32と、前記導波路(導波管)51を介して内視鏡2における撮像ユニット20と所定の信号の送受信を行うための送受信回路33と、送受信回路33に接続された送受信アンテナ34と、を備える。
なお、前記画像信号処理回路31は、撮像素子22およびドライバIC23を制御するための制御信号(例えば、クロック信号、同期信号等)を生成し、前記撮像素子22およびドライバIC23に向けて送出する。
なお、ビデオプロセッサ3における前記送受信回路33も、前記送受信回路26と同様に、いわゆるMMIC(monolithic microwave integrated circuit;モノシリックマイクロ波集積回路)により形成される。
また、図2に示すように、内視鏡2における前記挿入部6、操作部7およびユニバーサルコード8内には、上述したように信号伝送路としての前記導波路(導波管)51が内設されるが、これらユニバーサルコード8等の内部には前記導波路(導波管)51と並行して、各種信号線が配設される。
すなわち、ユニバーサルコード8内には、図2に示すように、ビデオプロセッサ3における画像信号処理回路31から供給される各種制御信号を伝送する制御信号線41、電源供給回路32から供給される電源を伝送する電源線42およびグランド線(GND線)43が、それぞれ配設される。
そして、内視鏡2における撮像素子22およびドライバIC23における前記各回路には、前記制御信号線41を介して所定の制御信号(例えば、クロック信号、同期信号等)が供給されるようになっている。
同様に、内視鏡2における前記撮像素子22およびドライバIC23における前記各回路には、前記電源線42およびグランド線(GND線)43を介して、ビデオプロセッサ3の電源供給回路32から電源が供給されるようになっている。
<導波路(導波管)および送受信回路並びに撮像ユニットの構成について>
次に、本実施形態の内視鏡システムを特徴づける導波路(導波管)および送受信回路、並びにこれらの周辺回路(撮像ユニット等)について詳しく説明する。
上述したように、本発明は、内視鏡における撮像部とビデオプロセッサにおける画像処理部とを結ぶ信号伝送方式として従来用いられてきた、リードワイヤによる信号伝送方式および光ファイバによる信号伝送方式に代わり、ミリ波またはサブミリ波(おおよそ30〜600GHzの周波数を有する電波)を通す導波路(導波管)による信号伝送方式を新たに提案するものである。
なお、本実施形態においてミリ波、サブミリ波は、ミリからサブミリオーダ(0.5〜10mm程度)の波長をもつ電波を指すものとする。
図5は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける内視鏡の先端硬性部内の構成を示した要部拡大斜視図である。
図5(および図2)に示すように、撮像ユニット20は、挿入部6の最先端に配設された先端硬性部10において、被検体像を入光する撮像光学系21の後方に配設される。また、撮像ユニット20は、上述したように、被検体像を撮像して光電変換により所定の画像信号を出力する撮像素子22等を含むとともに、当該撮像ユニット20からは挿入部基端側に向けて導波路(導波管)51が延設されるようになっている。
なお、図5に示すように、当該先端硬性部10の外周面は被覆ゴム68で覆われ、さらにその最先端部にはプラスチックカバー67が覆設されている。また、先端硬性部10にはいずれも公知のライトガイドバンドル62、鉗子チャンネル63および送気送水チャンネル64等が延設される。さらにこれら各チャンネル等に対応して、先端硬性部10の先端面には、照明レンズ61、吸引兼鉗子口65、洗浄用ノズル66が配設されている。
また撮像ユニット20は、上述したように、撮像光学系21が集光した光を受光して電気信号に光電変換する前記撮像素子22と、撮像素子22の近傍基端側に配設され、当該撮像素子22を駆動すると共に撮像素子22から出力された撮像信号に所定の処理を施すドライバIC23と、ドライバIC23の基端側に設けられ、導波路(導波管)51を介して信号の送受信をするための送受信アンテナ27と、を有する。
ドライバIC23は、上述したように、アナログフロントエンド(AFE)24、タイミングジェネレータ(TG)25、送受信回路26および図示しない制御部等を有するが、撮像素子22とはセラミック基板28を介して接続されるようになっている。
図3は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の構造を示した要部拡大斜視図であり、図4は、同内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の構造を一部断面にて示した要部拡大斜視図である。また、図6は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)の構成を示した要部拡大斜視図である。
前記ドライバIC23の基端側には、図3、図4に示すように、前記ドライバIC23のパッケージに一体化された前記送受信アンテナ27を挟んで、ミリ波またはサブミリ波を通す前記導波路51の先端部が接続されている。
この導波路51は、先端硬性部10に配設された前記ドライバIC23にその先端側が接続された後、挿入部6の基端側に向けて延出されるようになっている。より詳しくは、導波路51は、挿入部6においてドライバIC23よりさらなる基端側、すなわち、先端硬性部10における前記ドライバIC23の配設箇所より基端側部をはじめ、より基端側の前記湾曲部9および可撓管部11を含めた挿入部6の内部を挿通した後、操作部7内部およびユニバーサルコード8の内部を挿通し、ビデオプロセッサ3に至る位置に配設されるようになっている。
なお、前記導波路51の基端側は、ユニバーサルコード8の一端に設けたコネクタにおける変換を経てビデオプロセッサ3に接続されるものであってもよい。
前記導波路51は、撮像ユニット20とビデオプロセッサ3における前記画像処理部(画像処理回路31)とを結ぶ信号伝送路であって、少なくとも一部がミリ波またはサブミリ波を伝搬する導波路である。
また、本実施形態において前記導波路51は、図6に示すように、長手方向に誘電率が均一になるように延出された内部誘電体52と、長手方向に連続的に延出され前記内部誘電体52の外周を覆う金属層である外部導体53と、を有する導波管51により構成される。
因みに、本実施形態において、「誘電率が均一」とは、導波管内部を伝搬する電波(ミリ波またはサブミリ波)の波長オーダーの寸法でみたときに均一であることを意味するものである。すなわち、波長オーダーよりも1〜2桁以上寸法の異なる構造による誘電率分布は、導波管内部を伝搬する電波には影響を与えないため、本実施形態においては、これを含めて誘電率が均一と表現している。
なお、後述するように本実施形態においては樹脂材料(母剤)に結晶材料(本実施形態においては熱伝導性フィラー)を混合した誘電体材料の利用を想定するが、この場合には混合される誘電体材料は前記波長よりも遥かに小さい。これにより、樹脂材料と結晶材料の誘電率の違い、または、微細な構造は導波管内部の電波に影響を与えず、平均した誘電率のみが伝送特性に影響する。
<内部誘電体52の構成>
次に、内部誘電体52の構成について説明する。
本実施形態においては、前記内部誘電体52は少なくとも一部に熱伝導性フィラーを配合して形成されている。具体的に前記内部誘電体52は、母剤である樹脂材料に対して、絶縁性結晶材料である熱伝導性フィラーを配合して形成されるようになっている。
<内部誘電体52として適用可能な材料、およびその誘電損失>
ここで、内部誘電体52における、「母剤」としての樹脂材料、および、絶縁性結晶材料である「熱伝導性フィラー」の具体的な説明に先立って、当該内部誘電体52として適用可能な材料について、その誘電損失の観点から考察する。
本実施形態の導波管51における前記内部誘電体52に採用される材料の要件の1つとしては、その誘電損失(誘電正接tanδとして現される)が十分小さいことが挙げられる。具体的には誘電正接tanδは、10-3以下であることが望ましい。
ここで、内部誘電体52における誘電損失(誘電正接tanδ)が10-3より小さい値であることの臨界的意味を説明する。より具体的には、「比誘電率εの平方根と誘電正接tanδの積が2×10-3より小さいこと」の臨界的意味について説明する。
すでに述べたように、本発明はミリ波およびサブミリ波への適用が可能であり、伝送線路としての太さでいえばφ6mm以下であれば効果を持ち得るが、本発明に際して、本発明者らは本発明時点の技術状況を詳細に検討した結果として、内視鏡の内部通信で利用価値の高い導波管の要件として、以下の条件を最初に抽出した。
(1)その外形がφ2mm以下であること
(2)1mあたりの伝送損失が20dBを超えないこと
ここで、条件(1)は、当該導波管を内視鏡に内蔵するための物理的な制約条件であり、本発明時点の内視鏡製品の構成から導出している。ここで、前述のとおり内視鏡の挿入部およびユニバーサルコードはその目的から10mm程度以下の外形寸法を持つことが多い。
すなわち、挿入部およびユニバーサルコードの内部には、観察部を照明するためのライトガイドバンドル62、湾曲部9(図1参照)の湾曲を実現するためのワイヤー等の内部構造、対物レンズを洗浄するための送気送水チャンネル64および観察部の処置をするための鉗子等の処置具を挿通する鉗子チャンネル63(以上、図1、図5等参照)など多くの内蔵物が含まれていることを考慮し、条件(1)として、本発明時点において伝送線路に許容される可能性の高い数値を具体的に設定した。
同様に条件(2)は、本発明時点の送受信回路の能力による制約(十分に低いビットエラーレート(誤り率)を得るには伝送損失が20dB以下程度である必要があること)と内視鏡で利用可能性のある最低の長さ(約1m)とを勘案して設定している。
また、本発明時点における無線電波技術の開発状況を鑑みると、次世代無線通信の国際規格としてIEEE802.11adが立ち上がるなど、ミリ波帯電波の中でも60GHzの利用がし易い環境が整ってきている(無線通信チップが安価に供給される見込みが立つなど、実用化を考慮したときに最も利用し易いミリ波電波の周波数が60Hzである)。
すなわち、これら周辺技術の状況を勘案し、ミリ波電波を伝搬する導波管を内視鏡内部の通信に適用するという前提においては、ミリ波電波の中でも60GHzで利用できる導波管技術を探求することが、実用化への近道だと判断した。
なお、本発明時点においては、300GHzまで一般機器にて利用可能とする為の技術開発が進んでおり、近い将来において300GHzまで利用可能となる可能性がある。この段階に至れば周波数を上げることに拠ってさらに細い導波管を利用できるようになるが、この段階に至っても本発明はその価値を失うものではなく、広く利用できるものであると確信する。
上述したこれら要件を考察し、鋭意研究を重ねた結果、本発明者は、周波数60GHzにおいて外径太さφ2以下を実現するには、導波管の内部に誘電体を配することで電磁波の波長短縮効果(電磁波は比誘電率εの媒質内において、その波長fがεの平方根に反比例して小さくなる)を得ることが有効であると見出した。
加えて、同試作を重ねた結果として、導波管の内部に誘電体を配した場合の伝送損失は前記誘電体の誘電損失(誘電体による損失)が支配的であることを見出した。更に理論的検討からその損失量は「比誘電率εの平方根と誘電正接tanδの積」に大きく依存することを見出した。
さらに本発明者は、周波数60GHzにて長径が2mm以下程度(ε=3.8)となる楕円断面の導波管(図6参照)を仮定したうえで、電磁界シミュレータを用いた検討を行い、シミュレーション結果から、1mあたりの誘電損失が20dB程度となるのは、誘電正接tanδが1.0×10-3程度になるときであることが判った。
また、これを超えると誘電損失が急激に増加して利用可能性のある損失量ではなくなることも併せて判った。
すなわち、本発明者は、上記検討の結果、損失量は「比誘電率εの平方根と、誘電正接tanδとの積」に大きく依存すること、また、上記のシミュレーション結果(比誘電率ε=3.8において誘電正接tanδが1.0×10-3程度を超えると利用可能な損失量(20dB/m)をこえる)ことから、内視鏡の内部通信で利用する導波管は、その内部誘電体の特性として、(ε=3.8の平方根が1.95であるから)比誘電率εの平方根と誘電正接tanδの積が概ね2.0×10-3以下であることが必要であることを明確にした。
なお、当該事実は、長手方向に誘電率が均一になるように延出された導波管一般に通じて適用可能である。
ここで明確となった要素から、本発明者は比誘電率εの平方根と誘電正接tanδの積が概ね2.0×10-3以下となる材料の探索を行なった。
ここで本発明者が鋭意探索を進めた結果、樹脂材料(本実施形態においては、前記「母剤」として適用することを想定)では、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ほかのフッ素樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレンなどの無極性プラスチックがこの条件に合致し、本実施形態の導波管に利用できる可能性が高いことが判った。
さらに、本発明者は、これら無極性プラスチックについて本実施形態の内視鏡システムで利用できるものをスクリーニングした。その結果、これらの中でポリテトラフルオロエチレン(PTFE)ほかのフッ素樹脂のみが内視鏡に必要な温度耐性(医用内視鏡では概ね140℃以上、工業用内視鏡では概ね120℃以上)を持ち、前記無極性プラスチックの中でも特に利用価値が高いことを見出した。
すなわち、本実施形態の内視鏡システムに利用される導波管51の内部に用いられる誘電体は、少なくとも一部がフッ素樹脂を含む材質により構成されることで、導波路または導波管として高い性能(伝送効率)を持つことができる。
また同様に、樹脂以外の結晶材料(本実施形態においては、前記「熱伝導性フィラー」として適用することを想定)では、二酸化ケイ素(シリカ;SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)など幾つかの結晶材料が前記条件に合致することがわかった。
さらに、これら結晶材料の中でも二酸化ケイ素(シリカ;SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)、酸化マグネシウム(MgO)または窒化ホウ素(BN)は人体に無害であり、内視鏡製品において特に利用価値が高いことを見出した。
ここで重要なのは、これらの結晶材料が前記樹脂材料に比べて大きい比誘電率εrを持つことであり、この特性を利用することで比誘電率が約2.0である前記樹脂材料のみに拠るよりも細い導波管を実現できる点である。
すなわち、二酸化ケイ素(シリカ;SiO)、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)、酸化マグネシウム(MgO)または窒化ホウ素(BN)の少なくとも1つを含み、比誘電率εrが2よりも大きい誘電体を用いることで、より細く、内視鏡システムに適したミリ波電波を伝搬する導波管を実現できる。
ここで上記結晶材料は、そのままでは可撓性を持たないことから、粉末状にした結晶材料と母剤樹脂とを混合して導波管内部に充填するなどといった工夫が必要となる。
<内部誘電体52における「母剤」と「熱伝導性フィラー」>
ここで、本実施形態の内視鏡システムは、画像信号の高速伝送化、および、挿入部の細径化を実現すると共に熱伝導性にも着目するものであり、導波管51の内部誘電体52として採用する材料として、「母剤」としての樹脂材料に対して結晶材料としての「熱伝導性フィラー」を配合することを特徴とする。
<内部誘電体52における「母剤」としての樹脂材料>
上述したように、本実施形態において導波管51における内部誘電体52は、「母剤」である樹脂材料に対して、絶縁性結晶材料である「熱伝導性フィラー」を配合して形成されるようになっている。
ここで、上述した考察に鑑みて、本実施形態においては、前記内部誘電体52における「母剤」である樹脂材料としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)ほかのフッ素樹脂、または、ポリエチレン等の樹脂を採用する。特に、上述したように、PTFE、PFA等のフッ素樹脂が好適である。
<内部誘電体52における「熱伝導性フィラー」>
本実施形態において、前記内部誘電体52における「母剤」である樹脂材料に配合させる「熱伝導性フィラー」としては、以下に示す要件が挙げられる。
図7は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)の内部誘電体および外部導体の材質の一例を示した表図である。特に、内部誘電体における「熱伝導性フィラー」の採用例を示したものである。
(第1要件)
熱伝導率が1[W/mK]以上であることが望ましい。
すなわち、
(a) 熱抵抗(℃/W)は熱伝導率に反比例することから、熱伝導率を上げれば上げるほど下げることができる
(b) また、内部誘電体52は母剤である樹脂と熱伝導性フィラーとで形成され、母剤樹脂と当該熱伝導性フィラーと混入する空気の割合で内部誘電体52の熱抵抗が決まる
ことから、熱伝導率が一定値以上、例えば、1[W/mK]以上であることが望ましい。
そして、「熱伝導性フィラー」の熱伝導率が1[W/mK]以上であれば、「母剤」である樹脂材料の熱伝導率が相対的に低くても、配合する割合をコントロールすることで当該「母剤」樹脂材料の特性(柔軟性、耐久性など)に影響を与えることなく、内部誘電体52として所望の熱抵抗を達成することができる。
(第2要件)
導波路(導波管)51の細径化を目的とする以上、比誘電率が高いことが望ましい。
具体的には比誘電率が“3”以上であれば、通常の中空導波管に対し約1/2の大きさを実現することができる。
以上の要件を図7の表に照らし合わせると、熱伝導率、導電性の有無、比誘電率の数値から、本実施形態の導波管51の内部誘電体52における「熱伝導性フィラー」として、酸化アルミニウム(アルミナ;Al)、酸化マグネシウム(MgO)、窒化ホウ素(BN)または窒化アルミニウム(AlN)が適していることが分かる。
なお、本実施形態においては、図7には示さないが「熱伝導性フィラー」として二酸化ケイ素(シリカ;SiO)を採用してもよい。
<内部誘電体52の具体例>
より具体的に、本実施形態において導波管51においては、「母剤」としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)に、粉末状にした酸化アルミニウム(Al粉末;#1μm)を「熱伝導性フィラー」として所定の体積割合で配合した材料を前記内部誘電体52として採用した。
そして、上記2種材料の混合の結果、比誘電率εrが約4.0、誘電正接tanδがtanδ=2.0×10-4以下程度となり、これにより長径が1.88mm、短径0.94mmの楕円断面をもつ線状の内部誘電体52が作成されることとなる(図6参照)。
この線状の内部誘電体52は、酸化アルミニウム粉末(Al)の混合によりポリテトラフルオロエチレン(PTFE)の結合が弱まっていること、そもそもの線径が細いことにより、十分な可撓性を有している。
<外部導体53の構成>
一方、外部導体53は、例えば、内部誘電体52の外周囲に金属層が形成されることで構成される。この金属層は、例えば、内部誘電体52の外周囲に金属めっき(銅めっき等)が施されて形成される。具体的に本実施形態においては、導波管51における前記金属めっき面の内径は1.4mm、画像情報の伝送に使用される電波の周波数は約180GHz(導波路内での波長は約1.1mm)に設定されている。
また、図7に示すように、本実施形態においては外部導体53として、銅の他に、銀、アルミニウム等が適用されるようになっている。
次に、本実施形態の内視鏡システムにおいて、撮像ユニット20から導波管51にかけての放熱構造について説明する。
図8は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の接続部分を断面にて示した要部拡大断面図である。
上述したように本実施形態の内視鏡システムにおいて、撮像ユニット20を構成する撮像素子22はセラミック基板28を介してドライバIC23に接続される。また、ドライバIC23の基端側には、導波管51の先端部が接続されている。
また、図8に示すように、セラミック基板28の内部には複数の導電パターン28aが配設される。この複数の導電パターン28aは、一部が撮像素子22およびドライバIC23における各電気端子に電気的に接続され、所定の電気信号の送受を実行すると共に、一部のパターン(例えば、GNDパターン)が導波管51における外部導体53に電気的に接続されるようになっている。
このような構成をなす撮像ユニット20においては、撮像素子22またはドライバIC23における送受信回路26等において発生した熱エネルギーが、前記導電パターン28aを介して伝達されることとなる。以下、当該導電パターン28aを介して熱が伝達する放熱ルートAについて説明する。
図9は、第1の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の放熱ルートを示した要部拡大断面図である。
<放熱ルートAについて>
図9に示すように、例えば、撮像素子22または送受信回路26等で発生した熱エネルギーは、導電パターン28aの一部を経由して、導波管51における外部導体53に伝達されることとなる。この放熱ルートを、図9中、“放熱ルートA”として示す。
この“放熱ルートA”により、撮像素子22または送受信回路26等で発生した熱エネルギーは配線経由(導電パターン28a経由)で外部導体53に伝熱することで撮像ユニット20自体の温度上昇を抑制することができる。
すなわち、外部導体53に伝わった熱エネルギーは、導波管51全体(具体的に、挿入部における1〜2m程度の範囲)に拡散されるため、これにより、温度の上昇を抑制することができる。
また必要に応じ、放熱の為の広い体積を持つことができるビデオプロセッサ3においてヒートパイプ、ヒートスプレッターまたはファン等により強制的に排熱することで放熱性能を更に高めることも可能である。
<放熱ルートBについて>
一方で、一般に熱エネルギーは、温度の高いところから低いところに移動することは広く知られており、上述した導電パターン28aを経由して前記外部導体53のみで拡散されるわけではなく、内部誘電体52との温度勾配が高ければ当該内部誘電体52にも拡散することになる。
例えば、図9に示すように、ドライバIC23における送受信回路26において発生した熱エネルギーは、これらドライバIC23と直接接している内部誘電体52にも伝わることとなる。
そして、内部誘電体52に伝わった熱エネルギーは、図9中“放熱ルートB”として示されるルート、すなわち、内部誘電体52の内部を伝わるルート、および内部誘電体52の内部を経て外部導体53に伝わるルートが考えられる。
この“放熱ルートB”により熱エネルギーが伝達される場合、内部誘電体52自体に伝わった熱エネルギーは、導波管51全体(具体的に、挿入部における1〜2m程度の範囲)に拡散されるため、この場合も上記同様に温度の上昇を抑制することができる。
すなわち、“放熱ルートB”の場合、送受信回路26等において発生した熱エネルギーは、上記“放熱ルートA”と同様に外部導体53に伝わることに加え、内部誘電体52自体にも拡散することとなる。
また、上記同様に、必要に応じビデオプロセッサ3において強制的に排熱する構造を形成することも可能である。
ここで、内部誘電体52において採用される如き樹脂材料は、一般に熱伝導率は低いことが知られている。この場合、内部誘電体52自体を拡散する熱エネルギーのみならず、外部導体53を拡散する熱エネルギーについても内部誘電体52を経由する区間が存在するため、内部誘電体52を構成する材料の熱伝導率は、熱拡散に関しては大きなファクタとなる。
上述したように、本実施形態の内視鏡システムにおける導波管51の内部誘電体52は、母剤である樹脂材料に対して、絶縁性結晶材料である熱伝導性フィラーを配合して形成されるものであり、内部誘電体52自体の熱伝導性が飛躍的に向上している。
この内部誘電体52に「熱伝導性フィラー」を配合させることによる作用効果としては、“放熱ルートA”の場合は、主たる放熱ルートである外部導体53の温度上昇を抑えることができ、「熱伝導性フィラー」を配合する場合に比してより多くの熱エネルギーを撮像ユニット20から逃がすことが可能となる。
一方、“放熱ルートB”の場合は、内部誘電体52自体を用いて高効率に熱エネルギーを撮像ユニット20から逃がすことが可能となる。
(作用)
次に、上述した如き構成をなす本実施形態の内視鏡システムにおける作用について説明する。
撮像素子22は、撮像光学系21に入光された被写体像を撮像素子面において受光し電気信号に光電変換してアナログの撮像信号として出力する。
その後ドライバIC23は、内部のAFE24において、撮像素子22から出力されたアナログの撮像信号に対してA/D変換等の所定の処理を施しデジタルの画像信号として出力する。なお、このとき図示しないパラレル/シリアル変換部においてシリアルのデジタル信号に変換される。
さらにドライバIC23は、MMICにより構成される送受信回路26において、ミリ波・サブミリ波の搬送波を前記画像信号により変調し、送受信アンテナ27から当該画像情報が載ったミリ波・サブミリ波の電波として導波路(導波管)51に向けて送信する。
その後、送受信アンテナ27から送信されたミリ波・サブミリ波は、前記導波路51(上述したように、挿入部6における先端硬性部10に配設された前記ドライバIC23より基端側、その基端側の湾曲部9、可撓管部11、操作部7内部およびユニバーサルコード8内部において配設される)を通じてビデオプロセッサ3に送られる。
前記導波路51内において送信された前記ミリ波(画像情報が載ったミリ波)は、ビデオプロセッサ3における前記送受信アンテナ34により受信される。
その後、前記送受信アンテナ34において受信されたミリ波(画像情報が載ったミリ波)は、ビデオプロセッサ3における前記送受信回路33において、所定の画像情報が取り出される。
そして、送受信回路33において取り出された画像情報は画像信号処理回路31において適宜画像処理が施され、前記表示装置5に投影される。
一方、図9に示すように、撮像素子22または送受信回路26等で発生した熱エネルギーは、導電パターン28aの一部を経由して、導波管51における外部導体53に伝達されて導波管51全体(具体的に、挿入部における1〜2m程度の範囲)に拡散され、撮像ユニット20自体の温度上昇が抑制される(放熱ルートA)。
また、この放熱ルートAにより外部導体53を伝わる熱エネルギーは、当該外部導体53の内周面に接する内部誘電体52にも伝わることとなり、内部誘電体52に伝わった熱エネルギーは、熱伝導性フィラーが配合された当該内部誘電体52内に効率よく拡散され、これにより、さらに撮像ユニット20自体の温度上昇が抑制される(放熱ルートAから放熱ルートB)。
一方で、図9に示すように、ドライバIC23における送受信回路26において発生した熱エネルギーは、これらドライバIC23と直接接している内部誘電体52にも伝わり、当該内部誘電体52に伝わった熱エネルギーは、熱伝導性フィラーが配合された当該内部誘電体52内に効率よく拡散され、撮像ユニット20自体の温度上昇が抑制される(放熱ルートB)。
(効果)
以上説明したように、本第1の実施形態によれば、有線のミリ波通信経路(導波路)を通じた高い信頼性での信号伝送が可能であり、画像情報の伝送速度としても、フルハイビジョンを大きく超える高精細画像を実用的なフレームレートによって送信可能である。
また、本第1の実施形態によれば、導波管51の内部誘電体52として、一部に熱伝導性フィラーを配合したことにより、効率の良い熱対策を施した内視鏡システムを提供することができる。
ここで本実施形態における導波路51の太さはミリオーダーであり、また、送受信アンテナ27および送受信アンテナ34が導波路51の寸法範囲にあれば効率の良い通信が可能であるため、導波路とアンテナの接続は容易に行なうことができる。
また、撮像素子22からの画像情報を処理し、信号伝送を行なうドライバIC23は、上述したようにアナログフロントエンド部、タイミングジェネレータ部、送受信回路が全てシリコンCMOSプロセスにより作成され、十分に小型化されている。
この中でも、送受信回路26および送受信回路33がモノシリックマイクロ波集積回路(MMIC)により構成されることから回路の小型化に寄与している。
このようにドライバIC23の小型化を実現した結果、フルハイビジョン画像信号の高い信頼性での伝送と、先端部の小型化を両立することを可能としている。
さらに、導波管の利用により、撮像ユニット側アンテナから発せられた電波は、導波管内に閉じ込められる形で伝播するため、拡散などによるロスが最小に抑えられる。すなわち、送信に必要な電力量の最小化をも果たすことができている。
また、本実施形態の効果について、上述した従来技術である日本国特開昭61−121590号公報、日本国特開2007−260066号公報および日本国特許5395671号明細書に記載の技術と対比させて説明する。
上述したように、本実施形態の内視鏡システムにおいては、導波路51を伝送される前記ミリ波・サブミリ波は、ミリからサブミリオーダの波長を有する電波であって概略で30〜600GHzの周波数を有することから、上述した日本国特開昭61−121590号公報に記載のリードワイヤ方式における伝送速度の問題については解決することができる。すなわち、2.5Gbps以上の信号伝送速度を問題なく実現することができる。
また、ミリ波・サブミリ波においては、通常の電波通信で実績のある多様な信号変調方式を利用しやすく、情報伝送の密度を高めやすいという利点を持つことから、機器の構成によっては、上述した日本国特開2007−260066号公報に記載する光ファイバによる信号伝送方式よりも情報速度を高めることが可能となる。
さらに、本実施形態の内視鏡システムに拠れば、日本国特開2007−260066号公報における信号伝送の信頼性に係る課題を解決することができる。
すなわち、まず、伝送信号であるミリ波・サブミリ波を伝送効率の良い導波路に閉じ込めて伝送するために、十分な信号強度を得られるうえに、伝送が途中で不安定になるような心配がない。
また、老朽化に伴い、仮に導波路が劣化し、亀裂等により切断することがあっても、ミリ波・サブミリ波は切断部を含めて伝播するうえに、上述した理由により、本実施形態においては信号伝送路(導波路)を十分に太くすることができるために、信号伝送の品質は劣化することはあっても、信号伝送自体が突然途切れることは無い。
また、上述したように、本実施形態においては、撮像素子22として、200万画素以上のいわゆるフルハイビジョン相当以上の画素数を持つ固体撮像素子を採用したが、本実施形態は、上述したように2.5Gbps以上の信号伝送速度を可能とするため、斯様な画素数であっても支障はない。
さらに、本実施形態においては、送受信回路26、送受信回路33として、MMIC(モノシリックマイクロ波集積回路)により構成されるミリ波・サブミリ波通信回路を採用したので、通信回路を小型化することができ、日本国特開2007−260066号公報に係る課題を解決することができる。
さらに、本実施形態の内視鏡システムは、湾曲部、可撓管部を備える挿入部6を構成要素とする内視鏡2を有し、すなわち、屈曲部を有することで先端硬性部の方向を自在に変更し所望の方向の画像を取得する機能を持つビデオ内視鏡システムにおいても、日本国特開2007−260066号公報に係る撮像ユニットの大きさに関する課題を解決し、先端部の小さいビデオ内視鏡システムを実現できる。
これは、ミリ波・サブミリ波によれば小さい通信回路を実現できるということだけでなく、ミリ波・サブミリ波によれば撮像ユニットの外から、電源となるエネルギーや動作クロックを撮像ユニットに送ることが可能であることに起因する。
すなわち、日本国特開2007−260066号公報に示すような光ファイバによる信号伝送方式では実現が困難な、フルハイビジョン画像信号の伝送と、先端部の小型化を両立することができる。
上述したように、このタイプのビデオ内視鏡システムにおいて先端部(屈曲しない部分)を小さくすることには強いニーズがあり、実際に狭い空間における観察を自由にするなど内視鏡の機能向上に大きく寄与することができる。
なお、本実施形態の内視鏡システムは、上部消化管のビデオ内視鏡システムであることを前提としたが、撮像ユニットが先端部に配された挿入部と、前記撮像ユニットにおいて生成された画像信号を処理する画像処理部と、前記撮像ユニットと前記画像処理部とを結ぶ信号伝送路を有するビデオ内視鏡システムであれば、内視鏡の種類に拠らず上記同様の効果を得ることができる。
すなわち、下部消化管(大腸)用内視鏡など各種の消化管用内視鏡はもちろんのこと、内視鏡外科手術において用いられる各種外科用内視鏡、パイプ、機械、各種構造物の内部を観察するための各種工業用内視鏡などにおいて、それぞれ同様の効果を得ることができる。
また本実施形態においては、上述したように、撮像ユニット20の構成として、撮像素子22、ドライバIC23、送受信アンテナ27および図示しないコンデンサを含み、前記ドライバIC23はアナログフロントエンド(AFE)部24、タイミングジェネレータ(TG)部25および送受信回路26を備えるものとしたが、この構成はこれに限らずとも、同様の効果を得ることができる。
たとえば、ドライバIC23内にあるアナログフロントエンド(AFE)部24、タイミングジェネレータ(TG)25部は、撮像素子22内に含めることも可能であり、この場合も同様の効果を得ることができる。
また内視鏡2側における送受信回路26およびビデオプロセッサ3側における送受信回路33は、いずれもモノシリックマイクロは集積回路(MMIC)として、上述したように回路の小型化において最適な構成としたが、これに拠らずとも、フルハイビジョン画像信号の高い信頼性での伝送は可能であり、同様の効果を得ることはできる。
<第2の実施形態>
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図10は、本発明の第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)の放熱ルートを示した要部拡大断面図であり、図11は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、外部導体の内周面と内部誘電体の外周面との接触状態を説明する断面図であり、図12は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、外部導体の内周面と内部誘電体の外周面との接触状態を説明する要部拡大断面図である。また、図13は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、透過特性の結果を示した図である。
本第2の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第1の実施形態と同様であるので、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
すなわち、本第2の実施形態の内視鏡システム1は、第1の実施形態に対して、導波路(導波管)51において外部導体53の内周面と内部誘電体52の外周面との接触状態のみを異にするものであって、その構成は基本的には第1の実施形態と同様である。
図12は、例えば図11における前記符号54にて示される「外部導体53の内周面と内部誘電体52の外周面との接触部」の状態を説明するために、導波管51を長軸方向に沿って約20mmに亘って切り出し、これら「接触部」を拡大して示したものであり、図13は、図12における符号55にて示される部分をさらに拡大して示したものである。
本第2の実施形態においては、導波管51における内部誘電体52を第1の実施形態の如く成型した後、例えば、サンドブラスト、プラズマ放電、薬液による処理などでミリ波波長に対し十分な細かさで表面を荒らす処置を施す。これにより、当該内部誘電体52の外周面表面には細かな凹凸が形成されることとなる。
さらに、当該内部誘電体52の外周面表面の凹凸部に、例えば、金属めっきを施すことにより外部導体53を形成する(図11参照)。
ここで、「外部導体53の内周面と内部誘電体52の外周面との接触部」に関し、その熱抵抗(℃/W)はこれら接触部の表面積に反比例することから、当該表面積を大きくすればするほど、熱抵抗を下げることができる。
いま、内部誘電体52の外周面表面に上述の如き凹凸部を形成する処置を施すことにより、「外部導体53の内周面と内部誘電体52の外周面との接触部」の表面積が実質的に2倍に増えたとする。このとき、係る接触部における熱抵抗は、上述の如き凹凸部が形成されない状態の場合に比して1/2になる。また、このとき、内部誘電体52−外部導体53間においては、「熱エネルギー」を2倍伝えやすくなっている、といえる。
また、当該熱抵抗を下げることで外部導体53から内部誘電体52への熱移動、および、内部誘電体52から外部導体53への熱移動が共に容易になり、撮像ユニット20全体として温度の上昇を抑えることが可能となる。
また、当該内部誘電体52の外周面表面を荒らす処置が施され、当該内部誘電体52の外周面表面に細かな凹凸が形成されると、外部導体53としての金属めっきの密着度(対内部誘電体52外周面)も増すことになる。
ここで、当該内部誘電体52の外周面表面における上記凹凸部の高さは、本第2の実施形態においては、50μm程度に設定する。これは、いま、ミリ波60GHzの信号を想定すると、当該信号の波長は5mmとなることから、上記凹凸部の高さを、当該波長5mmの1/100に設定することで、高速伝送特性に影響を及ぼすことなく、内部誘電体52−外部導体53間の伝熱性能を高めることが可能となる。
図13は、第2の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける導波路(導波管)において、透過特性の結果を示した図である。この特性図からも、上記内部誘電体52の外周面表面における凹凸部の高さを50μm程度に設定した場合、高速伝送特性に対して何ら影響を及ぼさないことがわかる。
以上説明したように、本第2の実施形態によれば、導波管51の内部誘電体52の外周面表面をミリ波波長に対し十分な細かさで表面を荒らして凹凸部を形成し、かつ、この凹凸部に金属めっき等により外部導体を形成することで、高速伝送特性に影響を及ぼすことなく、内部誘電体52−外部導体53間の伝熱性能を高めることが可能となる。
すなわち、第2の実施形態によると、リードワイヤによる信号伝送方式の課題である伝送速度の限界を克服しつつ、光ファイバによる信号伝送方式の課題をも克服する新しい信号伝送方式を備えると共に、効率の良い熱対策を施した内視鏡システムを提供することができる。
<第3の実施形態>
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
図14は、本発明の第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける内視鏡先端硬性部の内部構造を示した要部拡大断面図であり、図15は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニットおよび導波路(導波管)を示した要部拡大平面図である。また、図16は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニット内の断熱効果を説明する要部拡大断面図である。さらに、図17は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニット内の断熱効果を示した図である。
本第3の実施形態の内視鏡システムは、その構成は基本的には第1の実施形態と同様であるので、ここでは第1の実施形態との差異のみの説明にとどめ、その他の詳細の説明は省略する。
すなわち、本第3の実施形態の内視鏡システム1は、先端硬質部10の中で、撮像ユニット20を断熱材で覆うことで、先端部内の温度上昇をより軽減することを特徴とするものであり、その他の構成は基本的には第1の実施形態と同様である。
図14に示すように、本第3の実施形態においては、撮像ユニット20を断熱材71で覆うようになっている。このように撮像ユニット20を断熱材71により断熱することで、航空機エンジン観察など高温の観察対象であっても画質を維持しつつ、内視鏡先端部の熱上昇を抑制することができるという効果を奏する。
ここで、撮像ユニット20を断熱材で覆う方法としては、本第3実施形態においては、撮像光学系までを組み付けた後で発泡ウレタンの液体発泡剤を供給して撮像ユニット20を覆う。
または、予め成型された発泡ウレタン、または、発泡PTFEに撮像ユニット20を組み付ける方法も考えられる。
通常、撮像ユニットの如き部材に対して、外部との間で断熱処理を施すと、外部からの加熱の影響は排除できる一方で、撮像ユニット20自身が生じる熱を気中放熱することが困難になる。
本第3の実施形態においては、撮像ユニット20において外部との間で断熱処理を施すことで、外部からの加熱の影響は排除できる一方で、撮像ユニット20自身が生じる熱については、第1の実施形態と同様の仕組みにより、内視鏡挿入部全体で放熱するようになっている。
また図17は、第3の実施の形態にかかる内視鏡システムにおける撮像ユニット内の断熱効果を示した図である。
図17に示すように、本第3の実施形態の如く撮像ユニット20を断熱材で覆い、撮像ユニット20において外部との間で断熱処理を施すことで、当該箇所に断熱材を配設しない場合に比べて、撮像素子22およびドライバIC23における半導体ジャンクション温度に達成することを防ぐことができる、という効果を奏する。
本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変えない範囲において、種々の変更、改変等が可能である。
1:内視鏡システム
2:内視鏡
3:ビデオプロセッサ
6:挿入部
7:操作部
8:ユニバーサルコード
10:先端硬性部
20:撮像ユニット
21:撮像光学系
22:撮像素子
23:ドライバIC
26:送受信回路
27:送受信アンテナ
28:セラミック基板
28a:導電パターン
33:送受信回路
34:送受信アンテナ
41:制御信号線
42:電源線
43:GND線
51:導波路(導波管)
52:内部誘電体
53:外部導体

Claims (7)

  1. 被検物を撮像して画像信号を生成する撮像ユニットが先端に配された挿入部と、前記撮像ユニットで生成された前記画像信号を処理する画像処理部と、前記撮像ユニットと前記画像処理部とを結ぶ信号伝送路を有する内視鏡システムであって、
    前記信号伝送路の少なくとも一部は、ミリ波またはサブミリ波を伝搬する導波路により構成され、
    前記導波路は、長手方向に誘電率が均一になるように延出された内部誘電体と、長手方向に連続的に延出され前記誘電体の外周を覆う金属層と、を有する導波管により構成され、
    前記内部誘電体は、少なくとも一部に熱伝導性フィラーを配合する
    ことを特徴とする内視鏡システム。
  2. 前記内部誘電体は、フッ素樹脂を含む樹脂部材を有し、前記樹脂部材に対して前記熱伝導性フィラーを配合して構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡システム。
  3. 前記熱伝導性フィラーは、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素または窒化アルミニウムのうち少なくとも1つにより形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の内視鏡システム。
  4. 前記内部誘電体は、長手方向と平行な断面において、少なくとも第1の径と前記第1の径より大きい第2の径を有する
    ことを特徴とする請求項1−3のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
  5. 前記内部誘電体は、前記第1の径と前記第2の径との差が、前記信号伝送路を伝播する電波の波長の1/100以下である
    ことを特徴とする請求項4に記載の内視鏡システム。
  6. 前記撮像ユニットは、外周が断熱性を有する樹脂で覆われている
    ことを特徴とする請求項1−5のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
  7. 前記内部誘電体は、誘電損失tanδが10-3より小さい値である
    ことを特徴とする請求項1−6のいずれか1項に記載の内視鏡システム。
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