JP2018082697A - 向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物、それを利用してセルロースを生産する方法、及び該微生物を製造する方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物を提供する。【解決手段】向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物であって、前記微生物は、ホスホフルクトースキナーゼ(PFK)活性を増加させる遺伝的改変を含む、微生物。【選択図】図3
Description
本発明は、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物、それを利用してセルロースを生産する方法、及び前記微生物を製造する方法に関する。
微生物培養を介して作られたセルロースは、グルコースが、β−1,4グルカンという一次構造で存在し、それらが、いくつかの鎖のフィブリル(fibril)の網状構造をなしている。このようなセルロースを「バイオセルロース」あるいは「微生物セルロース」ともいう。
かような微生物セルロースは、植物セルロースと異なり、リグニンやヘミセルロースが全くない純粋なセルロース状態であり、纎維幅も100nm以下であり、植物セルロースと比べて湿潤性、吸水性、高強度、高弾力性、高耐熱などの特性を有している。かような特性のために、微生物セルロースは、化粧品、医療用品、食物纎維、音響機器振動板、機能性フィルムなどの多様な産業に応用されて開発されている。
微生物セルロース生産菌株としては、アセトバクター(Acetobacter)、アグロバクテリア(Agrobacteria)、リゾビア(Rhizobia)またはサルシナ(Sarcina)が報告されており、そのうち、特に優秀な菌株としては、コマガタエイバクター・キシリナス(Komagataeibacter xylinum)(「グルコンアセトバクター・キシリナス(Gluconacetobacter xylinum)」ともいう)が知られている。好気的条件で静置培養すれば、培養液表面に薄膜形態として、三次元網状組織のセルロースが形成される。
ホスホフルクトースキナーゼ(PFK:phosphofructose kinase)は、その反応において、フルクトース−6−ホスフェートをリン酸化させ、フルクトース−1,6−ビスホスフェート(FBP)に変換させるタンパク質である。該PFKは、その反応において、核心的に調節的な役割を果たす。該PFKは、ATPによって、アロステリックに阻害され、AMPによって、アロステリックに活性化される。それは、その反応が進められるとき、細胞がエネルギーを要求するということを示す。該PFKは、バクテリア及び哺乳動物においては、ホモテトラマーとして、及び酵母においては、オクタマーとして存在すると知られている。
セルロース生産菌株に多様な変異を誘導し、セルロース生産能を向上させる研究が進められているが、前述の従来技術にもかかわらず、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物への要求がある。
本発明の一態様は、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物を提供することである。
本発明の他の態様は、前記微生物を利用して、セルロースを生産する方法を提供することである。
本発明の他の態様は、前記微生物を製造する方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物であって、前記微生物は、ホスホフルクトースキナーゼ(PFK)活性を増加させる遺伝的改変を含む、微生物を提供する。
前記課題を解決するために、本発明はまた、向上したセルロース生産能を有し、ホスホフルクトースキナーゼ活性を増加させる遺伝的改変を含むコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物を培地中で培養して、セルロースを生成する段階と、培養物から前記セルロースを回収する段階と、を含む、セルロースを生産する方法を提供する。
前記課題を解決するために、本発明はまた、コマガタエイバクター属微生物に、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子を導入する段階を含む、セルロース生産能が向上した微生物を製造する方法を提供する。
本明細書で使用される用語「活性増加(increase in activity)」、または「増加した活性(increased activity)」は、細胞、タンパク質または酵素の活性検出可能な増加を示すであろう。「活性増加」、または「増加した活性」は、与えられた遺伝的改変(genetic modification)を有さない細胞、タンパク質または酵素(例:起源または「野生型(wild−type)」の細胞、タンパク質または酵素)のような、同一タイプの比較細胞、タンパク質または酵素の活性レベルよりさらに高い改変された(例:遺伝的に操作された)細胞、タンパク質または酵素の活性レベルを示すであろう。「細胞の活性」とは、細胞の特定タンパク質または酵素の活性を示すであろう。例えば、前記改変されたまたは操作された細胞の活性は、同一タイプの操作されていない細胞または親細胞、すなわち野生型細胞の特定タンパク質または酵素の活性より、約5%以上、約10%以上、約15%以上、約20%以上、約30%以上、約50%以上、約60%以上、約70%以上または約100%以上向上されうる。タンパク質または酵素の増加した活性を有する細胞は、当業界にて公知である任意の方法を使用することにより確認されうる。
酵素またはポリペプチドの活性増加は、発現増加または比活性(specific activity)増加によって得ることができる。前記発現増加は、酵素またはポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが細胞に導入されたり、そのコピー数が増加したりすること、あるいは前記ポリヌクレオチドの調節領域の変異に起因する。遺伝子が導入される微生物は、内因的に遺伝子を含むもの、または含んでいないものであり得る。前記遺伝子は、その発現を可能とする調節配列、例えば、プロモーター、ポリアデニル化部位、またはその組み合わせと作動可能に連結されたものでありうる。外部から導入されたまたはコピー数が増加されたポリヌクレオチドは、内因性(endogenous)または外因性(exogenous)でありうる。前記内因性遺伝子は、微生物内部に含まれる遺伝物質上に存在する遺伝子をいう。前記外因性遺伝子は、外部から細胞内に導入される遺伝子を意味し、導入される遺伝子は、導入される宿主細胞に対して、同種(homologous)または異種(heterologous)でありうる。「異種(heterologous)」は、天然(native)ではない外因性(foreign)を意味する。
用語「コピー数増加(copy number increase)」は、遺伝子の導入または増幅によるものでもあり、操作されていない細胞に存在しない遺伝子を、遺伝的操作によって有することになる場合も含む。前記遺伝子の導入は、ベクターのような運搬体を媒介してなされうる。前記導入は、遺伝子がゲノムに統合されていない臨時的(transient)導入や、ゲノムに挿入される導入でありうる。前記導入は、例えば、目的とするポリペプチドをコードするポリヌクレオチドが挿入されたベクターを、細胞に導入した後、前記ベクターが細胞内で複製されるか、あるいは前記ポリヌクレオチドがゲノムに統合されることによってなされうる。
前記遺伝子の導入は、形質転換、形質導入(transfection)、電気穿孔(electroporation)のような公知方法によってもなされうる。遺伝子は、運搬体(vehicle)を介して導入されるか、あるいはそのまま導入される。本明細書において「運搬体」とは、連結されている他の核酸を伝達することができる核酸分子を含む。特定遺伝子の導入を媒介するヌクレオチド配列という観点において、本明細書において運搬体は、ベクター、核酸構造体及びカセットと相互交換可能に使用されると解釈される。ベクターには、例えば、プラスミド由来またはウィルス由来のベクターなどが含まれる。プラスミドとは、追加のDNAが連結される円形の二本鎖DNA環を含む。ベクターには、例えば、プラスミド発現ベクター、ウィルス発現ベクター、例えば、複製欠陥レトロウィルス、アデノウィルス及びアデノ関連ウィルス、またはその組み合わせが含まれてもよい。
本明細書で使用される遺伝子の操作は、当業界にて公知である分子生物学的方法で行うことができる。
用語「親細胞(parent cell)」は、起源細胞(original cell)、例えば、操作された微生物に対して、同一タイプの、遺伝的に操作されていない細胞を示す。特定の遺伝的改変に関して、前記「親細胞」は、特定の遺伝的改変を有さない細胞であるが、他の点については、同一である。従って、前記親細胞は、与えられたタンパク質(例えば、ホスホフルクトースキナーゼと約90%以上の配列同一性を有するタンパク質)の増加した活性を有する、遺伝的に操作された微生物を製造するために、出発物質(starting material)として使用された細胞でありうる。さらに説明すれば、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子が、遺伝的に改変され、細胞内でホスホフルクトースキナーゼ活性が向上した微生物に対して、前記親細胞は、遺伝的に改変されていない微生物でありうる。同一の比較が、他の遺伝的改変にも適用される。
本明細書で使用される用語「遺伝子」は、特定タンパク質をコードする核酸断片を意味し、5’−ノンコーディング配列(5’−non coding sequence)及び/または3’−ノンコーディング配列(3’−non coding sequence)の調節配列(regulatory sequence)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。
本明細書で使用される用語「遺伝子」は、特定タンパク質をコードする核酸断片を意味し、5’−ノンコーディング配列(5’−non coding sequence)及び/または3’−ノンコーディング配列(3’−non coding sequence)の調節配列(regulatory sequence)を含んでもよく、あるいは含まなくてもよい。
本明細書において、核酸またはポリペプチドの「配列同一性(sequence identity)」は、特定の比較可能な領域において、両配列を最大限一致するように整列させた後、配列の塩基またはアミノ酸残基間の同一性の程度を意味する。配列同一性は、特定の比較可能な領域において、2個の配列を最適に整列して比較することによって測定される値であり、比較可能な領域内において配列の一部は、参照配列(reference sequence)と比較し、付加または削除されうる。配列同一性のパーセンテージは、例えば、比較可能な領域全体において、2つの最適に整列された配列を比較する段階、2つの最適に整列された配列において、同一のアミノ酸またはヌクレオチドが示される位置の数を決定し、一致した(matched)位置の数を得る段階、前記一致した位置の数を比較可能な範囲内の位置の総数(すなわち、範囲サイズ)で除する段階、及び除算の結果に100を乗じ、配列同一性のパーセンテージを得る段階によって計算されうる。配列同一性のパーセントは、公知の配列比較プログラムを使用しても決定され、前記プログラムの一例として、BLASTN(NCBI)、BLASTP(NCBI)、CLC Main Workbench(CLCbio)、MegAlign(登録商標)(DNASTAR Inc)などを挙げることができる。
同一または類似の機能や活性を有する様々なタイプのポリペプチドまたはポリヌクレオチドを同定するために、様々なレベルの配列同一性を使用することができる。例えば、配列同一性は、50%以上、55%以上、60%以上、65%以上、70%以上、75%以上、80%以上、85%以上、90%以上、95%以上、96%以上、97%以上、98%以上、99%以上または100%の配列同一性を含みうる。
本明細書で使用される用語「遺伝的改変(genetic modification)」とは、細胞の遺伝物質の構成または構造を人為的に変更させることを含む。
本発明の一態様では、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物であって、前記微生物は、ホスホフルクトースキナーゼ(PFK)活性を増加させる遺伝的改変を含む、微生物を提供する。
ホスホフルクトースキナーゼ(PFK)は、その反応において、フルクトース−6−ホスフェートをリン酸化してフルクトース−1,6−ビスホスフェートに変換するタンパク質である。前記ホスホフルクトースキナーゼは、外因性または内因性なものでありうる。前記PFKは、PFK1(「PFKA」ともいう)でありうる。前記PFK1は、EC(酵素番号)2.7.1.11に属するものでありうる。前記PFKは、バクテリア由来のものでありうる。前記PFKは、エシェリキア属(Escherichia)由来、バチルス属(Bacillus)由来、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)由来、ザイモモナス属(Zymomonas)由来またはビブリオ属(Vibrio)由来でありうる。前記PFKは、大腸菌(E.coli)、例えば、大腸菌(E.coli) MG1655由来のものでありうる。
ホスホフルクトースキナーゼは、ATP及びフルクトース−6−ホスフェートを、フルクトース−1,6−ビスホスフェート及びADPに変換させることを触媒することができる。前記ホスホフルクトースキナーゼは、ADP及びジホスホヌクレオシド(diphosphonucleoside)によって、アロステリックに(allosterically)活性化され、ホスホエノールピルベート(phosphoenolpyruvate)によって、アロステリックに抑制される。前記ホスホフルクトースキナーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と、90%以上、95%以上または100%の配列同一性を有するポリペプチドでありうる。
前記微生物において、遺伝的改変は、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子の発現を増加させることができる。前記遺伝的改変は、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子のコピー数増加、または前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変でありうる。該コピー数増加は、前記遺伝子の細胞外部から細胞内部への導入、または内因性遺伝子の増幅によるものでありうる。前記遺伝子は、EC2.7.1.11に属するPFK1をコードするポリヌクレオチドでありうる。前記PFKは、バクテリア由来でもよい。前記遺伝子は、エシェリキア属(Escherichia)由来、バチルス属(Bacillus)由来、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)由来、ザイモモナス属(Zymomonas)由来またはビブリオ属(Vibrio)由来でありうる。前記遺伝子は、大腸菌(E.coli)由来物でありうる。前記遺伝子は、配列番号1のアミノ酸配列と、90%、95%または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列を有するものでありうる。前記遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列と、90%以上、95%以上または100%の配列同一性を有するものでありうる。
前記遺伝的改変は、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子が導入されたもの、例えば、ベクターのような運搬体を介して導入されたものでありうる。前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子は、染色体内または染色体外に存在することができる。導入されたホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子は、複数個、例えば、2以上、5以上、10以上、30以上、50以上、100以上または1,000以上でありうる。
前記微生物は、コマガタエイバクター属に属するものであり、バクテリアセルロース生産能を有するものでありうる。前記微生物は、内在性PFK1を有していないものでもよい。従って、前記微生物は、内在的な解糖経路(glycolytic pathway)を有していないものでもよい。前記微生物は、K.キシリナス(K.xylinus)(「G.キシリナス(G.xylinus)」ともいう)、K.ラエティカス(K.rhaeticus)、K.スウィングシイ(K.swingsii)、K.コンブチャ(K.kombuchae)、K.ナタイコラ(K.nataicola)またはK.スクロフェルメンタス(K.sucrofermentans)でありうる。
本発明の他の態様は、向上したセルロース生産能を有し、ホスホフルクトースキナーゼ活性を増加させる遺伝的改変を含むコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物を培地中で培養して、セルロースを生成する段階と、培養物から前記セルロースを回収する段階と、を含む、セルロースを生産する方法を提供する。
前記方法は、向上したセルロース生産能を有し、ホスホフルクトースキナーゼ活性を増加させる遺伝的改変を含むコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物を培地中で培養して、セルロースを生成する段階を含む。前記コマガタエイバクター属微生物については、前述の通りである。
前記培養は、炭素源、例えば、グルコースを含む培地でも行うことができる。微生物培養に使用される培地は、適切なサプリメントを含む最小培地または複合培地のような、宿主細胞の成長に適する任意の一般的な培地でありうる。前記培地は、市販のものあるいは公知の製法によって製造されたものでもよい。
前記培地は、選択される培養産物に応じて、特定微生物の要求条件を満足させることができる培地でありうる。前記培地は、炭素源、窒素源、塩、微量元素、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される成分を含む培地でありうる。
培養条件は、選択される産物、例えば、セルロース生産のために適切に調節されうる。前記培養は、細胞増殖のために、好気条件下で行うことができる。前記培養は、撹拌培養(spinner culture)あるいは撹拌なしの静置培養(static culture)であってもよい。前記微生物の濃度は、セルロース生成を妨害しないために十分な間隔が与えられる濃度でありうる。
用語「培養条件」は、微生物を培養するための条件を意味する。かような培養条件は、例えば、微生物が利用する炭素源、窒素源または酸素条件でありうる。微生物が利用することができる炭素源は、単糖類、二糖類または多糖類を含んでもよい。前記炭素源は、資化可能な糖であり、グルコース、フルクトース、マンノースまたはガラクトースを含んでもよい。前記窒素源は、有機窒素化合物または無機窒素化合物でありうる。前記窒素源は、アミノ酸、アミド、アミン、硝酸塩またはアンモニウム塩でありうる。微生物を培養する酸素条件には、正常酸素分圧の好気性条件、または大気中に、0.1%ないし10%の酸素を含む低酸素条件がある。代謝経路は、微生物が実際に利用可能な炭素源及び窒素源に合わせて改変できる。
前記培地は、エタノールまたはセルロースを含んでもよい。前記エタノールは、培地体積に対して、0.1ないし5%(v/v)、例えば、0.3ないし2.5%(v/v)、0.3ないし2.0%(v/v)、0.3ないし1.5%(v/v)、0.3ないし1.25%(v/v)、0.3ないし1.0%(v/v)、0.3ないし0.7%(v/v)、または0.5ないし3.0%(v/v)でありうる。前記セルロースは、培地体積に対して、0.5ないし5%(w/v)、0.5ないし2.5%(w/v)、0.5ないし1.5%(w/v)、または0.7ないし1.25%(w/v)でありうる。前記セルロースは、カルボキシル化されたセルロースでありうる。前記セルロースは、CMCでありうる。前記CMCは、ナトリウムCMCでありうる。
前記方法は、微生物培養物から、セルロースを回収する段階を含む。前記回収は、例えば、培地上端に形成されたセルロース薄膜(cellulose pellicle)を回収することでありうる。前記セルロース薄膜は、物理的に取り除いたり、培地を除去したりすることによっても回収されうる。前記回収は、セルロース薄膜の形態を毀損させずに維持したまま回収することができる。
他の態様は、コマガタエイバクター属微生物に、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子を導入する段階を含む、セルロース生産能が向上した微生物を製造する方法を提供する。ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子の導入は、前記遺伝子を含む運搬体を、前記微生物に導入することでされうる。前記方法において、遺伝的改変は、前記遺伝子を増幅すること、前記遺伝子の調節配列を操作すること、または前記遺伝子自体の配列を操作することを含むものでありうる。前記操作は、ヌクレオチドの挿入、置換、転換または付加でありうる。
一実施形態によれば、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物は、セルロースを高効率で生産するのに使用することができる。
他の実施形態によれば、セルロースを生産する方法は、セルロースを効率的に生産するために使用できる。
他の実施形態によれば、セルロース生産能が向上した微生物を製造する方法は、セルロース生産能が向上した微生物を効率的に製造するために使用できる。
以下、本発明について、実施例を介してさらに詳細に説明する。しかし、それら実施例は、本発明を例示的に説明するためのものであり、本発明の範囲は、それら実施例に限定されるものではない。
実施例1.ホスホフルクトースキナーゼ遺伝子を含むK.キシリナス(xylinus)の作製及びセルロースの生産
本実施例では、コマガタエイバクター・キシリナス(Komagataeibacter xylinus) DSM2325(DSM,Germany)に、外因性ホスホフルクトースキナーゼ遺伝子を導入し、前記遺伝子が導入された微生物を前記微生物がグルコースを消費してセルロースを生産できるように培養することによって、前記遺伝子の導入がセルロース生産能に及ぼす影響を確認した。
本実施例では、コマガタエイバクター・キシリナス(Komagataeibacter xylinus) DSM2325(DSM,Germany)に、外因性ホスホフルクトースキナーゼ遺伝子を導入し、前記遺伝子が導入された微生物を前記微生物がグルコースを消費してセルロースを生産できるように培養することによって、前記遺伝子の導入がセルロース生産能に及ぼす影響を確認した。
1.pfkAを過発現させるためのベクター作製
K.キシリナスに、ホスホフルクトースキナーゼ(pfk)遺伝子を相同組み換え(homologous recombination)によって導入した。具体的手順は、次の通りである。
K.キシリナスに、ホスホフルクトースキナーゼ(pfk)遺伝子を相同組み換え(homologous recombination)によって導入した。具体的手順は、次の通りである。
pTSa−EX1ベクター(配列番号9)をテンプレートとして、配列番号5及び配列番号6のプライマーセットと、配列番号7及び配列番号8のプライマーセットとを使用して、PCR増幅によって増幅産物を得た。前記増幅産物を、pTSa−EX1ベクターのBamHIとSalIとの制限酵素位置に、In−fusion GDクローニングキット(Takara)を利用してクローニングすることにより、pTSa−EX11ベクターを作製した。pTSa−EX1ベクターは、大腸菌とK.キシリナスとの両方において複製可能なシャトルベクター(shuttle vector)である。
pfkAを相同組み換えにより導入するために、pfkA遺伝子のオープンリーディングフレーム(ORF:open reading frame)(配列番号2)を、大腸菌K12MG 1655のゲノムDNAをテンプレートとして、配列番号3及び配列番号4のプライマーセットをプライマーとして利用して、PCR増幅によって得た。前記pfkA遺伝子断片を、pTSa−EX11ベクターのBamHIとSalIとの制限酵素位置に、In−fusion GDクローニングキット(Takara)を利用してクローニングすることにより、pfkAを過剰発現させるためのベクターpTSa−Ec.pfkAを作製した。
2.大腸菌(E.coli) pfkA遺伝子挿入用ベクター作製
pTSa−Ec.pfkAベクターをテンプレートとして、配列番号10及び配列番号11のプライマーセットをプライマーとして使用して、PCR増幅によって、tetA遺伝子を増幅した。このPCR産物を、pMSK+ベクター(Genbank Accession No.KJ922019)のEcoRI制限酵素位置に、in−fusion GDクローニングキット(Takara)を使用してクローニングすることにより、pTSK+ベクターを作製した。
pTSa−Ec.pfkAベクターをテンプレートとして、配列番号10及び配列番号11のプライマーセットをプライマーとして使用して、PCR増幅によって、tetA遺伝子を増幅した。このPCR産物を、pMSK+ベクター(Genbank Accession No.KJ922019)のEcoRI制限酵素位置に、in−fusion GDクローニングキット(Takara)を使用してクローニングすることにより、pTSK+ベクターを作製した。
K.キシリナス菌株のゲノムDNAをテンプレートとして、配列番号12および13、配列番号14および15ならびに配列番号16および17のプライマーセットをそれぞれプライマーとして、pfkA遺伝子が挿入される位置の相同領域(homologous region)を、PCRによって増幅し、増幅産物をpTSK+ベクターのEcoRI制限酵素位置に、in−fusion GDクローニングキット(Takara)を使用してクローニングすることにより、pTSK−(del)2760ベクターを作製した。
pTSa−Ec.pfkAベクターをテンプレートとして、配列番号18及び配列番号19のプライマーセットをプライマーとして使用して、PCR増幅によって、Ptac::Ec.pfkA遺伝子を増幅した。このPCR産物を、pTSK−(del)2760ベクターのEcoRI制限酵素位置に、in−fusion GDクローニングキット(Takara)を使用してクローニングすることにより、pTSK−(del)2760−Ec.pfkAベクターを作製した。
3.ホスホフルクトースキナーゼ遺伝子導入
K.キシリナスに、大腸菌のpkfA遺伝子、すなわち、配列番号2のヌクレオチド配列を導入するために、pTSK−(del)2760−Ec.pfkAベクターをテンプレートとして、配列番号12及び配列番号17のプライマーセットをプライマーとして使用して、Ptac::Ec.pfkA遺伝子挿入用カセット(cassette)を増幅し、増幅産物を、次のような形質転換方法を使用して、K.キシリナス菌株に導入した。具体的な導入手順は、次の通りである。
K.キシリナスに、大腸菌のpkfA遺伝子、すなわち、配列番号2のヌクレオチド配列を導入するために、pTSK−(del)2760−Ec.pfkAベクターをテンプレートとして、配列番号12及び配列番号17のプライマーセットをプライマーとして使用して、Ptac::Ec.pfkA遺伝子挿入用カセット(cassette)を増幅し、増幅産物を、次のような形質転換方法を使用して、K.キシリナス菌株に導入した。具体的な導入手順は、次の通りである。
K.キシリナス菌株を、2%のグルコースが添加されたHS培地(ペプトン(peptone)0.5%、酵母抽出物(Yeast extract)0.5%、Na2HPO4 0.27%、クエン酸0.15%、グルコース2%及びバクトアガー(bacto−agar)1.5%)に塗抹し、30℃で3日間培養した。前記菌株を、0.2%(v/v)セルラーゼ(cellulase)(sigma、Cellulase from Trichoderma reesei ATCC 26921)が添加された5ml HS培地に植菌し、30℃で2日間培養した。かように培養された細胞懸濁液(cell suspension)を、0.2%(v/v)セルラーゼが添加された100ml HS培地に、細胞密度(OD600)が0.04になるように植菌した後、30℃で、細胞密度が0.4〜0.7になるように培養した。前記培養された菌株を、1mMのHEPESバッファで洗浄し、15%のグリセロールで3回洗浄した後、15%のグリセロール1mlで懸濁し、コンピテントセル(competent cell)を作製した。
前記作製されたコンピテントセル100μlを、2mmのエレクトロキュベット(electro−cuvette)に移し、3μgの上記で作製したPtac::Ec.pfkAカセットを添加した後、電気穿孔法(electroporation)(2.4kV、200Ω、25μF)によって、ベクターをコンピテントセルに導入した。ベクターが導入された細胞を、2%のグルコース及び0.1%(v/v)セルラーゼを含む1mlのHS培地に懸濁し、14mlの丸底チューブに移した後、30℃、160rpmで16時間培養した。培養された細胞を、2%のグルコース、1%のエタノール及び5μg/mlのテトラサイクリンが添加されたHS培地に塗抹し、30℃で4日間培養した。テトラサイクリン耐性を有する菌株を選別して、pfk遺伝子が過剰発現された菌株を作製した。
4.グルコース消耗量、セルロース及びグルコネートの生産量確認
指定されたK.キシリナス菌株を、5%グルコース及び1%エタノールが添加された50mlのHS培地に植菌し、30℃、230rpmで撹拌しながら5日間培養し、グルコース消耗量及びセルロース生産量を測定した。グルコース及びグルコネートは、Aminex HPX−87Hカラム(Bio−Rad、米国)が装着された高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して分析した。セルロース生産量は、フラスコ内に形成されたセルロース固形物を、0.1N水酸化ナトリウム溶液と蒸溜水とで洗浄して凍結乾燥させた後で重量を測定した。グルコネート収率を分析した。
指定されたK.キシリナス菌株を、5%グルコース及び1%エタノールが添加された50mlのHS培地に植菌し、30℃、230rpmで撹拌しながら5日間培養し、グルコース消耗量及びセルロース生産量を測定した。グルコース及びグルコネートは、Aminex HPX−87Hカラム(Bio−Rad、米国)が装着された高性能液体クロマトグラフィ(HPLC)を使用して分析した。セルロース生産量は、フラスコ内に形成されたセルロース固形物を、0.1N水酸化ナトリウム溶液と蒸溜水とで洗浄して凍結乾燥させた後で重量を測定した。グルコネート収率を分析した。
その結果を、図1ないし図3に示す。図1は、それぞれpfk遺伝子が導入されたK.キシリナス菌株を培養した培養物からのCNF生産量を示す。図1に示されているように、pfkA遺伝子がK.キシリナスに導入されたとき、CNF生産量は、野生菌株に比べて約115%増加した。表1は、図1及び図2に示されたデータを示す。
図2は、それぞれpfk遺伝子が導入されたK.キシリナス菌株を培養した培養物から得られたセルロースナノファイバー(CNF:cellulose nanofiber)収率を示した図面である。図2に示されているように、pfkA遺伝子がK.キシリナスに導入されたとき、CNF収率は、野生菌株に対して約113%増加した。
また、野生菌株及び組み換え菌株を、HSD培地(酵母抽出物5g/L、バクトペプトン(bactopeptone)5g/L、Na2HPO4 2.7g/L、クエン酸1.15g/L及びグルコース20g/L)及びアガー20g/L含有プレートに塗抹し、30℃で3日培養した。
スターター発酵は、250mLフラスコに100mL HSD培地を添加した後、3白金耳の菌を植菌した後、30℃、150rpmで20時間培養した。
前記発酵は、1.5Lベンチタイプ(bench−type)発酵器(Biotron、GX2−series)システムを使用し、バッフル(baffle)を除去し、ピッチタイプインペラ(pitch−type impeller)とマイクロスパージャ(microsparger)とを使用して、上下流動を強化した撹拌環境を構成した。
運転条件は、初期体積0.7L、温度30℃、pH5.0(中和剤3N KOH(aq)で調整)、撹拌速度150rpm、通気量0.7L/min、そして培地は、グルコース40g/L添加されたHS培地であり、14%(v/v)比率で植菌した。
CMC添加環境において発酵評価は、同一HS培地にNa_CMC 1.0%(w/v)を添加すること、および前述の条件から撹拌速度を250rpmに変更することを含めた。CNF量は、回収した発酵液を、前処理、すなわち0.1N NaOH(aq)溶液を使用して、90℃で2時間洗浄した後、重量に基づいて測定した。
図3は、それぞれpfk遺伝子が導入されたK.キシリナス菌株を培養して発酵させたときに生産されたCNF生産量及びその収率を示す図面である。図3に示されているように、pfkA遺伝子がK.キシリナスに導入されたとき、CNF生産量は、対照群に対して約32%、収率は、55%増加した。該収率は、使用されたグルコース重量に対する生産されたCNF重量のパーセント比率である。表2は、図3のデータを示す。
図4は、pfkA遺伝子が導入されたK.キシリナス菌株を、CMCを添加して発酵させたときに生産されたCNF生産量及びその収率を示す図面である。図4に示されているように、pfkA遺伝子がK.キシリナスに導入されたとき、CNF生産量は、対照群に対して約50%、収率は、116%増加した。表3は、図4のデータを示す。
図4および表3は、導入された外因性pfkAが、前記菌株のフルクトース−6−ホスフェートをリン酸化して、フルクトース−1,6−ビスホスフェートに変換し、その反応とセルロース生産とに影響を与えたということを示す。
本発明の、向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属微生物、それを利用してセルロースを生産する方法、及び該微生物を製造する方法は、例えば、セルロース生産関連の技術分野に効果的に適用可能である。
Claims (17)
- 向上したセルロース生産能を有するコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物であって、前記微生物は、ホスホフルクトースキナーゼ(PFK)活性を増加させる遺伝的改変を含む、微生物。
- 前記遺伝的改変は、前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子のコピー数増加、または前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変である、請求項1に記載の微生物。
- 前記コピー数増加は、前記遺伝子の細胞外部から細胞内部への導入による、請求項2に記載の微生物。
- 前記ホスホフルクトースキナーゼは、EC2.7.1.11に属する、請求項1〜3のいずれか1項に記載の微生物。
- 前記ホスホフルクトースキナーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドである、請求項1に記載の微生物。
- 前記ホスホフルクトースキナーゼは、エシェリキア属(Escherichia)由来、バチルス属(Bacillus)由来、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)由来、ザイモモナス属(Zymomonas)由来またはビブリオ属(Vibrio)由来である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の微生物。
- 前記遺伝子は、配列番号2のヌクレオチド配列を有する、請求項2〜6のいずれか1項に記載の微生物。
- 前記コマガタエイバクター属微生物は、コマガタエイバクター・キシリナス(Komagataeibacter xylinus)である、請求項1〜7のいずれか1項に記載の微生物。
- 向上したセルロース生産能を有し、ホスホフルクトースキナーゼ活性を増加させる遺伝的改変を含むコマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物を培地中で培養して、セルロースを生成する段階と、
培養物から前記セルロースを回収する段階と、
を含む、セルロースを生産する方法。 - 前記遺伝的改変は、前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子のコピー数増加、または前記ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子の発現調節配列の改変である、請求項9に記載の方法。
- 前記コピー数増加は、前記遺伝子の細胞外部から細胞内部への導入による、請求項10に記載の方法。
- 前記ホスホフルクトースキナーゼは、エシェリキア属(Escherichia)由来、バチルス属(Bacillus)由来、マイコバクテリウム属(Mycobacterium)由来、ザイモモナス属(Zymomonas)由来またはビブリオ属(Vibrio)由来である、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 前記ホスホフルクトースキナーゼは、配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドである、請求項9に記載の方法。
- 前記遺伝的改変は、配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子のコピー数を増加させるか、または配列番号1のアミノ酸配列と90%以上の配列同一性を有するポリペプチドをコードする遺伝子の発現調節配列を改変させることである、請求項9に記載の方法。
- 前記コマガタエイバクター属微生物は、コマガタエイバクター・キシリナス(Komagataeibacter xylinus)である、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
- 前記培地は、0.5ないし5.0%(w/v)のカルボキシメチルセルロース(CMC)、0.1ないし5.0%(v/v)のエタノール、または0.5ないし5.0%(w/v)のCMCおよび0.1ないし5.0%(v/v)のエタノールを含む、請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
- コマガタエイバクター属(Komagataeibacter)微生物に、ホスホフルクトースキナーゼをコードする遺伝子を導入する段階を含む、セルロース生産能が向上した微生物を製造する方法。
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