JP2018080835A - キャップ、およびキャップを用いた固定構造部 - Google Patents

キャップ、およびキャップを用いた固定構造部 Download PDF

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Abstract

【課題】簡素で生産性が良く、低コストの構造により、ファスナからのキャップの脱落を防止する。
【解決手段】キャップ31は、構造材3に形成された貫通穴3aに挿通されたファスナ5と、ファスナ5の先端部に締結されるカラー7とによって、構造材3同士を固定する固定構造部51に適用され、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7を包囲するように装着される。キャップ31本体の、雌螺旋係合部33aよりも奥側の内周面には、ファスナ5およびカラー7ならびに構造材3の表面との間に形成される空間に充填されて硬化する充填材に対して係合する充填材係合部33bが形成され、充填材係合部33bは、キャップ31本体の中心軸線回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈し、その螺旋方向が雌螺旋係合部33aとは逆である。
【選択図】図10

Description

本発明は、航空機の重ね合わせられた構造材をファスナで固定する固定構造部において、上記ファスナを覆うように装着される樹脂製のキャップ、およびキャップを用いた固定構造部に関するものである。
航空機の機体は、例えばアルミ合金等の金属材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)等の複合材によって構成されており、各構造材は、多数のファスナを用いた固定構造部によって互いに固定されている。このような固定構造部の一例として、重ね合わせた複数の構造材に貫通穴を形成し、この貫通穴に金属製のファスナを挿通させ、ファスナの先端部にナット状のカラーを締結することによって複数の構造材同士を固定するものがある。
さらに、ファスナの先端部およびカラーを包囲するように、樹脂製のキャップを設ける場合がある。このキャップは、航空機に着雷した場合に、構造材と金属製のファスナやカラーとの間でスパークが発生することを防止するために用いられる。特に、燃料タンクの内面側にファスナ先端部およびカラーが位置する場合には、このようなキャップが有用である。
特許文献1には、このようなキャップを用いた固定構造部が開示されている。同文献では、キャップ内にガスを封入することによってスパークの発生を防止している。
ところが、特許文献1に記載のキャップは、その外周に塗布されたシーラントによって固定されているだけであり、これではキャップの固定の信頼性に欠け、脱落のおそれがある。
特に、航空機は、その運用中に、地上では高温(例えば100℃)となり飛行時には低温(例えば−60℃)となるといった過酷な温度変動を受ける。そのため、このような温度変動が生じる場合であってもキャップが脱落しないように固定することが要求される。
これに対して、特許文献2および特許文献3には、ファスナとキャップとを直接螺合させて固定する発明が開示されている。具体的には、キャップの内周に、ファスナ先端の雄ネジ部に螺合する雌ネジ部を形成し、ファスナの先端とキャップとを螺合することによってキャップを固定する発明が開示されている。
米国特許第4905931号明細書 米国特許第6135691号明細書 特開2010−254287号公報
しかしながら、このようにキャップをファスナの先端部に直接螺合して固定する構造は、ファスナの先端部を延長し、この延長した部分の雄ネジ部にキャップを螺合する必要がある。即ち、既存のファスナよりも長い特殊サイズのファスナを用いることになり、コストの増大を招いてしまう。しかも、ファスナの先端部が延長されるので、これを覆うキャップの軸線方向寸法も増大してしまい、周辺構造材との干渉リスクが高まるとともに、重量が増加する問題がある。
さらに、特許文献2および特許文献3に開示されているキャップは、キャップを少なからず良好にファスナに固定して脱落を防止できるものの、長期間に亘る使用によってネジ結合が緩み、キャップがファスナから脱落してしまう懸念がある。
ファスナとキャップとの間には硬化性の充填材(シーラント等)が充填され、ファスナとキャップとの間を接着結合させることによって耐雷性の向上とキャップの緩み防止が図られているが、キャップの材質として充填材との接着性の良い高価な材料を選択したり、キャップの表面に密着性を高めるような処理(ブラスト処理、シボ加工等)を行ったりしなればならず、この点もキャップの製造コストを高める原因となっていた。
一方、上記のようにファスナとキャップとの間に充填材が充填されるため、キャップをファスナに装着した時に、キャップの中に充填された充填材が外に食み出してキャップの周囲に付着してしまうことが多い。
例えば、燃料タンクの内面側に設けられたキャップの周囲に充填材が付着したままになっていると、この付着した充填材が燃料タンク内に剥がれ落ちて燃料と共に燃料フィルタに入り、燃料フィルタを詰まらせてしまう懸念がある。このため、膨大な数のキャップを全数点検し、付着した充填材を拭き取る作業が必要であり、この作業に多大な工数が費やされていた。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、簡素で生産性が良く、製造コストが安価な構造により、ファスナからの脱落を防止することができるキャップ、およびキャップを用いた固定構造部を提供することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
本発明の第1の態様に係るキャップは、航空機の重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に締結されるカラーとによって、前記構造材同士を固定する固定構造部に適用され、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように装着されるキャップであって、前記構造材の表面と前記カラーとの間に挟装され、その周囲に雄ネジ状の雄螺旋係合部が設けられたキャップ係合用ワッシャと、前記ファスナの先端部および前記カラーに対して非係合状態で被装されるとともに、その開口端部側の内周面に、前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部に螺合する雌ネジ状の雌螺旋係合部が設けられたキャップ本体と、を具備していることを特徴とする。
前記構成のキャップによれば、ファスナとカラーとキャップ係合用ワッシャの上からキャップ本体を被装し、このキャップ本体を捻ることにより、キャップ本体の雌螺旋係合部をキャップ係合用ワッシャの雄螺旋係合部に係合させ、キャップ本体をファスナに対して固定することができる。
キャップ本体は、キャップ係合用ワッシャにのみ係合し、ファスナとカラーに対しては係合しないため、従来のように先端部を延長した特殊サイズのファスナにキャップを直接螺合して固定する必要がなく、既存の短いファスナを用いてコストの増大や重量増加を抑えるとともに、キャップ本体と周辺構造材との干渉リスクを低減させ、簡素で安価な構成によってファスナからキャップ本体が脱落することを防止することができる。
しかも、キャップ本体がキャップ係合用ワッシャに係合されると同時に、キャップ本体がファスナおよびカラーに対して同心状に位置決め固定されるため、キャップ本体の内部に充填材を充填する場合には、充填材が硬化するまでキャップ本体を保持する必要がない。したがって、充填材の硬化中にキャップ本体がファスナに対して軸心ずれを起こしたり、ファスナから脱落してしまったりすることを防止することができ、キャップ本体の装着作業性を大幅に向上させることができる。
前記構成のキャップにおいて、前記キャップ本体の、前記雌螺旋係合部よりも奥側の内周面には、前記ファスナおよび前記カラーならびに前記構造材の表面との間に形成される空間に充填されて硬化する充填材に対して係合する充填材係合部が形成され、該充填材係合部は、前記キャップ本体の中心軸線回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈し、その螺旋方向が前記雌螺旋係合部とは逆であることが好ましい。
このように、キャップ本体の内周面に、充填材に対して係合する充填材係合部を形成することにより、この充填材係合部が、硬化した充填材に係合する。この状態で、例えばキャップ本体の雌螺旋係合部がキャップ係合用ワッシャの雄螺旋係合部に対して緩む方向に回ろうとすれば、キャップ本体の充填材係合部が硬化した充填材に対して締まる方向に回ることになる。反対の場合も同様である。このため、キャップ本体はファスナおよびカラーに対して正逆どちらの方向にも回転することができなくなり、これによってキャップ本体の緩みが確実に防止される。
前記構成のキャップにおいて、前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部と前記キャップ本体の前記雌螺旋係合部は複数条設けられていることが好ましい。
このように雄螺旋係合部と雌螺旋係合部とを複数条設けることにより、キャップ係合用ワッシャに対してキャップ本体を取り付ける時におけるキャップ本体の回転角度を小さくすることができ、キャップ本体の着脱性を向上させることができる。
また、本発明の第2の態様に係る固定構造部は、航空機の重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に締結されるカラーと、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように装着されるキャップと、を備え、前記ファスナおよび前記カラーによって前記構造材同士を固定する固定構造部であって、前記キャップは、前記構造材の表面と前記カラーとの間に挟装され、その周囲に雄ネジ状の雄螺旋係合部が設けられたキャップ係合用ワッシャと、前記ファスナの先端部および前記カラーに対して非係合状態で被装されるとともに、その開口端部側の内周面に、前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部に係合する雌ネジ状の雌螺旋係合部が設けられたキャップ本体と、を具備していることを特徴とする。
前記構成の固定構造部によれば、前述した本発明の第1の態様に係るキャップと同様な作用・効果を得ることができる。
以上のように、本発明に係るキャップ、およびキャップを用いた固定構造部によれば、簡素で生産性が良く、製造コストが安価な構造により、ファスナからのキャップの脱落を防止することができる。
本発明の第1参考実施形態に係る固定構造部およびキャップを示す縦断面図である。 ファスナおよびカラーと、キャップとの間に充填剤が充填された状態を示す縦断面図である。 図1中のキャップを単体で示す縦断面図である。 キャップの成形型を構成する中子型の斜視図である。 キャップおよび成形型の分解斜視図である。 射出成形中のキャップおよび成形型の縦断面図である。 射出成形後に第2の中子型が抜脱される状態を示す縦断面図である。 第2の中子型に続いて第1の中子型が抜脱される状態を示す縦断面図である。 外型が開かれてキャップが取り出される状態を示す縦断面図である。 本発明の第1実施形態に係る固定構造部およびキャップを示す縦断面図である。 図10中のキャップ係合用ワッシャを単体で示す斜視図である。 図10中のキャップ本体を単体で示す縦断面斜視図である。 本発明の第2参考実施形態に係るキャップの装着方法を示す固定構造部およびキャップの縦断面図である。 キャップの装着工程の流れを示すフローチャートである。 本発明の第3参考実施形態に係るキャップの装着方法を示す固定構造部およびキャップの縦断面図である。
以下に、本発明の複数の実施形態について説明する。
[第1参考実施形態]
まず、本発明の第1参考実施形態について、図1〜図9を参照しながら説明する。
図1は、本発明の第1参考実施形態に係る固定構造部1およびキャップ9を示す縦断面図である。
固定構造部1は、本実施形態では航空機の燃料タンク周りに適用され、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aにワッシャ4を介して挿通されたファスナ5と、構造材3,3の表面から突出したファスナ5の先端部5aに対して2枚のワッシャ8を介して締結されたナット状のカラー7と、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7を包囲するように装着された樹脂製のキャップ9とを備えている。
構造材3,3としては、例えば航空機の外板、ストリンガ、リブ、スパー等が挙げられ、アルミ合金等の金属材料やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)、GFRP(ガラス繊維強化プラスチック)とされた複合材料が用いられる。図1において、構造材3の一側面3b側(同図において下方側)が燃料タンク外となり、構造材3の他側面3c側(同図において上方側)が燃料タンク内となる。
ファスナ5は、アルミ合金やチタン合金等の金属製であり、中心軸線CL方向に延在する軸部5bと、この軸部5bの基端部側に設けられた頭部5cとを備えている。軸部5bは、典型的には円筒形状とされており、中心軸線CL方向の寸法は、重ね合わされた構造材3,3にワッシャ4,8およびカラー7を加えた軸線方向の寸法よりも長くなっている。
頭部5cの直径は軸部5bの直径よりも大きく、且つ、構造材3に形成された貫通穴3aの直径よりも大きい。これにより、頭部5cは、貫通穴3aに入り込まずに、ワッシャ4を介して構造材3の一側面3b側にて係止される。そして、軸部5bの先端部5a側には、カラー7を螺結するための雄ネジ溝5dが形成されている。
カラー7もアルミ合金やチタン合金等の金属製であり、中心軸線CL方向に貫通穴が形成された円筒形状とされている。カラー7の貫通穴を画成する内周面には、ファスナ5の雄ネジ溝5dに対応する雌ネジ溝7aが形成されており、これにより、ファスナ5とカラー7とが螺合されるようになっている。
キャップ9は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPEEK(ポリエーテルエーテルケトン)、POM(ポリアセタール)等の絶縁性のある樹脂材料によって射出成形されており、一端側に開口が形成された開口端部9aを有し、他端側に底部9bを有するカップ形に形成されている。キャップ9の外周部9cは、底部9bから開口端部9aに向かって拡径する形状となっている。ただし、外周部9cの形状はこれに限定されるものではなく、同一径とされた円筒形状であってもよい。
キャップ9は、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対して非係合状態で被装される。即ち、キャップ9は、ファスナ5やカラー7に対して直接的に固定されるものではなく、図2に示すように、ファスナ5およびカラー7ならびに構造材3,3の他側面3cとの間に形成される空間に隙間なく充填されて硬化するシーラント11(充填材)に対して機械的に係合するようになっている。
シーラント11としては、典型的にはシリコン系の絶縁材料が用いられ、航空機の燃料タンクに用いる場合には燃料タンク用シーラントが用いられる。なお、シーラント11に代えて耐薬品性に優れた接着剤のようなものを用いることも考えられる。シーラント11は、後述するようにキャップ9の内周面9eに形成された充填材係合部91の溝の内部に入り込んで硬化する。これにより、キャップ9とシーラント11とが機械的に係合して結合される。
このように、金属等の導電性材料で構成されたファスナ5およびカラー7を、絶縁材料であるキャップ9で包囲するとともに、キャップ9の内部に絶縁材料であるシーラント11を充填することによって、着雷時において燃料タンク内にスパークが発生することを防止できる。
図3にも示すように、キャップ9の内周面9eには、シーラント11に係合する充填材係合部91が形成されている。この充填材係合部91は、キャップの中心軸線CL(即ちファスナ5の中心軸線CL)回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈している。
詳しくは、充填材係合部91は、中心軸線CL方向で内周面9eのキャップ内部側(奥側)の領域に形成された螺旋係合部91a(第1の螺旋係合部)と、同じく中心軸線CL方向で内周面9eのキャップ開口端部9a側の領域に形成された螺旋係合部91b(第2の螺旋係合部)とを具備している。
螺旋係合部91bは、螺旋係合部91aよりも大きな内径を有し、且つ、その螺旋方向が螺旋係合部91aとは逆になっている。本実施形態では、例えば螺旋係合部91aが左ネジ(逆ネジ)とされ、螺旋係合部91bが右ネジ(正ネジ)とされているが、この2つのネジの方向関係は反対であってもよい。
また、螺旋係合部91aと螺旋係合部91bは、共にキャップ9の開口端部9a側に向かって内径が大きくなるテーパーねじ状であり、螺旋係合部91bの最小内径は、螺旋係合部91aの最大内径以上に設定されている。例えば、本実施形態では、螺旋係合部91aの最大内径と螺旋係合部91bの最小内径とが同一径となっている。
さらに、螺旋係合部91aと螺旋係合部91bは、共に複数条設けられている。例えば、本実施形態では、螺旋係合部91aと螺旋係合部91bが、それぞれ円周方向に90度の間隔で4条ずつ設けられている。
次に、上記構成の固定構造部1の組立方法について説明する。
先ず、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aに、ワッシャ4を通したファスナ5の軸部5bを先端部5a側から挿通させる。そして、構造材3,3の他側面3cから突出した先端部5aに対して、ワッシャ8を環装した上でカラー7を螺合させ、所定のトルクで締結する。これにより、重ね合わされた構造材3,3同士が固定される。
そして、キャップ9の内部にシーラント11を所定量だけ充填した上で、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7を包囲するようにキャップ9を被装する。キャップ9を、その開口端部9aが構造材3の他側面3cに当接するまで押し込む際に、キャップ9の内部に充填されたシーラント11がファスナ5およびカラー7の周囲に流動し、キャップ9の内周面9eと構造材3の他側面3cとで囲まれた領域内にシーラント11が隙間なく充填される。その後、この状態にて保持することにより、シーラント11が硬化し、シーラント11に対してキャップ9が機械的に結合される。
本実施形態によれば、以下の作用効果が奏される。
キャップ9は、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対して非係合状態で被装され、キャップ9の内周面9eに形成した雌ネジ状の螺旋形状を呈する充填材係合部91(91a,91b)をシーラント11と係合させて、キャップ9とシーラント11とを機械的に結合することができる。
このため、キャップ9とファスナ5の先端部5aとを直接螺合させる従来の構成(特許文献2および3参照)を採用することなく、キャップ9をファスナ5およびカラー7に対して堅固に固定することができる。
したがって、従来のように先端部を延長した特殊サイズのファスナにキャップを直接螺合して固定する必要がなく、既存の短いファスナを用いてコストの増大や重量増加を抑えるとともに、キャップ9と周辺構造材との干渉リスクを低減させることができる。
キャップ9の内周面9eに形成された雌ネジ状の充填材係合部91は、キャップ9の内部側の領域に形成される螺旋係合部91aと、キャップの開口端部9a側の領域に形成される螺旋係合部91bとを備えて構成されており、螺旋係合部91bの螺旋方向と螺旋係合部91aの螺旋方向とは逆になっている。
キャップ9の内部に充填されたシーラント11が硬化すると、この硬化したシーラント11は、図2に示すように、キャップ9の螺旋係合部91aに螺合する第1の雄ネジ部分11aと、螺旋係合部91bに螺合する第2の雄ネジ部分11bとが一体化したものとなる。
この状態で、例えばキャップ9の螺旋係合部91aがシーラント11の第1の雄ネジ部分11aに対して緩む方向に回ろうとすれば、同時にキャップ9の螺旋係合部91bがシーラント11の第2の雄ネジ部分11bに対して締まる方向に回ることになる。回転方向の正逆関係が反対の場合も同様である。
このため、キャップ9は硬化したシーラント11に対して正逆どちらの方向にも回転することができなくなり、これによってキャップ9の緩みを確実に防止することができる。
発明者らは、キャップ9の内周面9eに一方向のみの螺旋形状を有する充填材係合部を形成してシーラント11との密着力(接着力)のみで結合させた場合と、本実施形態のようにキャップ9に内周面9eに正逆両方向の螺旋係合部91a,91bを形成してシーラント11と結合させた場合とで、キャップ9を緩めるのに必要なトルクを計測する実験を行った。
この実験に際しては、キャップ9をシーラント11を用いて装着後、常温下にて48時間放置し、シーラント11を完全に硬化させた状態でトルクレンチを用いて緩みトルクの計測を行った。また、一方向のみの螺旋形状を有する充填材係合部を形成したキャップ9には、その内面にブラスト処理またはシボ加工を行い、内面に細かい凹凸を形成してシーラント11との接着性を高めた。
その結果、一方向のみの螺旋形状を有する充填材係合部を形成したキャップを緩めるのに必要なトルクは、PEEKで形成されたキャップ9が最も高い160〜170cN・mという値を示した。
一方、正逆両方向の螺旋係合部91a,91bを有する充填材係合部91を形成したキャップ9の場合は、その材質がシーラント11との密着性が良くないPOMであり、しかもブラスト処理またはシボ加工を行っていないにも拘わらず、360cN・m以上という高数値を記録した。
このように、正逆両方向の螺旋係合部91a,91bを形成したキャップ9の緩みトルクが高数値になる理由は、キャップ9の材質や内周面9eの処理の有無に拘わらず、硬化したシーラント11の第1の雄ネジ部分11aまたは第2の雄ネジ部分11bのいずれかが専断破壊されるまでキャップ9が緩まない(脱落しない)ためである。
これに対して、一方向のみの螺旋形状を有する充填材係合部を形成したキャップでは、シーラント11との密着性(接着性)のみで緩みを防止しているため、シーラント11との接着が剥離した時点で緩んでしまい、緩みトルクが大幅に低い数値となる。
したがって、キャップ9の内周面9eに正逆両方向の螺旋係合部91a,91bを形成した場合には、キャップ9の材質として、シーラント11との接着性が悪くても安価なPOM等を用いることができる。しかも、キャップ9の内周面9eにシーラント11との接着性を高めるべくブラスト処理やシボ加工等を行わなくてもよい。このため、キャップ9の製造コストを低減させることができる。
このように、簡素で生産性が良く、製造コストが安価な構造により、ファスナ5からの脱落を防止可能なキャップ9を提供することができる。
また、キャップ9の螺旋係合部91aと螺旋係合部91bは、共にキャップ9の開口端部9a側に向かって内径が大きくなるテーパーねじ状であり、螺旋係合部91bの最小内径は、螺旋係合部91aの最大内径以上に設定されている。
このため、射出成形部品であるキャップ9の成形後において、螺旋係合部91aと螺旋係合部91bを成形する後述の中子型を容易に抜き取ることができ、この点でもキャップ9の生産性を高めることができる。
さらに、螺旋係合部91aと螺旋係合部91bは、それぞれ複数条(例えば4条)設けられているため、キャップ9の射出成形後に螺旋係合部91aと螺旋係合部91bを成形する中子型を容易に抜き取ることができる。これは、複数条化された螺旋係合部91a,91bのリード角が急になり、少ない回転角度(4条の場合は90度程度)で中子型を抜き取ることができるためである。このため、キャップ9の生産性をより向上させることができる。
図4は、キャップ9の成形型を構成する中子型の斜視図である。また、図5と図6は、キャップ9およびその成形型を示している。ここで、図5においては図面に向かって上側、図6においては図面に向かって右側が、それぞれキャップ9の抜き方向となっている。
キャップ9の成形型21は、キャップ9の外周面を成形する外型22,23と、キャップ9の充填材係合部91(91a,91b)を成形する中子型24,25と、を具備して構成されている。中子型24(第1の中子型)は螺旋係合部91aを成形し、中子型25(第2の中子型)は螺旋係合部91bを成形する部分である。
外型22は凡そ箱状を呈しており、キャップ9の外周部9cおよび底部9bを成形する椀状のキャビティ22aと、イジェクトピン27の摺動穴22bとを備えている。また、外型23は外型22のキャビティ22aを閉塞するように被装されるが、キャビティ22aと同軸となる位置に中子型24,25の挿通穴23aが形成されている。
一方、中子型24は、略円錐台形状の螺旋成形部24aと、この螺旋成形部24aの中心部から抜き方向側に延びる円柱部24bとを備えている。そして、この円柱部24bの周囲に、略円筒状の中子型25が密に、且つ円柱部24b回りに回転自在、および軸方向にスライド自在に軸装されている。つまり、中子型25は中子型24に対して抜き方向側に同軸状に配置されている。中子型25の先端部には螺旋成形部25aが形成されている。
そして、後述するように、中子型25は、キャップ9の射出成形後に中子型24を残して先にキャップ9から抜脱可能であり、この中子型25の抜脱後に中子型24が抜脱されるようになっている。
上記のように構成された成形型21を用いてキャップ9を射出成形する場合は、図6に示すように、外型22,23を閉じた状態で内部に中子型24,25を組み込み、図示しない射出孔からキャビティ22aの内部に樹脂材料を射出して成形を行う。この時、外型22のキャビティ22aによってキャップ9の外周部9cと底部9bとが成形され、中子型24と25とによって、キャップ9の螺旋係合部91aと91bとがそれぞれ成形される。
キャップ9の射出成形後は、図7に示すように、外型22,23が閉じられたままの状態で、まず中子型25を反時計回りに回転させてキャップ9の螺旋係合部91bから取り外し、外型22,23の外部に取り出す。
次に、図8に示すように、中子型24を時計回りに回転させてキャップ9の螺旋係合部91aから取り外し、外型22,23の外部に取り出す。この時には、キャップ9の内部側の領域に形成された螺旋係合部91aの内径に対して、キャップ9の開口端部9a側の領域に形成された螺旋係合部91bの内径が大きいために、螺旋係合部91aを成形した中子型24(螺旋成形部24a)を螺旋係合部91bに干渉させることなく容易に抜き取ることができる。このため、生産性が良い。
そして最後に、図9に示すように、外型22,23を開き、イジェクトピン27を外型22のキャビティ22a内に突出させて外型22のキャビティ22aからキャップ9を押し出してキャップ9の完成となる。
このような成形型21によれば、螺旋方向が異なる螺旋係合部91aと螺旋係合部91bとを同時にキャップ9に成形可能にし、キャップ9の生産性を高めることができる。しかも、中子型25は中子型24に対して同軸状に配置されているため、キャップ9の螺旋係合部91aと91bとを精度良く同軸状に形成することができる。
[第1実施形態]
次に、本発明の第1実施形態について、図10〜図12を参照しながら説明する。
図10は、本発明の第1実施形態に係る固定構造部51およびキャップ31を示す縦断面図である。
固定構造部51は、第1参考実施形態における固定構造部1と同様に、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aにファスナ5が挿通され、構造材3,3の表面から突出したファスナ5の先端部5aに、専用のキャップ係合用ワッシャ32を介してナット状のカラー7が締結されている。そして、ファスナ5の先端部5aと、キャップ係合用ワッシャ32と、カラー7とを包囲するように樹脂製のキャップ本体33が被装される構造となっている。
キャップ31は、上記のように構造材3,3の表面とカラー7との間に挟装される専用のキャップ係合用ワッシャ32と、キャップ本体33と具備したものである。
図11にも示すように、キャップ係合用ワッシャ32は、一般のワッシャと同じく、その中心部にファスナ5が通る貫通穴32aが形成されている。また、周囲には浅いリード角が付いたフィン状の雄螺旋係合部32bが一体的に形成されている。この雄螺旋係合部32bは、不連続な雄ネジ状のネジ山として機能するものであり、例えば円周方向に120度間隔で3つ設けられている。したがって、雄螺旋係合部32bは3条のごく短い雄ネジと見做してよい。
一方、キャップ本体33は、図12に示すように、第1参考実施形態におけるキャップ9と概ね同じ形状を有しており、キャップ9と同様にPTFEやPEEK、POM等の絶縁性のある樹脂材料によって射出成形される。このキャップ本体33は、ファスナ5の先端部5aおよびカラー7に対しては非係合状態で被装されるが、その開口端部側の内周面に形成された雌ネジ状の雌螺旋係合部33aが、キャップ係合用ワッシャ32の雄螺旋係合部32bに螺合することによってファスナ5の先端部5aおよびカラー7を覆うように固定される。雌螺旋係合部33aは3条の短い雌ネジとなっている。
さらに、キャップ本体33の、雌螺旋係合部33aよりも奥側の内周面には充填材係合部33bが形成されている。この充填材係合部33bは、キャップ本体33の中心軸線回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈し、その螺旋方向が雌螺旋係合部33aとは逆になっている。本実施形態では、例えば雌螺旋係合部33aが右ネジ(正ネジ)とされ、充填材係合部33bが左ネジ(逆ネジ)となっている。この第1実施形態では、充填材係合部33bがキャップ本体33の高さ方向のほぼ中間部に短い幅で2〜3条の螺旋溝状に形成されているが、より幅広く形成してもよい。この充填材係合部33bは、ファスナ5およびカラー7ならびに構造材3の表面との間に形成される空間に充填されて硬化する図示しないシーラントに対して機械的に係合する。
次に、上記構成の固定構造部51の組立方法について説明する。
先ず、重ね合わされた構造材3,3に形成された貫通穴3aにファスナ5の軸部5bを先端部5aから挿通させる。そして、構造材3,3の他側面3cから突出した先端部5aにキャップ係合用ワッシャ32を環装してからカラー7を螺合し、所定のトルクて締結する。これにより、重ね合わされた構造材3,3同士が固定される。
そして、キャップ本体33の内部に図示しないシーラント(充填材)を所定量だけ充填した上で、ファスナ5の先端部5aとカラー7とキャップ係合用ワッシャ32とを包囲するようにキャップ本体33を被装する。この時、キャップ本体33を時計回りに100度〜120度程度捻ることにより、キャップ本体33の雌螺旋係合部33aがキャップ係合用ワッシャ32の雄螺旋係合部32bに係合し、キャップ本体33がファスナ5に対して固定される。
上記のようにキャップ本体33がファスナ5およびカラー7の上から押し込まれる際に、キャップ本体33の内部に充填されたシーラントがファスナ5およびカラー7の周囲に流動し、キャップ本体33の内周面と構造材3とで囲まれた領域内にシーラントが充填される。シーラントは、キャップ本体33の内周面に形成された雌ネジ状の充填材係合部33bの内部にも充填される。その後、シーラントが硬化し、シーラントに対してキャップ本体33が機械的に結合される。
本実施形態によれば、以下の作用効果が奏される。
即ち、キャップ本体33は、キャップ係合用ワッシャ32にのみ係合し、ファスナ5とカラー7に対しては係合しない。このため、従来のように先端部を延長した特殊サイズのファスナにキャップを直接螺合して固定する必要がない。したがって、既存の短いファスナを用いてコストの増大や重量増加を抑えるとともに、キャップ本体33と周辺構造材との干渉リスクを低減させ、簡素で安価な構成によってファスナからキャップ本体33が脱落することを防止することができる。
しかも、キャップ本体33がキャップ係合用ワッシャ32に係合されると同時に、キャップ本体33がファスナ5およびカラー7に対して同心状に位置決め固定される。このため、キャップ本体33の内部に充填されたシーラントが硬化するまでキャップ本体を保持する必要がない。したがって、充填材の硬化中にキャップ本体33がファスナ5に対して軸心ずれを起こしたり、ファスナ5から脱落してしまったりすることを防止することができ、キャップ本体33の装着作業性を大幅に向上させることができる。
また、キャップ本体33の雌螺旋係合部33aよりも奥側の内周面に形成された充填材係合部33bが、キャップ本体33の内部に充填されて硬化したシーラントに対して機械的に係合する。充填材係合部33bの螺旋方向は、雌螺旋係合部33aの螺旋方向とは逆方向であるため、シーラントが硬化した状態で、例えばキャップ本体33の雌螺旋係合部33aがキャップ係合用ワッシャ32の雄螺旋係合部32bに対して緩む方向に回ろうとすれば、キャップ本体33の充填材係合部33bが硬化したシーラントに対して締まる方向に回ることになる。反対の場合も同様である。
このため、キャップ本体33はファスナ5およびカラー7に対して正逆どちらの方向にも回転することができなくなり、これによってキャップ本体33の緩みを確実に防止することができる。
また、キャップ係合用ワッシャ32の雄螺旋係合部32bとキャップ本体33の雌螺旋係合部33aは複数条設けられているため、キャップ係合用ワッシャ32に対してキャップ本体33を取り付ける時におけるキャップ本体の回転角度を小さくすることができ、キャップ本体33の着脱性を向上させることができる。
なお、上記実施形態の変形例として、キャップ係合用ワッシャ32をカラー7に対して一体もしくは一体的に設けてもよい。
[第2参考実施形態]
次に、本発明の第2参考実施形態に係るキャップの装着方法について説明する。
図13は、例えば第1参考実施形態に示した固定構造部1におけるキャップ9の装着方法を示す縦断面図である。なお、このキャップの装着方法を第1実施形態に示した固定構造部51に適用してもよい。
このキャップ装着方法においては、キャップ9の周囲に厚手の樹脂スリーブ61(マスキング部材)が密に装着される。樹脂スリーブ61の材質としては、シーラントに対する接着性が低くて適度な弾力性があり、できれば透明もしくは半透明なものが望ましく、例えばポリプロピレンが好適である。樹脂スリーブ61の内径は、キャップ9の外周面に対して軽く締め付けられる程度に設定する。
キャップ9の装着方法は、図14のフローチャートに示すように、キャップ9の外周面にマスキング部材である樹脂スリーブ61を装着するマスキング部材装着ステップS1と、キャップ9の内部にシーラント11等の充填材を充填する充填材充填ステップS2と、キャップ9をファスナ5の先端部5aおよびカラー7に装着するキャップ装着ステップS3と、シーラント11の硬化後に樹脂スリーブ61をキャップ9から除去するマスキング部材除去ステップS4と、を具備している。
マスキング部材装着ステップS1においては、樹脂スリーブ61を、その一端がキャップ9の開口端部9aに揃うように装着する。
充填材充填ステップS2およびキャップ装着ステップS3においては、キャップ9の内部に充填されたシーラント11が外に食み出して樹脂スリーブ61の外周面に付着したとしても特に拭き取る必要はなく、この付着したシーラント11は、その硬化後に簡単に樹脂スリーブ61から剥がすことができる。
マスキング部材除去ステップS4においては、樹脂スリーブ61の外周面に付着しているシーラント11が硬化してから樹脂スリーブ61をキャップ9から取り外すようにした方が作業効率は良いが、硬化前に樹脂スリーブ61を取り外してもよい。
このように、樹脂スリーブ61を装着してキャップ9の外周面をマスキングしながらキャップ9を装着する方法によれば、シーラント11が充填されたキャップ9をファスナ5およびカラー7に装着する時に、キャップ9の内部に充填されたシーラント11が外に食み出しても、この食み出したシーラント11は、キャップ9の外周面に装着された樹脂スリーブ61に付着する。このようにシーラント11が付着した樹脂スリーブ61は、キャップ9がファスナ5およびカラー7に装着された後にキャップ9から樹脂スリーブ61ごと除去することができる。
このため、シーラント11を用いてキャップ9をファスナ5に装着した際に、従来のようにキャップ9から食み出したシーラント11をいちいち拭き取る手間が不要になり、作業工数を低減することができる。
樹脂スリーブ61は繰り返し使用可能であるため経済的である。また、キャップ9への樹脂スリーブ61の装着作業および除去作業は簡単であるため、大きな工数の増大にはならない。このため、シーラント11の付着によるキャップ9の汚れを安価且つ容易に防止することができる。
[第3参考実施形態]
次に、本発明の第3参考実施形態に係るキャップの装着方法について説明する。
図15は、第2参考実施形態(図13参照)における厚手の樹脂スリーブ61に代えて、薄手のフィルムスリーブ62をキャップ9の外周面に装着した例を示している。このフィルムスリーブ62は使い捨てとしてもよい。それ以外の構成や手順は第2参考実施形態の場合と同様である。ここでも、第2参考実施形態の場合と同じく、シーラント11が食み出してキャップ9の外周面に付着することによる汚損を簡単に防止することができる。
以上説明したように、本実施形態に係るキャップ9,31、およびキャップの成形型21、キャップを用いた固定構造部1,51によれば、簡素で生産性が良く、製造コストが安価な構造により、ファスナ5からのキャップ9,31の脱落を防止することができる。
また、本実施形態に係るキャップの装着方法によれば、シーラント11を用いてキャップ9(31)をファスナ5に装着する際に、キャップ9(31)から食み出したシーラント11がキャップ9(31)の周囲に付着することを容易に防止することができる。
なお、本発明は、上記実施形態の構成のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更や改良を加えたり、適用分野を変更したりすることもでき、このように変更や改良を加えた実施形態も本発明の権利範囲に含まれるものとする。
1,51 固定構造部
3 構造材
3a 貫通穴
5 ファスナ
5a ファスナの先端部
7 カラー
9 キャップ
9a キャップ開口端部
11 シーラント(充填材)
21 成形型
22,23 外型
24 中子型(第1の中子型)
25 中子型(第2の中子型)
31 キャップ
32 キャップ係合用ワッシャ
32b 雄螺旋係合部
33 キャップ本体
33a 雌螺旋係合部
33b 充填材係合部
61 樹脂スリーブ(マスキング部材)
62 フィルムスリーブ(マスキング部材)
91 充填材係合部
91a 螺旋係合部(第1の螺旋係合部)
91b 螺旋係合部(第2の螺旋係合部)
CL 中心軸線
S1 マスキング部材装着ステップ
S2 充填材充填ステップ
S3 キャップ装着ステップ
S4 マスキング部材除去ステップ

Claims (3)

  1. 航空機の重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に締結されるカラーとによって、前記構造材同士を固定する固定構造部に適用され、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように装着されるキャップであって、
    前記構造材の表面と前記カラーとの間に挟装され、その周囲に雄ネジ状の雄螺旋係合部が設けられたキャップ係合用ワッシャと、
    前記ファスナの先端部および前記カラーに対して非係合状態で被装されるとともに、その開口端部側の内周面に、前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部に螺合する雌ネジ状の雌螺旋係合部が設けられたキャップ本体と、
    を具備し、
    前記キャップ本体の、前記雌螺旋係合部よりも奥側の内周面には、前記ファスナおよび前記カラーならびに前記構造材の表面との間に形成される空間に充填されて硬化する充填材に対して係合する充填材係合部が形成され、
    該充填材係合部は、前記キャップ本体の中心軸線回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈し、その螺旋方向が前記雌螺旋係合部とは逆であることを特徴とするキャップ。
  2. 前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部と前記キャップ本体の前記雌螺旋係合部は複数条設けられていることを特徴とする請求項1に記載のキャップ。
  3. 航空機の重ね合わされた複数の構造材に形成された貫通穴に挿通されたファスナと、該構造材の表面から突出した前記ファスナの先端部に締結されるカラーと、前記ファスナの前記先端部および前記カラーを包囲するように装着されるキャップと、を備え、
    前記ファスナおよび前記カラーによって前記構造材同士を固定する固定構造部であって、
    前記キャップは、
    前記構造材の表面と前記カラーとの間に挟装され、その周囲に雄ネジ状の雄螺旋係合部が設けられたキャップ係合用ワッシャと、
    前記ファスナの先端部および前記カラーに対して非係合状態で被装されるとともに、その開口端部側の内周面に、前記キャップ係合用ワッシャの前記雄螺旋係合部に係合する雌ネジ状の雌螺旋係合部が設けられたキャップ本体と、
    を具備し、
    前記キャップ本体の、前記雌螺旋係合部よりも奥側の内周面には、前記ファスナおよび前記カラーならびに前記構造材の表面との間に形成される空間に充填されて硬化する充填材に対して係合する充填材係合部が形成され、
    該充填材係合部は、前記キャップ本体の中心軸線回りに旋回する雌ネジ状の螺旋形状を呈し、その螺旋方向が前記雌螺旋係合部とは逆であることを特徴とする固定構造部。
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