JP2018079902A - 車両用ワイヤーハーネス装置 - Google Patents

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雅人 則武
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【課題】フィルム電線の取付け強度を高めることができる車両用ワイヤーハーネス装置を提供する。
【解決手段】車両用ワイヤーハーネス装置10は、樹脂フィルム12の表面に3つの電線13が平行に接合されてなるフィルム電線11と、パネル基材1に互いに離間して設けられる2つの取付座14,15と、を備え、フィルム電線11は、3つの電線13のそれぞれの一端部13aがワイヤーハーネス21の3つのケーブル22のそれぞれに電気的に接続され、且つ3つの電線13のそれぞれの他端部13bがワイヤーハーネス31の3つのケーブル32に電気的に接続されるとともに、各電線13の一端部13aが樹脂フィルム12とともに第1取付座14に固定され、且つ各電線13の他端部13bが樹脂フィルム12とともに第2取付座15に固定されるように構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両に配策されるワイヤーハーネス装置に関する。
従来、この種のワイヤーハーネス装置として、銅やアルミなどの素材からなる導体が絶縁体で被覆された複数の電線を束にして集合部品として構成されたものが知られている。このワイヤーハーネス装置は、その端部に設けられた接続コネクタを介して複数の電線を電装品に一度に接続できるように構成されている。
ところが、このようなワイヤーハーネス装置は、複数の電線が集束された部位の占める容積が大きく、車両の限られた空間への配策が難しいという問題を抱えている。特に、車両の搭載される電装品の数の増加によってワイヤーハーネス装置を配策するための空間が狭くなった近年においては、このような問題がより顕著である。
そこで、このような問題に対処するために、下記の特許文献1,2に開示されているワイヤーハーネス装置を使用するのが好ましい。これらの特許文献に開示のワイヤーハーネス装置はいずれも、複数の電線が樹脂フィルムの延在面に沿って扁平状に並べられた状態でこの樹脂フィルムに接合された帯状のフィルム電線を備えている。このフィルム電線において、各電線は、芯線である導体が絶縁性の被覆部によって被覆された被覆電線として構成されている。このフィルム電線は、樹脂フィルムに設けられたクリップを介してパネル基材に取付けられるように構成されている。また、これとは別のフィルム電線として、樹脂フィルムの表面に複数の導体が印刷されたものも知られている。
このような帯状のフィルム電線は、そのフィルム厚み方向の寸法を抑えることができ、ワイヤーハーネス装置の省スペース化を図るのに有効である。
特開2013−21863号公報 特開平9−250521号公報
しかしながら、上記のフィルム電線は、樹脂フィルムに設けられたクリップを介してパネル基材に取付けられているため、その取付け強度の殆どが樹脂フィルムの強度に依存している。このため、このフィルム電線は、パネル基材に取付けられた状態において引っ張り荷重等の外力に対抗するのが難しい。
そこで、この種のフィルム電線の設計に際しては、パネル基材に取付けられた状態において外力に対抗できるような、フィルム電線の取付け強度を確保する必要がある。
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、フィルム電線の取付け強度を高めることができる車両用ワイヤーハーネス装置を提供しようとするものである。
本発明の一態様は、
車両のパネル基材に配策される車両用ワイヤーハーネス装置であって、
樹脂フィルムの表面に電線が接合されてなり、いずれもケーブルからなる2つのワイヤーハーネスの間に介装されるフィルム電線と、
上記パネル基材に互いに離間して設けられる2つの取付座と、
を備え、
上記フィルム電線は、上記電線の一端部が上記2つのワイヤーハーネスの一方の上記ケーブルに電気的に接続され、且つ上記電線の他端部が上記2つのワイヤーハーネスの他方の上記ケーブルに電気的に接続されるとともに、上記電線の上記一端部が上記樹脂フィルムとともに上記2つの取付座の一方である第1取付座に固定され、且つ上記電線の上記他端部が上記樹脂フィルムとともに上記2つの取付座の他方である第2取付座に固定されるように構成されている、車両用ワイヤーハーネス装置、
にある。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、樹脂フィルムの表面に電線が接合されてなるフィルム電線は、2つのワイヤーハーネスを電気的に接続する機能を有する。このフィルム電線は、パネル基材に対して取付けられるときに、電線の一端部が樹脂フィルムとともに第1取付座に固定され、且つ電線の他端部が樹脂フィルムとともに第2取付座に固定されるようになっている。
これにより、パネル基材に対するフィルム電線の取付け強度を、電線及び樹脂フィルムの双方によって分担することができる。この場合、フィルム電極の全体での剛性によって、このフィルム電極に引っ張り荷重等の外力が作用したときに樹脂フィルムにかかる負担を低く抑えることができる。
以上のごとく、上記の態様によれば、フィルム電線の取付け強度を高めることができる車両用ワイヤーハーネス装置を提供することができる。
実施形態1の車両用ワイヤーハーネス装置の平面図。 図1中の車両用ワイヤーハーネス装置のA領域における分解斜視図。 図1のIII-III線矢視断面図。 図1中の車両用ワイヤーハーネス装置のB領域における分解斜視図。 図1のV-V線矢視断面図。 図1のVI-VI線矢視断面図。 実施形態2の車両用ワイヤーハーネス装置の平面図。 実施形態3の車両用ワイヤーハーネス装置においてフィルム電線の固定構構造を示す断面図。 実施形態4の車両用ワイヤーハーネス装置においてフィルム電線の固定構構造を示す断面図。 実施形態5の車両用ワイヤーハーネス装置においてフィルム電線の固定構構造を示す断面図。 実施形態6の車両用ワイヤーハーネス装置においてフィルム電線の固定構構造を示す断面図。
本明細書において、「フィルム電線」とは、樹脂フィルムの表面に1または複数の電線が接合されることによって構成されているものをいう。本構成に関し、このフィルム電線の要素である電線には、樹脂フィルムの表面に導体がプリントされたプリント電線や、芯線である導体が絶縁性の被覆部によって被覆された被覆電線が包含される。このようなフィルム電線はいずれも、そのフィルム厚み方向の寸法を抑えることによって、ワイヤーハーネス装置の省スペース化を図るのに有効である。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部を上記樹脂フィルムとともに貫通する第1貫通孔と、上記電線の上記他端部を上記樹脂フィルムとともに貫通する第2貫通孔と、を備え、上記第1貫通孔に挿入された第1挿入部によって上記一端部が上記第1取付座に固定され、上記第2貫通孔に挿入された第2挿入部によって上記他端部が上記第2取付座に固定されるように構成されているのが好ましい。
この車両用ワイヤーハーネス装置によれば、フィルム電線を構成する電線の一端部及び他端部はいずれも、貫通孔に挿入部が挿入される構造を用いて、樹脂フィルムとともに取付座に固定される。このため、フィルム電線を複雑な構造のケースやコネクタなどを使用してパネル基材に取付ける必要がなく、フィルム電線をパネル基材に取付けるための構造を簡素化することができる。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部が上記2つのワイヤーハーネスの一方の上記ケーブルとともに上記第1挿入部によって上記第1取付座に押し付けられ、且つ上記電線の上記他端部が上記2つのワイヤーハーネスの他方の上記ケーブルとともに上記第2挿入部によって上記第2取付座に押し付けられるように構成されているのが好ましい。
この車両用ワイヤーハーネス装置によれば、フィルム電線を構成する電線の一端部は、第1貫通孔に挿入された第1挿入部によってこの一端部にケーブルが圧着された状態で、第1取付座に固定される。また、フィルム電線を構成する電線の他端部は、第2貫通孔に挿入された第2挿入部によってこの他端部にケーブルが圧着された状態で、第2取付座に固定される。即ち、フィルム電線を構成する電線は、取付座に固定される部位と同じ部位においてケーブルに電気的に接続されるように構成されている。このため、フィルム電線を取付座に固定するのに用いる部品と、フィルム電線を構成する電線にケーブルを圧着させるのに用いる部品とを兼用することができ、部品点数を少なく抑えることができる。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、上記第1取付座及び上記第2取付座はいずれも、上記パネル基材から互いに離間して延出した一対の延出部と、上記一対の延出部を連結する連結部と、を備え、上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部が上記樹脂フィルムとともに上記第1取付座の上記連結部に固定され、且つ上記電線の上記他端部が上記樹脂フィルムとともに上記第2取付座の上記連結部に固定されるように構成されているのが好ましい。
本構成によれば、一対の延出部と連結部とを備える取付座を用いることによって取付座の強度を高めることができ、フィルム電線の両端側を強度の高いこの取付座によって保持することができる。また、2つの取付座はいずれもパネル基材から底上げされたような形状になるため、各取付座とパネル基材との間に空間が形成される。この空間は、電線の通電時などに生じた熱がパネル基材の周辺にこもり難くする効果がある。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、上記フィルム電線は、上記パネル基材に配策されたときに上記2つの取付座の間に弛んだ状態で延在する弛み部を有するのが好ましい。
この場合、パネル基材とフィルム電線との間の熱膨張や熱収縮の差などによって、2つの取付座の間隔が広がっても、フィルム電線に引っ張り荷重が作用しにくい。また、この引っ張り荷重に対処するために、例えば伸縮自在に構成されたフレキシブル電線のような高価な要素を使用する必要がない。
上記の車両用ワイヤーハーネス装置において、上記フィルム電線の上記電線は、導体がプリントによって上記樹脂フィルムの表面に接合されたプリント電線として構成されているのが好ましい。
本構成の場合、フィルム電線において電線を構成する導体が直に樹脂フィルムに接合されている。このため、フィルム電線のフィルム厚み方向の寸法をより小さく抑えることができる。
以下、車両用ワイヤーハーネス装置(以下、単に「ハーネス装置」という。)の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
なお、このハーネス装置の説明のための図面において、フィルム電線の長手方向である第1方向を矢印Xで示し、そのフィルム電線の幅方向である第2方向を矢印Yで示し、そのフィルム電線の厚さ方向である第3方向を矢印Zで示している。
(実施形態1)
図1に示されるように、実施形態1のハーネス装置10は、車両のパネル基材1に配策される装置であり、帯状のフィルム電線11と、2つの取付座14,15と、を備えている。パネル基材1は、車両の前席正面部分に装着される樹脂製のインストルメントパネルとして構成されている。
フィルム電線11は、樹脂フィルム12の表面に3つの電線13が平行に接合されてなる配線部材である。
樹脂フィルム12は、フィルム電線11の構成要素であり、第1方向Xを長手方向とし、第2方向Yを幅方向とし、第2方向Zを厚さ方向として延在する、樹脂材料からなる薄板状のフィルムである。
3つの電線13は、いずれも薄膜状の導体がプリントによって樹脂フィルム12の表面に接合されたプリント電線として構成されている。この導体は、銅やアルミなどの素材からなるのが好ましい。3つの電線13はいずれも、一端部13aと他端部13bとの間で第1方向Xに沿って延在し、且つ互に平行に配置されている。
なお、このフィルム電線11において、樹脂フィルム12に接合される電線13の数は3つに限定されるものではなく、必要に応じて3つ以外の数の電線13が樹脂フィルム12に接合されたものを使用することもできる。
フィルム電線11は、各電線13の一端部13aを樹脂フィルム12とともに貫通する第1貫通孔11aと、各電線13の他端部13bを樹脂フィルム12とともに貫通する第2貫通孔11bと、を備えている。第1貫通孔11aは、電線13の一端部13aを貫通する貫通部と樹脂フィルム12を貫通する貫通部とによって構成されている。これと同様に、第2貫通孔11bは、電線13の他端部13bを貫通する貫通部と樹脂フィルム12を貫通する貫通部とによって構成されている。
フィルム電線11は、いずれも3つのケーブルからなる2つのワイヤーハーネス21,31の間に介装されている。一方のワイヤーハーネス21は、スピーカー等の電装部品に電力或いは制御信号を供給するための供給源(図示省略)に接続されており、他方のワイヤーハーネス31は、この電装部品(図示省略)に接続されている。このため、ワイヤーハーネス21から供給された電力或いは制御信号は、フィルム電線11及びワイヤーハーネス31を順次流れた後に電装部品に供給される。
なお、これら2つのワイヤーハーネス21,31をハーネス装置10の構成要素とすることもできる。
ここで、一方のワイヤーハーネス21は、3つのケーブル22からなり、これら3つのケーブル22が束ねられた既知の構成の集合部品である。各ケーブル22は、一方の端部に金属製の端子22aを備えている。同様に、他方のワイヤーハーネス31は、3つのケーブル32からなり、これら3つのケーブル32が束ねられた既知の構成の集合部品である。各ケーブル32は、一方の端部に金属製の端子32aを備えている。これらのワイヤーハーネス21,31を構成するケーブル22,32はいずれも、フィルム電線11の電線13と同数となるように設定されている。
2つの取付座14,15は、いずれも電気絶縁材料である樹脂材料からなり、パネル基材1の裏面1aに第1方向Xに互いに離間して設けられている。この場合、2つの取付座14,15は、パネル基材1と一体成形されたものであってもよいし、或いはパネル基材1とは別に準備されたものがパネル基材1の裏面1aに接合されたものであってもよい。なお、必要に応じて、取付座の数を増やし、第1方向Xに並べられた3つ以上の取付座を用いることもできる。
上記のフィルム電線11は、その第1方向Xの両端側が金属製のボルト部材41,42を利用して2つの取付座14,15に固定されるように構成されている。
図2に示されるように、第1取付座14は、パネル基材1の裏面1aからいずれも第3方向Zに延出し且つ第2方向Yに互いに離間した一対の延出部14a,14aと、これら一対の延出部14a,14aを連結する連結部14bと、を備えている。連結部14bには、第1挿入部材としてのボルト部材41の雄ねじ軸がいずれも挿入可能な3つの貫通孔14cが第2方向Yに並んで設けられている。この場合、隣接する2つの貫通孔14cの間隔は、フィルム電線11の隣接する2つの第1貫通孔11aの間隔と概ね一致している。
図3に示されるように、ハーネス装置10の第1方向Xの一端側(図1中のA領域)において、ボルト部材41の雄ねじ軸は、ケーブル22の端子22aを貫通する端子孔22bとフィルム電線11の第1貫通孔11aとの双方に挿入され、更に第1取付座14の連結部14bに設けられた貫通孔14cに挿入された状態で、ナット部材43に螺合するように構成されている。この場合、ボルト部材41は、雄ねじ軸41aの軸径が端子孔22b、第1貫通孔11a及び貫通孔14cのそれぞれの孔径を下回り、頭部41bの外径が端子孔22bの孔径を上回る。また、ナット部材43の外径が貫通孔14cの孔径を上回る。
本構成によれば、フィルム電線11の第1方向Xの一端側がボルト部材41及びナット部材43によって第1取付座14に締結固定される。これにより、フィルム電線11の電線13の一端部13aとケーブル22の端子22aとが第3方向Zについて両側から挟み込まれた状態で互いに圧着される。このとき、第1取付座14が樹脂材料からなるため、電線13を流れる電流がボルト部材41及びナット部材43を通じてパネル基材1側へ流れるのが防止される。
3つの電線13のそれぞれの一端部13aは、ワイヤーハーネス21の3つのケーブル22の端子22aのそれぞれに電気的に接続される。また、3つの電線13のそれぞれの一端部13aのうちの全てが、フィルム電線11の第1貫通孔11aに挿入されたボルト部材41によって樹脂フィルム12とともに第1取付座14に固定される。
より具体的には、電線13の一端部13aは、この一端部13aに電気的に接続されているケーブル22の端子22aとともにボルト部材41によって第1取付座14の連結部14bに押し付けられつつこの連結部14bに固定される。即ち、電線13は、第1取付座14に固定される部位と同じ部位においてケーブル22の端子22aに電気的に接続される。以下の説明では、電線13のうち第1取付座14に固定される一端部13aを第1端部13cともいう。
図4に示されるように、第2取付座15は、第1取付座14と同様の形状を有する。即ち、この第2取付座15は、パネル基材1の裏面1aからいずれも第3方向Zに延出し且つ第2方向Yに互いに離間した一対の延出部15a,15aと、これら一対の延出部15a,15aを連結する連結部15bと、を備えている。連結部15bには、第2挿入部材としてのボルト部材42の雄ねじ軸がいずれも挿入可能な3つの貫通孔15cが第2方向Yに並んで設けられている。この場合、隣接する2つの貫通孔15cの間隔は、フィルム電線11の隣接する2つの第1貫通孔11bの間隔と概ね一致している。
図5に示されるように、ハーネス装置10の第1方向Xの他端側(図1中のB領域)において、ボルト部材42の雄ねじ軸は、ケーブル32の端子32aを貫通する端子孔32bとフィルム電線11の第2貫通孔11bとの双方に挿入され、更に取付座15の連結部15bに設けられた貫通孔15cに挿入された状態で、ナット部材44に螺合するように構成されている。この場合、ボルト部材42は、雄ねじ軸42aの軸径が端子孔32b、第2貫通孔11b及び貫通孔15cのそれぞれの孔径を下回り、頭部42bの外径が端子孔32bの孔径を上回る。また、ナット部材44の外径が貫通孔15cの孔径を上回る。
本構成によれば、フィルム電線11の第1方向Xの他端側がボルト部材42及びナット部材44によって第2取付座15に締結固定される。これにより、フィルム電線11の電線13の他端部13bとケーブル32の端子32aとが第3方向Zについて両側から挟み込まれた状態で互いに圧着される。このとき、第2取付座15が樹脂材料からなるため、電線13を流れる電流がボルト部材42及びナット部材44を通じてパネル基材1側へ流れるのが防止される。
3つの電線13のそれぞれの他端部13bは、ワイヤーハーネス31の3つのケーブル32の端子32aのそれぞれに電気的に接続される。また、3つの電線13のそれぞれの他端部13bのうちの全てが、フィルム電線11の第2貫通孔11bに挿入されたボルト部材42によって樹脂フィルム12とともに第2取付座15に固定される。
より具体的には、電線13の他端部13bは、この他端部13bに電気的に接続されているケーブル32の端子32aとともにボルト部材42によって第2取付座15の連結部15bに押し付けられつつこの連結部15bに固定される。即ち、電線13は、第2取付座15に固定される部位と同じ部位においてケーブル32の端子32aに電気的に接続される。以下の説明では、電線13のうち第2取付座15に固定される他端部13bを第2端部13dともいう。
図6に示されるように、フィルム電線11は、パネル基材1の裏面1aに配策されたときに2つの取付座14,15の間に弛んだ状態(直線的に張設されていない状態)で延在する弛み部11cを有する。即ち、このフィルム電線11は、その側面視がパネル基材1の裏面1aに向けて凸となる凸形状を呈するように構成されている。本構成を実現するため、フィルム電線11に弛み部11cが形成されるように、このフィルム電線11の第1方向Xの寸法が設定され、或いは2つの取付座14,15の第1方向Xの間隔が設定されている。
次に、上記の実施形態1の作用効果について説明する。
上記のハーネス装置10によれば、フィルム電線11は、電線13の第1端部13cが樹脂フィルム12とともに第1取付座14に固定され、且つこの電線13の第2端部13dが樹脂フィルム12とともに第2取付座15に固定される。これにより、パネル基材1に対するフィルム電線11の取付け強度を、電線13及び樹脂フィルム12の双方によって分担することができる。この場合、フィルム電極11の全体での剛性によって、このフィルム電極11に引っ張り荷重等の外力が作用したときに樹脂フィルム12にかかる負担を低く抑えることができる。その結果、パネル基材1に対するフィルム電線11の取付け強度を高めることができる。
上記のハーネス装置10によれば、フィルム電線11を構成する電線13の第1端部13c及び第2端部13dはいずれも、貫通孔11a,11bにボルト部材41,42が挿入される構造を用いて、樹脂フィルム12とともに取付座14,15に固定される。このため、フィルム電線11を複雑な構造のケースやコネクタなどを使用してパネル基材1に取付ける必要がなく、フィルム電線11をパネル基材1に取付けるための構造を簡素化することができる。
上記のハーネス装置10によれば、フィルム電線11を構成する電線13の第1端部13cは、ボルト部材41によってこの第1端部13cにケーブル22の端子22aが圧着された状態で、第1取付座14に固定される。また、フィルム電線11を構成する電線13の第2端部13dは、ボルト部材42によってこの第2端部13dにケーブル32の端子32aが圧着された状態で、第2取付座15に固定される。即ち、フィルム電線11を構成する電線13は、取付座14,15に固定される部位と同じ部位においてケーブル22,32の端子22a,32aに電気的に接続されるように構成されている。このため、フィルム電線11を取付座14,15に固定するのに用いる部品と、フィルム電線11を構成する電線13にケーブル22,32の端子22a,32aを圧着させるのに用いる部品とを兼用することができ、部品点数を少なく抑えることができる。
上記のハーネス装置10によれば、一対の延出部14a,14aと連結部14bとを備える第1取付座14、及び一対の延出部15a,15aと連結部15bとを備える第2取付座15を用いることによって、2つの取付座14,15の強度を高めることができ、フィルム電線11の第1方向Xの両端側を強度の高いこれら2つの取付座14,15によって保持することができる。また、2つの取付座14,15はいずれもパネル基材1から底上げされたような形状になるため、各取付座とパネル基材1との間に空間が形成される。この空間は、電線13の通電時などに生じた熱がパネル基材1の周辺にこもり難くする効果がある。
なお、取付座14,15の構成は上記のものに限定されるものではなく、本構成を必要に応じて適宜に変更することができる。
上記のハーネス装置10によれば、フィルム電線11に弛み部11cを設けることによって、パネル基材1とフィルム電線11との間の熱膨張や熱収縮の差などによって、2つの取付座14,15の第1方向Xの間隔が広がっても、フィルム電線11に引っ張り荷重が作用しにくい。また、この引っ張り荷重に対処するために、例えば伸縮自在に構成されたフレキシブル電線のような高価な要素を使用する必要がない。
また、上記のハーネス装置10によれば、フィルム電線11において電線3を構成する導体が直に樹脂フィルム12に接合されているため、フィルム電線11のフィルム厚み方向(第3方向Z)の寸法をより小さく抑えることができる。
以下、上記の実施形態1に関連する他の実施形態について図面を参照しつつ説明する。他の実施形態において、実施形態1の要素と同一の要素には同一の符号を付しており、当該同一の要素についての説明は省略する。
(実施形態2)
図7に示されるように、実施形態2のハーネス装置110は、フィルム電線11において取付座14,15に固定される電線13の数が、実施形態1のハーネス装置10と相違している。
このハーネス装置110において、フィルム電線11の3つの電線13のうち真ん中の電線13は、一端部13aがケーブル22の端子22aにはんだ付けによって接合されており、且つ他端部13bがケーブル32の端子32aにはんだ付けによって接合されている。その他の電線13の一端部13aである第1端部13cは、ボルト部材41を用いて樹脂フィルム12とともに第1取付座14に固定されている。同様に、その他の電線13の他端部13bである第1端部13dは、ボルト部材42を用いて樹脂フィルム12とともに第2取付座15に固定されている。
その他の構成は、実施形態1と同様である。
実施形態2によれば、実施形態1に比べてボルト部材41,42及びナット部材43,44の部品点数を少なく抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、この実施形態2に関連して、フィルム電線11の3つの電線13のうちいずれか1つの電線13についてのみ、第1端部13cが第1取付座14に固定され、第2端部13dが第2取付座15に固定されるようにしてもよい。
次に説明する実施形態3〜6はいずれも、フィルム電線11をパネル基材1に固定するための固定構造が実施形態1と相違しており、その他の構成は実施形態1と一致している。
なお、これら実施形態3〜6において、フィルム電線11をパネル基材1に固定するための固定構造は両端側で同じであるため、各実施形態についての以下の説明では、フィルム電線11の一端側の固定構造についてのみ記載し、他端側の固定構造についての記載を省略する。
(実施形態3)
図8に示されるように、実施形態3のハーネス装置210では、パネル基材1の裏面1aにボス部2が設けられている。このボス部2は、前記の第1取付座14に相当するものであり、3つの電線13のそれぞれに対応して第2方向Yに並んで3つ設けられている。各ボス部2は、電気絶縁材料である樹脂材料からなり、第1挿入部としての金属製のタッピングねじ45がねじ込まれるボス穴2aを備えている。タッピングねじ45は、軸部45aの軸径が端子孔22b及び第1貫通孔11aのそれぞれの孔径を下回り、頭部45bの外径が端子孔22bの孔径を上回る。
このため、タッピングねじ45の軸部45aが端子孔22b及び第1貫通孔11aに挿入された後、ボス部2のボス穴2aにねじ込まれることによって、フィルム電線11の第1方向Xの一端側が第1取付座14に締結固定される。これにより、フィルム電線11の電線13の一端部13aとケーブル22の端子22aとが第3方向Zについて両側から挟み込まれた状態で互いに圧着される。電線13の第1端部13cは、ケーブル22の端子22aに電気的に接続されるとともに、フィルム電線11の第1貫通孔11aに挿入されたタッピングねじ45によって樹脂フィルム12とともにボス部2に固定される。このとき、ボス部2が樹脂材料からなるため、電線13を流れる電流がタッピングねじ45を通じてパネル基材1側へ流れるのが防止される。
実施形態3によれば、フィルム電線11をパネル基材1に対して固定するための固定構造にタッピングねじ45を用いることによって、互いに螺合するボルト部材及びナット部材を用いる場合に比べて部品点数を少なく抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態4)
図9に示されるように、実施形態4のハーネス装置310では、ボルト部材41及びナット部材43に代えて、第1挿入部としての樹脂製のクリップ46が用いられている。このクリップ46は、軸部46aの先端側にいずれも初期位置から内方へ弾性変形可能な複数の係止爪46bを備えている。このクリップ46は、軸部46aの軸径が端子孔22b、第1貫通孔11a及び貫通孔14cのそれぞれの孔径を下回り、頭部46cの外径が端子孔22bの孔径を上回る。
このため、クリップ46の軸部46aが、ケーブル22の端子22aの端子孔22bとフィルム電線11の第1貫通孔11aとの双方に挿入され、更に第1取付座14の連結部14bの貫通孔14cに挿入されるとき、各係止爪46bが初期位置から内方へ弾性変形する。そして、クリップ46の各係止爪46bは、連結部14bの貫通孔14cを通過したときに初期位置へと復帰することによって、連結部14bの裏面に引っ掛かって係止される。
なお、樹脂製のクリップ46を用いる場合には、電線13を流れる電流がこのクリップ46を通じて第1取付座14側へ流れることはない。このため、第1取付座14を樹脂材料から金属材料に変更することもできる。
実施形態4によれば、フィルム電線11をパネル基材1に対して固定するための固定構造にクリップ46を用いることによって、互いに螺合するボルト部材及びナット部材を用いる場合に比べて部品点数を少なく抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態5)
図10に示されるように、実施形態5のハーネス装置410では、ボルト部材41に螺合するナット部材43に代えて、別のナット部材47が用いられている。このナット部材47は、ボルト部材41の雄ねじ軸と螺合する機能を有するとともに、ボルト部材41の締付け時に反発力(弾性付勢力)を生じさせるスプリング部47aを備えている。
実施形態5によれば、ナット部材47を用いることによって、ボルト部材41とナット部材47との螺合を外れにくくする脱落防止効果が得られる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
(実施形態6)
図11に示されるように、実施形態6のハーネス装置510では、パネル基材1の裏面1aにボス部3が設けられている。このボス部3は、前記の第1取付座14に相当するものであり、3つの電線13のそれぞれに対応して第2方向Yに並んで3つ設けられている。各ボス部3は、電気絶縁材料である樹脂材料からなり、その上部に第1挿入部としての係合部4を備えている。この係合部4は、端子孔22b及び第1貫通孔11aに挿入される軸部4aと、この軸部4aに連接する頭部4bと、を備えている。頭部4bは、軸部4aの軸径を上回る外径を有する。この頭部4bは、突部3a(二点鎖線を参照)に加締め機Dを作用させることによって形成される。この場合、突部3aの先端側の部位は、加締め機Dの成形部Daによって熱を加えられた状態で加圧されることによって、端子孔22bの孔径を上回る外径の頭部4bに成形される。
実施形態6によれば、ボス部3の一部を利用してフィルム電線11をボス部3に固定することができ、ボルト部材及びナット部材などのように、パネル基材1とは別部材をフィルム電線11のための固定構造に用いる場合に比べて部品点数を少なく抑えることができる。
その他、実施形態1と同様の作用効果を奏する。
なお、特に図示しないものの、上記の実施形態6に関連して、加締め機Dの代わりに超音波溶着機を使用することもできる。この場合、ケーブル22の端子22aの端子孔22bとフィルム電線11の第1貫通孔11aとの双方に挿入された軸部に対して別の樹脂部材を超音波溶着によって接合することができる。
本発明は、上記の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の応用や変形が考えられる。例えば、上記の実施形態を応用した次の各形態を実施することもできる。
上記の実施形態では、フィルム電線11を構成する電線13は、取付座14,15に固定される部位と同じ部位においてケーブル22,32の端子22a,32aに電気的に接続される場合について例示したが、電線13が取付座14,15に固定される部位とは異なる部位においてケーブル22,32の端子22a,32aに電気的に接続されるように構成することもできる。
上記の実施形態では、フィルム電線11の取付けに用いられる、フィルム電線11の貫通孔11a,11b、端子22a,32aの端子孔22b,32b、取付座14,15の貫通孔14c,15cはいずれも貫通孔である場合について例示したが、これらのうちの少なくとも1つを貫通孔から切欠き状の開口部に変更することもできる。
上記の実施形態では、フィルム電線11に弛み部11cを設ける場合について例示したが、パネル基材1とフィルム電線11との間に熱膨張や熱収縮の差が殆ど無い場合には、弛み部11cを省略することもできる。
上記の実施形態では、樹脂フィルム12の表面に3つの電線13が接合されたフィルム電線11について例示したが、フィルム電線を構成する電線の数は3つに限定されるものではない。例えば、1つの電線のみによってフィルム電線が構成されてもよいし、或いは2つまたは4つ以上の電線によってフィルム電線が構成されてもよい。
上記の実施形態では、フィルム電線11を構成する電線13がプリント電線である場合について例示したが、この電線13に代えて、芯線である導体が絶縁性の被覆部によって被覆された被覆電線を用いることもできる。この被覆電線の詳細については、例えば特開2013−21863号公報に開示の電線51が参照される。
上記の実施形態では、フィルム電線11が取付けられるパネル基材1が樹脂製のインストルメントパネルである場合について例示したが、このパネル基材1がインストルメントパネル以外の部材、例えば金属製の車体パネルであってもよい。この場合、金属製の車体パネルに電気絶縁性からなる取付座が固定され、この取付座にフィルム電線11が取付けられる。
1 パネル基材
2,3 ボス部(第1取付座)
4 係合部(第1挿入部)
10,110,210,310,410,510 車両用ワイヤーハーネス装置
11 フィルム電線
11a 第1貫通孔
11b 第2貫通孔
11c 弛み部
12 樹脂フィルム
13 電線(プリント電線)
13a 一端部
13b 他端部
14 第1取付座
14a,15a 延出部
14b,15b 連結部
15 第2取付座
21,31 ワイヤーハーネス
22,32 ケーブル
41 ボルト部材(第1挿入部)
42 ボルト部材(第2挿入部)
45 タッピングねじ(第1挿入部)
46 クリップ(第1挿入部)

Claims (6)

  1. 車両のパネル基材に配策される車両用ワイヤーハーネス装置であって、
    樹脂フィルムの表面に電線が接合されてなり、いずれもケーブルからなる2つのワイヤーハーネスの間に介装されるフィルム電線と、
    上記パネル基材に互いに離間して設けられる2つの取付座と、
    を備え、
    上記フィルム電線は、上記電線の一端部が上記2つのワイヤーハーネスの一方の上記ケーブルに電気的に接続され、且つ上記電線の他端部が上記2つのワイヤーハーネスの他方の上記ケーブルに電気的に接続されるとともに、上記電線の上記一端部が上記樹脂フィルムとともに上記2つの取付座の一方である第1取付座に固定され、且つ上記電線の上記他端部が上記樹脂フィルムとともに上記2つの取付座の他方である第2取付座に固定されるように構成されている、車両用ワイヤーハーネス装置。
  2. 上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部を上記樹脂フィルムとともに貫通する第1貫通孔と、上記電線の上記他端部を上記樹脂フィルムとともに貫通する第2貫通孔と、を備え、上記第1貫通孔に挿入された第1挿入部によって上記一端部が上記第1取付座に固定され、上記第2貫通孔に挿入された第2挿入部によって上記他端部が上記第2取付座に固定されるように構成されている、請求項1に記載の車両用ワイヤーハーネス装置。
  3. 上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部が上記2つのワイヤーハーネスの一方の上記ケーブルとともに上記第1挿入部によって上記第1取付座に押し付けられ、且つ上記電線の上記他端部が上記2つのワイヤーハーネスの他方の上記ケーブルとともに上記第2挿入部によって上記第2取付座に押し付けられるように構成されている、請求項2に記載の車両用ワイヤーハーネス装置。
  4. 上記第1取付座及び上記第2取付座はいずれも、上記パネル基材から互いに離間して延出した一対の延出部と、上記一対の延出部を連結する連結部と、を備え、上記フィルム電線は、上記電線の上記一端部が上記樹脂フィルムとともに上記第1取付座の上記連結部に固定され、且つ上記電線の上記他端部が上記樹脂フィルムとともに上記第2取付座の上記連結部に固定されるように構成されている、請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の車両用ワイヤーハーネス装置。
  5. 上記フィルム電線は、上記パネル基材に配策されたときに上記2つの取付座の間に弛んだ状態で延在する弛み部を有する、請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の車両用ワイヤーハーネス装置。
  6. 上記フィルム電線の上記電線は、導体がプリントによって上記樹脂フィルムの表面に接合されたプリント電線として構成されている、請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の車両用ワイヤーハーネス装置。
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