JP2018079429A - 液体塗工装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】吐出ロールによる液体の吐出開始までの時間を短くし、液体の吐出量のばらつきを抑え、液体の供給停止後の吐出ロールからの液漏れを抑制すること。【解決手段】ホットメルト接着剤を所定形状で吐出する吐出ロール3を備え、吐出ロール3から吐出されたホットメルト接着剤を塗工する液体塗工装置1である。表面プレート30は吐出ロール3の外周面を構成し、表面プレート30より内側の部分を構成するロール本体31の外周面には凹部32,32が形成されている。ロール本体31の内部には、軸芯部に回転軸方向Xに延出する主管路33mと、該主管路33mから凹部32に亘る分岐管路33dとが形成されている。吐出ロール3は、主管路33mの一端部に配され供給部2に接続される接続部36と、分岐管路33d内で凹部32に着脱自在の着脱部37と、一端部が接続部36、他端部が着脱部37に接続されたチューブ38とを備えている。【選択図】図2

Description

本発明は、液体塗工装置に関する。
従来、移動する被塗工物に接着剤等の液体を所定パターンで塗工する液体塗工装置として、外周面を形成する表面プレートと、該表面プレートよりも内側の部分を構成するロール本体とを備え、該ロール本体の内部を通って供給される液体をロール本体の外周面に形成された凹部に一旦溜めたのち、該凹部を被覆する表面プレートから吐出させるようにした吐出ロールを有する液体塗工装置が知られている。
出願人は、先に、所定の塗工パターンで被塗工物に接着剤等の液体を塗工する際に、該液体を、塗工すべき領域の全域にムラなく塗工することのできる液体塗工装置を提案した(特許文献1参照)。
特許第5324154号
ところで、上述のような従来の液体塗工装置には、ロール本体の内部から外周面に形成された凹部に液体を流入させる流路穴が設けられており、このような流路穴として、ロール本体の軸芯部に回転軸方向に形成される主管路と、主管路から凹部に向かって放射状に形成される分岐管路とが配されている。
主管路及び分岐管路は、直径が大きいと、その内部に液体が充填されるまで時間がかかり、ロール本体内が液体で満たされるまで時間がかかる。その為、吐出ロールによる液体の塗工開始まで時間がかかってしまう。また、主管路及び分岐管路の直径が大きいと、その内部に充填される液体の量が吐出ロールが吐出する吐出量に対して相対的に多くなり、吐出量のばらつきの原因になったり、供給を停止した後もその内部に残留した液体が遠心力等で漏れだしたりするおそれがある。一方で、主管路及び分岐管路は、一般に、ドリルを用いた穴あけ加工により形成されるため、穴の直径を小さくするには限界がある。このように、従来の液体塗工装置には、更なる改良の余地があった。
したがって本発明の課題は、前述した従来技術が有する欠点を解消し得る液体塗工装置を提供することにある。
本発明は、供給部から供給される液体を表面プレートを透過させて所定形状で吐出する吐出ロールを備え、移動する被塗工物に該吐出ロールから吐出された液体を塗工する液体塗工装置であって、前記表面プレートは前記吐出ロールの外周面を構成しており、該吐出ロールにおける該表面プレートより内側の部分を構成するロール本体の外周面には前記所定形状に対応するパターンの凹部が形成されており、前記ロール本体の内部には、その軸芯部に該ロール本体の回転軸方向に延出する主管路と、該主管路から前記凹部の底部に設けられた導入孔に亘る分岐管路とが形成されており、前記吐出ロールは、前記主管路の一端部に配され前記供給部に接続される接続部と、前記分岐管路内で前記凹部の前記底部に設けられた前記導入孔に着脱自在に接続される着脱部と、前記主管路から前記分岐管路に亘ってその内部に配されたチューブとを備え、前記チューブは、その一端部が前記接続部に接続され、その他端部が前記着脱部に接続されている、液体塗工装置を提供するものである。
本発明の液体塗工装置によれば、吐出ロールによる液体の吐出開始までの時間を短くし、吐出ロールが吐出する液体の吐出量のばらつきを抑え、液体の供給を停止した後の吐出ロールからの液漏れを抑制することができる。
図1は、本発明の一実施形態である液体塗工装置の吐出ロールを断面にして示した模式図である。 図2(a)は、本発明の一実施形態である液体塗工装置の吐出ロールの断面図であり、図2(b)は、図2(a)に示す吐出ロールの着脱部の部分拡大断面図である。 図3は、図2(a)に示す吐出ロールのロータリージョイントの断面図である。
以下、本発明の液体塗工装置を、その好ましい実施形態に基づき図面を参照しながら説明する。本発明の一実施形態である液体塗工装置1は、図1及び図2(a)に示すように、供給部2から供給される液体を表面プレート30を透過させて所定形状で吐出する吐出ロール3を備えており、移動する被塗工物に吐出ロール3から吐出された液体を塗工する塗工装置である。表面プレート30は吐出ロール3の外周面を構成しており、吐出ロール3における表面プレート30より内側の部分を構成するロール本体31の外周面には、吐出される液体の前記所定形状に対応するパターンの凹部32が形成されている。ここで、「所定形状に対応するパターン」とは、凹部32を法線方向から視た際の凹部32の輪郭と、被塗工物に塗工される液体の形状とが一致していることを意味する。
吐出ロール3から吐出される液体としては、例えば、ホットメルト接着剤や油剤、スキンケアや保湿効果のある機能剤等の粘性を有する液体を用いることができる。ホットメルト接着剤としては、特に限定されないが、例えば、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体(SBS)、スチレン・エチレン・ブチレン・スチレンブロック共重合体(SEBS)等のスチレン系ゴム、又はアモルファスポリαオレフィン(APAO)、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等のオレフィン系ポリマー等のホットメルト接着剤が挙げられる。ホットメルト接着剤以外の接着剤、例えば、低密度ポリエチレン、ポリビニルアセテート、シリコン樹脂、糊等を用いることもできる。粘性を有する液体の粘性としては、好ましくは1CPS以上、より好ましくは10CPS以上、好ましくは10000CPS以下、より好ましくは8000CPS以下、好ましくは1CPS以上10000CPS以下、より好ましくは10CPS以上8000CPS以下である。
また液体が塗工される被塗工物としては、例えば、不織布、織布、樹脂フィルム、編み物等からなるシート状物、若しくはこれらのシート状物が2層以上に積層されてなる積層体、これらのシート状物や積層体に更に他の部材を積層したり挟んだりしてなる物品等が挙げられる。被塗工物は、連続する帯状体であっても良いし、所定の長さを有し、所定の間隔をあけて順次搬送されているものであっても良い。
以下においては、液体としてホットメルト接着剤を用い、被塗工物として帯状シートを用いた液体塗工装置1を例にとって説明する。
液体塗工装置1は、図1に示すように、ホットメルト接着剤を供給する供給部2と、ホットメルト接着剤を所定形状で吐出する吐出ロール3と、を備えており、本実施形態では、それらに加えて、該吐出ロール3を回転させる第1駆動源4と、連続的に搬送される帯状シートを吐出ロール3とでニップして搬送する受けロール5と、該受けロール5を回転させる第2駆動源6と、吐出ロール3に対して受けロール5を接離させる接離機構7と、これらを制御する制御部8とを備えている。
供給部2は、図1に示すように、液体塗工装置1では、ホットメルト接着剤を収容したタンク20と、該タンク20及び吐出ロール3を連結する供給管21と、該供給管21を介してタンク20に収容されたホットメルト接着剤を吐出ロール3に送り出すポンプ22と、を備えている。タンク20はその内部にヒータ等の加熱手段(図示せず)が組み込まれており、ヒータ等の加熱手段でタンク20の内部の温度調節が可能となっている。またタンク20は、第1バルブ20Vを介して供給管21に接続されている。第1バルブ20Vは制御部8に電気的に接続されており、該制御部8により開閉が制御されている。供給管21は、一端部がタンク20の第1バルブ20Vに接続され、他端部が吐出ロール3の後述する接続部(ロータリージョイント)36に接続されている。供給管21には、第2バルブ21Vが接続されている。第2バルブ21Vは制御部8に電気的に接続されており、該制御部8により開閉が制御されている。ポンプ22は第1バルブ20Vよりも下流側で供給管21に接続されている。またポンプ22は、正逆回転可能な駆動モータ22Mを有しており、該駆動モータ22Mを正回転させることでホットメルト接着剤を供給管21を介して吐出ロール3に向けて送り出し、該駆動モータ22Mを逆回転させることで吐出ロール3内に残留したホットメルト接着剤を供給管21を介して吸引して回収できるようになっている。ポンプ22は制御部8に電気的に接続されており、駆動モータ22Mは制御部8によって回転が制御されている。例えば、駆動モータ22Mは、制御部8によって、正回転電圧が印加されることで正回転し、逆回転電圧が印加されることで逆回転する。
吐出ロール3は、図1及び図2(a)に示すように、液体塗工装置1では、該吐出ロール3の外周面を構成する表面プレート30と、該吐出ロール3における表面プレート30より内側(軸芯部側)の部分を構成するロール本体31とを備えている。ロール本体31の外周面には、凹部32が設けられている。液体塗工装置1では、ロール本体31の外周面には、周方向に所定の間隔を空けて複数(2つ)の凹部32,32が設けられている。ロール本体31の内部には、その軸心部にロール本体31の回転軸方向Xに延出する主管路33mと、主管路33mから凹部32,32の底部32b,32bに設けられた導入孔34h,34hに亘る分岐管路33dとが形成されている。
また吐出ロール3は、主管路33mの一端部に配され供給部2に接続される接続部36と、分岐管路33d内で凹部32,32の底部32b,32bに設けられた導入孔34h,34hに着脱自在に接続される着脱部37と、主管路33mから分岐管路33dに亘ってその内部に配されたチューブ38,38とを備えている。
表面プレート30は、図2(a)に示すように、液体塗工装置1では、ロール本体31の凹部32,32の全域を覆うようにロール本体31の外周面に着脱可能に取り付けられている。また表面プレート30は、厚さ方向に貫通する多数の微細孔を有する多孔性材料から構成されており、塗工すべき液体(液体塗工装置1ではホットメルト接着剤)がそれらの微細孔を通って透過可能になっている。表面プレート30を構成する多孔性材料としては、金網、パンチングメタル、エッチング開孔材、焼結金属、セラミックス及びこれらの積層体等を用いることができる。
表面プレート30を構成する多孔性材料の微細孔の平均孔径としては、0.01mm以上2mm以下、特に0.03mm以上0.8mmmm以下であることが好ましい。該多孔性材料の微細孔の開口面積率としては、1%以上80%以下、特に5%以上60%以下であることが好ましい。また、該多孔性材料の個々の微細孔の面積としては、0.002mm2以上3.2mm2以下、特に0.004mm2以上0.5mm2以下であることが好ましい。
表面プレート30を構成する多孔性材料の微細孔の平均孔径及び微細孔の面積は、それぞれ、以下のようにして測定される。
微細孔の平均孔径は、光学顕微鏡によって表面プレート30を真上から観察し、表面上の目開きの面積を少なくとも10点計測し、S(孔の面積)=PAI/4×d2(PAI=3.14)で逆算されるdを円相当径とし、これらの平均値とする。微細孔の面積は、例えばキーエンス製デジタルHDマイクロスコープVH−7000を使用し、観察される画面上の任意の点を囲むことにより簡単に計測できる。
ロール本体31は、図2(a)に示すように、液体塗工装置1では、軸芯部を含む本体部分33と、該本体部分33の外周面上に配され且つ着脱部37が配される補助プレート34と、該補助プレート34の外周面上に配され且つ所定形状に対応するパターンの開口部35aを有するパターン形状プレート35とを有している。ロール本体31の凹部32,32は、液体塗工装置1では、パターン形状プレート35の開口部35aの内側部分35rと補助プレート34の外面34uとで形成されている。補助プレート34とパターン形状プレート35は1つの部品で形成しても良い。
本体部分33は、図1に示すように、液体塗工装置1では、略円柱形状に形成されており、回転軸方向Xの両端部に設けられた軸部33s,33sがフレーム10,10に回転自在に支持されている。本体部分33の内部には、その軸芯部に回転軸方向Xに延出する主管路33mと、主管路33mから本体部分33の外周面に向けて放射方向に延出する分岐管路33dとが形成されている。液体塗工装置1では、複数(2つ)の分岐管路33d,33dが形成されている。また、本体部分33の内部にはカートリッジヒータ等の加熱手段(図示せず)が組み込まれており、カートリッジヒータ等の加熱手段で本体部分33の内部の温度調節が可能となっている。本体部分33の内部の温度調節を行うことで、例えば、本体部分33の内部を流通するホットメルト接着剤が流動し易い粘度等となるように調節できるようになる。
主管路33mは、液体塗工装置1では、ドリルによる穴あけ加工により形成されており、本体部分33の回転軸方向Xの一方側の軸部33sから他方側の軸部33sに向けて回転軸方向Xに延出するように形成されている。主管路33mは、液体塗工装置1では、一方側の軸部33sから回転軸方向Xの略中央部分に亘って形成されている。即ち、主管路33mは一方側の軸部33sから回転軸方向Xの略中央部まで延出して形成される穴形状になっている。主管路33mの外径としては、チューブ38,38を配することが可能な大きさであれば特段限定されないが、ドリルによる穴あけ加工で形成される観点から、液体塗工装置1では、φ6mm以上φ25mm以下に形成されていることが好ましい。
分岐管路33d,33dは、液体塗工装置1では、ドリルによる穴あけ加工により形成されており、主管路33mから本体部分33の外周面に亘って形成されている。即ち、分岐管路33d,33dは主管路33mと本体部分33の外周面とを連通して形成されている。分岐管路33d,33dの外径としては、チューブ38,38を配することが可能な大きさであれば特段限定されないが、ドリルによる穴あけ加工で形成される観点から、液体塗工装置1では、φ6mm以上φ25mm以下に形成されていることが好ましい。
補助プレート34は、液体塗工装置1では、本体部分33の外周面の全体(本体部分33の軸部33s,33sを除いた外周面の全体)を被覆可能に形成されている。補助プレート34は、本体部分33の外周面の全体を被覆した状態で固定具(図示せず)により本体部分33に固定されている。また補助プレート34には該補助プレート34の厚さ方向に貫通した導入孔34h,34hが形成されている。該導入孔34h,34hは、補助プレート34を本体部分33の外周面に固定した際に分岐管路33d,33dと連通する位置に形成されている。導入孔34h,34hの内径は分岐管路33dの内径よりも小さく、分岐管路33dの内径に対する導入孔34hの内径の割合((導入孔34hの内径/分岐管路33dの内径)×100)としては、好ましくは0.4%以上、より好ましくは1%以上、好ましくは75%以下、より好ましくは60%以下、好ましくは0.4%以上75%以下、より好ましくは1%以上60%以下である。
パターン形状プレート35は、液体塗工装置1では、本体部分33の外周面を被覆した補助プレート34の外周面の全体を被覆可能に形成されている。パターン形状プレート35は、補助プレート34の外周面を被覆した状態で固定具(図示せず)により補助プレート34に固定されている。またパターン形状プレート35には該パターン形状プレート35の厚さ方向に貫通した所定形状に対応するパターンの開口部35a,35aが形成されている。該開口部35a,35aは、パターン形状プレート35を補助プレート34の外周面に固定した際に補助プレート34に形成された導入孔34h,34hと連通する位置に形成されている。
このように、液体塗工装置1では、補助プレート34は本体部分33に積層配置され、パターン形状プレート35は補助プレート34に積層配置されており、本体部分33の分岐管路33d、補助プレート34の導入孔34h及びパターン形状プレート35の開口部35aは、本体部分33の内部に形成された主管路33mからロール本体31の外周面に亘って連通するように形成されている。そして、本体部分33に積層配置された補助プレート34の外面34uと、該補助プレート34に積層配置されたパターン形状プレート35の開口部35a,35aの内側部分35r,35rとで、ロール本体31の凹部32,32が形成されている。
パターン形状プレート35の厚みとしては、該厚みがロール本体31の凹部32,32の深さとなることから、0.1mm以上5.0mm以下が好ましく、0.5mm以上1.0mm以下がより好ましい。
また、表面プレート30の厚みとしては、塗工すべき領域の全域にむらなく塗工する観点から、ロール本体31の凹部32,32の深さに対して0.05倍以上20倍以下が好ましく、0.1倍以上2倍以下がより好ましい。また、同様の観点から、表面プレート30の厚みは、全体として20mm以下が好ましく、10mm以下がより好ましく、0.05mm以上2.0mm以下が一層好ましい。
補助プレート34の外面34uと、該補助プレート34に積層配置されたパターン形状プレート35の開口部35a,35aの内側部分35r,35rとでロール本体31の凹部32,32を形成することで、凹部32,32の分解が容易となり、凹部32,32のメンテナンス等が容易となる。
主管路33mの一端部に配され供給部2に接続される接続部36は、液体塗工装置1では、図3に示すように、ロール本体31と供給部2の供給管21とを回転自在に接続するロータリージョイントにより構成されている。ロータリージョイント36は、チューブ38の一端部が接続されるシャフト36Sと、供給部2の供給管21の他端部を接続するハウジング36Hと、を備えている。シャフト36Sは、ハウジング36H内に配されたシール部材36aにより気密された状態で且つハウジング36H内に配されたボールベアリング36bによって回転自在に支持されている。ロータリージョイント36を用いてロール本体31と供給部2の供給管21とを接続することで、ロール本体31と供給部2の供給管21と容易に回転自在に連結させることができる。
分岐管路33d内で凹部32,32の底部32b,32bに設けられた導入孔34h,34hに着脱自在に接続される着脱部37,37は、補助プレート34の内面34d側から該補助プレート34の導入孔34h,34hに着脱自在に接続されている。
各着脱部37は、液体塗工装置1では、図2(b)に示すように、各チューブ38の他端部を接続する継手37aを有している。各着脱部37に継手を設けることで、各着脱部37と各チューブ38の他端部とを容易に連結させることができる。
また、各着脱部37は、液体塗工装置1では、各チューブ38を介して各凹部32の底部32bに流入される液体の流量を調整する流量調整機構37bを有している。流量調整機構37bは、液体塗工装置1では、チューブ38から継手37aを介してホットメルト接着剤が流入される流入孔37hが形成される調整部本体37cと、調整部本体37cの流入孔37hの内部に、ホットメルト接着剤の流入方向と直交する方向に突出させてホットメルト接着剤の流入量を規制する規制ネジ37dとを有している。調整部本体37cは、流入孔37hが補助プレート34の導入孔34hと流入方向に重なるように補助プレート34の内面34dに取り付けられている。規制ネジ37dは、調整部本体37cに流入孔37hの流入方向と直交する方向に螺合されている。着脱部37,37に流量調整機構37bを設けることで、チューブ38,38を介して流入されるホットメルト接着剤の流入量の細かな制御を行うことが可能になる。
チューブ38,38は、主管路33mから分岐管路33dに亘ってその内部に配されており、一端部がロータリージョイント36のシャフト36Sに接続され、他端部が着脱部37の継手37aに接続されている。このように、チューブ38,38は、主管路33mから分岐管路33dに亘ってその内部に連続して配されている。またチューブ38,38は、液体塗工装置1では、金属製の管により形成されており、特にホットメルト接着剤を塗工する場合は、加熱および耐熱の観点から金属製の管を用いた方が好ましい。チューブ38は、軟質材料により形成して、主管路33m及び分岐管路33dの内部でフレキシブルに動くことができるようにしてもよい。またチューブ38,38は、それぞれ同じ太さに形成されており、その内径が均一になっている。チューブ38,38の内径は、主管路33m及び分岐管路の内径よりも小さい(細い)。更にチューブ38,38は、凹部32,32と同数配されている。本実施形態では、ロール本体31に2つの凹部32,32が配されているため、2本のチューブ38,38が配されている。
主管路33mの内径に対するチューブ38の内径の割合((チューブ38の内径の割合/主管路33mの内径)×100)としては、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、好ましくは70%以下、より好ましくは10%以下、好ましくは1%以上70%以下、より好ましくは5%以上10%以下である。
また、分岐管路33dの内径に対するチューブ38の内径の割合((チューブ38の内径の割合/分岐管路33dの内径)×100)としては、好ましくは1%以上、より好ましくは5%以上、好ましくは70%以下、より好ましくは10%以下、好ましくは1%以上70%以下、より好ましくは5%以上10%以下である。
第1駆動源4は、図1に示すように、液体塗工装置1では、タイミングベルト40を介してロール本体31の他方側の軸部33sに接続されている。第1駆動源4は、制御部8に電気的に接続されており、制御部8により回転が制御されている。
受けロール5は、図1に示すように、液体塗工装置1では、略円柱形状に形成されており、回転軸方向Xの両端部に設けられた軸部50s,50sがフレーム10,10に回転自在に支持されている。受けロール5は吐出ロール3と対向配置されており、吐出ロール3とで帯状シート(図示せず)をニップして吐出ロールによりホットメルト接着剤が塗工される帯状シートを搬送する。
第2駆動源6は、図1に示すように、液体塗工装置1では、タイミングベルト60を介して受けロール5の他方側の軸部50sに接続されている。第2駆動源6は、制御部8に電気的に接続されており、制御部8により回転が制御されている。なお、液体塗工装置1では、図1に示すように、吐出ロール3と受けロール5に各々駆動源を設けているが、1つの駆動源で吐出ロール3と受けロール5とを駆動しても良い。
接離機構7は、図1に示すように、液体塗工装置1では、受けロール5を昇降可能に構成されている。接離機構7は、一対のエアシリンダ70,70及び電磁弁(図示せず)により構成されており、電磁弁の開閉によりエアシリンダ70,70が伸縮することで、受けロール5が吐出ロール3に当接したり、吐出ロール3から離間したりするようになっている。接離機構7(電磁弁)は、制御部8に電気的に接続されており、制御部8により一対のエアシリンダ70,70の伸縮が制御されている。
次に、制御部8によって制御される液体塗工装置1の塗工動作について説明する。
先ず、供給部2のタンク20にホットメルト接着剤を投入し、ヒータ等の加熱手段を用いてタンク20内を加熱し、投入したホットメルト接着剤を溶融状態としておく。
ホットメルト接着剤が溶融状態になると、制御部8は、タンク20の第1バルブ20V及び供給管21の第2バルブ21Vを開放し、ポンプ22を起動してホットメルト接着剤を吐出ロール3に向けて送り出す。ポンプ22によって送り出されたホットメルト接着剤は、供給管21を介して吐出ロール3に流入される。吐出ロール3に流入されたホットメルト接着剤は、ロータリージョイント36を介して接続されたチューブ38,38内に流入され、チューブ38,38内に充填される。このとき、チューブ38,38は、主管路33m及び分岐管路33dよりも内径が細いため、主管路33m及び分岐管路33dにホットメルト接着剤を流入させて主管路33m及び分岐管路33d内を充填するよりも短い時間で充填させることができる。
また、制御部8は、第1駆動源4を駆動して吐出ロール3を回転させる。このとき、吐出ロール3は、ロータリージョイント36を介して供給部2の供給管21に接続されているため、ロータリージョイント36のシャフト36Sが接続された吐出ロール3のみが回転することになる。また、制御部8は、第2駆動源6を駆動して受けロール5を回転させると共に、接離機構7を駆動して受けロール5を吐出ロール3にニップさせる。これにより、帯状シートが吐出ロール3及び受けロール5により搬送される。
そして、チューブ38,38内がホットメルト接着剤で充填されると、ホットメルト接着剤はチューブ38,38の他端部が接続された着脱部37を介して補助プレート34の導入孔34h,34hに導入され、導入孔34h,34hを介して凹部32,32内に流入される。凹部32,32内に流入されたホットメルト接着剤は、凹部32,32内を拡散し、凹部32,32内に充填される。凹部32,32内を充填したホットメルト接着剤は、表面プレート30を透過し、吐出ロール3と受けロール5とでニップされて搬送される帯状シート上にホットメルト接着剤を所定形状に対応するパターンの凹部32,32の形状に吐出される。
帯状シートへのホットメルト接着剤の塗工が終了すると、制御部8は、ポンプ22を停止すると共に、第1バルブ20Vおよび第2バルブ21Vを閉じてホットメルト接着剤の供給とを停止する。また、制御部8は、第1及び第2駆動源4、6の駆動を停止すると共に、接離機構7を駆動して、受けロール5を吐出ロール3から離間させる。このとき、チューブ38,38の内部に充填されるホットメルト接着剤の量が吐出ロール3が吐出する吐出量に対して相対的に少ないので、吐出ロール3が慣性力で回転した場合においても、該回転による遠心力でホットメルト接着剤が表面プレート30から漏れ出すことが抑制される。
以上説明したように、本実施形態の液体塗工装置1によれば、主管路33m及び分岐管路33dの内部に配されたチューブ38,38、即ち、主管路33m及び分岐管路33dよりも内径の細いチューブ38,38を用いてホットメルト接着剤を流入することで、主管路33m及び分岐管路33dを介してホットメルト接着剤を凹部32,32内に流入するよりも短い時間で凹部32,32内に流入させることができる。その為、吐出ロール3によるホットメルト接着剤の吐出開始までの時間を短くすることができる。
また、チューブ38,38を介して液体を流入させることで、チューブ38,38の内部に充填されるホットメルト接着剤の量を吐出ロール3が吐出する吐出量に対して相対的に少なくできるので、吐出ロール3が吐出する液体(ホットメルト接着剤)の吐出量のばらつきを抑えことができ、例えば、供給部2から供給されるホットメルト接着剤の供給を停止した場合に、チューブ38,38内に残ったホットメルト接着材が、吐出ロール3の回転による遠心力で凹部32,32に流出し、表面プレート30から漏れ出すことが抑制される。
更に、チューブ38,38を介してホットメルト接着剤を凹部内32,32に流入させるため、吐出ロール3の本体部分33の主管路33m及び分岐管路33dを供給するホットメルト接着剤の流量と無関係のサイズのドリルを用いて容易に形成することができる。
更にまた、吐出量に応じて太さの異なるチューブを取り付けることで、吐出量に応じて吐出ロールを交換しなくても所望の吐出を行うことができる。
このように液体塗工装置1によれば、吐出ロールによる液体の吐出開始までの時間を短くし、吐出ロール3が吐出する液体の吐出量のばらつきを抑え、液体の供給を停止した後の吐出ロールからの液漏れを防止することができる。
以上、本発明をその好ましい第実施形態に基づき説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、液体塗工装置1では、ロール本体31の外周面の全面を多孔性材料で形成された表面プレート30で覆っているが、本発明においてはロール本体31の外周面に形成された凹部32,32のみを覆う部分のみを多孔性材料で構成してもよい。
また、液体塗工装置1ではロール本体31の外周面の全面を表面プレート30で被覆したが、本発明においては、例えば、表面プレートを所定形状の凹部32,32と同形状に形成し、所定形状の凹部32,32に該表面プレートを嵌め込むことで凹部32,32を被覆し、吐出ロールの外周面の一部を被覆してもよい。
また液体塗工装置1では、外周面に2つの凹部32,32を形成したロール本体を用いたが、ロール本体の凹部の数はこれに限定されない。ロール本体の凹部は1つであっても2つ以上であってもよい。
上述した液体塗工装置は、例えば、ホットメルト接着剤からなる粘着部を有し、該粘着部を介して衣類に固定されて用いられる吸収性物品の製造に好ましく用いることができる。このような吸収性物品としては、生理用ナプキンやパンティライナー(下り物シート)、失禁パッド等の身体から排出される液を吸収する吸収性物品が挙げられる。これらは、一般に、液保持性の表面シート、液難透過性(不透過性を含む概念)の裏面シート及びこれら両シート間に配された吸収体を具備し、衣類当接面にホットメルト接着剤からなる粘着部を有していたり、縦長の本体部分の左右両側にウイング部を有し、該ウイング部の片面(衣類当接面)にホットメルト接着剤からなる粘着部を有している。本体部分及びウイング部の両者に粘着部を有していても良い。
このような吸収性物品を製造する際には、衣類当接面を構成するシートの帯状の原反、又は他の材料と積層された該シートの帯状又は非帯状の原反に、上述した液体塗工装置を用いてホットメルト接着剤を塗工して所定形状の粘着部を形成する。それ以外は、従来の吸収性物品の製造方法と同様である。
1 液体塗工装置
2 供給部
20 タンク
21 供給管
22 ポンプ
3 吐出ロール
30 表面プレート
31 ロール本体
32 凹部
32d 凹部の底部
33 本体部分
33m 主管路
33d 分岐管路
34 補助プレート
34u 補助プレートの外面
35 パターン形状プレート
35r 内側部分
36 接続部
37 着脱部
37a 継手
37b 流量調整機構
38 チューブ

Claims (5)

  1. 供給部から供給される液体を表面プレートを透過させて所定形状で吐出する吐出ロールを備え、移動する被塗工物に該吐出ロールから吐出された液体を塗工する液体塗工装置であって、
    前記表面プレートは前記吐出ロールの外周面を構成しており、該吐出ロールにおける該表面プレートより内側の部分を構成するロール本体の外周面には前記所定形状に対応するパターンの凹部が形成されており、
    前記ロール本体の内部には、その軸芯部に該ロール本体の回転軸方向に延出する主管路と、該主管路から前記凹部の底部に設けられた導入孔に亘る分岐管路とが形成されており、
    前記吐出ロールは、前記主管路の一端部に配され前記供給部に接続される接続部と、前記分岐管路内で前記凹部の前記底部に設けられた前記導入孔に着脱自在に接続される着脱部と、前記主管路から前記分岐管路に亘ってその内部に配されたチューブとを備え、
    前記チューブは、その一端部が前記接続部に接続され、その他端部が前記着脱部に接続されている、液体塗工装置。
  2. 前記着脱部は、前記チューブの前記他端部を接続する継手を有している、請求項1に記載の液体塗工装置。
  3. 前記接続部は、前記ロール本体と前記供給部とを回転自在に接続させるロータリージョイントであり、
    前記チューブの前記一端部は、前記ロータリージョイントに接続されている、請求項1又は2に記載の液体塗工装置。
  4. 前記着脱部は、前記チューブを介して前記凹部の前記底部に流入される液体の流量を調整する流量調整機構を有している、請求項1〜3の何れか1項に記載の液体塗工装置。
  5. 前記ロール本体は、前記軸芯部を含む本体部分と、該本体部分の外周面上に配され且つ前記着脱部が配される補助プレートと、該補助プレートの外周面上に配され且つ前記所定形状に対応するパターンの開口部を有するパターン形状プレートとを有し、
    前記ロール本体の前記凹部が前記パターン形状プレートの開口部の内側部分と前記補助プレートの外面とで形成されている、請求項1〜4の何れか1項に記載の液体塗工装置。
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