JP2018079418A - 流動層システム - Google Patents

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Abstract

【課題】流動媒体の凝集を事前に予測する。【解決手段】流動層システム100は、流動媒体の流動層を形成し、アルカリ金属を含む原料を、流動層によって燃焼またはガス化させる流動層反応器110と、流動層の粘度を測定する粘度測定部120と、粘度測定部120によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となると、流動層の粘度を上昇させない処理を行う粘度制御部130と、を備える。これにより、流動媒体の凝集を事前に予測することが可能となる。【選択図】図1

Description

本開示は、原料を燃焼またはガス化させる流動層システムに関する。
石炭、バイオマス等の原料をガス化する技術として、700℃〜900℃程度の流動媒体を収容した収容槽の底部から流動化ガスを導入して流動媒体の流動層を形成し、さらに原料を収容槽に投入して、流動層で原料をガス化するガス化炉が開発されている。
流動媒体は、一般的に、珪砂で構成されている。このため、原料にアルカリ金属が含まれていると、珪砂に含まれるシリカ(SiO)が、アルカリ金属と反応し、複合酸化物が生成される。この複合酸化物は、800℃程度で溶融するため、ガス化炉内において、溶融した複合酸化物によって流動媒体が凝集(アグロメレーション)してしまう。そうすると、流動媒体が流動不良を起こし、流動層が形成されなくなったり、ガス化炉自体やガス化炉に接続された機器等が凝集した流動媒体で閉塞されたりするおそれがある。
そこで、複合酸化物と反応することで、複合酸化物自体の溶融温度を上昇させる添加剤をガス化炉に投入し、ガス化炉内における流動媒体の凝集を抑制する技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2011−219505号公報
従来、流動媒体の凝集の発生有無は、目視で検知したり、温度分布や圧力損失に変化が生じたことによって検知したりしていた。つまり、流動媒体が凝集してはじめて、凝集に対する対応をとることができた。このため、流動媒体の凝集後に、添加剤を投入しても、凝集の解消に時間を要したり、添加剤が行き渡らず、凝集が解消されない箇所が生じたりするおそれがある。したがって、流動媒体の凝集を事前に予測できる技術の開発が希求されている。
本開示は、このような課題に鑑み、流動媒体の凝集を事前に予測することが可能な流動層システムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る流動層システムは、流動層反応器と、前記流動層反応器内の流動層の粘度を測定する粘度測定部と、前記粘度測定部によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となると、前記流動層の粘度を上昇させない処理を行う粘度制御部と、を備える。
また、前記流動層反応器は、燃焼炉と、前記燃焼炉の下流側に接続されたサイクロンと、前記サイクロンの下流側に接続された第1シールポットと、前記第1シールポットの下流側に接続されたガス化炉と、前記ガス化炉の下流側に接続された第2シールポットと、を備え、前記粘度測定部は、前記燃焼炉、前記第1シールポット、前記ガス化炉、および、前記第2シールポットのいずれか1または複数において形成される流動層の粘度を測定してもよい。
上記課題を解決するために、本開示の他の一態様に係る流動層システムは、流動層反応器と、前記流動層反応器から流動媒体を抜き出す媒体抜出部と、抜き出された前記流動媒体で流動層を形成する流動層室と、前記流動層室において形成される流動層の粘度を測定する粘度測定部と、前記粘度測定部によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となると、前記流動層反応器の流動層の粘度を上昇させない処理を行う粘度制御部と、を備える。
流動媒体の凝集を事前に予測することが可能となる。
第1の実施形態にかかる流動層システムを説明する図である。 第1シールポットを説明する図である。 粘度測定部を説明する図である。 流動層の粘度と流動化開始ガス線速度との関係を説明する図である。 第2の実施形態にかかる流動層システムである。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の一実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
(第1の実施形態:流動層システム100)
図1は、第1の実施形態にかかる流動層システム100を説明する図である。図1に示すように、流動層システム100は、流動層反応器110と、粘度測定部120と、粘度制御部130とを含んで構成される。なお、図1中、原料、流動媒体、水蒸気、ガス化ガス、燃焼排ガス等の物質の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを破線の矢印で示す。
図1に示すように、流動層反応器110は、燃焼炉210と、第1配管212と、サイクロン220と、第2配管222と、第1シールポット230と、第3配管232と、ガス化炉240と、第4配管242と、第2シールポット250と、第5配管252と、熱交換器260と、脱塵装置262とを含んで構成される。
本実施形態において、流動層反応器110は、循環流動層式ガス化システムであり、燃焼炉210、第1配管212、サイクロン220、第2配管222、第1シールポット230、第3配管232、ガス化炉240、第4配管242、第2シールポット250、第5配管252に、流動媒体を熱媒体として循環させている。流動媒体は、粒径が300μm程度の珪砂で構成される。
燃焼炉210は、筒形状であり、上部に第1配管212が接続され、下部に第5配管252が接続される。燃焼炉210には、第5配管252を通じて燃料および流動媒体が導入される。燃焼炉210では、燃料が燃焼されて、流動媒体が900℃〜1000℃程度に加熱される。加熱された流動媒体および燃焼排ガスは、第1配管212を通じてサイクロン220に送出される。
サイクロン220は、第1配管212を通じて燃焼炉210から導入された流動媒体と燃焼排ガスとの混合物を固気分離する。サイクロン220で分離された高温の流動媒体は、サイクロン220の底部と第1シールポット230とを接続する第2配管222を通じて、第1シールポット230に導入される。
第1シールポット230(ループシール)は、第2配管222を通じてサイクロン220から導入された流動媒体を流動化し、流動層を形成する。
図2は、第1シールポット230を説明する図である。第1シールポット230は、流動媒体を収容する収容槽230aと、収容槽230aの下方に設けられた風箱230bとを含んで構成される。
収容槽230aの天井には、入口230cが形成されている。入口230cには、第2配管222が接続される。また、収容槽230aの側面には、出口230dが形成されている。出口230dには、第3配管232が接続される。収容槽230a内には、天井から鉛直下方に延在した仕切板230eが設けられている。仕切板230eは、収容槽230a内を、入口230cが形成される領域230fと、出口230dが形成される領域230gとに区画する。また、仕切板230eの先端は、出口230dの下端より鉛直下方まで延在している。仕切板230eを備える構成により、サイクロン220からガス化炉240への燃焼排ガスの流入およびガス化炉240からサイクロン220へのガス化ガスの流入を防止することができる。
風箱230bの上部は、通気可能な分散板で構成されており、収容槽230aの底面としても機能する。風箱230bには、不図示の水蒸気供給部から水蒸気が供給される。風箱230bに供給された水蒸気は、収容槽230aの底面(分散板)から当該収容槽230a内に導入される。したがって、第2配管222を通じてサイクロン220から導入された流動媒体は、水蒸気によって流動化し、収容槽230a内において気泡流動層が形成される。
そして、サイクロン220からのさらなる流動媒体の導入に伴って、流動層の鉛直方向の位置が高くなると、流動媒体は、出口230dの下端をオーバーフローし、第3配管232を通じてガス化炉240へ導入されることとなる。
第1シールポット230(第3配管232)から導入された流動媒体は、ガス化炉240において、流動化ガス(例えば、水蒸気)によって流動化する。具体的に説明すると、ガス化炉240は、流動媒体を収容する収容槽240aと、収容槽240aの下方に設けられた風箱240bとを含んで構成される。風箱240bの上部は、通気可能な分散板で構成されており、収容槽240aの底面としても機能する。風箱240bには、不図示の水蒸気供給部から水蒸気が供給される。風箱240bに供給された水蒸気は、収容槽240aの底面(分散板)から当該収容槽240a内に導入される。したがって、第1シールポット230から導入された高温の流動媒体は、水蒸気によって流動化し、収容槽240a内において気泡流動層が形成される。
また、ガス化炉240(収容槽240a)には、石炭やバイオマス等の原料が投入される。投入された原料は、流動媒体が有する700℃〜900℃程度の熱によってガス化され、これによってガス化ガス(合成ガス)が生成される。生成されたガス化ガスは、後段の設備に送出される。
そして、ガス化炉240において流動化された流動媒体は、ガス化炉240と第2シールポット250とを接続する第4配管242を通じて、第2シールポット250に導入される。
第2シールポット250(ループシール)は、第4配管242を通じてガス化炉240から導入された流動媒体を流動化し、流動層を形成する。第2シールポット250は、ガス化炉240から燃焼炉210へのガス化ガスの流入および燃焼炉210からガス化炉240への燃焼排ガスの流入を防止する。第2シールポット250の構成は、上記第1シールポット230と実質的に等しいため、ここでは、詳細な説明を省略する。第2シールポット250からオーバーフローした流動媒体は、第5配管252を通じて燃焼炉210に戻される。
このように、本実施形態にかかる流動層反応器110において、流動媒体は、燃焼炉210、第1配管212、サイクロン220、第2配管222、第1シールポット230、第3配管232、ガス化炉240、第4配管242、第2シールポット250、第5配管252を、この順に移動し、再度燃焼炉210に導入されることにより、これらを循環することとなる。
なお、サイクロン220によって分離された燃焼排ガスは、熱交換器260(ボイラ)によって熱交換(冷却)され、脱塵装置262によって脱塵された後、外部に送出される。
また、燃焼炉210には、第5配管252を通じて、ガス化炉240において原料がガス化した後に残留した原料の残渣が導入される。したがって、ガス化炉240から燃焼炉210に導入される原料の残渣が、燃焼炉210において燃料として利用される。
上記したように、流動媒体は、燃焼炉210で900℃〜1000℃程度に加熱され、ガス化炉240で700℃〜900℃程度の流動媒体の流動層が形成される。そして、ガス化炉240に原料が投入されて、ガス化ガスが生成される。
ここで、原料にアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)が含まれていると、燃焼炉210およびガス化炉240において、流動媒体を構成する珪砂に含まれるシリカとアルカリ金属とが反応して、複合酸化物が生成される。この複合酸化物は、800℃程度で溶融する。したがって、ガス化炉240において、溶融した複合酸化物によって流動媒体が凝集してしまう。なお、燃焼炉210において、流動媒体は希薄流動層を形成しているため、流動媒体の気泡流動層が形成されるガス化炉240と比較して、流動媒体の移動速度が大きい。このため、燃焼炉210では、複合酸化物が溶融するものの、流動媒体はほとんど凝集しない。
流動媒体が凝集してしまうと、流動媒体が流動不良を起こし、第1シールポット230、ガス化炉240、第2シールポット250において流動層が形成されなくなったり、第2配管222、第1シールポット230、第3配管232、ガス化炉240、第4配管242、第2シールポット250、第5配管252が凝集した流動媒体で閉塞されたりするおそれがある。
そこで、粘度測定部120によって流動層の粘度を測定し、流動媒体の凝集を事前に予測する。
図1に戻って説明すると、粘度測定部120は、第1シールポット230に形成された流動層の粘度を測定する。ガス化炉240に投入された原料は、燃焼炉210で消費されることになる。したがって、粘度測定部120が第1シールポット230の粘度を測定する構成により、流動媒体自体の流動層の粘度を測定することができる。
図3は、粘度測定部120を説明する図である。図3(a)は、粘度測定部120の使用形態を説明する図である。図3(b)は、カップ122の形状を説明する図である。
図3(a)に示すように、粘度測定部120は、カップ122と、回転軸124と、モータ126と、粘度換算部128とを含んで構成される。なお、粘度測定部120は、カップ122の形状以外、既存の回転粘度計の技術を適用できるので、ここでは、詳細な説明を省略する。
カップ122は、第1シールポット230における領域230gに形成された流動層内に配される。カップ122は、円板122aと、円板122aの外周から立設した円筒形状の本体部122bとを含んで構成される。カップ122は、円板122aが鉛直上方に位置するように、流動槽内に設置される。
回転軸124は、カップ122の円板122aの中心に接続される。モータ126は、回転軸124を回転させることで、カップ122を回転させる。粘度換算部128は、回転軸124に課されるトルクを測定し、トルクを粘度に換算する。粘度換算部128によって得られた粘度を示す情報は、粘度制御部130に伝達される。
図3(b)に示すように、本実施形態において、カップ122の円板122aに複数の孔122cが形成されている。孔122cを有することにより、風箱240bから供給される水蒸気がカップ122内に滞留して、流動媒体のカップ122への導入を妨げてしまう事態を回避することができる。したがって、流動層の粘度を安定して測定することが可能となる。
図1に戻って説明すると、粘度制御部130は、CPU(中央処理装置)を含む半導体集積回路で構成される。粘度制御部130は、ROMからCPU自体を動作させるためのプログラムやパラメータ等を読み出し、ワークエリアとしてのRAMや他の電子回路と協働して、流動層システム100を管理および制御する。本実施形態において、粘度制御部130は、粘度測定部120によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となったか否かを判定する。ここで、閾値は、流動層反応器110の設計値によって決定される値であり、不図示のメモリに保持される。
閾値の決定について具体的に説明すると、流動層の粘度が高いと流動化開始ガス線速度(最小流動化速度)Umfが大きくなる。図4は、流動層の粘度と流動化開始ガス線速度Umfとの関係を説明する図である。
アルカリ金属として水酸化カリウムを流動媒体に添加し、空塔ガス線速度U0/流動化開始ガス線速度Umfを一定(2.0)にして流動層を形成し、流動層の粘度、流動化ガス(水蒸気)の流量、流動層の圧力損失を測定した。なお、水酸化カリウムの添加率を、0.0%(図4中、白丸で示す)、0.6%(図4中、白三角で示す)、1.1%(図4中、白四角で示す)、1.7%(図4中、黒丸で示す)、2.2%(図4中、黒三角で示す)とした場合の粘度および流量を測定した。また、水酸化カリウムの添加率を、0.0%、0.6%、1.1%とした場合の圧力損失および流量を測定した。
その結果得られた、流動層の粘度と流動化ガスの流量との関係を図4(a)に示す。また、流動層の圧力損失と流動化ガスの流量との関係を図4(b)に示す。
図4(a)に示すように、水酸化カリウムの添加率に拘わらず、流動化ガスの流量を上昇させるにしたがって、粘度が低下する。そして、所定の流量に到達すると、粘度が一定になる。流動化ガスの流量が小さいと流動媒体が流動化しないので、粘度は大きい。しかし、流動化ガスの流量が所定の流量となると、流動媒体が流動化して流動層を形成し始めるため、粘度が低下する。つまり、粘度が一定になったときの流動化ガスの流量が流動化開始ガス線速度Umfである。
また、図4(b)に示すように、水酸化カリウムの添加率に拘わらず、流動化ガスの流量を上昇させるにしたがって、圧力損失が上昇する。そして、所定の流量に到達すると、圧力損失が一定になる。流動化ガスの流量が小さいと、流動化ガスが流動媒体を浮上させる(流動媒体を流動化させる)ことなく通過するため、圧力損失は小さい。しかし、流動化ガスの流量が所定の流量となると、流動媒体を浮上させることで流動化させて流動層を形成させ始めるため、圧力損失が上昇する。つまり、圧力損失が一定になったときの流動化ガスの流量が流動化開始ガス線速度Umfである。
流動化開始ガス線速度Umfについて検討すると、図4(a)、図4(b)に示すように、水酸化カリウムの添加率が上昇するにしたがって、流動化開始ガス線速度Umfが大きくなることが確認された。
一方、ガス化炉240において風箱240bが供給する水蒸気の流量の最大許容値は、設計によって決定されている。そこで、閾値は、流動化開始ガス線速度Umfが最大許容値以下の所定の値となる流動層の粘度に設定される。
粘度制御部130によって、流動層の粘度が閾値以上になったか否かを判定することにより、流動媒体の凝集を事前に予測することが可能となる。
そして、粘度制御部130は、粘度測定部120によって測定された粘度が閾値以上となると、流動層の粘度を上昇させない処理を行う。粘度制御部130は、例えば、流動層反応器110から流動媒体を一部抜き出して、洗浄し、洗浄した流動媒体を流動層反応器110に返送する。また、粘度制御部130は、流動層反応器110から流動媒体を一部抜き出して、新たな(複合酸化物を含まない)流動媒体を導入してもよい。また、粘度制御部130は、流動層反応器110に、複合酸化物の融点を上昇させる添加剤を導入してもよい。また、粘度制御部130は、流動層反応器110の運転を停止してもよい。
以上説明したように、本実施形態にかかる流動層システム100によれば、流動層の粘度を測定することにより、流動媒体の凝集を事前に予測することができる。これにより、凝集によって、流動層システム100に不具合が生じる事態を回避することが可能となる。したがって、流動層反応器110を安定して運転することができる。
また、粘度制御部130による判定頻度(もしくは、粘度測定部120による粘度の測定頻度)は、原料に含まれるアルカリ金属の濃度と、単位時間当たりの原料の投入量と、アルカリ金属の添加率に応じた流動化開始ガス線速度Umfと、閾値とに基づいて決定される。アルカリ金属の添加率と流動化開始ガス線速度Umfとの関係は、アルカリ金属の種類によって異なる。したがって、例えば、アルカリ金属ごとに、アルカリ金属の添加率と流動化開始ガス線速度Umfとを関連付けたマップを不図示のメモリに保持しておく。そして、粘度制御部130は、マップを参照し、原料に含まれるアルカリ金属の種類、および、濃度と、単位時間当たりの原料の投入量とに基づき、粘度が閾値に到達するまでの時間を導出する。そして、粘度制御部130は、前回、流動層の粘度を上昇させない処理を行ってから導出した時間までの時間間隔で、上記判定処理を行う。
(第2の実施形態:流動層システム300)
図5は、第2の実施形態にかかる流動層システム300を説明する図である。図5に示すように、流動層システム300は、流動層反応器110と、媒体抜出部310と、流動層室320と、粘度測定部120と、粘度制御部130とを含んで構成される。なお、図5中、原料、流動媒体、水蒸気、ガス化ガス、燃焼排ガス等の物質の流れを実線の矢印で示し、信号の流れを破線の矢印で示す。また、上記流動層システム100と実質的に等しい構成要素については、同一の符号を付して説明を省略する。
媒体抜出部310は、排出管312と、バルブ314とを含んで構成される。排出管312は、一端が第2配管222(具体的には、第2配管222のうち、鉛直上方から鉛直下方に傾斜している箇所)に接続され、他端が流動層室320(収容槽)に接続された配管である。バルブ314は、例えば、バタフライ弁で構成され、排出管312に設けられる。バルブ314が開弁されると、第2配管222に一時的に滞留した流動媒体が自重で排出管312を通じて流動層室320に排出される。つまり、バルブ314が開弁されることによって、流動媒体を第2配管222から抜き出す。
流動層室320は、流動媒体を収容する収容槽と、収容槽の下方に設けられた風箱とを含んで構成される。風箱の上部は、通気可能な分散板で構成されており、収容槽の底面としても機能する。風箱には、水蒸気が供給される。風箱に供給された水蒸気は、収容槽の底面(分散板)から当該収容槽内に導入される。したがって、媒体抜出部310から導入された流動媒体は、水蒸気によって流動化し、収容槽内において気泡流動層が形成される。
また、本実施形態において、粘度測定部120は、流動層室320に形成された流動層の粘度を測定する。
本実施形態にかかる流動層システム300においても、流動層の粘度を測定することにより、流動媒体の凝集を事前に予測することができる。また、流動層反応器110から流動媒体を抜き出して、流動層の粘度を測定するため、流動層反応器110に粘度計を設置できない場合であっても、流動媒体の凝集を事前に予測することが可能となる。
また、ガス化炉240に投入された原料は、燃焼炉210で消費されることになる。したがって、第2配管222から流動媒体を抜き出す構成により、流動媒体自体の流動層の粘度を測定することができる。また、原料(原料の残渣)が外部に排出されてしまう事態を回避することができる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示はかかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した第1の実施形態において、粘度測定部120が、第1シールポット230の粘度を測定する構成を例に挙げて説明した。しかし、粘度測定部120は、流動層反応器110において流動層が形成される箇所の粘度、具体的には、燃焼炉210の下部に形成される気泡流動層、第1シールポット230に形成される気泡流動層、ガス化炉240に形成される気泡流動層、第2シールポット250に形成される気泡流動層のうち、いずれか1または複数の流動層の粘度を測定してもよい。
また、上記実施形態において、流動層反応器110が、循環流動層式ガス化システムである場合を例に挙げて説明した。しかし、流動層反応器110は、流動媒体の流動層を形成し、アルカリ金属を含む原料を、流動層によって燃焼またはガス化させることができれば、構成に限定はない。
また、上記第2の実施形態において、媒体抜出部310が第2配管222から流動媒体を抜き出す構成を例に挙げて説明した。しかし、媒体抜出部310は、流動層反応器110から流動媒体を抜き出すことができれば、抜き出す位置に限定はなく、例えば、燃焼炉210、第1配管212、サイクロン220、第2配管222、第1シールポット230、第3配管232、ガス化炉240、第4配管242、第2シールポット250、第5配管252のいずれか1または複数から流動媒体を抜き出してもよい。
本開示は、原料を燃焼またはガス化させる流動層システムに利用することができる。
100 流動層システム
110 流動層反応器
120 粘度測定部
130 粘度制御部
210 燃焼炉
220 サイクロン
230 第1シールポット
240 ガス化炉
250 第2シールポット
300 流動層システム
310 媒体抜出部
320 流動層室

Claims (3)

  1. 流動層反応器と、
    前記流動層反応器内の流動層の粘度を測定する粘度測定部と、
    前記粘度測定部によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となると、前記流動層の粘度を上昇させない処理を行う粘度制御部と、
    を備えた流動層システム。
  2. 前記流動層反応器は、
    燃焼炉と、
    前記燃焼炉の下流側に接続されたサイクロンと、
    前記サイクロンの下流側に接続された第1シールポットと、
    前記第1シールポットの下流側に接続されたガス化炉と、
    前記ガス化炉の下流側に接続された第2シールポットと、
    を備え、
    前記粘度測定部は、前記燃焼炉、前記第1シールポット、前記ガス化炉、および、前記第2シールポットのいずれか1または複数において形成される流動層の粘度を測定する請求項1に記載の流動層システム。
  3. 流動層反応器と、
    前記流動層反応器から流動媒体を抜き出す媒体抜出部と、
    抜き出された前記流動媒体で流動層を形成する流動層室と、
    前記流動層室において形成される流動層の粘度を測定する粘度測定部と、
    前記粘度測定部によって測定された粘度が予め定められた閾値以上となると、前記流動層反応器の流動層の粘度を上昇させない処理を行う粘度制御部と、
    を備えた流動層システム。
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