JP2023074185A - 流動層装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄化合物の発生を回避して、流動媒体の凝集を抑制する。【解決手段】流動層装置100は、第1の粒径分布で表される粒径を有する流動媒体Fを加熱する燃焼炉110と、燃焼炉110から供給された固気混合物を、第1の粒径分布の最頻値未満の分離閾値以上の粒径を有する固形物と、分離閾値未満の粒径を有する固形物および燃焼排ガスEXとに分離するサイクロン120と、サイクロン120と燃焼炉110とを接続する接続流路130と、燃焼炉110または接続流路130に固体原料Rを供給する原料供給部150と、カルシウムおよびアルミニウムのうちのいずれか一方または両方を含み、少なくとも一部が燃焼炉110において分離閾値未満の粒径となる防止剤Aを、接続流路130に供給する防止剤供給部160と、を備える。【選択図】図1

Description

本開示は、流動層装置に関する。
700℃以上900℃以下の低温の流動層で、バイオマス、石炭等の固体原料をガス化する流動層ガス化炉が開発されている。流動層ガス化炉は、ガス化槽と、流動化ガス供給部とを含む。ガス化槽は、流動媒体を収容する。流動化ガス供給部は、ガス化槽の底部から流動化ガスを導入する。これにより、ガス化槽内において流動媒体の流動層が形成される。そして、流動層が形成されたガス化槽に固体原料が供給されると、流動層(流動媒体)が有する熱で固体原料がガス化される。
流動層ガス化炉で用いられる流動媒体として、一般的に、珪砂が採用される。このため、固体原料にアルカリ金属が含まれていると、珪砂に含まれるシリカ(SiO)が、アルカリ金属と反応し、800℃程度で溶融する複合酸化物が生成される。したがって、ガス化槽内において複合酸化物が溶融し、溶融した複合酸化物によって流動媒体が凝集(アグロメレーション)してしまう。そうすると、流動媒体が流動不良を起こし、流動層が形成されなくなったり、ガス化槽自体およびガス化槽に接続された機器等が凝集した流動媒体で閉塞されたりするおそれがある。
そこで、ガス化槽に供給する前に、バイオマスを硫酸水で洗浄して、バイオマスからアルカリ金属を取り除く技術が開発されている(例えば、特許文献1)。
特開2010-270320号公報
しかし、上記特許文献1のような硫酸水で洗浄する技術では、硫酸等の硫黄成分がバイオマスに随伴されてガス化槽に供給されてしまう。このため、ガス化槽において硫黄酸化物(SOx)等の硫黄化合物が生成される。硫黄化合物は、腐食の原因となる。したがって、ガス化槽やガス化槽の後段の設備において、硫黄化合物を取り除くための専用の装置が必要となる。
本開示は、このような課題に鑑み、硫黄化合物の発生を回避して、流動媒体の凝集を抑制することが可能な流動層装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本開示の一態様に係る流動層装置は、第1の粒径分布で表される粒径を有する流動媒体を加熱する燃焼炉と、燃焼炉から供給された固気混合物を、第1の粒径分布の最頻値未満の分離閾値以上の粒径を有する固形物と、分離閾値未満の粒径を有する固形物および燃焼排ガスとに分離するサイクロンと、サイクロンと燃焼炉とを接続する接続流路と、燃焼炉または接続流路に固体原料を供給する原料供給部と、カルシウムおよびアルミニウムのうちのいずれか一方または両方を含み、少なくとも一部が燃焼炉において分離閾値未満の粒径となる防止剤を、接続流路に供給する防止剤供給部と、を備える。
また、接続流路において、防止剤は、第2の粒径分布で表される粒径を有し、第2の粒径分布の最頻値は、第1の粒径分布の最頻値の29%以上50%以下であってもよい。
また、防止剤供給部は、20μm以上1mm以下の防止剤を供給してもよい。
また、接続流路は、流動媒体の流動層が形成されるシールポットを有し、防止剤供給部は、シールポットに防止剤を供給してもよい。
また、接続流路は、ガス化炉を有し、シールポットは、ガス化炉と燃焼炉との間に設けられ、原料供給部は、ガス化炉に固体原料を供給してもよい。
本開示によれば、硫黄化合物の発生を回避して、流動媒体の凝集を抑制することが可能となる。
図1は、実施形態にかかる流動層装置を説明する図である。 図2は、第1シールポットを説明する図である。 図3は、流動媒体の温度と複合酸化物の発生率とを説明する図である。 図4は、複合酸化物が生じた際の流動媒体のSEM画像を示す図である。 図5は、流動媒体および防止剤の粒径分布を説明する図である。
以下に添付図面を参照しながら、本開示の実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、具体的な数値等は、理解を容易とするための例示にすぎず、特に断る場合を除き、本開示を限定するものではない。なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本開示に直接関係のない要素は図示を省略する。
[流動層装置100]
図1は、本実施形態にかかる流動層装置100を説明する図である。なお、図1中、実線の矢印は、固体原料R、流動媒体F、防止剤A等の固形物の流れを示す。また、図1中、破線の矢印は、燃焼排ガスEX、ガス化ガスGG、流動化ガスRG等の気体の流れを示す。
図1に示すように、流動層装置100は、燃焼炉110と、第1配管112と、サイクロン120と、接続流路130と、熱交換器140と、脱塵装置142と、原料供給部150と、防止剤供給部160とを含む。
本実施形態において、流動層装置100は、循環流動層式ガス化システムであり、燃焼炉110、第1配管112、サイクロン120、接続流路130に、流動媒体Fを熱媒体として循環させている。
流動媒体Fは、第1の粒径分布で表される粒径を有する。第1の粒径分布は、最頻値が、例えば、400μm以上700μm以下の範囲内の値となる分布である。流動媒体Fは、珪砂で構成される。なお、流動媒体Fは、珪砂に加えて、ドロマイトおよびカンラン石のうちのいずれか一方または両方を含んでもよい。
燃焼炉110は、筒形状である。燃焼炉110の上部には、第1配管112が接続される。燃焼炉110の下部には、後述する接続流路130の第5配管232が接続される。燃焼炉110には、第5配管232を通じて、後述する接続流路130のガス化炉220から未燃チャーCおよび流動媒体Fが導入される。燃焼炉110は、未燃チャーC(燃料)を空気で燃焼させて、流動媒体Fを900℃以上1000℃以下に加熱する。なお、熱量が不足する場合、燃焼炉110には、外部燃料または熱ガス等が補給される。
第1配管112は、燃焼炉110の上部と、後述するサイクロン120とを接続する。燃焼炉110において加熱された流動媒体Fおよび燃焼排ガスEXは、第1配管112を通じて、サイクロン120に送出される。
サイクロン120は、本体122と、入口124と、上部出口126と、下部出口128とを含む。本体122は、筒形状である。本体122の少なくとも一部は、例えば、鉛直下方に向かうに従って径が漸減する円錐形状である。入口124は、本体122の側面に形成される。入口124には、第1配管112を介して、燃焼炉110が接続される。
上部出口126は、本体122における入口124の上方に設けられる。本実施形態において上部出口126は、本体122の上面に形成される。下部出口128は、本体122における入口124の下方に設けられる。本実施形態において下部出口128は、本体122の底面に形成される。
サイクロン120は、入口124を通じて、燃焼炉110から供給された固気混合物を固気分離する。サイクロン120は、固気混合物を、分離閾値以上の粒径を有する固形物と、分離閾値未満の粒径を有する固形物および燃焼排ガスEXとに分離する。分離閾値は、上記第1の粒径分布の最頻値(400μm以上700μm以下)未満の値である。分離閾値は、例えば、150μmである。
詳しくは後述するが、固気混合物には、流動媒体F、防止剤A、ケイ酸塩S、および、燃焼排ガスEXが含まれる。そして、分離閾値以上の粒径を有する固形物には、流動媒体F、防止剤A、および、ケイ酸塩Sが含まれる。また、分離閾値未満の粒径を有する固形物には、ケイ酸塩Sが含まれる。
したがって、サイクロン120によって分離された燃焼排ガスEXおよびケイ酸塩Sは、上部出口126を通じて熱交換器140に送出される。つまり、サイクロン120によって、ケイ酸塩Sは、燃焼排ガスEXとともに、流動媒体Fの循環経路から取り除かれる。そして、燃焼排ガスEXおよびケイ酸塩Sは、熱交換器140によって熱交換される。熱交換器140は、例えば、ボイラである。そして、熱交換器140によって熱交換された、燃焼排ガスEXおよびケイ酸塩Sは、脱塵装置142によって燃焼排ガスEXと、ケイ酸塩Sとに分離される。
一方、サイクロン120によって分離された高温の流動媒体F、防止剤A、および、ケイ酸塩Sは、接続流路130を通じて、燃焼炉110に導入される。接続流路130は、サイクロン120の下部出口128と燃焼炉110の下部とを接続する。
本実施形態において、接続流路130は、第2配管202と、第1シールポット210と、第3配管212と、ガス化炉220と、第4配管222と、第2シールポット230と、第5配管232とを含む。
第2配管202は、サイクロン120の下部出口128と第1シールポット210とを接続する。
第1シールポット210(ループシール)は、第2配管202を通じてサイクロン120から導入された流動媒体Fを流動化し、流動層を形成する。
図2は、第1シールポット210を説明する図である。第1シールポット210は、収容槽210aと、風箱210bと、ブロワ210cとを含む。
収容槽210aは、サイクロン120から導入された流動媒体Fを収容する。収容槽210aの天井には、入口210dが形成されている。入口210dには、第2配管202が接続される。また、収容槽210aの側面には、出口210eが形成されている。出口210eには、第3配管212が接続される。また、本実施形態において、収容槽210aの底面は、複数の孔が形成された分散板で構成される。
収容槽210a内には、天井から鉛直下方に延在した仕切板210fが設けられている。仕切板210fは、収容槽210a内を、領域210gと領域210hとに区画する。領域210gは、入口210dが形成される領域である。領域210hは、出口210eが形成される領域である。また、仕切板210fの先端は、出口210eの下端より鉛直下方まで延在している。仕切板210fを備える構成により、サイクロン120からガス化炉220への燃焼排ガスEXの流入およびガス化炉220からサイクロン120へのガス化ガスGGの流入を防止することができる。
風箱210bは、収容槽210aの下方に設けられる。ブロワ210cは、風箱210bに流動化ガスRGを導入する。流動化ガスRGは、例えば、水蒸気および窒素のうちのいずれか一方または両方である。風箱210bに導入された流動化ガスRGは、収容槽210aの底面(分散板)から当該収容槽210a内に導入される。
ブロワ210cの吐出側は、風箱210bに接続される。ブロワ210cは、収容槽210a内に流動媒体Fの流動層を形成可能な流速で、流動化ガスRGを風箱210bに導入する。したがって、第2配管202を通じてサイクロン120から導入された高温の流動媒体Fは、流動化ガスRGによって流動化し、収容槽210a内において流動層(例えば、気泡流動層)が形成される。
そして、サイクロン120からのさらなる流動媒体Fの導入に伴って、流動層の鉛直方向の位置が高くなると、流動媒体Fは、出口210eの下端をオーバーフローし、第3配管212を通じてガス化炉220へ導入される。
図1に戻って説明すると、ガス化炉220は、例えば、気泡流動層ガス化炉である。ガス化炉220は、サイクロン120から導入された高温の流動媒体Fを、流動化ガスRGによって流動化する。流動化ガスRGは、水蒸気および窒素のうちのいずれか一方または両方である。以下、流動化ガスRGが水蒸気である場合を例に挙げる。
本実施形態において、ガス化炉220は、ガス化槽220aと、流動化ガス導入部220bとを含む。ガス化槽220aは、流動媒体Fおよび固体原料Rを収容する。本実施形態において、ガス化槽220aの底面は、複数の孔が形成された分散板で構成される。
流動化ガス導入部220bは、ガス化槽220aに水蒸気を導入する。流動化ガス導入部220bは、風箱220cと、ブロワ220dとを含む。風箱220cは、ガス化槽220aの下方に設けられる。ブロワ220dは、風箱220cに水蒸気を導入する。風箱220cに導入された水蒸気は、ガス化槽220aの底面(分散板)から当該ガス化槽220a内に導入される。ブロワ220dの吐出側は、風箱220cに接続される。ブロワ220dは、ガス化槽220a内に流動媒体Fの流動層を形成可能な流速で、水蒸気を風箱220cに導入する。したがって、サイクロン120から導入された高温の流動媒体Fは、水蒸気によって流動化し、ガス化槽220a内において流動層(例えば、気泡流動層)が形成される。
原料供給部150は、固体原料Rをガス化槽220aに供給する。固体原料Rは、例えば、バイオマスである。バイオマスは、木質系バイオマス、草本系バイオマスおよび、廃棄物系バイオマスのうちのいずれか1または複数である。木質系バイオマスは、例えば、木材チップ、おがくず、樹皮等である。また、草本系バイオマスは、例えば、麦わら、稲わら等である。廃棄物系バイオマスは、例えば、パーム椰子からパーム油を生産した結果生じる空果房(EFB:Empty Fruit Bunch)、パーム椰子殻(PKS:Palm Kernel Shell)等である。また、固体原料Rは、バイオマスに加えて石炭を含んでもよい。石炭は、無煙炭、半無煙炭、瀝青炭、亜瀝青炭、および、褐炭のうちのいずれか1または複数である。
ガス化炉220は、流動層(流動媒体F)が有する700℃以上900℃以下の熱、および、水蒸気で、原料供給部150によって供給された固体原料Rをガス化(水蒸気ガス化)させて、ガス化ガスGGを生成する。ガス化炉220で生成されたガス化ガスGGは、後段の精製装置に導入される。精製装置は、ガス化ガスGGを精製する。
ガス化炉220において流動化された流動媒体Fは、第4配管222を通じて第2シールポット230に導入される。第4配管222は、ガス化槽220aと第2シールポット230とを接続する。
第2シールポット230(ループシール)は、第4配管222を通じてガス化炉220から導入された流動媒体Fを流動化し、流動層を形成する。第2シールポット230は、ガス化炉220から燃焼炉110へのガス化ガスGGの流入および燃焼炉110からガス化炉220への燃焼排ガスEXの流入を防止する。第2シールポット230の構成は、上記第1シールポット210と実質的に等しいため、ここでは、詳細な説明を省略する。第2シールポット230からオーバーフローした流動媒体Fは、第5配管232を通じて燃焼炉110に戻される。
このように、本実施形態にかかる流動層装置100において、流動媒体Fは、燃焼炉110、第1配管112、サイクロン120、第2配管202、第1シールポット210、第3配管212、ガス化炉220、第4配管222、第2シールポット230、第5配管232を、この順に移動し、再度燃焼炉110に導入されることにより、これらを循環することとなる。
なお、燃焼炉110には、第5配管232を通じて、ガス化炉220において固体原料Rがガス化した後に残留した原料の残渣(未燃チャーC)が導入される。したがって、ガス化炉220から燃焼炉110に導入される未燃チャーCが、燃焼炉110において燃料として利用される。
上記したように、流動媒体Fは、燃焼炉110で900℃以上1000℃以下に加熱され、ガス化炉220で700℃以上900℃以下の流動媒体Fの流動層が形成される。そして、ガス化炉220に固体原料Rが投入されて、ガス化ガスGGが生成される。
ここで、固体原料Rにアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)が含まれていると、燃焼炉110およびガス化炉220において、流動媒体Fを構成する珪砂に含まれるシリカ(SiO)とアルカリ金属とが反応して、複合酸化物が生成される。アルカリ金属は、バイオマスに含まれる。
図3は、流動媒体Fの温度と複合酸化物の発生率とを説明する図である。図3中、横軸は、流動媒体Fの温度[℃]を示す。図3中、縦軸は、複合酸化物の発生率[%]を示す。また、図3中、四角は、固体原料Rが褐炭である場合を示す。図3中、丸は、固体原料Rが木質系バイオマスである場合を示す。図3中、三角は、固体原料RがEFBである場合を示す。なお、図3では、流動媒体Fと固体原料Rとが1:1で混合された場合を示す。
褐炭には、例えば、酸化カリウム(KO)が1質量%程度含まれ、酸化ナトリウム(NaO)が1質量%程度含まれる。図3に示すように、固体原料Rが褐炭である場合、600℃以上700以下の範囲において、複合酸化物の発生率は0%である。また、700℃超1100℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率が漸増する。800℃における複合酸化物の発生率は、15%程度である。900℃における複合酸化物の発生率は、50%程度である。1000℃における複合酸化物の発生率は、75%程度である。1100℃における複合酸化物の発生率は、80%程度である。1100℃超1200℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率は、80%程度に維持される。
したがって、褐炭をガス化炉220でガス化する場合には、ガス化炉220の温度範囲である700℃以上900℃以下において、複合酸化物の発生率を0%以上50%以下の範囲に抑えることができる。
一方、木質系バイオマスには、例えば、酸化カリウムが15質量%程度含まれ、酸化ナトリウムが、5質量%程度含まれる。図3に示すように、固体原料Rが木質系バイオマスである場合、600℃以上1000℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率が漸増する。また、600℃における複合酸化物の発生率は、0%である。700℃における複合酸化物の発生率は、15%程度である。800℃における複合酸化物の発生率は、30%程度である。900℃における複合酸化物の発生率は、50%程度である。1000℃における複合酸化物の発生率は、60%程度である。1000℃超1200℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率は、60%程度に維持される。
したがって、木質系バイオマスをガス化炉220でガス化する場合には、ガス化炉220の温度範囲である700℃以上900℃以下において、複合酸化物の発生率が15%以上50%以下となってしまう。
また、EFBには、例えば、酸化カリウムが20質量%程度含まれ、酸化ナトリウムが1質量%程度含まれる。図3に示すように、固体原料RがEFBである場合、600℃以上1000℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率が漸増する。また、600℃における複合酸化物の発生率は、10%程度である。700℃における複合酸化物の発生率は、25%程度である。800℃における複合酸化物の発生率は、40%程度である。900℃における複合酸化物の発生率は、60%程度である。1000℃における複合酸化物の発生率は、80%程度である。1000℃超1200℃以下の範囲において、複合酸化物の発生率は、80%程度に維持される。
したがって、EFBをガス化炉220でガス化する場合には、ガス化炉220の温度範囲である700℃以上900℃以下において、複合酸化物の発生率が25%以上60%以下となってしまう。
このように、木質系バイオマス、EFBといったバイオマスをガス化炉220においてガス化する場合、褐炭とは異なり、700℃以上800℃以下の範囲において複合酸化物が発生する。つまり、バイオマスをガス化する場合、褐炭をガス化する場合よりも低温で複合酸化物が生成される。
複合酸化物は、700℃程度で溶融する。したがって、ガス化炉220において、流動媒体Fは、溶融した複合酸化物によって被覆されることになる。
図4は、複合酸化物が生じた際の流動媒体FのSEM(走査電子顕微鏡)画像を示す図である。図4に示すように、流動媒体Fは、複合酸化物によって被覆されていることが確認できる。
したがって、ガス化炉220、燃焼炉110等において、流動媒体Fの表面に付着した複合酸化物により、流動媒体F同士が凝集してしまう。流動媒体Fが凝集すると、流動媒体Fが流動不良を起こし、第1シールポット210、ガス化炉220、第2シールポット230において流動層が形成されなくなったり、第2配管202、第1シールポット210、第3配管212、ガス化炉220、第4配管222、第2シールポット230、第5配管232が凝集した流動媒体Fで閉塞されたりするおそれがある。
そこで、本実施形態に係る流動層装置100は、防止剤供給部160を備える。図1に戻って説明すると、防止剤供給部160は、防止剤Aを第2シールポット230に供給する。なお、本実施形態において、防止剤供給部160は、第2シールポット230のうち、第4配管222が接続される入口を含む領域に防止剤Aを供給する。防止剤供給部160は、例えば、スクリューフィーダ、または、水素パージ機構で構成される。
また、防止剤供給部160は、原料供給部150によって供給される固体原料Rに含まれるアルカリ金属の含有量の5倍以上10倍以下の重量の防止剤Aを供給する。なお、固体原料Rに含まれるアルカリ金属の含有量は、予め測定される。
防止剤Aは、カルシウムおよびアルミニウムのうちのいずれか一方または両方を含む。防止剤Aは、例えば、石灰石、消石灰、ドロマイト、カンラン石、ボーキサイト等の鉱物である。防止剤Aとして鉱物を採用することにより、防止剤Aに要するコストを低減することができる。
防止剤Aは、アルカリ金属および珪砂と反応する。その結果、ケイ酸塩Sが生成される。例えば、防止剤Aがカルシウムを含む場合、下記式(1)に示す反応が進行する。そして、ケイ酸カルシウムカリウム(K1-nCaSiO)が生成される。また、防止剤Aがアルミニウムを含む場合、下記式(2)に示す反応が進行する。そして、ケイ酸アルミニウムカリウム(K1-2n/3Al2n/3SiO)が生成される。
4K+CaO+3SiO+O → KCaSi …式(1)
2K+Al+4SiO+1/2O → KAlSi12 …式(2)
したがって、防止剤Aが、固体原料Rから生じた灰分に含まれるアルカリ金属を取り込んで、ケイ酸塩Sが生成されることにより、複合酸化物の生成を抑制することができる。また、防止剤Aが、複合酸化物に含まれるアルカリ金属を取り込んで、ケイ酸塩Sが生成されることにより、複合酸化物を低減することが可能となる。
ケイ酸カルシウムカリウム、ケイ酸アルミニウムカリウム等のケイ酸塩Sの融点は、ケイ酸カリウムの融点(1100℃以下)よりも高い。ケイ酸塩Sの融点は、例えば、1400℃以上である。したがって、防止剤供給部160が防止剤Aを供給することにより、複合酸化物の生成を抑制し、また、複合酸化物を低減して、流動媒体Fの凝集を抑制することが可能となる。
また、防止剤供給部160は、流動媒体Fの流動層が形成される第2シールポット230に防止剤Aを供給する。つまり、流動媒体Fの流動層に防止剤Aが供給されることになる。したがって、防止剤Aと流動媒体Fとを効率よく混合することが可能となる。これにより、流動媒体Fの表面に付着した複合酸化物や固体原料Rから生じた灰分に含まれるアルカリ金属と、防止剤Aとの接触頻度を増加させることができ、アルカリ金属を効率よくケイ酸塩Sに変換することが可能となる。
また、防止剤Aは、第2シールポット230において、流動媒体Fと混合される。これにより、防止剤Aは、流動媒体Fと衝突することになる。そうすると、防止剤Aの少なくとも一部は、砕けて粒径が小さくなる。このため、防止剤供給部160は、防止剤Aの少なくとも一部が、燃焼炉110において上記分離閾値未満となる粒径の防止剤Aを供給する。
これにより、砕けて粒径が小さくなった防止剤Aと反応することで生成されるケイ酸塩Sの少なくとも一部を、サイクロン120によって流動媒体Fから分離することができる。したがって、ケイ酸塩Sを、燃焼排ガスEXに随伴させて、上部出口126から外部に廃棄することが可能となる。つまり、固体原料Rに含まれるアルカリ金属は、防止剤Aによってケイ酸塩となり、サイクロン120によって、流動媒体Fの循環経路から外部に廃棄される。
具体的に説明すると、第2シールポット230(接続流路130)において、防止剤Aは、第2の粒径分布で表される粒径を有する。図5は、流動媒体Fおよび防止剤Aの粒径分布を説明する図である。図5中、横軸は、粒径[μm]を示す。図5中、縦軸は、体積基準頻度[%]を示す。また、図5中、破線および一点鎖線は、流動媒体Fの粒径分布、つまり、第1の粒径分布を示す。図5中、実線は、防止剤Aの粒径分布、つまり、第2の粒径分布を示す。
図5に示すように、第1の粒径分布は、最頻値が、400μm以上700μm以下の範囲内の値となる分布である。例えば、破線で示す第1の粒径分布の最頻値は、430μm程度である。また、一点鎖線で示す第1の粒径分布の最頻値は、650μmm程度である。また、実線で示す第2の粒径分布の最頻値は、190μm程度である。つまり、第2の粒径分布の最頻値は、第1の粒径分布の最頻値の29%以上50%以下である。
したがって、サイクロン120において、ケイ酸塩S(防止剤A)と流動媒体Fとを効率よく分離することができる。
また、アルカリ金属との反応性を向上させるために、防止剤Aの比表面積は、大きい方が好ましい。つまり、防止剤Aの粒径は小さい方が好ましい。しかし、防止剤Aの粒径が小さすぎると、第2シールポット230において飛散してしまい、流動媒体Fと混合されなくなってしまう。
このため、防止剤供給部160は、20μm以上の防止剤Aを供給する。これにより、第2シールポット230において防止剤Aが飛散してしまう事態を回避することができ、防止剤Aと流動媒体Fとを混合することが可能となる。これにより、流動媒体Fの表面に付着した複合酸化物や固体原料Rから生じた灰分に含まれるアルカリ金属と、防止剤Aとの接触頻度を増加させることができ、アルカリ金属を効率よくケイ酸塩Sに変換することが可能となる。
また、防止剤Aの粒径が大きすぎると、第2シールポット230において流動化されなくなってしまう。そこで、防止剤供給部160は、1000μm以下の防止剤Aを供給する。これにより、第2シールポット230において、防止剤Aを流動化させることができる。したがって、分離閾値以上の粒径を有する防止剤Aを、第2シールポット230、第5配管232、燃焼炉110、第1配管112、サイクロン120、第2配管202、第1シールポット210、第3配管212、ガス化炉220に循環させることができる。このため、循環過程において、流動媒体Fおよび灰分と、防止剤Aとを接触させることができ、アルカリ金属を効率よくケイ酸塩Sに変換することが可能となる。
なお、分離閾値以上の防止剤Aであっても、流動媒体Fと衝突することにより、破砕され、粒径が小さくなる。このため、最終的に、防止剤Aは、サイクロン120によって分離され、燃焼排ガスEXとともに外部に廃棄されることになる。
以上説明したように、本実施形態に係る流動層装置100は、防止剤供給部160を備える。これにより、流動層装置100は、硫黄化合物の発生を回避して、流動媒体Fの凝集を抑制することが可能となる。
以上、添付図面を参照しながら実施形態について説明したが、本開示は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、上述した実施形態において、防止剤供給部160は、第2シールポット230のうち、第4配管222が接続される入口を含む領域に防止剤Aを供給する場合を例に挙げた。これにより、第2シールポット230における防止剤Aの滞留時間を長くすることができ、配分および流動媒体Fと、防止剤Aとの接触時間を長くすることが可能となる。しかし、防止剤供給部160は、第2シールポット230のうち、第5配管232が接続される出口を含む領域に防止剤Aを供給してもよい。この場合、防止剤供給部160は、スクリューフィーダ等のマテリアルシール、または、水素パージ機構を省略することができる。
また、上記実施形態において、防止剤供給部160が第2シールポット230に防止剤Aを供給する場合を例に挙げた。しかし、防止剤供給部160は、第1シールポット210およびガス化炉220のうちのいずれか一方または両方に防止剤Aを供給してもよい。この場合であっても、流動媒体Fの流動層に防止剤Aを供給することができる。したがって、防止剤Aと流動媒体Fとを効率よく混合することが可能となる。これにより、流動媒体Fの表面に付着した複合酸化物や固体原料Rから生じた灰分に含まれるアルカリ金属と、防止剤Aとの接触頻度を増加させることができ、アルカリ金属を効率よくケイ酸塩Sに変換することが可能となる。
また、上記実施形態において、接続流路130がガス化炉220を備える場合を例に挙げた。しかし、ガス化炉220は、必須の構成ではない。流動層装置がガス化炉220を備えない場合、防止剤供給部160は、接続流路130に防止剤Aを供給する。これにより、硫黄化合物の発生を回避して、流動媒体Fの凝集を抑制することが可能となる。
また、上記実施形態において、防止剤Aが、鉱物である場合を例に挙げた。しかし、防止剤Aは、カルシウムおよびアルミニウムのうちのいずれか一方または両方を少なくとも含んでいれば、鉱物でなくてもよい。
本開示は、例えば、持続可能な開発目標(SDGs)の目標7「手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」、目標13「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」および目標15「森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」に貢献することができる。
100 流動層装置
110 燃焼炉
120 サイクロン
124 入口
126 上部出口
128 下部出口
130 接続流路
150 原料供給部
160 防止剤供給部
210 第1シールポット(シールポット)
220 ガス化炉
230 第2シールポット(シールポット)

Claims (5)

  1. 第1の粒径分布で表される粒径を有する流動媒体を加熱する燃焼炉と、
    前記燃焼炉から供給された固気混合物を、前記第1の粒径分布の最頻値未満の分離閾値以上の粒径を有する固形物と、前記分離閾値未満の粒径を有する固形物および燃焼排ガスとに分離するサイクロンと、
    前記サイクロンと前記燃焼炉とを接続する接続流路と、
    前記燃焼炉または前記接続流路に固体原料を供給する原料供給部と、
    カルシウムおよびアルミニウムのうちのいずれか一方または両方を含み、少なくとも一部が前記燃焼炉において前記分離閾値未満の粒径となる防止剤を、前記接続流路に供給する防止剤供給部と、
    を備える、流動層装置。
  2. 前記接続流路において、前記防止剤は、第2の粒径分布で表される粒径を有し、
    前記第2の粒径分布の最頻値は、前記第1の粒径分布の最頻値の29%以上50%以下である、請求項1に記載の流動層装置。
  3. 前記防止剤供給部は、20μm以上1mm以下の前記防止剤を供給する、請求項1または2に記載の流動層装置。
  4. 前記接続流路は、前記流動媒体の流動層が形成されるシールポットを有し、
    前記防止剤供給部は、前記シールポットに前記防止剤を供給する、請求項1から3のいずれか1項に記載の流動層装置。
  5. 前記接続流路は、ガス化炉を有し、
    前記シールポットは、前記ガス化炉と前記燃焼炉との間に設けられ、
    前記原料供給部は、前記ガス化炉に前記固体原料を供給する、請求項4に記載の流動層装置。
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