JP2018079127A - マイクロニードル - Google Patents
マイクロニードル Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018079127A JP2018079127A JP2016223770A JP2016223770A JP2018079127A JP 2018079127 A JP2018079127 A JP 2018079127A JP 2016223770 A JP2016223770 A JP 2016223770A JP 2016223770 A JP2016223770 A JP 2016223770A JP 2018079127 A JP2018079127 A JP 2018079127A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microneedle
- tip
- base
- skin
- mold
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Classifications
-
- A—HUMAN NECESSITIES
- A61—MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
- A61M—DEVICES FOR INTRODUCING MEDIA INTO, OR ONTO, THE BODY; DEVICES FOR TRANSDUCING BODY MEDIA OR FOR TAKING MEDIA FROM THE BODY; DEVICES FOR PRODUCING OR ENDING SLEEP OR STUPOR
- A61M37/00—Other apparatus for introducing media into the body; Percutany, i.e. introducing medicines into the body by diffusion through the skin
Landscapes
- Health & Medical Sciences (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Dermatology (AREA)
- Medical Informatics (AREA)
- Anesthesiology (AREA)
- Biomedical Technology (AREA)
- Heart & Thoracic Surgery (AREA)
- Hematology (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Animal Behavior & Ethology (AREA)
- General Health & Medical Sciences (AREA)
- Public Health (AREA)
- Veterinary Medicine (AREA)
- Media Introduction/Drainage Providing Device (AREA)
Abstract
【課題】 皮膚に穿刺した際に先端が確実に表皮を貫通して真皮に到達し、真皮或いはそれよりも深い領域に薬品等を供給することが出来て、且つ、当該薬品等を真皮或いはそれよりも深い領域に残存させることが出来るマイクロニードルの提供。
【解決手段】 本発明のマイクロニードル(10、110)は、先端が鋭利な円錐形或いは角錐形の先端部(2、102)と円錐台形或いは角錐台形の基台(1)を有し、先端部(2、102)の基台側端部と基台(1)の先端部側端部の境界に段部(S1、S2)が形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】 本発明のマイクロニードル(10、110)は、先端が鋭利な円錐形或いは角錐形の先端部(2、102)と円錐台形或いは角錐台形の基台(1)を有し、先端部(2、102)の基台側端部と基台(1)の先端部側端部の境界に段部(S1、S2)が形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明はマイクロニードルに関する。
マイクロニードルは、皮膚表層に簡単且つ確実に薬品、美容品、その他の皮膚の活性に寄与する物質(以下、「薬品等」と記載する)を供給する技術として、近年、急速に普及している。
ここで、マイクロニードルにより薬品等を供給して皮膚、特に表皮を活性化するためには、マイクロニードルを皮膚に穿刺する際に、その先端が確実に表皮を貫通して真皮に到達し、真皮に薬品等が供給される必要がある。
ここで、マイクロニードルにより薬品等を供給して皮膚、特に表皮を活性化するためには、マイクロニードルを皮膚に穿刺する際に、その先端が確実に表皮を貫通して真皮に到達し、真皮に薬品等が供給される必要がある。
しかし、図10で示すように、符号P1で示す従来のマイクロニードルは、その先端から例えば60μm程度(領域A)しか皮膚には穿刺させない。それよりも真皮T側の領域B(図10では下方の領域:表面Suから離隔した領域)については、マイクロニードルP1により皮膚の組織を押し潰しているのみであり、マイクロニードルP1の先端は皮膚内に浸入してはいない。そのため、従来のマイクロニードルP1では表皮Uにおける角質層Uh(すなわち角質層Uhは表皮Uの一部を構成する)の一部に薬品等を供給するのみであり、真皮Tに薬品等を供給して活性化することは出来なかった。
そのため、所望のレベルまで皮膚を活性化することが困難であった。
そのため、所望のレベルまで皮膚を活性化することが困難であった。
また、従来のマイクロニードルでは、穿刺した後、引き抜く際にマイクロニードルが皮膚から抜け出してしまい、薬品が皮膚内に残存しない恐れがあった。皮膚を活性化するためには、マイクロニードルを皮膚から引き抜く際に、その一部が皮膚内に残存することが望ましいが、従来のマイクロニードルでは、穿刺後にその一部を皮膚に残留させることは困難であった。
その他の従来技術として、鋭利な円錐台形の先端部を有するマイクロニードルが従来技術として存在するが(特許文献1参照)、その先端が角質層を通過したとしても、上述したのと同様な理由から、表皮を貫通することは困難である。それに加えて、マイクロニードルを構成する薬品を効率的に皮膚内に残存させることは出来ない。
その他の従来技術として、鋭利な円錐台形の先端部を有するマイクロニードルが従来技術として存在するが(特許文献1参照)、その先端が角質層を通過したとしても、上述したのと同様な理由から、表皮を貫通することは困難である。それに加えて、マイクロニードルを構成する薬品を効率的に皮膚内に残存させることは出来ない。
本発明は上述した従来技術の問題点に鑑みて提案されたものであり、皮膚に穿刺した際に先端が確実に表皮を貫通して真皮に到達し、真皮或いはそれよりも深い領域(皮膚表面から離隔した領域)に薬品等を供給することが出来て、且つ、当該薬品等を真皮或いはそれよりも深い領域に残存させることが出来るマイクロニードルの提供を目的としている。
本発明のマイクロニードル(10、110)は、先端が鋭利な円錐形或いは角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)の先端部(2、102)と円錐台形或いは角錐台形(三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の多角錐台形)の基台(1)を有し、先端部(2、102)の基台側端部と基台(1)の先端部側端部の境界に段部(S1、S2)が形成されていることを特徴としている。
ここで、先端部(2、102)の先端角度(θ1)及び基台(1)の先端側端部の角度(θ2)は、共に14°未満であることが好ましい。
本発明において、マイクロニードル(10、110)は薬剤等、例えば、ヒアルロン酸(低分子ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸に該当しないヒアルロン酸も含む)、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他の皮膚に活性を与えることが出来る材料(マイクロニードル製造用の材料)、インシュリンで構成されているのが好ましい。そして、当該材料は、液状で有り且つ固化可能な材料であるのが好ましい。
さらに、マイクロニードル製造用の材料としての薬剤等は、抗癌剤、育毛剤、聴力障害治療用の薬剤、アレルギー(例えば「花粉症」)治療用の薬剤、蓄膿症治療用の薬剤、アルツハイマー症その他の認知症用の薬剤、脳疾患用の薬剤、口頭炎治療用の薬剤、歯周病用の薬剤、歯槽骨再生用の薬剤、口腔免疫工場用の薬剤、日焼け防止及び日焼けによる炎症治療用の薬剤、乾癬治療用の薬剤、アトピー性皮膚炎治療用の薬剤、じょく瘡(床ずれ)治療用の薬剤、その他の各種皮膚疾患治療用の薬剤、妊娠線の除去のための皮膚の再生用薬剤、創傷その他の外科手術後の皮膚の再生用薬剤、白癬菌による疾病治療用の薬剤、穿刺増大及びED防止用の薬剤等、その他の各種薬剤(例えば漢方薬)を広く包含する。それに加えて、マイクロニードル製造用の材料としての薬剤等は、人間用の薬剤のみならず、犬、猫、家畜等の動物用の薬剤をも包含する趣旨である。
本発明のマイクロニードル(10、110)は内部に空間を有していない(いわゆる「中実」である)。ただし、内部に空間を有する(いわゆる「中空」)にすることも可能である。
ここで、先端部(2、102)の先端角度(θ1)及び基台(1)の先端側端部の角度(θ2)は、共に14°未満であることが好ましい。
本発明において、マイクロニードル(10、110)は薬剤等、例えば、ヒアルロン酸(低分子ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸に該当しないヒアルロン酸も含む)、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他の皮膚に活性を与えることが出来る材料(マイクロニードル製造用の材料)、インシュリンで構成されているのが好ましい。そして、当該材料は、液状で有り且つ固化可能な材料であるのが好ましい。
さらに、マイクロニードル製造用の材料としての薬剤等は、抗癌剤、育毛剤、聴力障害治療用の薬剤、アレルギー(例えば「花粉症」)治療用の薬剤、蓄膿症治療用の薬剤、アルツハイマー症その他の認知症用の薬剤、脳疾患用の薬剤、口頭炎治療用の薬剤、歯周病用の薬剤、歯槽骨再生用の薬剤、口腔免疫工場用の薬剤、日焼け防止及び日焼けによる炎症治療用の薬剤、乾癬治療用の薬剤、アトピー性皮膚炎治療用の薬剤、じょく瘡(床ずれ)治療用の薬剤、その他の各種皮膚疾患治療用の薬剤、妊娠線の除去のための皮膚の再生用薬剤、創傷その他の外科手術後の皮膚の再生用薬剤、白癬菌による疾病治療用の薬剤、穿刺増大及びED防止用の薬剤等、その他の各種薬剤(例えば漢方薬)を広く包含する。それに加えて、マイクロニードル製造用の材料としての薬剤等は、人間用の薬剤のみならず、犬、猫、家畜等の動物用の薬剤をも包含する趣旨である。
本発明のマイクロニードル(10、110)は内部に空間を有していない(いわゆる「中実」である)。ただし、内部に空間を有する(いわゆる「中空」)にすることも可能である。
本発明のマイクロニードル(110)において、前記先端部(102)の基台側端部には半径方向外方から内方に向けて先端方向側に傾斜するテーパーが形成され、先端部(102)の断面形状が矢じり型に形成されているのが好ましい。
本発明のマイクロニードル(10)の製造方法は、予め円錐形或いは角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)のマイクロニードル(10A)を製造する製造工程と、
円錐形或いは角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)の凹部(20A)を(例えば複数)有する型(20)(の凹部20A)にマイクロニードル製造用の液状材料(上述した薬剤等)を充填する材料充填工程と、
(例えば、いわゆる「スキジ」により)充填された液状材料の一部を取り除く一部除去工程と、
型(20)の凹部(20A)内に残存した材料に予め製造されたマイクロニードル(10A)の先端を挿入し(差し込み)、その状態で保持する先端挿入工程と、
型(20)の凹部(20A)内に残存した材料が固化したならばマイクロニードル(10A)を取り出す取出工程を有することを特徴としている。
円錐形或いは角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)の凹部(20A)を(例えば複数)有する型(20)(の凹部20A)にマイクロニードル製造用の液状材料(上述した薬剤等)を充填する材料充填工程と、
(例えば、いわゆる「スキジ」により)充填された液状材料の一部を取り除く一部除去工程と、
型(20)の凹部(20A)内に残存した材料に予め製造されたマイクロニードル(10A)の先端を挿入し(差し込み)、その状態で保持する先端挿入工程と、
型(20)の凹部(20A)内に残存した材料が固化したならばマイクロニードル(10A)を取り出す取出工程を有することを特徴としている。
上述の構成を具備する本発明のマイクロニードル(10、110)によれば、円錐形或いは角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)の先端部(2、102)が鋭利に(例えば先端角度θ1は14°未満に)形成されているので、当該鋭利な先端部(2、102)により皮膚組織を切開することが出来る。そして、先端部(2、102)が皮膚組織を切開することにより、基台(1)も皮膚組織に容易に侵入することが出来る。
そのため、マイクロニードル(10、110)が例えば真皮(T)まで侵入して、マイクロニードル(10、110)を形成している材料である薬品等が(例えば真皮Tに)供給され、皮膚が活性化する。
そのため、マイクロニードル(10、110)が例えば真皮(T)まで侵入して、マイクロニードル(10、110)を形成している材料である薬品等が(例えば真皮Tに)供給され、皮膚が活性化する。
そして、マイクロニードル(10、110)の先端部(2、102)が例えば真皮(T)に到達した後、マイクロニードル(10、110)を皮膚から引き抜こうとすれば、先端部(2、102)の基台側端部と基台(1)の先端部側端部の境界部分に形成された段部(S1、S2)が皮膚組織と係合するので、マイクロニードル引き抜きの抵抗となる。そして、マイクロニードル(10、110)を引き抜こうとする力により、段部(S1、S2)に応力集中が生じ、先端部(2、102)と基台(1)が分割される。そのため、マイクロニードル(10、110)の基台(1)のみ皮膚組織外に引き抜かれ、先端部(2、102)は(例えば真皮Tに到達した状態で)皮膚内に残存する。
ここで、先端部(2、102)も薬品等で形成されているため、先端部(2、102)が皮膚に残存することで薬品等が継続して皮膚組織に供給されることになり、薬効が長期間に亘って継続して発揮される。
ここで、先端部(2、102)も薬品等で形成されているため、先端部(2、102)が皮膚に残存することで薬品等が継続して皮膚組織に供給されることになり、薬効が長期間に亘って継続して発揮される。
本発明において、前記先端部(102)の基台側端部に半径方向外方から内方に向けて先端方向側に傾斜するテーパーを形成し、先端部(102)の断面形状を矢じり型に形成すれば、マイクロニードル(110)が皮膚内に侵入した後に引き抜く際に、当該矢じり型の先端部(102)の基台側端部(矢じりの後端)の突出した部分が皮膚組織に突き刺さり、皮膚からより一層抜け難くなる。
そのためマイクロニードル(110)の先端部(102)は確実に皮膚内に残存し、薬効が長期間に亘って継続して発揮されるという効果がさらに良好に発揮される。
そのためマイクロニードル(110)の先端部(102)は確実に皮膚内に残存し、薬効が長期間に亘って継続して発揮されるという効果がさらに良好に発揮される。
上述した本発明のマイクロニードル(10)は、先端部(2)の基台側端部と基台(1)の先端部側端部の境界に段部(S1)が形成されているため、本発明のマイクロニードル(10)と相補形状の凹部を型内に形成し、当該凹部に液体材料を充填して固化しても、前記段部(S1)が抵抗となり、固化したマイクロニードル(10)を凹部から引き抜くことが出来ない。
それに対して本発明の製造方法によれば、型(20)(の凹部20A)にマイクロニードル製造用の液状材料(上述した薬剤等)を充填してから、(例えば、いわゆる「スキジ」により)充填された液状材料の一部を取り除き、型(20)の凹部(20A)内に残存した材料に予め製造されたマイクロニードル(10A)の先端を挿入し(差し込み)、その状態で保持するので、当該残存した材料が固化した後、予め製造された円錐形或いは角錐形のマイクロニードル(10A)を取り出すことにより、先端部(2)と基台(1)の境界に段部(S1)を有するマイクロニードル(10)であっても、容易に型(20)内から抜き取ることが出来る。
それに対して本発明の製造方法によれば、型(20)(の凹部20A)にマイクロニードル製造用の液状材料(上述した薬剤等)を充填してから、(例えば、いわゆる「スキジ」により)充填された液状材料の一部を取り除き、型(20)の凹部(20A)内に残存した材料に予め製造されたマイクロニードル(10A)の先端を挿入し(差し込み)、その状態で保持するので、当該残存した材料が固化した後、予め製造された円錐形或いは角錐形のマイクロニードル(10A)を取り出すことにより、先端部(2)と基台(1)の境界に段部(S1)を有するマイクロニードル(10)であっても、容易に型(20)内から抜き取ることが出来る。
さらに、本発明のマイクロニードル(10)の製造方法によれば、多数のマイクロニードルを固定したシート状部材を容易に製造することが出来る。
そして、当該シート状部材同士を接合することにより、多数のマイクロニードルが固定された大きな面積のシートを製造し、その様な大面積のシートを適宜加工することにより、個々のユーザーの使用部位(例えば、頭髪部)の形状に適合した器具、いわゆる「オーダーメード」の器具を提供することが可能となる。
そして、当該シート状部材同士を接合することにより、多数のマイクロニードルが固定された大きな面積のシートを製造し、その様な大面積のシートを適宜加工することにより、個々のユーザーの使用部位(例えば、頭髪部)の形状に適合した器具、いわゆる「オーダーメード」の器具を提供することが可能となる。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
添付図面では図示を容易にするため縮尺は同一とはなっておらず、各部分の比率は図面毎に異なって表現されている。
最初に図1〜図3を参照して、第1実施形態に係るマイクロニードル10を説明する。
添付図面では図示を容易にするため縮尺は同一とはなっておらず、各部分の比率は図面毎に異なって表現されている。
最初に図1〜図3を参照して、第1実施形態に係るマイクロニードル10を説明する。
図1において、全体を符号10で示すマイクロニードルは、先端部2と基台1を有している。
先端部2の形状はその先端(図1で先端部2の上端側)が鋭利な円錐形であり、基台1の形状は円錐台形である。先端部2の形状が円錐形に代えて角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)であっても良い。そして基台1の形状も、円錐台形に代えて角錐台形(三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の多角錐台形)であっても良い。
基台1の高さ寸法H(図1で上下方向寸法)は、マイクロニードル10を皮膚に穿刺した際に先端部2が真皮Tに到達するのに十分な寸法として設定される。そして先端部2の高さ寸法Ht(図1で上下方向寸法)は、先端部2が真皮Tに薬品を供給するのに十分な寸法に設定される。
先端部2の形状はその先端(図1で先端部2の上端側)が鋭利な円錐形であり、基台1の形状は円錐台形である。先端部2の形状が円錐形に代えて角錐形(三角錐、四角錐、五角形以上の多角錐)であっても良い。そして基台1の形状も、円錐台形に代えて角錐台形(三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の多角錐台形)であっても良い。
基台1の高さ寸法H(図1で上下方向寸法)は、マイクロニードル10を皮膚に穿刺した際に先端部2が真皮Tに到達するのに十分な寸法として設定される。そして先端部2の高さ寸法Ht(図1で上下方向寸法)は、先端部2が真皮Tに薬品を供給するのに十分な寸法に設定される。
マイクロニードル1の先端部2の基台側端部(図1では先端部2の下端部)と、基台1の先端部側端部(図1では基台1の上端部)の境界には、段部S1(先端部2における肩部)が形成されている。図3を参照して後述するが、マイクロニードル10を皮膚に穿刺した後に引き抜く際に、段部S1(先端部2における肩部)が皮膚組織から引き抜く際の抵抗となり、段部S1で応力集中を生じて先端部2が皮膚組織中に残存する。
図1において、円錐形に形成された先端部2の先端角度θ1と、円錐台形に形成された基台1の先端側端部の角度θ2は、共に14°未満に設定されている(θ1<14°且つθ2<14°)。
先端部2の先端角度θ1、基台1の先端側端部の角度θ2が14°以上であると、マイクロニードル10を皮膚に穿刺した際に、先端部2が真皮Tへ到達し難くなるこことが、発明者により確認されている。
図1において、円錐形に形成された先端部2の先端角度θ1と、円錐台形に形成された基台1の先端側端部の角度θ2は、共に14°未満に設定されている(θ1<14°且つθ2<14°)。
先端部2の先端角度θ1、基台1の先端側端部の角度θ2が14°以上であると、マイクロニードル10を皮膚に穿刺した際に、先端部2が真皮Tへ到達し難くなるこことが、発明者により確認されている。
基台1の下側の底面部1Bは直径が急激に大きくなっている。
多数のマイクロニードル10を同一のシート(シート状部材の集合、図示せず)に取り付ける場合において、製造された個々のマイクロニードル10に接着剤を塗布したシート状部材(図示せず)に貼着して保管する場合に、底面部1Bの直径を大きくすることにより、シート状部材に底面部1Bが確実に貼着される。ここで、底面部1Bの最大直径(下端部における直径)は符号DBで示す。
但し、基台底面部1B(直径が急増している部分)を省略することも可能である。
多数のマイクロニードル10を同一のシート(シート状部材の集合、図示せず)に取り付ける場合において、製造された個々のマイクロニードル10に接着剤を塗布したシート状部材(図示せず)に貼着して保管する場合に、底面部1Bの直径を大きくすることにより、シート状部材に底面部1Bが確実に貼着される。ここで、底面部1Bの最大直径(下端部における直径)は符号DBで示す。
但し、基台底面部1B(直径が急増している部分)を省略することも可能である。
マイクロニードル10は後述する態様で製造されるが、その際に、成形用の材料としては、例えば、ヒアルロン酸(低分子ヒアルロン酸、低分子ヒアルロン酸に該当しないヒアルロン酸も含む)、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他の皮膚に活性を与えることが出来る材料であれば、選択することが出来る。
当該材料は液相であり、成形の際に、成形用材料を冷却し、或いは、水分を除去することにより固化される。水分を除去する態様としては、例えば、成形用材料を加熱して水分を蒸発させる、或いは、減圧して水分を蒸発させることが可能である。
当該材料は液相であり、成形の際に、成形用材料を冷却し、或いは、水分を除去することにより固化される。水分を除去する態様としては、例えば、成形用材料を加熱して水分を蒸発させる、或いは、減圧して水分を蒸発させることが可能である。
第1実施形態ではマイクロニードル10において、先端部2及び基台1は中空形状ではなく、いわゆる「中実」形状である。
マイクロニードル10は皮膚に活性を与えることが出来る材料で構成されているので、マイクロニードル10が真皮Tに到達すれば、マイクロニードル10自体により真皮T(或いは皮膚全体)を活性化することが出来る。そのため、注射針の様にマイクロニードル内部に管路を形成し、当該管路を介して、皮膚に活性を与えることが出来る材料を真皮Tに注入する必要はない。
また、マイクロニードル10を注射針と同様に金属で円管形状に構成した場合には、皮膚組織を侵入する際に折れてしまうと、皮膚組織内に金属が残存するという事態が生じる恐れがある。その様な事態を防止するために、図示の実施形態では、マイクロニードル10の材料として金属は選択しておらず、マイクロニードル10を中空円管形状(注射針状)に形成してはいない。
ただし、先端部2及び基台1を中空形状に構成することも可能である。
マイクロニードル10は皮膚に活性を与えることが出来る材料で構成されているので、マイクロニードル10が真皮Tに到達すれば、マイクロニードル10自体により真皮T(或いは皮膚全体)を活性化することが出来る。そのため、注射針の様にマイクロニードル内部に管路を形成し、当該管路を介して、皮膚に活性を与えることが出来る材料を真皮Tに注入する必要はない。
また、マイクロニードル10を注射針と同様に金属で円管形状に構成した場合には、皮膚組織を侵入する際に折れてしまうと、皮膚組織内に金属が残存するという事態が生じる恐れがある。その様な事態を防止するために、図示の実施形態では、マイクロニードル10の材料として金属は選択しておらず、マイクロニードル10を中空円管形状(注射針状)に形成してはいない。
ただし、先端部2及び基台1を中空形状に構成することも可能である。
図2、図3を参照して、図1で示すマイクロニードル10の作用について説明する。
図2において、マイクロニードル10を皮膚に穿刺すると、マイクロニードル10の先端部2は鋭い円錐形(先端角度θ1<14°)に形成されているので、先端部2は容易に皮膚組織を切開して侵入し、角質層Uhを貫通して容易に真皮Tへ到達する。そして図2で示す様に、先端部2の大部分が真皮Tの中まで侵入し、基台1も角質層Uhまで侵入する。
この状態で、マイクロニードル10を形成している材料である薬品等(皮膚に活性を与えることが出来る材料:ヒアルロン酸、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他)が真皮T等に供給され、皮膚が活性化する。
図2において、マイクロニードル10を皮膚に穿刺すると、マイクロニードル10の先端部2は鋭い円錐形(先端角度θ1<14°)に形成されているので、先端部2は容易に皮膚組織を切開して侵入し、角質層Uhを貫通して容易に真皮Tへ到達する。そして図2で示す様に、先端部2の大部分が真皮Tの中まで侵入し、基台1も角質層Uhまで侵入する。
この状態で、マイクロニードル10を形成している材料である薬品等(皮膚に活性を与えることが出来る材料:ヒアルロン酸、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他)が真皮T等に供給され、皮膚が活性化する。
図2で示す様にマイクロニードル10の先端部2が真皮Tに到達した後、マイクロニードル10を引き抜こうとすれば(矢印F方向:図2)、先端部2における段部S1(肩部)が皮膚組織と当接して、マイクロニードル10が皮膚から引き抜かれることに対する抵抗として作用する。その結果、マイクロニードル10を引き抜こうとする力は段部S1(肩部)に集中して応力集中が生じ、マイクロニードル10は段部S1(肩部)の部分、すなわち、先端部2と基台1の境界部SDにおいて断裂する。
マイクロニードル10が先端部2と基台1の境界部SDで断裂すると、図3で示す様に、マイクロニードル10の断裂部SDより皮膚表面側の部分(主に基台1)は皮膚外部に抜き取られる。一方、断裂部SDより先端側の部分(主に先端部2)は、真皮T中(一部、角質層Uh中も含む)に残存する。
断裂部SD(肩部S1)よりも先端側が皮膚内(特に真皮T内)に残存することにより、マイクロニードル10を構成する薬剤が皮膚内(特に真皮T内)に残存して、マイクロニードル10を構成する薬剤の薬効が長期間に亘って効率的に発揮される。
マイクロニードル10が先端部2と基台1の境界部SDで断裂すると、図3で示す様に、マイクロニードル10の断裂部SDより皮膚表面側の部分(主に基台1)は皮膚外部に抜き取られる。一方、断裂部SDより先端側の部分(主に先端部2)は、真皮T中(一部、角質層Uh中も含む)に残存する。
断裂部SD(肩部S1)よりも先端側が皮膚内(特に真皮T内)に残存することにより、マイクロニードル10を構成する薬剤が皮膚内(特に真皮T内)に残存して、マイクロニードル10を構成する薬剤の薬効が長期間に亘って効率的に発揮される。
第1実施形態に係るマイクロニードル10の製造方法について、図4〜図8を参照して説明する。
マイクロニードル10の製造方法のフローチャートである図4において、ステップS0では、円錐形のマイクロニードル10A(図7参照)を製造する。マイクロニードル10Aは、先端角度θ2が14°未満に形成される。ステップS0で製造されるマイクロニードル10Aは、後述するように、第1実施形態のマイクロニードル10における基台1(先端角度θ2、高さ寸法H:図1参照)を構成する部分となる。
マイクロニードル10Aは、明確には図示されてはいないが、従来公知の製造方法を適用して製造される。すなわち、図示しない型を使用し、当該型にマイクロニードル製造用の液状材料(薬剤等)を充填して、固化する。固化した後、当該型から成型されたマイクロニードル10Aを取り出すことにより、円錐形のマイクロニードル10Aは製造される。ステップS0の次に、ステップS1に進む。
マイクロニードル10の製造方法のフローチャートである図4において、ステップS0では、円錐形のマイクロニードル10A(図7参照)を製造する。マイクロニードル10Aは、先端角度θ2が14°未満に形成される。ステップS0で製造されるマイクロニードル10Aは、後述するように、第1実施形態のマイクロニードル10における基台1(先端角度θ2、高さ寸法H:図1参照)を構成する部分となる。
マイクロニードル10Aは、明確には図示されてはいないが、従来公知の製造方法を適用して製造される。すなわち、図示しない型を使用し、当該型にマイクロニードル製造用の液状材料(薬剤等)を充填して、固化する。固化した後、当該型から成型されたマイクロニードル10Aを取り出すことにより、円錐形のマイクロニードル10Aは製造される。ステップS0の次に、ステップS1に進む。
図4のステップS1では、図5で示す様に、型20に複数形成された円錐形の凹部20Aの各々に、マイクロニードル製造用の液状材料M(薬剤等)を充填する(材料充填工程)。液状材料M(薬剤等)の充填に際しては、液状材料M(薬剤等)の表面張力により、液状材料Mが円錐形の凹部20Aの頂面から盛り上がる程度まで行う。
図5〜図8に示す製造工程では、マイクロニードル用の型20により、多数のマイクロニードル(図5〜図8では3個のみ示す)を同時に製造している。もちろん、単一のマイクロニードルずつ製造することも可能である。
型20の円錐形の凹部20Aは、先端角度θ1(図1参照)が14°未満の円錐形の相補的な形状に構成される。換言すれば、図6〜図8の工程を経て成形されるマイクロニードル10B(図8)の先端角度θ1(図1参照)が14°未満となる様に、凹部20Aは形成されている。マイクロニードル10B(図8参照)は、マイクロニードル10の先端部2(先端角度θ1、高さ寸法Ht:図1を参照)を構成する部分となる。
図5〜図8に示す製造工程では、マイクロニードル用の型20により、多数のマイクロニードル(図5〜図8では3個のみ示す)を同時に製造している。もちろん、単一のマイクロニードルずつ製造することも可能である。
型20の円錐形の凹部20Aは、先端角度θ1(図1参照)が14°未満の円錐形の相補的な形状に構成される。換言すれば、図6〜図8の工程を経て成形されるマイクロニードル10B(図8)の先端角度θ1(図1参照)が14°未満となる様に、凹部20Aは形成されている。マイクロニードル10B(図8参照)は、マイクロニードル10の先端部2(先端角度θ1、高さ寸法Ht:図1を参照)を構成する部分となる。
図4のステップS2では、図6に示す様に、円錐形の凹部20A(20A1〜20A3)に充填された液状材料Mが固化しないうちに、当該充填された液状材料Mの一部を専用のヘラPAにより取り除く(いわゆる「スキジ」を行う)(一部除去工程)。
図6で示す一部除去工程は、液状材料Mが充填された円錐形の凹部20Aの開口端(図6の上端)において、液状材料Mを拭う様に専用のヘラPAを移動させる(矢印C方向にヘラPAを移動する)ことで実行される。ヘラPAを移動することにより、凹部20A1、20A2に充填された液状材料Mの一部が除去される。
図6で示す状態では、凹部20A1、20A2における液状材料Mの一部除去は完了し、凹部20A3では液状材料Mが盛り上がる程度まで充填されており、図示の状態の後に液状材料Mの一部除去が実行される。
図6で示す一部除去工程は、液状材料Mが充填された円錐形の凹部20Aの開口端(図6の上端)において、液状材料Mを拭う様に専用のヘラPAを移動させる(矢印C方向にヘラPAを移動する)ことで実行される。ヘラPAを移動することにより、凹部20A1、20A2に充填された液状材料Mの一部が除去される。
図6で示す状態では、凹部20A1、20A2における液状材料Mの一部除去は完了し、凹部20A3では液状材料Mが盛り上がる程度まで充填されており、図示の状態の後に液状材料Mの一部除去が実行される。
次に図4のステップS3では、図7に示す様に、型20の凹部20A内に残存した液状材料M(薬剤等)に、ステップS0で予め製造されたマイクロニードル10Aの先端を挿入し(差し込み)、マイクロニードル10Aの先端を挿入した状態で保持する(先端挿入工程)。
先端挿入工程は、凹部20A内に残存した液状材料Mが完全に固化しないうちに実行される。
ステップS3において、マイクロニードル10Aの先端を凹部20A内に残存した液状材料Mに挿入した状態で保持する操作は、従来公知の固定、支持装置を適用することが実行することが出来る。
先端挿入工程は、凹部20A内に残存した液状材料Mが完全に固化しないうちに実行される。
ステップS3において、マイクロニードル10Aの先端を凹部20A内に残存した液状材料Mに挿入した状態で保持する操作は、従来公知の固定、支持装置を適用することが実行することが出来る。
ステップS3で、マイクロニードル10Aの先端を凹部20A内に挿入した状態で保持して所定時間が経過すると、型20の凹部20A内に残存した液状材料M(薬剤等)が固化する。
図4のステップS4では、型20の凹部20A内に残存した液状材料M(薬剤等)が固化したか否かを判断する。
液状材料Mの固化が完了したら(ステップS4が「Yes」)ステップS5に進み、液状材料Mの固化が完了していなければ(ステップS4が「No」)ステップS4に戻る(ステップS4が「No」のループ)。
図4のステップS4では、型20の凹部20A内に残存した液状材料M(薬剤等)が固化したか否かを判断する。
液状材料Mの固化が完了したら(ステップS4が「Yes」)ステップS5に進み、液状材料Mの固化が完了していなければ(ステップS4が「No」)ステップS4に戻る(ステップS4が「No」のループ)。
型20の凹部20A内に残存した液状材料M(薬剤等)にマイクロニードル10Aの先端を挿入した状態で液状材料Mが固化すると、マイクロニードル10Aと凹部20A内で固化したマイクロニードル10B(図8参照)が一体となり、第1実施形態のマイクロニードル10が形成される。その後の仕上げ加工については、図示は省略する。
図4のステップS5では、図8で示す様に、型20の凹部20A内から形成されたマイクロニードル10を取り出す(矢印D方向)(取出工程)。
図4のステップS5では、図8で示す様に、型20の凹部20A内から形成されたマイクロニードル10を取り出す(矢印D方向)(取出工程)。
図示の第1実施形態では、ステップS0でマイクロニードル10Aを製造するに際して、図5〜図8の型20とは別の型を使用するが、同一の型20を使用して予めマイクロニードル10Aを製造しておくことも出来る。
その場合は、型20の開口近傍において、マイクロニードル10の底面部1Bに対応する内径拡大部と相補形状の部分を設けることが必要である。その場合においても、マイクロニードル10の先端部2の先端角度θ1と基台1の先端角度θ2は同一角度となり、14°未満の角度に設定される。
その場合は、型20の開口近傍において、マイクロニードル10の底面部1Bに対応する内径拡大部と相補形状の部分を設けることが必要である。その場合においても、マイクロニードル10の先端部2の先端角度θ1と基台1の先端角度θ2は同一角度となり、14°未満の角度に設定される。
型の凹部に液体材料を充填し、当該液体材料が固化した後に型から引き抜く従来の製造方法によれば、第1実施形態に係るマイクロニードル10は先端部2の段部S1(肩部)が肩に引っ掛かるので、型から抜き取ることが出来なくなってしまう。
それに対して上述した製造方法によれば、型20の凹部20Aにマイクロニードル製造用の液状材料M(薬剤等)を充填してから、充填された液状材料Mの一部を取り除き、型20の凹部20内に残存した材料Mに予め製造された円錐形或いは角錐形のマイクロニードル10Aの先端を挿入し、その状態で保持し、残存した材料Mが固化した後、マイクロニードル10Aを取り出している。そのため、先端部2と基台1の境界に段部S1を有するマイクロニードル10であっても、段部S1が型20に引っ掛かることなく、容易に型20内から抜き取ることが出来る。
それに対して上述した製造方法によれば、型20の凹部20Aにマイクロニードル製造用の液状材料M(薬剤等)を充填してから、充填された液状材料Mの一部を取り除き、型20の凹部20内に残存した材料Mに予め製造された円錐形或いは角錐形のマイクロニードル10Aの先端を挿入し、その状態で保持し、残存した材料Mが固化した後、マイクロニードル10Aを取り出している。そのため、先端部2と基台1の境界に段部S1を有するマイクロニードル10であっても、段部S1が型20に引っ掛かることなく、容易に型20内から抜き取ることが出来る。
加えて、第1実施形態に係るマイクロニードル10は型20を用いて製造することが可能なので、多数のマイクロニードル10を固定したシート状部材を容易に製造することが出来る。
そして、当該シート状部材同士を接合することにより、多数のマイクロニードル10が固定された大きな面積のシートを製造し、その様な大面積のシートを適宜加工することにより、個々のユーザーの使用部位(例えば、頭髪部)の形状に適合した器具を、いわゆる「オーダーメード」で提供することが可能となる。
そして、当該シート状部材同士を接合することにより、多数のマイクロニードル10が固定された大きな面積のシートを製造し、その様な大面積のシートを適宜加工することにより、個々のユーザーの使用部位(例えば、頭髪部)の形状に適合した器具を、いわゆる「オーダーメード」で提供することが可能となる。
次に、図9を参照して、本発明の第2実施形態について説明する。
図9の第2実施形態のマイクロニードル110は、円錐形状の先端部102と円錐台形の基台1を有している。図1の第1実施形態のマイクロニードル10が、先端部2の基台1側端部と基台1の先端部側端部の境界に段部S1が形成されているのに対して、第2実施形態のマイクロニードル110は、先端部102の基台1側端部(図9では下端部)が基台1側に突出した形状になっている。
すなわち、第2実施形態のマイクロニードル110の先端部102の基台側1端部には半径方向外方から内方に向けて先端方向側に傾斜するテーパーが形成され、先端部102の断面形状が矢じり型に形成されている。
図9の第2実施形態のマイクロニードル110は、円錐形状の先端部102と円錐台形の基台1を有している。図1の第1実施形態のマイクロニードル10が、先端部2の基台1側端部と基台1の先端部側端部の境界に段部S1が形成されているのに対して、第2実施形態のマイクロニードル110は、先端部102の基台1側端部(図9では下端部)が基台1側に突出した形状になっている。
すなわち、第2実施形態のマイクロニードル110の先端部102の基台側1端部には半径方向外方から内方に向けて先端方向側に傾斜するテーパーが形成され、先端部102の断面形状が矢じり型に形成されている。
図9において、先端部102の基台側1端部におけるテーパーが形成された部分は、符号S2で示されている。換言すれば、図9の第2実施形態では、先端部102における矢じり型の端部(図9では下端部)と基台1の先端部側端部(図9では上端部)の境界部分は、符号S2で示す段部を構成している。
第2実施形態のマイクロニードル110の先端部102、基台1の先端角度及び高さ寸法は、図1の第1実施形態のマイクロニードル10と同様に決定される。
第2実施形態に係るマイクロニードル110の先端部102の形状は、第1実施形態と同様に角錐形状(三角錐形状、四角錐形状、五角形以上の多角錐形状)であっても良い。また、基台1の形状も、第1実施形態と同様に、円錐形のみならず、角錐台形(三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の多角錐台形)であっても良い。
第2実施形態のマイクロニードル110の先端部102、基台1の先端角度及び高さ寸法は、図1の第1実施形態のマイクロニードル10と同様に決定される。
第2実施形態に係るマイクロニードル110の先端部102の形状は、第1実施形態と同様に角錐形状(三角錐形状、四角錐形状、五角形以上の多角錐形状)であっても良い。また、基台1の形状も、第1実施形態と同様に、円錐形のみならず、角錐台形(三角錐台形、四角錐台形、五角形以上の多角錐台形)であっても良い。
図9の第2実施形態のマイクロニードル110によれば、皮膚に穿刺した後、マイクロニードル110を引き抜こうとしても、先端部102の基台1側端部(矢じり型の端部:図9における矢じり型の下端部)が皮膚組織に引っ掛かり、(第1実施形態と比較して)皮膚からより一層引き抜き難い状態になる。
そして、マイクロニードル110を引き抜く力は先端部102の基台1側端部近傍の領域に集中して応力集中が生じ、マイクロニードル110は先端部102と基台1の境界部付近において断裂する。
マイクロニードル110が先端部102と基台1の境界部近傍で断裂すると、図3で示すのと同様に、断裂部より先端側の部分(主に先端部102)は、真皮T中(一部角質層Uh中も含む)に残存する。そのため、マイクロニードル110を構成する薬剤等の薬効が長期間に亘って発揮される。
そして、マイクロニードル110を引き抜く力は先端部102の基台1側端部近傍の領域に集中して応力集中が生じ、マイクロニードル110は先端部102と基台1の境界部付近において断裂する。
マイクロニードル110が先端部102と基台1の境界部近傍で断裂すると、図3で示すのと同様に、断裂部より先端側の部分(主に先端部102)は、真皮T中(一部角質層Uh中も含む)に残存する。そのため、マイクロニードル110を構成する薬剤等の薬効が長期間に亘って発揮される。
第2実施形態におけるその他の構成及び作用効果は、図1〜図8の第1実施形態と同様である。
図示の実施形態はあくまでも例示であり、本発明の技術的範囲を限定する趣旨の記述ではないことを付記する。
例えば、図示の実施形態では明記していないが、本発明のマイクロニードルの材料である「薬剤等」は、皮膚表層に簡単且つ確実に薬品、美容品、その他の皮膚の活性に寄与する物質であり、ヒアルロン酸(例えば低分子ヒアルロン酸)、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他の皮膚に活性を与えることが出来る材料のみならず、インシュリン、抗癌剤、育毛剤、聴力障害治療用の薬剤、アレルギー(例えば「花粉症」)治療用の薬剤、蓄膿症治療用の薬剤、アルツハイマー症その他の認知症用の薬剤、脳疾患用の薬剤、口頭炎治療用の薬剤、歯周病用の薬剤、歯槽骨再生用の薬剤、口腔免疫工場用の薬剤、日焼け防止及び日焼けによる炎症治療用の薬剤、乾癬治療用の薬剤、アトピー性皮膚炎治療用の薬剤、じょく瘡(床ずれ)治療用の薬剤、その他の各種皮膚疾患治療用の薬剤、妊娠線の除去のための皮膚の再生用薬剤、創傷その他の外科手術後の皮膚の再生用薬剤、白癬菌による疾病治療用の薬剤、穿刺増大及びED防止用の薬剤等、その他の各種薬剤(例えば漢方薬)を広く包含する。
例えば、図示の実施形態では明記していないが、本発明のマイクロニードルの材料である「薬剤等」は、皮膚表層に簡単且つ確実に薬品、美容品、その他の皮膚の活性に寄与する物質であり、ヒアルロン酸(例えば低分子ヒアルロン酸)、育毛剤、幹細胞を培養した培養液の上清、その他の皮膚に活性を与えることが出来る材料のみならず、インシュリン、抗癌剤、育毛剤、聴力障害治療用の薬剤、アレルギー(例えば「花粉症」)治療用の薬剤、蓄膿症治療用の薬剤、アルツハイマー症その他の認知症用の薬剤、脳疾患用の薬剤、口頭炎治療用の薬剤、歯周病用の薬剤、歯槽骨再生用の薬剤、口腔免疫工場用の薬剤、日焼け防止及び日焼けによる炎症治療用の薬剤、乾癬治療用の薬剤、アトピー性皮膚炎治療用の薬剤、じょく瘡(床ずれ)治療用の薬剤、その他の各種皮膚疾患治療用の薬剤、妊娠線の除去のための皮膚の再生用薬剤、創傷その他の外科手術後の皮膚の再生用薬剤、白癬菌による疾病治療用の薬剤、穿刺増大及びED防止用の薬剤等、その他の各種薬剤(例えば漢方薬)を広く包含する。
それに加えて、図示の実施形態では主として人間に対して適用する場合を述べているが、皮膚疾患が多くマイクロニードルによる施術が必要な動物(犬、猫、牛馬等の家畜、ラクダ等のその他の動物)に対しても、本発明を適用することが可能である。その様な場合には、マイクロニードル製造用の材料である前記「薬剤等」は、犬、猫、牛馬等の家畜、ラクダ等のその他の動物(皮膚疾患が多くマイクロニードルによる施術が必要な動物)に適用される薬剤を使用する。
1・・・基台
2、102・・・先端部
10、110・・・マイクロニードル
20・・・型
U・・・表皮
Uh・・・角質層
S1、S2・・・段部
T・・・真皮
2、102・・・先端部
10、110・・・マイクロニードル
20・・・型
U・・・表皮
Uh・・・角質層
S1、S2・・・段部
T・・・真皮
Claims (3)
- 先端が鋭利な円錐形或いは角錐形の先端部と円錐台形或いは角錐台形の基台を有し、先端部の基台側端部と基台の先端部側端部の境界に段部が形成されていることを特徴とするマイクロニードル。
- 前記先端部の基台側端部には半径方向外方から内方に向けて先端方向側に傾斜するテーパーが形成され、先端部の断面形状が矢じり型に形成されている請求項1のマイクロニードル。
- 予め円錐形或いは角錐形のマイクロニードルを製造する製造工程と、
円錐形或いは角錐形の凹部を有する型にマイクロニードル製造用の液状材料を充填する材料充填工程と、
充填された液状材料の一部を取り除く一部除去工程と、
型の凹部内に残存した材料に予め製造されたマイクロニードルの先端を挿入し、その状態で保持する先端挿入工程と、
型の凹部内に残存した材料が固化したならばマイクロニードルを取り出す取出工程を有することを特徴とするマイクロニードルの製造方法。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016223770A JP2018079127A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | マイクロニードル |
PCT/JP2017/034890 WO2018092424A1 (ja) | 2016-11-17 | 2017-09-27 | マイクロニードル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016223770A JP2018079127A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | マイクロニードル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018079127A true JP2018079127A (ja) | 2018-05-24 |
Family
ID=62146548
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016223770A Pending JP2018079127A (ja) | 2016-11-17 | 2016-11-17 | マイクロニードル |
Country Status (2)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2018079127A (ja) |
WO (1) | WO2018092424A1 (ja) |
Cited By (9)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018122081A (ja) * | 2017-12-08 | 2018-08-09 | テラ・ストーン株式会社 | マイクロニードルとその製造方法 |
KR20200000145A (ko) * | 2018-06-22 | 2020-01-02 | 주식회사 에스엔비아 | 화살촉 형상의 마이크로니들 및 그 제조장치와 제조방법 |
KR20200016018A (ko) * | 2018-08-06 | 2020-02-14 | 주식회사 코스칼드바이오 | 생체 용해성 마이크로니들 어레이 및 이의 제작 방법 |
JP2020130544A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 公立大学法人広島市立大学 | 先端分離型マイクロニードル |
WO2020256198A1 (ko) * | 2019-06-21 | 2020-12-24 | 주식회사 에스엔비아 | 화살촉 형상의 마이크로니들 및 그 제조장치와 제조방법 |
WO2021132022A1 (ja) | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 富士フイルム株式会社 | マイクロニードルアレイの製造方法 |
JP2021137572A (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-16 | 株式会社北の達人コーポレーション | マイクロニードル及びマイクロニードルアレイ |
WO2023032118A1 (ja) * | 2021-09-02 | 2023-03-09 | 株式会社北の達人コーポレーション | マイクロニードル、マイクロニードルアレイ及びマイクロニードルパッチ並びにマイクロニードルアレイの製造方法 |
KR20230121403A (ko) * | 2022-02-11 | 2023-08-18 | 주식회사 티엠디랩 | 형상기억 고분자를 포함하는 마이크로니들 구조체 및 이의 제조방법 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2023550761A (ja) * | 2020-11-19 | 2023-12-05 | カーサス バイオ インコーポレイテッド | セルフインターロッキングが可能なマイクロ構造体 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2007127976A2 (en) * | 2006-05-01 | 2007-11-08 | Georgia Tech Research Corporation | Particle based molding |
JP2008528192A (ja) * | 2005-01-31 | 2008-07-31 | アルザ コーポレイション | 低い変動性を有するコーティングマイクロプロジェクション、及びその生成法 |
US20140005606A1 (en) * | 2012-06-29 | 2014-01-02 | Mei-Chin Chen | Embeddable micro-needle patch for transdermal drug delivery and method of manufacturing the same |
-
2016
- 2016-11-17 JP JP2016223770A patent/JP2018079127A/ja active Pending
-
2017
- 2017-09-27 WO PCT/JP2017/034890 patent/WO2018092424A1/ja active Application Filing
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008528192A (ja) * | 2005-01-31 | 2008-07-31 | アルザ コーポレイション | 低い変動性を有するコーティングマイクロプロジェクション、及びその生成法 |
WO2007127976A2 (en) * | 2006-05-01 | 2007-11-08 | Georgia Tech Research Corporation | Particle based molding |
US20140005606A1 (en) * | 2012-06-29 | 2014-01-02 | Mei-Chin Chen | Embeddable micro-needle patch for transdermal drug delivery and method of manufacturing the same |
Cited By (13)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2018122081A (ja) * | 2017-12-08 | 2018-08-09 | テラ・ストーン株式会社 | マイクロニードルとその製造方法 |
KR102240614B1 (ko) * | 2018-06-22 | 2021-04-16 | 주식회사 에스엔비아 | 화살촉 형상의 마이크로니들 |
KR20200000145A (ko) * | 2018-06-22 | 2020-01-02 | 주식회사 에스엔비아 | 화살촉 형상의 마이크로니들 및 그 제조장치와 제조방법 |
KR20200016018A (ko) * | 2018-08-06 | 2020-02-14 | 주식회사 코스칼드바이오 | 생체 용해성 마이크로니들 어레이 및 이의 제작 방법 |
KR102166065B1 (ko) * | 2018-08-06 | 2020-10-15 | 주식회사 코스칼드바이오 | 생체 용해성 마이크로니들 어레이 및 이의 제작 방법 |
JP2020130544A (ja) * | 2019-02-19 | 2020-08-31 | 公立大学法人広島市立大学 | 先端分離型マイクロニードル |
JP7202638B2 (ja) | 2019-02-19 | 2023-01-12 | 公立大学法人広島市立大学 | 先端分離型マイクロニードル |
WO2020256198A1 (ko) * | 2019-06-21 | 2020-12-24 | 주식회사 에스엔비아 | 화살촉 형상의 마이크로니들 및 그 제조장치와 제조방법 |
WO2021132022A1 (ja) | 2019-12-26 | 2021-07-01 | 富士フイルム株式会社 | マイクロニードルアレイの製造方法 |
JP2021137572A (ja) * | 2020-03-02 | 2021-09-16 | 株式会社北の達人コーポレーション | マイクロニードル及びマイクロニードルアレイ |
WO2023032118A1 (ja) * | 2021-09-02 | 2023-03-09 | 株式会社北の達人コーポレーション | マイクロニードル、マイクロニードルアレイ及びマイクロニードルパッチ並びにマイクロニードルアレイの製造方法 |
KR20230121403A (ko) * | 2022-02-11 | 2023-08-18 | 주식회사 티엠디랩 | 형상기억 고분자를 포함하는 마이크로니들 구조체 및 이의 제조방법 |
KR102597476B1 (ko) * | 2022-02-11 | 2023-11-02 | 주식회사 티엠디랩 | 형상기억 고분자를 포함하는 마이크로니들 구조체 및 이의 제조방법 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2018092424A1 (ja) | 2018-05-24 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO2018092424A1 (ja) | マイクロニードル | |
WO2017047437A1 (ja) | マイクロニードル | |
EP3441107B1 (en) | Microneedle using bioabsorbable metal | |
Donnelly et al. | Microneedle-based drug delivery systems: microfabrication, drug delivery, and safety | |
JP5486211B2 (ja) | 経皮投薬装置及びその装置に使用するニードル形成体 | |
JP5267910B2 (ja) | マイクロニードルアレイ | |
JP6414084B2 (ja) | マイクロニードルユニット、および、マイクロニードルアセンブリー | |
JP4427691B2 (ja) | マイクロニードルアレイ | |
JP5063544B2 (ja) | 経皮吸収シート及びその製造方法 | |
US11801371B2 (en) | Microneedle device | |
JP2010233673A (ja) | 経皮吸収シート及びその製造方法 | |
JP2005021677A (ja) | 経皮投薬用パッドベース、及び注射針 | |
JP6489025B2 (ja) | マイクロニードルユニット | |
JP2009273772A (ja) | マイクロニードルシート並びにその製造方法及び製造装置 | |
JP2010046476A (ja) | 経皮投薬デバイス | |
JP5495034B2 (ja) | 多層構成のマイクロニードルパッチ | |
KR20170135575A (ko) | 정량 투여가 가능하며 약물 투입 속도 조절이 가능한 미세바늘 구조체 및 제조방법 | |
BR112020010729A2 (pt) | arranjo de microagulhas compreendendo ingrediente ativo na forma de sais | |
WO2015190344A1 (ja) | マイクロニードルシート及び経皮投与用貼付剤 | |
JP2009066104A (ja) | 微細針構造体及び微細針構造体デバイス | |
JP6236905B2 (ja) | 中空針状体装置の製造方法 | |
KR102249513B1 (ko) | 캔들형 마이크로 구조체 및 이의 제조 방법 | |
JP6681378B2 (ja) | マイクロニードルとその製造方法 | |
JP6003338B2 (ja) | 針状体パッケージ | |
JP6255759B2 (ja) | マイクロニードル |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191101 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201027 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20210416 |