JP2018076814A - 可変容量型斜板式圧縮機 - Google Patents

可変容量型斜板式圧縮機 Download PDF

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Takayasu Suzuki
隆容 鈴木
和也 本田
Kazuya Honda
和也 本田
圭 西井
Kei Nishii
圭 西井
山本 真也
Shinya Yamamoto
真也 山本
祐弥 井沢
Yuya Izawa
祐弥 井沢
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Abstract

【課題】斜板の傾角の変更をスムーズに行うこと。
【解決手段】可変容量型斜板式圧縮機は、回転軸21の外周面に開口するとともに制御通路29と斜板室24とを連通する排出通路21aと、制御通路29の内部を回転軸線方向に移動可能であるとともに排出通路21aを開閉する弁体50と、排出通路21aを閉鎖する方向に弁体50を付勢する付勢ばね54とを備える。弁体50には、制御通路29における弁体50よりも制御圧室側と制御通路29における弁体50よりも圧力調整室15c側とを連通する連通路51が形成されている。連通路51は、絞り51sを有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、可変容量型斜板式圧縮機に関する。
一般的に、可変容量型斜板式圧縮機のハウジングは、シリンダブロックと、シリンダブロックの一端に連結されたフロントハウジングと、シリンダブロックの他端に連結されたリヤハウジングとを備えている。リヤハウジングには、吸入室及び吐出室が形成されている。ハウジング内には回転軸が回転可能に支持されている。また、ハウジング内におけるフロントハウジングとシリンダブロックとの間には斜板室が形成されている。斜板室には、回転軸から駆動力を得て回転するとともに回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板が収容されている。シリンダブロックには、シリンダブロックの軸方向に沿って貫通するとともに吸入室及び吐出室に連通するシリンダボアが回転軸の周囲に複数形成されている。各シリンダボア内にはピストンが往復動可能に収納されている。各ピストンは、一対のシューを介して斜板の外周部に係留されている。そして、回転軸の回転に伴う斜板の回転運動が、シューを介してピストンの往復直線運動に変換される。
ここで、斜板の傾角を変更するために、斜板室にアクチュエータを備えたものが、例えば特許文献1に開示されている。このようなアクチュエータは、回転軸に設けられる区画体と、斜板室内で回転軸の回転軸線方向に移動する移動体と、区画体と移動体とによって区画される制御圧室とを有する。斜板室は、外部冷媒回路から冷媒ガスが吸入される吸入圧領域となっている。シリンダブロックには、斜板室と吸入室とを連通する吸入通路が形成されている。
また、リヤハウジングには圧力調整室が形成されている。圧力調整室と吐出室とは給気通路を介して連通している。給気通路上にはオリフィスが設けられている。また、圧力調整室と吸入室とは抽気通路を介して連通している。抽気通路上には、制御機構としての電磁式の制御弁が設けられている。制御弁は、吸入室の圧力に基づき抽気通路の開度を調整する。これにより、抽気通路を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室の圧力が制御される。回転軸には、回転軸の軸内に形成され、圧力調整室と制御圧室とを連通する制御通路が形成されている。
そして、吐出室から給気通路、圧力調整室及び制御通路を介した制御圧室への冷媒ガスの供給と、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介した吸入室への排出とが行われ、制御圧室の圧力が変更される。移動体は、制御圧室と斜板室との圧力差に伴って区画体に対して回転軸の軸方向に移動する。この移動体の回転軸の軸方向への移動に伴い、斜板の傾角が変更されるようになっている。
特開昭52−131204号公報
しかしながら、上記構成のアクチュエータにおいて、制御圧室には、吐出室からの高温高圧の冷媒ガスが供給されるが、斜板室内の冷媒ガスは吐出室の冷媒ガスに比べて低温であるため、制御圧室の冷媒ガスが、斜板室内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化してしまう虞がある。このように、制御圧室の冷媒ガスは、吸入圧領域の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化することがある。制御圧室で液化した液冷媒は、冷媒ガスに比べて、制御圧室から制御通路、圧力調整室及び抽気通路を介して吸入室へ排出され難いため、制御圧室の圧力の変更がスムーズに行われず、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができなくなってしまう。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる可変容量型斜板式圧縮機を提供することにある。
上記課題を解決する可変容量型斜板式圧縮機は、吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、前記アクチュエータは、前記回転軸に設けられる区画体と、前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、前記ハウジングには、前記吸入圧領域と前記吐出圧領域とに連通する圧力調整室が形成されており、前記回転軸には、前記回転軸の軸内に形成され、前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通する制御通路が形成されており、前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構を備え、前記制御機構によって前記圧力調整室に導入される前記吸入圧領域及び前記吐出圧領域の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、前記回転軸には、前記回転軸の軸内に形成され、前記回転軸の外周面に開口するとともに前記制御通路と前記吸入圧領域とを連通する排出通路が設けられ、前記制御通路の内部を前記回転軸線方向に移動可能であるとともに前記排出通路を開閉する弁体と、前記排出通路を閉鎖する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、前記弁体に形成されるとともに前記制御通路における前記弁体よりも前記制御圧室側と前記制御通路における前記弁体よりも前記圧力調整室側とを連通する連通路と、を備え、前記連通路の少なくとも一部が絞りになっており、前記弁体は、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側の圧力と前記制御通路における前記絞りよりも前記圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、前記排出通路を開閉する。
例えば、制御圧室の圧力を減少させる際には、制御機構によって圧力調整室の圧力を減少させるように圧力調整室の圧力を制御し、制御圧室の冷媒ガスを制御通路、絞り及び圧力調整室を介して吸入圧領域へ排出させる。このとき、制御通路における絞りよりも制御圧室側の圧力は、制御通路における絞りよりも圧力調整室側の圧力よりも高くなっている。そして、制御通路における絞りよりも制御圧室側の圧力と制御通路における絞りよりも圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、弁体が排出通路を開放する方向に移動する。このとき、制御圧室に液化した冷媒ガスが存在していても、液化した液冷媒が、制御通路に排出されるとともに、回転軸の遠心力によって、制御通路における回転軸の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、排出通路を介して吸入圧領域に排出される。よって、制御圧室で液化した液冷媒を吸入圧領域に素早く排出することができ、制御圧室の圧力の変更をスムーズに行うことができる。その結果、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記弁体は、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側と前記排出通路との間をシールする端面シール部を有しているとよい。
これによれば、端面シール部によって、制御通路における絞りよりも制御圧室側と排出通路との間をシールしつつも、弁体における制御通路の内部での回転軸の回転軸線方向の位置決めをすることができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記弁体は、前記圧力調整室と前記排出通路との間をシールする外面シール部を有するとよい。
これによれば、制御機構によって制御圧室の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室から制御通路を通過する冷媒ガスが、排出通路を介して吸入圧領域に漏れてしまうことを抑制することができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記制御通路の内部には、前記弁体が着座することで、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側と前記排出通路との間をシールする端面シール部材が設けられているとよい。これによれば、端面シール部材によって、制御通路における絞りよりも制御圧室側と排出通路との間を好適にシールすることができる。
上記可変容量型斜板式圧縮機において、前記制御通路の内部には、前記圧力調整室と前記排出通路との間をシールする外面シール部材が設けられているとよい。これによれば、制御機構によって制御圧室の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室から軸内通路を通過する冷媒ガスが、排出通路を介して吸入圧領域に漏れてしまうことを外面シール部材によって抑制することができる。
この発明によれば、斜板の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
第1の実施形態における可変容量型斜板式圧縮機を示す側断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 制御圧室、圧力調整室、吸入室、及び吐出室の関係を示す模式図。 斜板の傾角が最小傾角のときの可変容量型斜板式圧縮機を示す側断面図。 可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 第2の実施形態における斜板の傾角が最大傾角のときの可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 斜板の傾角が最小傾角のときの可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。 (a)及び(b)は別の実施形態における可変容量型斜板式圧縮機の部分拡大断面図。
(第1の実施形態)
以下、可変容量型斜板式圧縮機を具体化した第1の実施形態を図1〜図5にしたがって説明する。なお、可変容量型斜板式圧縮機は車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、可変容量型斜板式圧縮機10のハウジング11は、互いに連結された筒状のシリンダブロックとしての第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13と、第1シリンダブロック12に連結されたフロントハウジング14と、第2シリンダブロック13に連結されたリヤハウジング15とを備えている。
フロントハウジング14と第1シリンダブロック12との間には、第1弁・ポート形成体16が介在されている。また、リヤハウジング15と第2シリンダブロック13との間には、第2弁・ポート形成体17が介在されている。
フロントハウジング14と第1弁・ポート形成体16との間には、吸入室14a及び吐出室14bが区画されている。吐出室14bは吸入室14aの外周側に配置されている。また、リヤハウジング15と第2弁・ポート形成体17との間には、吸入室15a及び吐出室15bが区画されている。さらに、リヤハウジング15には、圧力調整室15cが形成されている。圧力調整室15cは、リヤハウジング15の中央部に位置しており、吸入室15aは、圧力調整室15cの外周側に配置されている。さらに、吐出室15bは吸入室15aの外周側に配置されている。各吐出室14b,15b同士は、図示しない吐出通路を介して接続されている。そして、吐出通路は図示しない外部冷媒回路に接続されている。各吐出室14b,15bは吐出圧領域となっている。
第1弁・ポート形成体16には、吸入室14aに連通する吸入ポート16a、及び吐出室14bに連通する吐出ポート16bが形成されている。第2弁・ポート形成体17には、吸入室15aに連通する吸入ポート17a、及び吐出室15bに連通する吐出ポート17bが形成されている。各吸入ポート16a,17aには、図示しない吸入弁機構が設けられるとともに、各吐出ポート16b,17bには、図示しない吐出弁機構が設けられている。
ハウジング11内には回転軸21が回転可能に支持されている。回転軸21において、回転軸線Lが延びる方向である回転軸線方向(回転軸21の軸方向)の一端側であり、ハウジング11の前方側(一方側)に位置する前端部側は、第1シリンダブロック12に貫設された軸孔12hに挿通されている。そして、回転軸21の前端は、フロントハウジング14内に位置している。また、回転軸21において、回転軸線方向の他端側であり、ハウジング11の後方側(他方側)に位置する後端部側は、第2シリンダブロック13に貫設された軸孔13hに挿通されている。そして、回転軸21の後端は、圧力調整室15c内に位置している。
回転軸21は、その前端部側が軸孔12hを介して第1シリンダブロック12に回転可能に支持されるとともに、後端部側が軸孔13hを介して第2シリンダブロック13に回転可能に支持されている。フロントハウジング14と回転軸21との間にはリップシール型の軸封装置22が介在されている。回転軸21の前端には、動力伝達機構PTを介して外部駆動源としての車両のエンジンEが作動連結されている。本実施形態では、動力伝達機構PTは、常時伝達型のクラッチレス機構(例えばベルト及びプーリの組合せ)である。
ハウジング11内には、第1シリンダブロック12及び第2シリンダブロック13により区画された斜板室24が形成されている。斜板室24には、回転軸21から駆動力を得て回転して回転軸21の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板23が収容されている。斜板23には、回転軸21が挿通可能な挿通孔23aが形成されている。そして、回転軸21が挿通孔23aに挿通されることにより、斜板23が回転軸21に取り付けられている。
第1シリンダブロック12には、第1シリンダブロック12の軸方向に貫通形成される第1シリンダボア12aが回転軸21の周囲に複数(図1では1つの第1シリンダボア12aのみ図示)配列されている。各第1シリンダボア12aは、吸入ポート16aを介して吸入室14aに連通するとともに、吐出ポート16bを介して吐出室14bに連通している。
第2シリンダブロック13には、第2シリンダブロック13の軸方向に貫通形成される第2シリンダボア13aが回転軸21の周囲に複数(図1では1つの第2シリンダボア13aのみ図示)配列されている。各第2シリンダボア13aは、吸入ポート17aを介して吸入室15aに連通するとともに、吐出ポート17bを介して吐出室15bに連通している。
第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13aは、前後で対となるように配置されている。対となる第1シリンダボア12a及び第2シリンダボア13a内には、ピストンとしての両頭ピストン25が前後方向へ往復動可能にそれぞれ収納されている。すなわち、本実施形態の可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン型斜板式圧縮機である。
各両頭ピストン25は、一対のシュー26を介して斜板23の外周部に係留されている。そして、回転軸21の回転に伴う斜板23の回転運動が、シュー26を介して両頭ピストン25の往復直線運動に変換される。
各第1シリンダボア12a内には、両頭ピストン25と第1弁・ポート形成体16とによって第1圧縮室20aが区画されている。各第2シリンダボア13a内には、両頭ピストン25と第2弁・ポート形成体17とによって第2圧縮室20bが区画されている。
第1シリンダブロック12には、軸孔12hに連続するとともに軸孔12hよりも大径である第1大径孔12bが形成されている。第1大径孔12bは、斜板室24に連通している。斜板室24と吸入室14aとは、第1シリンダブロック12及び第1弁・ポート形成体16を貫通する吸入通路12cにより連通している。
第2シリンダブロック13には、軸孔13hに連続するとともに軸孔13hよりも大径である第2大径孔13bが形成されている。第2大径孔13bは、斜板室24に連通している。斜板室24と吸入室15aとは、第2シリンダブロック13及び第2弁・ポート形成体17を貫通する吸入通路13cにより連通している。
第2シリンダブロック13の周壁には吸入口13sが形成されている。吸入口13sは外部冷媒回路に接続されている。そして、外部冷媒回路から吸入口13sを介して斜板室24に吸入された冷媒ガスは、吸入通路12c,13cを介して吸入室14a,15aに吸入される。よって、吸入室14a,15a及び斜板室24は、吸入圧領域となっており、圧力がほぼ等しくなっている。
回転軸21は、第1大径孔12b内に配置される環状のフランジ部21fを有する。なお、フランジ部21fは、回転軸21とは別体であり、回転軸21に圧入されている。回転軸21の軸方向において、フランジ部21fと第1シリンダブロック12との間には第1スラスト軸受27aが配設されている。また、回転軸21における後端側には、第2大径孔13b内に配置される環状のフランジ部21gが突設されている。回転軸21の軸方向において、フランジ部21gと第2シリンダブロック13との間には第2スラスト軸受27bが配設されている。
斜板室24内には、斜板23における回転軸21の回転軸線方向に対する斜板23の傾角を変更可能なアクチュエータ30が配置されている。アクチュエータ30は、フランジ部21fよりも後方側であって、且つ斜板23よりも前方側に配置されている。アクチュエータ30は、回転軸21と一体回転可能な環状の区画体31を有する。区画体31には、回転軸21が挿入される挿入孔31hが形成されている。そして、回転軸21が挿入孔31h内に圧入されることにより、区画体31が回転軸21に一体化されている。
アクチュエータ30は、フランジ部21fと区画体31との間に配置されるとともに斜板室24内で回転軸21の回転軸線方向に移動可能な有底円筒状の移動体32を有する。移動体32は、第1大径孔12bの内側に侵入可能に配置されている。移動体32は、回転軸21が貫挿される貫挿孔32eを有する円環状の底部32aと、底部32aの外周縁から回転軸21の軸方向に延びる円筒部32bとを有する。移動体32は、回転軸21と一体回転可能になっている。円筒部32bの内周面と区画体31の外周面との間はシール部材33によりシールされるとともに、貫挿孔32eと回転軸21との間はシール部材34によりシールされている。そして、アクチュエータ30は、区画体31と移動体32とにより区画される制御圧室35を有する。
斜板室24内において、斜板23とフランジ部21gとの間にはラグアーム40が配設されている。ラグアーム40は一端から他端に向かって略L字形状に形成されている。ラグアーム40の一端にはウェイト部40aが形成されている。ウェイト部40aは、斜板23の溝部23bを通過して斜板23の前面側に位置している。
ラグアーム40の一端側は、溝部23b内を横切る第1ピン41によって斜板23の上端側(図1における上側)に連結されている。これにより、ラグアーム40の一端側は、第1ピン41の軸心を第1揺動中心M1として、斜板23に対して第1揺動中心M1周りで揺動可能に支持されている。ラグアーム40の他端側は、回転軸21に一体的に設けられる図示しない支持部材に対して第2ピン42によって連結されている。これにより、ラグアーム40の他端側は、第2ピン42の軸心を第2揺動中心M2として、支持部材に対して第2揺動中心M2周りで揺動可能に支持されている。
移動体32の円筒部32bの先端には、斜板23側に向けて突出する連結部32cが設けられている。連結部32cには第3ピン43が挿通可能な移動体側挿通孔32hが形成されている。また、斜板23の下端側(図1における下側)には、第3ピン43が挿通可能な斜板側挿通孔23hが形成されている。そして、第3ピン43によって連結部32cが斜板23の下端側に連結されている。
回転軸21には、回転軸21の軸内に形成され、制御圧室35と圧力調整室15cとを連通する制御通路29が形成されている。制御通路29は、回転軸21の軸方向に延びる第1軸内通路29aと、第1軸内通路29aに連通するとともに回転軸21の径方向に延びる第2軸内通路29bとから形成されている。第2軸内通路29bの一端は第1軸内通路29aの先端に連通するとともに、他端は制御圧室35に開口している。第1軸内通路29aの後端は、圧力調整室15cに開口している。よって、制御圧室35と圧力調整室15cとは、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介して連通している。
図2に示すように、第1軸内通路29aは、第2軸内通路29bに連通する小径路291aと、小径路291aよりも大径である大径路292aとを有する。大径路292aは、小径路291aに連続するとともに小径路291aから圧力調整室15cに向けて延びている。小径路291aと大径路292aとの間には、回転軸21の径方向に沿って延びる当接部293aが形成されている。
回転軸21には、回転軸21の軸内に形成され、回転軸21の外周面に開口するとともに第1軸内通路29aの大径路292aと斜板室24とを連通する排出通路21aが設けられている。排出通路21aは、第1軸内通路29aから回転軸21の径方向に沿って延びている。排出通路21aは、フランジ部21gに近接した位置に配置されている。
第1軸内通路29aの大径路292aの内部には、排出通路21aを開閉する柱状の弁体50が配置されている。弁体50は、第1軸内通路29aの内部を回転軸21の回転軸線方向に移動可能になっている。弁体50には、第1軸内通路29aにおける弁体50よりも制御圧室35側と第1軸内通路29aにおける弁体50よりも圧力調整室15c側とを連通する連通路51が形成されている。連通路51は、弁体50における制御圧室35側の端部に形成される絞り51sと、絞り51sに連通するとともに圧力調整室15cに向かうにつれて拡径していく拡径部51aと、拡径部51aよりも内径が大径であるとともに回転軸21の軸方向に延びる大径部51bとを有する。拡径部51aと大径部51bとの間には、回転軸21の径方向に延びる端面51cが形成されている。
弁体50は、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間をシールする端面シール部52を有する。端面シール部52は、弁体50における制御圧室35側の端面に形成されている。さらに、弁体50は、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部53を有する。外面シール部53は、弁体50の外周面全周に亘って形成されている。
第1軸内通路29aの内部には、排出通路21aを閉鎖する方向に弁体50を付勢する付勢部材としての付勢ばね54が配設されている。付勢ばね54の一端は端面51cに当接するとともに、他端は第1軸内通路29aの後端に圧入された環状のストッパ部材54aに当接している。弁体50は、付勢ばね54の付勢力によって当接部293aに向けて付勢されている。端面シール部52は当接部293aに当接可能になっている。
制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50に付与される荷重との合計よりも小さい場合がある。この場合、弁体50は、端面シール部52が当接部293aに当接している状態で位置決めされており、端面シール部52により、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間がシールされている。
一方、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50に付与される荷重との合計よりも大きくなる場合がある。この場合、弁体50は、端面シール部52が当接部293aから離れる方向へ移動する。そして、端面シール部52が、排出通路21aよりも圧力調整室15c側に位置するまで弁体50が移動すると、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとが連通する。
したがって、弁体50は、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力と制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力との差圧に基づき、排出通路21aを開閉する。
制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体50が、端面シール部52が当接部293aに当接している状態で位置決めされているときには、第2軸内通路29b、小径路291a、絞り51s、拡径部51a、大径部51b、大径路292a、ストッパ部材54aの内側を介して連通している。また、制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体50が、端面シール部52が当接部293aから離れる方向へ移動したときには、第2軸内通路29b、小径路291a、大径路292a、絞り51s、拡径部51a、大径部51b、ストッパ部材54aの内側を介して連通している。
図3に示すように、圧力調整室15cと吸入室15aとは抽気通路36を介して連通している。抽気通路36には制御機構としての電磁式の制御弁36sが設けられている。制御弁36sは、吸入室15aの圧力に基づき抽気通路36の開度を調整することが可能になっている。そして、制御弁36sにより、抽気通路36を流れる冷媒ガスの流量が調整され、圧力調整室15cの圧力が制御される。また、圧力調整室15cと吐出室15bとは給気通路37を介して連通している。給気通路37にはオリフィス37aが設けられており、給気通路37を流れる冷媒ガスの流量がオリフィス37aにより絞られている。
そして、吐出室15bから給気通路37、圧力調整室15c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給と、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介した吸入室15aへの冷媒ガスの排出とが行われる。これにより、制御圧室35の圧力が制御される。そして、制御圧室35と斜板室24との圧力差に伴って、移動体32が区画体31に対して回転軸21の軸方向に移動するようになっている。よって、制御圧室35に供給される冷媒ガスは、移動体32の移動制御を行うために用いられる制御ガスである。
制御弁36sの弁開度を増大させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が多くなる。これにより、圧力調整室15cの圧力が吸入室15aの圧力とほぼ等しくなり、制御圧室35の圧力も吸入室15aの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が少なくなることで、斜板23に作用する両頭ピストン25からの圧縮反力によって、斜板23が第3ピン43を介して移動体32を牽引し、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動する。
図4に示すように、移動体32の底部32aが区画体31に近づくように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで揺動する。この斜板23における第1揺動中心M1周りの揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gに接近する。これにより、斜板23の傾角が小さくなる。斜板23の傾角が小さくなると、両頭ピストン25のストロークが小さくなって吐出容量が減る。
制御弁36sの弁開度を減少させると、制御圧室35から第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出される冷媒ガスの流量が少なくなる。そして、吐出室15bから給気通路37、圧力調整室15c、第1軸内通路29a及び第2軸内通路29bを介した制御圧室35への冷媒ガスの供給が行われることで、制御圧室35の圧力が吐出室15bの圧力とほぼ等しくなる。よって、制御圧室35と斜板室24との圧力差が大きくなることで、移動体32が第3ピン43を介して斜板23を牽引しながら、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動する。
図1に示すように、移動体32の底部32aが区画体31から離間するように移動体32が移動すると、斜板23が第1揺動中心M1周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動する。この斜板23の第1揺動中心M1周りでの斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向の揺動に伴って、ラグアーム40が第2揺動中心M2周りで、斜板23の傾角減少時の揺動方向とは逆方向に揺動し、ラグアーム40がフランジ部21gから離間する。これにより、斜板23の傾角が大きくなり、両頭ピストン25のストロークが大きくなって吐出容量が増える。
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、圧力調整室15cの圧力を減少させるように圧力調整室15cの圧力を制御し、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力は、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力よりも高くなっている。
図5に示すように、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体50が排出通路21aを開放する方向に移動する。すなわち、端面シール部52が当接部293aから離れる方向へ弁体50が移動し、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとが連通する。
このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した冷媒ガスが制御圧室35内に存在する場合がある。この場合、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、回転軸21の遠心力によって、制御通路29における回転軸21の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、排出通路21aを介して斜板室24に排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒が吸入圧領域である斜板室24に素早く排出され、制御圧室35の圧力の変更がスムーズに行われる。その結果、斜板23の傾角の変更がスムーズに行われる。
また、弁体50が、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部53を有する。このため、例えば、可変容量型斜板式圧縮機10において吐出容量を増大させるために、制御圧室35の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室15cから制御通路29を通過する冷媒ガスが、排出通路21aを介して斜板室24に漏れてしまうことが抑制される。
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体50が排出通路21aを開放する方向に移動する。このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、回転軸21の遠心力によって、制御通路29における回転軸21の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、排出通路21aを介して斜板室24に排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒を斜板室24に素早く排出することができ、制御圧室35の圧力の変更をスムーズに行うことができる。その結果、斜板23の傾角の変更をスムーズに行うことができる。
(2)弁体50は端面シール部52を有している。これによれば、端面シール部52によって、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間をシールしつつも、弁体50における制御通路29の内部での回転軸21の回転軸線方向の位置決めをすることができる。
(3)弁体50は、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部53を有する。これによれば、制御圧室35の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室15cから制御通路29を通過する冷媒ガスが、排出通路21aを介して斜板室24に漏れてしまうことを抑制することができる。
(4)本実施形態では、可変容量型斜板式圧縮機10において吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50に付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50に付与される荷重との合計よりも大きくなると、弁体50が排出通路21aを開放する。よって、制御圧室35の冷媒ガスの一部が、排出通路21aを介して斜板室24にも排出されるため、排出通路21aが設けられていない構成に比べて、制御弁36sを通過する冷媒ガスの流量が少なくなる。したがって、制御弁36sの弁開度が小さくても、制御圧室35の圧力を減少させることができるため、制御弁36sを小型化することができる。
(第2の実施形態)
以下、可変容量型斜板式圧縮機を具体化した第2の実施形態を図6及び図7にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図6に示すように、リヤハウジング15における第2シリンダブロック13側の端面において、圧力調整室15cの周囲の部位には、第2弁・ポート形成体17を貫通して第2シリンダブロック13の第2大径孔13bに向けて突出する環状の突出部15fが形成されている。突出部15fの突出端面は、第2スラスト軸受27bに接触している。突出部15fの内周面と回転軸21の外周面との間には、斜板室24と圧力調整室15cとの間をシールするシール部材21sが設けられている。シール部材21sは、回転軸21の外周面に装着されている。
突出部15fの突出端面には、回転軸21の径方向に延びる第1溝部151fが形成されている。また、突出部15fの外周面には、第1溝部151fに連通するとともに回転軸21の軸方向に延びる第2溝部152fが形成されている。さらに、リヤハウジング15における第2シリンダブロック13側の端面には、回転軸21の径方向に延びる第3溝部153fが形成されている。第3溝部153fの一端は第2溝部152fに連通するとともに、他端は吸入室15aに連通している。
第2の実施形態の排出通路21aは、回転軸21における第1溝部151fに連通する位置に形成されている。よって、排出通路21aは、第1溝部151f、第2溝部152f及び第3溝部153fを介して吸入室15aに連通している。
第1軸内通路29aの大径路292aの内部には、排出通路21aを開閉する柱状の弁体60が配置されている。弁体60は、第1軸内通路29aの内部を回転軸21の軸方向に移動可能になっている。
弁体60には、第1軸内通路29aにおける弁体60よりも制御圧室35側と第1軸内通路29aにおける弁体60よりも圧力調整室15c側とを連通する連通路61が形成されている。連通路61は、弁体60における制御圧室35側の端部に形成される絞り61sと、絞り61sに連通するとともに絞り61sよりも内径が大径である中径部61aと、中径部61aに連通するとともに中径部61aよりも内径が大径である大径部61bとを有する。中径部61aと大径部61bとの間には、回転軸21の径方向に延びる端面61cが形成されている。
弁体60は、内側に中径部61aを形成する小径筒60aと、内側に大径部61bを形成する大径筒60bとを有する。弁体60の外面において、小径筒60aと大径筒60bとの間には、回転軸21の径方向に延びる段差部60cが形成されている。
第1軸内通路29aの大径路292aの内部において、小径筒60aの周囲には、円筒状のケース62が配置されている。ケース62には、排出通路21aに連通する連通孔62hが形成されている。ケース62は、連通孔62hと排出通路21aとが連通した状態で、第1軸内通路29aの大径路292aの内周面に対して位置決めされている。
第1軸内通路29aの大径路292aの内部において、ケース62よりも制御圧室35側には、ゴム製である環状の端面シール部材63aが配置されている。端面シール部材63aにおけるケース62側の内周縁には、弁体60における制御圧室35側の端部が着座可能になっている。
端面シール部材63aの外径は、第1軸内通路29aの大径路292aの内径よりも大きく設計されている。そして、端面シール部材63aは、第1軸内通路29aの大径路292aの内部に対して、弾性変形した状態で強制的に挿入されている。端面シール部材63aは、第1軸内通路29aの大径路292aの内部において、ケース62よりも制御圧室35側で、原形状に復帰しようとする復帰力によって、端面シール部材63aの外周面が大径路292aの内周面に押し付けられている。これにより、端面シール部材63aが第1軸内通路29aの大径路292aの内周面に対して位置決めされている。
第1軸内通路29aの大径路292aの内部において、ケース62よりも圧力調整室15c側であって、且つ弁体60の段差部60cよりも制御圧室35側には、ゴム製である環状の外面シール部材63bが配置されている。外面シール部材63bには、弁体60の段差部60cが着座可能になっている。
外面シール部材63bの外径は、端面シール部材63aと同様に、第1軸内通路29aの大径路292aの内径よりも大きく設計されている。そして、外面シール部材63bは、第1軸内通路29aの大径路292aの内部に対して、弾性変形した状態で強制的に挿入されている。外面シール部材63bは、第1軸内通路29aの大径路292aの内部において、ケース62よりも圧力調整室15c側であって、且つ弁体60の段差部60cよりも制御圧室35側で、原形状に復帰しようとする復帰力によって、外面シール部材63bの外周面が大径路292aの内周面に押し付けられている。これにより、外面シール部材63bが第1軸内通路29aの大径路292aの内周面に対して位置決めされており、外面シール部材63bにおける弁体60の小径筒60aに対する締め付け力がほとんど生じないようになっている。したがって、弁体60が回転軸21の軸方向に移動する際に、外面シール部材63bの内周面と弁体60の小径筒60aの外周面との間で摺動抵抗が生じ難くなっている。
第1軸内通路29aの内部には、排出通路21aを閉鎖する方向に弁体60を付勢する付勢部材としての付勢ばね64が配設されている。付勢ばね64の一端は端面61cに当接するとともに、他端はストッパ部材54aに当接している。弁体60は、付勢ばね64の付勢力によって端面シール部材63aに向けて付勢されている。
制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重が、制御通路29における絞り61sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重と、付勢ばね64の付勢力に基づく弁体60に付与される荷重との合計よりも小さい場合がある。この場合、弁体60は、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aにおけるケース62側の内周縁に着座した状態で位置決めされており、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間がシールされている。
また、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aにおけるケース62側の内周縁に着座した状態で位置決めされているとき、弁体60の段差部60cは、外面シール部材63bに着座している。これにより、圧力調整室15cと排出通路21aとの間がシールされている。したがって、外面シール部材63bは、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールしている。
図7に示すように、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重が、制御通路29における絞り61sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重と、付勢ばね64の付勢力に基づく弁体60に付与される荷重との合計よりも大きくなる場合がある。この場合、弁体60は、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aから離れる方向へ移動し、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとが連通孔62hを介して連通する。
制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体60が、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aに着座した状態で位置決めされているときには、第2軸内通路29b、小径路291a、絞り61s、中径部61a、大径部61b、大径路292a、ストッパ部材54aの内側を介して連通している。また、制御圧室35と圧力調整室15cとは、弁体60が、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aから離れる方向へ移動したときには、第2軸内通路29b、小径路291a、大径路292a、絞り61s、中径部61a、大径部61b、ストッパ部材54aの内側を介して連通している。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
吐出容量を減少させるために、制御圧室35の圧力を減少させる際には、制御弁36sの弁開度を増大させて、圧力調整室15cの圧力を減少させるように圧力調整室15cの圧力を制御し、制御圧室35の冷媒ガスを第2軸内通路29b、第1軸内通路29a、圧力調整室15c及び抽気通路36を介して吸入室15aへ排出させる。このとき、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側の圧力は、制御通路29における絞り61sよりも圧力調整室15c側の圧力よりも高くなっている。
制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重が、制御通路29における絞り61sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重と、付勢ばね64の付勢力に基づく弁体60に付与される荷重との合計よりも大きい場合がある。この場合、弁体60が排出通路21aを開放する方向に移動する。すなわち、弁体60における制御圧室35側の端部が端面シール部材63aから離れる方向へ弁体60が移動し、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとが連通孔62hを介して連通する。
このとき、制御圧室35の冷媒ガスが斜板室24内の冷媒ガスによって冷やされて凝縮し、液化した冷媒ガスが制御圧室35内に存在する場合がある。この場合、液化した液冷媒が、制御通路29に排出されるとともに、回転軸21の遠心力によって、制御通路29における回転軸21の径方向外側に飛ばされた液冷媒が、排出通路21a、第1溝部151f、第2溝部152f及び第3溝部153fを介して吸入室15aに排出される。よって、制御圧室35で液化した液冷媒が吸入圧領域である吸入室15aに素早く排出され、制御圧室35の圧力の変更がスムーズに行われる。その結果、斜板23の傾角の変更がスムーズに行われる。
また、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重が、制御通路29における絞り61sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体60に付与される荷重と、付勢ばね64の付勢力に基づく弁体60に付与される荷重との合計よりも小さい場合がある。この場合、弁体60の段差部60cは、外面シール部材63bに着座しており、圧力調整室15cと排出通路21aとの間がシールされている。このため、例えば、可変容量型斜板式圧縮機10において吐出容量を増大させるために、制御圧室35の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室15cから制御通路29を通過する冷媒ガスが、排出通路21aから第1溝部151f、第2溝部152f及び第3溝部153fを介して吸入室15aに漏れてしまうことが抑制される。
第2の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(5)制御通路29の内部には、弁体60が着座することで、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間をシールする端面シール部材63aが設けられている。これによれば、端面シール部材63aによって、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間を好適にシールすることができる。
(6)制御通路29の内部には、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部材63bが設けられている。これによれば、制御圧室35の圧力を増大させる制御を行う際に、圧力調整室15cから制御通路29を通過する冷媒ガスが、排出通路21aから第1溝部151f、第2溝部152f及び第3溝部153fを介して吸入室15aに漏れてしまうことを外面シール部材63bによって抑制することができる。
(7)外面シール部材63bは、原形状に復帰しようとする復帰力によって、外面シール部材63bの外周面が大径路292aの内周面に押し付けられることで、第1軸内通路29aの大径路292aの内周面に対して位置決めされている。これにより、外面シール部材63bにおける弁体60の小径筒60aに対する締め付け力がほとんど生じないようになっている。したがって、弁体60が回転軸21の軸方向に移動する際に、外面シール部材63bの内周面と弁体60の小径筒60aの外周面との間で摺動抵抗が生じ難く、弁体60をスムーズに移動させることができる。
なお、上記各実施形態は以下のように変更してもよい。
○ 図8(a)及び(b)に示すように、弁体50Aは、外面シール部55を有していてもよい。制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50Aに付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50Aに付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50Aに付与される荷重との合計よりも小さいときがある。この場合、外面シール部55における制御圧室35側の端部は、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間をシールしている。また、弁体50Aは、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする端面シール部56を有していてもよい。
制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側の圧力に基づく弁体50Aに付与される荷重が、制御通路29における絞り51sよりも圧力調整室15c側の圧力に基づく弁体50Aに付与される荷重と、付勢ばね54の付勢力に基づく弁体50Aに付与される荷重との合計よりも大きくなる場合がある。この場合、弁体50Aが排出通路21aを開放する方向に移動する。すなわち、外面シール部55が排出通路21aよりも圧力調整室15c寄りに配置されるまで弁体50Aが移動し、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとが連通する。
○ 図8(a)及び(b)に示す実施形態において、端面シール部56の代わりに、弁体50Aは、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部を有していてもよい。
○ 第1の実施形態において、弁体50に、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部53が無くてもよい。
○ 第1の実施形態において、弁体50に端面シール部52が無く、代わりに、制御通路29の内部に、弁体50が着座することで、制御通路29における絞り51sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間をシールする端面シール部材が設けられていてもよい。
○ 第1の実施形態において、弁体50に外面シール部53が無く、代わりに、制御通路29の内部に、圧力調整室15cと排出通路21aとの間をシールする外面シール部材が設けられていてもよい。
○ 第1の実施形態の弁体50において、第1軸内通路29aにおける弁体50よりも制御圧室35側と第1軸内通路29aにおける弁体50よりも圧力調整室15c側とを連通する連通路51全体が絞りとなっていてもよい。
○ 第2の実施形態において、端面シール部材63aが、弁体60における制御圧室35側の端部に取り付けられていてもよい。そして、端面シール部材63aが、当接部293aに当接することにより、制御通路29における絞り61sよりも制御圧室35側と排出通路21aとの間がシールされるようにしてもよい。
○ 第2の実施形態において、外面シール部材63bが、弁体60の小径筒60aの外周面に取り付けられていてもよい。この場合、弁体60の小径筒60aの外周面と第1軸内通路29aの大径路292aの内周面との間が外面シール部材63bによってシールされることにより、制御通路29における弁体60よりも圧力調整室15c側と排出通路21aとの間がシールされる。
○ 上記各実施形態において、アクチュエータ30は、制御圧室35の圧力が吸入室15aの圧力とほぼ等しくなることで、斜板23の傾角が大きくなるように移動体32が移動するとともに、制御圧室35の圧力が吐出室15bの圧力とほぼ等しくなることで、斜板23の傾角が小さくなるように移動体32が移動する構成であってもよい。すなわち、アクチュエータ30は、吐出容量を増大させるために、制御圧室35の圧力が減少する構成であってもよい。
○ 上記各実施形態において、圧力調整室15cと吐出室15bとを連通する給気通路37上に電磁式の制御弁が設けられており、圧力調整室15cと吸入室15aとを連通する抽気通路にオリフィスが設けられている構成であってもよい。
○ 上記各実施形態において、可変容量型斜板式圧縮機10は、両頭ピストン25を採用した両頭ピストン型斜板式圧縮機であったが、片頭ピストンを採用した片頭ピストン型斜板式圧縮機であってもよい。
○ 上記各実施形態において、クラッチを介して外部駆動源から駆動力を得るようにしてもよい。
10…可変容量型斜板式圧縮機、11…ハウジング、12…シリンダブロックとしての第1シリンダブロック、12a…シリンダボアとしての第1シリンダボア、13…シリンダブロックとしての第2シリンダブロック、13a…シリンダボアとしての第2シリンダボア、14a,15a…吸入圧領域である吸入室、14b,15b…吐出圧領域である吐出室、15c…圧力調整室、21…回転軸、21a…排出通路、23…斜板、24…吸入圧領域である斜板室、25…ピストンとしての両頭ピストン、29…制御通路、30…アクチュエータ、31…区画体、32…移動体、35…制御圧室、36s…制御機構としての制御弁、50,50A,60…弁体、51,61…連通路、51s,61s…絞り、52…端面シール部、53…外面シール部、54,64…付勢部材としての付勢ばね、63a…端面シール部材、63b…外面シール部材。

Claims (5)

  1. 吸入圧領域、吐出圧領域、及び複数のシリンダボアが形成されたシリンダブロックを有するハウジングと、
    前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
    前記回転軸からの駆動力を得て回転して前記回転軸の回転軸線方向に対して傾動可能な斜板と、
    前記シリンダボアに往復動可能に収納され、前記斜板に係留されるピストンと、
    前記斜板の傾角を変更可能なアクチュエータと、を備え、
    前記アクチュエータは、
    前記回転軸に設けられる区画体と、
    前記回転軸線方向に移動可能な移動体と、
    前記区画体と前記移動体とによって区画され、内部の圧力によって前記移動体を移動させる制御圧室と、を備え、
    前記ハウジングには、前記吸入圧領域と前記吐出圧領域とに連通する圧力調整室が形成されており、
    前記回転軸には、前記回転軸の軸内に形成され、前記制御圧室と前記圧力調整室とを連通する制御通路が形成されており、
    前記圧力調整室の圧力を制御する制御機構を備え、
    前記制御機構によって前記圧力調整室に導入される前記吸入圧領域及び前記吐出圧領域の圧力が制御されることにより、前記移動体の前記回転軸線方向への移動に伴い、前記斜板の傾角が変更されて、前記ピストンが前記斜板の傾角に応じたストロークで往復動する可変容量型斜板式圧縮機であって、
    前記回転軸には、前記回転軸の軸内に形成され、前記回転軸の外周面に開口するとともに前記制御通路と前記吸入圧領域とを連通する排出通路が設けられ、
    前記制御通路の内部を前記回転軸線方向に移動可能であるとともに前記排出通路を開閉する弁体と、
    前記排出通路を閉鎖する方向に前記弁体を付勢する付勢部材と、
    前記弁体に形成されるとともに前記制御通路における前記弁体よりも前記制御圧室側と前記制御通路における前記弁体よりも前記圧力調整室側とを連通する連通路と、を備え、
    前記連通路の少なくとも一部が絞りになっており、
    前記弁体は、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側の圧力と前記制御通路における前記絞りよりも前記圧力調整室側の圧力との差圧に基づき、前記排出通路を開閉することを特徴とする可変容量型斜板式圧縮機。
  2. 前記弁体は、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側と前記排出通路との間をシールする端面シール部を有していることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  3. 前記弁体は、前記圧力調整室と前記排出通路との間をシールする外面シール部を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  4. 前記制御通路の内部には、前記弁体が着座することで、前記制御通路における前記絞りよりも前記制御圧室側と前記排出通路との間をシールする端面シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
  5. 前記制御通路の内部には、前記圧力調整室と前記排出通路との間をシールする外面シール部材が設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項4に記載の可変容量型斜板式圧縮機。
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