JP2018076806A - 往復動ポンプ - Google Patents

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Abstract

【課題】公知の往復揺動式ポンプではコンロッドとピストンが一体であるため、ピストンは直線往復運動ができず、揺動しながら往復運動をしていた。また揺動運動をしながら摺動するため、シールのシール性と耐久性に問題があった。【解決手段】本発明ではコンロッドの一部を弾性体にすることにより、コンロッド偏芯ピン側は偏芯回転運動に対応しながらピストン側は往復直線運動をさせることによって、シール性を高めつつ長寿命のポンプの実現を可能にした。【選択図】図5

Description

この発明は、小型往復動式ポンプに関する。
図1、図2において、無給油の往復揺動式ポンプが提案されているが、部品点数を減らすため、コンロッドとピストンを一体とした構造としている。そしてコンロッドとピストンが一体であるためにピストンは直線往復運動ができず、揺動しながら往復運動をしていた。このような動きに対応するため従来技術ではシールが変形することで対応しており、またシールは摺動材を兼ねている。また揺動運動をするため、図15に示すようなシール部を複数設けることができない。そして一般に性能はピストンリング式に比較して低い。また揺動運動及び直線運動という複合的な運動で、シール部材が摺動部材を兼用しているため耐久上の問題もあり、現行以上の効果的なシール構造とすることは困難であった。
特許第0905735号公報 特開平06−050273号公報
前記のように、公知のものではコンロッドとピストンが一体であるためにピストンは直線往復運動ができず、揺動しながら往復運動をしていた。また揺動運動しながら往復直線運動をするため、シール部材の性能及び耐久性に問題があった。
この問題を解決するため、本発明ではシリンダの一端部側に設けられた流体流入口および流体流出口と前記シリンダに対して直線往復運動するピストンと回転駆動する駆動軸と、駆動軸と平行で所定量偏芯した偏芯ピンと、前記偏芯ピンと前記ピストンとをコンロッドにより連結する。そしてコンロッドの一部を弾性体にすることによりコンロッドの偏芯ピン側は偏芯回転運動をするがピストンは往復直線運動をさせることができる。このためコンロッドは要部を弾性体で構成し、一体とすることでピストンを往復直線運動させることを可能とする。また、このコンロッドは圧縮に対しては剛性を持ちながら偏芯ピンの公転に対しては可撓性を持たせる。このことにより、ピストンは往復直線運動をしながら圧縮による力に対応させることが可能となる。
本発明では弾性体がこの変形に対応することでピストンは往復直線運動をすることを可能としたものである。このピストンを往復直線運動させることによって、ピストンのシールのシール性を高め且つ耐久性を持ったシールとすることが可能となる。
前記弾性体は、圧力による力を受ける方向には剛性を持ち、回転方向には可撓性を持つ性質であるものが最適である。
その性質を持つものは、実施形態1として例えば図5に示す板状バネがある。
図7、図8、図9、図10に基づき本発明によるポンプの構成と動作について説明をする。偏芯ピンは図に向かって右回転をするものとする。
・ 下死点位置(図7)では板状バネは変形せず真直状態を保持する。また、ポンプとしては吸入状態でありシリンダ内の圧力は吸入側と同じであるので、吸入圧力が大気圧であるとすれば板状バネは圧縮室内の圧力による力を受けない。
・ 圧縮行程(図8)では圧縮室内の圧力は圧縮により上昇を始め、板状バネは圧縮圧力による力を受け始めなおかつ偏芯ピンの公転によって駆動軸の回転中心から移動を始めるため、板状バネの偏芯ピン側は偏芯ピンの公転に対応しつつピストン側は直線運動をするため、圧縮室13を圧縮する側に移動をする。このため右側に凸になりながら圧縮による力を受けつつ移動をし、変形の最大値を超えると真直に戻る方向になり偏芯ピンが上死点に達したとき板状バネは真直に戻る
・ 吸入行程(図10)ではシリンダ内の圧力は大気圧の状態を保った状態でピストンは下死点まで移動するがこのとき板状バネは圧縮行程とは逆に左側に凸になりながら移動をし、圧縮行程と同様に変形の最大値を超えると真直に戻る方向になり偏芯ピンが下死点に達したとき板状バネは真直に戻る。ただし吸入行程では圧縮行程とは違って圧縮室内圧力は大気圧となるので、圧力による力は受けない。
従って板状バネに求められる性質は直動方向に対しては圧縮圧力による力に負けない剛性を持ち、直動方向に直交する方向に対しては偏芯ピンの公転による変形に対応する弾性を持つことが必要である。
実施形態2(図11)として前記板状バネに加えて圧縮圧力に対する補助力として圧縮コイルバネを付加する形態がある。実施形態1に比べて圧縮圧力による力を板状バネと圧縮コイルバネで分担するため板状バネの負担を軽くする効果がある。
実施形態3(図12)として円柱ゴムで対応する形態がある。円柱ゴムは圧縮圧力による力に対応すると同時に直動方向に直交する方向に対して対応する弾性も持っているため実施形態の一つとすることができる。
実施形態4(図13)として中空円柱または角柱ゴムの中に棒状金属を配置した形態がある。
実施形態3の効果に加えて圧縮圧力による力に対応する効果を高める形態となる。
実施形態5(図14)として圧縮コイルバネの内側に棒状金属を配置した形態がある。
実施形態4と同様の効果がある形態となる。
ピストンを往復直線運動させることでピストンシールを変形させずに、シールを可能とすることができるため図15のように2重シールあるいは図16のように直動シールとすることができるため、シール効果が高く長寿命のシールとすることができる。
公知技術の正面断面図を示す。 公知技術の側面断面図を示す。 本発明の正面図を示す。 本発明の側面図を示す。 本発明の正面断面図を示す。 本発明の側面断面図を示す。 本発明の下死点位置図を示す。 本発明の圧縮行程図を示す。 本発明の上死点位置図を示す。 本発明の吸入行程図を示す。 本発明の弾性体として板状バネと圧縮コイルバネの併用図を示す。 本発明の弾性体として円柱ゴムを使用した場合の併用図を示す。 本発明の弾性体として中空円柱ゴムと棒状金属バネ併用図を示す。 本発明の弾性体として圧縮コイルバネと棒状金属バネの併用図を示す。 本発明の2重シール取付け状態図を示す。 本発明の両側に摺動部材を配置し、間にシール部材を配置した図を示す。 本発明のピストンに加わる圧力の図を示す。 本発明のピストンに加わる圧力による力とシリンダに加わる側圧の図を示す。 公知技術のピストンシールとシリンダ間の圧力の図を示す。 本発明の二重のピストンシールとシリンダ間の圧力の図を示す。
以下、本発明の実施の形態を図3〜図10、図13〜図20に基づいて説明する。
図1において、従来のピストン一体型コンロッド26ではピストンは直動ができず揺動運動をしながら上下運動をする。従ってピストンシール25はシリンダとピストンの金属同士の接触を防ぐための摺動材としての役割とシリンダとの密閉を保つためのシールとしての役割を持ち、常に変形をしながら運動をすることになり厳しい条件に晒された状態で稼働することとなる。従って摺動条件が厳しく摩耗が速くシールおよび摺動材としての寿命が短い。これに対して本発明のポンプでは図5、図6に示すようにコンロッドを弾性体例えば板状バネとすることにより回転に対しては柔軟性を持ち、直動方向に対しては剛性を持つことによりコンロッド一体型ピストンとは異なり、ピストンを往復直線運動させることが可能になったことで図15に示すようにシールを2連とすることができ、また図19・図20に示すようにシール部材1個当たりの面圧を減少させられるので、シール効果が高く摺動材の面圧を下げ寿命を長期化させることができるようにしたものである。
図11に示す実施形態では弾性体に板状バネ33と圧縮コイルバネ32を併用することにより圧縮コイルバネ32が板状バネ33を補助することで圧力による力が大きな場合でも抗することを可能とするものである。
図12に示す実施形態では弾性体に円柱ゴム34を使用したもので、板状バネの代替としたものである。
図13に示す実施形態では弾性体に中空円柱ゴム35と棒状金属36を併用したもので、棒状金属36で圧縮方向に対しての剛性を持たせるが回転方向に対しては柔軟性を持たせる。そして中空円柱ゴム35で圧縮方向の補助と回転方向の柔軟性を持たせる構造としたものである。
図14に示す実施形態では弾性体に圧縮コイルバネ32と棒状金属36を併用したもので、棒状金属36で圧縮方向に対しての剛性を持たせるが回転方向に対しては柔軟性を持たせる。圧縮コイルバネ32が棒状金属36で圧縮方向の補助と回転方向の柔軟性を担わせる構造としたものである。
本発明のポンプではコンロッドを弾性体とすることによりピストンを往復直線運動させることで図5、図15、図16に示すシールの構造が可能となり、シール性能に優れ、且つ超長期の寿命を持ったシールとすることが可能となる。
図16に示すようにピストン両端に摺動部材を配置し、両摺動部材の間にシール部材を配置することによりピストンは一層安定した直線運動をすることになってシール効果を高めることが出来る。
本発明のポンプではコンロッドを弾性体とすることによりピストンを往復直線運動させることで摺動部材の面圧を低くすることで摺動部材の摩耗を減らし、摺動部材の摩耗によるピストンとシリンダ内壁との接触を防止することができ、摺動部材の摩耗を減らすことでポンプの長期寿命を可能にできる。
図18に示すように本発明の弾性体形ピストンでは弾性体が側圧S2を和らげる効果があるので、側圧は公知のものに比べて小さくできるため側圧による摺動部材の摩耗を小さくできることによりポンプの寿命を長期化することが可能となる。
図1に公知の構造を示す。公知のものではシール部材はピストンの動き、即ち揺動運動をするためシール部材も揺動運動をすることとなる。それに対して本発明によれば、ピストンの動きを往復直線運動とすれば図20のようにシール部材を2連あるいは3連とすることができ、一つのシール部材が受け持つ圧力を減少させることができ、なお且つ一つのシール部材が受け持つ摺動部の側圧S2を減少させることもできるため、シール部材及び摺動部材としての寿命を延ばすことが可能となる。それによりシール性を高めてなお且つ一つの部材が受け持つ圧力及び側圧を減少させることができるため長寿命とすることが可能となる。また、ピストンの動きを往復直線運動にすることにより図16に示すような非接触シールとすることで全く摩耗しないシール部材とすることも可能となるため、超長期寿命のポンプの提供ができる。
本発明によれば、構造が簡単なままピストンの動きを揺動複合運動から往復直線運動にすることによって揺動複合運動ではできなかったシール部材のシール性と耐久性を大幅に高め、同時に超長寿命のポンプを提供することが可能となるため、医療機器等停止することが許されず連続運転が必要な用途を初め産業上の利用性が向上する。
1 バルブカバー部
2 シリンダ部
3 駆動部
4 バルブカバー
5 吸入口
6 吐出口
7 バルブプレート
8 吸入流路
9 吐出流路
10 吸入バルブ
11 吐出バルブ
12 シリンダ
13 圧縮室
14 ピストン
15 摺動部材
16 シール部材
17 板状バネ
18 コンロッド回転部
19 ベアリング
20 偏芯ピン
21 駆動軸受け
22 ベアリング
23 軸受押え
24 駆動軸
25 L形シール
26 コンロッド
27 ケース
28 第一シール
29 第二シール
30 第一摺動部材
31 第二摺動部材
32 圧縮コイルバネ
33 板状バネ
34 円柱ゴム
35 中空円柱ゴム
36 棒状金属バネ
37 シール押え
38 カバープレート






Claims (5)

  1. 内周面が円筒状をなすシリンダと、
    前記シリンダ一端部側に設けられた流体流入口及び流体流出口と、外周面が円筒状をなし、一端部側に摺動部材を設け、気密を保持するためのシール部材を設けたピストンと、回転駆動する駆動軸と、駆動軸と平行で所定量偏芯した偏芯ピンと、前記偏芯ピンと前記ピストンとを弾性体により連結して駆動軸の回転を前記ピストンの往復直線運動に変換することにより流体を吸入圧縮して吐出することを特徴とする往復動ポンプ。
  2. 前記弾性体はピストンの往復動方向に対しては剛性を有し、往復動方向と交差する方向に対しては可撓性を有することを特徴とする請求項1記載のポンプ。
  3. ピストンに装着摺動とシールを兼用するL形シールを複数にしたピストンで請求項1記載のポンプ。
  4. ピストンに装着するシール部材及び摺動部材に於いて摺動部材を吸排気に近い側及び遠い側に配置し、シール部材を両摺動部材の間に配置したピストンで請求項1記載のポンプ。
  5. ピストンに装着するシール部材及び摺動部材に於いて摺動部材を吸排気に近い側に、配置しシール部材を吸排気とは遠い側に配置したピストンで請求項1記載のポンプ。
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