JP7209135B2 - 往復動ポンプ - Google Patents
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Description
そして、図1、図2に示す無給油の往復動ポンプが提案されている。しかし前記したように部品点数を減らすため、コンロッドとピストンを一体とした構造としている。しかしコンロッドとピストンが一体であるためにピストンは直線往復運動ができず、揺動しながら往復運動をしていた。このような動きに対応するため、従来技術ではシールが変形することで対応しており、またシールは摺動部材を兼ねている。また揺動運動をするため、図18に示すようなシール部を複数設けることができない。そして一般に性能はピストンリング式に比較して低い。また揺動運動及び直線運動という複合的な運動で、シール部材が摺動部材を兼用しているため耐久上の問題もあり、現行以上の効果的なシール構造とすることは困難であった。
・下死点位置(図9)ではコンロッド及びワイヤーは変形せず真直状態を保持する。また、ポンプとしては吸入状態でありシリンダ内の圧力は吸入側と同じであるので、吸入圧力が大気圧であるとすればコンロッド及びワイヤーは圧縮室内の圧力による力を受けない。
・圧縮行程(図10)では圧縮室内の圧力は圧縮により上昇を始め、ピストンは圧縮圧力による力を受け始め、尚且つ偏芯ピンの公転によって駆動軸の回転中心から移動を始めるため、コンロッドの偏芯ピン側は偏芯ピンの公転に対応しつつピストンは直線運動をする。この動きに対応するためコンロッドとワイヤーの連結部は複雑な運動をする。即ち、コンロッドのワイヤー連結部は偏心ピンを中心に揺動運動をすると共にワイヤーのピストン側の連結部は直線運動をする。従って、コンロッドとワイヤーの連結部はコンロッドの偏芯ピン側を中心とする揺動運動をするとともに、ワイヤーのピストン側の直線運動を同時に行う。このときワイヤーは圧縮圧力による力により引っ張りを受けると同時に直線運動方向と直線運動方向に交差する方向に移動し、コンロッドは圧縮圧力による力による圧縮を受ける。そして連結部はその双方のバランスする位置に移動する。ワイヤーは圧縮圧力の力により引張力を受けるため僅かに右側に湾曲するが、湾曲するよりも直線になろうとする力が勝り、且つコンロッドの偏芯ピン側は回転自在のためほぼ直線の状態で移動をする。そして偏芯ピンが上死点に達した時、ピストン、ワイヤー、コンロッドはシリンダ中心線上に戻る。そしてピストンのワイヤー連結部には圧縮圧力の力による圧縮応力が発生する。従って、ワイヤーには圧縮圧力による力ではなく引っ張りとわずかな曲げが発生するのみのため、長期の運転にも耐久性は十分に維持することが可能である。
・吸入行程(図12)ではシリンダ内の圧力は大気圧の状態を保った状態でピストンは下死点まで移動するが、コンロッドと吸入行程用ワイヤー(17)は圧縮行程とは逆に右に凸になりながら移動をし、圧縮行程と同様に変形の最大値を超えると真直に戻る方向になり、偏芯ピンが下死点に達した時ピストン、ワイヤー、コンロッドはシリンダ中心線上に戻る。ただし、吸入行程では圧縮行程とは違って圧縮室内の圧力は大気圧となるので圧力による力は受けない。そしてワイヤーも圧力による力は受けない。本発明では吸入行程用ワイヤー(17)を設けているが摺動材の摩擦抵抗のためその力は小さい。圧縮圧力による力はコンロッド及びピストンは受けるが、ワイヤーは引っ張りとわずかな曲げを受けることになり、構造上の問題はない。またワイヤーを使用することで摺動材が受ける側圧は極めて小さくできるため、本発明のものでは側圧による摺動材の摩耗をほとんど無視できるため、摺動材の寿命を長期化することが可能となる。
実施形態2(図13、図14)としてワイヤーの代わりに板バネ(18)を使用することができる。
動作及び役割は前記のワイヤーと同じで、板バネは引っ張りと曲げを受ける。
実施形態3(図7、図8)としてワイヤーの代わりに鋼線または炭素繊維等を使用することができる。
動作及び役割はほぼ前記のワイヤーと同じで、鋼線または炭素繊維は引っ張りと曲げを受ける。
図1に於いて、従来のピストン一体型コンロッド(30)ではピストンは直線運動ができず、揺動運動をしながら直線運動をする。従って、ピストンシール(29)はシリンダとピストンの金属同士の接触を防ぐための摺動材としての役割とシリンダとの密閉を保つためのシールとしての役割を持ち、常に変形をしながら運動をすることになり厳しい条件に晒された状態で稼働することになる。従って摺動条件が厳しく摩耗が早くシール及び摺動材としての寿命が短い。これに対して本発明のポンプでは図5、図7、図13に示すようにコンロッドとピストンを例えばワイヤー、板バネあるいは鋼線で弾性的に連結することによってコンロッドとしては回転に対しては柔軟性を持ち、直動方向に対しては剛性を持つことによりコンロッド一体型ピストンとは異なり、ピストンを往復直線運動させることが可能になったことで図18に示すようにシールを2連とすることができ、図20、図21に示すようにシール部材1個当たりの面圧を減少させられるので、シール効果が高く摺動材の面圧を下げ、寿命を長期化させることができるようにしたものである。
また、ピストンの動きを往復直線運動にすることにより図19に示すような非接触シールとすることで全く摩耗しないシール部材とすることも可能となるため、超長期寿命のポンプの提供ができる。
また、図3、図4に示すように公知のコンロッド分離型のピストンでは部品点数が多くなって複雑になるとともに、コストの増大につながる。
本発明によれば、構造が簡単なままピストンの動きを揺動複合運動から往復直線運動にすることにより揺動複合運動ではできなかったシール部材のシール性と耐久性を大幅に高め、同時に長寿命のポンプを提供することが可能となるため、医療機器等停止することが許されず連続運転が必要な用途を初め産業上の利用性が向上する。
1 ケース
2 バルブカバー
3 吸入口
4 吐出口
5 バルブプレート
6 吸入流路
7 吐出流路
8 吸入バルブ
9 吐出バルブ
10 シリンダ
11 圧縮室
12 ピストン
13 摺動部材
14 シール部材
15 コンロッド
16 圧縮行程ワイヤー
17 吸入行程ワイヤー
18 板バネ
19 鋼線
20 ピストンピン式コンロッド
21 ベアリング
22 ピストンピン
23 ピストンシール
24 軸受
25 偏芯ピン
26 駆動軸受
27 軸受押え
28 駆動軸
29 L形シール
30 コンロッド一体型ピストン
31 第一シール
32 第二シール
33 第一摺動部材
34 第二摺動部材
35 シール押え
36 カバープレート
Claims (4)
- 内周面が円筒状をなすシリンダと、
前記シリンダ一端部側に設けられた流体流入口及び流体流出口と、外周面が円筒状をなし、一端部側に摺動部材を設け、気密を保持するためのシール部材を設けたピストンと、回転駆動する駆動軸と、駆動軸と平行で所定量偏芯した偏芯ピンと、前記偏芯ピンと連結したコンロッド基部、前記コンロッド基部と連結した弾性中間部材、弾性中間部材と連結したピストンで構成し、前記弾性中間部材はピストンの往復動方向に対しては剛性を有し、往復動と交差する方向に対しては可撓性を有し、前記ピストンを弾性的に連結して駆動軸の回転を前記ピストンの往復直線運動に変換することにより気体を吸入圧縮して吐出する往復動ポンプであって、次のA,B及びCの各特徴を更に備える往復動ポンプ。
A 前記弾性中間部材は、コンロッドからピストンの方に向かって伸び、端部に第1の連結部を含む第1の中間部材と、ピストンからコンロッドの方に向かって伸び、端部に第2の連結部を含む第2の中間部材と、それら第1の中間部材と第2の中間部材とを連結する連結部材とを備える。
B 前記連結部材は、ピストンの圧縮作動時に、引っ張り力によってピストンの圧縮動作を行う。
C 前記第1の連結部及び前記第2の連結部は、前記ピストンの軸線方向上に位置する。 - 前記連結部材は、板バネ及び直線状の部材を含み、前記直線状の部材は、ワイヤー、ひも状の部材のいずれかである請求項1の往復動ポンプ。
- シール部材及び摺動部材については、次の構成のいずれか一つの配置とすることができる、請求項1の往復動ポンプ。
a)ピストンに装着する摺動とシールを兼用するL形シールを複数にしたもの。
b)ピストンに装着するシール部材及び摺動部材において摺動部材を吸排気に近い側及び遠い側に配置し、シール部材を両摺動部材の間に配置したもの。
c)ピストンに装着するシール部材及び摺動部材において摺動部材を吸排気に近い側に配置し、シール部材を吸排気とは遠い側に配置したもの。
d)ピストンに装着するシール部材及び摺動部材においてシール部材を吸排気に近い側に配置し、摺動部材を吸排気とは遠い側に配置したもの。 - 前記ピストンは一つである、請求項1の往復動ポンプ。
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2018
- 2018-11-09 JP JP2018211446A patent/JP7209135B2/ja active Active
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