JP2018076553A - 防食皮膜の形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大型の冷凍機で銅チューブの内面に防食皮膜を確実に効率よく形成できる防食皮膜の形成方法の提供。【解決手段】冷凍機30と、冷却塔40a〜dと、冷凍機と冷却塔とを接続する主往管10及び主還管20と、冷凍機と主往管を接続する枝往管50と、冷凍機と主還管を接続する枝還管と、冷凍機と冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプ70を有する循環冷却水系統において冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法で、枝往管と枝還管との間にバイパス管90を取り付け、冷凍機と枝往管とバイパス管と枝還管とを巡る循環路を形成し、冷凍機が交換後に、循環路に銅用防食剤を注入し、冷却水ポンプを、冷却塔に冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で駆動させ、冷却塔に銅用防食剤を循環させずに、循環路に銅用防食剤を循環させ、バイパス管の呼び径を、銅用防食剤の流速がバイパス管を浸食しない値に設定する方法。【選択図】図1

Description

本発明は、防食皮膜の形成方法に関する。
冷凍機には、水を冷却するために熱交換器が組み込まれており、その内部には、銅製の伝熱チューブ(以下「銅チューブ」という。)が用いられている。銅チューブの内面には、冷却水による腐食を防止するために、防食皮膜が形成される(例えば、特許文献1参照)。
ところで、銅チューブの内面には、製造段階で付着した油分、カーボン、埃等の付着物が残存している場合がある。銅チューブの内面に付着物が残存していると、銅チューブの内面に防食皮膜を形成する際、防食皮膜が形成されない部分や防食皮膜の厚みが薄い部分が生じ、均一な防食皮膜を形成できない場合がある。この場合、防食皮膜が形成されていない部分や防食皮膜の厚みが薄い部分が起点となり、銅の腐食が進行する虞がある。
そこで、従来、冷凍機を含む循環冷却水系統の全系に銅用防食剤を注入し、循環冷却水系統に設けられた冷却水ポンプを動作させ、循環冷却水系統の全系に銅用防食剤を循環させることで、銅チューブの内面に防食皮膜を形成している。
また、循環冷却水系統の全系に銅用防食剤を循環させるのではなく、冷凍機のみに銅用防食剤を注入することで、冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成している。この方法では、仮設タンクを用いて銅用防食剤を調整し、調整された銅用防食剤を仮設ポンプにより冷凍機に注入する。
特開2008−248303号公報
しかしながら、循環冷却水系統の全系に銅用防食剤を循環させる方法では、循環冷却水系統が大型である場合、銅用防食剤の使用量が著しく多くなり、防食皮膜の形成に要する時間も著しく長くなる。
また、冷凍機のみに銅用防食剤を注入する方法では、銅用防食剤を調整し、冷凍機に注入するための仮設タンクや仮設ポンプを別途用意する必要がある。一般に、仮設ポンプは循環冷却水系統に設けられた冷却水ポンプと比較して能力が低いため、冷凍機のサイズが大きい場合には、銅チューブの内部のエア溜りを除去できず、銅チューブの内面に防食皮膜を均一に形成できない虞がある。
そこで、上記課題を鑑み、大型の冷凍機であっても銅チューブの内面に防食皮膜を確実にかつ効率よく形成することが可能な防食皮膜の形成方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る防食皮膜の形成方法は、複数の冷凍機と、冷却塔と、前記複数の冷凍機と前記冷却塔とを接続する主往管及び主還管と、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機と前記主往管とを接続する枝往管と、前記一つの冷凍機と前記主還管とを接続する枝還管と、前記複数の冷凍機と前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する循環冷却水系統において前記冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、前記枝往管と前記枝還管との間にバイパス管を取り付けて、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機と前記枝往管と前記バイパス管と前記枝還管とを巡る循環路を形成するステップと、当該一つの冷凍機が交換された後に、前記循環路に銅用防食剤を注入するステップと、前記冷却水ポンプを、前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で駆動させるステップと、前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、前記バイパス管の呼び径を、前記バイパス管を通る銅用防食剤の流速が前記バイパス管を浸食しない程度の値となるように設定するステップと、を含む。
本発明の他の態様に係る防食皮膜の形成方法は、冷凍機と、冷却塔と、前記冷凍機と前記冷却塔とを接続する往管及び還管と、前記冷凍機と前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する循環冷却水系統において前記冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で前記冷却水ポンプを駆動させるステップと、前記往管と前記還管との間に取り付けられるバイパス管により形成される、前記往管と前記冷凍機と前記還管と前記バイパス管とを巡る循環路に銅用防食剤を注入するステップと、前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、を含む。
前記バイパス管は前記銅用防食剤を前記循環路に循環させた後に取り外されても良い。
開示の防食皮膜の形成方法によれば、冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を効率よく確実に形成することができる。
本発明の一実施形態に係る循環冷却水系統の概略図 ターボ式冷凍機の一例の概略図 本発明の一実施形態に係る防食皮膜の形成方法を説明するためのフローチャート
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の構成については、同一の符号を付することにより重複した説明を省く。
(循環冷却水系統)
まず、一実施形態に係る循環冷却水系統について、図1に基づき説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る循環冷却水系統の概略図であり、例えば大規模ビルや複数のビルの空調等に用いられる循環冷却水系統を示している。また、図1中、矢印は冷却水の流れる方向を表している。また、図1においては、説明の便宜上、複数の冷凍機のうちの1つの冷凍機30のみを示し、他の冷凍機の図示を省略している。
図1に示されるように、循環冷却水系統1は、主往管10と、主還管20と、冷凍機30と、冷却塔40と、枝往管50と、枝還管60と、冷却水ポンプ70と、オートストレーナ80と、バイパス管90とを有する。循環冷却水系統1では、冷却塔40内において降温した冷却水は、主往管10及び枝往管50を通って冷凍機30内に供給され、冷凍機30内において熱交換される。熱交換によって昇温した冷却水は、枝還管60及び主還管20を通って再び冷却塔40内に戻される。
主往管10は、例えば呼び径1000Aの配管である。
主還管20は、例えば呼び径1000Aの配管である。
冷凍機30は、冷熱を製造する機械である。冷凍機30は、一実施形態では、大規模ビルの地下4階に設置されている。冷凍機30には、冷凍機弁V30を備える冷凍機配管P30が設けられており、冷凍機配管P30を介して冷却水や後述する銅用防食剤を注入又は排出することができる。冷凍機30は、例えばターボ式冷凍機(例えば三菱重工製AARTシリーズ)である。図2は、ターボ式冷凍機の一例の概略図である。図2中、細い矢印は冷却水又は冷水の流れる方向を表し、太い矢印は冷媒の流れる方向を表している。他の冷凍機はターボ式冷凍機や吸収式冷凍機である。ターボ式冷凍機は、温度調節用のバイパス管が設けられていない。
図2に示されるように、冷凍機30は、配管及び流路により接続された圧縮機33と、凝縮器34と、減圧機構35と、蒸発器36とを有する。
圧縮機33は、蒸発器36で冷却水と熱交換した後の冷媒の蒸気を圧縮する。圧縮機33には、図示しない電力線を介して電力が供給される。また、圧縮機33は、図示しない制御装置により駆動が制御される。
凝縮器34は、圧縮機33で圧縮された冷媒の蒸気を冷却して凝縮させる。凝縮器34の内部には、枝往管50及び枝還管60に接続された銅製の伝熱チューブ(以下「銅チューブ37」という。)が設けられており、冷却塔40から枝往管50を通って銅チューブ37に供給される冷却水との熱交換によって、圧縮機33で圧縮された冷媒の蒸気が冷却されて凝縮する。銅チューブ37は、冷媒の蒸気との間の熱交換効率を高めるために、多数本が並列に接続された形態となっている。なお、図2では、銅チューブ37を簡略化して1本のチューブとして表している。
減圧機構35は、冷媒の流路の凝縮器34側を高圧、蒸発器36側を低圧とする膨張弁等の機構である。
蒸発器36は、冷水配管38と接続され、凝縮器34から供給される冷媒を蒸発させた際の気化熱で、冷水配管38を介して循環する冷水を冷却する。冷水配管38の冷水は二次側の空調機との間を循環し、二次側の空調に供される。
なお、図2では、冷凍機30がターボ式冷凍機である場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば吸収式冷凍機であってもよい。
冷却塔40は、空気と水を接触させて水を冷却する装置であり、その冷却作用は水と空気の温度差を利用する熱伝達による顕熱と、水自体の蒸発を利用する物質伝達による潜熱(蒸発潜熱)の二つの作用によって行われる。冷却塔40は、冷却塔弁V40を介して主往管10と接続されており、冷却塔弁V40を開くことにより冷却塔40内において降温した冷却水が主往管10に供給される。また、冷却塔40は、主還管20と接続されており、冷却塔40では、主還管20から冷却塔40に戻される冷却水が冷却される。冷却塔40は、一実施形態では、大規模ビルの屋上に設置されている。一実施形態では、冷凍機30と冷却塔40との間は、100メートルから200メートル程度の長さの主往管10、主還管20によって接続されている。なお、図1においては、説明の便宜上、4つの冷却塔40a、40b、40c、40d及び4つの冷却塔弁V40a、V40b、V40c、V40dを示しているが、冷却塔40の数はこれに限定されるものではない。
枝往管50は、主往管10と冷凍機30とを接続する配管であり、例えば主往管10よりも小さい径(例えば、呼び径500A)の配管とすることができる。枝往管50には、上流側から第1の弁V1、第2の弁V2及び第3の弁V3がこの順番で設けられている。第1の弁V1は、主往管10と、枝往管50とバイパス管90との接続部Aとの間に設けられており、主往管10から枝往管50への冷却水の供給及び停止を制御する分岐弁である。第2の弁V2は、接続部Aとオートストレーナ80との間に設けられている。第3の弁V3は、オートストレーナ80と冷凍機30との間に設けられている。枝往管50には、第1の弁V1と接続部Aとの間にエア抜き弁V51を備えるエア抜き配管P51が設けられている。エア抜き弁V51は、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管内の空気(エア)を配管外に放出する際に用いられる。枝往管50には、オートストレーナ80と第3の弁V3との間に水抜き弁V52を備える水抜き配管P52が設けられている。水抜き弁V52は、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管内に入り込む異物等を除去することを目的として行われるフラッシング処理の際に用いられる。なお、第1の弁V1、第2の弁V2、第3の弁V3、エア抜き弁V51及び水抜き弁V52の開閉動作は、手動で行ってもよく、図示しない制御装置によって行ってもよい。
枝還管60は、主還管20と冷凍機30とを接続する配管であり、例えば主還管20よりも小さい径(例えば、呼び径500A)の配管とすることができる。一実施形態では、枝還管60は、枝往管50と同一の径の配管である。枝還管60には、上流側から第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及び第7の弁V7がこの順番で設けられている。第4の弁V4及び第5の弁V5は、冷凍機30と冷却水ポンプ70の間に設けられている。第6の弁V6は、冷却水ポンプ70と、枝還管60とバイパス管90との接続部Bとの間に設けられている。第7の弁V7は、接続部Bと主還管20との間に設けられており、枝還管60から主還管20への冷却水の供給及び停止を制御する分岐弁である。枝還管60には、接続部Bと第7の弁V7との間にエア抜き弁V61を備えるエア抜き配管P61が設けられている。エア抜き弁V61は、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管内の空気(エア)を配管外に放出する際に用いられる。枝還管60には、第4の弁V4と第5の弁V5との間に水抜き弁V62を備える水抜き配管P62が設けられている。水抜き弁V62は、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管内に入り込む異物等を除去することを目的として行われるフラッシング処理の際に用いられる。なお、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6、第7の弁V7、エア抜き弁V61及び水抜き弁V62の開閉動作は、手動で行ってもよく、図示しない制御装置によって行ってもよい。
冷却水ポンプ70は、枝還管60における冷凍機30と冷却塔40との間に設けられており、枝還管60内の冷却水を搬送し、冷凍機30と冷却塔40との間で冷却水を循環させるポンプである。冷却水ポンプ70は、インバータによってポンプモータへの供給電源の周波数が可変となっている。これにより、ポンプモータへの供給電源の周波数を可変させて、ポンプモータの回転数を変化させることにより、搬送する冷却水の流量を調整することができる。インバータの周波数制御は、手動で行ってもよく、図示しない制御装置によって自動で行ってもよい。本実施形態において、冷却水ポンプ70の定格流量が1600立方メートル/時間としたとき、冷却水ポンプ70が最低流量は600立方メートル/時間である。仮設ポンプの流量は、例えば、12立方メートル/時間である。このように冷却水ポンプ70の最低流量は、仮設ポンプで供給できる流量よりも遥かに大きな値である。銅チューブ37に銅用防食剤より防食皮膜を形成する際、インバータの駆動周波数は、手動または図示しない制御装置により、冷却水ポンプ70が最低流量を冷凍機30やバイパス管90に流せる駆動周波数に設定される。すなわち、冷却水ポンプ70が動作可能な最低駆動周波数に設定される。インバータの駆動周波数は最低駆動周波数に設定することが最も好ましい。インバータは冷却水ポンプ70に一体的に設けられていても良いし、冷却水ポンプ70とは別に設けられた制御盤に設置されていても良い。なお、冷却水ポンプ70は、枝往管50における冷凍機30と冷却塔40との間に設けられていてもよい。冷却水ポンプ70が最低駆動周波数で駆動されても冷却水ポンプ70の最低流量は仮設ポンプを用いる場合の流量よりも遥かに多いので、銅チューブ37内のエア溜まりを確実に除去できる。また、仮設ポンプを用いる場合に比べて、単位時間あたりの銅用防食剤の循環回数が多いので、銅チューブ37の防食皮膜を短時間で形成できる。
オートストレーナ80は、接続部Aと冷凍機30との間に設けられている。即ち、オートストレーナ80は、冷凍機30の上流側に設けられている。オートストレーナ80は、枝往管50内の冷却水に含まれるダスト等を除去、回収し、冷凍機30にダスト等が混入することを抑制する。
バイパス管90は、枝往管50と枝還管60とを接続する配管であり、枝往管50と枝還管60との間に設けられている。即ち、バイパス管90の一端は枝往管50と接続され、他端は枝還管60と接続されている。バイパス管90は、例えば枝往管50及び枝還管60よりも小さい径(例えば、呼び径200A)の配管とすることができる。上述したように冷却水ポンプ70の最低流量が600立方メートル/時間であり、仮設ポンプを用いる場合に比べて銅用防食剤を含む薬液の流量が多い。バイパス管90を銅用防食剤を含む薬液による浸食から防止するためには、バイパス管90に過大な流速の薬液が流れないようにすることが望ましい。一般的に、流速は約3メートル/秒であるが、本実施例おいては、バイパス管90は仮設であり薬液が初期皮膜形成時のみしか循環しないため、約5メートル/秒としている。バイパス管90の流路の断面積、または呼び径は、冷却水ポンプ70の定格流量と最低流量との間で設定される冷却水ポンプ70の流量及びバイパス管90を流れる薬液の流速から定まる値に設定することが最も好ましい。冷却水ポンプ70から供給される流量を定格流量よりも大幅に低くすることにより、バイパス管90の呼び径を十分に小さくすることが可能となり、バイパス管90は主往管10や主還管20よりも小径の枝往管50と枝還管60との間に取り付けることが可能となる。更にバイパス管90の呼び径が小さいことから、バイパス管90の配管ルートを容易に設定できる。また重量が軽く且つ安価な管材が利用可能となるので配管工事も安価かつ短時間に遂行できる。特にリニューアル工事の場合は、既設の主往管10、主還管20、枝往管50、枝還管60等が既に存在しているが、配管ルートの確保が容易となることで大幅に工期短縮ができる。バイパス管90には、管路を開閉するバイパス弁V91、V92と、管内の冷却水等を排出する際に用いられる水抜き弁V93とが設けられている。バイパス弁V91は、例えば枝往管50とバイパス管90との接続部Aの近傍に設けられていることが好ましく、バイパス弁V92は、例えば枝還管60とバイパス管90との接続部Bの近傍に設けられていることが好ましい。これにより、冷却塔40に冷却水を循環させる通常運転時に、バイパス管90に冷却水が滞留することを抑制することができる。バイパス管90は冷凍機30の更新時に取り付けても良いし、冷凍機30の初期設置時に予め取り付けても良い。
銅用防食剤は冷凍機配管P30から投入される。銅用防食剤は枝往管50、冷凍機30、枝還管60、及びバイパス管90から形成される循環路内を循環する。この循環路の水保有量は循環冷却水系統1の水保有量に比べて約4割以下である。従い、銅用防食剤の投入量は全系循環を行う場合に比べて約4割とすることが可能となり、防食皮膜の形成費用を大幅に低減することができる。例えば、循環冷却水系統1の保有水量が約50立方メートルである場合、循環路の保有水量は約20立方メートルであるとしたとき、全系循環の場合の銅用防食剤の投入量は10g/Lであることから、銅用防食剤の削減量は約300Kgとなる。
(循環冷却水系統の動作)
次に、循環冷却水系統1の動作について説明する。
循環冷却水系統1を動作させる場合、使用する冷凍機と対応する分岐弁及び使用する冷却塔に対応する分岐弁を開く。例えば、冷凍機30を使用する場合、第1の弁V1及び第7の弁V7を開く。また、例えば冷却塔40a、40b、40c、40dを使用する場合、冷却塔弁V40a、V40b、V40c、V40dを開く。なお、バイパス弁V91、V92が開いている場合には、バイパス弁V91、V92を閉じる。これにより、冷却塔40a、40b、40c、40d内において降温した冷却水は、主往管10及び枝往管50を通って冷凍機30内に供給され、冷凍機30内において熱交換される。熱交換によって昇温した冷却水は、枝還管60及び主還管20を通って再び冷却塔40a、40b、40c、40d内に戻される。
ところで、銅チューブ37を有する冷凍機30は、長期間使用すると孔食等の腐食が発生する場合がある。このような腐食は、時間の経過と共に進行し、冷凍機の性能の低下を引き起こす。このため、銅チューブ37の内面には、腐食を防止するために、防食皮膜が形成される。
しかしながら、銅チューブ37の内面には、製造段階で付着した油分、カーボン、埃等の付着物が残存している場合がある。銅チューブ37の内面に付着物が残存していると、銅チューブ37の内面に防食皮膜を形成する際、防食皮膜が形成されない部分や防食皮膜の厚みが薄い部分が生じ、均一な防食皮膜を形成できない場合がある。この場合、防食皮膜が形成されていない部分や防食皮膜の厚みが薄い部分が起点となり、銅の腐食が進行する虞がある。
そこで、例えば冷凍機30を含む循環冷却水系統1の全系に銅用防食剤を注入し、循環冷却水系統1に設けられた冷却水ポンプ70を動作させ、循環冷却水系統1の全系に銅用防食剤を循環させることで、銅チューブ37の内面に防食皮膜を形成する方法がある。この方法では、例えば大規模ビルや、複数のビルの空調等に用いられる循環冷却水系統等、大型の循環冷却水系統である場合、銅用防食剤の使用量が著しく多くなり、防食皮膜の形成に要する時間も著しく長くなる。
また、例えば循環冷却水系統1の全系に銅用防食剤を循環させるのではなく、冷凍機30のみに銅用防食剤を注入することで、冷凍機30の銅チューブ37の内面に防食皮膜を形成する方法がある。この方法では、仮設タンクを用いて銅用防食剤を調整し、調整された銅用防食剤を仮設ポンプにより冷凍機30に注入するため、仮設タンクや仮設ポンプを別途用意する必要がある。一般に、仮設ポンプは循環冷却水系統1に設けられた冷却水ポンプ70と比較して能力が低い。このため、例えば大規模ビルや、複数のビルの空調等に用いられる大型の循環冷却水系統の場合、冷凍機30のサイズが大きいため、銅チューブ37の内部のエア溜りを除去できず、銅チューブ37の内面に防食皮膜を均一に形成できない虞がある。
そこで、一実施形態では、以下で説明する防食皮膜の形成方法により、上記の課題を解決する。
(防食皮膜の形成方法)
一実施形態に係る循環冷却水系統1における防食皮膜の形成方法について、図3に基づき説明する。以下では、循環冷却水系統1において、冷凍機30、枝往管50及び枝還管60の交換(更新)を行い、冷凍機30の銅チューブ37の内面に防食皮膜を形成する場合を例に挙げて説明する。図3は、本発明の一実施形態に係る防食皮膜の形成方法を説明するためのフローチャートである。
まず、バイパス管90の選定を行う(ステップS0)。具体的には、冷却水ポンプ70のカタログ値を確認し、冷却水ポンプ70が動作可能な最低駆動周波数を求める。冷却水ポンプ70を最低駆動周波数で駆動した際の最低流量を算出する。バイパス管90を流れる薬液の流速は5メートル/秒とし、この流速と冷却水ポンプ70の最低流量から、バイパス管90の呼び径を算出する。この呼び径に基づいて、循環冷却水系統1に設置するバイパス管90を選定する。
次に、交換対象の冷凍機30を含む系統を循環冷却水系統1から切り離す(ステップS1)。具体的には、第1の弁V1、第2の弁V2、第3の弁V3、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及び第7の弁V7を閉じる。即ち、第1の弁V1、第2の弁V2、第3の弁V3、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及び第7の弁V7を閉の状態にする。これにより、主往管10と主還管20から枝往管50と枝還管60を切り離すことができる。
次に、冷凍機30、枝往管50及び枝還管60を交換する(ステップS2)。具体的には、交換対象の冷凍機30、枝往管50及び枝還管60を取り外し、新規に取り付ける冷凍機30、枝往管50及び枝還管60を取り付ける。バイパス管90が予め循環冷却水系統1に取り付けられていない場合は、このときに、枝往管50と枝還管60との間にバイパス管90を取り付ける。また、新規に冷凍機30、枝往管50、枝還管60及びバイパス管90を取り付けた後、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管のフラッシング処理を行う。具体的には、水抜き配管P52と水抜き配管P62との間にフラッシング処理装置を接続し、第2の弁V2、第5の弁V5、第6の弁V6、バイパス弁V91、V92、水抜き弁V52及び水抜き弁V62を開き、枝往管50、枝還管60、バイパス管90等の配管のフラッシング処理を行う。フラッシング処理の後、第2の弁V2、第5の弁V5、第6の弁V6、バイパス弁V91、V92、水抜き弁V52及び水抜き弁V62を閉じ、フラッシング処理装置を取り外す。これにより、冷凍機30の交換が終了する。配管のフラッシング処理は、フラッシング処理装置により水の張替とポンプ循環を複数回繰り返すものであってもよく、フラッシング処理装置により水の浄化処理を行うものであってもよい。なお、配管内の異物が問題とならない場合には、フラッシング処理を省略してもよい。
次に、銅用防食剤を供給する循環路を形成する(ステップS3)。具体的には、第2の弁V2、第3の弁V3、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及びバイパス弁V91、V92を開く。即ち、第1の弁V1、第7の弁V7、冷凍機弁V30、エア抜き弁V51、水抜き弁V52、エア抜き弁V61及び水抜き弁V62が閉、第2の弁V2、第3の弁V3、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及びバイパス弁V91、V92が開の状態にする。これにより、冷却塔40を含まず、冷凍機30及びバイパス管90を含む循環路Fが形成される。
次に、銅用防食剤を注入する(ステップS4)。具体的には、冷凍機弁V30、エア抜き弁V51及びエア抜き弁V61を開き、冷凍機配管P30から銅用防食剤を注入した後、冷凍機弁V30、エア抜き弁V51及びエア抜き弁V61を閉じる。これにより、循環路F内の空気(エア)をエア抜き弁V51及びエア抜き弁V61に押し出しながら循環路Fに銅用防食剤を注入することができる。このため、循環路Fにエア溜りが発生することを抑制することができる。なお、銅用防食剤を注入する位置はこれに限定されるものではなく、ステップS1で形成した循環路Fに銅用防食剤を注入することが可能な位置であれば他の位置であってもよい。銅用防食剤としては、銅チューブ37の内面に皮膜を形成し、銅チューブ37の内面の腐食を防止することが可能な材料であれば特に限定されるものではなく、種々の材料を用いることができる。
次に、銅用防食剤の循環を行う(ステップS5)。具体的には、冷却水ポンプ70を所定の時間(例えば3時間〜4時間)動作させることにより、ステップS3で形成した循環路Fに銅用防食剤を循環させる。即ち、冷却塔40に銅用防食剤を循環させることなく、枝往管50、冷凍機30、枝還管60、及びバイパス管90を巡る循環路に銅用防食剤を循環させる。冷却水ポンプ70の駆動周波数は、冷却塔40に冷却水を循環させる通常運転時の冷却水ポンプ70の駆動周波数よりも低くなるように制御することが好ましく、例えば通常運転時の駆動周波数の1/2以下であってもよい。最も好ましくは、冷却水ポンプ70の最低駆動周波数であって、定格の4割の駆動周波数である。これにより、銅用防食剤が循環するバイパス管90に加わる銅用防食剤の負荷を低減することができ、枝往管50や枝還管60よりも細い径のバイパス管90を用いることができる。
次に、銅用防食剤の浸漬を行う(ステップS6)。具体的には、冷却水ポンプ70を停止し、枝往管50、枝還管60、バイパス管90、銅チューブ37等内を銅用防食剤で満たした状態で、所定の時間(例えば24時間)静置浸漬する。
次に、銅用防食剤を排出する(ステップS7)。具体的には、水抜き弁V52及び水抜き弁V62を開き、循環路Fから銅用防食剤を排出した後、水抜き弁V52及び水抜き弁V62を閉じる。また、例えば冷凍機弁V30を開き、循環路Fから銅用防食剤を排出してもよい。なお、通常運転時に銅用防食剤が冷却水に混入していてもよい場合には、銅用防食剤を循環路Fから排出しなくてもよい。即ち、ステップS5を省略してもよい。
次に、冷却水を注入する(ステップS8)。具体的には、冷凍機弁V30を開き、冷凍機配管P30から冷却水を注入することにより、循環路Fを冷却水で満たした後、冷凍機弁V30を閉じる。また、例えば水抜き弁V52及び/又は水抜き弁V62を開き、水抜き配管P52及び/又は水抜き配管P62から冷却水を注入してもよい。
次に、冷凍機30を主往管10、主還管20へ接続する(ステップS9)。具体的には、第1の弁V1及び第7の弁V7を開き、バイパス弁V91、V92を閉じる。即ち、第1の弁V1、第2の弁V2、第3の弁V3、第4の弁V4、第5の弁V5、第6の弁V6及び第7の弁V7を開、冷凍機弁V30、エア抜き弁V51、水抜き弁V52、エア抜き弁V61、水抜き弁V62及びバイパス弁V91、V92を閉の状態にする。これにより、冷凍機30及び冷却塔40を含む通常運転時の流路が形成される。なお、冷凍機30を主往管10、主還管20へ接続した後、バイパス管90を取り外してもよい。
以上により、交換した冷凍機30の銅チューブ37の内面に防食皮膜を形成することができる。
以上に説明したように、一実施形態に係る防食皮膜の形成方法では、循環冷却水系統1の枝往管50と枝還管60との間にバイパス管90を設ける。また、循環冷却水系統1に銅用防食剤を注入し、冷却水ポンプ70を動作させることにより、冷却塔40に銅用防食剤を循環させることなく、冷凍機30及びバイパス管90に銅用防食剤を循環させる。これにより、銅用防食剤を循環させる流路を短くすることができるので、銅用防食剤の使用量を低減することができ、防食皮膜の形成に要する時間を短くすることができる。また、循環冷却水系統1に設けられた冷却水ポンプ70を使用して銅用防食剤を循環させるので、銅チューブ37の内面に防食皮膜を均一に形成することができる。その結果、冷凍機30の銅チューブ37の内面に防食皮膜を確実かつ効率よく形成することができる。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではなく、本発明の範囲内で種々の変形及び改良が可能である。
上記の実施形態では、大規模ビルや、複数のビルの空調等に用いられる循環冷却水系統1を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば小規模ビル、工場の空調等に用いることもできる。
上記の実施形態では、冷凍機30、枝往管50及び枝還管60を交換する場合を例に挙げて説明したが、これに限定されるものではなく、例えば冷凍機30のみを交換する場合にも本発明に係る防食皮膜の形成方法を適用することができる。
1 循環冷却水系統
10 主往管
20 主還管
30 冷凍機
33 圧縮機
34 凝縮器
35 減圧機構
36 蒸発器
37 銅チューブ
38 冷水配管
40 冷却塔
50 枝往管
60 枝還管
70 冷却水ポンプ
80 オートストレーナ
90 バイパス管
V1 第1の弁
V2 第2の弁
V3 第3の弁
V4 第4の弁
V5 第5の弁
V6 第6の弁
V7 第7の弁
V30 冷凍機弁
V40 冷却塔弁
V51 エア抜き弁
V52 水抜き弁
V61 エア抜き弁
V62 水抜き弁
V91 バイパス弁
V92 バイパス弁
上記目的を達成するため、本発明の一態様に係る防食皮膜の形成方法は、銅チューブを備える複数の冷凍機と、冷却塔と、前記複数の冷凍機と前記冷却塔とを接続する主往管及び主還管と、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機の前記銅チューブと前記主往管とを接続する枝往管と、前記一つの冷凍機の前記銅チューブと前記主還管とを接続する枝還管と、前記複数の冷凍機の前記銅チューブと前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有し、前記冷却塔内で降温された冷却水は、前記冷却水ポンプにより前記主往管及び前記枝往管を通って前記一つの冷凍機の前記銅チューブに供給されて、前記一つの冷凍機内において熱交換され、熱交換によって昇温された冷却水は、前記冷却水ポンプにより前記銅チューブから前記枝還管及び前記主還管を通って再び前記冷却塔に戻されて、前記冷却塔内で降温される、循環冷却水系統において前記冷凍機の前記銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、前記枝往管と前記枝還管との間にバイパス管を取り付けて、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機の前記銅チューブと前記枝往管と前記バイパス管と前記枝還管とを巡る循環路を形成するステップと、当該一つの冷凍機が交換された後に、前記循環路に銅用防食剤を注入するステップと、前記冷却水ポンプを、前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で駆動させるステップと、前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、前記バイパス管の呼び径を、前記バイパス管を通る銅用防食剤の流速が前記バイパス管を浸食しない程度の値となるように設定するステップと、を含む。
本発明の他の態様に係る防食皮膜の形成方法は、銅チューブを備える冷凍機と、冷却塔と、前記冷凍機と前記冷却塔とを接続する往管及び還管と、前記銅チューブと前記主往管又は前記主還管との間にそれぞれ介在する枝往管又は枝還管と、前記冷凍機と前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有し、前記冷却塔内で降温された冷却水は、前記冷却水ポンプにより前記主往管及び前記枝往管を通って前記冷凍機の前記銅チューブに供給されて、前記冷凍機内において熱交換され、熱交換によって昇温された冷却水は、前記冷却水ポンプにより前記銅チューブから前記枝還管及び前記主還管を通って再び前記冷却塔に戻されて、前記冷却塔内で降温される、循環冷却水系統において前記冷凍機の前記銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で前記冷却水ポンプを駆動させるステップと、前記往管と前記還管との間に取り付けられるバイパス管により形成される、前記往管と前記冷凍機の前記銅チューブと前記還管と前記バイパス管とを巡る循環路に銅用防食剤を注入するステップと、前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、を含む。

Claims (7)

  1. 複数の冷凍機と、冷却塔と、前記複数の冷凍機と前記冷却塔とを接続する主往管及び主還管と、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機と前記主往管とを接続する枝往管と、前記一つの冷凍機と前記主還管とを接続する枝還管と、前記複数の冷凍機と前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する循環冷却水系統において前記冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、
    前記枝往管と前記枝還管との間にバイパス管を取り付けて、前記複数の冷凍機のうちの一つの冷凍機と前記枝往管と前記バイパス管と前記枝還管とを巡る循環路を形成するステップと、
    当該一つの冷凍機が交換された後に、前記循環路に銅用防食剤を注入するステップと、
    前記冷却水ポンプを、前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で駆動させるステップと、
    前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、
    前記バイパス管の呼び径を、前記バイパス管を通る銅用防食剤の流速が前記バイパス管を浸食しない程度の値となるように設定するステップと、
    を含む、防食皮膜の形成方法。
  2. 前記冷却水ポンプは、インバータによって周波数が可変であり、
    前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるときの前記冷却水ポンプの周波数は、前記冷却水ポンプの最低駆動周波数である、
    請求項1に記載の防食皮膜の形成方法。
  3. 前記バイパス管には、枝往管と枝還管の近傍に管路を開閉するバイパス弁が設けられており、
    前記バイパス弁を開くことにより、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させる、
    請求項1又は2に記載の防食皮膜の形成方法。
  4. 前記複数の冷凍機はターボ式冷凍機と吸収式冷凍機とからなる、
    請求項1乃至3のいずれか一項に記載の防食皮膜の形成方法。
  5. 冷凍機と、冷却塔と、前記冷凍機と前記冷却塔とを接続する往管及び還管と、前記冷凍機と前記冷却塔との間で冷却水を循環させる冷却水ポンプとを有する循環冷却水系統において前記冷凍機の銅チューブの内面に防食皮膜を形成する方法であって、
    前記冷却塔に前記冷却水を循環させる際の駆動周波数よりも低い駆動周波数で前記冷却水ポンプを駆動させるステップと、
    前記往管と前記還管との間に取り付けられるバイパス管により形成される、前記往管と前記冷凍機と前記還管と前記バイパス管とを巡る循環路に銅用防食剤を注入するステップと、
    前記冷却塔に前記銅用防食剤を循環させることなく、前記循環路に前記銅用防食剤を循環させるステップと、
    を含む、防食皮膜の形成方法。
  6. 前記バイパス管は、前記低い駆動周波数で前記冷却水ポンプを駆動した際に当該バイパス管を流れる銅用防食剤の流速が当該バイパス管を浸食しない程度の値となるような呼び径に設定されたバイパス管である、
    請求項5に記載の防食皮膜の形成方法。
  7. 前記往管と前記還管との間に前記往管又は前記還管の呼び径より小さい呼び径のバイパス管を取り付けて前記循環路を形成し、
    前記循環冷却水系統に銅用防食剤を注入し、
    前記バイパス管を通る銅用防食剤の流速が前記バイパス管を浸食しない程度の値となるように前記低い駆動周波数で駆動する、
    請求項5に記載の防食皮膜の形成方法。
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