JP2018076230A - ガラス基板およびガラス基板の製造方法 - Google Patents

ガラス基板およびガラス基板の製造方法 Download PDF

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正直 中西
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Abstract

【課題】位置決め操作の際に、端面にクラックが生じたり、端面からカレットが生じたりすることが有意に抑制されるガラス基板を提供する。【解決手段】2つの表面をつなぐ端面を有するガラス基板であって、前記端面の少なくとも一部には、平滑領域が配置されており、該平滑領域は、前記端面のその他の領域に比べて平滑な表面を有し、前記端面の前記その他の領域を一般領域と称し、前記一般領域の算術平均粗さをRa(1)とし、前記平滑領域の算術平均粗さをRa(2)としたとき、比Ra(2)/Ra(1)は、0.8以下であることを特徴とするガラス基板。【選択図】図7

Description

本発明は、ガラス基板およびガラス基板の製造方法に関する。
ガラス基板を加工するときなど、ガラス基板のハンドリングの際に、ガラス基板を所定の位置および/または向きに固定させることが必要となる場合がある。そのようなガラス基板の位置決めを行う場合、バー状の金属部材などの位置決め冶具が使用される。例えば、スライド可能に構成された複数の位置決め冶具を用いた場合、ガラス基板をそのような位置決め冶具で挟み込み、ガラス基板の位置を定めることができる。
位置決め冶具によるガラス基板の位置決め操作の際には、ガラス基板の端面が位置決め冶具に当接される。このため、しばしば、ガラス基板の端面にクラックが生じたり、端面からカレット(ガラス屑)が生じ、ガラス基板にカレットが付着したりする場合が認められる。そのようなクラックを有するガラス基板は、品質上問題がある。また、ガラス基板にカレットが付着していると、ガラス基板の搬送の際などに、ガラス基板が損傷を受ける可能性が高くなる。
このため、位置決め操作の際に、クラックやカレットが生じ難いガラス基板が要望されている。
本発明は、このような背景に鑑みなされたものであり、本発明では、位置決め操作の際に、端面にクラックが生じたり、端面からカレットが生じたりすることが有意に抑制されるガラス基板を提供することを目的とする。また、本発明では、位置決め操作の際に、端面にクラックが生じたり、端面からカレットが生じたりすることが有意に抑制されるガラス基板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明では、2つの表面をつなぐ端面を有するガラス基板であって、
前記端面の少なくとも一部には、平滑領域が配置されており、該平滑領域は、前記端面のその他の領域に比べて平滑な表面を有し、
前記端面の前記その他の領域を一般領域と称し、
前記一般領域の算術平均粗さをRa(1)とし、前記平滑領域の算術平均粗さをRa(2)としたとき、比Ra(2)/Ra(1)は、0.8以下であることを特徴とするガラス基板が提供される。
また、本発明では、ガラス基板の製造方法であって、
(1)第1および第2の表面と、両表面を接続する端面とを有するガラス素材を準備する工程と、
(2)加工装置を用いて、前記ガラス素材の前記端面を研削および研磨する工程と、
を有し、
前記端面は、前記ガラス素材の上面視、開始点Sから終了点Eまでの被加工面として視認され、
前記加工装置は、第1の研削ホイールおよび第1の研磨ホイールと、第2の研削ホイールおよび第2の研磨ホイールとを有し、
前記第1および第2の研削ホイールは、移動方向と呼ばれる、前記開始点Sから前記終了点Eに向かう方向に、前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面を研削することができ、
前記第1の研磨ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面の、前記第1の研削ホイールにより研削された領域を研磨することができ、前記第2の研磨ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面の、前記第2の研削ホイールにより研削された領域を研磨することができ、
前記(2)の工程では、
(2−1)前記第1の研削ホイールは、第1研削開始点Mと呼ばれる前記被加工面の開始点Sおよび終了点Eを除く位置から、前記移動方向に沿って前記前記被加工面を移動し、
これにより、前記端面には、第1研削領域と呼ばれる領域が形成され、
(2−2)前記第1の研磨ホイールは、第1研磨開始点Pと呼ばれる、前記第1研削領域内の第1研削開始点Mを除くいずれかの位置から、前記移動方向に沿って前記被加工面を移動し、
これにより、前記端面には、第1研磨領域と呼ばれる領域が形成され、
(2−3)前記第2の研削ホイールは、第2研削開始点Mと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第1移動完了点Nと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
これにより、前記端面は、前記第2研削開始点M〜前記第1移動完了点Nまでの、第2研削領域と呼ばれる領域が研削され、
前記第2研削開始点Mは、前記開始点S〜前記第1研削開始点Mの間に存在し、
前記第1移動完了点Nは、
(i)前記第1研磨開始点Pを除く、前記第1研削開始点M〜前記第1研磨開始点Pの間に存在し、または
(ii)前記第1研磨開始点P〜終了点Eの間に存在し、
(2−4)前記第2の研磨ホイールは、第2研磨開始点Pと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第1研磨完了点Qと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
これにより、前記端面は、前記第2研磨開始点P〜前記第1研磨完了点Qまでの、第2研磨領域と呼ばれる領域が研磨され、
前記第2研磨開始点Pは、前記第2研削開始点M〜前記第1研削開始点Mの間に存在し、
前記第1研磨完了点Qは、前記(i)の場合、前記第1研磨開始点Pを除く、前記第1研磨領域内に存在し、前記(ii)の場合、前記第1研磨開始点P〜前記第1移動完了点Nを除く、前記第1研磨領域内に存在し、
前記(i)の場合、前記端面の前記第1研磨開始点P〜前記第1研磨完了点Qの間に、前記第1および第2の研磨ホイールで研磨された、(第1の)重複研磨領域が形成され、
前記(ii)の場合、前記端面の前記第1移動完了点N〜前記第1研磨完了点Qの間に、前記第1および第2の研磨ホイールで研磨された、(第1の)重複研磨領域が形成される、ガラス基板の製造方法が提供される。
本発明では、位置決め操作の際に、端面にクラックが生じたり、端面からカレットが生じたりすることが有意に抑制されるガラス基板を提供することができる。また、本発明では、位置決め操作の際に、端面にクラックが生じたり、端面からカレットが生じたりすることが有意に抑制されるガラス基板の製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態によるガラス基板を概略的に示した斜視図である。 図1に示したガラス基板の一つの端面を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法のフローを模式的に示した図である。 ガラス素材の形態を模式的に示した斜視図である。 本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法に使用され得る、加工装置の構成の一例を模式的に示した図である。 図5に示した加工装置の動作の一例を模式的に示した図である。 図5に示した加工装置の第1の研削ホイール、第1の研磨ホイール、第2の研削ホイール、および第2の研磨ホイールのそれぞれの移動軌跡を模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス基板の別の製造方法のフローを模式的に示した図である。 本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法に使用され得る、別の加工装置の構成の一例を模式的に示した図である。 図9に示した加工装置の動作の一例を模式的に示した図である。 図9に示した加工装置の第1の研削ホイール、第1の研磨ホイール、第2の研削ホイール、第2の研磨ホイール、第3の研削ホイール、および第3の研磨ホイールのそれぞれの移動軌跡を模式的に示した図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
(本発明の一実施形態によるガラス基板)
図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるガラス基板の構成について説明する。図1には、本発明の一実施形態によるガラス基板(以下、単に「第1のガラス基板」と称する)の概略的な斜視図を示す。
図1に示すように、第1のガラス基板110は、相互に対向する第1の表面112および第2の表面114と、両表面を接続する4つの端面116A〜116Dとを有する。
なお、図1の例では、第1のガラス基板110は、略矩形状であり、このため4つの端面116A〜116Dを有する。ただし、これは単なる一例あって、第1のガラス基板110は、いかなる形状であってもよく、その結果、端面の数は、いかなる値であってもよい。例えば、第1のガラス基板110が略ディスク状の場合、端面の数は一つとなる。また、第1のガラス基板110が略三角形状の場合、端面の数は三つとなる。第1のガラス基板110が五角形またはそれ以上の多角形の形状の場合も、同様に考えられる。
ここで、第1のガラス基板110は、少なくとも一つの端面に、「平滑領域」を有するという特徴を有する。ここで、「平滑領域」とは、対象となる端面において、他の領域に比べて、算術平均粗さRaが小さい領域を意味する。なお、対象となる端面において、「平滑領域」以外の領域を「一般領域」とも称する。
以下、第1のガラス基板110の第1の端面116Aがそのような「平滑領域」を有する場合を例に、本発明の効果について説明する。
図2には、「平滑領域」を有する第1の端面116Aの形態を模式的に示す。
図2に示すように、第1の端面116Aの表面は、一般領域120と平滑領域122とに区分けされる。平滑領域122は、第1の端面116Aの略中央に、一般領域120に挟まれて存在している。
ただし、これは、単なる一例であって、平滑領域122の存在位置は、特に限られない。また、平滑領域122の数も特に限られない。例えば、平滑領域122は、第1の端面116Aに、2箇所以上存在してもよい。平滑領域122の設置位置および数は、第1のガラス基板110の位置決めハンドリングの際に当接される位置決め冶具との関係により定められる。
また、図2では、一般領域120と平滑領域122の境界が、破線で誇張して示されている。しかしながら、通常の場合、一般領域120および平滑領域122、さらには両者の境界は、外見から判断することは難しいことに留意する必要がある。
ここで、前述のように、平滑領域122は、一般領域120に比べて、小さな算術平均粗さRaを有する。特に、第1のガラス基板110では、一般領域120における算術平均粗さをRa(1)とし、平滑領域122における算術平均粗さをRa(2)としたとき、

Ra(2)/Ra(1)≦0.8 (1)式

を満たすという特徴を有する。
前述のように、位置決め冶具によるガラス基板の位置決め操作の際には、ガラス基板の端面が位置決め冶具に当接される。そして、この際に、ガラス基板の端面にクラックが生じたり、端面からカレット(ガラス屑)が生じたりする場合がある。
これに対して第1のガラス基板110では、端面の、少なくとも位置決め冶具と当接し得る位置に、平滑領域122が配置される。また、平滑領域122と一般領域120における算術平均粗さの間には、前述の(1)式の関係がある。このような凹凸が少ない平滑領域122は、位置決め冶具のような部材の当接に対して、一般領域120よりも良好な強度を示す。
そのため、第1のガラス基板110では、位置決め冶具が第1の端面116Aの平滑領域122と当接しても、位置決め冶具が一般領域120に当接するよりも、第1の端面116Aにクラックが生じたり、そこからカレットが生じたりすることを有意に抑制することができる。また、位置決め冶具が凹凸が少ない平滑領域122と当接するため、位置決め部材の摩耗および発塵を有意に抑制することにもなる。
(一般領域120および平滑領域122)
次に、端面の一般領域120および平滑領域122について、より詳しく説明する。
前述のように、平滑領域122における算術平均粗さRa(2)と一般領域120における算術平均粗さをRa(1)の比Ra(2)/Ra(1)は、0.8以下とされる。この比Ra(2)/Ra(1)は、0.7以下であることが好ましい。
また、平滑領域122の算術平均粗さRa(2)は、好ましくは0.12μm以下であり、より好ましくは0.08μm以下である。
一方、一般領域120、すなわち、第1の端面116Aの平滑領域122を除く領域の算術平均粗さRa(1)は、例えば、0.2μm以下であることが好ましい。
また、第1の端面116Aの平滑領域122の全長Lは、1mm以上、30mm以下であることが好ましい。平滑領域122の全長Lが1mm以上であると、平滑領域122に位置決め冶具を正確に接触させることが容易になる。また、平滑領域122の全長Lが30mm以下であると、第1のガラス基板110の生産性の観点から好ましい。平滑領域122の全長Lは、3mm以上、10mm以下であることがより好ましい。
ここで、平滑領域122の「全長(L)」は、以下のように定められる。
対象となる端面の第1の長さをLとし、第2の長さをLとする。ここでL≧Lである。例えば、図2に示した第1の端面116Aの場合、X方向の寸法が長さLとなり、Z方向(厚さ方向)の寸法が長さLとなる。この場合、図2に示すように、平滑領域122の全長Lは、第1の長さLに沿った方向の平滑領域122の幅で規定される。
なお、ガラス基板が略ディスク状であって、曲面状の端面が一つだけ存在する場合、そのような端面の第1の長さLは周の長さとなり、第2の長さLはガラス基板の厚さに相当する。従って、平滑領域の全長Lは、周に沿った平滑領域の長さとなる。
前述のように、第1の端面116Aにおける平滑領域122の設置位置および設置数は、特に限られない。例えば、平滑領域122は、第1の端面116Aにおいて、2つ以上、等間隔に、または非等間隔で配置されてもよい。
また、前述の例では、平滑領域122は、第1のガラス基板110の第1の端面116Aに配置されている。しかしながら、平滑領域122は、第1のガラス基板110のいかなる端面に配置されてもよい。
例えば、平滑領域122は、第2の端面116B〜第4の端面116Dのいずれか一つの端面に配置されてもよく、第1の端面116Aおよび第2の端面116Bなど、2つの端面に配置されてもよく、第1の端面116A〜第3の端面116Cなど、3つの端面に配置されてもよく、第1の端面116A〜第4の端面116Dの全ての端面に配置されてもよい。また、この際に、各端面116A〜116Dにおいて、平滑領域122の設置位置および設置数は、相互に異なっていてもよい。
(本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法)
次に、図3〜図7を参照して、本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法の一例について説明する。
図3には、本発明の一実施形態によるガラス基板の製造方法(以下、単に「第1の製造方法」と称する)のフローを模式的に示す。また、図4〜図7には、第1の製造方法における一工程の様子を模式的に示す。
図3に示すように、第1の製造方法は、
(1)第1および第2の表面と、両表面を接続する端面とを有するガラス素材を準備する工程(工程S110)と、
(2)加工装置を用いて、前記ガラス素材の前記端面を研削および研磨する工程(工程S120)と、
を有する。
以下、図4〜図7を参照して、各工程について詳しく説明する。
(工程S110)
まず、ガラス素材が準備される。図4に示すように、ガラス素材250は、第1の表面252および第2の表面254と、両表面を接続する4つの端面256A〜256Dとを有する。
以降、説明の簡略化のため、ガラス素材250の上面視、第1の表面252の4つの端面256A〜256Dと対応する辺を、それぞれ、第1の辺260A、第2の辺260B、第3の辺260C、および第4の辺260Dと称する。
ガラス素材250の寸法は、特に限られない。例えば、液晶ディスプレイ用のガラス基板を製造する場合、ガラス素材250は、例えば、縦(第1の辺260Aおよび第3の辺260Cの長さ)1800mm〜3200mm×横(第2の辺260Bおよび第4の辺260Dの長さ)1500mm〜2900mm×厚さ0.10mm〜0.70mmの寸法を有してもよい。
(工程S120)
次に、加工装置を用いて、ガラス素材250の端面が研削および研磨処理(以下、これらをまとめて「加工処理」ともいう)される。
なお、ガラス素材250の加工処理される端面は、特に限られない。例えば、4つの端面256A〜256Dのうち、一つの端面のみが加工処理されてもよい。あるいは、4つの端面256A〜256Dのうち、2つ以上の端面、例えば全ての端面が加工処理されてもよい。
ここでは、一例として、ガラス素材250の第1の端面256Aが加工処理される場合を例に説明する。
(加工装置)
図5には、第1の製造方法において使用され得る加工装置の構成を模式的に示す。
図5に示すように、加工装置300は、テーブル302と、第1および第2の研削ホイール380A、382Aと、第1および第2の研磨ホイール385B、387Bと、を備える。
テーブル302は、上部にガラス素材250を設置するために使用される。また、第1および第2の研削ホイール380A、382Aと、第1および第2の研磨ホイール385B、387Bとは、いずれもガラス素材250の第1の端面256Aを加工するために使用される。
第1の研削ホイール380Aは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研削することができ、第1の研磨ホイール385Bは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研磨することができる。同様に、第2の研削ホイール382Aは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研削することができ、第2の研磨ホイール387Bは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研磨することができる。
第1の研削ホイール380Aと第1の研磨ホイール385Bは、組になっており、第1の研磨ホイール385Bは、第1の研削ホイール380Aの研削行程を、後から追従することができる。同様に、第2の研削ホイール382Aと第2の研磨ホイール387Bは、組になっており、第2の研磨ホイール387Bは、第2の研削ホイール382Aの研削行程を、後から追従することができる。
第1の研削ホイール380Aは、弾性変形が生じ難く、研削力の高い砥石で構成される。そのような砥石としては、例えばダイヤモンド又はCBNの砥粒を弾性変形が生じ難いメタルボンドにて固定したメタルボンド砥石を例示できる。同様に、ダイヤモンド砥粒を有する電着砥石も例示できる。
第2の研削ホイール382Aについても同様である。
一方、第1の研磨ホイール385Bは、弾性を有し、研磨に適した砥石で構成される。そのような砥石としては、例えばダイヤモンド、CBN、緑色炭化ケイ素(GC)、アルミナ(Al)、軽石、又はガーネット等の砥粒を弾性変形が生じやすい樹脂、又はブチルルゴム、天然ゴム等のボンドにて固定した砥石を例示できる。
第2の研磨ホイール387Bについても同様である。
なお、本願において、「研削」とは、目的が基板を所定の寸法、所定の断面形状になるように削り込むことであり、「研磨」とは、目的が研削で生じたチッピング、クラックなどを除去すると共に研削面の粗さを低減させることである。
(具体的な加工工程)
工程S120では、ガラス素材250が加工装置300に設置され、ガラス素材250が加工処理される。
まず、図6に示すように、ガラス素材250は、第1の辺260Aが第1および第2の研削ホイール380A、382Aと対面するようにして、加工装置300のテーブル302の上に設置される。なお、ガラス素材250は、テーブル302に吸着固定されてもよい。
次に、加工装置300の第1の研削ホイール380Aおよび第1の研磨ホイール385Bが所定回転数で回転される。また、加工装置300の第2の研削ホイール382Aおよび第2の研磨ホイール387Bが所定回転数で回転される。
次に、図6に示すように、第1の研削ホイール380Aが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺(被加工面)260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。以下、この矢印Aの方向を、「移動方向」と称する。第1の研削ホイール380Aの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aが研削される。
また、第1の研削ホイール380Aによる第1の端面256Aの研削が開始されてから暫くの後、第1の研磨ホイール385Bが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。
第1の研磨ホイール385Bの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aの、第1の研削ホイール380Aによって研削された領域が研磨される。
また、第1の研削ホイール380Aによる第1の端面256Aの研削とほぼ同時に、あるいはその暫くの後、第2の研削ホイール382Aが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。第2の研削ホイール382Aの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aが研削される。
また、第2の研削ホイール382Aによる第1の端面256Aの研削が開始されてから暫くの後、第2の研磨ホイール387Bが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。
第2の研磨ホイール387Bの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aの、第2の研削ホイール382Aによって研削された領域が研磨される。
ここで、第1の研削ホイール380Aは、ガラス素材250の第1の辺260Aの途中部分、例えば略中央部分から、研削を開始するように操作される。そして、第1の辺260Aの終了点Eまで研削を継続する。
また、第1の研磨ホイール385Bは、第1の辺260Aの第1の研削ホイール380Aによる研削が既に完了しているいずれかの位置から、研磨を開始するように操作される。そして、第1の辺260Aの終了点Eまで研磨を継続する。
一方、第2の研削ホイール382Aは、ガラス素材250の第1の辺260Aの開始点Sから研削を開始するように操作される。そして、移動方向に沿って、第1の辺260Aの途中まで進行した時点で、研削が停止される。
この第2の研削ホイール382Aによる研削が停止される位置は、第1の辺260Aの第1の研削ホイール380Aによって既に研削された領域のいずれかの位置であれば良い。ただし、第2の研削ホイール382Aによる研削が停止される位置は、第1の研削ホイール380Aによって既に研削された領域のうち、第1の研磨ホイール385Bによる研磨が行われていない領域のいずれかの位置であることが好ましい。この場合、第1の研磨ホイール385Bによって研磨された領域が、第2の研削ホイール382Aによって研削されることを回避することができる。
また、第2の研磨ホイール387Bは、ガラス素材250の第1の辺260Aの開始点Sから、研磨を開始するように操作される。そして、第1の研磨ホイール385Bによる研磨が完了しているいずれかの位置まで、研磨を継続する。
ただし、前述の第2の研削ホイール382Aによる研削の停止位置が、第1の研磨ホイール385Bによる研磨の開始位置を超えている場合、第2の研磨ホイール387Bは、この第2の研削ホイール382Aによる研削の停止位置を超える位置まで、研磨を継続する。
これにより、ガラス素材250の第1の辺260A全体の研削および研磨処理が完了し、ガラス素材250の第1の端面256Aが加工された、ガラス基板が製造される。
このような第1の製造方法では、ガラス素材250の第1の端面256A内に、第1の研磨ホイール385Bと第2の研磨ホイール387Bの両方によって研磨された領域(以下、「重複研磨領域」という)が生じる。そのような重複研磨領域では、2回の研磨により、第1の端面256Aの他の領域に比べて、より平滑な表面が得られる。なお、重複研磨領域を第1の研磨ホイール385B及び第2の研磨ホイール387Bが研磨処理する際には、他の領域を研磨処理するときよりも研磨ホイールの移動速度を落としたり回転数を落としたりすることにより、平滑な表面が得られやすく好ましい。
前述のように、凹凸が少ない平滑な表面は、位置決め冶具のような部材の当接に対して、比較的良好な強度を有する。従って、第1の製造方法によって製造されるガラス基板では、端面のそのような重複研磨領域を、位置決め冶具のような部材との当接場所として利用することにより、端面にクラックが生じたり、そこからカレットが生じたりすることを有意に抑制することが可能となる。
(重複研磨領域の形成工程)
ここで、図7を参照して、上記重複研磨領域を形成する工程について、より詳しく説明する。
図7には、第1の研削ホイール380A、第1の研磨ホイール385B、第2の研削ホイール382A、および第2の研磨ホイール387Bのそれぞれの移動軌跡を模式的に示す。図7(a)には、第1の研削ホイール380Aの模式的な移動軌跡Fが示されており、図7(b)には、第1の研磨ホイール385Bの模式的な移動軌跡Fが示されている。図7(c)には、第2の研削ホイール382Aの模式的な移動軌跡Fが示されている。また、図7(d)には、第2の研磨ホイール387Bの模式的な移動軌跡Fが示されている。
また、図7において、第1の研削ホイール380A、第1の研磨ホイール385B、第2の研削ホイール382A、および第2の研磨ホイール387Bは、X方向(移動方向)に沿って移動し、これにより、ガラス素材250の第1の端面256Aは、Y方向に研削、研磨される(すなわち減肉される)ものとする。
従って、図7において、2つの位置を相対比較する場合、Xの値がより大きくなる方向(右側)にあるものを「前方(にある)」と称し、反対にXの値がより小さくなる方向(左側)のあるものを「後方(にある)」と称する。また、移動を停止するとは、ガラス素材250に接触した状態での移動を停止する意味であり、ガラス素材250から離れる方向への移動は許容する。
図7に示すように、ガラス素材250の第1の辺260Aは、開始点Sから終了点Eまで延伸する。
図7(a)に示すように、第1の研削ホイール380Aは、第1の辺260Aの途中、すなわち第1研削開始点Mで第1の端面256Aと接触し、ここから第1の端面256Aの研削を開始する。そして、第1の研削ホイール380Aは、移動方向に沿って、第1の辺260Aの終了点Eまで研削を継続する。
その結果、ガラス素材250の第1の辺260Aに対応する第1の端面256Aは、第1研削開始点Mから終了点Eまでの領域が研削される。以下、この領域を、「第1研削領域(491)」という。
第1研削領域491において、第1の研削ホイール380Aによる第1の端面256Aの研削量(Y方向の減肉量)は、例えば、0.05mm〜0.50mmの範囲である。
一方、図7(b)に示すように、第1の研磨ホイール385Bは、第1の辺260Aの途中、すなわち第1研磨開始点Pで第1の端面256Aと接触し、ここから第1の端面256Aの研磨を開始する。そして、第1の研磨ホイール385Bは、移動方向に沿って、第1の辺260Aの終了点Eまで研磨を継続する。
その結果、ガラス素材250の第1の端面256Aは、第1研磨開始点Pから終了点Eまでの領域が研磨される。以下、この領域を、「第1研磨領域(492)」という。
ここで、第1研磨開始点Pは、第1研削開始点Mおよび終了点Eを除く、第1研削領域491の範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
第1研磨領域492において、第1の研磨ホイール385Bによる第1の端面256Aの研磨量は、例えば、1μm〜30μmの範囲である。
また、図7(c)に示すように、第2の研削ホイール382Aは、第1の辺260Aの開始点Sで第1の端面256Aに接触し、ここから移動方向に沿って、第1の辺260Aの第1移動完了点Nまで移動する。そして、第2の研削ホイール382Aは、第1移動完了点Nに到達した時点で、移動を停止する。
第1移動完了点Nは、第1研削開始点Mおよびそれよりも前方にある、いずれの位置であっても良い。特に第1研削開始点Mよりも前方であることが好ましい。ただし、図7(c)に示すように、第1移動完了点Nは、第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定されることが好ましい。
これにより、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第2の研削ホイール382Aによって、開始点Sから第1移動完了点Nまでの領域が研削される。以下、この領域を、「第2研削領域(493)」という。
第2研削領域493において、第2の研削ホイール382Aによる第1の端面256Aの研削量(Y方向の減肉量)は、第1の研削ホイール380Aによる第1研削領域491における研削量と実質的に等しくされる。
ただし、通常、第1研削開始点M〜第1移動完了点Nの領域における研削量は、その他の領域における研削量の2倍にはならない。これは、第2の研削ホイール382Aは、前述のように、変形の生じ難い砥石で構成されているためである。すなわち、第1研削開始点M〜第1移動完了点Nの領域では、既に、第1の研削ホイール380Aにより、第1の端面256Aは、Y方向に幾分減肉されている。このため、変形の生じ難い部材で構成された第2の研削ホイール382がこの領域を通過しても、再び第1の研削ホイール380Aと同量の研削を行うことは難しくなる。通常の場合、第2の研削ホイール382の通過後の第1研削開始点M〜第1移動完了点Nの領域における研削量は、他の領域の研削量に比べて僅かに増加する程度である。
また、図7(d)に示すように、第2の研磨ホイール387Bは、第1の辺260Aの開始点Sで第1の端面256Aに接触し、ここから移動方向に沿って、第1研磨完了点Qまで移動する。そして、第2の研磨ホイール387Bは、第1研磨完了点Qに到達した時点で、移動を停止する。
その結果、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第2の研磨ホイール387Bによって、開始点Sから第1研磨完了点Qまでの領域が研磨される。以下、この領域を、「第2研磨領域(494)」という。
ここで、図7(c)に示すように、第1移動完了点Nが第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、第1研磨完了点Qは、第1研磨開始点Pを除く、第1研磨領域492の範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
一方、第1移動完了点Nが第1研磨開始点Pよりも前方にある場合、第1研磨完了点Qは、第1移動完了点Nよりも前方の位置に設定される。
第2研磨領域494において、第2の研磨ホイール387Bによる第1の端面256Aの研磨量は、第1の研磨ホイール385Bによる第1研磨領域492における研磨量と実質的に等しくされる。
以上の工程の結果、第1移動完了点Nが第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、図7(d)に示すように、第2研磨領域494のうち、第1研磨領域492と重複する領域、すなわち、第1研磨開始点P〜第1研磨完了点Qの領域では、第1の研磨ホイール385Bおよび第2の研磨ホイール387Bによる、2回の研磨処理が実施されることになる。従って、ここに重複研磨領域495が形成される。
一方、第1移動完了点Nが第1研磨開始点Pよりも前方にある場合は、第1移動完了点N〜第1研磨完了点Qの領域に、重複研磨領域495が形成される。
前述のように、重複研磨領域495では、第1の端面256Aの他の領域に比べて、より平滑な表面が得られる。
例えば、第1の端面256Aの他の領域における算術平均粗さをRa(3)とし、重複研磨領域495における算術平均粗さをRa(4)としたとき、

Ra(4)/Ra(3)≦0.8 (2)式

が得られてもよい。
(追加の工程)
以上の工程S110〜工程S120により、ガラス素材250から、第1の端面256Aに重複研磨領域495を有するガラス基板を製造することができる。
ただし、第1の製造方法は、必要に応じて、以下の少なくとも一つの工程を追加で実施してもよい:
(a)ガラス素材250の第2の端面256Bの加工工程、
(b)ガラス素材250の第3の端面256Cの加工工程、および
(c)ガラス素材250の第4の端面256Dの加工工程。
このうち、(a)の加工工程を実施する際には、前述の図5および図6に示した加工装置300において、ガラス素材250を反時計回りに90゜回転させればよい。そのような状態で、前述の工程を実施することにより、第2の端面256Bに、重複研磨領域を形成することができる。
また、(b)の加工工程を実施する際には、前述の図5および図6に示した加工装置300において、ガラス素材250を(反)時計回りに180゜回転させればよい。そのような状態で、前述の工程を実施することにより、第3の端面256Cに、重複研磨領域を形成することができる。
あるいは、加工装置300に、第1の研削ホイール380Aおよび第1の研磨ホイール385B、ならびに第2の研削ホイール382Aおよび第2の研磨ホイール387Bと同様の加工手段(例えば、第3の研削ホイールと第3の研磨ホイールの組、および第4の研削ホイールと第4の研磨ホイールの組)を設けてもよい。これらは、ガラス素材250の第3の辺260Cに対面するように配置される。
加工装置300がそのような構成を有する場合、ガラス素材250の第1の端面256Aおよび第3の端面256Cを、一度に加工することが可能となる。このため、加工速度が向上する。
また、(c)の加工工程を実施する際には、前述の図6および図7に示した加工装置300において、ガラス素材250を時計回りに90゜回転させればよい。そのような状態で、前述の工程を実施することにより、第4の端面256Dに、重複研磨領域を形成することができる。
さらに、(a)および(c)の加工工程においては、加工装置300が前述の第3の研削ホイールおよび第3の研磨ホイール、ならびに第4の研削ホイールおよび第4の研磨ホイールを有する場合、ガラス素材250を時計回りまたは反時計回りに90゜回転させればよい。
この場合、ガラス素材250の第2の端面256Bおよび第4の端面256Dを、一度に加工することが可能となる。このため、加工速度が向上する。
以上、加工装置300を用いた第1の製造方法について説明した。しかしながら、上記説明は、単なる一例であって、第1の製造方法において、各種変更が可能である。
例えば、前述の図7(a)に示した工程では、第1の研削ホイール380Aは、辺260Aに沿って、第1研削開始点Mから、辺260Aの終了点Eまで移動される。その結果、第1研削開始点M〜終了点Eの領域に、第1研削領域491が形成される。
しかしながら、第1の研削ホイール380Aは、第1研削開始点M〜終了点Eの間のいかなる位置で、第1の端面256Aの研削を停止してもよい。
また、図7(c)に示した工程では、第2の研削ホイール382Aは、辺260Aに沿って、開始点Sから、第1移動完了点Nまで移動される。その結果、開始点S〜第1移動完了点Nの間に、第2研削領域493が形成される。
しかしながら、第2の研削ホイール382Aは、開始点S〜第1研削開始点Mの間のいかなる位置(ただし第1研削開始点Mは除く)から、第1の端面256Aの研削を開始してもよい。
同様に、前述の図7(b)に示した工程では、第1の研磨ホイール385Bは、辺260Aに沿って、第1研磨開始点Pから、辺260Aの終了点Eまで移動される。その結果、第1研磨開始点P〜終了点Eの領域に、第1研磨領域492が形成される。
しかしながら、第1の研磨ホイール385Bは、第1研磨開始点P〜終了点Eの間のいかなる位置で、第1の端面256Aの研磨を停止してもよい。
同様に、前述の図7(d)に示した工程では、第2の研磨ホイール387Bは、辺260Aに沿って、開始点Sから、第1研磨完了点Qまで移動される。その結果、開始点S〜第1研磨完了点Qの領域に、第2研磨領域494が形成される。
しかしながら、第2の研磨ホイール387Bは、開始点S〜第1研磨開始点Pの範囲のいかなる位置(ただし第1研磨開始点Pは除く)から、第1の端面256Aの研磨を開始してもよい。また、第2の研磨ホイール387Bは、第1移動完了点Nよりも前方であって、かつ第1研磨領域492の範囲内であればいかなる位置まで移動してもよい。
また、第2の研削ホイール382Aによる研削(第2の研削)は、第2の研削ホイールが第1の研削ホイールを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。同様に第2の研磨ホイール387Bによる研磨(第2の研磨)は、第2の研磨ホイールが第1の研磨ホイールを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。例えば、第2の研削の開始は、第1の研削ホイール380Aによる研削(第1の研削)と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。同様に、第2の研磨の開始は、第1の研磨ホイール385Bによる研磨(第1の研磨)と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。さらに、第2の研削ホイール382Aによる第2の研削は、第1の研磨ホイール385Bによる第1の研磨の開始前、同時、または実施中など完了前であることが好ましい。
つまり、図7(a)と(c)に示した工程が完了後に、図7(b)と(d)に示した工程を実施してもよいが、生産性の観点から、図7(a)と(c)の工程は同時、またはそれに近いタイミングで開始し、図7(a)と(c)の工程が完了する前に、図7(b)と(d)の工程を開始することが好ましい。
また、一つの研削ホイールと、2つの研磨ホイールとを組にして、研削ホイールで研削した領域を、第1の研磨ホイールで研磨し、第1の研磨ホイールで研磨した領域の少なくとも一部が重複するように第2の研磨ホイールで研磨を実施してもよい。
また、第1研磨開始点P〜第1研磨完了点Qの間で、2回目の研磨工程を実施してもよい。
その他にも各種変更が可能であることは、当業者には容易に理解できる。
(本発明の別の実施形態によるガラス基板の製造方法)
次に、本発明の別の実施形態によるガラス基板の製造方法(以下、「第2の製造方法」という)について説明する。
前述の第1の製造方法では、ガラス素材250の少なくとも一つの端面(例えば第1の端面256A)に、一つの重複研磨領域495が形成される。これに対して、第2の製造方法では、ガラス素材の一つの端面に、複数の重複研磨領域が形成される。
以下、図8〜図11を参照して、第2の製造方法について説明する。
図8には、第2の製造方法のフローを模式的に示す。また、図9〜図11には、第2の製造方法における一工程の様子を模式的に示す。
図8に示すように、第2の製造方法は、
(1)第1および第2の表面と、両表面を接続する端面とを有するガラス素材を準備する工程(工程S210)と、
(2)第2の加工装置を用いて、前記ガラス素材の前記端面を研削および研磨する工程(工程S220)と、
を有する。
以下、図9〜図11を参照して、各工程について詳しく説明する。
(工程S210)
この工程S210は、前述の第1の製造方法における工程S110と同様である。従って、この工程の詳細は、省略する。なお、以下の説明では、明確化のため、ガラス素材の各部分を表す際に、図4に示した参照符号を使用する。
(工程S220)
次に、第2の加工装置を用いて、ガラス素材250の端面が加工処理される。ここでは、一例として、ガラス素材250の第1の端面256Aが加工処理される場合を例に説明する。
(第2の加工装置)
図9には、第2の製造方法に使用され得る第2の加工装置の構成を模式的に示す。
図9に示すように、第2の加工装置500は、テーブル502と、第1〜第3の研削ホイール580A〜584Aと、第1〜第3の研磨ホイール585B〜589Bと、を備える。
このうち、テーブル502、第1および第2の研削ホイール580A、582A、ならびに第1および第2の研磨ホイール585B、587Bの構成および機能は、前述の加工装置300と同様である。そのため、ここでは詳細を省略する。
第3の研削ホイール584Aは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研削することができる。また、第3の研磨ホイール589Bは、ガラス素材250の第1の端面256Aを研磨することができる。
第1の研削ホイール580Aと第1の研磨ホイール585Bは、組になっており、第1の研磨ホイール585Bは、第1の研削ホイール580Aの研削行程を、後から追従することができる。同様に、第2の研削ホイール582Aと第2の研磨ホイール587Bは、組になっており、第2の研磨ホイール587Bは、第2の研削ホイール582Aの研削行程を、後から追従することができる。さらに、第3の研削ホイール584Aと第3の研磨ホイール589Bは、組になっており、第3の研磨ホイール589Bは、第3の研削ホイール584Aの研削行程を、後から追従することができる。
第3の研削ホイール584Aは、弾性変形が生じ難く、研削力の高い砥石で構成される。一方、第3の研磨ホイール589Bは、弾性を有し、研磨に適した砥石で構成される。
第2の加工装置500により、ガラス素材250の第1の端面256Aを加工する際には、図10に示すように、ガラス素材250が第2の加工装置500のテーブル502の上に設置される。この際には、ガラス素材250は、第1の辺260Aが第1〜第3の研削ホイール580A〜584Aと対面するようにして、テーブル302の上に設置される。
次に、第2の加工装置500の第1の研削ホイール580Aおよび第1の研磨ホイール585Bが、所定回転数で回転される。また、第2の研削ホイール582Aおよび第2の研磨ホイール587Bが、所定回転数で回転される。さらに、第3の研削ホイール584Aおよび第3の研磨ホイール589Bが、所定回転数で回転される。
次に、図10に示すように、第1の研削ホイール580Aが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺(被加工面)260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。以下、この矢印Aの方向を、「移動方向」と称する。第1の研削ホイール580Aの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aが研削される。
また、第1の研削ホイール580Aによる第1の端面256Aの研削が開始されてから暫くの後、第1の研磨ホイール585Bが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。ここで、矢印Aは、矢印Aと同じ方向、すなわち「移動方向」である。
第1の研磨ホイール585Bの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aの、第1の研削ホイール580Aによって研削された領域が研磨される。
また、第1の研削ホイール580Aによる第1の端面256Aの研削とほぼ同時に、あるいはその暫くの後、第2の研削ホイール582Aが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。第2の研削ホイール382Aの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aが研削される。
また、第2の研削ホイール582Aによる第1の端面256Aの研削が開始されてから暫くの後、第2の研磨ホイール587Bが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。
第2の研磨ホイール587Bの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aの、第2の研削ホイール582Aによって研削された領域が研磨される。
また、第2の研削ホイール582Aによる第1の端面256Aの研削とほぼ同時に、あるいはその暫くの後、第3の研削ホイール584Aが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。第3の研削ホイール584Aの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aが研削される。
また、第3の研削ホイール584Aによる第1の端面256Aの研削が開始されてから暫くの後、第3の研磨ホイール589Bが、ガラス素材250の第1の端面256Aに接触しながら、第1の辺260Aに沿って、矢印Aの方向に移動する。矢印Aは、矢印Aと同じ方向(図6におけるX方向)、すなわち「移動方向」である。
第3の研磨ホイール589Bの移動により、ガラス素材250の第1の端面256Aの、第3の研削ホイール584Aによって研削された領域が研磨される。
これにより、ガラス素材250の第1の辺260A全体の研削および研磨処理が完了し、ガラス素材250の第1の端面256Aが加工された、ガラス基板が製造される。
図11には、第1の研削ホイール580A、第1の研磨ホイール585B、第2の研削ホイール582A、第2の研磨ホイール587B、第3の研削ホイール584A、および第3の研磨ホイール589Bのそれぞれの移動軌跡を模式的に示す。
図11(a)には、第1の研削ホイール580Aの模式的な移動軌跡Fが示されており、図11(b)には、第1の研磨ホイール585Bの模式的な移動軌跡Fが示されており、図11(c)には、第2の研削ホイール582Aの模式的な移動軌跡Fが示されており、図11(d)には、第2の研磨ホイール587Bの模式的な移動軌跡Fが示されており、図11(e)には、第3の研削ホイール584Aの模式的な移動軌跡Fが示されており、図11(f)には、第3の研磨ホイール589Bの模式的な移動軌跡Fが示されている。
図11において、第1の研削ホイール580Aおよび第1の研磨ホイール585B、第2の研削ホイール582Aおよび第2の研磨ホイール587B、ならびに第3の研削ホイール584Aおよび第3の研磨ホイール589Bは、いずれもX方向(移動方向)に沿って移動し、これにより、ガラス素材250の第1の端面260Aは、Y方向に研削、研磨される(すなわち減肉される)ものとする。
図11(a)に示すように、第1の研削ホイール580Aは、第1の辺260Aの途中、すなわち第1研削開始点Mで第1の端面256Aと接触し、ここから第1の端面256Aの研削を開始する。そして、第1の研削ホイール380Aは、移動方向に沿って、第1の辺260Aの終了点Eまで研削を継続する。
その結果、ガラス素材250の第1の辺260Aに対応する第1の端面256Aは、第1研削開始点Mから終了点Eまでの領域が研削される。以下、この領域を、「第1研削領域(691)」という。
一方、図11(b)に示すように、第1の研磨ホイール585Bは、第1の辺260Aの途中、すなわち第1研磨開始点Pで第1の端面256Aと接触し、ここから第1の端面256Aの研磨を開始する。そして、第1の研磨ホイール585Bは、移動方向に沿って、第1の辺260Aの終了点Eまで研磨を継続する。
その結果、ガラス素材250の第1の端面256Aは、第1研磨開始点Pから終了点Eまでの領域が研磨される。以下、この領域を、「第1研磨領域(692)」という。
ここで、第1研磨開始点Pは、第1研削開始点Mおよび終了点Eを除く、第1研削領域691の範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
また、図11(c)に示すように、第2の研削ホイール582Aは、第1の辺260Aの途中、すなわち第2研削開始点Mで第1の端面256Aと接触し、ここから移動方向に沿って、第1の辺260Aの途中、すなわち第1移動完了点Nまで移動する。そして、第2の研削ホイール582Aは、第1移動完了点Nに到達した時点で、移動を停止する。
ここで、第2研削開始点Mは、辺260Aの開始点Sおよび第1研削開始点Mを除く、開始点S〜第1研削開始点Mの範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。また、第1移動完了点Nは、第1研削開始点Mおよびそれよりも前方のいずれの位置であってもよい。特に第1研削開始点Mよりも前方であることが好ましい。ただし、図11(c)に示すように、第1移動完了点Nは、第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定されることが好ましい。
これにより、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第2の研削ホイール582Aによって、第2研削開始点Mから第1移動完了点Nまでの領域が研削される。以下、この領域を、「第2研削領域(693)」という。
また、図11(d)に示すように、第2の研磨ホイール587Bは、第1の辺260Aの途中、すなわち第2研磨開始点Pで第1の端面256Aと接触し、ここから移動方向に沿って、第1の辺260Aの途中、すなわち第1研磨完了点Qまで移動する。そして、第2の研磨ホイール587Bは、第1研磨完了点Qに到達した時点で、移動を停止する。
その結果、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第2の研磨ホイール587Bによって、第2研磨開始点Pから第1研磨完了点Qまでの領域が研磨される。以下、この領域を、「第2研磨領域(694)」という。
第2研磨開始点Pは、第2研削開始点Mおよび第1研削開始点Mを除く、第2研削開始点M〜第1研削開始点Mの範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
ここで、図11(c)に示すように、第1移動完了点Nが第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、第1研磨完了点Qは、第1研磨開始点Pを除く、第1研磨領域692の範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
一方、第1移動完了点Nが第1研磨開始点Pよりも前方にある場合、第1研磨完了点Qは、第1移動完了点Nよりも前方の位置に設定される。
第1移動完了点Nが第1研削開始点M〜第1研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、図11(d)に示すように、第2研磨領域694のうち、第1研磨領域692と重複する領域、すなわち、第1研磨開始点P〜第1研磨完了点Qの領域では、第1の研磨ホイール385Bおよび第2の研磨ホイール387Bによる、2回の研磨処理が実施されることになる。従って、ここに第1の重複研磨領域695が形成される。
一方、第1移動完了点Nが第1研磨開始点Pよりも前方にある場合は、第1移動完了点N〜第1研磨完了点Qの領域に、第1の重複研磨領域が形成される。
また、図11(e)に示すように、第3の研削ホイール584Aは、第1の辺260Aの開始点Sで第1の端面256Aに接触し、ここから移動方向に沿って、第1の辺260Aの第2移動完了点Nまで移動する。そして、第3の研削ホイール584Aは、第2移動完了点Nに到達した時点で、移動を停止する。
第2移動完了点Nは、第2研削開始点Mおよびそれよりも前方にある、いずれの位置であっても良い。特に第2研削開始点Mよりも前方であることが好ましい。ただし、図11(e)に示すように、第2移動完了点Nは、第2研削開始点M〜第2研磨開始点Pの間の領域に設定されることが好ましい。
これにより、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第3の研削ホイール584Aによって、開始点Sから第2移動完了点Nまでの領域が研削される。以下、この領域を、「第3研削領域(696)」という。
また、図11(f)に示すように、第3の研磨ホイール589Bは、第1の辺260Aの開始点Sで第1の端面256Aに接触し、ここから移動方向に沿って、第2研磨完了点Qまで移動する。そして、第3の研磨ホイール589Bは、第2研磨完了点Qに到達した時点で、移動を停止する。
その結果、ガラス素材250の第1の辺260Aは、第3の研磨ホイール589Bによって、開始点Sから第2研磨完了点Qまでの領域が研磨される。以下、この領域を、「第3研磨領域(697)」という。
ここで、図11(e)に示すように、第2移動完了点Nが第2研削開始点M〜第2研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、第2研磨完了点Qは、第2研磨開始点Pを除く、第2研磨領域694の範囲内であれば、いずれの位置であってもよい。
一方、第2移動完了点Nが第2研磨開始点Pよりも前方にある場合、第2研磨完了点Qは、第2移動完了点Nよりも前方の位置に設定される。
第2移動完了点Nが第2研削開始点M〜第2研磨開始点Pの間の領域に設定される場合、図11(f)に示すように、第3研磨領域697のうち、第2研磨領域694と重複する領域、すなわち、第2研磨開始点P〜第2研磨完了点Qの領域では、第2の研磨ホイール587Bおよび第3の研磨ホイール589Bによる、2回の研磨処理が実施されることになる。従って、ここに第2の重複研磨領域697が形成される。
一方、第1移動完了点Nが第2研磨開始点Pよりも前方にある場合は、第2移動完了点N〜第2研磨完了点Qの領域に、第2の重複研磨領域が形成される。
以上の工程の結果、第1の端面256Aに、2箇所の重複研磨領域695、698を形成することができる。
以上、第2の加工装置500を用いた第2の製造方法について説明した。しかしながら、上記説明は、単なる一例であって、第2の製造方法において、各種変更が可能である。
例えば、前述の図11(a)に示した工程では、第1の研削ホイール580Aは、辺260Aに沿って、第1研削開始点Mから、辺260Aの終了点Eまで移動される。その結果、第1研削開始点M〜終了点Eの領域に、第1研削領域691が形成される。
しかしながら、第1の研削ホイール580Aは、第1研削開始点M〜終了点Eの間のいかなる位置で、第1の端面256Aの研削を停止してもよい。
また、前述の図11(b)に示した工程では、第1の研磨ホイール585Bは、辺260Aに沿って、第1研磨開始点Pから、辺260Aの終了点Eまで移動される。その結果、第1研磨開始点P〜終了点Eの領域に、第1研磨領域692が形成される。
しかしながら、第1の研磨ホイール585Bは、第1研磨開始点P〜終了点Eの間のいかなる位置で、第1の端面256Aの研磨を停止してもよい。
また、図11(e)に示した工程では、第3の研削ホイール584Aは、辺260Aに沿って、開始点Sから、第2移動完了点Nまで移動される。その結果、開始点S〜第2研削開始点Mの間に、第3研削領域696が形成される。
しかしながら、第3の研削ホイール584Aは、開始点S〜第2研削開始点Mの範囲のいかなる位置から、第1の端面256Aの研削を開始してもよい。
また、前述の図11(f)に示した工程では、第3の研磨ホイール589Bは、辺260Aに沿って、開始点Sから、第2研磨完了点Qまで移動される。その結果、開始点S〜第2研磨完了点Qの領域に、第3研磨領域697が形成される。
しかしながら、第3の研磨ホイール589Bは、開始点S〜第2研磨開始点Pの範囲のいかなる位置(ただし第2研磨開始点Pは除く)から、第1の端面256Aの研磨を開始してもよい。
また、前述の第2の製造方法において、第2の研削ホイール582Aによる研削(第2の研削)は、第2の研削ホイール582Aが第1の研削ホイール580Aを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。また、第3の研削ホイール584Aによる研削(第3の研削)は、第3の研削ホイール584Aが第2の研削ホイール582Aを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。
同様に、第2の研磨ホイール587Bによる研磨(第2の研磨)は、第2の研磨ホイール587Bが第1の研磨ホイール585Bを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。また、第3の研磨ホイール589Bによる研磨(第3の研磨)は、第3の研磨ホイール589Bが第2の研磨ホイール587Bを追い越さない限り、いずれのタイミングで開始してもよい。
特に、第2の研削の開始は、第1の研削と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。また、第3の研削の開始は、第2の研削と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。
同様に、第2の研磨の開始は、第1の研磨と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。また、第3の研磨の開始は、第2の研磨と同時、または実施中など完了前であることが好ましい。
さらに、第2の研削ホイール582Aによる第2の研削は、第1の研磨ホイール585Bによる第1の研磨の開始前、同時、または実施中など完了前であることが好ましい。また、第3の研削ホイール584Aによる第3の研削は、第2の研磨ホイール587Bによる第2の研磨の開始前、同時、または実施中など完了前であることが好ましい。
つまり、図11(a)、(c)および(e)に示した工程が完了後に、図11(b)、(d)および(f)に示した工程を実施してもよいが、生産性の観点から、図11(a)、(c)および(e)の工程は同時、またはそれに近いタイミングで開始し、図11(a)、(c)および(e)の工程が完了する前に、図11(b)、(d)および(f)の工程を開始することが好ましい。
その他にも、各種変更が可能である。
以上、第2の加工装置500を用いて、ガラス素材250の一つの端面256Aに、2つの重複研磨領域を形成する方法について説明した。
なお、当業者には、上記記載から、一つの端面に3つ以上の重複研磨領域を形成する方法を容易に把握することができる。例えば、加工装置にさらなる研削ホイールおよび研磨ホイールを設けることにより、一つの端面に3つ以上の重複研磨領域を形成してもよい。
以上、本発明の一実施形態について説明した。しかしながら、本発明の態様は、上記形態に限られるものではない。
例えば、上記記載では、ガラス素材が略矩形状の形状を有する場合を例に、ガラス基板の製造方法について説明した。しかしながら、ガラス素材は、その他の形状、例えばディスク状であってもよい。
ガラス素材がディスク状の場合、前記第1の製造方法および第2の製造方法の記載において、「辺」の代わりに、「周」と言う用語が使用される。また、前述の辺における開始点Sおよび終了点Eのうち、終了点Eが開始点Sと一致するものとして把握することにより、端面が「周」状の場合も、端面が「辺」状の場合と同様に、取り扱うことができる。
例えば、第1の製造方法に使用される加工装置300は、ガラス素材の周に沿って配置される複数の研削ホイールおよび複数の研磨ホイールを有する。そして、それぞれの研削ホイールおよびそれぞれの研磨ホイールは、ガラス素材の周方向に対応する、「移動方向」に沿って移動される。
その他にも、各種変更が可能であることは、当業者には容易に理解される。
110 第1のガラス基板
112 第1の表面
114 第2の表面
116A 第1の端面
116B 第2の端面
116C 第3の端面
116D 第4の端面
120 一般領域
122 平滑領域
250 ガラス素材
252 第1の表面
254 第2の表面
256A〜256D 端面
260A〜260D 辺(被加工面)
300 加工装置
302 テーブル
380A 第1の研削ホイール
382A 第2の研削ホイール
385B 第1の研磨ホイール
387B 第2の研磨ホイール
491 第1研削領域
492 第1研磨領域
493 第2研削領域
494 第2研磨領域
495 重複研磨領域
500 第2の加工装置
502 テーブル
570 第1の加工手段
572 第2の加工手段
574 第3の加工手段
580A 第1の研削ホイール
580B 第1の研磨ホイール
582A 第2の研削ホイール
582B 第2の研磨ホイール
584A 第3の研削ホイール
584B 第3の研磨ホイール
691 第1研削領域
692 第1研磨領域
693 第2研削領域
694 第2研磨領域
695 第1の重複研磨領域
696 第3研削領域
697 第3研磨領域
698 第2の重複研磨領域
E 終了点
第1研削開始点
第2研削開始点
第1移動完了点
第2移動完了点
第1研磨開始点
第2研磨開始点
第1研磨完了点
第2研磨完了点
S 開始点

Claims (15)

  1. 2つの表面をつなぐ端面を有するガラス基板であって、
    前記端面の少なくとも一部には、平滑領域が配置されており、該平滑領域は、前記端面のその他の領域に比べて平滑な表面を有し、
    前記端面の前記その他の領域を一般領域と称し、
    前記一般領域の算術平均粗さをRa(1)とし、前記平滑領域の算術平均粗さをRa(2)としたとき、比Ra(2)/Ra(1)は、0.8以下であることを特徴とするガラス基板。
  2. 前記端面は、第1の長さLおよび第2の長さLを有し、ここでL≧Lであり、
    前記平滑領域は、前記第1の長さLの方向において、1mm以上の全長を有する、請求項1に記載のガラス基板。
  3. 前記平滑領域は、前記第1の長さLの方向において、10mm以下の全長を有する、請求項2に記載のガラス基板。
  4. 前記平滑領域は、前記端面に複数存在する、請求項1乃至3のいずれか一つに記載のガラス基板。
  5. 当該ガラス基板は、矩形状であり、第1乃至第4の端面を有し、
    前記端面は、前記第1乃至第4の端面のうちの少なくとも一つである、請求項1乃至4のいずれか一つに記載のガラス基板。
  6. 前記Ra(1)は、0.2μm以下である、請求項1乃至5のいずれか一つに記載のガラス基板。
  7. ガラス基板の製造方法であって、
    (1)第1および第2の表面と、両表面を接続する端面とを有するガラス素材を準備する工程と、
    (2)加工装置を用いて、前記ガラス素材の前記端面を研削および研磨する工程と、
    を有し、
    前記端面は、前記ガラス素材の上面視、開始点Sから終了点Eまでの被加工面として視認され、
    前記加工装置は、第1の研削ホイールおよび第1の研磨ホイールと、第2の研削ホイールおよび第2の研磨ホイールとを有し、
    前記第1および第2の研削ホイールは、移動方向と呼ばれる、前記開始点Sから前記終了点Eに向かう方向に、前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面を研削することができ、
    前記第1の研磨ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面の、前記第1の研削ホイールにより研削された領域を研磨することができ、前記第2の研磨ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面の、前記第2の研削ホイールにより研削された領域を研磨することができ、
    前記(2)の工程では、
    (2−1)前記第1の研削ホイールは、第1研削開始点Mと呼ばれる前記被加工面の開始点Sおよび終了点Eを除く位置から、前記移動方向に沿って前記前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面には、第1研削領域と呼ばれる領域が形成され、
    (2−2)前記第1の研磨ホイールは、第1研磨開始点Pと呼ばれる、前記第1研削領域内の第1研削開始点Mを除くいずれかの位置から、前記移動方向に沿って前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面には、第1研磨領域と呼ばれる領域が形成され、
    (2−3)前記第2の研削ホイールは、第2研削開始点Mと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第1移動完了点Nと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面は、前記第2研削開始点M〜前記第1移動完了点Nまでの、第2研削領域と呼ばれる領域が研削され、
    前記第2研削開始点Mは、前記開始点S〜前記第1研削開始点Mの間に存在し、
    前記第1移動完了点Nは、
    (i)前記第1研磨開始点Pを除く、前記第1研削開始点M〜前記第1研磨開始点Pの間に存在し、または
    (ii)前記第1研磨開始点P〜終了点Eの間に存在し、
    (2−4)前記第2の研磨ホイールは、第2研磨開始点Pと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第1研磨完了点Qと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面は、前記第2研磨開始点P〜前記第1研磨完了点Qまでの、第2研磨領域と呼ばれる領域が研磨され、
    前記第2研磨開始点Pは、前記第2研削開始点M〜前記第1研削開始点Mの間に存在し、
    前記第1研磨完了点Qは、前記(i)の場合、前記第1研磨開始点Pを除く、前記第1研磨領域内に存在し、前記(ii)の場合、前記第1研磨開始点P〜前記第1移動完了点Nを除く、前記第1研磨領域内に存在し、
    前記(i)の場合、前記端面の前記第1研磨開始点P〜前記第1研磨完了点Qの間に、前記第1および第2の研磨ホイールで研磨された、(第1の)重複研磨領域が形成され、
    前記(ii)の場合、前記端面の前記第1移動完了点N〜前記第1研磨完了点Qの間に、前記第1および第2の研磨ホイールで研磨された、(第1の)重複研磨領域が形成される、ガラス基板の製造方法。
  8. 前記(2−3)の工程は、前記(2−1)の工程の完了前に開始される、請求項7に記載のガラス基板の製造方法。
  9. 前記(2−3)の工程は、前記(2−2)の工程の完了前に開始される、請求項7または8に記載のガラス基板の製造方法。
  10. 前記(2−1)において、前記第1の研削ホイールは、前記第1研削開始点Mから前記終了点Eまで移動し、
    前記(2−2)において、前記第1の研磨ホイールは、前記第1研磨開始点Pから前記終了点Eまで移動する、請求項7乃至9のいずれか一つに記載のガラス基板の製造方法。
  11. 前記(2−3)における前記第2研削開始点Mは、前記被加工面の開始点Sであり、
    前記(2−4)における前記第2研磨開始点Pは、前記被加工面の開始点Sである、請求項7乃至10のいずれか一つに記載のガラス基板の製造方法。
  12. 前記第1の研削ホイールおよび/または第2の研削ホイールは、ダイヤモンド砥粒を有するメタルボンド砥石または電着砥石を有する、請求項7乃至11のいずれか一つに記載のガラス基板の製造方法。
  13. 第1の研磨ホイールおよび/または第2の研磨ホイールは、ラバー、不織布、または樹脂製の砥石を有する、請求項7乃至12のいずれか一つに記載のガラス基板の製造方法。
  14. 前記加工装置は、さらに、第3の研削ホイールと、第3の研磨ホイールとを有し、
    前記第3の研削ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面を研削することができ、
    前記第3の研磨ホイールは、前記移動方向に前記被加工面に沿って移動することにより、前記ガラス素材の前記端面の、前記第3の研削ホイールにより研削された領域を研磨することができ、
    前記(2)の工程では、
    (2−5)前記第3の研削ホイールは、第3研削開始点Mと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第2移動完了点Nと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面は、前記第3研削開始点M〜前記第2移動完了点Nまでの、第3研削領域と呼ばれる領域が研削され、
    前記第3研削開始点Mは、前記開始点S〜前記第2研削開始点Mの間に存在し、
    前記第2移動完了点Nは、
    (iii)前記第2研磨開始点Pを除く、前記第2研削開始点M〜前記第2研磨開始点Pの間に存在し、または
    (iv)前記第2研磨開始点P〜終了点Eの間に存在し、
    (2−6)前記第3の研磨ホイールは、第3研磨開始点Pと呼ばれる位置から、前記移動方向に沿って、第2研磨完了点Qと呼ばれる位置まで前記被加工面を移動し、
    これにより、前記端面は、前記第3研磨開始点P〜前記第2研磨完了点Qまでの、第3研磨領域と呼ばれる領域が研磨され、
    前記第3研磨開始点Pは、前記第3研削開始点M〜前記第2研削開始点Mの間に存在し、
    前記第2研磨完了点Qは、前記(iii)の場合、前記第2研磨開始点Pを除く、前記第2研磨領域内に存在し、前記(iv)の場合、前記第2研磨開始点P〜前記第2移動完了点Nを除く、前記第2研磨領域内に存在し、
    前記(iii)の場合、前記端面の前記第2研磨開始点P〜前記第2研磨完了点Qの間に、前記第2および第3の研磨ホイールで研磨された、第2の重複研磨領域が形成され、
    前記(iv)の場合、前記端面の前記第2移動完了点N〜前記第2研磨完了点Qの間に、前記第2および第3の研磨ホイールで研磨された、第2の重複研磨領域が形成され、る、請求項7乃至13のいずれか一つに記載のガラス基板の製造方法。
  15. 前記(2−5)における前記第3研削開始点Mは、前記被加工面の開始点Sであり、
    前記(2−6)における前記第3研磨開始点Pは、前記被加工面の開始点Sである、請求項14に記載のガラス基板の製造方法。
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